JP2002294370A - 低融点合金およびこれを用いた光学部品の研磨方法 - Google Patents

低融点合金およびこれを用いた光学部品の研磨方法

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JP2002294370A
JP2002294370A JP2001097536A JP2001097536A JP2002294370A JP 2002294370 A JP2002294370 A JP 2002294370A JP 2001097536 A JP2001097536 A JP 2001097536A JP 2001097536 A JP2001097536 A JP 2001097536A JP 2002294370 A JP2002294370 A JP 2002294370A
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Makoto Miyazawa
信 宮沢
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 収縮時の応力を一定にすることができる低融
点合金を提供する。 【解決手段】 Bi、Pb、In、Sn、Ga等からな
る低融点合金中のGaの含有率を0.1重量%以上、
2.0重量%以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックレン
ズ等の光学部品を治具に固定する際に用いる低融点合
金、およびこれを用いた光学部品の研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、眼鏡レンズ等の光学部品の研磨工
程では、加工に先立ちレンズと冶具を一体化するブロッ
キングと呼ばれる作業を行う。これは、図3(a)に示
すように、低融点合金(以降、アロイとする)を、アロ
イ成形用リング12と保持具10と光学部品13とで形
成された空間内に流し込み、光学部品の加工面の反対面
(以下、接着面とする)をこれに合わせ込むことで、光
学部品13と保持具10とをアロイ11を介して接着固
定している。光学部品13を固定した加工用冶具10を
図示しない研磨装置に装着して光学部品13を研磨加工
する。
【0003】このアロイを加工用冶具内に流し込むため
にはヒーターを有する炉を装備し、アロイを流体化する
までの融点以上に熱し、これを被加工物である光学部品
の接着面にまんべんなく密着させるために手動で流し込
み量を調整する装置を用いる必要があり、手動もしくは
半自動でこれを行っている。また、このアロイは融点以
上に熱した水中で流体化が出来、比重も水に比べ10倍
程度有るためにその水中で分離、浸漬させることで回収
ができ、再度加工用冶具への流し込み用装置の炉に戻す
ことにより、再生が可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術に示したアロ
イは、それ自身が収縮する際に応力を発生する。この応
力を光学部品内に内部応力として蓄えることにより光学
部品を把持、すなわち接着している。よって、アロイ自
身の収縮時の応力をコントロールするためにはアロイの
成分管理が重要であり、定期的に再生使用するアロイの
成分チェックも必要となっている。この成分管理を怠る
と、アロイの収縮に伴う応力がばらつくため接着精度が
不安定になり、接着前後での光学部品の形状変化が非常
に大きくなる。このばらつきを吸収するために、光学部
品の厚みを必要以上に厚くし光学部品の剛性を稼ぐとい
った方法も採られているが、これは使用する原料が増加
するためコストダウンの妨げになる。
【0005】アロイの成分管理が重要であることは従来
から知られていたが、その成分中のどの成分が収縮に伴
う応力のばらつきに影響を及ぼしているかは不明であっ
た。
【0006】その結果、アロイの再生は新品時の成分比
率にする他なく、その成分調整には多くの時間と費用が
必要とされていた。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、収縮応力を一定に保つためのアロイ、およびこれを
用いた光学部品の研磨方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため鋭意検討を重ねた結果、少なくともBi、
Pb、In、Sn、及びGaからなるアロイが収縮する
時の応力のコントロールは、アロイ成分中のGaの含有
率を所定量に管理することが有効であることを知見し
た。すなわち、アロイの収縮応力に影響を与えるファク
ターはGaの含有率であることを知見した。
【0009】具体的には、アロイ成分中のGaの含有率
を0.1重量%以上、2.0重量%以下とすることでア
ロイが収縮する際の応力を一定に保つことができる。更
に好ましくは、1.2〜1.8重量%に成分管理するこ
とが望ましいことを知見した。
【0010】また、このように成分管理されたアロイは
その収縮応力が一定となるため、これを用いて光学部品
をブロッキングすることにより、製造歩留まりを向上す
ることが可能であることも見い出した。
【0011】更には、アロイの収縮応力が一定となるた
め、光学部品の厚みを必要最低限に留めることができ
る。これにより光学部品の原料費を削減することも可能
となる。
【0012】また、従来は一定期間で廃棄あるいは再生
を行っていたアロイを、Gaの含有率のみで管理するこ
とが可能となるため、アロイを半永久的に使用すること
が可能となる。
【0013】従って、請求項1に記載の発明は、少なく
ともBi、Pb、In、Sn、及びGaを含む低融点合
金において、Gaの含有率が所定量に管理されたことを
特徴とする低融点合金を提供する。
【0014】請求項2記載の発明は、請求項1記載の低
融点合金において、前記Gaの含有率が0.1重量%以
上、2.0重量%以下であることを特徴とする低融点合
金を提供する。
【0015】請求項3記載の発明は、請求項2記載の低
融点合金において、前記Gaの含有率が1.2〜1.8
重量%であることを特徴とする低融点合金を提供する。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれか一項に記載の低融点合金を用いることを特徴とす
る光学部品の研磨方法を提供する。
