JP3756774B2 - インピーダンス調整器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力線通信を行う場合の電力線のラインインピーダンスを調整するのに適したインピーダンス調整器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータの周辺機器の共有化、文書・静止画・動画等の情報の共有化、ゲーム、インターネット等の目的のために、家庭内における情報通信のニーズが高まってきている。そのため、オフィスのみならず一般家庭でも通信ネットワークシステムの需要がある。家庭内における通信ネットワークシステムの構築する際に選択し得る通信方式としては、無線を利用した通信方式、有線を利用した通信方式および電力線を利用した通信方式がある。このうち、電力線を利用した通信方式には、既設の電力線を利用するため配線工事費がかからない、家庭内の外観を損ねない等の利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、電力線を利用した通信方式には、電力線に接続された機器によって、電力線の通信環境の悪化が引き起こされるという問題点があった。電力線の通信環境の悪化とは、例えば、機器によるラインインピーダンスの低下によって、電力線における信号伝送特性が劣化することである。このように電力線の通信環境が悪化すると、電力線通信におけるエラーレートが増加する。電力線通信において、電力線の通信環境を悪化させる機器としては、例えば、インバータを用いて制御を行う空気調節機や照明機器や、コンピュータ等の電子機器がある。このような機器では、内蔵された進相コンデンサやアクロス・アライン・コンデンサがラインインピーダンスを低下させる。
【0004】
図18は、照明機器によってラインインピーダンスが低下する現象の一例を示している。図18において、横軸は周波数、縦軸はラインインピーダンスである。この例では、記号Aで示した周波数20MHzの近傍で、ラインインピーダンスが大きく低下している。
【0005】
電力線通信において、エラーレートの低減を図るために、スペクトラム拡散方式やマルチキャリア方式といった通信方式を採用することも考えられる。しかしながら、このような通信方式を採用しても、電力線の通信環境が改善されない限り、エラーレートの増加や通信速度の低下は避けられない。
【0006】
このような事情から、長年の通信技術の開発、改善にもかかわらず、電力線通信ネットワークシステムの実用化は困難であった。
【0007】
ラインインピーダンスの低下に対する対策としては、例えば特開平8−98277号公報に、電力線と、インピーダンス低下を招く機器との間に、伝送信号の周波数成分のインピーダンスを高くするためのインピーダンスアッパを設置する技術が開示されている。この技術では、特に、インピーダンスアッパとしてLC共振回路を用い、伝送信号の周波数成分に対してのみインピーダンスを増加させるようにしている。また、インピーダンスアッパは、ラインに直列に挿入されたインダクタを有している。
【0008】
ところで、周波数をf、インダンタのインダンタンスをLとすると、インダンタのインピーダンスZは、Z=2π・f・Lと表される。このように、インダンタのインピーダンスZは周波数fに比例する。従って、電力線と、インピーダンス低下を招く機器との間に、インダクタを挿入した場合には、電力線のラインインピーダンスは増加するが、周波数に応じて変化する。
【0009】
電力線のラインインピーダンスが周波数に応じて変化すると、電力線通信における通信信号の振幅が、通信信号の周波数に応じて変化することになる。その結果、電力線通信における通信信号の周波数に応じてエラーレートが変動する。このように、電力線と、インピーダンス低下を招く機器との間に、インダクタを挿入した場合には、通信信号の周波数に応じてエラーレートが変動するために、使用する周波数に応じて異なるエラー対策が必要になったり、通信信号の周波数としてラインインピーダンスが小さい周波数を選択した場合にはエラーレートが大きくなるという問題点がある。
【0010】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、信号の周波数に応じて容易に信号の伝送路のインピーダンスを変えることができるようにしたインピーダンス調整器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のインピーダンス調整器は、磁性材料よりなるコアと、このコアに巻き付けられた巻線と、コアの磁気特性を変化させることによって、巻線のインピーダンスを調整する調整手段とを備えたものである。
