JP2002293753A - シクロヘキサ−3−エン−1−オール誘導体の製造方法 - Google Patents

シクロヘキサ−3−エン−1−オール誘導体の製造方法

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佳孝 斉藤
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哲生 楠本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子材料、医農薬、香料、添加物、液晶性化
合物あるいはこれらの中間体等に有用な、1-置換-シク
ロヘキサ-3-エン-1-オール誘導体の効率的な製造方法を
提供する。 【解決手段】 シクロヘキサ-3-エン-1-オン誘導体に、
亜鉛存在下、ハロゲン化アリル誘導体を反応させること
を特徴とする、1-置換-シクロヘキサ-3-エン-1-オール
誘導体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子材料、医農
薬、香料、添加物、液晶性化合物あるいはこれらの中間
体等に有用な、1-置換-シクロヘキサ-3-エン-1-オール
誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】1-置換-シクロヘキサ-3-エン-1-オール
誘導体は電子材料、医農薬、香料、添加物、液晶性化合
物あるいはこれらの中間体等に有用であるが、従来その
製造方法としては、有機リチウム化合物、あるいは有機
マグネシウム化合物等の求核反応剤の、シクロヘキサ-3
-エン-1-オン誘導体の1位への求核付加反応によって、
置換基を導入する方法が知られている。しかし、シクロ
ヘキサ-3-エン-1-オン誘導体はエノール化し易いため、
通常、この方法は当該求核反応剤の塩基としての作用が
優先し、満足な収率は得られなかった。特に、部分的に
シクロヘキサ-3-エン-1-オンの構造を有する5,7-ジフル
オロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オンあるいは
5,6,7-トリフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-
2-オン等の、芳香環に複数のフッ素原子を有する1,2,3,
4-テトラヒドロナフタレン-2-オン誘導体のカルボニル
基への求核付加反応は、低い収率でしか目的物を得るこ
とができず、工業的には製造上問題が多かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、電子材料、医農薬、香料、添加物、液晶性
化合物あるいはこれらの中間体等に有用な1-置換-シク
ロヘキサ-3-エン-1-オール誘導体の工業的に有利な、好
収率の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1)
【0005】
【化6】 (式中Z1及びZ2はそれぞれ独立的に任意の置換基を表
す。)で表されるシクロヘキサ-3-エン-1-オン誘導体
に、亜鉛存在下、ハロゲン化アリル誘導体を反応させる
ことを特徴とする、1-置換-シクロヘキサ-3-エン-1-オ
ール誘導体の製造方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】一般式(1)において、Z1及びZ2はそれぞれ
独立的に任意の置換基であって、その様なZ1とZ2の例と
して、水素原子、あるいは炭素原子数1〜20のアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、
シクロアルケニル基、アリール基、アラルキル基または
アルキルアリール基(これらの基は、アルキル基、アル
ケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロア
ルケニル基、アリール基、アラルキル基またはアルキル
アリール基、あるいはフッ素原子等のハロゲン原子、ジ
フルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基等で更に
任意に置換されていてもよく、アルキル鎖中に酸素原子
が挿入されていてもよく、アリール基は1個以上のフッ
素原子で置換されていてもよい。)等を挙げることがで
きる。
【0008】また、一般式(1)において、Z1とZ2で環を
形成していてもよく、その様なZ1とZ 2の例としては、Z1
とZ2とで、トリメチレン基、あるいはプロペニレン基、
テトラメチレン基、1-ブテニレン基、2-ブテニレン基、
1,3-ブタジエニレン基(これらの基は任意に置換されて
いてもよい。)等を成している場合を挙げることができ
る。
【0009】更にシクロヘキサ-3-エン-1-オン誘導体の
例としては一般式(2)
【化7】 (式中、X1、X2及びX3はそれぞれ独立的に水素原子、ハ
ロゲン原子、保護された水酸基、1個以上のハロゲン原
子により置換されていてもよいアルキル基、または1個
以上のハロゲン原子により置換されていてもよいアルコ
キシル基を表し、Yは水素原子、ハロゲン原子、1個以上
のハロゲン原子により置換されていてもよいアルキル
基、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよ
