JP2002295212A - バルブタイミング調整装置およびその製造方法 - Google Patents

バルブタイミング調整装置およびその製造方法

Info

Publication number
JP2002295212A
JP2002295212A JP2001100456A JP2001100456A JP2002295212A JP 2002295212 A JP2002295212 A JP 2002295212A JP 2001100456 A JP2001100456 A JP 2001100456A JP 2001100456 A JP2001100456 A JP 2001100456A JP 2002295212 A JP2002295212 A JP 2002295212A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
groove
peripheral wall
valve timing
vane
timing adjusting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001100456A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayasu Ushida
正泰 牛田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2001100456A priority Critical patent/JP2002295212A/ja
Publication of JP2002295212A publication Critical patent/JP2002295212A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Milling Processes (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール部材を嵌合する嵌合溝を短時間でかつ
高精度に加工するバルブタイミング調整装置の製造方法
を提供する。 【解決手段】 母材100は、周壁12、各シューおよ
びフロントプレート13の母材であり、アルミダイカス
トにより一体成形したものである。母材100をダイカ
スト成形するとき、切削加工で仕上げる前の嵌合溝15
の元溝101を同一工程で成形する。元溝101の底側
の幅はシール部材を挿入する側の内側面102同士が形
成する幅よりも広く、かつ元溝101を切削するエンド
ミルの回転径よりも広い。元溝101の向き合う内側面
102をエンドミルの外周刃が切削し、内側面102の
間に位置するフロントプレート13側の元溝101の端
面103をエンドミルの底刃が切削する。元溝101の
深さはエンドミルの外周刃の切削深さよりも深くなるよ
うに設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関(以下、
「内燃機関」をエンジンという)の吸気弁および排気弁
の少なくともいずれか一方の開閉タイミング(以下、
「開閉タイミング」をバルブタイミングという)を運転
条件に応じて変更するためのバルブタイミング調整装置
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンのクランクシャフトから
駆動力を受けるハウジング部材内にカムシャフトととも
に回転するベーン部材を相対回動自在に収容し、ハウジ
ング部材に対するベーン部材の位相、つまりクランクシ
ャフトとカムシャフトとの相対回動による位相差を油圧
制御することにより、吸気弁および排気弁の少なくとも
いずれか一方のバルブタイミングを調整するベーン式の
バルブタイミング調整装置が知られている。
【0003】ハウジング部材は、環状の周壁と、周壁か
ら径方向内側に延び回転方向に配置されている仕切部材
と、回転軸方向両側で周壁と接続している側壁とを有し
ている。回転方向に隣接する仕切部材の間に収容室が形
成され、収容室にベーン部材のベーンが収容されてい
る。ベーンは収容室を遅角室と進角室とに仕切ってい
る。ベーンはベーン部材の回転中心部材の外周から径方
向外側に延び回転方向に配置されている。ハウジング部
材に対するベーン部材の相対角度範囲を大きくしても仕
切部材の回転方向両側に位置している遅角室と進角室と
の間を確実にシールするため、仕切部材の内周壁に回転
軸方向に延びて形成した嵌合溝にシール部材を嵌合する
ことが考えられる。
【0004】周壁および仕切部材を両側壁と別体に、例
えば焼結により成形する場合、仕切部材の回転軸方向両
側に達するように嵌合溝を容易にかつ高精度に形成でき
る。したがって、両側壁と別体に周壁と仕切部材とを一
体に成形するときに、嵌合溝を切削加工することなく高
精度に形成できる。また、ハウジング部材の部品点数を
低減し組付工数を低減するため、ダイカスト成形や鍛造
