JP2002294267A - 切削液及び研削液 - Google Patents

切削液及び研削液

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JP2002294267A
JP2002294267A JP2001098173A JP2001098173A JP2002294267A JP 2002294267 A JP2002294267 A JP 2002294267A JP 2001098173 A JP2001098173 A JP 2001098173A JP 2001098173 A JP2001098173 A JP 2001098173A JP 2002294267 A JP2002294267 A JP 2002294267A
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hydroxy fatty
sulfided
acid dimer
sulfurized
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Kazumasa Ihi
万将 衣斐
Shigeru Yamada
滋 山田
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高温時における保存安定性が良好な切削液ま
たは研削液を提供する。 【解決手段】 極圧添加剤と液媒体とからなり、極圧添
加剤中一般式1の硫化されたヒドロキシ脂肪酸二量体ま
たはその塩の含有率を60〜100質量%とした切削液
または研削液。 (RはOH基を含むC1〜20のアルキル基、R
1〜20のアルキレン基、nは1〜8の整数であ
る。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切削液及び研削液
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】硫化されたヒドロキシ脂肪酸二量体は、
理論的には、例えばヒドロキシ不飽和脂肪酸を硫化する
ことにより生成すると考えられる。しかしながら、この
硫化反応を行おうとすると、1分子のヒドロキシ脂肪酸
の水酸基と、もう一分子のヒドロキシ脂肪酸のカルボキ
シル基とがエステル化反応を引き起こすことが多く、結
果的に得られる生成物は、硫化されたヒドロキシ脂肪酸
の縮合物を60重量%以上(即ち主成分)とするものと
なる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、切削液や研
削液は、使用直前に、前記生成物を基油に溶解するか、
または前記生成物の塩を水に溶解した上、必要に応じて
その他消泡剤の様な添加剤を加えて調製される場合が多
い。この様な場合には、生成物が高温で保存されると、
この熱履歴を受けた前記した縮合物を主成分とする生成
物またはその塩を液媒体と混合することで切削液や研削
液が調製されることになるが、この際の液媒体への溶解
性が低下するという欠点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は上記の
実状に鑑み鋭意検討したところ、例えば水をベースとす
る研削液や切削液を構成する際の極圧添加剤成分とし
て、硫化されたヒドロキシ脂肪酸二量体の塩の含有率を
高めれば高めるほど、高温時における保存安定性が良好
となることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】本発明における切削液と研削液は、極圧添
加剤と液媒体とを必須成分として含有するものである。
本発明においては、前記液中に含まれる、硫化されたヒ
ドロキシ脂肪酸二量体またはその塩の含有率を特定範囲
とするのが最大の特徴である。
【0006】本発明における、硫化されたヒドロキシ脂
肪酸二量体とは、ヒドロキシ脂肪酸の二分子が硫黄原子
1〜8個を介して結合した構造(硫黄架橋構造)を有す
る有機化合物であり、分子内に、重縮合に基づくエステ
ル結合構造を含まない化合物を言う。
【0007】前記二量体は、ヒドロキシ不飽和脂肪酸の
炭素炭素不飽和二重結合が開裂しこの二重結合が消失す
ると共に、そこに硫黄が反応し硫黄架橋された構造を有