【0012】
本発明のインピーダンス調整器では、調整手段によってコアの磁気特性を変化させることにより、巻線のインピーダンスが調整される。
【0013】
本発明のインピーダンス調整器において、調整手段は、コアと共に磁路を形成する磁性体と、この磁性体にバイアス磁界を印加するバイアス磁界印加手段とを有していてもよい。バイアス磁界印加手段は、磁性体に巻き付けられたバイアス磁界印加用巻線を有していてもよい。
【0014】
また、本発明のインピーダンス調整器において、巻線は、電力線通信が行われる電力線に挿入されてもよい。この場合、調整手段は、電力線通信における信号の周波数の情報を取得し、この周波数に応じて巻線のインピーダンスを調整してもよい。更に、調整手段は、電力線通信における信号の周波数にかかわらずに巻線のインピーダンスが一定値に近づくように、巻線のインピーダンスを調整してもよい。
【0015】
また、本発明のインピーダンス調整器において、コアは環状であり、巻線はコアと共にコモンモードチョークを構成する第1の巻線と第2の巻線とを含んでいてもよい。
【0016】
また、本発明のインピーダンス調整器において、コアおよび巻線はノーマルモード用のラインチョークを構成してもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
始めに、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るインピーダンス調整器が適用される電力線通信ネットワークシステムの一例について説明する。この電力線通信ネットワークシステム(以下、単にネットワークシステムとも言う。)は、電力線1と、この電力線1に接続され、電力線1より電力の供給を受けると共に、信号の伝送路として電力線1を利用して互いに電力線通信を行う複数の電力線通信装置11,12と、電力線1に接続され、電力線1より電力の供給を受ける家庭電気機器制御用通信装置41とを備えている。図1において、符号10は、電力線を利用して通信を行う領域を表している。この電力線通信領域10は例えば屋内に対応し、電力線通信領域10の外は屋外に対応する。
【0018】
電力線1には、電力線通信装置11,12の他にも、電力線1より電力の供給を受ける機器が接続されている。この機器には、電力線1のラインインピーダンスの低下を引き起こすインピーダンス障害機器21,22と、ノイズを発生させるノイズ障害機器31,32とが含まれている。
【0019】
領域10内の電力線1は、2本の導電線1a,1bを含んでいる。なお、電力線1は、交流電力を輸送するものでもよいし、直流電力を輸送するものでもよい。図1に示したネットワークシステムでは、電力線1に対してアース線2が併設されている。領域10内の電力線1およびアース線2は、領域10外の電力線101およびアース線102に接続されている。
【0020】
電力線通信装置11,12の例としてはコンピュータが挙げられる。電力線通信装置11,12は、それぞれ、電力線1に接続されて互いに電力線通信を行う電力線通信端末13,14を有している。
【0021】
インピーダンス障害機器21,22の例としては、インバータを用いて制御を行う照明機器や空気調節機が挙げられる。ノイズ障害機器31,32の例としては、電子レンジや冷蔵庫が挙げられる。通信装置41は、電力線1を利用せずに、インピーダンス障害機器21,22およびノイズ障害機器31,32との間で通信を行い、例えばこれらの制御を行う。
【0022】
ネットワークシステムは、更に、電力線1とインピーダンス障害機器21,22との間に設けられた本実施の形態に係るインピーダンス調整器5,6と、電力線1とノイズ障害機器31,32との間に設けられたノイズフィルタ7,8とを備えている。インピーダンス調整器5,6は、コモンモードチョークを含み、電力線1のラインインピーダンスを増加させるものである。ノイズフィルタ7,8は、電力線1上のノイズを低減するものである。
【0023】
ネットワークシステムは、更に、領域10内の電力線1と領域10外の電力線101との間に設けられた分離部9を備えている。分離部9は、インピーダンス調整器とノイズフィルタとを含んでいる。
【0024】
ネットワークシステムは、更に、電力線通信装置11,12および通信装置41との間で通信を行うと共に、領域10外の装置43との間で通信を行う通信端末42とを備えている。
【0025】
電力線通信装置11,12および機器21,22,31,32は、それぞれ、通信装置41との間で通信を行うための通信部15,16,23,24,33,34を含んでいる。電力線通信装置11,12の通信部15,16は、通信端末42との間でも通信を行うようになっている。
