JP2002293228A - マスタシリンダ - Google Patents

マスタシリンダ

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JP2002293228A
JP2002293228A JP2001097855A JP2001097855A JP2002293228A JP 2002293228 A JP2002293228 A JP 2002293228A JP 2001097855 A JP2001097855 A JP 2001097855A JP 2001097855 A JP2001097855 A JP 2001097855A JP 2002293228 A JP2002293228 A JP 2002293228A
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diameter
chamber
valve
piston
negative pressure
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JP2001097855A
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Takahito Ogiwara
貴人 荻原
Yoshiro Saito
佳郎 斎藤
Hiromi Ando
博美 安藤
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負圧式倍力装置に負圧失陥が発生しても、制
動初期において生じる、ブレーキペダルへの入力に対す
るブレーキ液圧の不足を最小限に抑えることができるマ
スタシリンダを提供する。 【解決手段】 負圧式倍力装置10に導入されるエンジ
ンの吸気系負圧を検出し該吸気系負圧に応じて大径与圧
室56の液圧をリザーバ12側に開放する開放手段12
3を具備することで、負圧式倍力装置10に負圧失陥が
発生した場合に、開放手段123がこれを吸気系負圧か
ら検出して大径与圧室56の液圧をリザーバ12側に開
放する。すると、制動初期でも大気与圧室56はリザー
バ12と同じ大気圧となるため、運転者はブレーキペダ
ル2の操作で大径の大径与圧室56を昇圧させる必要が
なくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のブレーキ
装置等にブレーキ液を供給するマスタシリンダに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のマスタシリンダとして、実願昭5
5−152602号(実開昭57−73248号)のマ
イクロフィルムに記載されているように、ディスクブレ
ーキやドラムブレーキ等のブレーキ装置に対してブレー
キ液を供給する際、作動初期に大容量のブレーキ液を供
給する、いわゆるファーストフィルを行うことで、スト
ローク初期の無効液量分を補い、その結果、ペダルスト
ロークを短縮可能なものがある。
【0003】このマスタシリンダは、大径シリンダ部お
よび小径シリンダ部を有する段付シリンダと、該段付シ
リンダの大径シリンダ部内に摺動可能に挿入される大径
ピストン部および小径シリンダ内に摺動可能に挿入され
る小径ピストン部を有する段付ピストンと、段付シリン
ダ内を大径ピストン側の大径与圧室と小径ピストン側の
小径液圧室とに区画するとともに大径与圧室側から小径
液圧室側へのブレーキ液の流れのみを許容するカップシ
ールとを備え、段付ピストンの小径液圧室側への摺動に
よる大径与圧室の体積減少によりカップシールを開いて
大径与圧室側から小径液圧室側へ液補給を行うようにな
っている。
【0004】このマスタシリンダは、大径与圧室の内圧
が予め設定された解除液圧以上となったとき、該大径与
圧室からリザーバにブレーキ液を逃がすリリーフ弁を備
えており、該リリーフ弁に、大径与圧室を常時リザーバ
に連通させるべく切欠を設け、この切欠によるごく小径
の連通路によって、大径与圧室にリザーバから液を補給
するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ブレーキペ
ダルの操作に応じてブレーキ液圧を発生させる機構は、
上記マスタシリンダに加えて、エンジンの吸気系負圧を
利用して運転者によるブレーキペダルの入力を助勢しマ
スタシリンダに伝達する負圧式倍力装置を有している。
この負圧式倍力装置は、負圧が導入されなくなるような
失陥(負圧失陥と称す)が生じた場合には、当然のこと
ながら、ブレーキペダルへの入力を助勢できない状態が
生じてしまう。
【0006】一方、上記した従来のマスタシリンダは、
リリーフ弁による解除液圧が予め設定された固定値であ
り、大径与圧室の液圧が解除液圧となるまでの制動初期
においては、必ず大径与圧室を昇圧させる構造のもので
あるため、上記のように負圧式倍力装置に負圧失陥が生
じた場合でも、制動初期は、必ず大径の大径与圧室を昇
圧させなければならない。よって、運転者は、負圧式倍
力装置に負圧失陥が生じた状態において、該負圧式倍力
装置の助勢力がない状況で、さらにマスタシリンダの大
径の大径与圧室を昇圧させなければならず、その結果、
ブレーキペダルへの入力に対して発生するブレーキ液圧
が大きく不足する領域が生じてしまうことになる。この
ため、運転者は、必要なブレーキ液圧を発生させるため
に、より大きな踏力でブレーキペダルを踏まなければな
らなくなってしまう。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、負圧式倍力装置に負圧失
陥が発生した場合でも、制動初期において生じる、ブレ
ーキペダルへの入力に対するブレーキ液圧の不足を最小
限に抑えることができるマスタシリンダを提供すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1記載のマスタシリンダは、大径シ
リンダ部および小径シリンダ部を有する段付シリンダ
と、該段付シリンダの前記大径シリンダ部内に摺動可能
に挿入される大径ピストン部および前記小径シリンダ部
内に摺動可能に挿入される小径ピストン部を有する段付
ピストンと、前記段付シリンダ内を前記大径ピストン部
側の大径与圧室と前記小径ピストン部側の小径液圧室と
に区画するとともに前記大径与圧室側から前記小径液圧
室側へのブレーキ液の流れのみを許容する逆止開閉部
と、前記段付ピストンの前記小径液圧室側への摺動によ
る前記大径与圧室の体積減少により前記逆止開閉部を開
かせて前記大径与圧室側から前記小径液圧室側へ液補給
を行わせるとともに前記大径与圧室の液圧が解除液圧に
なると該大径与圧室の液圧をリザーバ側に開放するリリ
