JP2002292920A - 電極構造体およびその製造方法ならびに電極構造体を用いる画像形成装置 - Google Patents

電極構造体およびその製造方法ならびに電極構造体を用いる画像形成装置

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JP2002292920A
JP2002292920A JP2001103303A JP2001103303A JP2002292920A JP 2002292920 A JP2002292920 A JP 2002292920A JP 2001103303 A JP2001103303 A JP 2001103303A JP 2001103303 A JP2001103303 A JP 2001103303A JP 2002292920 A JP2002292920 A JP 2002292920A
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Masatoshi Kitagawa
雅俊 北川
Yasushi Arai
康司 新井
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御電極の電位に悪影響を与えることなく帯
電電荷を均等に逃がすことができ、かつ、荷電粒子との
衝突に耐え得る程度の硬度および耐摩耗性を有する帯電
防止層を備える電極構造体を提供する。 【解決手段】 絶縁性の本体部分と、本体部分の少なく
とも片側の表面に形成された帯電防止層と、本体部分お
よび帯電防止層を通って設けられた貫通孔と、貫通孔を
取り囲んで設けられた制御電極とを含む電極構造体にお
いて、帯電防止層として、シリコン元素と、窒素元素
と、III族元素またはV族元素とを含む1またはそれ以
上の半導電性層を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電極構造体に関し、
これは例えば直接静電印刷などの画像形成に用いられ得
る。更に、本発明はそのような電極構造体の製造方法な
らびに電極構造体を用いる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、荷電粒子を飛翔させて基体(例え
ば印刷用紙)の表面に所定のパターンで付着させること
によって荷電粒子から成る画像を基体上に形成する直接
静電印刷などの画像形成の分野において、荷電粒子の飛
翔を制御するために電極構造体が用いられている。この
電極構造体は、荷電粒子を通過させ得る複数の貫通孔
(またはアパチャ)が設けられた本体部分と、貫通孔を
通過する荷電粒子の飛翔を制御するように各貫通孔の周
囲を取り囲んで設けられた制御電極とを有する。このよ
うな電極構造体は、例えば、特開平6-155798号公報にア
パチャ電極体として記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような電極構造体
を用いる場合、電極構造体に向かって飛翔して来る荷電
粒子が構造体の貫通孔を通過せず、電極構造体の表面に
衝突することにより電極構造体が帯電するという問題が
ある。電極構造体の表面が絶縁体から成る場合、帯電電
荷が電極構造体に蓄積され、荷電粒子が構造体の貫通孔
を塞いで所望の画像を形成できなくなる。このような問
題を回避するために、荷電粒子が飛翔して来る側の電極
構造体の表面に帯電防止層が備えられる。帯電防止層
は、制御電極の電位に悪影響を与えることなく帯電電荷
を逃がすことができ、また、荷電粒子との衝突に耐え得
る程度の硬度および耐摩耗性を有する必要がある。
【0004】従来、このような帯電防止層として、アル
ミニウムなどの金属から成る層を制御電極が設けられて
いない本体部分の表面に粗なパターンで形成したもの
や、電極構造体の表面全体を覆うように形成されたシリ
コン薄膜が用いられていた。帯電防止層となるシリコン
薄膜には、ポリシリコンまたはアモルファスシリコンか
ら成るものが用いられ、制御電極と接触していても制御
電極の電位に悪影響を与えることなく帯電電荷を逃がす
ことができ、100〜200nmの厚さを有する。
【0005】しかし、帯電防止層として金属から成る粗
なパターンを用いる方法では、微視的な観点から見て、
電極構造体の帯電を均等に防止することは困難である。
所望の画像を形成するために制御電極の電位を個々に制
御する必要があり、よって、金属から成るパターンを制
御電極と隔離して形成する必要がある。このため、帯電
防止層としての金属パターンを形成できる電極構造体の
表面領域が限られ、制御電極の近傍の実効的な帯電防止
が困難であるという欠点がある。
【0006】一方、帯電防止層としてシリコン薄膜を用
いる方法では、シリコン薄膜が電極構造体の表面全体に
制御電極を覆って(接触して)設けられているため、電
極構造体の帯電を均等に防止することができ、制御電極
の近傍の実効的な帯電防止が可能となる。しかし、シリ
コン薄膜の表面状態は活性であるため、周囲雰囲気に存
在する不純物や水分などによりシリコン薄膜の電気特性
が敏感に変化し、不安定である。このため、シリコン薄
膜を帯電防止層に利用する方法は実用化が困難であると
いう欠点がある。シリコン薄膜では、薄膜表面にシリコ
ン酸化膜を形成することにより安定化することも考えら
れ得るが、絶縁層である酸化膜の存在によって、帯電電
荷を逃がす際の電荷の流れに非線形性を生じ、この結
果、制御電極の電位に悪影響を及ぼすという新たな問題
を生じる。
【0007】本発明は、上記のような従来の問題を解決
すべくなされたものであり、本発明の目的は、直接静電
印刷などの画像形成に利用され得る電極構造体であっ
て、制御電極の電位に悪影響を与えることなく帯電電荷
を均等に逃がすことができ、かつ、荷電粒子との衝突に
耐え得る程度の硬度および耐摩耗性を有する帯電防止層
を備える電極構造体およびその製造方法ならびにそのよ
うな電極構造体を用いる画像形成装置を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの要旨によ
れば、絶縁性の本体部分と、本体部分の少なくとも片側
の表面に形成された帯電防止層と、本体部分および帯電
防止層を通って設けられた貫通孔と、貫通孔を取り囲ん
で設けられた制御電極とを含む電極構造体であって、帯
電防止層が、シリコン元素、窒素元素およびIII族元素
を含む半導電性層を含む電極構造体が提供される。本発
明の電極構造体に備えられる制御電極(または加速電
極)は、貫通孔を通過する荷電粒子の飛翔を制御するよ
うに機能し得、帯電防止層は、荷電粒子が飛翔して来る
側の電極構造体の表面に位置するように用いられ得る。
【0009】尚、本明細書において「半導電性」とは、
電気低効率が大きい「絶縁性」と電気低効率が小さい
「導電性」との間の中間的な電気的性質を言い、例えば
10〜10Ωmの抵抗率を有するものを言うものと
するが、本発明はこれに限定されず、帯電防止層全体で
所望のシート抵抗が得られるようなものであればよい。
【0010】本発明において帯電防止層は、III族元素
に代えてV族元素として、シリコン元素、窒素元素およ