【0026】
通信装置41と各通信部15,16,23,24,33,34との間の通信は、電波または光を用いて行ってもよいし、電力線1以外の信号線を用いて行ってもよい。
【0027】
また、電力線通信端末13,14を介して、通信装置41と電力線通信装置11,12との間で、電力線1を利用した通信を行うようにしてもよい。
【0028】
また、通信端末42と、通信装置41および電力線通信装置11,12の通信部15,16との間の通信も、電波または光を用いて行ってもよいし、電力線1以外の信号線を用いて行ってもよい。
【0029】
通信端末42と装置43との間の通信には、種々の通信基盤を利用することができる。例えば、ケーブルテレビジョン(CATV)やデジタルサブスクライバライン(digital subscriber line:xDSL)等の有線通信網を用いてもよいし、無線通信網を用いてもよい。あるいは、ファィバトゥザホーム(fiber to the home:FTTH)等の光通信網を用いてもよい。
【0030】
次に、図1に示したネットワークシステムの作用の概略について説明する。電力線通信装置11,12は、電力線通信端末13,14を介して、互いに電力線1を利用して電力線通信を行う。本実施の形態では、電力線通信を行う周波数の帯域を、例えば1MHz〜100MHzとする。また、電力線通信装置11,12は、通信端末42との間で、電力線1を利用せずに通信を行い、通信端末42を介して領域10外の装置43との間で通信を行ってもよい。
【0031】
通信装置41は、例えば、インピーダンス障害機器21,22およびノイズ障害機器31,32の制御を行う。通信装置41は、電力線通信装置11,12との間で、電力線1を利用して、あるいは電力線1を利用せずに通信を行ってもよい。また、通信装置41は、通信端末42との間で、電力線1を利用せずに通信を行い、通信端末42を介して領域10外の装置43との間で通信を行ってもよい。従って、通信装置41を介して、電力線通信装置11,12または領域10外の装置43から、インピーダンス障害機器21,22およびノイズ障害機器31,32の制御を行うことも可能である。
【0032】
次に、本実施の形態に係るインピーダンス調整器5,6について詳しく説明する。まず、図2ないし図4を参照して、インピーダンス調整器5,6の構成について説明する。図2はインピーダンス調整器5,6の基本的な構成部分を表した回路図、図3はインピーダンス調整器5,6の構成を示す説明図、図4はインピーダンス調整器5,6におけるギャップ制御部の平面図である。
【0033】
図2および図3に示したように、インピーダンス調整器5,6は、磁性材料よりなる1つの環状のコア(磁芯)50に第1の巻線51aと第2の巻線51bを巻き付けて構成されたコモンモードチョークを含んでいる。第1の巻線51aは電力線1の一方の導電線1aに直列に挿入され、第2の巻線51bは電力線1の他方の導電線1bに直列に挿入される。コア50は、例えばフェライトで形成されている。
【0034】
コア50には、ギャップ52が形成されている。このギャップ52には、ギャップ制御部53が装着されている。ギャップ制御部53は、図4に示したように、磁性材料よりなるギャップ制御用コア54と、このギャップ制御用コア54に巻き付けられたギャップ制御用コイル55とを有している。そして、ギャップ制御用コア54の一部が、コア50に密着するようにギャップ52内に挿入されている。ギャップ制御用コア54はコア50と共に閉磁路を形成する。ギャップ制御用コア54の材料は、コア50の材料と同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0035】
図3に示したように、ギャップ制御用コイル55には電流制御回路56が接続され、この電流制御回路56には電力線通信制御回路57が接続されている。電力線通信制御回路57は、例えば電力線通信端末13,14に内蔵され、電力線通信に関する種々の制御を行う。電力線通信制御回路57は、電流制御回路56に対して、電力線通信を行う周波数の情報を与える。電流制御回路56は、電力線通信を行う周波数に応じて、ギャップ制御用コイル55に流す電流の大きさを制御する。
【0036】
ギャップ制御部53および電流制御回路56は本発明における調整手段に対応する。ギャップ制御用コア54は本発明における磁性体に対応する。ギャップ制御用コイル55は本発明におけるバイアス磁界印加手段およびバイアス磁界印加用巻線に対応する。
【0037】
