JPH115989A - ポリオールエステル系潤滑油組成物 - Google Patents

ポリオールエステル系潤滑油組成物

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JPH115989A
JPH115989A JP17777797A JP17777797A JPH115989A JP H115989 A JPH115989 A JP H115989A JP 17777797 A JP17777797 A JP 17777797A JP 17777797 A JP17777797 A JP 17777797A JP H115989 A JPH115989 A JP H115989A
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JP
Japan
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naphthylamine
polyol
ester
group
acid
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Application number
JP17777797A
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English (en)
Inventor
Takashi Saito
隆 斉藤
Mayumi Yamamoto
まゆみ 山本
Teruaki Onishi
輝明 大西
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Original Assignee
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃性と酸化安定性の大幅な改善を図り、潤
滑油が使用中霧状に噴霧漏洩し、着火源が存在しても燃
焼しにくく、酸価の増加や粘度の変化及びスラッジの発
生の少ない潤滑油組成物を提供する。 【解決手段】 不飽和脂肪酸ポリオールエステルから成
る基油に、フェノール−α−ナフチルアミン脱水縮合物
を0.8〜5質量%の割合で含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不飽和脂肪酸ポリ
オールエステルを基油とした難燃性と酸化安定性に優れ
るポリオールエステル系潤滑油組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】脂肪酸のポリオールエステルは、従来よ
り、潤滑油の基油として広く用いられている。その用途
はガスタービンエンジン油、自動車エンジン油、作動
油、圧延油など広い範囲に及ぶ。潤滑油はその目的上高
温で使用されることが多いため、引火点が鉱油系基油に
比較して高い脂肪酸のポリオールエステルが難燃性潤滑
油の基油として扱われている。しかし、上記エステルを
基油とて使用した潤滑油では、使用中に酸価の増加や粘
度の変化及び添加剤の影響によりスラッジの発生等が起
きる場合もあり、酸化安定性の良い潤滑油が求められて
おり、酸化安定性を改善するため、上記エステル基油中
に酸化防止剤を含ませることがよく行われている。この
ような酸化防止剤としては、例えばアルキル化フェニル
−α−アルキル化ナフチルアミン(特開平5−1792
75)、ジオクチルジフェニルアミン(特開昭53−2
7282号公報)、フェノチアジン(特開昭57−56
520号公報)、N,N’−ジ第二ブチル−p−フェニ
レンジアミン(特開昭53−42740号公報)などの
芳香族アミン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン(特開昭57−135897号公
報)、4,4’−ビス−(2,6−ジイソプロピルフェ
ノール)(特開昭53−27282号公報)などのフェ
ノール類、アンチモンジアミルジチオカルバメート(特
開昭53−27282号公報)、ジンクジアミルジチオ
フォスフェート(特開昭53−42740号公報)など
の金属塩類などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来の酸化防止剤では、難燃性や酸化安定性の向上効
果が低く、特にポリオールエステル基油がオレイン酸に
代表されるような不飽和脂肪酸を用いて合成されたポリ
オールエステルの場合、炭化水素結合であり、その分子
内に熱的に不安定でかつ酸化され易い二重結合を有する
ことが原因で、目的とする難燃性と酸化安定性の向上効
果はほとんど望めない。本発明は、上記従来技術の問題
点に鑑みてなされたものであり、不飽和脂肪酸ポリオー
ルエステルを基油としたエステル系潤滑油組成物の難燃