いアルコキシル基、保護されたシアノ基、保護されたカ
ルボキシル基、または保護された水酸基、または一般式
(3)
【0010】
【化8】 (式中、nは0または1の整数を表し、L及びMはそれぞれ独
立的に単結合、-CH2CH2-、-CH(CH3)CH2-、- CH2CH(CH3)
-、-CH2O-、-OCH2-、-OCF2-、-CF2O-、-C≡C-、-CH=CH
-、-CF=CF-、-(CH2)4-、-(CH2)3O-、または-O(CH2)3-
を表し、環A及び環Bはそれぞれ独立的に1,4-フェニレン
基(基中の任意の水素原子はフッ素原子により置換され
ていてもよく、2個以内の任意のCHは窒素原子により置
換されていてもよい)、トランス-1,4-シクロへキシレン
基(基中、任意の2個以内のCH2は酸素原子または硫黄原
子で置換されていてもよい)、ナフタレン-2,6-ジイル基
(基中の任意の水素原子はフッ素原子により置換されて
いてもよく、2個以内の任意のCHは窒素原子により置換
されていてもよい)、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-
2,6-ジイル基(基中の任意の水素原子はフッ素原子によ
り置換されていてもよい)またはトランスデカヒドロナ
フタレン-2,6-ジイル基を表し、Zは水素原子、ハロゲン
原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていても
よいアルキル基、1個以上のハロゲン原子により置換さ
れていてもよいアルコキシル基、保護されたシアノ基、
保護されたカルボキシル基、または保護された水酸基を
表す。))で表される化合物を好ましく挙げることができ
る。好ましくは、一般式(2)中、X1、X2及びX3はそれぞ
れ独立的に水素原子、ハロゲン原子、保護された水酸
基、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよ
いアルキル基、または1個以上のハロゲン原子により置
換されていてもよいアルコキシル基を表し、Yは水素原
子、ハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子により置換
されていてもよいアルキル基、1個以上のハロゲン原子
により置換されていてもよいアルコキシル基である。
【0011】一般式(3)において、Zは保護されたシアノ
基、保護されたカルボキシル基、または保護された水酸
基を表すが、の場合オキサゾリン等により保護すること
が好ましく、カルボキシル基の場合エステルあるいはア
ミド等により保護することが好ましく、水酸基の場合テ
トラヒドロピラニルエーテルあるいはシリルエーテル等
により保護することが好ましい更に好ましくは以下のも
のを例示することが出来る。
【0012】
【化9】
【0013】一般式(2)で表される化合物は、特にエノ
ール化し易く、本発明の効果を良く享受できる。シクロ
ヘキサ-3-エン-1-オン誘導体の製造法としては、本発明
においては、制限されるものではないが、一般式(2)で
表される化合物は下記式
【0014】
【化10】 (式中、X1、X2、X3およびYは一般式(2)と同一の意味を
表し、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲ
ン原子を表す。)に示す如く、塩化アルミニウム等のル
イス酸触媒存在下でのフェニル酢酸ハロゲン化物誘導体
とエチレンガスとの環化反応によって製造することが出
来る。
【0015】本発明中、ハロゲン化アリル誘導体とは、
1-ハロゲン置換-2-プロペン構造あるいは3-ハロゲン置
換-1-プロペン構造を部分的に有している化合物を表
す。この好ましい例として、アルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アルコキシ基等で任意に置換されて
いてもよい1-ブロモ-2-シクロペンテン、1-クロロ-2-シ
クロペンテン、1-ブロモ-2-シクロヘキセン、1-クロロ-
2-シクロヘキセン等を挙げることができる。
【0016】また、本発明中のハロゲン化アリル誘導体
として、一般式(4a)、一般式(4b)
【化11】 (式中、Rは、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラル
キル基またはアルキルアリール基(上記の各基は、フッ
素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよく、アル
キル鎖中に酸素原子が挿入されていてもよく、アリール
基は1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい。)を
表し、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲ
ン原子を表す。)又は一般式(4a)及び一般式(4b)の混合
物で表される化合物を好ましく挙げることができる。
【0017】その例として、臭化アリル、塩化アリル、
臭化クロチル、塩化クロチル、1-ブロモ-2-ペンテン、1
-クロロ-2-ペンテン、1-ブロモ-2-ヘキセン、1-クロロ-
2-ヘキセン、1-ブロモ-2-ヘプテン、1-クロロ-2-ヘプテ
ン、1-ブロモ-2,4-ブタジエン、1-クロロ-2,4-ブタジエ
ン、1-ブロモ-2,4-ペンタジエン、1-クロロ-2,4-ペンタ