等により周壁と仕切部材と一方の側壁とを一体成形する
ことが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、周壁と
仕切部材と一方の側壁とを一体成形する場合、嵌合溝の
一方の回転軸方向側が一方の側壁で塞がれており、また
ダイカスト成形する場合に型抜き勾配が生じるので、周
壁と仕切部材と一方の側壁とを一体成形するとき、同一
成形工程で嵌合溝を高精度に成形することができない。
【0006】周壁と仕切部材と一方の側壁とを一体成形
した後に嵌合溝の一方の側壁側端面をエンドミルの底刃
で切削し、嵌合溝の内側面をエンドミルの外周刃で切削
すると、嵌合溝の底が凹んだ円形になる。すると、嵌合
溝の底面に接触しベーン部材の中心部材に向けシール部
材を付勢する付勢手段、特に板ばねの安定が悪くなる。
さらに、ハウジング部材に対するベーン部材の相対回動
に伴いシール部材が回転方向に動くとき、板ばねが嵌合
溝の底面に沿って滑らかに動きにくいという問題があ
る。板ばねの安定が悪くなり、板ばねが嵌合溝の底面と
接触し滑らかに動かないと、シール部材を付勢する板ば
ねの方向および付勢力にばらつきが生じ、遅角室と進角
室との間を確実にシールできなくなる恐れがある。
【0007】本発明の目的は、シール部材を嵌合する嵌
合溝を短時間でかつ高精度に加工するバルブタイミング
調整装置およびその製造方法を提供することにある。本
発明の他の目的は、シール部材を付勢する板ばねの付勢
方向および付勢力のばらつきを防止するバルブタイミン
グ調整装置の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
バルブタイミング調整装置の製造方法によると、周壁、
仕切部材および一方の側壁を一体成形するとき嵌合溝の
元溝を同一成形工程で成形する。径方向外側方向の元溝
の深さは、元溝を切削するときにエンドミルの外周刃が
到達する深さよりも深い。エンドミルが回転しながら元
溝を切削するときに、元溝の底を切削しないので、エン
ドミルが同時に切削する箇所が1箇所減る。エンドミル
の切削抵抗が減少するとともに、切削くずが元溝の底と
エンドミルとの間から排出されやすいので、元溝を高精
度に加工できるとともに、加工時間が減少する。
【0009】本発明の請求項2記載のバルブタイミング
調整装置の製造方法によると、元溝の底側は一方の側壁
側に凹んでいるので、元溝の一方の側壁側の端面を切削
するエンドミルの底刃が元溝の底側に移動したとき、底
刃が一方の側壁側の端面を切削する面積が小さくなり切
削抵抗が減少する。したがって、元溝を高精度に加工で
きるとともに、加工時間が減少する。
【0010】シール部材が遅角室と進角室との間を確実
にシールするため、シール部材が接触する嵌合溝のシー
ル部材を挿入する側の内側面を高精度に切削加工する必
要がある。しかし、シール部材とシール部材を挿入する
側の内側面との間に十分なシール長が確保されていれ
ば、元溝の底側の内側面を切削する必要はない。本発明
の請求項3記載のバルブタイミング調整装置の製造方法
によると、元溝の底側の幅は元溝のシール部材を挿入す
る側の幅、かつエンドミルの回転径よりも広いので、切
削の不要な元溝の底側の内側面をエンドミルが切削する
ことを確実に防止し、切削抵抗を減少することができ
る。
【0011】本発明の請求項4記載のバルブタイミング
調整装置の製造方法によると、元溝の底面の平面幅は中
心部材の外周面に向けシール部材を付勢する板ばねの幅
よりも広いので、板ばねは安定して嵌合溝の底面に接触
し、シール部材の動きに合わせ滑らかに嵌合溝の底面と
摺動する。中心部材に向けてシール部材を付勢する板ば
ねの付勢方向および付勢力がばらつかないので、遅角室
と進角室との間を確実にシールできる。
【0012】本発明の請求項5記載のバルブタイミング
調整装置の製造方法によると、エンドミルは、元溝のシ
ール部材を挿入する側の両内側面と、一方の側壁側の端
面とを同時に切削する。エンドミルは多くても3箇所し
か同時に切削しないので、切削抵抗が小さく、元溝を高
精度に短時間で切削できる。
【0013】本発明の請求項6記載のバルブタイミング
調整装置によると、周壁、仕切部材および一方の側壁を
一体成形しているので、仕切部材の内周壁に軸方向に延
びている嵌合溝の一方の側壁側は塞がれている。したが
って、周壁、仕切部材および一方の側壁をダイカスト成
形や鍛造で一体成形するときに嵌合溝を同一成形工程で
高精度に成形することは困難であり、エンドミル等を用
い嵌合溝を切削加工する必要がある。しかし、シール部
材とシール部材を挿入する側の嵌合溝の内側面との間に
十分なシール長が確保されていれば、嵌合溝の底側の内
側面を切削する必要はない。嵌合溝の底側の幅を嵌合溝
のシール部材を挿入する側の幅よりも広くしていること
により、切削の不要な嵌合溝の底側の内側面をエンドミ
ルが切削することを防止し、切削抵抗を減少することが
できる。
【0014】本発明の請求項7記載のバルブタイミング
