JP2002291797A - 使い捨ておむつ - Google Patents

使い捨ておむつ

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JP2002291797A JP2001347889A JP2001347889A JP2002291797A JP 2002291797 A JP2002291797 A JP 2002291797A JP 2001347889 A JP2001347889 A JP 2001347889A JP 2001347889 A JP2001347889 A JP 2001347889A JP 2002291797 A JP2002291797 A JP 2002291797A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ファスニングテープが設けられた部位を、着
用者の背側及び腹側の何れの側に向けても容易に装着す
ることができ、何れの場合においても着用中にずり落ち
や尿漏れが生じにくい使い捨ておむつを提供すること。 【解決手段】 ファスニングテープ5が設けられた背側
部Aのウエスト開口縁部D及び胴回り部Eに、ウエスト
部弾性部材7及び複数の胴回り部弾性部材8が配され、
長手方向の両側にレッグ部弾性部材9が配されている使
い捨ておむつにおいて、胴回り部弾性部材8は、吸収体
4の両側縁の位置よりも幅方向外方の部位に弾性伸縮性
が発現されるように固定され、吸収体4の両側縁の位置
よりも幅方向内方の部位における少なくとも中央部には
配設されておらず、胴回り部Eの幅方向の伸長応力が、
ウエスト開口縁部Dの幅方向の伸長応力よりも大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファスニングテー
プが設けられた部位を、着用者の背側及び腹側の何れの
側に向けても容易に装着することができ、何れの場合に
おいても着用中にずり落ちや尿漏れが生じにくい使い捨
ておむつに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
使い捨ておむつとしては、ファスニングテープを有する
展開型の使い捨ておむつと、予めパンツ型に形成された
パンツ型の使い捨ておむつとが知られており、展開型の
使い捨ておむつは、新生児から使用できること、製造コ
ストが安いこと等から、最も一般的に用いられている。
しかし、展開型の使い捨ておむつは、赤ちゃんが静かに
仰向けに寝ている場合には容易に装着できるが、活動が
活発になって、その装着をいやがったりする場合、例え
ば、はいはいをして逃げ回ったりする場合には、その装
着が容易ではない。このような場合、ファスニングテー
プが設けられた背側部を、着用者の腹側に向けるように
して装着することが考えられるが、従来の展開型おむつ
においては、逆向きに装着すると、却って装着が困難で
あり、装着できたとしても、着用中に、おむつのずり落
ちや尿漏れが生じるという問題があった。
【0003】例えば、特開平1−168902号公報に
は、ファスニングテープの基端部付近に弾性ひだを設け
た展開型の使い捨ておむつが開示されており、特開平6
−285113号公報、特開平6−63077号公報及
び特開平4−35663号公報には、おむつの本体部分
に弾性伸縮材を連設して形成した弾性伸縮部にファスニ
ングテープを設けた展開型の使い捨ておむつが開示され
ており、更に、実開平4−7819号公報及び実開平4
−5826号公報には、伸縮性を有するファスニングテ
ープを有する使い捨ておむつが開示されているが、これ
らの公報に記載の使い捨ておむつは、何れも逆向きに装
着すること自体が困難なものであり、特に、はいはいを
して逃げ回ったりする場合に、その装着が容易ではな
い。また、特開2000−262557には、赤ちゃん
が仰向けでもうつ伏せでも装着できるように、ァスニン
