JP2002290292A - インピーダンス調整器 - Google Patents
インピーダンス調整器Info
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Abstract
インピーダンスを変えることができるようにする。 【解決手段】 インピーダンス調整器5,6は、コア5
0に第1の巻線51aと第2の巻線51bを巻き付けて
構成されたコモンモードチョークを含んでいる。コア5
0にはギャップ52が形成され、ギャップ52にはギャ
ップ制御部53が装着されている。ギャップ制御部53
は、ギャップ制御用コア54と、ギャップ制御用コア5
4に巻き付けられたギャップ制御用コイル55を有して
いる。ギャップ制御用コア54の一部は、コア50に密
着するようにギャップ52内に挿入されている。電流制
御回路56は、周波数にかかわらずにインピーダンス調
整器5,6インピーダンスが一定値に近づくように、電
力線通信を行う周波数に応じてギャップ制御用コイル5
5に流す電流の大きさを制御する。
Description
場合の電力線のラインインピーダンスを調整するのに適
したインピーダンス調整器に関する。
化、文書・静止画・動画等の情報の共有化、ゲーム、イ
ンターネット等の目的のために、家庭内における情報通
信のニーズが高まってきている。そのため、オフィスの
みならず一般家庭でも通信ネットワークシステムの需要
がある。家庭内における通信ネットワークシステムの構
築する際に選択し得る通信方式としては、無線を利用し
た通信方式、有線を利用した通信方式および電力線を利
用した通信方式がある。このうち、電力線を利用した通
信方式には、既設の電力線を利用するため配線工事費が
かからない、家庭内の外観を損ねない等の利点がある。
した通信方式には、電力線に接続された機器によって、
電力線の通信環境の悪化が引き起こされるという問題点
があった。電力線の通信環境の悪化とは、例えば、機器
によるラインインピーダンスの低下によって、電力線に
おける信号伝送特性が劣化することである。このように
電力線の通信環境が悪化すると、電力線通信におけるエ
ラーレートが増加する。電力線通信において、電力線の
通信環境を悪化させる機器としては、例えば、インバー
タを用いて制御を行う空気調節機や照明機器や、コンピ
ュータ等の電子機器がある。このような機器では、内蔵
された進相コンデンサやアクロス・アライン・コンデン
サがラインインピーダンスを低下させる。
ーダンスが低下する現象の一例を示している。図18に
おいて、横軸は周波数、縦軸はラインインピーダンスで
ある。この例では、記号Aで示した周波数20MHzの
近傍で、ラインインピーダンスが大きく低下している。
を図るために、スペクトラム拡散方式やマルチキャリア
方式といった通信方式を採用することも考えられる。し
かしながら、このような通信方式を採用しても、電力線
の通信環境が改善されない限り、エラーレートの増加や
通信速度の低下は避けられない。
発、改善にもかかわらず、電力線通信ネットワークシス
テムの実用化は困難であった。
としては、例えば特開平8−98277号公報に、電力
線と、インピーダンス低下を招く機器との間に、伝送信
号の周波数成分のインピーダンスを高くするためのイン
ピーダンスアッパを設置する技術が開示されている。こ
の技術では、特に、インピーダンスアッパとしてLC共
振回路を用い、伝送信号の周波数成分に対してのみイン
ピーダンスを増加させるようにしている。また、インピ
ーダンスアッパは、ラインに直列に挿入されたインダク
タを有している。
ダンタンスをLとすると、インダンタのインピーダンス
Zは、Z=2π・f・Lと表される。このように、イン
ダンタのインピーダンスZは周波数fに比例する。従っ
て、電力線と、インピーダンス低下を招く機器との間
に、インダクタを挿入した場合には、電力線のラインイ
ンピーダンスは増加するが、周波数に応じて変化する。
応じて変化すると、電力線通信における通信信号の振幅
が、通信信号の周波数に応じて変化することになる。そ
の結果、電力線通信における通信信号の周波数に応じて
エラーレートが変動する。このように、電力線と、イン
ピーダンス低下を招く機器との間に、インダクタを挿入
した場合には、通信信号の周波数に応じてエラーレート
が変動するために、使用する周波数に応じて異なるエラ
ー対策が必要になったり、通信信号の周波数としてライ
ンインピーダンスが小さい周波数を選択した場合にはエ
ラーレートが大きくなるという問題点がある。
ので、その目的は、信号の周波数に応じて容易に信号の
伝送路のインピーダンスを変えることができるようにし
たインピーダンス調整器を提供することにある。
調整器は、磁性材料よりなるコアと、このコアに巻き付
けられた巻線と、コアの磁気特性を変化させることによ
って、巻線のインピーダンスを調整する調整手段とを備
えたものである。
手段によってコアの磁気特性を変化させることにより、
巻線のインピーダンスが調整される。
調整手段は、コアと共に磁路を形成する磁性体と、この
磁性体にバイアス磁界を印加するバイアス磁界印加手段
とを有していてもよい。バイアス磁界印加手段は、磁性
体に巻き付けられたバイアス磁界印加用巻線を有してい
てもよい。
いて、巻線は、電力線通信が行われる電力線に挿入され
てもよい。この場合、調整手段は、電力線通信における
信号の周波数の情報を取得し、この周波数に応じて巻線
のインピーダンスを調整してもよい。更に、調整手段
は、電力線通信における信号の周波数にかかわらずに巻
線のインピーダンスが一定値に近づくように、巻線のイ
ンピーダンスを調整してもよい。
いて、コアは環状であり、巻線はコアと共にコモンモー
ドチョークを構成する第1の巻線と第2の巻線とを含ん
でいてもよい。
いて、コアおよび巻線はノーマルモード用のラインチョ
ークを構成してもよい。
て図面を参照して詳細に説明する。 [第1の実施の形態]始めに、図1を参照して、本発明
の第1の実施の形態に係るインピーダンス調整器が適用
される電力線通信ネットワークシステムの一例について
説明する。この電力線通信ネットワークシステム(以
下、単にネットワークシステムとも言う。)は、電力線
1と、この電力線1に接続され、電力線1より電力の供