ジエン、1-ブロモ-2,4-ヘキサジエン、1-クロロ-2,4-ヘ
キサジエン、1-ブロモ-2,4-ヘプタジエン、1-クロロ-2,
4-ヘプタジエン、3-ブロモ-1-ブテン、3-クロロ-1-ブテ
ン、3-ブロモ-1-ペンテン、3-クロロ-1-ペンテン、3-ブ
ロモ-1-ヘキセン、3-クロロ-1-ヘキセン、3-ブロモ-1-
ヘプテン、3-クロロ-1-ヘプテン、3-ブロモ-1-オクテ
ン、3-クロロ-1-オクテン、等を挙げることができる。
特に、臭化アリル、塩化アリル、臭化クロチル、塩化ク
ロチル、1-ブロモ-2-ペンテン、1-クロロ-2-ペンテン、
1-ブロモ-2-ヘキセン、1-クロロ-2-ヘキセン、1-ブロモ
-2-ヘプテン、1-クロロ-2-ヘプテンが好ましい。
【0018】本発明で用いる亜鉛は、本発明の効果を供
し得るものであれば何れでもよく、例えば、形状として
粉末状、粉状、粒状、板状、ホイル状、削り状、棒状、
ひも状、塊状の何れでもよく、また塩酸等の処理により
活性を高めたものであっても構わない。また、実質的に
これらと同等の効果を有する、亜鉛を含有する金属化合
物であってもよい。
【0019】また、本発明においては、目的とする1-置
換-シクロヘキサ-3-エン-1-オールの製造を更に効率的
に行うための反応促進剤を併用してもよい。その一例と
して、トリメチルシリルクロリド等の珪素化合物、ある
いは種々のパラジウム化合物等の金属化合物を使用して
も良い。
【0020】本発明の、シクロヘキサ-3-エン-1-オン誘
導体とハロゲン化アリル誘導体との反応は例えば以下の
ように、表すことができる。
【化12】 (式中、Z1、Z2、R、およびXは一般式(1)、一般式(4
a)、一般式(4b)におけると同一の意味を表す。) この様にして、1位に置換基を有するシクロヘキサ-3-エ
ン-1-オール誘導体を得ることが出来る。
【0021】さらに、必要に応じてパラジウムカーボン
等の触媒を用いて水素化還元を行った後、パラ-トルエ
ンスルホン酸(p-TsOH)等の酸触媒存在下、トルエン等の
溶媒中、必要に応じ加熱等を行い脱水し、次いで必要に
応じてパラジウムカーボン等の触媒を用いて水素化還元
することにより、下記のように1位に置換基を有する、
シクロヘキサン誘導体あるいはシクロヘキセン誘導体を
得ることが出来る。あるいはp-TsOH等の酸触媒存在下、
トルエン等の溶媒中、必要に応じ加熱等を行い脱水し、
次いで必要に応じてパラジウムカーボン等の触媒を用い
て水素化還元することによっても、同様にシクロヘキサ
ン誘導体あるいはシクロヘキセン誘導体を得ることが出
来る。
【0022】
【化13】 (式中、Z1、Z2およびRは一般式(1)、一般式(4a)、一般
式(4b)におけると同一の意味を表し、R'はハロゲン化ア
リル誘導体の有機残基を表し、Z3及びZ4はそれぞれZ1
Z2の有機残基を表す。) 以上のように得られたシクロヘキサン誘導体あるいはシ
クロヘキセン誘導体は、更に従来公知の方法を用いて、
電子材料、医農薬、香料、添加物、液晶性化合物あるい
はこれらの中間体等に有用な化合物に導くことも可能で
ある。
【0023】また、シクロヘキサ-3-エン-1-オン誘導体
が、前記一般式(2)で表される化合物である場合、ハロ
ゲン化アリル誘導体との反応は例えば以下のように、表
すことができる。
【0024】
【化14】 (式中、X1、X2、X3、Y、RおよびXは一般式(2)、一般
式(4a)、一般式(4b)におけると同一の意味を表す。) さらに、必要に応じてパラジウムカーボン等の触媒を用
いて水素化還元を行った後、パラ-トルエンスルホン酸
(p-TsOH)等の酸触媒存在下、トルエン等の溶媒中、必要
に応じ加熱等を行い脱水し、次いで必要に応じてパラジ
ウムカーボン等の触媒を用いて水素化還元することによ
り、2位に置換基を有する1,2,3,4-テトラヒドロナフタ
レン誘導体を得ることが出来る。あるいはp-TsOH等の酸
触媒存在下、トルエン等の溶媒中、必要に応じ加熱等を
行い脱水し、次いで必要に応じてパラジウムカーボン等
の触媒を用いて水素化還元することによっても、2位に
置換基を有する同様に1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン
誘導体を得ることが出来る。
【0025】
【化15】 (式中、X1、X2、X3、YおよびRは一般式(2)、一般式(4
a)、一般式(4b)におけると同一の意味を表し、R'はハロ
ゲン化アリル誘導体の有機残基を表す。) 以上のように得られた1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン
誘導体は、更に従来公知の方法を用いて、農薬、香料、
あるいは液晶性化合物等に有用な化合物に導くことも可
能である。
【0026】後述する実施例からも明らかなように、本
発明は1-置換-シクロヘキサ-3-エン-1-オール誘導体の
工業的に有利な、好収率の製造方法を提供する。例え
ば、比較例1の様にグリニャール反応剤と比べ、実施例1
および2の様にハロゲン化アリル誘導体と亜鉛を用いた
場合、簡便で工業的に有利な上、付加物の収率を顕著に
向上させることができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0028】(実施例1) 5,7-ジフルオロ-2-(2-プロぺ