調整装置によると、嵌合溝の底側は一方の側壁側に凹ん
でいるので、嵌合溝の一方の側壁側の端面を切削すると
き、一方の側壁側の端面を切削する面積が小さくなり切
削抵抗が減少する。したがって、嵌合溝を高精度に加工
できるとともに、加工時間が減少する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を示す
複数の実施例を図に基づいて説明する。 (第1実施例)本発明の第1実施例によるバルブタイミ
ング調整装置を図1および図2に示す。図2は、図1に
示す横断面図をストッパピストン31、油路60、ボル
ト21、ピン22、進角油路72、シール部材25およ
びボルト20を通って切断した縦断面図である。本実施
例のバルブタイミング調整装置1は油圧制御式であり、
吸気弁のバルブタイミングを調整するものである。
【0016】図2に示すように、駆動側回転体としての
ハウジング部材10は、他方の側壁であるチェーンスプ
ロケット11、周壁12および一方の側壁であるフロン
トプレート13を有している。周壁12と、仕切部材と
してのシュー12a、12b、12c、12dとフロン
トプレート13とは一体に形成されている。チェーンス
プロケット11、周壁12およびフロントプレート13
はボルト20により同軸上に固定されている。チェーン
スプロケット11は、図示しないチェーンにより図示し
ないエンジンの駆動軸としてのクランクシャフトと結合
して駆動力を伝達され、クランクシャフトと同期して回
転する。
【0017】従動軸としてのカムシャフト2は、バルブ
タイミング調整装置1を介しクランクシャフトの駆動力
を伝達され、図示しない吸気弁を開閉駆動する。カムシ
ャフト2は、チェーンスプロケット11に対し所定の位
相差をおいて回動可能である。ハウジング部材10およ
びカムシャフト2は図2に示す矢印A方向からみて時計
方向に回転する。以下この回転方向を進角方向とする。
【0018】図1に示すように、台形状に形成されたシ
ュー12a、12b、12c、12dは周壁12から径
方向内側に延びており、周壁12の回転方向にほぼ等間
隔に配置されている。シュー12a、12b、12c、
12dの内周面は断面円弧状に形成されている。シュー
12a、12b、12c、12dのベーンロータ16の
ボス部16eと向き合う側の回転方向両側角部はベーン
16a、16b、16c、16dと当接しないように切
り欠かれている。シュー12a、12b、12c、12
dにより回転方向に四箇所形成される間隙にはそれぞれ
ベーン16a、16b、16c、16dを収容する扇状
の収容室50が形成されている。
【0019】図3に示すように、各シューにはシール部
材25を嵌合する嵌合溝15が形成されている。図3
は、チェーンスプロケット11側からみた周壁12、各
シューおよびフロントプレート13である。嵌合溝15
の底側の幅は、嵌合溝15のシール部材25を挿入する
側の回転方向に向き合う内側面15a同士が形成する幅
よりも広くなっている。また、嵌合溝15のフロントプ
レート13側の端面15bはフロントプレート13の内
側面13bよりも凹んでいる。嵌合溝15の底面の平面
幅は、中心部材としてのボス部16eの外周面に向けて
シール部材25を付勢する板ばね26の幅よりも広い。
【0020】ベーン部材としてのベーンロータ16は、
ボス部16eと、ボス部16eの外周側に回転方向にほ
ぼ等間隔に配置されたベーン16a、16b、16c、
16dとを有している。ベーン16a、16b、16
c、16dは各収容室50内に回動可能に収容されてい
る。各ベーンは、各収容室50を仕切り遅角油圧室と進
角油圧室とに二分している。図1に示す遅角方向、進角
方向を表す矢印は、ハウジング部材10に対するベーン
ロータ16の遅角方向、進角方向を表している。従動側
回転体としてのベーンロータ16はカムシャフト2の回
転軸方向端面と当接し、ボルト21によりカムシャフト
2に一体に固定されている。カムシャフト2に対するベ
ーンロータ16の回転方向の位置決めは、図2に示すピ
ン22により行われている。
【0021】ハウジング部材10とベーンロータ16と
は相対回動可能であり、ハウジング部材10の回転軸方
向両側の内側壁とベーンロータ16の回転軸方向両側の
外側壁、ならびに周壁12および各シューの内周壁とベ
ーンロータ16の外周壁とは互いに向かい合い摺動して
いる。
【0022】図1に示すように、シール部材25は半径
方向に向き合う各シューとボス部16eとの間に形成さ
れている摺動隙間に配設され、シール部材27は半径方
向に向き合う周壁12と各ベーンとの間に形成されてい
る摺動隙間に配設されている。シール部材25は、シュ
ー12a、12b、12c、12dの内周壁に形成され
ている嵌合溝15(図3参照)に嵌合している。シール
部材27は、ベーン16a、16b、16c、16dに
形成されている嵌合溝に嵌合している。各遅角油圧室と
各進角油圧室との間に作動油が漏れることをシール部材