給を受けると共に、信号の伝送路として電力線1を利用
して互いに電力線通信を行う複数の電力線通信装置1
1,12と、電力線1に接続され、電力線1より電力の
供給を受ける家庭電気機器制御用通信装置41とを備え
ている。図1において、符号10は、電力線を利用して
通信を行う領域を表している。この電力線通信領域10
は例えば屋内に対応し、電力線通信領域10の外は屋外
に対応する。
の他にも、電力線1より電力の供給を受ける機器が接続
されている。この機器には、電力線1のラインインピー
ダンスの低下を引き起こすインピーダンス障害機器2
1,22と、ノイズを発生させるノイズ障害機器31,
32とが含まれている。
a,1bを含んでいる。なお、電力線1は、交流電力を
輸送するものでもよいし、直流電力を輸送するものでも
よい。図1に示したネットワークシステムでは、電力線
1に対してアース線2が併設されている。領域10内の
電力線1およびアース線2は、領域10外の電力線10
1およびアース線102に接続されている。
ンピュータが挙げられる。電力線通信装置11,12
は、それぞれ、電力線1に接続されて互いに電力線通信
を行う電力線通信端末13,14を有している。
しては、インバータを用いて制御を行う照明機器や空気
調節機が挙げられる。ノイズ障害機器31,32の例と
しては、電子レンジや冷蔵庫が挙げられる。通信装置4
1は、電力線1を利用せずに、インピーダンス障害機器
21,22およびノイズ障害機器31,32との間で通
信を行い、例えばこれらの制御を行う。
とインピーダンス障害機器21,22との間に設けられ
た本実施の形態に係るインピーダンス調整器5,6と、
電力線1とノイズ障害機器31,32との間に設けられ
たノイズフィルタ7,8とを備えている。インピーダン
ス調整器5,6は、コモンモードチョークを含み、電力
線1のラインインピーダンスを増加させるものである。
ノイズフィルタ7,8は、電力線1上のノイズを低減す
るものである。
内の電力線1と領域10外の電力線101との間に設け
られた分離部9を備えている。分離部9は、インピーダ
ンス調整器とノイズフィルタとを含んでいる。
信装置11,12および通信装置41との間で通信を行
うと共に、領域10外の装置43との間で通信を行う通
信端末42とを備えている。
1,22,31,32は、それぞれ、通信装置41との
間で通信を行うための通信部15,16,23,24,
33,34を含んでいる。電力線通信装置11,12の
通信部15,16は、通信端末42との間でも通信を行
うようになっている。
3,24,33,34との間の通信は、電波または光を
用いて行ってもよいし、電力線1以外の信号線を用いて
行ってもよい。
て、通信装置41と電力線通信装置11,12との間
で、電力線1を利用した通信を行うようにしてもよい。
び電力線通信装置11,12の通信部15,16との間
の通信も、電波または光を用いて行ってもよいし、電力
線1以外の信号線を用いて行ってもよい。
は、種々の通信基盤を利用することができる。例えば、
ケーブルテレビジョン(CATV)やデジタルサブスク
ライバライン(digital subscriber line:xDSL)
等の有線通信網を用いてもよいし、無線通信網を用いて
もよい。あるいは、ファィバトゥザホーム(fiber to t
he home:FTTH)等の光通信網を用いてもよい。
の作用の概略について説明する。電力線通信装置11,
12は、電力線通信端末13,14を介して、互いに電
力線1を利用して電力線通信を行う。本実施の形態で
は、電力線通信を行う周波数の帯域を、例えば1MHz
〜100MHzとする。また、電力線通信装置11,1
2は、通信端末42との間で、電力線1を利用せずに通
信を行い、通信端末42を介して領域10外の装置43
との間で通信を行ってもよい。
障害機器21,22およびノイズ障害機器31,32の
制御を行う。通信装置41は、電力線通信装置11,1
2との間で、電力線1を利用して、あるいは電力線1を
利用せずに通信を行ってもよい。また、通信装置41
は、通信端末42との間で、電力線1を利用せずに通信
を行い、通信端末42を介して領域10外の装置43と
の間で通信を行ってもよい。従って、通信装置41を介
して、電力線通信装置11,12または領域10外の装
置43から、インピーダンス障害機器21,22および
ノイズ障害機器31,32の制御を行うことも可能であ
る。
調整器5,6について詳しく説明する。まず、図2ない
し図4を参照して、インピーダンス調整器5,6の構成
について説明する。図2はインピーダンス調整器5,6
の基本的な構成部分を表した回路図、図3はインピーダ
ンス調整器5,6の構成を示す説明図、図4はインピー
ダンス調整器5,6におけるギャップ制御部の平面図で
ある。
ダンス調整器5,6は、磁性材料よりなる1つの環状の
コア(磁芯)50に第1の巻線51aと第2の巻線51
bを巻き付けて構成されたコモンモードチョークを含ん
でいる。第1の巻線51aは電力線1の一方の導電線1
aに直列に挿入され、第2の巻線51bは電力線1の他
方の導電線1bに直列に挿入される。コア50は、例え
ばフェライトで形成されている。
いる。このギャップ52には、ギャップ制御部53が装
着されている。ギャップ制御部53は、図4に示したよ
うに、磁性材料よりなるギャップ制御用コア54と、こ
のギャップ制御用コア54に巻き付けられたギャップ制
御用コイル55とを有している。そして、ギャップ制御
用コア54の一部が、コア50に密着するようにギャッ
プ52内に挿入されている。ギャップ制御用コア54は
コア50と共に閉磁路を形成する。ギャップ制御用コア
54の材料は、コア50の材料と同じでもよいし、異な
っていてもよい。
ル55には電流制御回路56が接続され、この電流制御
回路56には電力線通信制御回路57が接続されてい
る。電力線通信制御回路57は、例えば電力線通信端末
13,14に内蔵され、電力線通信に関する種々の制御
を行う。電力線通信制御回路57は、電流制御回路56
に対して、電力線通信を行う周波数の情報を与える。電
流制御回路56は、電力線通信を行う周波数に応じて、
ギャップ制御用コイル55に流す電流の大きさを制御す
る。
6は本発明における調整手段に対応する。ギャップ制御