する。この硫化により、ヒドロキシ不飽和脂肪酸の個々
の炭素炭素不飽和二重結合が開裂すると共に、その二分
子が、各種の硫黄鎖長、例えば−S−,−SS−,−S
SS−,−SSSS−,−SSSSS−,−SSSSS
S−等(1〜8の硫黄原子)により架橋化され、炭素炭
素不飽和二重結合を含まない、硫化されたヒドロキシ脂
肪酸二量体である。本発明ではこれを極圧添加剤として
用いる。
【0008】前記二量体におけるヒドロキシ不飽和脂肪
酸部分において、分子内水酸基数や分子内カルボキシル
基数は、限定されるものではないが、いずれも1〜3で
あるのが好ましい。ヒドロキシ不飽和脂肪酸の炭素の鎖
長は、長鎖であることが好ましく、不飽和二重結合の炭
素を含めて、例えば12〜30、好ましくは14〜20
である。
【0009】硫化されたヒドロキシ脂肪酸二量体として
は、より具体的には、下記式(1)で表される化合物が
挙げられる。
【0010】
【化5】
【0011】(但し、式(1)中、R1はOH基を含む炭素
原子数1〜20のアルキル基、R2は炭素原子数1〜20
のアルキレン基、 nは1〜8の整数である。)
【0012】極圧添加剤としての性能及び経済性等を考
慮すると、最も好ましいのは、以下の12−ヒドロキシ
オレイン酸(リシノール酸)二量体である(nは上記と
同義である。)。
【0013】
【化6】
【0014】硫化されたヒドロキシ脂肪酸二量体は、公
知慣用の方法に従って製造できるが、例えば(1)ヒド
ロキシ不飽和脂肪酸と硫黄とを比較的高温で反応させ硫
化する方法、(2)ヒドロキシ不飽和脂肪酸と硫黄と硫
化水素とを比較的低温で反応させ硫化する方法、(3)
ヒドロキシ不飽和脂肪酸エステルと硫黄とを比較的高温
で反応させ硫化した後、エステル部分を酸となる様に反
応する方法、(4)ヒドロキシ不飽和脂肪酸エステルと
硫黄と硫化水素とを比較的低温で反応させ硫化した後、
エステル部分を酸となる様に反応する方法等が挙げられ
る。(2)と(4)の方法の硫化反応は、通常加熱加圧
下で行われ、必要に応じて触媒が用いられる。
【0015】次に、硫化されたヒドロキシ脂肪酸二量体
を得るための原料について説明する。上記製造方法にお
いて、ヒドロキシ不飽和脂肪酸またはそのエステル、硫
黄及び硫化水素は通常市販されているものを使用するこ
とが出来る。
【0016】ヒドロキシ不飽和脂肪酸としては、例え
ば、12−ヒドロキシオレイン酸(リシノール酸)、1
3−ヒドロキシオレイン酸、15−ヒドロキシオレイン
酸の様なモノヒドロキシ不飽和脂肪酸や、9,10−ジ
ヒドロキシオレイン酸、9,10−ジヒドロキシリノー
ル酸、12,13−ジヒドロキシオレイン酸、15,1
6−ジヒドロキシリノール酸、9,10−ジヒドロキシ
パルミトレイン酸の様なジヒドロキシ不飽和脂肪酸等が
挙げられる。また、ヒドロキシ不飽和脂肪酸エステルと
しては、前記ヒドロキシ不飽和脂肪酸のメチルエステ
ル、エチルエステル等のヒドロキシ不飽和脂肪酸アルキ
ルエステルが挙げられる。これらは、1種の単独使用ま
たは2種以上の併用のいずれでも良い。油剤としての性
能及び経済性等を考慮すると、最も好ましいのは、12
−ヒドロキシオレイン酸(リシノール酸)またはそのメ
チルエステルである。
【0017】硫黄としては、固形状または溶融硫黄のい
ずれを使用してもよい。
【0018】本発明の製造方法にて用いる触媒は、通常
は塩基性触媒である。塩基性触媒はアミンが適当であ
り、反応性の良い、例えばアルキルアミン、アリールア
ミン、ポリアミン、アルカノールアミンを用いる。一例
としては、例えばブチルアミン、ジブチルアミン、トリ
ブチルアミン、n−オクチルアミン、tert−オクチ
ルアミン、ジオクチルアミン、tert−ドデシルアミ
ン、tert−テトラデシルアミン、tert−ヘキサ
デシルアミン、tert−オクタデシルアミン、ジシク
ロヘキシルアミン、アリールアミン、ヘキサメチレンテ
トラミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
【0019】上記における原料仕込比率は、必要とされ
る二量体中の硫黄の含有率等により自由に変えられる
が、硫黄含有量9〜11質量%の二量体を得る場合に
は、ヒドロキシ不飽和脂肪酸1モル当たり、硫黄0.5
〜0.7モル、硫化水素0.4〜0.5モル、触媒0.