びV族元素を含む半導電性層を含んでいてよく、また、
シリコン元素、窒素元素およびIII族元素を含む半導電
性層およびシリコン元素、窒素元素およびV族元素を含
む半導電性層の双方を含んでいてよい。ここで、「III
族元素」とは、元素周期表のIIIB族に属する元素、例
えばボロンなどの元素を言い、「V族元素」とは、元素
周期表のVB族に属する元素、例えばリンなどの元素を
言う。「III族元素」および「V族元素」は、半導電性
層の導電型および抵抗値を調節するために添加される元
素であり、以下、これらを総称して「不純物元素」とも
言うものとする。また、シリコン元素、窒素元素および
III族元素を含む半導電性層を単に「p型半導電性層」
または「p型層」とも言い、シリコン元素、窒素元素お
よびV族元素を含む半導電性層を単に「n型半導電性
層」または「n型層」とも言うものとする。「p型」と
は正孔導電型を言い、「n型」とは電子導電型を言うも
のである。
【0011】本発明の電極構造体においては、帯電防止
層が1つまたはそれ以上の半導電性層を含むので、制御
電極の電位に悪影響を与えない程度の絶縁性と、帯電電
荷を逃がすことができる程度の導電性を併せ持つ帯電防
止層を実現することができる。このような帯電防止層
は、制御電極の電位に悪影響を与えない程度の絶縁性を
有するので、制御電極を覆って電極構造体の表面全体に
帯電防止層を形成することができ、よって電極構造体の
帯電を均等に防止することができ、制御電極の近傍の実
効的な帯電防止が可能となる。これに加えて、本発明の
電極構造体においては、帯電防止層としてシリコン元素
に窒素元素を添加して形成された半導電性層を用いてお
り、この半導電性層においてはシリコン元素と窒素元素
との化合物が形成される。このような半導電性層は、シ
リコン元素と窒素元素との化合物が形成されることによ
りシリコン元素のみから成るシリコン薄膜よりも高い硬
度および耐摩耗性を有し、荷電粒子との衝突に耐え得る
のに十分な程度の硬度および耐摩耗性を有する帯電防止
層が実現される。更に、このような半導電性層は、シリ
コン元素と窒素元素との化合物が形成されることにより
シリコン元素のみから成るシリコン薄膜よりも表面活性
が低くなるので、周囲の環境により影響を受けにくい安
定した電気特性を有する帯電防止層が実現される。
【0012】本発明の電極構造体に備えられる帯電防止
層は、好ましくは10〜1012Ω/□のシート抵抗
値を有する。シート抵抗値は、帯電防止層が単層の半導
電性層から成る場合にはその半導電性層のシート抵抗値
に等しく、帯電防止層が複数の半導電性層が積層されて
成る場合にはその半導電性層の積層体のシート抵抗値に
等しい。このシート抵抗値は帯電防止層の厚さに対する
半導電性層(単層または複数の層)の低効率の比によっ
て決定され、このような帯電防止層は、例えば10〜1
000nmの厚さを有する。また、半導電性層の低効率
はその層に含まれるIII族元素またはV族元素の濃度に
依存し、p型半導電性層に含まれるIII族元素またはn
型半導電性層に含まれるV族元素の濃度は、例えば10
11〜10 21個/cm(またはatoms/c
)である。帯電防止層において、帯電電荷を逃がす
ために設けられる金属から成るドレイン電極と接触する
半導電性層は、ドレイン電極とオーミック接触するよう
な特性を有することが好ましい。
【0013】本発明のもう1つの態様においては、帯電
防止層は、III族元素の濃度が異なる2つまたはそれ以
上のp型半導電性層を含み、および/またはV族元素の
濃度が異なる2つまたはそれ以上のn型半導電性層を含
む。ここで、不純物元素の濃度が異なる2つまたはそれ
以上のp型半導電性層またはn型半導電性層は、帯電防
止層中に互いに接触して積層されていても、導電型の異
なる層を挟んで配置されていてもよい。III族元素およ
び/またはV族元素の濃度(以下、不純物濃度とも言
う)が高い程、半導電性層の抵抗値は低くなる。従っ
て、制御電極と接触する半導電性層(または少なくとも
その接触部分)は不純物濃度を低くして抵抗値のより高
い層とし、金属から成るドレイン電極と接触する半導電
性層(または少なくともその接触部分)は、これらがオ
ーミック接触するように、不純物濃度を高くして、抵抗
値のより低い層とすることが好ましい。尚、帯電防止層
は、不純物濃度が実質的に同等である2つまたはそれ以
上のp型半導電性層またはn型半導電性層を更に含んで
いてもよい。
【0014】本発明のもう1つの態様においては、帯電
防止層が、III族元素の濃度が層の厚さ方向に沿って変
化するp型半導電性層を含み、および/またはV族元素
の濃度が層の厚さ方向に沿って変化するn型半導電性層
を含む。この態様においても、上記の態様と同様に、制
御電極と接触する半導電性層(または少なくともその接
触部分)は不純物濃度を低くして抵抗値をより高い側と
し、帯電電荷を逃がすために設けられる金属から成るド
レイン電極と接触する半導電性層(または少なくともそ
の接触部分)は、これらがオーミック接触するように、
不純物濃度を高くして、抵抗値をより低い側とすること
が好ましい。
【0015】本発明の1つの態様においては、帯電防止
層は、p型半導電性層とn型半導電性層とが交互に積層
された2つまたはそれ以上の半導電性層を含む。p型層
およびn型層の数および積層順序は特に限定されない
が、例えば、荷電粒子が飛翔して来る側を上方として、
電極構造体の下方から順に、p型層およびn型層の2
層、n型層およびp型層の2層、p型層、n型層、およ
びp型層の3層、n型層、p型層、およびn型層の3層
とすることができる。尚、帯電防止層を構成する全ての
半導電性層の導電型が交互になっている必要はなく、少
なくとも一部においてそのような構成を有していればよ
い。p型半導電性層とn型半導電性層との双方を交互に
含む帯電防止層を用いることにより、後述するように、
帯電防止層に望まれる導電型が帯電防止層の個所によっ
て異なる場合にも対応可能となる。
【0016】帯電防止層にp型半導電性層およびn型半
導電性層のいずれを用いるか、あるいは、これらの双方
を用いる場合にはその積層順序などは、当業者であれば
容易に選択することができる。例えば、帯電防止層を通
して帯電電荷を逃がすために帯電防止層の一部と接触し
て設けられる金属から成るドレイン電極の材料や、貫通
孔を通過させる荷電粒子の材料およびその帯電電荷の極
性等を考慮して適切に選択され得る。
【0017】より詳細には、ドレイン電極と接触する半
導電性層の導電型は、ドレイン電極と半導電性層との間
にpn接合による電位障壁を形成して半導電性層中を移
動して来た電荷がドレイン電極へと逃げにくくなること
を防止するように、ドレイン電極と半導電性層との間に
pn接合による電位障壁を形成しないように選択するこ
とが好ましく、これはドレイン電極の材料に基づいて決
まる。例えば、アルミニウム、ガリウム、インジウムま
たはこれら元素を含む合金などのp型の特性を示す金属
材料をドレイン電極の材料に用いる場合には、ドレイン
電極と接触する半導電性層の導電型もp型にすることが
好ましく、アンチモン、ビスマスまたはこれら元素を含
む合金などのn型の特性を示す金属材料をドレイン電極