ーフ弁と、を有するものであって、負圧式倍力装置に導
入される負圧力に応じて前記大径与圧室の液圧をリザー
バ側に開放する開放手段を具備することを特徴としてい
る。
【0009】このように、負圧式倍力装置に導入される
エンジンの吸気系負圧に応じて大径与圧室の液圧をリザ
ーバ側に開放する開放手段を具備するため、負圧式倍力
装置に負圧失陥が発生した場合に、開放手段がこれを負
圧式倍力装置の負圧力によって検出して大径与圧室の液
圧をリザーバ側に開放する。すると、制動初期でも大気
与圧室はリザーバと同じ大気圧となるため、運転者はブ
レーキペダルの操作で大径の大径与圧室を昇圧させる必
要がなくなり小径の小径液圧室のみを昇圧させればよい
ことになる。
【0010】本発明の請求項2記載のマスタシリンダ
は、請求項1記載のものに関して、前記開放手段は、前
記大径与圧室と前記リザーバとを前記リリーフ弁を介さ
ずバイパス接続させるバイパス流路と、該バイパス流路
に設けられ前記吸気系負圧に応じて開閉する開閉弁とを
有することを特徴としている。
【0011】これにより、負圧式倍力装置に負圧失陥が
発生した場合に、開閉弁がこれを吸気系負圧から検出し
てバイパス流路を介して大径与圧室の液圧をリザーバ側
に開放する。
【0012】本発明の請求項3記載のマスタシリンダ
は、請求項1記載のものに関して、前記開放手段は、前
記吸気系負圧に応じて前記リリーフ弁を前記解除液圧と
は無関係に開弁させる開弁機構を有することを特徴とし
ている。
【0013】これにより、負圧式倍力装置に負圧失陥が
発生した場合に、開弁機構がこれを吸気系負圧から検出
してリリーフ弁を解除液圧とは無関係に開弁させて大径
与圧室の液圧をリザーバ側に開放する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施形態のマスタシ
リンダを図1〜図3を参照して説明する。
【0015】図1中、符号1は、第1実施形態のマスタ
シリンダを示すもので、マスタシリンダ1は、負圧式倍
力装置10を介して導入されるブレーキペダル2の入力
に応じた力でブレーキ液圧を発生させるマスタシリンダ
本体11と、マスタシリンダ本体11の上部に取り付け
られて該マスタシリンダ本体11に対しブレーキ液を給
排するリザーバ12とを有している。
【0016】マスタシリンダ本体11は、横方向に沿う
略有底筒状の段付シリンダ15と、該段付シリンダ15
の開口部側(図における右側)に摺動可能に嵌合された
プライマリピストン(段付ピストン)16と、段付シリ
ンダ15のプライマリピストン16より底部15a側
(図における左側)に摺動自在に嵌合されたセカンダリ
ピストン17とを有している。
【0017】段付シリンダ15は、該段付シリンダ15
の底部15aが形成されるとともに横方向に沿って穴部
20が形成された有底円筒状の第1部材21と、該第1
部材21の穴部20内に底部15a側から順次嵌合され
る略円筒状の第2部材22、第3部材23、第4部材2
4および第5部材25と、第5部材25の底部15aに
対し反対側に該第5部材25を覆うように設けられる第
6部材26と、該第6部材26の底部15aに対し反対
側に設けられるとともに第1部材21に螺合されて第2
部材22〜第6部材26を第1部材21内に保持する第
7部材27とを有している。
【0018】第2部材22の内側に、上記セカンダリピ
ストン17が摺動可能に嵌合されている。セカンダリピ
ストン17は一端側から穴部30が形成された有底円筒
状をなしており、該穴部30を第1部材21の底部15
aに対向させるようにして第2部材22に嵌合されてい
る。
【0019】ここで、第1部材21の底部15a側とセ
カンダリピストン17の底部15a側すなわち穴部30
側とで囲まれた部分が、セカンダリ側小径液圧室32と
なっている。
【0020】第2部材22には、一端側が該第2部材2
2の径方向における内周面に開口するとともに他端側が
第1部材21の流路33を介してリザーバ12に常時連
通するポート34が形成されており、セカンダリピスト
ン17には、上記ポート34とセカンダリ側小径液圧室
32とを連通可能なリリーフポート35が形成されてい
る。
【0021】第2部材22と第1部材21との間には、
セカンダリ側小径液圧室32とポート34との連通を遮
断可能なカップシール36が設けられている。このカッ
プシール36はセカンダリ側小径液圧室32の液圧がリ
ザーバ12側の液圧以上の場合にこれらの連通を遮断す
るもので、セカンダリ側小径液圧室32の液圧がリザー
バ12側の液圧より低い場合にはこれらを連通させ液補
給を可能とする。
【0022】セカンダリピストン17の穴部30と第1
部材21の底部15aとの間には、図示せぬブレーキペ
ダル2側(図1における右側)から入力がない初期状態
(このときの各部の位置を初期位置と以下称す)でこれ
らの間隔を決めるセカンダリピストンスプリング38が
設けられている。この初期位置にあるとき、セカンダリ
ピストン17は、リリーフポート35をポート34に連
通させており、その結果、セカンダリ側小径液圧室32
をリザーバ12に連通させている。
【0023】この状態からセカンダリピストン17が第
1部材21の底部15a側に移動すると、セカンダリ側
小径液圧室32の液圧がリザーバ12側の液圧以上の状
態においては、該セカンダリピストン17はそのリリー
フポート35がカップシール36で閉塞されてポート3
4との連通が遮断され、その結果、セカンダリ側小径液
圧室32とリザーバ12との連通が遮断されることにな
り、これにより、さらにセカンダリピストン17が底部
15a側に移動することでセカンダリ側小径液圧室32
からブレーキ装置にブレーキ液を供給する。
【0024】第4部材24は、第1部材21の底部15
a側の小径シリンダ部40および第1部材21の底部1
5aに対し反対側の、小径シリンダ部40より大径の大
径シリンダ部41とを有する段付形状をなしており、小
径シリンダ部40の内側に、上記プライマリピストン1
6が摺動可能に嵌合されている。
【0025】プライマリピストン16は一端側に、セカ
ンダリピストン17に対向配置される穴部43が形成さ
れるとともに他端側にも負圧式倍力装置10のロッド1
0aが挿入される穴部44が形成されており、第4部材
24の小径シリンダ部40に摺動可能に挿入される小径
ピストン部46と、第4部材24の大径シリンダ部41
に摺動可能に挿入される大径ピストン部47とを有して
いる。この大径ピストン部47は、第5部材25にも摺
動可能に挿入されている。
【0026】セカンダリピストン17の底部15aに対
し反対側と、プライマリピストン16の底部15a側す
なわち穴部43側と第3部材23とで囲まれた部分が、
プライマリ側小径液圧室(小径液圧室)49となってい