次に、図5ないし図10を参照して、インピーダンス調整器5,6の作用について説明する。なお、ここでは、説明を簡略化するために、コア50,54の材料が同じ特性のフェライトであるものとする。
【0038】
一般に、ギャップの無いフェライトコアの磁束密度Bと磁界Hとの関係(B−H曲線)は図5に示したようになる。ここでは、説明を簡略化するために、図5において残留磁束密度や保磁力については図示していない。なお、図5において、Bmは最大磁束密度を表している。また、フェライトコアの透磁率をμとすると、磁束密度Bと磁界Hと透磁率μの関係は、以下の式(1)で表される。
【0039】
B=μH …(1)
【0040】
式(1)と図5から分かるように、与えられた磁界HにおけるB−H曲線の接線の傾きが、その磁界における透磁率μになる。図5から分かるように、B−H曲線の接線の傾き、すなわち透磁率μは、磁界Hに応じて変化する。図5では、磁界H10のときに、磁束密度がB10、透磁率がμ1であり、磁界H11のときに、磁束密度がB11、透磁率がμ2であることを表している。また、透磁率μは、コアの材料の特性によっても変化する。
【0041】
次に、コアに巻数Nのコイルを装着し、このコイルに電流を流した場合を考える。コアの磁路長をL、コイルに流れる電流をIとすると、この電流によって発生される磁界Hは、以下の式(2)で表される。
【0042】
H=I・N/L …(2)
【0043】
次に、ギャップ制御部53について考える。以下の説明では、ギャップ制御用コイル55に流す電流をI、ギャップ制御用コイル55によって発生され、ギャップ制御用コア54に印加されるバイアス磁界をH、ギャップ制御用コア54の磁路長をL、ギャップ制御用コア54の断面積をS、ギャップ制御用コア54の透磁率をμ、ギャップ制御用コア54の磁気抵抗をRとする。
【0044】
式(2)から、ギャップ制御用コイル55によって発生される磁界Hの大きさは、ギャップ制御用コイル55に流す電流Iの大きさに比例することが分かる。また、図5から、ギャップ制御用コア54の透磁率μは、磁界Hの大きさによって変化することが分かる。従って、ギャップ制御用コイル55に流す電流Iの大きさを制御することによって、ギャップ制御用コア54の透磁率μを制御することができる。
【0045】
また、ギャップ制御用コア54の磁気抵抗Rは、以下の式(3)で表され、透磁率μに反比例する。
【0046】
=L/μ・S …(3)
【0047】
このように、ギャップ制御用コイル55に流す電流Iの大きさを変えることにより、ギャップ制御用コア54に印加されるバイアス磁界Hが変化し、その結果、ギャップ制御用コア54の磁気抵抗Rが変化する。従って、ギャップ制御用コイル55に流す電流Iの大きさを制御することによって、ギャップ制御用コア54の磁気抵抗Rを制御することができる。
【0048】
次に、コア50の磁気特性について考える。図6はギャップの無いフェライトコアを表し、図7はギャップを有するフェライトコアを表し、図8はコア50のギャップにギャップ制御用コア54が挿入されている状態を表している。一般に、図6に示したようなギャップの無いフェライトコアに、図7に示したようにギャップを設けると、コアが磁気飽和する磁界が大きくなることが知られている。このことを、図9に示したB−H曲線を参照して説明する。図9において、(a)はギャップの無いフェライトコアのB−H曲線を簡略化して表し、(b)はギャップを有するフェライトコアのB−H曲線を簡略化して表している。また、Bsは飽和磁束密度を表している。図9に示したように、ギャップを有するフェライトコアにおいて磁束密度Bが飽和磁束密度Bsに達する、すなわち磁気飽和するときの磁界Hbは、ギャップの無いフェライトコアにおいて磁束密度Bが飽和磁束密度Bsに達するときの磁界Haよりも大きくなる。従って、ギャップを有するフェライトコアの透磁率μbは、ギャップの無いフェライトコアの透磁率μaよりも小さくなる。
【0049】
図8に示したように、コア50は、ギャップを有するが、そのギャップにギャップ制御用コア54が挿入されている。従って、コア50の磁気特性は、ギャップ制御用コア54の磁気特性に応じて変化する。すなわち、ギャップ制御用コイル55に電流が流れていないときには、コア50のギャップが、コア50と同じ材料よりなるギャップ制御用コア54によって埋められた状態となるため、コア50の磁気特性は、ギャップの無いコアと同様になり、図9における(a)のB−H曲線で表される。一方、ギャップ制御用コア54が磁気飽和する大きさの電流をギャップ制御用コイル55に流すと、ギャップ制御用コア54の磁気抵抗Rが最大となり、ギャップ制御用コア54は空気のギャップと同様に作用することになる。このときのコア50の磁気特性は、ギャップを有するコアと同様になり、図9における(b)のB−H曲線で表される。ギャップ制御用コイル55に流す電流の大きさを0から、ギャップ制御用コア54が磁気飽和する大きさの間で変化させると、その電流の大きさに応じて、ギャップ制御用コア54の磁気抵抗Rが変化する。このときのコア50の磁気特性は、図9における(c)のB−H曲線で表される。また、コア50の透磁率は、μaとμbとの間で、ギャップ制御用コイル55に流す電流の大きさに応じて変化する。