の材料に用いる場合には、ドレイン電極と接触する半導
電性層の導電型もn型にすることが好ましい。
【0018】また、荷電粒子が飛翔して来る側の帯電防
止層表面に位置する半導電性層の導電型は、半導電性層
と衝突する荷電粒子の帯電電荷が半導電性層へと移り易
く、この半導電性層へ移った電荷が半導電性層の内部を
より高い移動度で移動することができるように選択する
ことが好ましく、これは荷電粒子の材料およびその帯電
電荷の極性等に基づいて決まる。
【0019】ドレイン電極と接触する半導電性層に望ま
れる導電型と、荷電粒子が飛翔して来る側の帯電防止層
表面に位置する半導電性層に望まれる導電型とが異なる
場合には、帯電防止層を単層の半導電性層で構成せず
に、p型半導電性層とn型半導電性層とを積層した部分
を有するように構成することが好ましい。これにより、
帯電防止層に望まれる導電型が帯電防止層の個所によっ
て異なる場合にも対応可能となる。
【0020】本発明の別の要旨によれば、絶縁性の本体
部分と、本体部分の少なくとも片側の表面に形成された
帯電防止層と、本体部分および帯電防止層を通って設け
られた貫通孔と、貫通孔を取り囲んで設けられた制御電
極とを含む電極構造体の製造方法であって:(a)貫通
孔が設けられた絶縁性の本体部分と、貫通孔を取り囲ん
で設けられた制御電極とを含む構造体をチャンバ内に配
置する工程と;(b)チャンバ内に配置された構造体を
加熱する工程と;(c)シリコン元素を含むガス、窒素
元素を含むガスおよびIII族元素を含むガスを原料ガス
としてチャンバ内に供給し、原料ガスをプラズマ分解し
てシリコン元素、窒素元素およびIII族元素を構造体に
堆積させて、シリコン元素、窒素元素およびIII族元素
を含む半導電性層を形成する工程とを含み、1つまたは
それ以上の半導電性層を含む帯電防止層を得、これによ
り電極構造体を製造する方法が提供される。
【0021】ここで、工程(c)においてIII族元素に
代えてV族元素を用いて、即ち、(d)シリコン元素を
含むガス、窒素元素を含むガスおよびV族元素を含むガ
スを原料ガスとしてチャンバ内に供給し、原料ガスをプ
ラズマ分解してシリコン元素、窒素元素およびV族元素
を構造体に堆積させて、シリコン元素、窒素元素および
V族元素を含むn型半導電性層を形成してよく、また、
工程(c)と工程(d)の双方を実施してp型半導電性
層およびn型半導電性層の双方を含む帯電防止層を得る
ようにしてもよい。
【0022】帯電防止層は1つまたはそれ以上のp型半
導電性層を含んでいてよく、これは、工程(c)を1回
またはそれ以上実施することにより形成される。また、
帯電防止層は1つまたはそれ以上のn型半導電性層を含
んでいてよく、これは工程(d)を1回またはそれ以上
実施することにより形成される。
【0023】本発明における半導電性層の形成方法は、
いわゆるプラズマ化学気相成長法(以下、プラズマCV
Dとも言う)を利用するものである。このような方法に
より、上述の本発明の電極構造体を製造することがで
き、本発明の電極構造体によって得られる効果を享受す
ることができる。
【0024】シリコン元素を含むガスには、例えばモノ
シランガス、ジシランガスなどが用いられ、窒素元素を
含むガスには、窒素ガス、アンモニアガスなどが用いら
れる。また、III族元素を含むガスには、例えばジボラ
ンガスなどが用いられ、V族元素を含むガスには、例え
ばフォスフィンガスなどが用いられ得る。これらのガス
は、他のガス成分、例えば水素ガスやヘリウムガスなど
と必要に応じて混合・希釈されて用いられ得る。
【0025】本発明の製造方法の工程(b)において、
構造体は50〜200℃の温度に加熱される。このよう
な比較的低温条件でプラズマ化学気相成長を行うことに
より、ポリイミドなどの本体部分の反りを低減すること
ができる。
【0026】本発明の1つの態様においては、工程
(c)を少なくとも2回、シリコン元素を含むガス、窒
素元素を含むガスおよびIII族元素を含むガスの供給割
合が各回で異なるように実施する。これにより、III族
元素の濃度が異なる2つまたはそれ以上のp型半導電性
層を含む帯電防止層を得ることができる。あるいは、工
程(d)を少なくとも2回、シリコン元素を含むガス、
窒素元素を含むガスおよびV族元素を含むガスの供給割
合が各回で異なるように実施する。これにより、V族元
素の濃度が異なる2つまたはそれ以上のn型半導電性層
を含む帯電防止層を得ることができる。
【0027】本発明の1つの態様においては、工程
(c)を、シリコン元素を含むガス、窒素元素を含むガ
スおよびIII族元素を含むガスの供給割合を変化させな
がら実施する。これにより、III族元素の濃度が層の厚
さ方向に沿って変化する1つのp型半導電性層を含む帯
電防止層を得ることができる。あるいは、工程(d)
を、シリコン元素を含むガス、窒素元素を含むガスおよ
びV族元素を含むガスの供給割合を変化させながら実施
する。これにより、V族元素の濃度が層の厚さ方向に沿
って変化する1つのn型半導電性層を含む帯電防止層を
得る。このような工程(c)または工程(d)を複数回
実施する場合には、不純物元素の濃度が層の厚さ方向に
沿って変化する2つまたはそれ以上のp型半導電性層ま
たはn型半導電性層を含む帯電防止層をそれぞれ得るこ
とができる。
【0028】本発明の製造方法は、工程(c)および/
または工程(d)を、シリコン元素を含むガス、窒素元
素を含むガスおよび不純物元素を含むガスの供給割合が
各回で異なるようにして少なくとも2回実施すると共
に、少なくとも1回は、シリコン元素を含むガス、窒素
元素を含むガスおよび不純物元素を含むガスの供給割合
を変化させながら実施することも含む。これにより、不
純物元素の濃度が層の厚さ方向に沿って変化する1つま
たはそれ以上のp型半導電性層および/またはn型半導
電性層と、不純物元素の濃度が異なる2つまたはそれ以
上のp型半導電性層および/またはn型半導電性層を含
む帯電防止層を得ることができる。
【0029】本発明の1つの態様においては、工程
(c)および工程(d)を交互に繰り返して実施する。
これにより、p型半導電性層とn型半導電性層とが交互
に積層された2つまたはそれ以上の半導電性層を含む帯
電防止層を得ることができる。
【0030】上記のような本発明の画像形成用の電極構
造体およびその製造方法において、本体部分は、少なく
ともその表面が「絶縁性」(例えば、10〜1018
Ωmの低効率を有するもの)であればよいが、例えば、
ポリイミド、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボ
ネート、およびアクリル樹脂からなる群から選択される
可撓性の樹脂材料から成るものが用いられ得る。
【0031】本発明の更に別の要旨によれば、上記のよ
うな本発明の電極構造体を用いる画像形成装置、より詳
細には直接静電印刷用の画像形成装置が提供される。具
体的には、基体の上面に荷電粒子から成る画像を形成す
るための画像形成装置であって:上記のような本発明の
電極構造体と;帯電した荷電粒子を保持し、電極構造体
の貫通孔の基体と反対側の入口近傍に荷電粒子を供給す
る保持体と;基体の下面側に位置する背面電極と;背面