グテープを背側部と腹側部の両方に設けた使い捨ておむ
つが開示されている。しかし、この使い捨ておむつは、
着用中に、おむつのずり落ちや尿漏れが生じる恐れがあ
る。更に、特表平9−507409号公報には、おむつ
本体部分にエラストマー材料からなる耳部を連設し、該
エラストマー耳部にファスナーを設けた使い捨ておむつ
が記載されている。しかし、この使い捨ておむつも、逆
向きに装着しようとすると、却って装着が困難であり、
装着できたとしても、着用中に、おむつのずり落ちや尿
漏れが生じ易くなる。
【0004】従って、本発明の目的は、ファスニングテ
ープが設けられた部位を、着用者の背側及び腹側の何れ
の側に向けても容易に装着することができ、何れの場合
においても着用中にずり落ちや尿漏れが生じにくい使い
捨ておむつを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、液透過性の表
面シート、液不透過性の裏面シート及び両シート間に介
在された液保持性の吸収体を備えた本体部分と、該本体
部分の両側縁部に設けられたファスニングテープとを具
備し、該ファスニングテープが設けられた部位における
ウエスト開口縁部及び胴回り部に、それぞれ幅方向に亘
ってウエスト部弾性部材及び複数の胴回り部弾性部材が
配されており、長手方向の両側に一対のレッグ部弾性部
材が配されている実質的に縦長の使い捨ておむつにおい
て、前記胴回り部弾性部材は、少なくとも前記吸収体の
両側縁の位置よりも幅方向外方の部位に弾性伸縮性が発
現されるように伸張状態で固定されており且つ該吸収体
の両側縁の位置よりも幅方向内方の部位における少なく
とも中央部には配設されておらず、前記胴回り部の幅方
向の伸長応力が、前記ウエスト開口縁部の幅方向の伸長
応力よりも大きいことを特徴とする使い捨ておむつを提
供することにより、前記目的を達成したものである。
【0006】尚、本発明における胴回り部弾性部材は、
ファスニングテープが設けられた部位における胴回り部
に、おむつの幅方向に沿って配された弾性部材であっ
て、少なくとも前記吸収体の両側縁の位置よりも幅方向
外方の部位に弾性伸縮性が発現されるように伸張状態で
固定されており且つ幅方向中央側の端部がおむつ幅方向
の中央位置に達しないように配設されているものをい
う。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、その好ましい一
実施形態に基づいて詳細に説明する。本発明の一実施形
態としての使い捨ておむつ1は、図1及び図2に示すよ
うに、液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シー
ト3、及び両シート間に介在された液保持性の吸収体4
を備え、実質的に縦長に形成されており、長手方向の一
端から他端に向かって順に、ファスニングテープ5,5
が設けられた背側部A、股下部C、及び腹側部Bを有す
る、展開型の使い捨ておむつである。
【0008】更に詳細に説明すると、本実施形態の使い
捨ておむつ1は、股下部Cの両側縁C1,C1が円弧状
に形成され、全体として、中央部が括れた砂時計状の形
状を有している。表面シート2は、吸収体4よりも外形
寸法の大きい略矩形状の平面視形状を有しており、裏面
シート3の幅方向の中央部に配されている。裏面シート
3は、おむつの外形形状に一致する砂時計状の外形を有
している。表面シート2及び裏面シート3は、それぞ
れ、おむつの長手方向の両側部及び両端部において、吸
収体4の両側縁41,41及び両端縁42,42よりも
外方に延出しており、その延出部において互いに接合さ
れている。裏面シート3の長手方向の両側部は、表面シ
ート2の両側縁よりも幅方向の両外方に延出している。
【0009】本使い捨ておむつ1における長手方向の両
側には、一対の立体ギャザー6,6が形成されている。