る。
【0027】ここで、第3部材23には、第1部材21
との間に、穴部50を介してプライマリ側小径液圧室4
9に常時連通する小径液圧室連通流路51が形成されて
いる。
【0028】第2部材22と第3部材23とセカンダリ
ピストン17との間には、プライマリ側小径液圧室49
と流路33及びポート34との連通を遮断するカップシ
ール53が設けられている。
【0029】また、第3部材23の小径液圧室連通流路
51より底部15a側と第1部材21との間には、小径
液圧室連通流路51と流路33及びポート34との連通
を常時遮断するOリング54が設けられている。
【0030】プライマリピストン16と第4部材24の
大径シリンダ部41側とで囲まれた部分が、大径与圧室
56となっている。
【0031】第4部材24には、一端側が小径シリンダ
部40の径方向の内周面に開口するとともに他端側が大
径与圧室56に常時連通するポート57が形成されてお
り、プライマリピストン16の小径ピストン部46に
は、上記ポート57と穴部43すなわちプライマリ側小
径液圧室49とを連通可能なリリーフポート58が形成
されている。なお、ポート57は、第3部材23と第4
部材24との間の与圧室連通流路59にも常時連通して
いる。
【0032】第3部材23と第4部材24とプライマリ
ピストン16の小径ピストン部46との間には、プライ
マリ側小径液圧室49と大径与圧室56側との連通を遮
断可能なカップシール(逆止開閉部)61が設けられて
いる。このカップシール61は、プライマリ側小径液圧
室49の液圧が大径与圧室56の液圧以上の場合にこれ
らの連通を遮断するもので、逆に大径与圧室56の液圧
がプライマリ側液圧室49の液圧より高い場合にはこれ
らを連通可能とする。このカップシール61は、言い換
えれば、段付シリンダ15内を大径ピストン部47側の
大径与圧室56と小径ピストン部46側のプライマリ側
小径液圧室49とに区画するとともに大径与圧室56側
からプライマリ小径液圧室49側へのブレーキ液の流れ
のみを許容するものである。
【0033】第3部材23の小径液圧室連通流路51よ
り底部15aに対し反対側と第1部材21との間には、
小径液圧室連通流路51と大径与圧室56側との連通を
常時遮断するOリング62が設けられている。
【0034】セカンダリピストン17とプライマリピス
トン16との間には、図示せぬブレーキペダル2側(図
1における右側)から入力がない初期状態でこれらの間
隔を決めるプライマリ初期位置決機構64が設けられて
いる。このプライマリ初期位置決機構64は、セカンダ
リピストン17に当接する当接部材65と、プライマリ
ピストン16側に延出するように該当接部材65に固定
された軸部材66と、該軸部材66を所定の範囲で移動
可能に保持するとともにプライマリピストン16の穴部
43の底に当接する当接部材67と、当接部材65,6
7同士を相反方向に付勢するプライマリピストンスプリ
ング68とを有している。
【0035】プライマリ初期位置決機構64がプライマ
リピストンスプリング68の付勢力で当接部材65,6
7同士を軸部材66で規定される最も離れた位置に位置
させるとき、プライマリピストン16は、初期位置に配
置され、このとき、リリーフポート58をポート57に
連通させており、プライマリ側小径液圧室49を大径与
圧室56に連通させている。
【0036】初期状態から底部15a側に移動すると、
プライマリ側小径液圧室49の液圧が大径与圧室56の
液圧以上の場合に、プライマリピストン16は、そのリ
リーフポート58がカップシール61で閉塞されてポー
ト57との連通が遮断され、プライマリ側小径液圧室4
9と大径与圧室56側との該リリーフポート58を介し
ての連通を遮断することになり、この状態からさらに底
部15a側に移動すると、プライマリ側小径液圧室49
からブレーキ装置にブレーキ液を供給する。なお、リリ
ーフポート58を閉塞させた状態であっても大径与圧室
56の液圧がプライマリ側小径液圧室49の液圧以上の
ときは、カップシール61を介して大径与圧室56のブ
レーキ液がプライマリ側小径液圧室49に流れるように
なっている。
【0037】第4部材24は、第1部材21との間に、
第1部材21の流路70を介してリザーバ12に常時連
通する大気圧の液補給室71を形成している。この第4
部材24の液補給室71より底部15a側と第1部材2
1との間には、大径側与圧室56と液補給室71との連
通を常時遮断するOリング72が設けられている。
【0038】第5部材25には、一端側が径方向におけ
る内周面に開口するとともに他端側が液補給室71に常
時連通するポート74が形成されており、プライマリピ
ストン16には、一端側が大径ピストン部47の径方向
における外周面に開口することでポート74すなわち液
補給室71に連通可能であるとともに他端側が大径ピス
トン部47と小径ピストン部46との境界の段部75す
なわち大径与圧室56に常時連通するリリーフポート7
6が形成されている。
【0039】第4部材24と第5部材25とプライマリ
ピストン16の大径ピストン部47との間には、大径与
圧室56と液補給室71との連通を遮断可能なカップシ
ール78が設けられている。このカップシール78は、
大径与圧室56の液圧が液補給室71の液圧以上の場合
にこれらの連通を遮断するもので、逆に液補給室71の
液圧が大径与圧室56の液圧より高い場合にはこれらを
連通させて液補給を行う。
【0040】初期位置にあるとき、プライマリピストン
16は、リリーフポート76をポート74に連通させて
おり、大径与圧室56を液補給室71に連通させてい
る。そして、プライマリピストン16が、初期状態から
底部15a側すなわちプライマリ側小径液圧室49側に
摺動すると、大径与圧室56側の液圧が液補給室71の
液圧以上の場合、そのリリーフポート76がカップシー
ル78で閉塞されてポート74との連通が遮断され、大
径与圧室56と液補給室71との該リリーフポート76
を介しての連通を遮断することになり、さらにプライマ
リ側小径液圧室49側に摺動すると、プライマリピスト
ン16は大径ピストン部47が大径与圧室56の体積を
減少させることで、大径与圧室56の液圧を高め、該大
径与圧室56とプライマリ側小径液圧室49との間に設
けられたカップシール61を開いて、大径与圧室56側
からプライマリ側小径液圧室49へ液補給を行うことに
なる。
【0041】第5部材25と第6部材26とプライマリ
ピストン16の大径ピストン部47との間には、カップ
シール79が設けられ、第1部材21と第6部材26と
の間にはOリング80が設けられている。
【0042】なお、リリーフポート35,58,76
は、液流通抵抗を抑えるためすべて直径がφ2と大きく