【0050】
以上のことから、ギャップ制御用コイル55に流す電流の大きさを制御することによって、コア50の透磁率を制御することができる。
【0051】
次に、インピーダンス調整器5,6のインピーダンスZについて考える。ここで、周波数をf、コア50の透磁率をμ、コア50の断面積をS、コア50の磁路長をL、巻線51a,51bの巻数をNとすると、インピーダンスZは以下の式(4)で表される。
【0052】
Z=2πf・μ・S・N/L …(4)
【0053】
前述のように、ギャップ制御用コイル55に流す電流の大きさを制御することによって、コア50の透磁率μを制御することができる。このことと式(4)から、ギャップ制御用コイル55に流す電流の大きさを制御することによって、インピーダンス調整器5,6のインピーダンスZを制御できることが分かる。
【0054】
本実施の形態では、例えば1MHz〜100MHzの周波数帯域において、周波数fにかかわらずにインピーダンスZが一定値に近づくように、好ましくは周波数fにかかわらずにインピーダンスZが一定値になるように、ギャップ制御用コイル55に流す電流の大きさを制御する。すなわち、電流制御回路56は、電力線通信制御回路57からの周波数fの情報に基づいて、f・μが予め定められた一定値に近づくように、ギャップ制御用コイル55に流す電流の大きさを制御する。
【0055】
図10は、インピーダンス調整器5,6の作用を概念的に示す説明図である。図10において、Zは一般的なコモンモードチョークのインピーダンスの周波数fに対する変化を表し、Zはインピーダンス調整器5,6のインピーダンスの周波数fに対する変化を表している。図10に示したように、一般的なコモンモードチョークのインピーダンスは、ある周波数の範囲では周波数fに比例して変化するが、インピーダンス調整器5,6のインピーダンスは、周波数fにかかわらずに一定値に近づく。このようなインピーダンス調整器5,6を、インピーダンス障害機器21,22と電力線1との間に配置することにより、電力線1のラインインピーダンスも周波数fにかかわらずに一定値に近づく。
【0056】
次に、ノイズフィルタ7,8について詳しく説明する。図11はノイズフィルタ7,8の構成の一例を示すブロック図である。図11に示したノイズフィルタ7,8は、電力線1上の電流性のコモンモードのノイズおよび電圧性のコモンモードのノイズを低減するものである。なお、電流性のノイズとは電流が変動するノイズを言い、電圧性のノイズとは電圧が変動するノイズを言う。
【0057】
ノイズフィルタ7,8は、電力線1上のノイズを検出する2つの検出回路61C,61Vと、それぞれ検出回路61C,61Vにより検出されたノイズと逆相の信号となる逆相信号を発生する2つの逆相信号発生回路62C,62Vと、それぞれ電力線1に対して逆相信号発生回路62C,62Vにより発生された逆相信号を注入する2つの注入回路63C,63Vとを備えている。
【0058】
検出回路61Cは、電力線1の2本の導電線1a,1bにおける電流の変動を検出することによって、2本の導電線1a,1bを同じ位相で伝搬する電流性のノイズを検出する。従って、検出回路61Cは、電力線1上の電流性のコモンモードのノイズを検出することになる。
【0059】
検出回路61Vは、2本の導電線1a,1bにおける電圧の変動を検出することによって、2本の導電線1a,1bを同じ位相で伝搬する電圧性のノイズを検出する。従って、検出回路61Vは、電力線1上の電圧性のコモンモードのノイズを検出することになる。
【0060】
図11には、検出回路61C,61Vの構成の一例を示している。この例では、検出回路61Cは、2本の導電線1a,1bを囲うコイル61Ccを有している。コイル61Ccの一端は逆相信号発生回路62Cの入力端に接続され、他端は回路のグランドに接続されている。コイル61Ccは、導電線1a,1bにおける電流の変動のうちの高周波成分を検出する。なお、検出回路61Cは、コイル61Ccを用いるものに限らず、例えば、電流によって発生する磁界を検出する磁気センサを含む電流センサを用いるものでもよい。この場合における磁気センサとしては、フェライト、パーマロイ、アモルファス等の磁性体からなるセンサヘッドを有する磁気センサや、磁気抵抗効果を利用するMR(磁気抵抗)素子や、巨大磁気抵抗効果を利用するGMR(巨大磁気抵抗)素子等を用いることができる。