用コア54は本発明における磁性体に対応する。ギャッ
プ制御用コイル55は本発明におけるバイアス磁界印加
手段およびバイアス磁界印加用巻線に対応する。
ピーダンス調整器5,6の作用について説明する。な
お、ここでは、説明を簡略化するために、コア50,5
4の材料が同じ特性のフェライトであるものとする。
磁束密度Bと磁界Hとの関係(B−H曲線)は図5に示
したようになる。ここでは、説明を簡略化するために、
図5において残留磁束密度や保磁力については図示して
いない。なお、図5において、Bmは最大磁束密度を表
している。また、フェライトコアの透磁率をμとする
と、磁束密度Bと磁界Hと透磁率μの関係は、以下の式
(1)で表される。
れた磁界HにおけるB−H曲線の接線の傾きが、その磁
界における透磁率μになる。図5から分かるように、B
−H曲線の接線の傾き、すなわち透磁率μは、磁界Hに
応じて変化する。図5では、磁界H10のときに、磁束
密度がB10、透磁率がμ1であり、磁界H11のとき
に、磁束密度がB11、透磁率がμ2であることを表し
ている。また、透磁率μは、コアの材料の特性によって
も変化する。
のコイルに電流を流した場合を考える。コアの磁路長を
L、コイルに流れる電流をIとすると、この電流によっ
て発生される磁界Hは、以下の式(2)で表される。
る。以下の説明では、ギャップ制御用コイル55に流す
電流をIG、ギャップ制御用コイル55によって発生さ
れ、ギャップ制御用コア54に印加されるバイアス磁界
をHG、ギャップ制御用コア54の磁路長をLG、ギャ
ップ制御用コア54の断面積をSG、ギャップ制御用コ
ア54の透磁率をμG、ギャップ制御用コア54の磁気
抵抗をRGとする。
によって発生される磁界HGの大きさは、ギャップ制御
用コイル55に流す電流IGの大きさに比例することが
分かる。また、図5から、ギャップ制御用コア54の透
磁率μGは、磁界HGの大きさによって変化することが
分かる。従って、ギャップ制御用コイル55に流す電流
IGの大きさを制御することによって、ギャップ制御用
コア54の透磁率μGを制御することができる。
RGは、以下の式(3)で表され、透磁率μGに反比例
する。
流す電流IGの大きさを変えることにより、ギャップ制
御用コア54に印加されるバイアス磁界HGが変化し、
その結果、ギャップ制御用コア54の磁気抵抗RGが変
化する。従って、ギャップ制御用コイル55に流す電流
IGの大きさを制御することによって、ギャップ制御用
コア54の磁気抵抗RGを制御することができる。
る。図6はギャップの無いフェライトコアを表し、図7
はギャップを有するフェライトコアを表し、図8はコア
50のギャップにギャップ制御用コア54が挿入されて
いる状態を表している。一般に、図6に示したようなギ
ャップの無いフェライトコアに、図7に示したようにギ
ャップを設けると、コアが磁気飽和する磁界が大きくな
ることが知られている。このことを、図9に示したB−
H曲線を参照して説明する。図9において、(a)はギ
ャップの無いフェライトコアのB−H曲線を簡略化して
表し、(b)はギャップを有するフェライトコアのB−
H曲線を簡略化して表している。また、Bsは飽和磁束
密度を表している。図9に示したように、ギャップを有
するフェライトコアにおいて磁束密度Bが飽和磁束密度
Bsに達する、すなわち磁気飽和するときの磁界Hb
は、ギャップの無いフェライトコアにおいて磁束密度B
が飽和磁束密度Bsに達するときの磁界Haよりも大き
くなる。従って、ギャップを有するフェライトコアの透
磁率μbは、ギャップの無いフェライトコアの透磁率μ
aよりも小さくなる。
プを有するが、そのギャップにギャップ制御用コア54
が挿入されている。従って、コア50の磁気特性は、ギ
ャップ制御用コア54の磁気特性に応じて変化する。す
なわち、ギャップ制御用コイル55に電流が流れていな
いときには、コア50のギャップが、コア50と同じ材
料よりなるギャップ制御用コア54によって埋められた
状態となるため、コア50の磁気特性は、ギャップの無
いコアと同様になり、図9における(a)のB−H曲線
で表される。一方、ギャップ制御用コア54が磁気飽和
する大きさの電流をギャップ制御用コイル55に流す
と、ギャップ制御用コア54の磁気抵抗R Gが最大とな
り、ギャップ制御用コア54は空気のギャップと同様に
作用することになる。このときのコア50の磁気特性
は、ギャップを有するコアと同様になり、図9における
(b)のB−H曲線で表される。ギャップ制御用コイル
55に流す電流の大きさを0から、ギャップ制御用コア
54が磁気飽和する大きさの間で変化させると、その電
流の大きさに応じて、ギャップ制御用コア54の磁気抵
抗RGが変化する。このときのコア50の磁気特性は、
図9における(c)のB−H曲線で表される。また、コ
ア50の透磁率は、μaとμbとの間で、ギャップ制御
用コイル55に流す電流の大きさに応じて変化する。
5に流す電流の大きさを制御することによって、コア5
0の透磁率を制御することができる。
ピーダンスZについて考える。ここで、周波数をf、コ
ア50の透磁率をμ、コア50の断面積をS、コア50
の磁路長をL、巻線51a,51bの巻数をNとする
と、インピーダンスZは以下の式(4)で表される。
に流す電流の大きさを制御することによって、コア50
の透磁率μを制御することができる。このことと式
(4)から、ギャップ制御用コイル55に流す電流の大
きさを制御することによって、インピーダンス調整器
5,6のインピーダンスZを制御できることが分かる。
0MHzの周波数帯域において、周波数fにかかわらず
にインピーダンスZが一定値に近づくように、好ましく
は周波数fにかかわらずにインピーダンスZが一定値に
なるように、ギャップ制御用コイル55に流す電流の大
きさを制御する。すなわち、電流制御回路56は、電力
線通信制御回路57からの周波数fの情報に基づいて、
f・μが予め定められた一定値に近づくように、ギャッ
プ制御用コイル55に流す電流の大きさを制御する。
作用を概念的に示す説明図である。図10において、Z
0は一般的なコモンモードチョークのインピーダンスの
周波数fに対する変化を表し、Z1はインピーダンス調
整器5,6のインピーダンスの周波数fに対する変化を