性と酸化安定性の大幅な改善を図り、潤滑油が使用中霧
状に噴霧漏洩し、着火源が存在しても燃焼しにくく、酸
価の増加や粘度の変化及びスラッジの発生の少ない潤滑
油組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を行った結果、不飽和脂肪酸
ポリオールエステルからなる基油に酸化防止剤として、
特定のアミン系酸化防止剤を配合することにより、使用
中での難燃性や酸価の増加や粘度の変化及びスラッジの
発生の少ない、難燃性と酸化安定性に非常に優れた長寿
命のエステル系潤滑油組成物が得られることを見い出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、不飽和脂肪酸ポリオールエステルか
ら成る基油に、フェノール−α−ナフチルアミン脱水縮
合物を0.8〜5質量%の割合で含有させていることを
特徴とするエステル系潤滑油組成物を提供するものであ
る。以下、本発明を詳細に説明する。
【0005】
【発明の実施の形態】不飽和脂肪酸ポリオールエステル
とは、不飽和モノカルボン酸とポリオールを反応させて
得られるエステル、または、不飽和モノカルボン酸と不
飽和多価カルボン酸の混合脂肪酸とポリオールを反応さ
せて得られるコンプレックスエステルのことであり、そ
の製造方法の詳細は、特開平6−33082号に記載さ
れている。ここで、不飽和モノカルボン酸は、二重結合
が1個又は2個以上、好ましくは1〜5個、更に好まし
くは1〜3個有するものであり、直鎖状のものが好まし
い。不飽和モノカルボン酸の炭素数は、8〜32個が好
ましく、特に好ましくは12〜20個である。炭素数が
8未満であると、高い潤滑性が得られなく、32を越え
るものでは、粘度指数向上効果が見られるが、低温流動
性が低下するため好ましくない。不飽和モノカルボン酸
の具体例としては、たとえばテラクリル酸、ウンデシレ
ン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレ
ン酸、アラキドン酸などが挙げられ、さらにパーム油脂
酸などの不飽和モノカルボン酸の混合物でもよいが、好
ましくはオレイン酸、パーム油脂酸などが挙げられ、特
に好ましくはオレイン酸である。これらの不飽和モノカ
ルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を
組み合わせて使用してもよい。
【0006】不飽和多価カルボン酸とは、カルボキシル
基を2個以上、好ましくは2〜3個有するもので、二重
結合を1個又は2個以上、好ましくは1〜5個、更に好
ましくは、1〜3個有するものである。不飽和多価カル
ボン酸の炭素数は、8〜54が好ましく、特に好ましく
は36〜54である。炭素数が8未満では、潤滑性が低
下し、54を越えると低温流動性が低下するため好まし
くない。不飽和多価カルボン酸の具体例としては、たと
えばアジピン酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−
ジメチルグルタル酸、スベリン酸、アゼライン酸、トリ
メチルアジピン酸、セバチン酸、イソフタル酸、ダイマ
ー酸、トリマー酸などがあげられる。これらの不飽和多
価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以
上を組み合わせて使用してもよい。
【0007】ポリオールとは、ヒドロキシル基を2個以
上、好ましくは3〜4個有するものである。ポリオール
の炭素数は、2〜10個が好ましく、特に好ましくは5
〜6個である。炭素数が2未満であると耐引火性、耐揮
発性が低下し、10を越えると低温流動性が低下するた
め好ましくない。また、ポリオールは、β位に水素が結
合していないポリオールが好ましい。これは、β位に水
素が結合していると熱力学に不安定であり、熱酸化安定
性に劣るからである。さらにポリオールは、脂肪族ポリ
オールが好ましく、さらに好ましくは飽和ポリオールが
好ましい。
【0008】ポリオールの好適な具体例としては、例え
ばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2
−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プ
ロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブ
タンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オク
タンジオール、1,10−デカンジオール、グリセリ
ン、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、ト