されかつそれぞれ数箇所設けられている。また、セカン
ダリピストン17のリリーフポート35近傍のカップシ
ール36と接触する周囲部分、およびプライマリピスト
ン16のリリーフポート76近傍のカップシール78と
接触する周囲部分には、本出願人が先に出願を行った特
願平10−294502号に記載されたテーパ面が形成
されている。これらにより、トラクションコントロール
装置と組み合わせ、該トラクションコントロール装置が
プライマリ側小径液圧室49およびセカンダリ側小径液
圧室32から強制的にブレーキ液を吸入する際に、ブレ
ーキ液をトラクションコントロール装置に大きな流量で
流すことができるようになっている。
【0043】そして、第1実施形態では、第1部材21
に、小径液圧室連通流路51を介してプライマリ側小径
液圧室49に常時連通する小径液圧室連通ポート82
と、与圧室連通流路59を介して大径与圧室56に常時
連通する与圧室連通ポート83と、液補給室71に常時
連通する液補給室連通ポート84とが形成されており、
これらポート82,83,84には、それぞれ外部配管
からなる連結流路85a〜85cを介して該マスタシリ
ンダ本体11とは別体の制御弁(リリーフ弁)86が連
結されている。
【0044】制御弁86は、有底円筒状のバルブシリン
ダ本体87と、該バルブシリンダ本体87内に摺動可能
に嵌合されるバルブピストン88と、該バルブピストン
88の一端側に設けられて該バルブピストン88をバル
ブシリンダ本体87の底部87a方向に押圧するバルブ
スプリング89と、バルブシリンダ本体87の開口側を
閉塞させるとともにバルブピストン88との間にバルブ
スプリング89を保持する蓋部材90と、バルブシリン
ダ本体87に蓋部材90を固定するCリング91とを有
している。なお、バルブシリンダ本体87と蓋部材90
とでバルブシリンダ92が構成されている。
【0045】バルブピストン88は、先端側に第1軸部
93が形成され、該第1軸部93に隣り合ってこれより
大径の第2軸部94が形成され、また、該第2軸部94
に隣り合ってこれより小径の第3軸部95が形成され、
さらに、該第3軸部95に隣り合って第2軸部94より
大径の第4軸部96が形成され、最後に、該第4軸部9
6に隣り合ってこれより小径でバルブスプリング89内
に挿入される第5軸部97が形成されている。そして、
第1軸部93の先端にはシール部材99が設けられてい
る。また、第2軸部94と第4軸部96とには、バルブ
シリンダ本体87の内面との隙間を常時シールする2つ
のOリング(リングシール)100,101が設けられ
ている。
【0046】バルブシリンダ本体87の底部87aに
は、バルブピストン88のシール部材99で開閉される
ポート102が形成されており、該ポート102が連結
流路85bを介して与圧室連通ポート83に連通されて
いる。また、バルブシリンダ本体87の側部87bの底
部87a側には、バルブシリンダ本体87、バルブピス
トン88のバルブスプリング89に対し反対側外周を形
成する第1軸部93、第2軸部94およびシール部材1
00で囲まれた液室(リリーフ室)104に常時連通す
るポート105が形成されており、該ポート105が連
結流路85cを介して液補給室連通ポート84に連通さ
れている。さらに、バルブシリンダ本体87の側部87
bには、バルブシリンダ本体87、バルブピストン88
の第2軸部94、第3軸部95、第4軸部96、シール
部材100およびシール部材101で囲まれた液室10
6に常時連通するポート107が形成されており、該ポ
ート107が連結流路85aを介して小径液圧室連通ポ
ート82に連通されている。ここで、バルブピストン8
8のシール部材99とバルブシリンダ本体87のポート
102とが、液室104と大径与圧室56に連通された
連結流路85bとの間を連通遮断する開閉弁機構108
を構成している。
【0047】そして、制御弁86は、バルブピストン8
8を、ポート102に導入される大径与圧室56の液圧
と液室106に導入されるプライマリ側小径液圧室49
の液圧とバルブスプリング89の付勢力でバランスさせ
る。このときのバランスは次式で表される。
【0048】すなわち、図2に示すように、Oリング1
01によるシール断面積をA1、Oリング100による
シール断面積をA2(ただし、A2<A1)、シール部
材99によるシール断面積をA3とし、プライマリ側小
径液圧室49の液圧をPa、大径与圧室56の液圧をP
b、バルブスプリング89のセット荷重をFとすると、 Pa×(A1−A2)+Pb×A3=F となる。
【0049】そして、図3に示すように、大径与圧室5
6の液圧が上昇を開始すると(p1点)、プライマリ側
小径液圧室49もカップシール61が開かれることで該
大径与圧室56の液圧と同圧で上昇する(p1点〜p2
点)。そして、Pa×(A1−A2)+Pb×A3>F
となると(p2点。この点の液圧を与圧室解除液圧と称
す)、制御弁86のバルブピストン88がバルブスプリ
ング89の付勢力に抗して微小に移動してポート102
を微小に開き、大径与圧室56の液圧解除を開始させ
る。このとき、Pa×(A1−A2)+Pb×A3=F
の式を満足させるようにプライマリ側小径液圧室49の
液圧Paの上昇に応じて徐々に大径与圧室56の液圧P
bが下がるように、言い換えれば、プライマリ側小径液
圧室49の液圧上昇に相関して大径与圧室56の液圧P
bが低下するように、大径与圧室56の液圧Pbを液補
給室71を介してリザーバ12側に逃がすことになる
(p2点〜p3点)。
【0050】ここで、高昇圧時すなわちブレーキペダル
2を比較的速い速度で踏圧する操作時においては、負圧
式倍力装置10からの入力はリニアに上昇することにな
り、プライマリ側小径液圧室49の液圧Paは一定割合
で上昇することになるため、制御弁86は、大径与圧室
56の液圧Pbを設定した勾配に沿って徐々に低下する
ようにリザーバ12側に逃がすことになる。この勾配は
任意に設定可能であり、車両に合わせたチューニングが
可能である。
【0051】そして、大径与圧室56の液圧が解除され
大気圧になると(p3点以降)、バランス式は、 Pa×(A1−A2)>F となり、制御弁86は開状態が維持されるため、プライ
マリ側小径液圧室49のみでブレーキ液圧を制御するこ
とになる。
【0052】大径与圧室56と制御弁86とを連通させ
る連結流路85bと、液補給室71と制御弁86とを連
通させる連結流路85cとが、制御弁86を介さずにバ
イパス流路85dで連通可能とされており、このバイパ
ス流路85dには、該バイパス流路85dを開閉する電
磁式の常時閉の開閉弁120が設けられている。この開
閉弁120が閉状態にあると、連結流路85bと連結流
路85cとが制御弁86内の開閉弁機構108が開状態