各立体ギャザー6は、弾性部材61を有する立体ギャザ
ー形成用のシート材62を、表面シート2の両側縁の外
方から内方に亘るように配設して形成されている。各シ
ート材62は、吸収体4の両側縁41に沿ってその近傍
に形成された立体ギャザー6の固定端(図示せず)より
も幅方向の外側に位置する部分が表面シート2又は裏面
シート3上に固定され、おむつの長手方向の両端部の近
傍における前記固定端より幅方向内側に位置する部分が
裏面シート3上に固定されている。立体ギャザー6に
は、その自由端63と略平行に複数の弾性部材61が配
設されている。
【0010】本実施形態の使い捨ておむつ1において
は、ファスニングテープ5が設けられた部位である背側
部Aにおけるウエスト開口縁部D及び胴回り部Eに、そ
れぞれ幅方向に亘ってウエスト部弾性部材7及び複数の
胴回り部弾性部材8,8が配されている。
【0011】ウエスト開口縁部Dは、ファスニングテー
プ5を、腹側部(股下部Cに対して、ファスニングテー
プ5が設けられた部位Aとは反対側に位置する部位)B
の外面側に設けられたランディングゾーンZに止着した
際に形成されるウエスト開口部の周縁部を形成する部分
であり、本実施形態のおむつ1においては、背側部A及
び腹側部Bそれぞれにおけるウエスト開口縁部Dに、ウ
エストギャザー形成用のウエスト部弾性部材7が、それ
ぞれ、おむつの幅方向に亘って伸張状態で配設されてい
る。尚、図示した形態の使い捨ておむつにおけるウエス
ト部弾性部材7は、それぞれ、5〜30mm程度の幅の
帯状の形態を有しており、ウエスト開口縁部Dにおける
裏面シート3と表面シート2又は前記シート材62との
間に挟持固定されている。
【0012】背側部Aにおける胴回り部Eは、図2に示
すように、使い捨ておむつを、その各部の弾性部材を伸
張させて平面状に拡げた状態(緊張状態)とし、その背
側部A側を上側、前記腹側部B側を下側と考えた場合
に、ウエスト部弾性部材7が配された部位Dより下方に
位置し且つ股下部(着用時に着用者の股間に配される部
分で、左右両側縁が脚廻りに沿わせるように凹状に形成
されている部分)Cより上方に位置する部分である。本
実施形態のおむつ1における複数の前記胴回り部弾性部
材8,8は、それぞれ、おむつ1の幅方向に亘って略平
行に所定間隔で配されている。
【0013】本使い捨ておむつ1における前記胴回り部
弾性部材8,8は、少なくとも吸収体4の両側縁41,
41の位置よりも幅方向外方の部位に弾性伸縮性が発現
されるように伸張状態で固定されており且つ該吸収体4
の両側縁41,41の位置よりも幅方向内方の部位にお
ける少なくとも中央部には配設されていない。
【0014】本実施形態における各胴回り部弾性部材8
は、背側部Aにおける幅方向の両端部(おむつ1におけ
る両側部)に配されており、各胴回り部弾性部材8にお
ける吸収体4の両側縁41,41の位置よりも幅方向外
方に位置する部分は、伸張状態で、2枚の柔軟な固定用
シート間に挟持固定された状態で配されており、2枚の
該固定用シートは、裏面シート3と、表面シート2又は
前記シート材62との間に接着固定されている。各胴回
り部弾性部材8のおむつ幅方向内方側の端部は、吸収体
4の両側縁41の位置よりも幅方向内側に若干入る程度
の位置にあり、吸収体4の幅方向中央部から左右両側縁
41,41の近傍にかけての領域には、胴回り部弾性部
材8が配されていない。
【0015】胴回り部弾性部材8が配されていない部分
(弾性伸縮性を発現しない部分)の幅W(図2参照)
は、背側部Aを着用者の背側に向けて装着する場合及び
/又は腹側に向けて装着する場合における装着容易性を
向上させる観点並びに着用中における使い捨ておむつの
ずり落ちや尿漏れを防止する観点から、吸収体幅W1の
1/2以上1以下であることが好ましく、また、背側部
Aの全幅W2の1/10以上4/5以下であることが好
ましい。
