JP6994975B2 - 眼鏡レンズの保持具の処理方法、処理装置、および眼鏡レンズの製造方法 - Google Patents
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Description
また、眼鏡レンズの取り外し後のヤトイは、通常、再利用される。再利用の際に、溶融されたアロイに由来する異物が排水の飛散のせいでヤトイ全体に付着したままの可能性がある。この異物により雰囲気が汚染される可能性がある。そうなると、眼鏡レンズに保護フィルムを貼る際に、汚染された雰囲気由来の異物が眼鏡レンズに付着する可能性もある。
また、排水中に溶融したアロイが含まれる場合、先に述べたようにヤトイが汚れる可能性がある。ヤトイには複数種類の形状のものがある。ヤトイが汚れると、種類ごとにヤトイを分別する際に、各種類の外見上の識別が困難となる。
以上の結果、前記従来装置だと、アロイおよびヤトイに対する作業性の改善が求められる。
本発明の第1の態様は、
眼鏡レンズの加工装置に設置される土台と、
前記土台に固着し、且つ眼鏡レンズの光学面に倣った形状を有し、且つ前記土台よりも融点が低い低融点金属部材と、
を備えた眼鏡レンズの保持具に対する処理方法であって、
前記土台を加熱する加熱工程と、
前記土台から前記低融点金属部材へと熱を伝達し、前記土台の近傍の前記低融点金属部材を部分的に溶融させることにより両者の固着を解く固着解除工程と、
を有する、眼鏡レンズの保持具の処理方法である。
前記加熱工程および前記固着解除工程は、前記低融点金属部材を液体に接触させない乾式にて行う。
前記加熱工程では、電磁誘導加熱機構により前記土台に対して加熱を行う。
前記固着解除工程では、前記土台および前記低融点金属部材の少なくともいずれかを保持する保持機構により、前記土台と前記低融点金属部材とを離間させる。
眼鏡レンズの加工装置に設置される土台と、
前記土台に固着し、且つ眼鏡レンズの光学面に倣った形状を有し、且つ前記土台よりも融点が低い低融点金属部材と、
を備えた眼鏡レンズの保持具に対する処理装置であって、
前記土台を加熱するための熱を生成する熱源を備え、
前記熱源は、前記土台に固着する前記低融点金属部材へと熱を伝達させ、前記土台の近傍の前記低融点金属部材を部分的に溶融させることにより両者の固着を解く、眼鏡レンズの保持具の処理装置である。
前記熱源は電磁誘導加熱機構である。
前記土台および前記低融点金属部材の少なくともいずれかを保持する保持機構を更に有し、前記保持機構により前記土台と前記低融点金属部材とを離間させる。
第1~第4のいずれかの態様に記載の眼鏡レンズの保持具の処理方法により固着が解除された前記土台と前記低融点金属部材とを再利用し、再び前記土台に固着させた前記低融点金属部材に対して眼鏡レンズを固着する眼鏡レンズ固着工程と、
前記低融点金属部材に固着された眼鏡レンズを、前記眼鏡レンズの加工装置にて加工する眼鏡レンズ加工工程と、
を有する、眼鏡レンズの製造方法である。
前記保持機構は、前記土台を保持する土台保持部と、前記低融点金属部材を保持する低融点金属部材保持部と、を備える、眼鏡レンズの保持具の処理方法である。
前記加熱工程は、前記土台を覆う覆い部材越しに熱源を接触させることにより行う、眼鏡レンズの保持具の処理方法である。
前記加熱工程は、前記低融点金属部材の融点以上の液体に前記土台を浸けることにより行う、眼鏡レンズの保持具の処理方法である。
前記電磁誘導加熱機構は、前記土台の周囲に配置される誘導コイルと、前記土台と接触した熱電対と、前記熱電対と接続された温度調節器と、前記温度調節器にて設定された所定の温度へと前記土台が加熱されるように誘導コイルに供給する電力を制御するIHコントローラと、を備える、眼鏡レンズの保持具の処理方法である。
前記保持機構は、前記土台を保持する土台保持機構と、前記低融点金属部材を保持する低融点金属部材保持機構と、を備える、眼鏡レンズの保持具の処理装置である。
前記加熱工程は、前記土台を覆う覆い部材越しに熱源を接触させることにより行う、眼鏡レンズの保持具の処理装置である。
前記熱源は恒温槽であり、
前記土台および前記低融点金属部材の少なくともいずれかを保持し、且つ前記土台を加熱するために前記土台を前記恒温槽内にて保持する保持機構を更に有する、眼鏡レンズの保持具の処理装置である。