にあるときのみ連通することになり、逆に、この開閉弁
120が開状態にあると、連結流路85bと連結流路8
5cとが制御弁86内の開閉弁機構108の開閉に拘わ
らずバイパス流路85dを介して連通することになる。
【0053】そして、この開閉弁120には、負圧式倍
力装置10内の負圧室に導入されている図示せぬエンジ
ンの吸気系負圧を検出する圧力スイッチ122が電気的
に接続されている。この圧力スイッチ122は、負圧式
倍力装置10に導入されている負圧が、負圧を導入する
ための配管系統等に失陥が生じたと判断できる予め設定
された開放圧より高くなるとオンされて開閉弁120を
駆動して開状態とする。すると、連結流路85bと連結
流路85cとがバイパス流路85dを介して連通し、大
径与圧室56の液圧を液補給室71を介してリザーバ1
2側に開放する。他方、負圧式倍力装置10に導入され
ている負圧が、前記開放圧以下の場合はオフされて開閉
弁120を駆動せず閉状態とする。
【0054】これら開閉弁120および圧力スイッチ1
22が、負圧式倍力装置10に導入されるエンジンの吸
気系負圧を検出し該吸気系負圧に応じて大径与圧室56
の液圧をリザーバ12側に開放する開放機構部(開放手
段)123を構成している。
【0055】次に、上記第1実施形態のマスタシリンダ
1の作動について説明する。負圧式倍力装置10に導入
される負圧が正常な状態にある場合には、圧力スイッチ
122で検出する負圧が開放圧を超えることはなく、開
閉弁120は閉状態となってバイパス流路85dを遮断
している。
【0056】この状態で、運転者によりブレーキペダル
2が踏み込まれ、ブレーキペダル2に連結された負圧式
倍力装置10のロッド10aによりプライマリピストン
16が底部15a方向に押されると、プライマリピスト
ンスプリング68を介してセカンダリピストン17も同
時に移動する。そして、プライマリピストン16のリリ
ーフポート58がカップシール61により閉じられた時
点で大径与圧室56が液圧を上昇させ、セカンダリピス
トン17のリリーフポート35がカップシール36によ
り閉じられた時点でセカンダリ側小径液圧室32が液圧
を上昇させる。プライマリ側小径液圧室49について
は、リリーフポート58,76のいずれか一方が閉じた
時点で液圧を上昇させることになる(設計上は、リリー
フポート58,76は同時に閉じられるようになってい
るが、寸法バラツキ等により前後することがある)。
【0057】そして、液圧が上昇すると、プライマリ側
小径液圧室49については、プライマリピストン16の
ストローク量×(大径与圧室56の外径−プライマリ側
小径液圧室49の外径)分の液量が、カップシール61
を押し開いて大径与圧室56からプライマリ側小径液圧
室49に送り込まれ、ストローク初期の無効液量分(主
にキャリパロールバック分)を補う。その後、プライマ
リ側小径液圧室49の小径化に伴う液量不足を補うた
め、大径与圧室56からプライマリ側小径液圧室49に
ブレーキ液が送り込まれつつ、大径与圧室56とプライ
マリ側小径液圧室49とが同圧で与圧室解除液圧まで上
昇する(図3に示すp1点〜p2点)。
【0058】そして、与圧室解除液圧まで上昇すると、
それまで閉状態にあった制御弁86が大径与圧室56の
液圧を解除する。このとき、制御弁86は、上記したよ
うにプライマリ側小径液圧室49の液圧Paの上昇に応
じて徐々に大径与圧室56の液圧Pbが下がるように、
大径与圧室56の液圧Pbを液補給室71を介してリザ
ーバ12側に逃がすことになる(図3に示すp2点〜p
3点)。
【0059】そして、大径与圧室56の液圧が解除され
大気圧になると、制御弁86は開状態が維持され、プラ
イマリ側小径液圧室49のみでブレーキ液圧を制御する
ことになる。
【0060】以上に述べた正常作動時に対し、負圧式倍
力装置10に負圧失陥が発生した失陥発生時には、圧力
スイッチ122で検出する負圧が開放圧を超える。する
と、圧力スイッチ122は、上記正常作動時において閉
状態であった開閉弁120を駆動して開状態とする。す
ると、連結流路85bと連結流路85cとがバイパス流
路85dを介して連通し、よって、制御弁86の状態と
は無関係に大径与圧室56の液圧が液補給室71を介し
てリザーバ12側に開放される。その結果、制動初期で
も大気与圧室56はリザーバ12と同じ大気圧となるた
め、運転者はブレーキペダル2の操作で大径の大径与圧
室56を昇圧させる必要がなくなり、小径のプライマリ
側小径液圧室49およびセカンダリ側小径液圧室32の
みを昇圧させてブレーキ液圧を発生させることになる。
【0061】以上に述べた第1実施形態によれば、負圧
式倍力装置10に導入されるエンジンの吸気系負圧を検
出し該吸気系負圧に応じて大径与圧室56の液圧をリザ
ーバ12側に開放する開放機構部123を具備するた
め、負圧式倍力装置10に負圧失陥が発生した場合に、
開放機構部123がこれを吸気系負圧から検出して大径
与圧室56の液圧をリザーバ12側に開放する。する
と、制動初期でも大気与圧室56はリザーバ12と同じ
大気圧となるため、運転者はブレーキペダル2の操作で
大径の大径与圧室56を昇圧させる必要がなくなり小径
のプライマリ側小径液圧室49およびセカンダリ側小径
液圧室32のみを昇圧させればよいことになる。
【0062】したがって、負圧式倍力装置10に負圧失
陥が発生しても、制動初期において生じる、ブレーキペ
ダル2への入力に対するブレーキ液圧の不足を最小限に
抑えることができ、負圧失陥保証構造となる。
【0063】しかも、開放機構部123が吸気系負圧に
応じて開閉する開閉弁120を有するため、別個の開閉
弁120を追加すれば良く、部品の変更が最小限で済
む。
【0064】なお、上述した第1実施形態のマスタシリ
ンダ1では、段付シリンダ15内を大径ピストン部47
側の大径与圧室56と小径ピストン部46側のプライマ
リ側小径液圧室49とに区画し、かつ大径与圧室56か
らプライマリ側小径液圧室49へのブレーキ流の流れの
みを許容するカップシール61を設けた例について説明
したが、これに限られることなく、カップシール61に
替わって弁体の移動により開閉する逆止弁(逆止開閉
部)を設けても良い。
【0065】次に、本発明の第2実施形態のマスタシリ
ンダを主に図4を参照して、第1実施形態との相違部分
を中心に以下に説明する。なお、第1実施形態と同様の
部分には同一の符号を付しその説明は略す。
【0066】第2実施形態のマスタシリンダにおいて
は、第1実施形態に対し開放機構部の構成が相違してい
る。すなわち、第2実施形態の開放機構部125も、負
圧式倍力装置10の負圧室に導入されるエンジンの吸気
系負圧を検出し該吸気系負圧に応じて大径与圧室56の