リメチロールプロパン、トリメチロールブタン、1,
2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールな
どが挙げられ、好ましくはネオペンチルグリコール、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げら
れる。これらのポリオールは、1種単独で使用してもよ
いし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0009】上記化合物の反応で得られた不飽和脂肪酸
ポリオールエステル(不飽和モノカルボン酸とポリオー
ルを反応させて得られるエステル)は、40℃における
動粘度が20〜100mm2/sのものが好ましく、特
に好ましくは、24〜75mm2/sのものである。動
粘度が20mm2/s未満だと、耐荷重性が低下し、1
00mm2/sを越えると低温流動性が低下するため好
ましくない。また、コンプレックスエステルの40℃に
おける動粘度は、40〜1000mm2/sが好まし
く、特に好ましくは、40〜600mm2/sである。
動粘度が40mm2/s未満だと、耐荷重性が低下し、
1000mm2/sを越えると低温流動性が低下するた
め好ましくない。
【0010】本発明のエステル系潤滑油組成物に配合さ
れるフェノール−α−ナフチルアミン脱水縮合物は、フ
ェノールとα−ナフチルアミンを脱水縮合して得られる
化合物である。フェノール−α−ナフチルアミン脱水縮
合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み
合わせて使用してもよい。ここでフェノールとは、フェ
ノール骨格を有するものであれば特に制限されるもので
はないが、フェノール骨格にアルキル基を有しているも
の、または有していないものどちらも使用することがで
きる。フェノール骨格にアルキル基が置換されている時
のアルキル基の炭素数は、1〜10個のものが好まし
い。
【0011】アルキル基の適当な具体例としては、例え
ばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル
基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル
基、tert−ペンチル基、2−メチルブチル基、n−
ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、
エチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル
基、n−オクチル基、イソオクチル基、tert−オク
チル基、2−エチルヘキシル基、3−メチルヘプチル
基、n−ノニル基、イソノニル基、1−メチルオクチル
基、エチルヘプチル基、n−デシル基、1−メチルノニ
ル基などが挙げられる。このアルキル基がフェノール骨
格へ置換している数は、通常1〜3個が好ましい。ま
た、アルキル基がフェノール骨格への置換する位置は、
特に制限されないが、水酸基に対して対象になる位置が
好ましく、水酸基に対してp−位及びo−位が好まし
い。
【0012】アルキル化フェノールの好適な具体例とし
ては、例えばp−メチルフェノール、p−エチルフェノ
ール、p−n−プロピルフェノール、p−n−ブチルフ
ェノール、p−n−ペンチルフェノール、p−n−ヘキ
シルフェノール、p−n−ヘプチルフェノール、p−n
−オクチルフェノール、p−n−ノニルフェノール、
2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−n−プロピ
ルフェノール、2,6−ジ−n−ブチルフェノール、
2,6−ジ−n−ヘキシルフェノール、2,6−ジ−n
−オクチルフェノール、2−メチル−6−n−プロピル
フェノール、2−エチル−6−n−ブチルフェノール、
2−n−ブチル−6−n−ヘキシルフェノール、2−n
−ヘキシル−6−n−オクチルフェノール、2,4,6
−トリメチルフェノール、2,4,6−トリエチルフェ
ノール、2,4,6−トリ−n−ブチルフェノール、
2,4,6−トリ−n−ペンチルフェノール、2,4,
6−トリ−n−ヘキシルフェノール、2,4,6−トリ
−n−ヘプチルフェノール、2,6−ジ−メチル−4−
n−ヘキシルフェノール、2,6−ジ−n−プロピル−
4−n−ヘキシルフェノール、2,6−ジ−n−ブチル
−4−n−ヘキシルフェノール、2,6−ジ−n−ブチ
ル−4−n−ヘプチルフェノール、2,6−ジ−n−ブ
チル−4−n−オクチルフェノール、2,6−ジ−n−
ヘキシル−4−n−ヘキシルフェノール、2,6−ジ−
n−ヘキシル−4−n−ヘキシルフェノール、2,6−