【0017】請求項5記載の発明は、請求項4記載の光
学部品の研磨方法において、前記光学部品がプラスチッ
クレンズであることを特徴とする光学部品の研磨方法を
提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、本発明は下記の実施の形態に限定される
ものではない。本実施の形態では、プラスチック眼鏡レ
ンズの研磨工程を例に説明する。研磨工程の構成は従来
技術で説明したとおりである。
【0019】表1は、プラスチック眼鏡レンズの研磨工
程でブロッキングに一般的に用いられるアロイの成分比
率で、単位は重量%である。
【0020】
【表1】
【0021】まず、アロイの使用頻度とGaの含有率の
関係を図1に示す。このようにGaの含有率は、使用頻
度の増加とともに減少していくことが分かる。使用条件
によってグラフの傾きは変わるが、使用頻度の増加とと
もにGaの含有率が減少していくことに変わりはない。
アロイを構成する他の成分に比べ比重が小さいGaは、
プラスチック眼鏡レンズの把持面と接するアロイの表面
層に集まりやすいため、当然のことながら把持面に付着
しやすくなる。通常、プラスチック眼鏡レンズの把持面
には保護テープが配置されており、研磨加工終了後には
保護テープはレンズから剥離され廃棄される。その結
果、保護テープ表面に付着したGaも廃棄されるため、
その他の成分に比べて持ち出し量が多くなる。
【0022】一方、Gaの含有率が低下すると、レンズ
度数がプラス側へシフトしたりばらつきが大きくなり不
良の原因となる。図2(a)は、Gaの含有率を管理せ
ずに約3ヶ月間使用したアロイを用いてプラスチック眼
鏡レンズをブロッキングし、研磨加工した時のレンズ実
測度数値4の分布を示す。本例は、レンズ素材はCR−
39、レンズ度数はS−3.00Dの単焦点レンズを同
一条件で5枚製造した結果である。図2(a)に示すと
おり、レンズ度数は大きくばらつき、標準偏差は0.0
75、良品率は60%であった。この実験の際、アロイ
に含まれるGaの割合を調べたところ0.05重量%で
あった。
【0023】一方、Gaを0.5重量%に成分管理した
アロイを使用した実験結果を図2(b)、また、1.8
重量%に成分管理した時の実験結果を図2(c)に示
す。図2(a)に比べ、レンズ度数実測値4のばらつき
は小さく、図2(b)、図2(c)の標準偏差はそれぞ
れ0.047と0.028で、良品率はともに100%
であった。
【0024】このように、Gaの含有率とレンズ度数の
ばらつきには相関が見られる。言い換えれば、Gaの含
有率を所定量に管理することで、アロイの収縮時の応力
を一定の幅に収めることが可能となる。そして、更に詳
細な実験を行った結果、その管理水準としては、Gaの
含有率が0.1重量%以上、2.0重量%以下になるよ
うに調整すること。更に望ましい水準としては、1.2
〜1.8重量%であることが分かった。
【0025】なお、Gaの含有率の調整は、Ga単体、
もしくは新品アロイの補充によって行うことができる。
Gaは比重が小さいため、補充の際は十分に攪拌するす
る必要がある。また、ブロッキング前後のレンズ素材の
形状変化量のばらつきは、Gaの含有率を所定量に管理
しない場合に比べて約3分の1と小さく、必要最低限の
原料でレンズ素材を製造することができた。
【0026】
【発明の効果】本発明の低融点合金によれば、Gaの成
分管理を行うことでアロイ収縮時の応力を一定に保つこ
とができる。また、本発明の低融点合金を用いることに
より、高い製造歩留まりで光学部品を研磨加工すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アロイの使用頻度とGaの含有率との関係を模
式的に表すグラフである。
【図2】図2(a)は、成分管理していないアロイを用
いてブロッキングし研磨加工したレンズの度数分布を示
すグラフ。図2(b)はGaを0.5重量%に、図2
(c)は1.8重量%にそれぞれ成分管理したアロイを
用いてブロッキングし研磨加工したレンズの度数分布を
示すグラフである。
【図3】アロイを用いたブロッキング形態を示す断面図
であり、図3(a)は アロイを流し込んだ状態を示す
断面図、図3(b)はアロイが硬化し接着が完了した状
態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 狙い度数値ライン 2 度数公差上限ライン 3 度数公差下限ライン 4 レンズ実測度数値 10 保持具 11 アロイ 12 アロイ成形用リング 13 光学部品

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともBi、Pb、In、Sn、及
    びGaを含む低融点合金において、Gaの含有率が所定
    量に管理されたことを特徴とする低融点合金。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の低融点合金において、前
    記Gaの含有率が0.1.重量%以上、2.0重量%以
    下であることを特徴とする低融点合金。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の低融点合金において、前
    記Gaの含有率が1.2〜1.8重量%であることを特
    徴とする低融点合金。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載の低
    融点合金を用いることを特徴とする光学部品の研磨方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の光学部品の研磨方法にお
    いて、前記光学部品がプラスチックレンズであることを
    特徴とする光学部品の研磨方法。
JP2001097536A 2001-03-29 2001-03-29 低融点合金およびこれを用いた光学部品の研磨方法 Withdrawn JP2002294370A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113881887A (zh) * 2021-10-27 2022-01-04 昆明理工大学 一种低熔点合金相变材料的制备方法

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