液圧をリザーバ12側に開放するものであるが、負圧室
の圧力で直接機械的に開閉する開閉弁からなっている。
【0067】すなわち、第2実施形態の開放機構部12
5は、第1部材126aと第2部材126bとからなる
シリンダ126と、該シリンダ126内に摺動可能に嵌
合されるピストン127とを有している。そして、シリ
ンダ126には、ピストン127の一端側との間に上記
バイパス流路85dの中間位置に配置される弁室128
が形成されている。ピストン127は、その一端側に設
けられた弁部129が該弁室128の端面130に当接
することで閉状態となってバイパス流路85dを遮断す
る一方、弁部129が端面130から離間することで開
状態となってバイパス流路85dを開放する。
【0068】シリンダ126には、ピストン127の他
端側との間に気室132が形成されている。そして、ピ
ストン127の他端部には、フランジ部133が形成さ
れ、該フランジ部133には、外周端がシリンダ126
に保持されるダイヤフラム134が貼付されており、こ
のダイヤフラム134によって、気室132が、弁室1
28側の作動圧室135と弁室128に対し反対側の大
気室136とに区画されている。ここで、作動圧室13
5は、負圧式倍力装置10の負圧室に常時連通されてお
り、大気室136は大気に常時連通されている。
【0069】ピストン127のフランジ部133とシリ
ンダ126の気室132の弁室128側の端面138と
の間には、ピストン127を、その弁部129が端面1
30から離間しバイパス流路85dを開放する状態とな
る方向に付勢するスプリング139が設けられている。
【0070】ピストン127の外周部には、ピストン1
27とシリンダ126との隙間をシールすることにより
弁室128と作動圧室135との連通を遮断するシール
リング140が設けられており、シリンダ126の第1
部材126aと第2部材126bとの間には、これらの
隙間をシールするシールリング141が設けられてい
る。なお、ピストン127のシールリング140のシー
ル径と弁部129のシール径とは同外径とされており、
大径与圧室56の液圧によりピストン127が作動する
ことがないようになっている。
【0071】この開放機構部125は、負圧式倍力装置
10に正常な負圧が導入されており該負圧式倍力装置1
0から作動圧室135に導入される負圧によって生じる
ピストン127の推進力がスプリング139の付勢力よ
り大きい場合は、ピストン127が弁室128側に移動
して、弁部129を端面130に当接させて、バイパス
流路85dを遮断状態とする。これにより、バイパス流
路85dは閉状態とされ、マスタシリンダ本体1および
制御弁86は、第1実施形態の正常作動時と同様に作動
することになる。
【0072】他方、負圧式倍力装置10に負圧失陥が発
生した失陥発生時には、負圧式倍力装置10から作動圧
室135に導入される負圧が上昇し所定の開放圧を超え
る。すると、負圧によって生じるピストン127の推進
力が低下し、スプリング139の付勢力より小さくなっ
て、ピストン127が弁室128に対し反対側に移動し
て、弁部129を端面130から離間させて、バイパス
流路85dを連通状態とする。
【0073】これにより、バイパス流路85dは開放さ
れ、制御弁86の状態とは無関係に大径与圧室56の液
圧が液補給室71を介してリザーバ12側に開放され
る。その結果、第1実施形態と同様、制動初期でも大気
与圧室56はリザーバ12と同じ大気圧となるため、運
転者はブレーキペダル2の操作で大径の大径与圧室56
を昇圧させる必要がなくなり、小径のプライマリ側小径
液圧室49およびセカンダリ側小径液圧室32のみを昇
圧させてブレーキ液圧を発生させることになる。
【0074】このような構成の第2実施形態によれば、
第1実施形態と同様の効果を奏することは勿論、高価な
圧力スイッチおよび電磁式開閉弁が不要となるため、コ
ストを低減することができる。
【0075】次に、本発明の第3実施形態のマスタシリ
ンダを主に図5および図6を参照して、第1実施形態と
の相違部分を中心に以下に説明する。なお、第1実施形
態と同様の部分には同一の符号を付しその説明は略す。
【0076】第3実施形態のマスタシリンダにおいて
は、第1実施形態に対し開放機構部の構成が相違してい
る。すなわち、第3実施形態の開放機構部150も、負
圧式倍力装置10の負圧室に導入されるエンジンの吸気
系負圧を検出し該吸気系負圧に応じて大径与圧室56の
液圧をリザーバ12側に開放するものであるが、図5に
示すように、負圧室の圧力で直接機械的に流路切り換え
を行う。さらに、第3実施形態の開放機構部150は、
図6に示すように、マスタシリンダ本体11に一体に組
み込まれるとともに負圧式倍力装置10にも一体的に連
結されている。
【0077】すなわち、第3実施形態の開放機構部15
0は、段付シリンダ15に形成された段付穴部151に
設けられるもので、該段付穴部151内に摺動可能に嵌
合される段付ピストン152と、段付穴部151の開口
側に嵌合されるとともにシール部材153を介して気圧
式倍力装置10にも嵌合される嵌合部材154と、段付
ピストン152と嵌合部材154との間に介装されるス
プリング155とを有している。
【0078】ここで、段付シリンダ15には、上記した
与圧室連通ポート83にかえて、大径与圧室56と段付
穴部151とを連通させる内部流路157が形成されて
おり、また、段付穴部151と連結流路85bとを連通
させる連通ポート158が形成されている。さらに、段
付穴部151とリザーバ12とを連通させる内部流路1
59が形成されている。なお、図示は略すが、連結流路
85bと連結流路85cとを外部で連通させるバイパス
流路85dは設けられていない。
【0079】嵌合部材154には、貫通孔161が形成
されており、該貫通孔161を介して負圧式倍力装置1
0の負圧室と段付穴部151の嵌合部材154側とが連
通している。これにより、段付ピストン152には、負
圧が嵌合部材154側にかかることになる。
【0080】ピストン152は、該負圧によりスプリン
グ155の付勢力に抗して嵌合部材154に当接する位
置にあると、内部流路159を閉塞しつつ内部流路15
7と連通ポート158とを、シールリング163とシー
ルリング164とで区画された液室165を介して連通
させることになり、他方、スプリング155の付勢力で
嵌合部材154に対し反対側の移動端に位置すると、連
通ポート158を閉塞しつつ内部流路157と内部流路
159とを、シールリング164とシールリング166
とで区画された液室167を介して連通させることにな
る。
【0081】ピストン152の大径側の外周部には、ピ
ストン152と段付穴部151との隙間をシールするシ