電極に電圧を印加して、背面電極と保持体との間に第1
の電位差を与える第1電圧印加手段と;所定の制御電極
に電圧を印加して、所定の制御電極と保持体との間に第
2の電位差を与える第2電圧印加手段とを含む画像形成
装置が提供される。このような画像形成装置によれば、
より立体感のある画像を形成することができるという効
果が得られる。この画像形成装置は、電極構造体を除い
て、既知の一般的な部材で構成される装置であり得る
が、本発明はこれに限定されず、本発明の電極構造体を
用いるあらゆる画像形成装置を含む。
【0032】また、本発明の電極構造体は画像形成用の
電極構造体として好適に利用され得るが、他の用途、例
えば粉体分級装置などにも利用できることが当業者には
理解されよう。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明のいくつかの実施形
態について図面を参照しながら説明する。
【0034】(実施形態1)本発明の1つの実施形態に
おける電極構造体およびその製造方法について説明す
る。図1は、本実施形態における電極構造体の概略断面
図である。図2は、本実施形態における電極構造体を製
造するためのプラズマCVD装置の概略図である。
【0035】図1に示すように、本実施形態の電極構造
体20は、本体部分1と、本体部分1の片側の表面に形
成された帯電防止層4と、本体部分1および帯電防止層
4を通って設けられた貫通孔2と、貫通孔2を取り囲ん
で本体部分1の上に帯電防止層4で覆って設けられた制
御電極3と、帯電防止層4の上に配置されたドレイン電
極5とを含む。貫通孔2は、荷電粒子7が通過し得る寸
法を有し、帯電防止層4は、荷電粒子7が(図中の矢印
方向に)飛翔して来る側の電極構造体2の表面に位置す
る。制御電極(または加速電極)3は、貫通孔2を通過
する荷電粒子の飛翔を制御するように機能する。
【0036】より具体的には、本体部分1には、例えば
ポリイミドなどの可撓性材料から成る、厚さ50〜50
0μmの絶縁性シートなどが用いられる。貫通孔2は、
例えば荷電粒子7の直径よりも大きい直径を有する円筒
形状を有し得る。制御電極3は、例えばアルミニウムな
どの金属材料から成り、円筒形状の貫通孔2と中心が等
しい環状の形状を有し得、リード(図示せず)を介して
外部の電圧印加手段(図示せず)に接続され得る。帯電
防止層4は、プラズマCVDにより形成された半導電性
層であり、シリコン元素(Si)、窒素元素(N)およ
びIII族元素であるボロン元素(B)を含むp型層から
成る。帯電防止層4は、例えばシート抵抗1.0×10
10〜1.0×1012Ω/□、厚さ50〜200n
m、低効率1.0×10〜1.0×10Ωmとする
ことができる。ドレイン電極5はアルミなどの金属材料
から成り、任意のパターンで設けられ得る。
【0037】このような電極構造体20を用いて画像形
成する場合、帯電した荷電粒子7が制御電極3の電位に
よって電気的吸引力を受け、電極構造体20に向かって
(図中の矢印方向に)飛翔し、本体部分1に設けられた
貫通孔2を通過する。このとき荷電粒子7は、場合によ
っては貫通孔2を通過せずに、電極構造体20の帯電防
止層(半導電性層)4と衝突する。帯電防止層4と衝突
した荷電粒子7の帯電電荷は、帯電防止層4を通じてド
レイン電極5から外部へ逃がされ、これにより、電極構
造体20の表面に帯電電荷がたまることが防止される。
【0038】このような電極構造体20は、図2に示す
ようなプラズマCVD装置40を用いて製造することが
できる。このプラズマCVD装置は、ガスを導入するた
めの導入口37と、ガスを排気するための排気口38と
を備える真空チャンバ30を有する。真空チャンバ30
の内部には、電極構造体20(より詳細には後述の構造
体19)を保持するためのホルダー31と、高周波発信
器33から整合器34を介して高周波電圧が印加される
印加電極32が配置されている。ホルダー31は印加電
極32の対向電極としても機能し、このホルダー31は
アースされている。ホルダー31はヒーター35と接触
して配置され、ヒーター35と接続された加熱電源36
および本体部分1の温度をモニタリングする温度モニタ
(図示せず)を用いて、ホルダー31に設置された電極
構造体20(より詳細には後述の構造体19)の温度を
制御することができる。
【0039】このようなプラズマCVD装置40を用い
て、まず、貫通孔2が設けられた本体部分1の表面に貫
通孔2を取り囲むように制御電極3を形成した状態の構
造体19を、制御電極3が設けられた側を上にして真空
チャンバ30内のホルダー31に設置する。次いで、真
空チャンバ30の内部を排気口38より真空排気する。
加熱電源36を用いてヒーター35により構造体19を
所定の温度、好ましくは50〜200℃に加熱する。ま
た、高周波発生器33から整合器34を介して印加電極
32に高周波電圧を印加する。このとき印加電極32に
印加される高周波電圧の周波数は、供給する原料ガスが
プラズマ放電し得る値とし、好ましくは250kHz〜
500MHzである。また、高周波電圧に代えて、DC
電源を用いて直流電圧を印加して、DC放電させるよう
にしてもよい。
【0040】この状態で導入口37から原料ガスをチャ
ンバ30内に導入することにより、印加電極32と対向
電極31との間で原料ガスをプラズマ分解させて、放電
プラズマを発生させる。この原料ガスには、モノシラン
(SiH)ガス、水素(H )ガスまたはヘリウムガ
スで希釈されたジボラン(B)ガス、および窒素
(N)ガスが用いられ、これらのガスを一定の流量で
供給する。原料ガスがプラズマ分解されて生じるシリコ
ン元素、窒素元素およびボロン元素は、所定の温度に加
熱された構造体19の表面に堆積して、半導電性層4
(図1を参照のこと)として、シリコン元素、窒素元
素、およびボロン元素を含むp型のSiN層(こ
こでaおよびbはゼロでない実数、以下、単にSiNB
層と言う)を形成する。
【0041】このSiNB層(半導電性層)4は、各原
料ガスの流量(または供給量)の割合を適切に調整する
ことによって、10〜1012Ω/□のシート抵抗値
を有するように形成することができる。本実施形態にお
いては、各原料ガスの流量を一定としているので、不純
物元素(ここではIII族元素であるボロン元素)の濃度
がSiNB層4の厚さ方向に沿って一定となり、よっ
て、得られるSiNB層4は一様な抵抗値を有する。本
実施形態において、半導電性層(SiNB層)4が帯電
防止層として機能する。
【0042】以上のようにして半導電性層(SiNB
層)4を形成した後、真空チャンバ30から構造体19
を取り出し、半導電性層4の上にドレイン電極5を形成
することにより、図1に示すような電極構造体20が製
造される。
【0043】上記のような本実施形態の電極構造体によ
れば、帯電防止層が制御電極の電位に悪影響を与えない
程度の絶縁性を有するので、電極構造体の帯電を均等に
防止することができ、制御電極の近傍の実効的な帯電防
止が可能となる。また、シリコン元素に窒素元素を添加
して形成された半導電性層(帯電防止層)は、シリコン
元素のみから成るシリコン薄膜よりも高い硬度および耐