表している。図10に示したように、一般的なコモンモ
ードチョークのインピーダンスは、ある周波数の範囲で
は周波数fに比例して変化するが、インピーダンス調整
器5,6のインピーダンスは、周波数fにかかわらずに
一定値に近づく。このようなインピーダンス調整器5,
6を、インピーダンス障害機器21,22と電力線1と
の間に配置することにより、電力線1のラインインピー
ダンスも周波数fにかかわらずに一定値に近づく。
く説明する。図11はノイズフィルタ7,8の構成の一
例を示すブロック図である。図11に示したノイズフィ
ルタ7,8は、電力線1上の電流性のコモンモードのノ
イズおよび電圧性のコモンモードのノイズを低減するも
のである。なお、電流性のノイズとは電流が変動するノ
イズを言い、電圧性のノイズとは電圧が変動するノイズ
を言う。
イズを検出する2つの検出回路61C,61Vと、それ
ぞれ検出回路61C,61Vにより検出されたノイズと
逆相の信号となる逆相信号を発生する2つの逆相信号発
生回路62C,62Vと、それぞれ電力線1に対して逆
相信号発生回路62C,62Vにより発生された逆相信
号を注入する2つの注入回路63C,63Vとを備えて
いる。
線1a,1bにおける電流の変動を検出することによっ
て、2本の導電線1a,1bを同じ位相で伝搬する電流
性のノイズを検出する。従って、検出回路61Cは、電
力線1上の電流性のコモンモードのノイズを検出するこ
とになる。
bにおける電圧の変動を検出することによって、2本の
導電線1a,1bを同じ位相で伝搬する電圧性のノイズ
を検出する。従って、検出回路61Vは、電力線1上の
電圧性のコモンモードのノイズを検出することになる。
成の一例を示している。この例では、検出回路61C
は、2本の導電線1a,1bを囲うコイル61Ccを有
している。コイル61Ccの一端は逆相信号発生回路6
2Cの入力端に接続され、他端は回路のグランドに接続
されている。コイル61Ccは、導電線1a,1bにお
ける電流の変動のうちの高周波成分を検出する。なお、
検出回路61Cは、コイル61Ccを用いるものに限ら
ず、例えば、電流によって発生する磁界を検出する磁気
センサを含む電流センサを用いるものでもよい。この場
合における磁気センサとしては、フェライト、パーマロ
イ、アモルファス等の磁性体からなるセンサヘッドを有
する磁気センサや、磁気抵抗効果を利用するMR(磁気
抵抗)素子や、巨大磁気抵抗効果を利用するGMR(巨
大磁気抵抗)素子等を用いることができる。
の一例を示している。この例では、検出回路61Vは、
一端が導電線1aに接続され、他端が逆相信号発生回路
62Vの入力端に接続されたコンデンサ61Vaと、一
端が導電線1bに接続され、他端が逆相信号発生回路6
2Vの入力端に接続されたコンデンサ61Vbとを有し
ている。コンデンサ61Va,61Vbは、それぞれ導
電線1a,1bにおける電圧変動のうち、高周波成分を
通過させ、交流電力の周波数を含む低周波成分を遮断す
る。
Cにより検出された電流性のコモンモードのノイズと逆
相の信号となる逆相信号を発生し、逆相信号発生回路6
2Vは、検出回路61Vにより検出された電圧性のコモ
ンモードのノイズと逆相の信号となる逆相信号を発生す
る。
線1a,1bに対して、逆相信号発生回路62Cにより
発生された逆相信号に対応した同じ電流の変化を与える
ことによって、電力線1に対して逆相信号発生回路62
Cにより発生された逆相信号を注入し、これにより電力
線1上の電流性のコモンモードのノイズを相殺する。注
入回路63Vは、電力線1の2本の導電線1a,1bに
対して、逆相信号発生回路62Vにより発生された逆相
信号に対応した同じ電圧の変化を与えることによって、
電力線1に対して逆相信号発生回路62Vにより発生さ
れた逆相信号を注入し、これにより電力線1上の電圧性
のコモンモードのノイズを相殺する。
を示している。この例では、注入回路63Cは、2本の
導電線1a,1bを囲うコイル63Ccを有している。
コイル63Ccの一端は逆相信号発生回路62Cの出力
端に接続され、他端は回路のグランドに接続されてい
る。この例では、注入回路63Cは、コイル63Ccを
用いて、導電線1a,1bに対して、逆相信号発生回路
62Cが発生する逆相信号に対応した同じ電流の変化を
与える。
の一例を示している。この例では、注入回路63Vは、
一端が逆相信号発生回路62Vの出力端に接続され、他
端が導電線1aに接続されたコンデンサ63Vaと、一
端が逆相信号発生回路62Vの出力端に接続され、他端
が導電線1bに接続されたコンデンサ63Vbとを有し
ている。この例では、注入回路63Vは、コンデンサ6
3Va,63Vbを介して、導電線1a,1bに対し
て、逆相信号発生回路62Vが発生する逆相信号に対応
した同じ電圧の変化を与える。
62Cの構成の一例を示す回路図である。この例におけ
る逆相信号発生回路62Cは、トランス81を有してい
る。トランス81の一次巻線の一端は抵抗82を介して
検出回路61Cのコイル61Ccの一端に接続されてい
る。トランス81の一次巻線の他端は、トランス81の
二次巻線の一端と共に回路のグランド(シグナルグラン
ド)に接続されている。トランス81の二次巻線の他端
は注入回路63Cのコイル63Ccの一端に接続されて
いる。コイル61Ccの他端およびコイル63Ccの他
端は回路のグランドに接続されている。この例における
逆相信号発生回路62Cによれば、検出回路61Cのコ
イル61Ccによって検出されたノイズに対応した電流
がトランス81の一次巻線に流れ、それに応じてトラン
ス81の二次巻線に接続された注入回路63Cのコイル
63Ccに、ノイズとは逆相の電流が流れる。
ば、図12に示した逆相信号発生回路62Cの構成と同
様である。
は、検出回路61Cにより、電力線1の導電線1a,1
bにおける電流の変動を検出することによって、電力線
1上の電流性のコモンモードのノイズが検出される。ま
た、検出回路61Vにより、電力線1の導電線1a,1
bにおける電圧の変動を検出することによって、電力線
1上の電圧性のコモンモードのノイズが検出される。
て、検出回路61Cにより検出された電流性のコモンモ
ードのノイズと逆相の信号となる逆相信号が発生され