前記電磁誘導加熱機構は、前記土台の周囲に配置される誘導コイルと、前記土台と接触した熱電対と、前記熱電対と接続された温度調節器と、前記温度調節器にて設定された所定の温度へと前記土台が加熱されるように前記誘導コイルに電力を供給するIHコントローラと、を備える、眼鏡レンズの保持具の処理装置である。
土台と、
前記土台に固着し、且つ前記土台よりも融点が低い低融点金属部材と、
を備えた治具に対する処理方法であって、
前記土台を加熱する加熱工程と、
前記土台から前記低融点金属部材へと熱を伝達し、前記土台の近傍の前記低融点金属部材を部分的に溶融させることにより両者の固着を解く固着解除工程と、
を有する、治具の処理方法である。
好ましくは、前記治具はレンズの保持具であり、前記土台はレンズの加工装置に設置され、前記低融点金属部材はレンズの光学面に倣った形状を有する、治具の処理方法である。
土台と、
前記土台に固着し、且つ眼鏡レンズの光学面に倣った形状を有し、且つ前記土台よりも融点が低い低融点金属部材と、
を備えた治具に対する処理装置であって、
前記土台を加熱するための熱を生成する熱源を備え、
前記熱源は、前記土台に固着する前記低融点金属部材へと熱を伝達させ、前記土台の近傍の前記低融点金属部材を部分的に溶融させることにより両者の固着を解く、治具の処理装置である。
好ましくは、前記治具はレンズの保持具であり、前記土台はレンズの加工装置に設置され、前記低融点金属部材はレンズの光学面に倣った形状を有する、治具の処理装置である。
眼鏡レンズの加工装置に設置される土台と、
前記土台に固着し、且つ眼鏡レンズの光学面に倣った形状を有し、且つ前記土台(ヤトイ)よりも融点が低い低融点金属部材(アロイ)と、
を備えた眼鏡レンズの保持具に対する処理方法であって、
前記土台(ヤトイ)を加熱する加熱工程と、
前記土台(ヤトイ)から前記低融点金属部材(アロイ)へと熱を伝達し、前記土台(ヤトイ)の近傍の前記低融点金属部材(アロイ)を部分的に溶融させることにより両者の固着を解く固着解除工程と、
を有する、眼鏡レンズの保持具の処理方法。
なお、後述の固着解除工程を支障なく行えるのならば、アロイの融点とヤトイの融点との温度差には特に限定は無く、例えば50℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、500℃以上が更に好ましい。
また、先に述べたようにヤトイが汚れる可能性も抑制できる。そのため、本実施形態におけるヤトイとアロイとの分離後、種類ごとにヤトイを容易に分別することが可能となる。
図1におけるアロイ3においてアロイ保持部5と接触する部分は、実際には、眼鏡レンズの光学面に倣う形状を有している。ヤトイ2は、ヤトイ保持部4の内部に隠れるように保持されるため、破線で記載している。
なお、説明の便宜上、明細書中における符号は、最初に登場するもの以外では適宜省略する。
「眼鏡レンズの加工装置に設置される土台(ヤトイ)と、
前記土台(ヤトイ)に固着し、且つ眼鏡レンズの光学面に倣った形状を有し、且つ前記土台(ヤトイ)よりも融点が低い低融点金属部材(アロイ)と、
を備えた眼鏡レンズの保持具に対する処理装置であって、
前記土台(ヤトイ)を加熱するための熱を生成する熱源を備え、
前記熱源は、前記土台(ヤトイ)に固着する前記低融点金属部材(アロイ)へと熱を伝達させ、前記土台(ヤトイ)の近傍の前記低融点金属部材(アロイ)を部分的に溶融させることにより両者の固着を解く、眼鏡レンズの保持具の処理装置。」
また、先に挙げた、ヤトイを覆う覆い部材越しに前記ヤトイに対して熱源を接触させる手法においては、前記熱源はヒーター(例:はんだごて等)(不図示)である。
また、先に挙げた、前記アロイの融点以上の液体に前記ヤトイを浸けるという手法においては、前記熱源は恒温槽(不図示)である。この場合、恒温槽により加熱された液体からヤトイに熱が伝達され、ヤトイを経由してアロイ(特にヤトイとの界面部分)に熱が伝達される。なお、その際、前記ヤトイおよび前記アロイの少なくともいずれかを保持し、且つ前記ヤトイを加熱するために前記ヤトイを前記恒温槽内にて保持する保持機構を更に有するのが好ましい。この構成により、ヤトイに対して安定して液体の熱を伝達できる。