25、27により防止している。シール部材25は長板
状の板ばね26の付勢力によりボス部16eの外周面に
向け付勢されている。板ばね26の両端はシール部材2
5の反ボス部16e側に嵌合している。
【0023】図2に示すように、円筒状のガイドリング
30がベーン16aに圧入されている。円筒状に形成さ
れた当接部としてのストッパピストン31はガイドリン
グ30に回転軸方向に摺動可能に収容されている。被当
接部としての嵌合リング36はチェーンスプロケット1
1に形成された凹部11aに圧入保持されている。スト
ッパピストン31は嵌合リング36に当接し嵌合可能で
ある。ストッパピストン31および嵌合リング36の当
接側はテーパ状に形成されているので、ストッパピスト
ン31は嵌合リング36に滑らかに嵌合する。当接付勢
手段としてのスプリング37は嵌合リング36側にスト
ッパピストン31を付勢している。ストッパピストン3
1、嵌合リング36およびスプリング37は拘束手段を
構成している。
【0024】油圧室40および油圧室41に供給される
作動油の圧力は、嵌合リング36からストッパピストン
31が抜け出す方向に働く。油圧室40は進角油圧室5
5(図1参照)と連通し、油圧室41は油路66を介し
遅角油圧室51(図1参照)と連通している。ストッパ
ピストン31の先端部は、ハウジング部材10に対し最
遅角位置にベーンロータ16が位置するとき嵌合リング
36に嵌合可能である。ストッパピストン31が嵌合リ
ング36に嵌合した状態においてハウジング部材10に
対するベーンロータ16の相対回動は拘束されている。
【0025】ハウジング部材10に対しベーンロータ1
6が最遅角位置から進角側に回転するとストッパピスト
ン31と嵌合リング36との回転方向位置がずれること
により、ストッパピストン31は嵌合リング36に嵌合
不能になる。
【0026】フロントプレート13に形成された連通路
13aと、ストッパピストン31の嵌合リング36と反
対側に形成されている収容孔38とは、ハウジング部材
10に対しベーンロータ16が最遅角位置にあるとき互
いに連通する。連通路13aは大気開放されているの
で、最遅角位置におけるストッパピストン31の往復移
動が妨げられない。
【0027】図1に示すように、シュー12aとベーン
16aとの間に遅角油圧室51が形成され、シュー12
bとベーン16bとの間に遅角油圧室52が形成され、
シュー12cとベーン16cとの間に遅角油圧室53が
形成され、シュー12dとベーン16dとの間に遅角油
圧室54が形成されている。また、シュー12dとベー
ン16aとの間に進角油圧室55が形成され、シュー1
2aとベーン16bとの間に進角油圧室56が形成さ
れ、シュー12bとベーン16cの間に進角油圧室57
が形成され、シュー12cとベーン16dの間に進角油
圧室58が形成されている。
【0028】図2に示すように、カムシャフト2の外周
壁に環状の溝油路204、205が形成されている。さ
らにカムシャフト2には、溝油路204と連通する油路
200、201(油路201は図示せず)、溝油路20
5と連通する油路202が軸方向に延びて形成されてい
る。油路200、201は、カムシャフト2のベーンロ
ータ16側端面まで達している。油路202は、カムシ
ャフト2のベーンロータ16側の外周壁に形成した環状
の溝油路203と連通している。
【0029】溝油路204は油路206を介し、溝油路
205は油路207を介し切換弁220と接続してい
る。油供給路208はモータ211で駆動される油ポン
プ210と接続しており、油排出路209はドレイン2
12に向け開放されている。油ポンプ210はドレイン
212から汲み上げた作動油を切換弁220を介し各油
圧室に供給する。
【0030】切換弁220の弁部材221は、スプリン
グ222により一方向に付勢されており、ソレノイド2
23への通電を制御することにより往復移動する。ソレ
ノイド223への通電は、図示しないエンジン制御装置
(ECU)により制御される。弁部材221が往復移動
することにより、油路206、207と油供給路20
8、油排出路209との連通の組み合わせ、および遮断
が切り換わる。
【0031】油路60、63(図1参照)は回転軸方向
にベーンロータ16を貫通して形成されている。油路6
0は油路200と連通し、油路63は油路201と連通
している。油路60と連通する分配油路61、62、な
らびに油路63と連通する分配油路64、65は、ボス
部16eの外周側の回転軸方向のほぼ中央から穿孔さ
れ、それぞれ油路60、63と連通するように形成され
ている。分配油路61は遅角油圧室51、分配油路62
は遅角油圧室52、分配油路64は遅角油圧室53、分
配油路65は遅角油圧室54と連通している。分配油路
61、62、64、65は各ベーンの根元に開口してい
る。また、遅角油圧室51と油圧室41とを連通する油
路66がベーン16aに形成されている。
【0032】カムシャフト2に形成した溝油路203か