る。また、逆相信号発生回路62Vによって、検出回路
61Vにより検出された電圧性のコモンモードのノイズ
と逆相の信号となる逆相信号が発生される。
電線1a,1bに対して、逆相信号発生回路62Cが発
生する逆相信号に対応した同じ電流の変化が与えられ
る。また、注入回路63Vによって、逆相信号発生回路
62Vが発生する逆相信号に対応した同じ電圧の変化が
与えられる。これにより、電力線1上の電流性のコモン
モードのノイズおよび電圧性のコモンモードのノイズが
相殺される。
の例を示すブロック図である。図13に示したノイズフ
ィルタ7,8は、電力線1上の電流性のノーマルモード
およびコモンモードのノイズと、電力線1上の電圧性の
ノーマルモードおよびコモンモードのノイズを低減する
ものである。
電力線1の2本の導電線1a,1b上の電流性の各ノイ
ズを検出する検出回路71Cと、導電線1a,1b上の
電圧性の各ノイズを検出する検出回路71Vと、検出回
路71Cにより検出された各ノイズと逆相の信号となる
逆相信号を発生する2つの逆相信号発生回路72Ca,
72Cbと、検出回路71Vにより検出された各ノイズ
と逆相の信号となる逆相信号を発生する2つの逆相信号
発生回路72Va,72Vbと、導電線1a,1bに対
して逆相信号発生回路72Ca,72Cbにより発生さ
れた逆相信号を注入する注入回路73Cと、導電線1
a,1bに対して逆相信号発生回路72Va,72Vb
により発生された逆相信号を注入する注入回路73Vと
を備えている。
線1a,1bにおける電流の変動を検出することによっ
て、2本の導電線1a,1bの各々に発生する電流性の
ノイズを各導電線1a,1b毎に検出する。
bにおける電圧の変動を検出することによって、2本の
導電線1a,1bの各々に発生する電圧性のノイズを各
導電線1a,1b毎に検出する。
を示している。この例では、検出回路71Cは、導電線
1aを囲うコイル71Caと、導電線1bを囲うコイル
71Cbとを有している。コイル71Caの一端は逆相
信号発生回路72Caの入力端に接続され、他端は回路
のグランドに接続されている。コイル71Cbの一端は
逆相信号発生回路72Cbの入力端に接続され、他端は
回路のグランドに接続されている。コイル71Caは、
導電線1aにおける電流の変動のうちの高周波成分を検
出し、コイル71Cbは、導電線1bにおける電流の変
動のうちの高周波成分を検出する。
の一例を示している。この例では、検出回路71Vは、
一端が導電線1aに接続され、他端が逆相信号発生回路
72Vaの入力端に接続されたコンデンサ71Vaと、
一端が導電線1bに接続され、他端が逆相信号発生回路
72Vbの入力端に接続されたコンデンサ71Vbとを
有している。コンデンサ71Va,71Vbは、それぞ
れ導電線1a,1bにおける電圧変動のうち、高周波成
分を通過させ、交流電力の周波数を含む低周波成分を遮
断する。
1Cにより検出された導電線1a上の電流性のノイズと
逆相の信号となる逆相信号を発生し、逆相信号発生回路
72Cbは、検出回路71Cにより検出された導電線1
b上の電流性のノイズと逆相の信号となる逆相信号を発
生する。また、逆相信号発生回路72Vaは、検出回路
71Vにより検出された導電線1a上の電圧性のノイズ
と逆相の信号となる逆相信号を発生し、逆相信号発生回
路72Vbは、検出回路71Vにより検出された導電線
1b上の電圧性のノイズと逆相の信号となる逆相信号を
発生する。逆相信号発生回路72Ca,72Cb,72
Va,72Vbの構成は、例えば、図12に示した逆相
信号発生回路62Cの構成と同様である。
して、それぞれ、逆相信号発生回路72Ca,72Cb
により発生された各逆相信号に対応した電流の変化を与
えることによって、導電線1a,1bに対して逆相信号
発生回路72Ca,72Cbにより発生された各逆相信
号を注入し、これにより導電線1a,1b上の電流性の
ノイズを相殺する。
して、それぞれ、逆相信号発生回路72Va,72Vb
により発生された各逆相信号に対応した電圧の変化を与
えることによって、導電線1a,1bに対して逆相信号
発生回路72Va,72Vbにより発生された各逆相信
号を注入し、これにより導電線1a,1b上の電圧性の
ノイズを相殺する。
を示している。この例では、注入回路73Cは、導電線
1aを囲うコイル73Caと、導電線1bを囲うコイル
73Cbとを有している。コイル73Caの一端は逆相
信号発生回路72Caの出力端に接続され、他端は回路
のグランドに接続されている。コイル73Cbの一端は
逆相信号発生回路72Cbの出力端に接続され、他端は
回路のグランドに接続されている。この例では、注入回
路73Cは、コイル73Ca,73Cbを用いて、導電
線1a,1bに対して、それぞれ逆相信号発生回路72
Ca,72Cbより発生された各逆相信号に対応した電
流の変化を与える。
の一例を示している。この例では、注入回路73Vは、
一端が逆相信号発生回路72Vaの出力端に接続され、
他端が導電線1aに接続されたコンデンサ73Vaと、
一端が逆相信号発生回路72Vbの出力端に接続され、
他端が導電線1bに接続されたコンデンサ73Vbとを
有している。この例では、注入回路73Vは、コンデン
サ73Va,73Vbを介して、導電線1a,1bに対
して、それぞれ逆相信号発生回路72Va,72Vbよ
り発生された各逆相信号に対応した電圧の変化を与え
る。
は、検出回路71Cにより、電力線1の導電線1a,1
bの各々における電流の変動を検出することによって、
導電線1a,1bの各々に発生する電流性のノイズが各
導電線1a,1b毎に検出される。これにより、電力線
1上の電流性のノイズが検出される。また、検出回路7
1Vにより、電力線1の導電線1a,1bの各々におけ
る電圧の変動を検出することによって、導電線1a,1
bの各々に発生する電圧性のノイズが各導電線1a,1
b毎に検出される。
Cbによって、検出回路71Cにより検出された各導電
線1a,1b毎の電流性のノイズと逆相の信号となる各
導電線1a,1b毎の逆相信号が発生される。また、逆
相信号発生回路72Va,72Vbによって、検出回路
71Vにより検出された各導電線1a,1b毎の電圧性
のノイズと逆相の信号となる各導電線1a,1b毎の逆
相信号が発生される。