【0061】
また、図11には、検出回路61Vの構成の一例を示している。この例では、検出回路61Vは、一端が導電線1aに接続され、他端が逆相信号発生回路62Vの入力端に接続されたコンデンサ61Vaと、一端が導電線1bに接続され、他端が逆相信号発生回路62Vの入力端に接続されたコンデンサ61Vbとを有している。コンデンサ61Va,61Vbは、それぞれ導電線1a,1bにおける電圧変動のうち、高周波成分を通過させ、交流電力の周波数を含む低周波成分を遮断する。
【0062】
逆相信号発生回路62Cは、検出回路61Cにより検出された電流性のコモンモードのノイズと逆相の信号となる逆相信号を発生し、逆相信号発生回路62Vは、検出回路61Vにより検出された電圧性のコモンモードのノイズと逆相の信号となる逆相信号を発生する。
【0063】
注入回路63Cは、電力線1の2本の導電線1a,1bに対して、逆相信号発生回路62Cにより発生された逆相信号に対応した同じ電流の変化を与えることによって、電力線1に対して逆相信号発生回路62Cにより発生された逆相信号を注入し、これにより電力線1上の電流性のコモンモードのノイズを相殺する。注入回路63Vは、電力線1の2本の導電線1a,1bに対して、逆相信号発生回路62Vにより発生された逆相信号に対応した同じ電圧の変化を与えることによって、電力線1に対して逆相信号発生回路62Vにより発生された逆相信号を注入し、これにより電力線1上の電圧性のコモンモードのノイズを相殺する。
【0064】
図11には、注入回路63Cの構成の一例を示している。この例では、注入回路63Cは、2本の導電線1a,1bを囲うコイル63Ccを有している。コイル63Ccの一端は逆相信号発生回路62Cの出力端に接続され、他端は回路のグランドに接続されている。この例では、注入回路63Cは、コイル63Ccを用いて、導電線1a,1bに対して、逆相信号発生回路62Cが発生する逆相信号に対応した同じ電流の変化を与える。
【0065】
また、図11には、注入回路63Vの構成の一例を示している。この例では、注入回路63Vは、一端が逆相信号発生回路62Vの出力端に接続され、他端が導電線1aに接続されたコンデンサ63Vaと、一端が逆相信号発生回路62Vの出力端に接続され、他端が導電線1bに接続されたコンデンサ63Vbとを有している。この例では、注入回路63Vは、コンデンサ63Va,63Vbを介して、導電線1a,1bに対して、逆相信号発生回路62Vが発生する逆相信号に対応した同じ電圧の変化を与える。
【0066】
図12は図11における逆相信号発生回路62Cの構成の一例を示す回路図である。この例における逆相信号発生回路62Cは、トランス81を有している。トランス81の一次巻線の一端は抵抗82を介して検出回路61Cのコイル61Ccの一端に接続されている。トランス81の一次巻線の他端は、トランス81の二次巻線の一端と共に回路のグランド(シグナルグランド)に接続されている。トランス81の二次巻線の他端は注入回路63Cのコイル63Ccの一端に接続されている。コイル61Ccの他端およびコイル63Ccの他端は回路のグランドに接続されている。この例における逆相信号発生回路62Cによれば、検出回路61Cのコイル61Ccによって検出されたノイズに対応した電流がトランス81の一次巻線に流れ、それに応じてトランス81の二次巻線に接続された注入回路63Cのコイル63Ccに、ノイズとは逆相の電流が流れる。
【0067】
逆相信号発生回路62Vの構成も、例えば、図12に示した逆相信号発生回路62Cの構成と同様である。
【0068】
図11に示したノイズフィルタ7,8では、検出回路61Cにより、電力線1の導電線1a,1bにおける電流の変動を検出することによって、電力線1上の電流性のコモンモードのノイズが検出される。また、検出回路61Vにより、電力線1の導電線1a,1bにおける電圧の変動を検出することによって、電力線1上の電圧性のコモンモードのノイズが検出される。
【0069】
そして、逆相信号発生回路62Cによって、検出回路61Cにより検出された電流性のコモンモードのノイズと逆相の信号となる逆相信号が発生される。また、逆相信号発生回路62Vによって、検出回路61Vにより検出された電圧性のコモンモードのノイズと逆相の信号となる逆相信号が発生される。
【0070】