ら作動油を供給される側のチェーンスプロケット11の
内側壁の中心部にほぼ90度間隔に、進角油路70、7
1、72、73が形成されている。進角油路70は進角
油圧室55および油圧室40、進角油路71は進角油圧
室56、進角油路72は進角油圧室57、進角油路73
は進角油圧室58とそれぞれ連通している。以上の油路
構成により、油ポンプ210から遅角油圧室51、5
2、53、54、進角油圧室55、56、57、58な
らびに油圧室40、41に作動油を供給可能になるとと
もに、各油圧室からドレイン212へ作動油を排出可能
になる。
【0033】次に、バルブタイミング調整装置1の作動
を説明する。エンジン通常運転時、油圧室40または油
圧室41に供給する作動油の油圧によりストッパピスト
ン31は嵌合リング36から抜け出しているので、ハウ
ジング部材10に対しベーンロータ16は相対回動自在
である。そして、各油圧室に加わる油圧を制御すること
により、クランクシャフトに対するカムシャフト2の位
相差を調整する。
【0034】エンジンが停止するときソレノイド223
への通電をオフすると、エンジンが停止するまでにカム
シャフト2が受ける変動トルクによりベーンロータ16
は進角側から遅角側に回転し、最遅角位置に達するとス
トッパピストン31はスプリング37の付勢力により嵌
合リング36に嵌合する。ストッパピストン31が嵌合
リング36に嵌合すると、ハウジング部材10に対する
ベーンロータ16の相対回動が拘束される。
【0035】エンジンが再始動しても、遅角油圧室5
1、52、53、54、進角油圧室55、56、57、
58に作動油が供給されるまでは油圧室41および油圧
室40にも作動油が供給されないので、ストッパピスト
ン31は嵌合リング36に嵌合したままであり、クラン
クシャフトに対しカムシャフト2は最遅角位置に保持さ
れている。これにより、作動油が各油圧室に供給される
までの間、ハウジング部材10とベーンロータ16とが
カムシャフト2が受ける変動トルクにより衝突すること
を防止する。
【0036】各遅角油圧室または各進角油圧室に作動油
が供給され、油圧室41または油圧室40に作動油が供
給されると、ストッパピストン31は図1の左側に力を
受けるので、スプリング37の付勢力に抗して嵌合リン
グ36からストッパピストン31が抜け出す。これによ
り、ハウジング部材10とベーンロータ16との拘束が
解除されるので、遅角油圧室51、52、53、54、
進角油圧室55、56、57、58に加わる作動油圧に
よりハウジング部材10に対してベーンロータ16が相
対回動し、クランクシャフトに対するカムシャフト2の
相対位相差が調整される。
【0037】次に、シール部材25を嵌合する嵌合溝1
5の製造工程を図4に基づいて説明する。図4の(A)
に示す母材100は、周壁12、各シューおよびフロン
トプレート13の母材であり、アルミダイカストにより
一体成形したものである。母材100をダイカスト成形
するとき、切削加工で仕上げる前の嵌合溝15の元溝1
01を同一工程で成形する。元溝101の底側の幅はシ
ール部材25を挿入する側の内側面102同士が形成す
る幅よりも広く、かつ元溝101を切削する切削工具で
あるエンドミルの回転径よりも広い。図4の(A)に示
す二点鎖線110は、エンドミルの切削軌跡を示してい
る。内側面102同士が形成する幅よりもエンドミルの
回転径の方が大きい。また、元溝101の底面の平面幅
は、板ばね26の幅よりも広くなるように成形されてい
る。
【0038】元溝101の向き合う内側面102をエン
ドミルの外周刃が切削し、内側面102の間に位置する
フロントプレート13側の元溝101の端面103をエ
ンドミルの底刃が切削する。径方向外側方向の元溝10
1の深さはエンドミルの外周刃の切削深さよりも深くな
るように設定されている。つまり、内側面102の最も
底側を切削するときにエンドミルは元溝101の底面に
接触しない。切削後の状態を図4の(B)および(C)
に示す。図4の(C)に示すように、元溝101の底側
のフロントプレート13側の端面104はフロントプレ
ート13の内側面13bよりも凹んでいるので、内側面
102の最も底側を切削するときにエンドミルは端面1
04と接触せず端面103を切削する面積は小さくなっ
ている。端面104は切削されないので、端面15bと
同一である。エンドミルが元溝101を切削する箇所は
多くても3箇所であり、元溝101の底側のように加工
後に板ばね26が収容され切削加工不要な箇所を切削し
ないので、エンドミルの切削抵抗が減少し、元溝101
を短時間で高精度に加工できる。
【0039】第1実施例では嵌合溝15の底面の平面幅
が板ばね26の幅よりも広いので、板ばね26が嵌合溝
15の底面と安定して接触するととともに、シール部材
25が嵌合溝15内を回転方向に僅かに移動するとき、
板ばね26が嵌合溝15の底面と滑らかに摺動する。し
たがって、ボス部16eの外周面に向けシール部材25
を付勢する板ばね26の付勢方向および付勢力がばらつ