電線1a,1bの各々に対して、逆相信号発生回路72
Ca,72Cbにより発生された各導電線1a,1b毎
の逆相信号に対応した電流の変化が与えられる。また、
注入回路73Vによって、2本の導電線1a,1bの各
々に対して、逆相信号発生回路72Va,72Vbによ
り発生された各導電線1a,1b毎の逆相信号に対応し
た電圧の変化が与えられる。これにより、電力線1上の
電流性のノイズおよび電圧性のノイズが相殺される。
タ7,8では、電力線1における電流の変動を検出する
ことによって電力線1上の電流性のノイズを検出し、こ
の電流性のノイズと逆相となる逆相信号に対応した電流
の変化を電力線1に与えることによって電力線1上の電
流性のノイズを相殺する。また、ノイズフィルタ7,8
では、電力線1における電圧の変動を検出することによ
って電力線1上の電圧性のノイズを検出し、この電圧性
のノイズと逆相となる逆相信号に対応した電圧の変化を
電力線1に与えることによって電力線1上の電圧性のノ
イズを相殺する。従って、ノイズフィルタ7,8は、理
想的には、ノイズの大きさや周波数帯域には無関係にノ
イズを低減することができる。
電圧を増幅したり、ノイズ電圧を逆相の電流に変換した
りすることがないので、ノイズに対する逆相信号の遅れ
や、ノイズの波形に対する逆相信号の波形の相違を小さ
くすることができるので、極力、正確にノイズを相殺す
ることが可能になる。また、ノイズフィルタ7,8によ
れば、ノイズに対する逆相信号の遅れを小さくすること
ができることから、連続的なノイズのみならず突発的な
ノイズも相殺することが可能になる。
によれば、広い周波数帯域において電力線1上のノイズ
を効果的に低減することが可能になると共に、連続的な
ノイズのみならず突発的なノイズも効果的に低減するこ
とが可能になる。
周波数帯域、大きさ、性質によらずに普遍的に作用す
る。従って、ノイズフィルタ7,8を用いた場合には、
ノイズを発生する機器に応じてフィルタの最適化を図る
必要がなくなる。また、ノイズフィルタ7,8の標準化
が容易である。
11または図13に示したものに限らず、例えば、図1
1における検出回路61C、逆相信号発生回路62Cお
よび注入回路63Cと、検出回路61V、逆相信号発生
回路62Vおよび注入回路63Vのうちの一方のみを備
えたものでもよい。また、ノイズフィルタ7,8は、図
13における検出回路71C、逆相信号発生回路72C
a,72Cbおよび注入回路73Cと、検出回路71
V、逆相信号発生回路72Va,72Vbおよび注入回
路73Vのうちの一方のみを備えたものでもよい。
離部9について説明する。図14に示したように、分離
部9は、領域10外の電力線101と領域10内の電力
線1との間に、直列に挿入された漏洩阻止器91とイン
ピーダンス調整器92とを含んでいる。漏洩阻止器91
は領域10外の電力線101側に配置され、インピーダ
ンス調整器92は領域10内の電力線1側に配置されて
いる。漏洩阻止器91の構成は、ノイズフィルタ7,8
と同様である。また、インピーダンス調整器92の構成
は、インピーダンス調整器5,6と同様である。
して、領域10内の電力線1上の信号が領域10外の電
力線101に漏洩することを阻止する。また、インピー
ダンス調整器92は、領域10内の電力線1のラインイ
ンピーダンスを増加させると共に、電力線1のラインイ
ンピーダンスを周波数にかかわらずに一定値に近づくよ
うにする。
ンピーダンス調整器5,6によれば、ギャップ制御部5
3によってコア50の磁気特性を変化させることによ
り、巻線51a,51bのインピーダンスを調整するよ
うにしたので、信号の周波数に応じて容易に信号の伝送
路のインピーダンスを変えることが可能になる。
調整器5,6では、ギャップ制御部53は、コア50の
ギャップ52内に挿入されたギャップ制御用コア54
と、このギャップ制御用コア54に巻き付けられたギャ
ップ制御用コイル55とを有している。従って、本実施
の形態によれば、ギャップ制御用コイル55に流す電流
を調整して、ギャップ制御用コイル55によってギャッ
プ制御用コア54に印加するバイアス磁界を調整するこ
とにより、容易にコア50の磁気特性を変化させること
が可能になる。
ラインインピーダンスの低下を引き起こすインピーダン
ス障害機器21,22と電力線1との間にインピーダン
ス調整器5,6を設けたので、電力線1のラインインピ
ーダンスを増加させることができる。また、本実施の形
態によれば、インピーダンス調整器5,6によって電力
線1上のコモンモードノイズを低減することができる。
従って、本実施の形態によれば、電力線1に接続された
機器による電力線1の通信環境の悪化を防止して、通信
環境を改善することができる。
う周波数に応じてインピーダンス調整器5,6における
ギャップ制御用コア54の磁気特性を変え、更にこれに
よりコア50の磁気特性を変えることによって、例えば
1MHz〜100MHzの周波数帯域において、インピ
ーダンス調整器5,6のインピーダンスが周波数にかか
わらずに一定値に近づくようにしている。従って、本実
施の形態によれば、例えば1MHz〜100MHzの周
波数帯域において、電力線1のラインインピーダンスを
周波数にかかわらずにほぼ一定に保持して、電力線1の
通信環境をより改善することができる。すなわち、電力
線1のラインインピーダンスが周波数にかかわらずにほ
ぼ一定に保持されれば、電力線通信における通信信号の
振幅は、周波数にかかわらずにほぼ一定になる。その結
果、電力線通信におけるエラーレートを低減し、通信速
度を大きくすることが可能になる。また、エラーレート
が低減されれば、簡便な通信方式を採用することも可能
になる。
モンモードチョークを含み、1MHz以上の高い周波数
帯域で使用されるので、コア50,54の材料としてフ
ェライト等の高透磁率材を使用することができると共
に、コア50は小型なもので済む。また、フェライト
は、電力線通信を行う周波数帯域1MHz〜100MH
zにおいて磁気特性が劣化しないため、コア50,54
の材料として適している。従って、インピーダンス調整
器5,6は、フェライトのような実用的な材料を用いて
製造でき、且つ小型化が可能である。
によれば、ノイズを発生させるノイズ障害機器31,3