摩耗性を有し、表面活性がより低いので、荷電粒子との
衝突に耐え得るのに十分な程度の硬度および耐摩耗性を
有し、かつ、周囲の環境により影響を受けにくい安定し
た電気特性を有する帯電防止層が実現される。
【0044】尚、本実施形態においては、帯電防止層と
なる半導電性層として、シリコン元素、窒素元素および
III族元素(ボロン元素)を含むp型層(SiNB層)
を形成するものとしたが、III族元素を含むガス(ボロ
ン元素を含むジボランガス)に代えて、V族元素を含む
ガスを用いることにより、半導電性層として、シリコン
元素、窒素元素およびV族元素を含むn型層を形成する
こともできる。例えば、ボロン元素を含むジボランガス
に代えて、リン元素を含むフォスフィン(PH )ガス
を用いることにより、半導電性層として、シリコン元
素、窒素元素およびリン元素を含むn型のSiN
層(ここでcおよびdはゼロでない実数、以下、単にS
iNP層と言う)を形成することができる。半導電性層
をp型およびn型のいずれの層とするかは、電極構造体
を通過させる荷電粒子の材料、およびその帯電極性や、
ドレイン電極の材料ならびに所望のデバイスの駆動電圧
特性(例えば動作開始電圧)などに応じて選択すること
ができる。
【0045】また、本実施形態においては、各原料ガス
の流量を一定として、半導電性層の厚さ方向に沿って一
様な抵抗値を有する半導電性層を形成するものとした
が、原料ガスの流量の割合、例えば不純物元素(III族
元素またはV族元素)を含むガスの流量のみを連続的に
変化させて、不純物元素の濃度が(従って抵抗値が)、
層の厚さ方向に沿って変化するp型またはn型の半導電
性層を形成するようにしてもよい。この場合、制御電極
と接触する半導電性層の部分(図1の半導電性層4の下
方部分)は不純物濃度を低くし(従って、抵抗値をより
高い側とし)、帯電電荷を逃がすために設けられる金属
から成るドレイン電極と接触する半導電性層の部分(図
1の半導電性層4の上方部分)は、これらがオーミック
接触するように、不純物濃度を高くする(従って、抵抗
値をより低い側とする)ことが好ましい。
【0046】また、本実施形態においては、ドレイン電
極を半導電性層の上に配置するものとしたが、ドレイン
電極は半導電性層と接触する限り、どのように配置され
ていてもよい。例えば、本体部分の表面にドレイン電極
を設け、このドレイン電極を覆って半導電性層を形成す
るようにしてもよい。
【0047】(実施形態2)本発明のもう1つの実施形
態における電極構造体およびその製造方法について説明
する。図3は、本実施形態における電極構造体の概略断
面図である。尚、図3において、図1〜3を参照しなが
ら上述した実施形態1の電極構造体と同様の要素には同
じ番号を付すものとし、以下の実施形態についても同様
とする。
【0048】図3に示すように、本実施形態の電極構造
体21は、帯電防止層を構成する半導電性層が本体部分
1の上に順次形成された第1の層4aおよび第2の層4
bから成り、これら第1の層4aおよび第2の層4bは
導電型が同じであり、不純物元素の濃度が異なる点にお
いて実施形態1の電極構造体(図1を参照のこと)と相
違する。ここで、制御電極3と接触している第1の層4
aを不純物元素濃度のより低い層(従って抵抗値のより
高い層)とし、ドレイン電極と接触している第2の層4
bを不純物元素濃度のより高い層(従って抵抗値のより
低い層)とすることが好ましい。本実施形態において
は、第1の層4aはボロン元素濃度のより低いp型層と
し、第2の層4bはボロン元素濃度のより高いp型層と
する。
【0049】第1の層4aおよび第2の層4bは、例え
ば、いずれも50〜200nmの厚さを有し、それぞれ
1011〜1014Ωmおよび10〜10Ωmの抵
抗率を有し得る。ここで、より抵抗値の高い第1の層4
aの厚さは、制御電極3の厚さよりも厚く、より抵抗値
の低い第2の層4bと制御電極3とが隔離されているこ
とが好ましい。これら第1の層4aおよび第2の層4b
は合わさって帯電防止層を構成し、この帯電防止層は、
例えば10〜1012Ω/□のシート抵抗を有する。
第1の層4aおよび第2の層4bから成る帯電防止層全
体で所望のシート抵抗が得られる。
【0050】本実施形態の電極構造体21もまた、図2
に示すプラズマCVD装置を用いて実施形態1と同様に
して製造することができる。実施形態1では、各原料ガ
スの流量を一定として、半導電性層の厚さ方向に沿って
一様な抵抗値を有する半導電性層を形成するものとした
が、本実施形態においては、第1の層4aを形成した
後、原料ガスの流量の割合、例えば不純物元素を含むガ
スの流量のみを変化させること、好ましくは不純物元素
を含むガスの流量を増加させることにより、不純物元素
の濃度が(従って抵抗値が)異なる2つの層を形成する
ことができる。
【0051】上述のような本実施形態の電極構造体にお
いても、実施形態1の電極構造体によって得られる効果
と同様の効果を奏し得る。これに加えて、制御電極と接
触している第1の層を抵抗値のより高い層とし、ドレイ
ン電極と接触している第2の層を抵抗値のより低い層と
することによって、制御電極の電位に悪影響を与えるこ
となく、帯電電荷を排出するためのドレイン電極と帯電
防止層との間に良好なオーミック接触を形成することが
できる。
【0052】尚、本実施形態においては、帯電防止層と
なる半導電性層として、不純物元素を含むガスの流量を
2段階に変化させることにより、シリコン元素、窒素元
素およびIII族元素(ボロン元素)を含み、III族元素の
濃度が異なる2つのp型層(SiNB層)を形成するも
のとしたが、不純物元素を含むガスの流量を更に段階的
に変化させることにより、不純物元素の濃度が異なる3
つ以上の層を形成するようにしてもよい。また、III族
元素を含むガス(ボロン元素を含むジボランガス)に代
えて、V族元素を含むガスを用いることにより、半導電
性層として、シリコン元素、窒素元素およびV族元素を
含み、V族元素の濃度が異なる2つまたはそれ以上のn
型層を形成することもできる。例えば、ボロン元素を含
むジボランガスに代えて、リン元素を含むフォスフィン
(PH)ガスを用いることにより、半導電性層とし
て、シリコン元素、窒素元素およびリン元素を含み、リ
ン元素の濃度が異なる2つまたはそれ以上のn型のSi
NP層を形成することができる。半導電性層をp型およ
びn型のいずれの層とするかは、実施形態1と同様に、
電極構造体を通過させる荷電粒子の材料、およびその帯
電極性や、ドレイン電極の材料ならびに所望のデバイス
の駆動電圧特性(例えば動作開始電圧)などに応じて選
択することができる。
【0053】(実施形態3)本発明のもう1つの実施形
態における電極構造体およびその製造方法について説明
する。図4は、本実施形態における電極構造体の概略断
面図である。
【0054】図4に示すように、本実施形態の電極構造
体22は、帯電防止層を構成する半導電性層が、本体部
分1の上に順次形成された第1の層4cおよび第2の層
4dから成り、これら第1の層4cおよび第2の層4d
の導電型が異なる点において実施形態1の電極構造体
(図1を参照のこと)と相違する。ここで、第1の層4
cおよび第2の層4dは、それぞれp型層およびn型層