かない。したがって、各シューの回転方向両側に位置す
る進角油圧室と遅角油圧室との間を確実にシールでき
る。
【0040】(第2実施例)本発明の第2実施例を図5
に示す。第1実施例と実質的に同一構成部分に同一符号
を付す。図5の(A)に示す母材150は、周壁12、
各シューおよびフロントプレート13の母材であり、ア
ルミダイカストにより一体成形したものである。母材1
50をダイカスト成形するとき、切削加工で仕上げる前
の嵌合溝180の元溝160を同一工程で成形する。元
溝160の回転方向に向き合う内側面161同士が形成
する幅は、シール部材25を挿入する側から底側までほ
ぼ同一である。図5の(A)に示す二点鎖線170は、
エンドミルの切削軌跡を示している。内側面161同士
が形成する幅よりもエンドミルの回転径の方が大きい。
【0041】エンドミルの外周刃が向き合う内側面16
1を切削し、エンドミルの底刃が内側面161の間に位
置するフロントプレート13側の端面162を切削す
る。径方向外側方向の元溝160の深さはエンドミルの
外周刃の切削深さよりも深くなるように設定されてい
る。つまり、エンドミルの外周刃は元溝160の底面に
接触しない。切削後の状態を図5の(B)および(C)
に示す。図5の(C)に示すように、元溝160の底側
のフロントプレート13側の端面163はフロントプレ
ート13の内側面13bよりも凹んでいるので、内側面
161の最も底側を切削するとき、エンドミルは端面1
63と接触せずエンドミルが端面162を切削する面積
は小さくなっている。エンドミルが元溝160を切削す
る箇所は多くても3箇所であり、元溝160の底側のよ
うに加工後に板ばね26が収容され切削加工不要な箇所
を切削しないので、エンドミルの切削抵抗が減少し、元
溝160を短時間で高精度に加工できる。
【0042】以上説明した本発明の上記複数の実施例で
は、アルミダイカスト成形により周壁12、各シューお
よびフロントプレート13を一体成形したが、鍛造で一
体成形してもよい。上記複数の実施例では、吸気弁を駆
動するバルブタイミング調整装置について説明したが、
上記複数の実施例のバルブタイミング調整装置により排
気弁だけ、あるいは吸気弁および排気弁の両方を駆動す
ることも可能である。
【0043】上記複数の実施例では、ストッパピストン
が軸方向に移動して嵌合リングに嵌合したが、ストッパ
ピストンが半径方向に移動し嵌合リングに嵌合する構成
にすることも可能である。また上記複数の実施例では、
チェーンスプロケットによりクランクシャフトの回転駆
動力をカムシャフトに伝達する構成を採用したが、タイ
ミンプーリまたはタイミングギア等を用いる構成にする
ことも可能である。また、駆動軸としてのクランクシャ
フトの駆動力をベーン部材で受け、従動軸としてのカム
シャフトとハウジング部材とを一体に回転させることも
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるバルブタイミング調
整装置を示す図2のI−I線断面図である。
【図2】第1実施例によるバルブタイミング調整装置を
示す縦断面図である。
【図3】第1実施例の嵌合溝の製造工程を示しており、
(A)は切削前の嵌合溝の元溝を示す説明図であり、
(B)は切削後の嵌合溝を示す説明図であり、(C)は
(B)のC−C線断面図である。
【図4】第1実施例による嵌合溝の製造工程を示す説明
図である。
【図5】第2実施例の嵌合溝の製造工程を示しており、
(A)は切削前の嵌合溝の元溝を示す説明図であり、
(B)は切削後の嵌合溝を示す説明図であり、(C)は
(B)のC−C線断面図である。
【符号の説明】
1 バルブタイミング調整装置 2 カムシャフト(従動軸) 10 ハウジング部材 11 チェーンスプロケット(ハウジング部材、側
壁) 12 周壁(ハウジング部材) 12a、12、12c、12d シュー(仕切部
材) 13 フロントプレート(ハウジング部材、側壁) 13a 内側面 15、180 嵌合溝 15a 内側面 16 ベーンロータ(ベーン部材) 16a、16b、16c、16d ベーン(ベーン部
材) 16e ボス部(中心部材) 25、27 シール部材 26 板ばね 31 ストッパピストン 36 嵌合リング 37 スプリング 101、160 元溝 102、161 内側面 103、162 端面 104、163 端面

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の駆動軸から吸気弁および排気
    弁の少なくともいずれか一方を開閉駆動する従動軸に駆
    動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記吸気弁お
    よび前記排気弁の少なくともいずれか一方の開閉タイミ
    ングを調整するバルブタイミング調整装置の製造方法に
    おいて、 前記駆動軸または前記従動軸の一方と回転するハウジン