ニル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オールの合
【化16】 テトラヒドロフラン(THF)2.5mLへ5,7-ジフルオロ-1,2,
3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オン0.50gと臭化アリル
0.50gを溶解させ、系内を25℃とし、亜鉛末0.27gを3分
かけて加えた。更に30分撹拌し、10%塩酸2mLを加えた
後、トルエンで抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次いで、溶媒を溜去
して0.61gの粗生成物を得た。ガスクロマトグラフィー
により、生成物を分析したところ、出発物質5,7-ジフル
オロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オンが1%、
目的の5,7-ジフルオロ-2-(2-プロぺニル)-1,2,3,4-テト
ラヒドロナフタレン-2-オールが99%であった。
【0029】(実施例2) 5,7-ジフルオロ-2-(2-プロぺ
ニル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オールの合
【化17】 THF50mLへ5,7-ジフルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタ
レン-2-オン10.0gを溶解させ、次いで亜鉛末5.4gを加
え、撹拌下、懸濁させる。室温下、塩化トリメチルシリ
ル0.3mLを加えた後、臭化アリル10.0gを30分かけて滴下
し(このとき系内温度は50℃に達していた)、更に1時
間撹拌した。10%塩酸20mLを加えた後、トルエンで抽出
し、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。次いで、溶媒を溜去して12.3gの粗生成
物を得た。ガスクロマトグラフィーにより、生成物を分
析したところ、出発物質5,7-ジフルオロ-1,2,3,4-テト
ラヒドロナフタレン-2-オンが1%、目的の5,7-ジフルオ
ロ-2-(2-プロぺニル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン
-2-オールが99%であった。
【0030】(比較例1)
【化18】 アリルマグネシウムクロリド2.0M THF溶液28.8mLへ、
室温下、THF30mLに溶解した5,7-ジフルオロ-1,2,3,4-テ
トラヒドロナフタレン-2-オン10.0gを15分かけて滴下し
た。更に3時間撹拌し、10%塩酸30mLを加えた後、トル
エンで抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。次いで、溶媒を溜去して11.4
2gの粗生成物を得た。ガスクロマトグラフィーにより、
生成物を分析したところ、出発物質5,7-ジフルオロ-1,
2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オンが90%、目的の
5,7-ジフルオロ-2-(2-プロぺニル)-1,2,3,4-テトラヒド
ロナフタレン-2-オールは検出されなかった。
【0031】(応用例1)実施例1または実施例2より得ら
れた5,7-ジフルオロ-2-(2-プロぺニル)-1,2,3,4-テトラ
ヒドロナフタレン-2-オールを用い、以下の様にして5,7
-ジフルオロ-6-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-2-プロ
ピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンを合成した。融
点46.6℃。
【化19】
【0032】この様にして製造された5,7-ジフルオロ-6
-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-2-プロピル-1,2,3,4-
テトラヒドロナフタレンは液晶材料として極めて有用で
ある。
【0033】
【発明の効果】本発明は、シクロヘキサ-3-エン-1-オン
誘導体とハロゲン化アリル誘導体とを亜鉛存在下で反応
させる方法を提供し、1-置換-シクロヘキサ-3-エン-1-
オール誘導体の工業的に有利な、高収率の製造を可能と
した。得られた1-置換-シクロヘキサ-3-エン-1-オール
誘導体は電子材料、医農薬、香料、添加物、液晶性化合
物、あるいはそれらの中間体等として極めて有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC22 AC41 AD41 BA07 BA44 BA53 BB15 FC56 FC74 FE73 FE74 4H039 CA60 CF30

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中Z1及びZ2はそれぞれ独立的に任意の置換基を表
    す。)で表されるシクロヘキサ-3-エン-1-オン誘導体
    に、亜鉛存在下にハロゲン化アリル誘導体を反応させる
    ことを特徴とする、1-置換-シクロヘキサ-3-エン-1-オ
    ール誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(1)において、Z1とZ2とで環を形