01〜0.1モルとするのが好ましい。
【0020】上記(2)及び(4)の二量体の製造方法
は、反応温度100〜160℃、反応圧力98〜294
0kPa、反応温度1〜20時間の範囲で行うことが出
来、上記(1)及び(3)の製造方法に比べて好まし
い。何故ならば、生成物の着色や臭気がより少なくなる
だけでなく、比較的低圧かつ低温での反応制御がより容
易だからである。その結果、この製造方法は、生成物の
単位生産量当たりのエネルギー消費をより少なくするこ
とが出来、しかもごく一般的な耐圧性を有する比較的安
価な反応器で反応を行えるという長所を有する。
【0021】反応の終点は、例えば硫黄の析出がなくな
ることで決定することが出来る。
【0022】前記二量体の製造方法としては、上記
(4)の製造方法が、硫化反応に伴うヒドロキシ不飽和
脂肪酸の縮合が理論的に起こらず、反応生成物中の二量
体の含有率を確実に高くできる点で最も好ましい。こう
して、反応生成物中の硫化されたヒドロキシ脂肪酸二量
体の含有率を60〜100質量%、中でも90〜100
質量%とすることが出来る。
【0023】尚、ヒドロキシ不飽和脂肪酸エステルを硫
化した場合には、まずエステル部分をカルボキシル基と
した後に、上記した様に塩とする。エステル部分をカル
ボキシル基とするには、まず硫化されたヒドロキシ不飽
和脂肪酸エステルをアルカリ金属水酸化物を含む液媒体
と接触し、硫化されたヒドロキシ不飽和脂肪酸アルカリ
金属塩とした後、これと酸とを反応させて、硫化された
ヒドロキシ不飽和脂肪酸とする。次いで、硫化されたヒ
ドロキシ不飽和脂肪酸のみを容易に溶解する有機溶媒と
混合し、溶媒抽出することで、硫化されたヒドロキシ不
飽和脂肪酸溶液とし、有機溶媒を留去する。
【0024】上記で用いるアルカリ金属水酸化物は、後
に例示する。上記で用いる酸としては、例えば塩酸、硫
酸、硝酸の様な無機酸が好ましい。ヒドロキシ不飽和脂
肪酸エステルとアルカリ金属水酸化物を含む液媒体との
接触は、通常は、前記液媒体の加熱下で行われる。この
際の温度は50〜100℃である。前記溶媒抽出に用い
る有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ジ
エチルエーテル等が挙げられる。
【0025】本発明では、硫化されたヒドロキシ脂肪酸
二量体そのものか、硫化されたヒドロキシ脂肪酸二量体
の塩を極圧添加剤として用いる。
【0026】硫化されたヒドロキシ脂肪酸二量体の塩
は、例えば、硫化されたヒドロキシ脂肪酸二量体を得る
任意の工程にて、二量体の分子中に含まれるカルボキシ
ル基を、塩基により中和することで得ることが出来る。
即ち、硫化ヒドロキシ脂肪酸の二量体が塩基で中和され
て、硫化ヒドロキシ脂肪酸二量体の塩となる。
【0027】前記二量体は、酸価が100〜200mg
KOH/gであることが、優れた潤滑性能と中和した際
界面活性剤を用いずとも安定した水溶性を兼備できる点
から好ましい。
【0028】硫化されたヒドロキシ脂肪酸二量体を含む
上記反応生成物の酸価が小さくなる様に塩基を加えるこ
とで、反応生成物中の、硫化されたヒドロキシ脂肪酸二
量体を、その塩となすことが出来る。
【0029】ここでの塩基は、それ自体が水溶性のもの
が好ましく、金属水酸化物、金属炭酸化物、アンモニア
等の無機塩基、脂肪族第1級アミン、脂肪族第2級アミ
ン、脂肪族第3級アミン等の有機アミンが挙げられる。
好ましくは、アルカリ金属の水酸化物、アルカノールア
ミンで、それをアルカリ金属塩またはアルカノールアミ
ン塩となす。
【0030】アルカリ金属水酸化物としては水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等が挙げられ、アルカノールア
ミンとしては、モノアルカノールアミン、ジアルカノー
ルアミン、またはトリアルカノールアミンが挙げられ、
これらに各々対応するエタノールアミン、プロパノール
アミン、ブタノールアミン、オクタノールアミン等が挙
げられる。これらは1種のみの使用でも2種以上の併用
も出来る。塩基としては、とりわけモノ、ジ、またはト
リ型のエタノールアミンが好ましい。
【0031】本発明の研削液または切削液は、極圧添加
剤を液媒体に溶解させることで、調製することが出来
る。より具体的には、上記で得られた硫化されたヒドロ
キシ脂肪酸二量体またはその塩を基油に添加するか、硫
化されたヒドロキシ脂肪酸二量体の塩を水に添加するこ
とにより得ることが出来る。
【0032】この際の液媒体である基油としては、例え
ば鉱油、合成潤滑油等が、一方水としては、例えば工業
用水、蒸留水、イオン交換水、純水等が挙げられる。
【0033】本発明の研削液や切削液は、極圧添加剤成