ールリング168が設けられており、嵌合部材154の
外周部には段付穴部151と嵌合部材154との隙間を
シールするシールリング169が設けられている。
【0082】この開放機構部150は、負圧式倍力装置
10に正常な負圧が導入されており該負圧式倍力装置1
0から貫通孔161を介して段付穴部151側に導入さ
れる負圧によって生じるピストン152の推進力が、ス
プリング155の付勢力より大きい場合は、図5(a)
に示すように、ピストン152が嵌合部材154に当接
して、内部流路159を閉塞させるとともに内部流路1
57と連通ポート158とを連通させる。これにより、
大径与圧室56に連通する内部流路157が連通ポート
158および連結流路85bを介して制御弁86と連通
し、マスタシリンダ本体11および制御弁86は、第1
実施形態の正常作動時と同様に作動することになる。
【0083】他方、負圧式倍力装置10に負圧失陥が発
生した失陥発生時には、負圧式倍力装置10から貫通孔
161を介して段付穴部151側に導入される負圧が上
昇し所定の開放圧を超える。すると、図5(b)に示す
ように、負圧によって生じるピストン152の推進力が
低下し、スプリング155の付勢力より小さくなって、
ピストン152が嵌合部材154に対し反対側の移動端
に移動して、連通ポート158を閉塞させるとともに内
部流路157と内部流路159とを連通させる。
【0084】これにより、制御弁86の状態とは無関係
に大径与圧室56の液圧がリザーバ12側に開放され
る。その結果、第1実施形態と同様、制動初期でも大気
与圧室56はリザーバ12と同じ大気圧となるため、運
転者はブレーキペダル2の操作で大径の大径与圧室56
を昇圧させる必要がなくなり、小径のプライマリ側小径
液圧室49およびセカンダリ側小径液圧室32のみを昇
圧させてブレーキ液圧を発生させることになる。
【0085】このような構成の第3実施形態によれば、
第1および第2実施形態と同様の効果を奏することがで
きる。しかも、開放機構部150がマスタシリンダ本体
11および負圧式倍力装置10と一体化される構造とな
っているため、これらをユニット化することができ、管
理が容易となる。
【0086】次に、本発明の第4実施形態のマスタシリ
ンダを主に図7を参照して、第1実施形態との相違部分
を中心に以下に説明する。なお、第1実施形態と同様の
部分には同一の符号を付しその説明は略す。
【0087】第4実施形態のマスタシリンダにおいて
は、第1実施形態に対し制御弁86に開弁機構(開放手
段)170を組み込んだ点が相違している。すなわち、
第4実施形態の開弁機構170も、負圧式倍力装置10
の負圧室に導入されるエンジンの吸気系負圧を検出し該
吸気系負圧に応じて大径与圧室56の液圧をリザーバ1
2側に開放するものであるが、吸気系負圧に応じて制御
弁86をその解除液圧とは無関係に開弁させるものであ
る。
【0088】第4実施形態の制御弁86は、バルブピス
トン88に第5軸部97は設けられておらず、かわりに
第4軸部96側に開口するように穴部171が形成され
ており、該穴部171内にバルブスプリング89の一端
側が挿入されている。
【0089】バルブシリンダ92には、バルブピストン
88に対し反対側に気室172が形成されている。そし
て、この気室172には、一側に軸部175が形成され
他側にフランジ部176が形成された形状の制御ピスト
ン173がそのフランジ部176を配置している。
【0090】フランジ部176には、外端部がバルブシ
リンダ92に保持されたダイヤフラム178が貼付され
ており、このダイヤフラム178は、気室172を、バ
ルブピストン88側の作動圧室179とバルブピストン
88に対し反対側の大気室180とに区画している。こ
こで、作動圧室179は、負圧式倍力装置10の負圧室
に常時連通されており、大気室180は大気に常時連通
されている。
【0091】制御ピストン173は、軸部175のフラ
ンジ部176に対し反対側に穴部177が形成されてお
り、該穴部177は、バルブピストン88の穴部171
と対向配置されている。この穴部177には、バルブス
プリング89の他端側が挿入されている。
【0092】制御ピストン173の軸部175の外周部
には、該軸部175とバルブシリンダ92との隙間をシ
ールするシールリング182が設けられている。
【0093】なお、第4実施形態の開弁機構170は、
上記気室172と、制御ピストン173とダイヤフラム
178とで構成されている。
【0094】この開弁機構170は、負圧式倍力装置1
0に正常な負圧が導入されている状態では、該負圧式倍
力装置10から作動圧室179に導入される負圧で制御
ピストン173に生じるバルブピストン88方向への推
進力が、バルブスプリング89の付勢力より高く制御ピ
ストン173がピストン88側に位置しバルブシリンダ
92のストッパ部184に当接した通常状態となる。こ
の状態では、開閉弁機構108は、第1実施形態と同様
に、上記した解除液圧になると開作動する。
【0095】他方、負圧式倍力装置10に導入される負
圧が不足すると、開弁機構170は、該負圧式倍力装置
10から作動圧室179に導入される負圧で制御ピスト
ン173に生じるバルブピストン88方向への推進力が
低下し、バルブスプリング89の付勢力より低くなり、
制御ピストン173がバルブピストン88に対し反対側
に移動しバルブシリンダ92のストッパ部184から離
れた状態となる。これにより、バルブスプリング89が
伸びた分、バルブピストン88への付勢力が低下するた
め、開閉弁機構108は、上記した解除液圧よりも低い
液圧で開作動する。
【0096】すなわち、制御ピストン173のストッパ
部184に当接する通常状態からの移動量にバルブスプ
リング89のバネ定数をかけた分だけバルブスプリング
89の付勢力が低下するため、この付勢力低下分に相当
する液圧分、解除液圧よりも低い液圧で開閉弁機構10
8は開作動することになる。
【0097】具体的には、負圧の不足が小さければ、制
御ピストン173がピストン88に対し反対側に移動す
る移動量が小さくなって解除液圧よりも若干低い液圧で
開作動することになり、負圧の不足が大きければ、制御
ピストン173の移動量が大きくなって解除液圧よりも
かなり低い液圧で開作動することになる。
【0098】そして、負圧式倍力装置10に負圧失陥が
発生した失陥発生時には、作動圧室179が所定の開放
圧を超えることになり、負圧によって生じる制御ピスト
ン173の推進力が大きく低下し、制御ピストン173
が、ポート102から離れる方向の移動端に位置し、バ
ルブスプリング89が完全に伸びた状態となってバルブ
ピストン88を押圧する力がなくなる。その結果、大径
側与圧室56からのブレーキ液圧で、バルブピストン8