であっても、n型層およびp型層であってもよいが、本
実施形態においては、第1の層4cはボロン元素を添加
したp型のSiNB層とし、第2の層4cはリン元素を
添加したn型のSiNP層とする。第1の層4cおよび
第2の層4dの抵抗値(またはシート抵抗値)は特に制
限されないが、制御電極と接触している第1の層4cを
抵抗値のより高い層とし、ドレイン電極と接触している
第2の層4dを抵抗値のより低い層とすることが好まし
い。
【0055】第1の層4cおよび第2の層4dは、例え
ば、いずれも50〜200nmの厚さを有し、それぞれ
1011〜1014Ωmおよび10〜10Ωmの抵
抗率を有し得る。ここで、制御電極と接触している第1
の層4cを抵抗値のより高い層とし、ドレイン電極と接
触している第2の層4dを抵抗値のより低い層とした場
合には、より抵抗値の高い第1の層4cの厚さは、制御
電極3の厚さよりも厚く、より抵抗値の低い第2の層4
dと制御電極3とが隔離されていることが好ましい。こ
れら第1の層4cおよび第2の層4dは合わさって帯電
防止層を構成し、この帯電防止層は、例えば10〜1
12Ω/□のシート抵抗を有する。第1の層4cおよ
び第2の層4dから成る帯電防止層全体で所望のシート
抵抗が得られる。
【0056】本実施形態の電極構造体22もまた、図2
に示すプラズマCVD装置を用いて実施形態1と同様に
して製造することができる。実施形態1では、各原料ガ
スの流量を一定として、半導電性層の厚さ方向に沿って
一様な抵抗値を有する半導電性層を形成するものとした
が、本実施形態においては、第1の層4cを形成した
後、不純物元素を含むガス(本実施形態においてはIII
族元素を含むジボランガスおよび場合によっては希釈ガ
ス)の供給を停止し、導電型の異なる不純物元素を含む
ガス(V族元素を含むフォスフィン(PH)ガスおよ
び場合によっては希釈ガス)の供給を開始することによ
り、導電型の異なる2つの層を形成することができる。
【0057】上述のような本実施形態の電極構造体にお
いても、実施形態1の電極構造体によって得られる効果
と同様の効果を奏し得る。また、制御電極と接触してい
る第1の層を抵抗値のより高い層とし、ドレイン電極と
接触している第2の層を抵抗値のより低い層とすること
によって、制御電極の電位に悪影響を与えることなく、
帯電電荷を排出するためのドレイン電極と帯電防止層と
の間に良好なオーミック接触を形成することができる。
【0058】更に、第1の層の導電型と異なる導電型を
有する第2の層を積層して半導電性層を形成することに
よって、ドレイン電極の特性に影響されない半導電性膜
が形成される。より詳細には、ドレイン電極がAlなど
のp型の金属材料から成る場合には、ドレイン電極と接
触する半導電性層の導電型をp型とし、荷電粒子と衝突
し得る半導電性層の導電型を、ドレイン電極の材料に関
係なく、n型とすることができる。
【0059】尚、本実施形態においては、帯電防止層と
なる半導電性層として、シリコン元素、窒素元素および
III族元素(ボロン元素)を含むp型層(SiNB層)
の上に、シリコン元素、窒素元素およびV族元素(リン
元素)を含むn型層(SiNP層)を形成するものとし
たが、p型層およびn型層を形成する順序はこれに限定
されず、逆にしてもよい。半導電性層の積層順序は、ド
レイン電極と接触する半導電性層と荷電粒子が接触し得
る半導電性層の配置に応じて選択することができる。ま
た、本実施形態においては、導電型の異なる2つのp型
層およびn型層を形成するものとしたが、p型層および
n型層が交互に積層された3つ以上の層を形成するよう
にしてもよい。
【0060】以上、本発明の電極構造体の3つの実施形
態について説明したが、これらの実施形態の特徴を任意
の組合せで用いて半導電性層を形成することもできる。
例えば、導電型が同じで不純物濃度が異なる2つまたは
それ以上の層を形成し、その頂上の層の導電型と異なる
導電型を有する層を形成するようにしてもよい。
【0061】(実施形態4)本発明の1つの実施形態に
おける画像形成装置を用いて、直接静電印刷により画像
を形成する方法を図面を参照しながら説明する。図5
は、実施形態1の電極構造体と同様のものを用いる画像
形成装置の概略図である。
【0062】図5に示す本実施形態の画像形成装置60
に用いられる電極構造体20は、実施形態1の電極構造
体と同じ断面構造を有し、実施形態1と同様にして作製
されるが、より詳細には、列状に並んだ複数の貫通孔2
を有する本体部分1と、貫通孔2の各々を取り囲んで互
いに独立して配置された複数の制御電極3と、制御電極
3の各々から引き出されたリード(図示せず)とを備え
る。図5に示す画像形成装置60においては、電極構造
体20の貫通孔2は、紙面に対して垂直な1つの列を成
して配置されている。リードは直流電源(電圧印加手
段)72(図5)に接続されており、直流電源72によ
り複数の制御電極3にアドレス可能に電圧を印加するこ
とができる。
【0063】図5に示す本実施形態の画像形成装置60
は、電極構造体20を除いて、一般的な直接静電印刷の
ための画像形成装置と同様の構成を有する。具体的に
は、電極構造体20の下方には、印刷用紙などの基体7
0が、画像を形成すべき面を電極構造体20に対向させ
て電極構造体20から離れて配置され、基体70の裏面
側には背面電極としても機能する背面ローラ61が回転
可能に備えられる。背面ローラ61は直流電源(電圧印
加手段)71に接続され、直流電源71により電圧印加
される。また、電極構造体20の基体70と反対側に
は、保持ローラ62がケース73に収容されて備えられ
ている。保持ローラ62は、帯電した荷電粒子7を保持
し、電極構造体20の貫通孔2の入口近傍に荷電粒子7
を配置するための保持体である。ケース73の内部に
は、この荷電粒子7を保持ローラ62に供給するための
供給ローラ63と層規制ブレード64とが更に備えられ
ている。また、基体70の搬送方向(矢印75の方向)
の下流には、基体70に付着した荷電粒子7を定着させ
るための定着ローラ65aおよび65bが備えられる。
【0064】このような画像形成装置60を用いて直接
静電印刷により画像を形成する方法を以下に説明する。
【0065】まず、任意の方法で帯電させた荷電粒子7
を、供給ローラ63から保持ローラ62に供給して保持
ローラ62に付着させる。保持ローラ62に付着した荷
電粒子7は、保持ローラ62を回転させることにより層
規制ブレード64と接触して層規制され、荷電粒子7か
らなる単層の形態で保持ローラ62に保持される。この
荷電粒子7は、保持ローラ62を更に回転させることに
より、貫通孔2の入口近傍を通る。
【0066】他方、直流電源71を用いて背面ローラ
(背面電極)61に電圧を印加して、背面ローラ61と
保持ローラ62との間に第1の電位差を与えて電界を発
生させる。このとき、第1の電位差は、背面ローラ61
と保持ローラ62との間に形成される電界(および重力
等)のみでは、保持ローラ62に保持されている荷電粒
子7がそこから飛翔することのないような大きさにする
必要がある。またこのとき、全ての制御電極3は、これ
ら制御電極3と保持ローラ62との間の電位差がゼロと