ジ−n−ヘキシル−4−n−ヘキシルフェノール、2−
メチル−4−n−ヘキシル−6−n−ヘキシルフェノー
ル、2−エチル−4−n−ヘキシル−6−n−ブチルフ
ェノール、2−n−プロピル−4−n−ヘキシル−6−
n−ブチルフェノール、2−n−ブチル−4−n−オク
チル−6−n−ペンチルフェノールなどが挙げられる。
これらのアルキル化フェノール及びフェノールは、1種
単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用
してもよい。
【0013】α−ナフチルアミンは、α位にアミノ基が
置換しているナフチルアミンであり、ナフタリン環にア
ルキル基が置換しているもの、または置換していないも
の、いずれも使用することができる。ナフタリン環にア
ルキル基が置換している場合のアルキル基の炭素数は、
特に制限されないが、1〜10個のアルキル基で、直鎖
状のものが好ましい。アルキル基の適当な具体例として
は、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−
ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペン
チル基、tert−ペンチル基、2−メチルブチル基、
n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル
基、エチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキ
シル基、n−オクチル基、イソオクチル基、tert−
オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−メチルヘプチ
ル基、n−ノニル基、イソノニル基、1−メチルオクチ
ル基、エチルヘプチル基、n−デシル基、1−メチルノ
ニル基などが挙げられる。このアルキル基がナフタリン
環へ置換している場合のアルキル基の置換数は、通常1
〜3個が好ましく、特に1個が好ましく、置換する位置
は、α位が好ましい。
【0014】α−ナフチルアミンの好適な具体例として
は、例えばα−ナフチルアミン、4−メチル−1−ナフ
チルアミン、4−エチル−1−ナフチルアミン、4−n
−プロピル−1−ナフチルアミン、4−n−ブチル−1
−ナフチルアミン、4−n−ヘキシル−1−ナフチルア
ミン、4−n−ヘプチル−1−ナフチルアミン、4−n
−オクチル−1−ナフチルアミン、4−n−デシル−1
−ナフチルアミン、6−メチル−1−ナフチルアミン、
6−エチル−1−ナフチルアミン、6−n−プロピル−
1−ナフチルアミン、6−n−ブチル−1−ナフチルア
ミン、6−n−ヘキシル−1−ナフチルアミン、6−n
−ヘプチル−1−ナフチルアミン、6−n−オクチル−
1−ナフチルアミン、6−n−デシル−1−ナフチルア
ミン、9−メチル−1−ナフチルアミン、9−エチル−
1−ナフチルアミン、9−n−プロピル−1−ナフチル
アミン、9−n−ブチル−1−ナフチルアミン、9−n
−ヘキシル−1−ナフチルアミン、9−n−ヘプチル−
1−ナフチルアミン、9−n−オクチル−1−ナフチル
アミン、9−n−デシル−1−ナフチルアミン、4,6
−ジ−n−ヘキシル−1−ナフチルアミン、4,6−ジ
−n−オクチル−1−ナフチルアミン、4−n−ブチル
−6−n−オクチル−1−ナフチルアミン、4−n−ヘ
キシル−6−n−オクチル−1−ナフチルアミン、4−
n−デシル−6−n−オクチル−1−ナフチルアミン、
6−n−ブチル−9−n−オクチル−1−ナフチルアミ
ン、6−n−ヘキシル−9−n−オクチル−1−ナフチ
ルアミン、6−n−デシル−9−n−オクチル−1−ナ
フチルアミン、4−n−ブチル−9−n−オクチル−1
−ナフチルアミン、4−n−ヘキシル−9−n−オクチ
ル−1−ナフチルアミン、4−n−デシル−9−n−オ
クチル−1−ナフチルアミン、4,6,9−トリ−n−
ブチル−1−ナフチルアミン、4,6,9−トリ−n−
ヘキシル−1−ナフチルアミン、4,6,9−トリ−n
−オクチル−1−ナフチルアミン、4−n−ブチル−6
−n−オクチル−9−n−オクチル−1−ナフチルアミ
ン、4−n−ヘキシル−6−n−オクチル−9−n−オ
クチル−1−ナフチルアミン、4−n−ヘキシル−6−
n−オクチル−9−n−ヘキシル−1−ナフチルアミン
などが挙げられる。これらのα−ナフチルアミンは、1
種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使
用してもよい。
【0015】フェノール−α−ナフチルアミン脱水縮合
物の配合割合は、本発明のエステル系潤滑油組成物の全
体量に対して、0.8〜5質量%であり、好ましくは1
〜2質量%である。フェノール−α−ナフチルアミン脱