    グ部材であって、周壁、回転軸方向両側で前記周壁と接
    続している側壁、ならびに前記周壁から径方向内側に延
    びて回転方向に配置されている仕切部材を有し、前記周
    壁、前記仕切部材および前記両側壁のうち一方の側壁を
    一体成形しているハウジング部材と、 前記駆動軸または前記従動軸の他方と回転するベーン部
    材であって、回転中心部材、ならびに前記回転中心部材
    の外周から径方向外側に延び回転方向に配置されてお
    り、回転方向に隣接する前記仕切部材の間に形成される
    収容室に収容され前記収容室を仕切って回転方向両側に
    遅角室および進角室を形成しているベーンを有し、所定
    角度範囲に限り前記ハウジング部材に対し流体圧力によ
    り相対回動駆動されるベーン部材と、 前記仕切部材の内周壁に回転軸方向に延びて形成されて
    いる嵌合溝に嵌合し、前記中心部材の外周面と摺動して
    前記遅角室と前記進角室との間をシールするシール部材
    と、 前記シール部材を前記中心部材の外周面に向け付勢する
    付勢手段とを前記バルブタイミング調整装置は備え、 前記周壁、前記仕切部材および前記側壁の一方を一体成
    形するとき、前記嵌合溝の元溝を前記仕切部材に形成す
    る工程と、 前記元溝の前記一方の側壁側の端面を前記エンドミルの
    底刃で切削し、前記元溝の内側面をエンドミルの外周刃
    で切削する工程とを含み、 径方向外側方向の前記元溝の深さは、前記元溝を切削す
    るときに前記エンドミルの外周刃が到達する深さよりも
    深いことを特徴とするバルブタイミング調整装置の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記元溝の底側は、前記一方の側壁側に
    凹んでいることを特徴とする請求項1記載のバルブタイ
    ミング調整装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記元溝の底側の幅は、前記元溝の前記
    シール部材を挿入する側の幅、かつ前記エンドミルの回
    転径よりも広いことを特徴とする請求項1または2記載
    のバルブタイミング調整装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記付勢手段は板ばねであり、前記元溝
    の底側の平面幅は前記板ばねの幅よりも広いことを特徴
    とする請求項3記載のバルブタイミング調整装置の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記エンドミルは、前記元溝の前記シー
    ル部材を挿入する側の両内側面と、前記一方の側壁側の
    端面とを同時に切削することを特徴とする請求項1から
    4のいずれか一項記載のバルブタイミング調整装置の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 内燃機関の駆動軸から吸気弁および排気
    弁の少なくともいずれか一方を開閉駆動する従動軸に駆
    動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記吸気弁お
    よび前記排気弁の少なくともいずれか一方の開閉タイミ
    ングを調整するバルブタイミング調整装置において、 前記駆動軸または前記従動軸の一方と回転するハウジン
    グ部材であって、周壁、回転軸方向両側で前記周壁と接
    続している側壁、ならびに前記周壁から径方向内側に延
    びて回転方向に配置されている仕切部材を有し、前記周
    壁、前記仕切部材および前記両側壁のうち一方の側壁を
    一体成形しているハウジング部材と、 前記駆動軸または前記従動軸の他方と回転するベーン部
    材であって、回転中心部材、ならびに前記回転中心部材
    の外周から径方向外側に延び回転方向に配置されてお
    り、回転方向に隣接する前記仕切部材の間に形成される
    収容室に収容され前記収容室を仕切って回転方向両側に
    遅角室および進角室を形成しているベーンを有し、所定
    角度範囲に限り前記ハウジング部材に対し流体圧力によ
    り相対回動駆動されるベーン部材と、 前記仕切部材の内周壁に回転軸方向に延びて形成されて
    いる嵌合溝に嵌合し、前記中心部材の外周面と摺動して
    前記遅角室と前記進角室との間をシールするシール部材
    と、 前記シール部材を前記中心部材の外周面に向け付勢する
    付勢手段とを備え、 前記嵌合溝の底側の幅は前記嵌合溝の前記シール部材を
    挿入する側の幅よりも広いことを特徴とするバルブタイ
    ミング調整装置。
  7. 【請求項7】 前記嵌合溝の底側は前記一方の側壁側に
    凹んでいることを特徴とする請求項6記載のバルブタイ
    ミング調整装置。