【0016】本使い捨ておむつ1における長手方向の両
側には、一対のレッグギャザー形成用のレッグ部弾性部
材9,9が、それぞれ、おむつ幅方向内方に向けて凸状
に湾曲させて配されている。各レッグ部弾性部材9は、
背側部Aの両側縁部から腹側部Bの両側縁部に亘って伸
張状態で配設されており、股下部Cにおいては、該股下
部Cの両側縁に沿って円弧状に配されている。尚、本実
施形態においては、長手方向の両側それぞれに、それぞ
れ複数本のレッグ部弾性部材が略平行に配されている。
【0017】本実施形態の使い捨ておむつにおいては、
ファスニングテープが設けられた背側部Aの胴回り部E
の幅方向の伸長応力が、該背側部のウエスト開口縁部D
の幅方向の伸長応力よりも大きい。背側部Aを着用者の
背側に向けて装着する場合及び/又は腹側に向けて装着
する場合における装着容易性を向上させる観点並びに着
用中における使い捨ておむつのずり落ちや尿漏れを防止
する観点から、ウエスト開口縁部Dの幅方向の伸長応力
Pに対する胴回り部Eの幅方向の伸長応力Qの比(Q/
P)は2〜20、特に2〜6であることが好ましい。ま
た、同様の観点から、胴回り部Eの幅方向の伸長応力Q
は100〜1000cN、特に200〜600cNであ
ることが好ましく、ウエスト開口縁部Dの幅方向の伸長
応力Pは50〜400cN、特に100〜200cNで
あることが好ましい。
【0018】ここで、ウエスト開口縁部Dの幅方向の伸
長応力とは、おむつの長手方向におけるウエスト部弾性
部材が配された部位を、おむつの幅方向に伸長させたと
きの応力を意味し、胴回り部Eの幅方向の伸長応力と
は、おむつの長手方向における胴回り部弾性部材(上述
したように、胴回り部Eのおむつ幅方向の両側にのみ存
在する弾性部材を意味する。)が配された部位を、おむ
つの幅方向に伸長させたときの応力を意味する。
【0019】背側部Aのウエスト開口縁部Dの幅方向の
伸長応力及び背側部Aの胴回り部Eの幅方向の伸長応力
は、それぞれ以下のようにして測定される。
【0020】<ウエスト開口縁部の幅方向の伸長応力>
テンシロン引張試験機〔型番;RTA−100,(株)
オリエンテック社製〕を用いて測定する。初期チャック
間距離を、背側部Aの幅方向の自然長(弾性部材を伸長
させない自然状態における長さ)から50mmを減じた
長さとし、背側部Aの左右両側縁部における、ウエスト
部弾性部材が配された部位の左右両側(図2の左右両
側)に位置する部分(図3参照,おむつの長手方向に沿
う方向の長さL1が2.5cmの部分)D1を、それぞ
れチャックに挟み、次いで、クロスヘッド移動速度30
0mm/minの条件で、サンプルを90mm以上、幅
方向(図2の左右方向)に伸長させ、90mmの伸長時
の荷重から伸長前の荷重を差し引いた荷重を、背側部A
のウエスト開口縁部Dの幅方向の伸長応力とする。尚、
長さL1と、ウエスト部弾性部材の幅(複数本配されて
いる場合は、その複数本が分散している領域の幅)W4
とが異なる場合には、両者の中心線(おむつの幅方向に
延びる中心線)を一致させて測定する。
【0021】<胴回り部の幅方向の伸長応力>背側部A
の左右両側縁部における、胴回り部弾性部材が配されて
いる部位の左右両側(図2の左右両側)に位置する部分
(図3参照,おむつの長手方向に沿う方向の長さL2が
5cmの部分)E1を、それぞれチャックに挟む以外
は、ウエスト開口縁部Dの伸長応力の測定と同様にして
測定する。
【0022】<他の測定方法>ウエスト開口縁部及び胴
回り部それぞれの幅方向の伸長応力は、上述した方法
(以下、第1方法という)に代えて、以下の第2方法に
より測定しても良い。第2方法においては、チャックに
挟む長さL1を、ウエスト部弾性部材7の幅(複数本配
されている場合は、その複数本が分散している領域の
幅)W4と同じ長さとする以外は、第1方法と同様にし
てウエスト開口縁部Dの伸長応力を測定し、また、チャ