水縮合物が、0.8質量%未満であると酸化防止効果が
十分でなく、5質量%を超えると添加量の割りに効果が
上がらない。
【0016】本発明のエステル系潤滑油組成物には、前
記成分の他、必要に応じて他の成分を適量配合すること
ができる。その他の添加剤としては、例えば、通常の潤
滑油組成物に用いられる成分、例えば錆止め剤、腐食防
止剤、消泡剤などの各種添加剤を適宜添加することがで
きる。錆止め剤としては、例えばアルケニルコハク酸及
びその誘導体、ソルビタンモノオレートなどのエステ
ル、ワックス酸化物、中性バリウムスルホネート、ソル
ビタントリオール、パラフィン又はその他アミン類など
が挙げられ、腐食防止剤としては、例えばジアルキルジ
チオりん酸塩、ベンゾトリアゾール及びその誘導体、
1,3,4−チアジアゾールポリスルフィド、1,3,
4−チアゾリル−2,5−ビスアルキルジチオカルバメ
ートなどが挙げられ、消泡剤としては例えばポリジメチ
ルシロキサンなどが挙げられる。
【0017】また、本発明のエステル系潤滑油組成物に
は、他の酸化防止剤として、フェノール−α−ナフチル
アミン脱水縮合物に加えて、例えば1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ビス
−(2,6−ジイソプロピルフェノール)、2,4−ジ
−tert−ブチル−p−クレゾールなどのフェノール
系化合物、ジオクチルジフェニルアミン、フェノチアジ
ン、N,N’−ジ第二ブチル−p−フェニレンジアミ
ン、などの芳香族アミン、アンチモンジアミルジチオカ
ルバメート、ジンクジアミルジチオフォスフェートなど
の金属塩類などを添加することができる。これらの添加
剤の添加量は適宜選定すればよいが、通常、錆止め剤は
0.01〜30質量%、腐食防止剤は0.01〜5質量
%、酸化防止剤は0.1〜1質量%、消泡剤は10〜1
00ppm添加すればよい。
【0018】本発明のエステル系潤滑油組成物は、前記
各成分を所定量適宜配合して混合することにより調製す
ることができる。各成分の混合方法及び各種添加剤の添
加方法は、特に制限されるものではなく、種々の方法に
より行うことができ、混合順序及び添加順序も種々の混
合順序及び添加順序で行うことができる。本発明のエス
テル系潤滑油組成物は、40℃における動粘度が通常1
0〜150mm2/sが好ましく、特に40〜80mm2
/sが好ましい。本発明のエステル系潤滑油組成物は、
作動油、自動車エンジン油、ガスタービンエンジン油、
圧延油などを始めとする種々の機械の潤滑油として使用
されるが、特に作動油の圧力媒体として優れた効果があ
る。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によりさら
に具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例によ
って何ら制限されるものではない。実施例では、基油に
必須成分及び種々の添加剤を配合して作動油組成物を調
製し、酸化安定度試験、燃焼性試験を行った。各実施
例、各比較例の作動油の調製に用いた基油、必須成分及
び添加剤の種類並びに各評価試験は次の通りである。
【0020】(1)不飽和脂肪酸ポリオールエステル トリメチロールプロパンオレイン酸エステル(40℃
における動粘度、46mm2/s) ペンタエリスリトールオレイン酸エステル(40℃に
おける動粘度、68mm2/s) (2)コンプレックスエステル NPGコンプレックスエステル(VG68) オレイン酸とダイマー酸とネオペンチルグリコールを反
応させて、40℃動粘度68mm2/sのNPGコンプ
レックスエステルを得た。 TMPコンプレックスエステル(VG68) オレイン酸とダイマー酸とトリメチロールプロパンを反
応させて、40℃動粘度68mm2/sのTMPコンプ
レックスエステルを得た。 NPGコンプレックスエステル(VG500) オレイン酸とダイマー酸とネオペンチルグリコールを反
応させて、40℃動粘度500mm2/sのNPGコン
プレックスエステルを得た。 TMPコンプレックスエステル(VG500) オレイン酸とダイマー酸とトリメチロールプロパンを反
応させて、40℃動粘度500mm2/sのTMPコン
プレックスエステルを得た。
【0021】(3)フェノール−α−ナフチルアミン脱
水縮合物 フェノールとα−ナフチルアミンを脱水縮合反応させ
て得られたフェニル−α−ナフチルアミンを使用した。 p−n−オクチルフェノールとα−ナフチルアミンを
脱水縮合反応させて得られたオクチルフェニル−α−ナ
フチルアミンを使用した。 (4)腐食防止剤 腐食防止剤として、ベンゾトリアゾールを使用した。 (5)錆止め剤 錆止め剤として、アルケニルコハク酸ハーフエステル、