更に、注入回路63Cによって、2本の導電線1a,1bに対して、逆相信号発生回路62Cが発生する逆相信号に対応した同じ電流の変化が与えられる。また、注入回路63Vによって、逆相信号発生回路62Vが発生する逆相信号に対応した同じ電圧の変化が与えられる。これにより、電力線1上の電流性のコモンモードのノイズおよび電圧性のコモンモードのノイズが相殺される。
【0071】
図13はノイズフィルタ7,8の構成の他の例を示すブロック図である。図13に示したノイズフィルタ7,8は、電力線1上の電流性のノーマルモードおよびコモンモードのノイズと、電力線1上の電圧性のノーマルモードおよびコモンモードのノイズを低減するものである。
【0072】
図13に示したノイズフィルタ7,8は、電力線1の2本の導電線1a,1b上の電流性の各ノイズを検出する検出回路71Cと、導電線1a,1b上の電圧性の各ノイズを検出する検出回路71Vと、検出回路71Cにより検出された各ノイズと逆相の信号となる逆相信号を発生する2つの逆相信号発生回路72Ca,72Cbと、検出回路71Vにより検出された各ノイズと逆相の信号となる逆相信号を発生する2つの逆相信号発生回路72Va,72Vbと、導電線1a,1bに対して逆相信号発生回路72Ca,72Cbにより発生された逆相信号を注入する注入回路73Cと、導電線1a,1bに対して逆相信号発生回路72Va,72Vbにより発生された逆相信号を注入する注入回路73Vとを備えている。
【0073】
検出回路71Cは、電力線1の2本の導電線1a,1bにおける電流の変動を検出することによって、2本の導電線1a,1bの各々に発生する電流性のノイズを各導電線1a,1b毎に検出する。
【0074】
検出回路71Vは、2本の導電線1a,1bにおける電圧の変動を検出することによって、2本の導電線1a,1bの各々に発生する電圧性のノイズを各導電線1a,1b毎に検出する。
【0075】
図13には、検出回路71Cの構成の一例を示している。この例では、検出回路71Cは、導電線1aを囲うコイル71Caと、導電線1bを囲うコイル71Cbとを有している。コイル71Caの一端は逆相信号発生回路72Caの入力端に接続され、他端は回路のグランドに接続されている。コイル71Cbの一端は逆相信号発生回路72Cbの入力端に接続され、他端は回路のグランドに接続されている。コイル71Caは、導電線1aにおける電流の変動のうちの高周波成分を検出し、コイル71Cbは、導電線1bにおける電流の変動のうちの高周波成分を検出する。
【0076】
また、図13には、検出回路71Vの構成の一例を示している。この例では、検出回路71Vは、一端が導電線1aに接続され、他端が逆相信号発生回路72Vaの入力端に接続されたコンデンサ71Vaと、一端が導電線1bに接続され、他端が逆相信号発生回路72Vbの入力端に接続されたコンデンサ71Vbとを有している。コンデンサ71Va,71Vbは、それぞれ導電線1a,1bにおける電圧変動のうち、高周波成分を通過させ、交流電力の周波数を含む低周波成分を遮断する。
【0077】
逆相信号発生回路72Caは、検出回路71Cにより検出された導電線1a上の電流性のノイズと逆相の信号となる逆相信号を発生し、逆相信号発生回路72Cbは、検出回路71Cにより検出された導電線1b上の電流性のノイズと逆相の信号となる逆相信号を発生する。また、逆相信号発生回路72Vaは、検出回路71Vにより検出された導電線1a上の電圧性のノイズと逆相の信号となる逆相信号を発生し、逆相信号発生回路72Vbは、検出回路71Vにより検出された導電線1b上の電圧性のノイズと逆相の信号となる逆相信号を発生する。逆相信号発生回路72Ca,72Cb,72Va,72Vbの構成は、例えば、図12に示した逆相信号発生回路62Cの構成と同様である。
【0078】
注入回路73Cは、導電線1a,1bに対して、それぞれ、逆相信号発生回路72Ca,72Cbにより発生された各逆相信号に対応した電流の変化を与えることによって、導電線1a,1bに対して逆相信号発生回路72Ca,72Cbにより発生された各逆相信号を注入し、これにより導電線1a,1b上の電流性のノイズを相殺する。
【0079】
注入回路73Vは、導電線1a,1bに対して、それぞれ、逆相信号発生回路72Va,72Vbにより発生された各逆相信号に対応した電圧の変化を与えることによって、導電線1a,1bに対して逆相信号発生回路72Va,72Vbにより発生された各逆相信号を注入し、これにより導電線1a,1b上の電圧性のノイズを相殺する。
【0080】