「前記眼鏡レンズの保持具の処理方法により固着が解除された前記土台(ヤトイ)と前記低融点金属部材(アロイ)とを再利用し、再び前記土台(ヤトイ)に固着させた前記低融点金属部材(アロイ)に対して眼鏡レンズを固着する眼鏡レンズ固着工程と、
前記低融点金属部材(アロイ)に固着された眼鏡レンズを、前記眼鏡レンズの加工装置にて加工する眼鏡レンズ加工工程と、
を有する、眼鏡レンズの製造方法。」
「土台(ヤトイ)と、
前記土台(ヤトイ)に固着し、且つ前記土台(ヤトイ)よりも融点が低い低融点金属部材(アロイ)と、
を備えた治具に対する処理方法であって、
前記土台(ヤトイ)を加熱する加熱工程と、
前記土台(ヤトイ)から前記低融点金属部材(アロイ)へと熱を伝達し、前記土台(ヤトイ)の近傍の前記低融点金属部材(アロイ)を部分的に溶融させることにより両者の固着を解く固着解除工程と、
を有する、治具の処理方法。」
好適には、前記治具はレンズの保持具であり、前記土台(ヤトイ)はレンズの加工装置に設置され、前記低融点金属部材(アロイ)はレンズの光学面に倣った形状を有する。
「土台(ヤトイ)と、
前記土台(ヤトイ)に固着し、且つ眼鏡レンズの光学面に倣った形状を有し、且つ前記土台(ヤトイ)よりも融点が低い低融点金属部材(アロイ)と、
を備えた治具に対する処理装置であって、
前記土台(ヤトイ)を加熱するための熱を生成する熱源を備え、
前記熱源は、前記土台(ヤトイ)に固着する前記低融点金属部材(アロイ)へと熱を伝達させ、前記土台(ヤトイ)の近傍の前記低融点金属部材(アロイ)を部分的に溶融させることにより両者の固着を解く、治具の処理装置。」
好適には、治具はレンズの保持具であり、前記土台(ヤトイ)はレンズの加工装置に設置され、前記低融点金属部材(アロイ)はレンズの光学面に倣った形状を有する。
2…ヤトイ
3…アロイ
4…ヤトイ保持部
5…アロイ保持部
6…IH機構
7…誘導コイル
8…熱電対
9…温度調節器
10…IHコントローラ
11…眼鏡レンズの保持具の処理装置
Claims (8)
- 眼鏡レンズの加工装置に設置される土台と、
前記土台に固着し、且つ眼鏡レンズの光学面に倣った形状を有し、且つ前記土台よりも融点が低い低融点金属部材と、
を備えた眼鏡レンズの保持具に対する処理方法であって、
前記土台を加熱する加熱工程と、
前記土台から前記低融点金属部材へと熱を伝達し、前記土台の近傍の前記低融点金属部材を部分的に溶融させることにより両者の固着を解く固着解除工程と、
を有する、眼鏡レンズの保持具の処理方法。 - 前記加熱工程および前記固着解除工程は、前記低融点金属部材を液体に接触させない乾式にて行う、請求項1に記載の眼鏡レンズの保持具の処理方法。
- 前記加熱工程では、電磁誘導加熱機構により前記土台に対して加熱を行う、請求項1または2に記載の眼鏡レンズの保持具の処理方法。
- 前記固着解除工程では、前記土台および前記低融点金属部材の少なくともいずれかを保持する保持機構により、前記土台と前記低融点金属部材とを離間させる、請求項1~3のいずれかに記載の眼鏡レンズの保持具の処理方法。
- 眼鏡レンズの加工装置に設置される土台と、
前記土台に固着し、且つ眼鏡レンズの光学面に倣った形状を有し、且つ前記土台よりも融点が低い低融点金属部材と、
を備えた眼鏡レンズの保持具に対する処理装置であって、
前記土台を加熱するための熱を生成する熱源を備え、
前記熱源は、前記土台に固着する前記低融点金属部材へと熱を伝達させ、前記土台の近傍の前記低融点金属部材を部分的に溶融させることにより両者の固着を解く、眼鏡レンズの保持具の処理装置。 - 前記熱源は電磁誘導加熱機構である、請求項5に記載の眼鏡レンズの保持具の処理装置。
- 前記土台および前記低融点金属部材の少なくともいずれかを保持する保持機構を更に有し、前記保持機構により前記土台と前記低融点金属部材とを離間させる、請求項5または6に記載の眼鏡レンズの保持具の処理装置。
- 請求項1~4のいずれかに記載の眼鏡レンズの保持具の処理方法により固着が解除された前記土台と前記低融点金属部材とを再利用し、再び前記土台に固着させた前記低融点金属部材に対して眼鏡レンズを固着する眼鏡レンズ固着工程と、
前記低融点金属部材に固着された眼鏡レンズを、前記眼鏡レンズの加工装置にて加工する眼鏡レンズ加工工程と、
を有する、眼鏡レンズの製造方法。
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