2と電力線1との間にノイズフィルタ7,8を設けたの
で、電力線1に接続された機器による電力線1の通信環
境の悪化をより確実に防止することができる。
では、ノイズフィルタ7,8は、電力線1上のノイズを
検出し、この検出されたノイズと逆相の信号を発生さ
せ、この信号を電力線1に与えることによって、電力線
1上のノイズを相殺する。従って、図1に示したネット
ワークシステムによれば、広い周波数帯域において電力
線1上のノイズを効果的に低減することができると共
に、連続的なノイズのみならず突発的なノイズも効果的
に除去することができる。
によれば、電力線1を利用せずにインピーダンス障害機
器21,22およびノイズ障害機器31,32との間で
通信を行う通信装置41を備えたので、通信装置41と
インピーダンス障害機器21,22およびノイズ障害機
器31,32との通信が可能になり、これにより、通信
装置41によってインピーダンス障害機器21,22お
よびノイズ障害機器31,32を制御すること等が可能
になる。
によれば、通信装置41は、電力線1を利用して、ある
いは電力線1を利用せずに、電力線通信装置11,12
との間で通信を行うようにしたので、電力線通信装置1
1,12と通信装置41との通信が可能になり、これに
より、通信装置41を介して電力線通信装置11,12
によってインピーダンス障害機器21,22およびノイ
ズ障害機器31,32を制御すること等が可能になる。
また、通信を行う機器としてインピーダンス障害機器2
1,22およびノイズ障害機器31,32も含めた通信
ネットワークシステムの構築が可能になる。
によれば、通信装置41は、電力線1を利用して通信を
行う領域10外の装置43との間で、電力線1を利用せ
ずに通信を行うようにしたので、領域10外の装置43
と通信装置41との通信が可能になり、これにより、通
信装置41を介して、領域10外の装置43によってイ
ンピーダンス障害機器21,22およびノイズ障害機器
31,32を制御すること等が可能になる。
では、領域10内の電力線1と領域10外の電力線10
1との間に分離部9を設けている。この分離部9は、領
域10外の電力線101と領域10内の電力線1との間
に、直列に挿入された漏洩阻止器91とインピーダンス
調整器92とを含んでいる。インピーダンス調整器92
は、コモンモードチョークを含み、領域10内の電力線
1のラインインピーダンスを増加させる。従って、図1
に示したネットワークシステムによれば、領域10内の
電力線1のラインインピーダンスを増加させて、電力線
1の通信環境を向上させることができる。また、図1に
示したネットワークシステムによれば、漏洩阻止器91
によって、領域10内の電力線1上の信号が領域10外
の電力線101に漏洩することを防止することができ
る。
によれば、電力線通信装置11,12は、領域10外の
装置43との間で、電力線1を利用せずに通信を行うよ
うにしたので、領域10外の装置43と電力線通信装置
11,12との通信が可能になる。
において、インピーダンス障害機器21,22またはノ
イズ障害機器31,32と電力線1との間に、分離部9
と同様に、インピーダンス調整器とノイズフィルタの両
方を直列に挿入してもよい。
線1を利用せずに、インピーダンス障害機器21,22
またはノイズ障害機器31,32と直接、通信を行っ
て、これらの制御等を行ってもよい。
図17を参照して、本発明の第2の実施の形態に係るイ
ンピーダンス調整器について説明する。図15は本実施
の形態に係るインピーダンス調整器を電力線に挿入した
状態を示す回路図、図16は本実施の形態に係るインピ
ーダンス調整器の構成の第1の例を示す説明図、図17
は本実施の形態に係るインピーダンス調整器の構成の第
2の例を示す説明図である。
るインピーダンス調整器5,6は、ノーマルモード用の
ラインチョークを構成し、例えば電力線1の一方の導電
線1aに直列に挿入される。
係るインピーダンス調整器5,6の構成の第1の例につ
いて説明する。このインピーダンス調整器5,6は、磁
性材料よりなる1つの環状のコア50に1つの巻線51
aを巻き付けて構成されたノーマルモード用のラインチ
ョークを含んでいる。巻線51aは、例えば電力線1の
一方の導電線1aに直列に挿入される。コア50として
は、圧粉コア、アモルファスコア、開磁路に近い形状の
フェライトコア等を用いることができる。
ギャップ52が形成され、このギャップ52にはギャッ
プ制御部53が装着されている。ギャップ制御部53の
構成は、第1の実施の形態と同様である。また、第1の
実施の形態と同様に、ギャップ制御部53のギャップ制
御用コイル55には電流制御回路56が接続され、この
電流制御回路56には電力線通信制御回路57が接続さ
れている。
6によれば、第1の実施の形態と同様に、ギャップ制御
部53によってコア50の磁気特性を変化させることに
より、巻線51aのインピーダンスを調整することがで
きる。また、図16に示したインピーダンス調整器5,
6によれば、電力線1上のノーマルモードノイズを低減
することができる。
6のその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形
態に係るインピーダンス調整器5,6と同様である。
係るインピーダンス調整器5,6の構成の第2の例につ
いて説明する。このインピーダンス調整器5,6は、そ
れぞれ磁性材料よりなる2つの棒状のコア50a,50
bと、コア50aに巻き付けられた巻線51aと、コア
50bに巻き付けられたインピーダンス制御用巻線59
とを備えている。コア50a,50bは、互いに平行
に、且つ近接した位置に配置されている。コア50a,
50bは、図17中で破線で示したような開磁路を形成
する。コア50aおよび巻線51aは、ノーマルモード
用のラインチョークを構成する。巻線51aは、例えば
電力線1の一方の導電線1aに直列に挿入される。巻線
59は、コア50bにバイアス磁界を印加する。コア5
0a,50bとしては、圧粉コア、アモルファスコア、
フェライトコア等を用いることができる。
れ、この電流制御回路56には電力線通信制御回路57
が接続されている。電流制御回路56および電力線通信
制御回路57の機能は第1の実施の形態と同様である。
コア50b、巻線59および電流制御回路56は本発明