なるように、直流電源72を介して保持ローラ62と同
電位にされる。
【0067】このようにして、荷電粒子7を保持した保
持ローラ62を回転させて荷電粒子7を貫通孔2の入口
近傍へ供給し、背面ローラ61に電圧を印加し、ならび
に制御電極3を保持ローラ62と同電位に保った状態
で、背面ローラ61を回転させて基体70を矢印75の
方向に搬送する。そして、直流電源72を用いて所定の
制御電極3にのみ所定の電圧を印加して、制御電極3と
保持ローラ62との間にゼロでない第2の電位差を与え
る。この第2の電位差の大きさは、保持ローラ62に保
持されている荷電粒子7が、所定の制御電極3と保持ロ
ーラ62との間に形成される電界(および重力等)によ
って、保持ローラ62から飛翔し、この制御電極3で囲
まれる貫通孔2を通過するのに十分な大きさとされる。
その結果、所定の制御電極3と保持ローラ62との間に
形成された電界により電気的引力を受けた荷電粒子7
は、保持ローラ62を離れて飛翔し、該所定の制御電極
3で囲まれる貫通孔2を通過して基体70の側に引き出
されて基体70の表面に付着する。
【0068】このとき、所定の制御電極3を除く他の制
御電極は、保持ローラ62と同電位に保たれたままであ
り、背面ローラ61と保持ローラ62との間に形成され
た電界の影響しか受けず、保持ローラ62を離れるのに
十分な電気的引力を受けないので、保持ローラ62に付
着したまま残留する。
【0069】直流電源72に接続された複数の制御電極
3はアドレス可能に電圧印加でき、また、この制御電極
3は基体70の画像を形成すべき面の上にライン状に配
置されているので、基体70の搬送速度と、各制御電極
3に電圧を印加するタイミングとを適切に調整すること
により、荷電粒子7を基体70の上に所望のパターンで
付着させることができ、よって、荷電粒子7から成る所
望の画像を基体20上に形成することができる。
【0070】以上のようにして荷電粒子7から成る画像
を基体70上に形成した後、必要に応じてこの基体70
を定着ローラ65aおよび65bの間に通して、熱圧着
により荷電粒子7から成る画像を基体70に定着させ
る。これにより、荷電粒子7から成る画像形成が完成す
る。
【0071】このような画像形成装置によれば、上述の
実施形態1と同様の構成を有する電極構造体を用いてい
るので、実施形態1と同様の効果を奏し得る。従って、
電極構造体の帯電を均等に防止することができ、制御電
極の近傍の実効的な帯電防止が可能となり、これによ
り、荷電粒子の帯電によって貫通孔が閉塞されることを
防止することができる。また、シリコン元素に窒素元素
を添加して形成された半導電性層(帯電防止層)は、荷
電粒子との衝突に耐え得る程度の硬度および耐摩耗性を
有するという利点があり、これにより、電極構造体の寿
命が長くなり、画像形成のためのコストダウンを図るこ
とができる。更に、このような半導電性層の表面は、シ
リコン薄膜表面よりも活性が低く、周囲の環境により影
響を受けにくい安定した電気特性を有するという利点が
あり、これにより、常に安定した立体感のある画像形成
が可能となる。
【0072】尚、上記のような画像形成装置は本発明の
1つの実施形態に過ぎず、種々の改変がなされ得ること
が当業者には理解されよう。
【0073】
【実施例】実施形態1と同様の構成を有する電極構造体
を作成する際に、各原料ガスの流量の割合が、帯電防止
層(この場合、1つの半導電性層から成る)のシート抵
抗値に与える影響を以下の試験を実施して調べた。
【0074】図2に示すプラズマCVD装置を用いて、
縦200mm、横350mm、厚さ0.5mmのポリイ
ミドから成る絶縁シート1に貫通孔2を設け、貫通孔2
の周囲を取り囲んで制御電極3を設けた構造体19の上
に半導電性層を形成した。まず、図2に示すように、こ
のような構造体19をホルダー31で保持し、加熱電源
36およびヒーター35を用いて構造体19を加熱して
約100℃とし、他方、真空チャンバ30の内部の圧力
を約66.5Pa(0.5Torr)とした。また、高
周波発信器33から整合器34を介して印加電極32に
約13.56Hzの高周波電圧を印加した。次いで、モ
ノシランガス流量を標準状態(0℃、1atm)で約4
0cm/分とし、窒素ガス流量を標準状態で約400
cm/分として、モノシランガスおよび窒素ガスを導
入口37からチャンバ30内に供給し、他方、水素ガス
で希釈したジボランガス(B/H=0.05の
体積比)の流量を0から約800cm/分へと順次変
化させながら、水素ガスで希釈したジボランガスを同じ
く導入口37からチャンバ30内に供給した。これによ
り、これら原料ガスをプラズマ分解して、シリコン元
素、窒素元素およびボロン元素を構造体19の表面に堆
積させ、SiNB層(半導電性層)を形成した。これに
より得られたSiNB層のシート抵抗値を測定し、水素
ガスで希釈されたジボランガスの流量とシート抵抗値と
の関係を調べた。結果を図6に示す。
【0075】図6から、水素ガスで希釈したジボランガ
ス(B/H=0.05の体積比)の流量を適切
に選択することにより、所望のシート抵抗値を得ること
ができることが示される。これにより、各原料ガスの流
量の割合を調節する1つの例として、III族元素または
V族元素の不純物元素を含むガスの流量を調整すること
により、半導電性層の抵抗値を制御することができるこ
とが理解されよう。
【発明の効果】本発明によれば、直接静電印刷などに利
用され得る電極構造体であって、制御電極の電位に悪影
響を与えることなく帯電電荷を均等に逃がすことがで
き、かつ、荷電粒子との衝突に耐え得る程度の硬度およ
び耐摩耗性を有する帯電防止層を備える電極構造体およ
びその製造方法ならびにそのような電極構造体を用いる
画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1つの実施形態における電極構造体
の概略断面図である。
【図2】 図1の実施形態における電極構造体を製造す
るためのプラズマCVD装置の概略図である。
【図3】 本発明のもう1つの実施形態における電極構
造体の概略断面図である。
【図4】 本発明のもう1つの実施形態における電極構
造体の概略断面図である。
【図5】 図1の実施形態の電極構造体と同様のものを
用いた画像形成装置の概略図である。
【図6】 本発明の1つの実施例における、水素ガスで
希釈したジボランガス(B/H=0.05の体
積比)の流量の変化に対する半導電性層のシート抵抗値
の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 本体部分 2 貫通孔 3 制御電極 4、4a、4b、4c、4d 半導電性層(帯電防止
層) 5 ドレイン電極 7 荷電粒子 19 構造体 20、21、22 電極構造体 30 真空チャンバ 31 ホルダー(対向電極) 32 印加電極 33 高周波発信器 34 整合器 35 ヒーター 36 加熱電源 37 導入口 38 排気口 40 プラズマCVD装置 60 画像形成装置 61 背面ローラ(背面電極) 62 保持ローラ 63 供給ローラ 64 層規制ブレード 65a、65b 定着ローラ 70 基体 71、72 直流電源(電圧印加手段) 73 ケース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C162 AE04 AE25 AE31 AE47 AH14 AH25 AH29 AH47 AJ02 CA02 CA12 CA24 2H029 DB01 DB04