JP2001100456A 2001-03-30 2001-03-30 バルブタイミング調整装置およびその製造方法 Pending JP2002295212A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001100456A JP2002295212A (ja) 2001-03-30 2001-03-30 バルブタイミング調整装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001100456A JP2002295212A (ja) 2001-03-30 2001-03-30 バルブタイミング調整装置およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002295212A true JP2002295212A (ja) 2002-10-09

Family

ID=18953898

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001100456A Pending JP2002295212A (ja) 2001-03-30 2001-03-30 バルブタイミング調整装置およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002295212A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007510085A (ja) * 2003-11-08 2007-04-19 シエツフレル コマンディートゲゼルシャフト 内燃機関のクランク軸に対するカム軸の相対回転角位置を調節する調節装置
JP2012017702A (ja) * 2010-07-08 2012-01-26 Aisin Seiki Co Ltd 弁開閉時期制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007510085A (ja) * 2003-11-08 2007-04-19 シエツフレル コマンディートゲゼルシャフト 内燃機関のクランク軸に対するカム軸の相対回転角位置を調節する調節装置
JP2012017702A (ja) * 2010-07-08 2012-01-26 Aisin Seiki Co Ltd 弁開閉時期制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11280427A (ja) 弁開閉時期制御装置
JP2002180809A (ja) バルブタイミング調整装置の製造方法
JP2947165B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング変更装置
JP2001355414A (ja) バルブタイミング調整装置
JP4247624B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP2000345816A (ja) バルブタイミング調整装置
JP4257477B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP2012017702A (ja) 弁開閉時期制御装置
JP2005240651A (ja) 弁開閉時期制御装置
US7895980B2 (en) Valve timing adjusting device
JP4389259B2 (ja) バルブタイミング調整装置
US6595173B2 (en) Variable valve timing controller
JP4058580B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP2002295212A (ja) バルブタイミング調整装置およびその製造方法
JP2010190144A (ja) バルブタイミング調整装置及びその製造方法
JPH112109A (ja) 内燃機関用バルブタイミング調整装置
JP4085221B2 (ja) バルブタイミング調整装置
CN107923274B (zh) 内燃机的气门正时控制装置
JPH11311109A (ja) 弁開閉時期制御装置
JP2009185762A (ja) バルブタイミング調整装置
JP4463186B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP2003113702A (ja) バルブタイミング調整装置
JP4370493B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP5532338B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP3266013B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング変更装置