における調整手段に対応する。コア50bは本発明にお
ける磁性体に対応する。巻線59は本発明におけるバイ
アス磁界印加手段およびバイアス磁界印加用巻線に対応
する。
6では、巻線59に流す電流の大きさを制御することに
よって、コア50bの磁気特性(磁気抵抗)を制御する
ことができ、その結果、コア50aの磁気特性(透磁
率)を制御することができる。このことから、図17に
示したインピーダンス調整器5,6によれば、巻線59
に流す電流の大きさを制御することによって、巻線51
aのインピーダンスを制御することができる。また、図
17に示したインピーダンス調整器5,6によれば、電
力線1上のノーマルモードノイズを低減することができ
る。
および効果は、インピーダンス調整器の適用例も含め
て、第1の実施の形態と同様である。
れず、種々の変更が可能である。例えば、第2の実施の
形態に係るインピーダンス調整器は、電力線1の各導電
線1a,1bに1つずつ挿入してもよい。
いずれかに記載のインピーダンス調整器によれば、調整
手段によってコアの磁気特性を変化させることによっ
て、巻線のインピーダンスを調整するようにしたので、
信号の周波数に応じて容易に信号の伝送路のインピーダ
ンスを変えることが可能になるという効果を奏する。
ンス調整器によれば、調整手段は、コアと共に磁路を形
成する磁性体と、磁性体にバイアス磁界を印加するバイ
アス磁界印加手段とを有するので、バイアス磁界印加手
段によって磁性体に印加するバイアス磁界を調整するこ
とにより、容易にコアの磁気特性を変化させることが可
能になるという効果を奏する。
器によれば、バイアス磁界印加手段は、磁性体に巻き付
けられたバイアス磁界印加用巻線を有するので、バイア
ス磁界印加用巻線に流す電流を調整することによって、
容易にコアの磁気特性を変化させることが可能になると
いう効果を奏する。
のインピーダンス調整器によれば、巻線は、電力線通信
が行われる電力線に挿入されるので、電力線通信が行わ
れる電力線のラインインピーダンスを調整することが可
能になるという効果を奏する。
器によれば、調整手段は、電力線通信における信号の周
波数の情報を取得し、周波数に応じて巻線のインピーダ
ンスを調整するので、電力線通信における信号の周波数
に応じて電力線のラインインピーダンスを調整すること
が可能になるという効果を奏する。
器によれば、調整手段は、周波数にかかわらずに巻線の
インピーダンスが一定値に近づくように、巻線のインピ
ーダンスを調整するので、周波数にかかわらずに電力線
のラインインピーダンスを調整することが可能になると
いう効果を奏する。
器によれば、コアは環状であり、巻線はコアと共にコモ
ンモードチョークを構成する第1の巻線と第2の巻線を
含むので、インピーダンスの調整と共にコモンモードノ
イズの低減が可能になるという効果を奏する。
器によれば、コアおよび巻線はノーマルモード用のライ
ンチョークを構成するので、インピーダンスの調整と共
にノーマルモードノイズの低減が可能になるという効果
を奏する。
ス調整器が適用される電力線通信ネットワークシステム
の構成の一例を示す説明図である。
ス調整器の基本的な構成部分を表した回路図である。
ス調整器の構成を示す説明図である。
ャップ制御部の平面図である。
界との関係を示す特性図である。
ある。
である。
アのギャップにギャップ制御用コアが挿入されている状
態を表す説明図である。
アの磁気特性を示す説明図である。
概念的に示す説明図である。
ノイズフィルタの構成の一例を示すブロック図である。
例を示す回路図である。
ノイズフィルタの構成の他の例を示すブロック図であ
る。
である。
ンス調整器を電力線に挿入した状態を示す回路図であ
る。
ンス調整器の構成の第1の例を示す説明図である。
ンス調整器の構成の第2の例を示す説明図である。
下する現象の一例を示す特性図である。
ノイズフィルタ、9…分離部、10…電力線通信領域、
11,12…電力線通信装置、13,14…電力線通信
端末、15,16…通信部、21,22…インピーダン
ス障害機器、23,24…通信部、31,32…ノイズ
障害機器、33,34…通信部、41…家庭電気機器制
御用通信装置、42…通信端末、50…コア、51a,
51b…巻線、52…ギャップ、53…ギャップ制御
部、54…ギャップ制御用コア、55…ギャップ制御用
コイル、56…電流制御回路、57…電力線通信制御回
路。
Claims (8)
- 【請求項1】 磁性材料よりなるコアと、 前記コアに巻き付けられた巻線と、 前記コアの磁気特性を変化させることによって、前記巻
線のインピーダンスを調整する調整手段とを備えたこと
を特徴とするインピーダンス調整器。 - 【請求項2】 前記調整手段は、前記コアと共に磁路を
形成する磁性体と、前記磁性体にバイアス磁界を印加す
るバイアス磁界印加手段とを有することを特徴とする請
求項1記載のインピーダンス調整器。 - 【請求項3】 前記バイアス磁界印加手段は、前記磁性
体に巻き付けられたバイアス磁界印加用巻線を有するこ
とを特徴とする請求項2記載のインピーダンス調整器。 - 【請求項4】 前記巻線は、電力線通信が行われる電力
線に挿入されることを特徴とする請求項1ないし3のい
ずれかに記載のインピーダンス調整器。 - 【請求項5】 前記調整手段は、電力線通信における信
号の周波数の情報を取得し、前記周波数に応じて前記巻
線のインピーダンスを調整することを特徴とする請求項
4記載のインピーダンス調整器。 - 【請求項6】 前記調整手段は、前記周波数にかかわら
ずに前記巻線のインピーダンスが一定値に近づくよう
に、前記巻線のインピーダンスを調整することを特徴と
する請求項5記載のインピーダンス調整器。 - 【請求項7】 前記コアは環状であり、前記巻線は前記
コアと共にコモンモードチョークを構成する第1の巻線
と第2の巻線とを含むことを特徴とする請求項1ないし
6のいずれかに記載のインピーダンス調整器。 - 【請求項8】 前記コアおよび前記巻線はノーマルモー
ド用のラインチョークを構成することを特徴とする請求
項1ないし6のいずれかに記載のインピーダンス調整
器。
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