ックに挟む長さL2を、胴回り部弾性部材8が分散して
いる領域の幅W5と同じ長さとする以外は、第1方法と
同様にして、胴回り部Eの伸長応力を測定する。
【0023】本実施形態の使い捨ておむつによれば、上
述した構成を有するため、ファスニングテープが設けら
れた背側部Aを、着用者の背側及び腹側の何れの側に向
けても容易に装着することができ、何れの場合において
も着用中におむつのずり落ちが生じにくい。そのため、
仰向けで寝ている状態は勿論のこと、うつぶせで寝てい
る状態、立ち上がってこちら側を向いている状態、立ち
上がって向こう側を向いている状態等においても容易に
装着することができ、更に、図4に示すように、はいは
いをして逃げ回る赤ちゃんなどに対しても装着が容易で
ある。
【0024】また、本実施形態の使い捨ておむつによれ
ば、胴回り部Eに配設された胴回り部弾性部材8が、吸
収体4の両側縁41,41の位置よりも幅方向外方の部
位に弾性伸縮性が発現されるように伸張状態で固定され
ており且つ該吸収体の両側縁41,41の位置よりも幅
方向内方の部位における少なくとも中央部には配設され
ていないため、吸収体4にシワが寄りにくく尿の表面液
流れを防止でき、また、吸収体4の有効幅が着用中にお
いても維持され、吸収体の吸収性能を充分に発揮させる
ことができる。そのため、吸収性能を維持しながら、使
用材料量や製造コストの削減、おむつのコンパクト化等
を図ることも可能である。また、吸収体がひだ寄せされ
にくいため、背側部を背側及び腹側の何れに向けて装着
した場合においても、すっきりした外観が得られる。
【0025】また、本実施形態の使い捨ておむつ1にお
ける胴回り部弾性部材8は、表面シート2、裏面シート
3及び吸収体4を備えた本体部分10におけるシート間
に一体的に固定されている。より詳細には、本体部分1
0を構成する裏面シート3と立体ギャザー形成用のシー
ト材62又は表面シート2との間に固定されている。こ
れにより、本体部分10に弾性伸縮性を付与することが
できると共に、本体部分に別体の弾性伸縮材を連結した
構成を有するもの(例えば特表平9−507409や特
開平6−63077に記載のもの)とは異なり、はいは
いで逃げる子供に対して急いで止着するためにファスニ
ングテープを強く引っ張っても、弾性伸縮材が破損する
恐れがない。
【0026】また、本実施形態の使い捨ておむつ1にお
ける一対の前記レッグ部弾性部材9,9は、それぞれ、
おむつ幅方向内方に向かって凸状(外方に向かって凹
状)に湾曲させて配設されているため、着用中における
おむつのずり落ちが一層防止される。また、立位、寝位
いずれの場合においても、足ぐりにギャザーが沿うため
装着しやすい。特に、胴回り部弾性部材は8が、図2に
示すように、レッグ部弾性部材9の背側部A側の端部9
1の位置よりも幅方向内側に配されてため、おむつ装着
の際に、胴回り部Eとレッグ部弾性部材9が配されてい
る部位とが一緒に伸長するので、脚をばたつかせて逃げ
る子供などにも、レッグ部弾性部材9が配された部位
を、着用者に優しく、しかも着用者の適正な部位に容易
にフィットさせることができる。これに対して、レッグ
部弾性部材の端部の位置よりも幅方向の外側にしか弾性
伸縮材が配されていない場合(例えば特表平9−507
409や特開平6−63077に記載のもの)には、お
むつ装着の際にレッグ部弾性部材が引っ張られないの
で、レッグ部弾性部材9が配された部位が、着用者の適
正な部位にフィットせず、例えば大腿部を過度に圧迫す
る恐れがある。
【0027】本実施形態の使い捨ておむつ1における各
部の形成材料について説明する。表面シート2、裏面シ
ート3、吸収体4、立体ギャザー形成用の弾性部材61
及びシート材62、ランディングゾーンZ形成用のラン
ディングテープ等の形成材料としては、従来、使い捨て
おむつに用いられている各種公知の材料を特に制限なく
用いることができる。