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性の本体部分と、本体部分の少なく
    とも片側の表面に形成された帯電防止層と、本体部分お
    よび帯電防止層を通って設けられた貫通孔と、貫通孔を
    取り囲んで設けられた制御電極とを含む電極構造体であ
    って、帯電防止層が、シリコン元素、窒素元素およびII
    I族元素を含む半導電性層を含む電極構造体。
  2. 【請求項2】 帯電防止層が、10〜1012Ω/□
    のシート抵抗値を有する、請求項1に記載の電極構造
    体。
  3. 【請求項3】 半導電性層に含まれるIII族元素の濃度
    が、1011〜10 21個/cmである、請求項1ま
    たは2に記載の電極構造体。
  4. 【請求項4】 帯電防止層が、III族元素の濃度が異な
    る2つまたはそれ以上の半導電性層を含む、請求項1〜
    3のいずれかに記載の電極構造体。
  5. 【請求項5】 帯電防止層が、III族元素の濃度が層の
    厚さ方向に沿って変化する半導電性層を含む、請求項1
    〜4のいずれかに記載の電極構造体。
  6. 【請求項6】 III族元素に代えてV族元素を用いる、
    請求項1〜5のいずれかに記載の電極構造体。
  7. 【請求項7】 帯電防止層が、シリコン元素、窒素元
    素、およびV族元素を含む半導電性層を更に含む、請求
    項1〜5のいずれかに記載の電極構造体。
  8. 【請求項8】 帯電防止層が、シリコン元素、窒素元素
    およびIII族元素を含む半導電性層とシリコン元素、窒
    素元素、およびV族元素を含む半導電性層とが交互に積
    層された、2つまたはそれ以上の半導電性層を含む、請
    求項7に記載の電極構造体。
  9. 【請求項9】 本体部分が、ポリイミド、ポリプロピレ
    ン、ポリアミド、ポリカーボネート、およびアクリル樹
    脂からなる群から選択される樹脂材料から成る、請求項
    1〜8のいずれかに記載の電極構造体。
  10. 【請求項10】 基体の上面に荷電粒子から成る画像を
    形成するための画像形成装置であって、 請求項1〜9のいずれかに記載の電極構造体と、 帯電した荷電粒子を保持し、電極構造体の貫通孔の基体
    と反対側の入口近傍に荷電粒子を供給する保持体と、 基体の下面側に位置する背面電極と、 背面電極に電圧を印加して、背面電極と保持体との間に
    第1の電位差を与える第1電圧印加手段と、 所定の制御電極に電圧を印加して、所定の制御電極と保
    持体との間に第2の電位差を与える第2電圧印加手段
    と、を含む画像形成装置。
  11. 【請求項11】 絶縁性の本体部分と、本体部分の少な
    くとも片側の表面に形成された帯電防止層と、本体部分
    および帯電防止層を通って設けられた貫通孔と、貫通孔
    を取り囲んで設けられた制御電極とを含む電極構造体の
    製造方法であって、 (a)貫通孔が設けられた絶縁性の本体部分と、貫通孔
    を取り囲んで設けられた制御電極とを含む構造体をチャ
    ンバ内に配置する工程と、 (b)チャンバ内に配置された構造体を加熱する工程
    と、 (c)シリコン元素を含むガス、窒素元素を含むガスお
    よびIII族元素を含むガスを原料ガスとしてチャンバ内
    に供給し、原料ガスをプラズマ分解してシリコン元素、
    窒素元素およびIII族元素を構造体に堆積させて、シリ
    コン元素、窒素元素およびIII族元素を含む半導電性層
    を形成する工程とを含み、1つまたはそれ以上の半導電
    性層を含む帯電防止層を得、これにより電極構造体を製
    造する方法。
  12. 【請求項12】 工程(c)を少なくとも2回、シリコ
    ン元素を含むガス、窒素元素を含むガスおよびIII族元
    素を含むガスの供給割合が各回で異なるように実施し
    て、III族元素の濃度が異なる2つまたはそれ以上の半
    導電性層を含む帯電防止層を得る、請求項11に記載の
    製造方法。
  13. 【請求項13】 工程(c)を、シリコン元素を含むガ
    ス、窒素元素を含むガスおよびIII族元素を含むガスの
    供給割合を変化させながら実施して、III族元素の濃度
    が層の厚さ方向に沿って変化する1つの半導電性層を含
    む帯電防止層を得る、請求項11または12に記載の製
    造方法。
  14. 【請求項14】 工程(c)においてIII族元素に代え
    てV族元素を用い、シリコン元素、窒素元素およびV族
    元素を含む半導電性層を形成する、請求項11〜13の
    いずれかに記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 (d)シリコン元素を含むガス、窒素
    元素を含むガスおよびV族元素を含むガスを原料ガスと
    してチャンバ内に供給し、原料ガスをプラズマ分解して
    シリコン元素、窒素元素およびV族元素を構造体に堆積
    させて、シリコン元素、窒素元素およびV族元素を含む
    半導電性層を形成する工程を更に含む、請求項11〜1
    3のいずれかに記載の製造方法。
  16. 【請求項16】 工程(c)および工程(d)を交互に
    繰り返して実施して、シリコン元素、窒素元素およびII
    I族元素を含む半導電性層とシリコン元素、窒素元素お
    よびV族元素を含む半導電性層とが交互に積層された2
    つまたはそれ以上の半導電性層を含む帯電防止層を得
    る、請求項15に記載の製造方法。
  17. 【請求項17】 工程(b)において構造体が50〜2
    00℃の温度に加熱される、請求項11〜16のいずれ
    かに記載の製造方法。
  18. 【請求項18】 本体部分が、ポリイミド、ポリプロピ
    レン、ポリアミド、ポリカーボネート、およびアクリル
    樹脂からなる群から選択される樹脂材料から成る、請求
    項11〜17のいずれかに記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2013147037A1 (ja) * 2012-03-29 2015-12-14 京セラ株式会社 流路部材およびこれを備える熱交換器ならびに半導体製造装置
JP2022548981A (ja) * 2019-09-26 2022-11-22 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド 半導体プロセスツールにおける静電気散逸用の超薄型共形コーティング

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