ジシクロヘキシルアミンオレイン酸塩を用いた。
【0022】評価試験 (1)回転ボンベ式酸化安定度試験(RBOT) 試料50g、水5ml及び銅触媒を入れたふた付き試験
容器を、圧力計を備えたボンベの中に入れ、酸素を62
0kPaまで圧入し、150℃の恒温層に入れる。ボン
ベを30度の角度に保持しながら毎分100回転で回転
させ、圧力が最高になったときから175kPaの圧力
降下をするまでの時間を求める。この方法は、潤滑油の
酸化安定度を評価するもので、圧力降下までに要する時
間であらわし、時間が長いほど酸化安定性が良い潤滑油
であることを示す。 (2)スラッジ量の評価 上記RBOTが終了した後、ボンベ中の潤滑油を取り出
し、酸化劣化したときに生じたスラッジ量を測定し、こ
のスラッジ量を酸化安定度試験で要した時間で除して、
RBOT後のスラッジ量としてあらわした。
【0023】(3)燃焼試験 難燃性の評価は、燃焼特性評価試験((財)機械振興協
会技術研究所・高圧噴霧点火試験法)を用いた。評価方
法は、下記条件の装置及び状態において、高圧噴霧され
た潤滑油にプロパン炎を点火源として、噴霧された潤滑
油を着火させ、着火時から消火までの時間を測定し、そ
の時間を燃焼継続時間として、潤滑油の難燃度を評価し
た。 試験条件 流体温度 :65±2℃ 噴霧圧力 :70±3bar 噴霧ノズル:L・リポート6・15所定のホロウコーン 点 火 炎:プロパン炎(炎の長さ30〜40cm) 風 速 :噴霧方向に0.3m/s以下 測定項目 :燃焼継続時間(s)燃焼継続時間を測定
し、下表に示す4段階で難燃性を評価した。
【0024】
【表1】 0秒:点火炎のみで着火、点火炎を除去すると共に消火
【0025】実施例1〜23 前記の基油、フェノール−α−ナフチルアミン脱水縮合
物及び添加剤を配合して作動油を調製した。配合割合を
表2〜4の上段に、各評価試験の結果を表2〜4の下段
に示す。 比較例1〜11 上記の基油及び添加剤を配合して作動油を調製した。配
合割合を表5の上段に、各評価試験の結果を表5〜6の
下段に示す。
【0026】
【表2】
【0027】表2〜6における略号は、下記の意味を示
す。 NPG:ネオペンチルグリコールコンプレックスエステ
ル TMP:トリメチロールプロパンコンプレックスエステ
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】
【表6】
【0032】
【発明の効果】本発明によると、難燃性の向上と酸価の
増加や粘度の変化及びスラッジの発生の少ない酸化安定
性に非常に優れた長寿命のエステル系潤滑油組成物を提
供することができる。従って、本発明のエステル系潤滑
油組成物は、実用上極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10N 30:04 30:10 (72)発明者 大西 輝明 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和脂肪酸ポリオールエステルから成
    る基油に、フェノール−α−ナフチルアミン脱水縮合物
    を0.8〜5質量%の割合で含有させていることを特徴
    とするポリオールエステル系潤滑油組成物。
  2. 【請求項2】 不飽和脂肪酸ポリオールエステルが、不
    飽和モノカルボン酸とポリオールを反応させて得られる
    エステルであって、40℃における動粘度が20〜10
    0mm2/sのもの、または不飽和モノカルボン酸と不
    飽和多価カルボン酸の混合脂肪酸とポリオールを反応さ
    せて得られるコンプレックスエステルであって、40℃
    における動粘度が40〜1000mm2/sのものであ
    る請求項1記載のポリオールエステル系潤滑油組成物。
JP17777797A 1997-06-19 1997-06-19 ポリオールエステル系潤滑油組成物 Pending JPH115989A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001354983A (ja) * 2000-06-16 2001-12-25 Idemitsu Kosan Co Ltd 金属加工油組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001354983A (ja) * 2000-06-16 2001-12-25 Idemitsu Kosan Co Ltd 金属加工油組成物
JP4560178B2 (ja) * 2000-06-16 2010-10-13 出光興産株式会社 金属加工油組成物

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