【0028】また、ファスニングテープ5は、機械的面
ファスナーのオス部材からなる止着部51を有するもの
でも、粘着剤を塗布して形成した粘着部51を有するも
のでも良い。但し、粘着部の場合には、逃げる子供など
に対して、おむつを逆向きに装着(背側装着)する際
に、親や介護者等の手に粘着部が着くことによって装着
不可能ないし著しく困難になる場合があるが、機械的面
ファスナーのオス部材からなる止着部のように、ランデ
ィングゾーンに機械的に係合する止着部を有するもの
は、そのような心配がないので好ましい。その場合、裏
面シート3の外表面側を不織布等の係合性に富む素材に
より形成し、該不織布等の一部を、ランディングゾーン
Zとして利用しても良い。
【0029】ウエスト部弾性部材7、胴回り部弾性部材
8及びレッグ部弾性部材9としては、それぞれ各種公知
の弾性部材を用いることができ、例えば、各弾性部材の
形態としては、糸状のもの(糸ゴム等)、所定幅の帯状
のもの(平ゴム等)、薄膜状のもの等を挙げることがで
き、弾性部材の形成素材としては、天然ゴムの他、スチ
レン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレ
ン等の合成ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ウレ
タン等を挙げることができる。尚、ウエスト部弾性部材
7は、所定幅の帯状のものが好ましく、胴回り部弾性部
材8は、糸状のものが好ましく、レッグ部弾性部材9
は、平ゴム状のものが好ましい。また、糸状の胴回り部
弾性部材8は、例えば、背側部Aの左右両側にそれぞれ
3〜12本程度配設することが好ましい。
【0030】以上、本発明の好ましい一実施形態につい
て説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限され
ず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能で
ある。例えば、レッグ部弾性部材は、おむつの長手方向
の両側に、それぞれ直線状に配しても良く、また、本数
は、左右に各1本であっても良い。また、ファスニング
テープが設けられた部位は、着用時に股間部に配される
股下部を挟んでその両側に位置する二つの部位(腹側部
及び背側部)の内のファスニングテープが設けられてい
る方の部位を意味し、着用時に、着用者の背側及び腹側
の何れに位置するかということとは無関係である。ファ
スニングテープを腹側部Bに設けた場合には、その腹側
部Bにおける胴回り部(幅方向の両側に胴回り部弾性部
材が配されている部位)の幅方向の伸長応力と、ウエス
ト開口縁部の幅方向の伸長応力とを測定する。本発明の
使い捨ておむつは、成人用の使い捨ておむつであっても
良いが、幼児(ベビー)用の使い捨ておむつ、特におむ
つ換えを嫌がる幼児に適している。
【0031】
【実施例】<実施例1>図1及び図2に示す形態を有
し、背側部Aのウエスト開口縁部Dの幅方向の伸長応力
が150cNであり、胴回り部Eの幅方向の伸長応力が
300cNである使い捨ておむつを製造した。尚、背側
部Aの胴回り部Eは、配設幅(W5)を50mmとして
左右にそれぞれ9本の糸状の弾性部材を配し、ウエスト
開口縁部Dには、幅(W4)20mmの帯状ウレタン弾
性部材を配置した。
【0032】<実施例2>長手方向両側のレッグ部弾性
部材を直線状に配した以外は、実施例1と同様に使い捨
ておむつを製造した。背側部Aのウエスト開口縁部Dの
幅方向の伸長応力は150cN、胴回り部Eの幅方向の
伸長応力は300cNであった。
【0033】<比較例1>背側部Aの胴回り部Eは、配
設幅(W5)を75mmとして左右にそれぞれ2本の糸
状の弾性部材を配した以外は、実施例1と同様にして使
い捨ておむつを製造した。この使い捨ておむつは、背側
部Aのウエスト開口縁部D及び胴回り部Eの幅方向の伸