    成しているところの請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 シクロヘキサ-3-エン-1-オン誘導体が一
    般式(2) 【化2】 (式中、X1、X2及びX3はそれぞれ独立的に水素原子、ハ
    ロゲン原子、保護された水酸基、1個以上のハロゲン原
    子により置換されていてもよいアルキル基、または1個
    以上のハロゲン原子により置換されていてもよいアルコ
    キシル基を表し、Yは水素原子、ハロゲン原子、1個以上
    のハロゲン原子により置換されていてもよいアルキル
    基、1個以上のハロゲン原子により置換されていてもよ
    いアルコキシル基、保護されたシアノ基、保護されたカ
    ルボキシル基、または保護された水酸基、または一般式
    (3) 【化3】 (式中、nは0または1の整数を表し、L及びMはそれぞれ独
    立的に単結合、-CH2CH2-、-CH(CH3)CH2-、- CH2CH(CH3)
    -、-CH2O-、-OCH2-、-OCF2-、-CF2O-、-C≡C-、-CH=CH
    -、-CF=CF-、-(CH2)4-、-(CH2)3O-、または-O(CH2)3-
    を表し、環A及び環Bはそれぞれ独立的に1,4-フェニレン
    基(基中の任意の水素原子はフッ素原子により置換され
    ていてもよく、2個以内の任意のCHは窒素原子により置
    換されていてもよい)、トランス-1,4-シクロへキシレン
    基(基中、任意の2個以内のCH2は酸素原子または硫黄原
    子で置換されていてもよい)、ナフタレン-2,6-ジイル基
    (基中の任意の水素原子はフッ素原子により置換されて
    いてもよく、2個以内の任意のCHは窒素原子により置換
    されていてもよい)、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-
    2,6-ジイル基(基中の任意の水素原子はフッ素原子によ
    り置換されていてもよい)またはトランスデカヒドロナ
    フタレン-2,6-ジイル基を表し、Zは水素原子、ハロゲン
    原子、1個以上のハロゲン原子により置換されていても
    よいアルキル基、1個以上のハロゲン原子により置換さ
    れていてもよいアルコキシル基、保護されたシアノ基、
    保護されたカルボキシル基、または保護された水酸基を
    表す。))で表されることを特徴とする請求項1又は2記載
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 ハロゲン化アリル誘導体が、一般式(4
    a)、一般式(4b) 【化4】 (式中、Rは、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル
    基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラル
    キル基またはアルキルアリール基(上記の各基は、フッ
    素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよく、アル
    キル鎖中に酸素原子が挿入されていてもよく、アリール
    基は1個以上のフッ素原子で置換されていてもよい)を表
    し、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン
    原子を表す)又は一般式(4a)及び一般式(4b)の混合物で
    表されることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 1-置換-シクロヘキサ-3-エン-1-オール
    誘導体が一般式(5) 【化5】 (式中、X1、X2、X3及びYは一般式(2)におけると同じ意
    味を表し、Rは一般式(4a)あるいは(4b)におけると同じ
    意味を表す。)で表されることを特徴とする請求項1〜4
    の何れかに記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式(2)において、X1、X2及びX3はそ
    れぞれ独立的に水素原子、またはフッ素原子を表し、Y
    は水素原子、フッ素原子、1個以上のフッ素原子により
    置換されたメチル基またはメトキシ基、またはフェニル
    基(1個以上のフッ素原子、トリフルオロメトキシ基、ジ
    フルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基により置換
    されていてもよい。)を表すところの請求項1〜5の何れ
    かに記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 一般式(2)において、X1及びX2はともに
    フッ素原子を表し、X 3は水素原子を表し、Yは水素原
    子、フッ素原子、保護された水酸基、ジフルオロメトキ
    シ基、トリフルオロメトキシ基、またはトリフルオロメ
    チル基を表すところの請求項1〜6の何れかに記載の製造
    方法。
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