分の濃度が1〜50質量%、好ましくは1〜15質量%
となる様に、極圧添加剤を液媒体に混合し溶解すれば調
製することが出来る。
【0034】しかしながら、本発明で意図する優れた保
存安定性を得るには、この際の極圧添加剤総量中の、硫
化されたヒドロキシ脂肪酸二量体またはその塩の含有率
を60〜100質量%とする必要がある。上記(4)の
製造方法に従って得た、硫化されたヒドロキシ脂肪酸二
量体またはその塩のみを極圧添加剤として用いれば、そ
れ以外の従来公知の極圧添加剤を併用することなく、本
発明の研削液や切削液は容易に得ることが出来る。
【0035】水をベースとする切削液や研削液の場合に
は、イオン解離した、前記塩の状態が、安定した水溶性
に大きく寄与する。この結果、従来は、安定な溶解性や
分散性を与えるのに必要であった界面活性剤を使用しな
いか、使用したとしても極少量で済むので、界面活性剤
を用いた場合における性能上の欠点が大幅に改善でき
る。
【0036】硫化されたヒドロキシ脂肪酸二量体のカル
ボキシル基に対して当量比で1〜3と塩基を多くした方
が水溶性と消泡性が良好になる。カルボキシル基の中和
に要するより少ない量が加えられた場合、硫化されたヒ
ドロキシ脂肪酸二量体は遊離の状態で本発明の極圧添加
剤に一部含まれることになる。一方、カルボキシル基の
中和に要するより多くの量が加えられた場合、塩基は遊
離の状態で本発明の極圧添加剤に一部含まれることにな
る。
【0037】熱履歴を受けた硫化されたヒドロキシ脂肪
酸二量体を用いて、水をベースとする本発明の研削液ま
たは切削液を調製する際、硫化されたヒドロキシ脂肪酸
の縮合物を用いて同様な研削液や切削液を調製するのよ
りは、より少ない塩基の使用量(当量)、より具体的に
は、硫化されたヒドロキシ脂肪酸二量体のカルボキシル
基に対して当量比で1〜2となる塩基を用いた場合に、
研削液や切削液がより優れた保存安定性を呈する。この
様な保存安定性は、研削液や切削液を調製したら直ちに
使い切ることだけを想定していたのでは、到底至らなか
った本発明者独自の知見である。
【0038】こうして得られた切削液や研削液には、さ
らに、公知の防錆剤、殺菌剤、消泡剤を併用してもよ
い。本発明の研削液や切削液は、極圧添加剤として、硫
化されたヒドロキシ脂肪酸二量体またはその塩のみ含む
ものが好ましいが、上記した含有率を逸脱しない範囲に
おいて、必要ならば、公知慣用の切削油剤や研削油剤等
の極圧添加剤を添加して用いてもよい。
【0039】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0040】<合成例1>オートクレーブにリシノール
酸メチル500g、硫黄36g、触媒としてジシクロヘ
キシルアミン3gを仕込む。装置を密閉にし、120℃
で硫化水素を27gを圧力550kPaで12時間かけ
て吹込む。70℃に冷却後、硫化水素吸収装置に接続し
た弁を開けて圧力を常圧に戻す。吹き込み管から空気を
吹き込み、残留硫化水素を除去する。MS、NMR、元
素分析から生成物が上記式(2)にて表されるものであ
ることを確認した。このようにして、硫化リシノール酸
メチル(平均硫黄鎖長2〜5の範囲内)553g(収率
97.8%)を得た。次に、フラスコに、硫化リシノー
ル酸メチル500g、2Nの水酸化カリウム/エタノー
ル溶液500mlを仕込む。還流できる装置を取り付
け、80℃で還流する。エタノールを減圧濃縮後、濃硫
酸75gを加え、攪拌する。ジエチルエーテル(抽出溶
媒)を用いて、水層を分離した後、抽出溶媒を留去する
ことで、硫化されたリシノール酸二量体を80質量%含
む生成物1を480g(収率:96%)得た。
【0041】<比較合成例1>オートクレーブにリシノ
ール酸89.3g、硫黄6.56g、触媒としてジシク
ロヘキシルアミン0.53gを仕込む。装置を密閉に
し、120℃で硫化水素を27gを圧力550kPaで
15時間かけて吹込む。70℃に冷却後、硫化水素吸収
装置に接続した弁を開けて圧力を常圧に戻す。吹き込み
管から空気を吹き込み、残留硫化水素を除去する。硫化
リシノール酸縮合物を80質量%含みかつ硫化されたリ
シノール酸二量体を10質量%含む生成物2を98.0
g(収率98%)得た。
【0042】実施例1 60℃で1週間〜1ヶ月保存した生成物1に、1.2当
量のトリエタノールアミンを加える。そのアミン塩の1
0質量%水溶液を調製し、溶解性試験を行った。その結
果を表1に示す。尚、表1中のカッコ( )内は実使用
量gを表す。
【0043】水溶解性は、透明性を5段階で判定した。
判定基準は◎は完全透明、○は透明、△はかすかに濁
り、×は濁り、××は二層分離とした。