長応力が、順に150cN、100cNであった。
【0034】<比較例2>実施例1における胴回り弾性
部材に代えて、薄片状のウレタン弾性部材(5cm×5
cmの正方形状)を背側部Aの左右に非伸長状態で配す
る以外は、実施例1と同様にして使い捨ておむつを得
た。この使い捨ておむつは、背側部Aのウエスト開口縁
部D及び胴回り部Eの幅方向の伸長応力が、順に100
cN、0cNであった。尚、胴回り部Eは、ウレタン弾
性部材が非伸張状態で配設されているため、90mm伸
長しなかった(市販品同等物)。レッグ部弾性部材は、
やや湾曲させて配した。 <比較例3>実施例1において、胴回り弾性部材を配設
しない以外は、実施例1と同様にして使い捨ておむつを
得た。この使い捨ておむつは、背側部Aのウエスト開口
縁部D及び胴回り部Eの幅方向の伸長応力が、順に15
0cN、0cNであった。尚、比較例1では、上述した
第2方法により伸長応力を測定し、実施例1,2及び比
較例2,3では、上述した第1方法により伸長応力を測
定した。
【0035】<ずり落ちの評価>実施例及び比較例の各
使い捨ておむつを、幼児腰部モデル(立位で両脚を前後
させる歩行運動及び股間部からの人工尿の注入が可能で
あり、形態的に幼児の腰部を模してあるモデル)に装着
し、150歩/分の歩行速度で5分間歩行運動をさせた
(立位)。その後、歩行運動を停止し、チューブを介し
て、おむつに5g/分の速度で40gの人工尿を注入し
た。その後、同様に5分間の歩行運動と40gの人工尿
の注入とを交互に繰り返し、計25分間の歩行運動と計
160gの人工尿の注入とを行った。
【0036】これら一連の操作を、各使い捨ておむつに
ついて、ファスニングテープをモデルの腹側においてラ
ンディングゾーンに止着する装着方法で装着した場合
(腹側装着)と、ファスニングテープをモデルの背側に
おいてランディングゾーンに止着する装着方法で装着し
た場合(背側装着)との両方の場合について行い、何れ
の場合も、5分間の歩行運動が終わる毎に、おむつのず
り落ち量を測定した。結果を、表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】<漏れ難さの評価(動的前漏れ値の測定)
>実施例1及び比較例1〜3の各使い捨ておむつを、上
記の幼児腰部モデルに装着し、150歩/分の歩行速度
で5分間歩行運動させた(立位)。その後、歩行運動を
停止し、チューブを介して、おむつに5g/分の速度で
80gの人工尿を注入した。その後、5分間歩行運動を
行わせた後、おむつのずり落ち量を測定した。そして、
続いて前モレ評価を行った。即ち、ずり落ちた状態のま
まモデルをうつ伏せにし、5g/分の速度で40gの人
工尿の注入し、40gの注入が終了した時点で漏れが生
じていないかを目視にてチェックした。漏れが生じてい
ないものについては、更に40gの人工尿の注入を行
い、このような操作を漏れが生じるまで繰り返した。
【0039】これら一連の操作を、実施例1の使い捨て
おむつについては、腹側装着と背側装着との両方の場合
について行い、比較例1〜3の使い捨ておむつについて
は、腹側装着の場合(通常の使用態様)のみについて行
った。そして、尿の漏れが観察された時点における人工
尿の合計注入量を動的前漏れ値とし、その測定結果を表
2に示した。
【0040】
【表2】
【0041】<装着し易さ評価(モニターテスト)>実
施例1及び比較例2の使い捨ておむつを、28人のモニ
ターに20枚づつ配布し、被装着者の姿勢又はおむつ装
着の向きを代えた複数の装着方法で実際に使用してもら
った。各装着方法での装着のし易さ及び総合的な装着の
し易さを、それぞれ、実施例の方が良い、比較例の方が
良い、両者に差を感じられないの3択形式で評価しても
らい、実施例の方が良いとした回答及び比較例の方が良
いとした回答の数をそれぞれ全回答数で除して百分率で