8がポート102から離れる方向の移動端に位置し、そ
の結果、開閉弁機構108は開状態となる。
【0099】これにより、連結流路85bおよび連結流
路85cは完全に連通状態とされ、大径与圧室56の液
圧が液補給室71を介してリザーバ12側に開放され
る。その結果、第1実施形態と同様、制動初期でも大気
与圧室56はリザーバ12と同じ大気圧となるため、運
転者はブレーキペダル2の操作で大径の大径与圧室56
を昇圧させる必要がなくなり、小径のプライマリ側小径
液圧室49およびセカンダリ側小径液圧室32のみを昇
圧させてブレーキ液圧を発生させることになる。
【0100】このような構成の第4実施形態によれば、
第1〜第3実施形態と同様の効果を奏することは勿論、
開弁機構170が、吸気系負圧に応じて制御弁86を解
除液圧とは無関係に開弁させるものであるため、開弁機
構170と制御弁86との部品の共用化が図れ、部品点
数の増加を最小限に抑えることができる。また、開弁機
構170によって、負圧式倍力装置10に導入される負
圧の度合いに応じて制御弁86の開弁圧を下げることが
できる。
【0101】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
記載のマスタシリンダによれば、負圧式倍力装置に導入
される負圧力に応じて大径与圧室の液圧をリザーバ側に
開放する開放手段を具備するため、負圧式倍力装置に負
圧失陥が発生した場合に、開放手段がこれを負圧式倍力
装置の負圧力によって検出して大径与圧室の液圧をリザ
ーバ側に開放する。すると、制動初期でも大気与圧室は
リザーバと同じ大気圧となるため、運転者はブレーキペ
ダルの操作で大径の大径与圧室を昇圧させる必要がなく
なり小径の小径液圧室のみを昇圧させればよいことにな
る。
【0102】したがって、負圧式倍力装置に負圧失陥が
発生しても、制動初期において生じる、ブレーキペダル
への入力に対するブレーキ液圧の不足を最小限に抑える
ことができる。
【0103】本発明の請求項2記載のマスタシリンダに
よれば、負圧式倍力装置に負圧失陥が発生した場合に、
開閉弁がこれを吸気系負圧から検出してバイパス流路を
介して大径与圧室の液圧をリザーバ側に開放する。
【0104】このように、開放手段がバイパス流路と開
閉弁とを有するため、別個の開閉弁を追加すれば良く、
部品の変更が最小限で済む。
【0105】本発明の請求項3記載のマスタシリンダに
よれば、負圧式倍力装置に負圧失陥が発生した場合に、
開弁機構がこれを吸気系負圧から検出して、リリーフ弁
を解除液圧とは無関係に開弁させて大径与圧室の液圧を
リザーバ側に開放する。
【0106】このように、開放手段が、吸気系負圧に応
じてリリーフ弁を解除液圧とは無関係に開弁させる開弁
機構を有するため、リリーフ弁と部品の共用化が図れ、
部品点数の増加を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態のマスタシリンダの構
成を示す側断面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態のマスタシリンダの制
御弁のバルブピストンのシール部分の断面積を示す断面
図である。
【図3】 本発明の第1実施形態のマスタシリンダのプ
ライマリ側小径液圧室の液圧と大径与圧室の液圧との関
係を示す特性線図である。
【図4】 本発明の第2実施形態のマスタシリンダの開
放機構部等を示す断面図である。
【図5】 本発明の第3実施形態のマスタシリンダの開
放機構部等を示す断面図である。
【図6】 本発明の第3実施形態のマスタシリンダおよ
び負圧式倍力装置を示す断面図である。
【図7】 本発明の第4実施形態のマスタシリンダの開
弁機構等を示す断面図である。
【符号の説明】
11 マスタシリンダ本体 12 リザーバ 15 段付シリンダ 16 プライマリピストン(段付ピストン) 40 小径シリンダ部 41 大径シリンダ部 46 小径ピストン部 47 大径ピストン部 49 プライマリ側小径液圧室(小径液圧室) 56 大径与圧室 61 カップシール(逆止開閉部) 85d バイパス流路 86 制御弁(リリーフ弁) 100,101 Oリング(リングシール) 123,125,150 開放機構部(開放手段) 120 開閉弁 170 開弁機構(開放手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 博美 山梨県中巨摩郡櫛形町吉田1000番地 トキ コ株式会社山梨工場内 Fターム(参考) 3D047 BB01 BB08 CC11 CC15 CC22 CC32 CC34 CC35 FF15 GG03 HH00 HH08 3D049 BB04 CC02 HH08 HH26 HH31 HH39 HH41 HH42 HH43 RR04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大径シリンダ部および小径シリンダ部を
    有する段付シリンダと、 該段付シリンダの前記大径シリンダ部内に摺動可能に挿
    入される大径ピストン部および前記小径シリンダ部内に
    摺動可能に挿入される小径ピストン部を有する段付ピス
    トンと、 前記段付シリンダ内を前記大径ピストン部側の大径与圧
    室と前記小径ピストン部側の小径液圧室とに区画すると
    ともに前記大径与圧室側から前記小径液圧室側へのブレ
    ーキ液の流れのみを許容する逆止開閉部と、 前記段付ピストンの前記小径液圧室側への摺動による前
    記大径与圧室の体積減少により前記逆止開閉部を開かせ
    て前記大径与圧室側から前記小径液圧室側へ液補給を行
    わせるとともに前記大径与圧室の液圧が解除液圧になる
    と該大径与圧室の液圧をリザーバ側に開放するリリーフ
    弁と、を有するマスタシリンダにおいて、 負圧式倍力装置に導入される負圧力に応じて前記大径与
    圧室の液圧をリザーバ側に開放する開放手段を具備する
    ことを特徴とするマスタシリンダ。
  2. 【請求項2】 前記開放手段は、前記大径与圧室と前記
    リザーバとを前記リリーフ弁を介さずバイパス接続させ
    るバイパス流路と、該バイパス流路に設けられ前記吸気
    系負圧に応じて開閉する開閉弁とを有することを特徴と
    する請求項1記載のマスタシリンダ。
  3. 【請求項3】 前記開放手段は、前記吸気系負圧に応じ
    て前記リリーフ弁を前記解除液圧とは無関係に開弁させ
    る開弁機構を有することを特徴とする請求項1記載のマ
    スタシリンダ。
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