【0044】実施例2 1.2当量のトリエタノールアミンを1.9当量とする
以外は実施例1と同様にして、溶解性試験を行った。そ
の結果を表1に示す。
【0045】比較例1 60℃で1週間〜1ヶ月保存した生成物2に、1.2当
量のトリエタノールアミンを加える。そのアミン塩の1
0%水溶液を調製し、溶解性試験を行った。その結果を
表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1から明らかな様に、熱履歴を受けた硫
化されたヒドロキシ脂肪酸二量体を用いて、水をベース
とする実施例1の本発明の切削研削液は、硫化されたヒ
ドロキシ脂肪酸の縮合物を用いた同様な比較例1の研削
液や切削液に比べ、同一塩基量での比較では、より優れ
た保存安定性が得られていることがわかる。
【0048】参考までに、実施例及び比較例で得た各水
溶液を、評価用の水をベースとした研削切削液として用
い、以下の通りの性能試験を行った。また、評価項目に
応じて、対応する1質量%水溶液または2.5質量%水
溶液も調製して、評価を行った。これらの結果を表2に
示す。
【0049】耐荷重性能は、高速4球EP試験機を用
い、ASTM D2783に基づき、室温、1770r
pm、10秒条件で融着荷重、および平均ヘルツ荷重を
測定した。
【0050】耐磨耗性能は、高速4球WEAR試験機を
用い、ASTM D4172に基づき、75℃、120
0rpm、40kg、60分条件で磨耗痕径を測定し
た。
【0051】潤滑性能は、曽田式振り子摩擦試験機を用
い、室温、0.5ラジアン条件で動摩擦係数を測定し
た。
【0052】消泡性は、アミン塩試料の1質量%水溶液
200mlを500mlメスシリンダーにとり、30秒
間振り混ぜ、60分後の残留泡量(ml)を測定した。
【0053】金属腐食性は、アミン塩試料の1質量%水
溶液100mlに鉄片を1ケ月半漬し、錆の発生程度を
3段階で判定した。判定基準は、○は全く錆びなし、△
は数点錆が発生、×は数十点のさびが発生とした。
【0054】
【表2】
【0055】表2からわかる通り、本発明の実施例1及
び2の切削研削液は、硫化されたヒドロキシ脂肪酸の縮
合物を用いた同様の比較例1の切削研削液と同等の性能
を有していることがわかる。
【0056】
【発明の効果】本発明は、極圧添加剤と液媒体とからな
り、極圧添加剤中の硫化されたヒドロキシ脂肪酸二量体
またはその塩の含有率を60〜100質量%とした研削
液または切削液である。硫化されたヒドロキシ脂肪酸二
量体やその塩の含有率が低い、硫化されたヒドロキシ脂
肪酸の縮合物またはその塩から調製した研削液または切
削液に比べれば、保存安定性に優れるという格別顕著な
効果を有する。しかも、硫化されたヒドロキシ脂肪酸の
縮合物またはその塩から調製した研削液または切削液と
同等の極圧性能を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10N 30:12 C10N 30:12 30:18 30:18 40:22 40:22 Fターム(参考) 4H104 AA01C BG14C DA02A EB02 FA01 LA03 LA06 LA09 LA20 PA22 QA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】極圧添加剤と液媒体とからなり、極圧添加
    剤中の下記の(1)式で示す硫化されたヒドロキシ脂肪酸
    二量体またはその塩の含有率を60〜100質量%とし
    た切削液。 【化1】 (但し、式(1)中、R1はOH基を含む炭素原子数1〜2
    0のアルキル基、R2は炭素原子数1〜20のアルキレン
    基、 nは1〜8の整数である。)
  2. 【請求項2】(1)式で示す硫化されたヒドロキシ脂肪酸
    二量体が、下記式(2)で示す硫化されたリシノール酸二
    量体である請求項1記載の切削液。 【化2】
  3. 【請求項3】極圧添加剤と液媒体とからなり、極圧添加
    剤中の下記の(1)式で示す硫化されたヒドロキシ脂肪酸
    二量体またはその塩の含有率を60〜100質量%とし
    た研削液。 【化3】 (但し、式(1)中、R1はOH基を含む炭素原子数1〜2
    0のアルキル基、R2は炭素原子数1〜20ののアルキレ
    ン基、 nは1〜8の整数である。)
  4. 【請求項4】(1)式で示す硫化されたヒドロキシ脂肪酸
    二量体が、下記式(2)で示す硫化されたリシノール酸二
    量体である請求項3記載の研削液。 【化4】
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