表したものを実施例及び比較例の支持率として、表3に
示した。
【0042】
【表3】
【0043】表1〜3に示す結果から、本発明の使い捨
ておむつは、様々な姿勢の被装着者に容易に装着するこ
とができ、ファスニングテープが設けられた部位を、背
側及び腹側の何れの側に向けて装着した場合であって
も、おむつのずり落ちや尿漏れが生じにくいことが判
る。
【0044】
【発明の効果】本発明の使い捨ておむつは、様々な姿勢
の被装着者に容易に装着することができ、ファスニング
テープが設けられた部位を、着用者の背側及び腹側の何
れの側に向けて(位置させて)装着した場合であって
も、着用中にずり落ちや尿漏れが生じにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態としての使い捨て
おむつを示す斜視図である。
【図2】図2は、図1の使い捨ておむつを、各部の弾性
部材を伸長させ平面状に拡げた状態(緊張状態)を示す
平面図(一部破断図)である。
【図3】図3は、背側部のウエスト開口縁部及び胴回り
部の幅方向の伸長応力の測定方法を説明するための説明
図である。
【図4】図4は、図1の使い捨ておむつを、ファスニン
グテープが設けられた背側部を、腹側に向けて装着(背
側装着)する様子を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ 2 表面シート 3 裏面シート 4 吸収体 5 ファスニングテープ 6 立体ギャザー 7 ウエスト部弾性部材 8 胴回り部弾性部材 9 レッグ部弾性部材 A 背側部(ファスニングテープが設けられた部位) B 腹側部 C 股下部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B029 BD01 BD09 4C098 AA09 CC02 CC07 CC12 CC14 CE07 DD03 DD05 DD06 DD22 DD24

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液透過性の表面シート、液不透過性の裏
    面シート及び両シート間に介在された液保持性の吸収体
    を備えた本体部分と、該本体部分の両側縁部に設けられ
    たファスニングテープとを具備し、該ファスニングテー
    プが設けられた部位におけるウエスト開口縁部及び胴回
    り部に、それぞれ幅方向に亘ってウエスト部弾性部材及
    び複数の胴回り部弾性部材が配されており、長手方向の
    両側に一対のレッグ部弾性部材が配されている実質的に
    縦長の使い捨ておむつにおいて、 前記胴回り部弾性部材は、少なくとも前記吸収体の両側
    縁の位置よりも幅方向外方の部位に弾性伸縮性が発現さ
    れるように伸張状態で固定されており且つ該吸収体の両
    側縁の位置よりも幅方向内方の部位における少なくとも
    中央部には配設されておらず、 前記胴回り部の幅方向の伸長応力が、前記ウエスト開口
    縁部の幅方向の伸長応力よりも大きいことを特徴とする
    使い捨ておむつ。
  2. 【請求項2】 前記ファスニングテープは、ランディン
    グゾーンに機械的に係合する止着部を有する請求項1記
    載の使い捨ておむつ。
  3. 【請求項3】 前記胴回り部弾性部材は、前記本体部分
    におけるシート間に固定されている請求項1又は2記載
    の使い捨ておむつ。
  4. 【請求項4】 一対の前記レッグ部弾性部材は、それぞ
    れ、おむつ幅方向内方に向けて凸状に湾曲させて配設さ
    れており、前記胴回り部弾性部材は、該レッグ部弾性部
    材の前記背側部側の端部の位置よりも幅方向内側に配さ
    れている請求項3記載の使い捨ておむつ。
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