図13には、注入回路73Cの構成の一例を示している。この例では、注入回路73Cは、導電線1aを囲うコイル73Caと、導電線1bを囲うコイル73Cbとを有している。コイル73Caの一端は逆相信号発生回路72Caの出力端に接続され、他端は回路のグランドに接続されている。コイル73Cbの一端は逆相信号発生回路72Cbの出力端に接続され、他端は回路のグランドに接続されている。この例では、注入回路73Cは、コイル73Ca,73Cbを用いて、導電線1a,1bに対して、それぞれ逆相信号発生回路72Ca,72Cbより発生された各逆相信号に対応した電流の変化を与える。
【0081】
また、図13には、注入回路73Vの構成の一例を示している。この例では、注入回路73Vは、一端が逆相信号発生回路72Vaの出力端に接続され、他端が導電線1aに接続されたコンデンサ73Vaと、一端が逆相信号発生回路72Vbの出力端に接続され、他端が導電線1bに接続されたコンデンサ73Vbとを有している。この例では、注入回路73Vは、コンデンサ73Va,73Vbを介して、導電線1a,1bに対して、それぞれ逆相信号発生回路72Va,72Vbより発生された各逆相信号に対応した電圧の変化を与える。
【0082】
図13に示したノイズフィルタ7,8では、検出回路71Cにより、電力線1の導電線1a,1bの各々における電流の変動を検出することによって、導電線1a,1bの各々に発生する電流性のノイズが各導電線1a,1b毎に検出される。これにより、電力線1上の電流性のノイズが検出される。また、検出回路71Vにより、電力線1の導電線1a,1bの各々における電圧の変動を検出することによって、導電線1a,1bの各々に発生する電圧性のノイズが各導電線1a,1b毎に検出される。
【0083】
そして、逆相信号発生回路72Ca,72Cbによって、検出回路71Cにより検出された各導電線1a,1b毎の電流性のノイズと逆相の信号となる各導電線1a,1b毎の逆相信号が発生される。また、逆相信号発生回路72Va,72Vbによって、検出回路71Vにより検出された各導電線1a,1b毎の電圧性のノイズと逆相の信号となる各導電線1a,1b毎の逆相信号が発生される。
【0084】
更に、注入回路73Cによって、2本の導電線1a,1bの各々に対して、逆相信号発生回路72Ca,72Cbにより発生された各導電線1a,1b毎の逆相信号に対応した電流の変化が与えられる。また、注入回路73Vによって、2本の導電線1a,1bの各々に対して、逆相信号発生回路72Va,72Vbにより発生された各導電線1a,1b毎の逆相信号に対応した電圧の変化が与えられる。これにより、電力線1上の電流性のノイズおよび電圧性のノイズが相殺される。
【0085】
図11または図13に示したノイズフィルタ7,8では、電力線1における電流の変動を検出することによって電力線1上の電流性のノイズを検出し、この電流性のノイズと逆相となる逆相信号に対応した電流の変化を電力線1に与えることによって電力線1上の電流性のノイズを相殺する。また、ノイズフィルタ7,8では、電力線1における電圧の変動を検出することによって電力線1上の電圧性のノイズを検出し、この電圧性のノイズと逆相となる逆相信号に対応した電圧の変化を電力線1に与えることによって電力線1上の電圧性のノイズを相殺する。従って、ノイズフィルタ7,8は、理想的には、ノイズの大きさや周波数帯域には無関係にノイズを低減することができる。
【0086】
また、ノイズフィルタ7,8では、ノイズ電圧を増幅したり、ノイズ電圧を逆相の電流に変換したりすることがないので、ノイズに対する逆相信号の遅れや、ノイズの波形に対する逆相信号の波形の相違を小さくすることができるので、極力、正確にノイズを相殺することが可能になる。また、ノイズフィルタ7,8によれば、ノイズに対する逆相信号の遅れを小さくすることができることから、連続的なノイズのみならず突発的なノイズも相殺することが可能になる。
【0087】
これらのことから、ノイズフィルタ7,8によれば、広い周波数帯域において電力線1上のノイズを効果的に低減することが可能になると共に、連続的なノイズのみならず突発的なノイズも効果的に低減することが可能になる。
【0088】
また、ノイズフィルタ7,8は、ノイズの周波数帯域、大きさ、性質によらずに普遍的に作用する。従って、ノイズフィルタ7,8を用いた場合には、ノイズを発生する機器に応じてフィルタの最適化を図る必要がなくなる。また、ノイズフィルタ7,8の標準化が容易である。
【0089】
なお、ノイズフィルタ7,8の構成は、図11または図13に示したものに限らず、例えば、図11における検出回路61C、逆相信号発生回路62Cおよび注入回路63Cと、検出回路61V、逆相信号発生回路62Vおよび注入回路63Vのうちの一方のみを備えたものでもよい。また、ノイズフィルタ7,8は、図13における検出回路71C、逆相信号発生回路72Ca,72Cbおよび注入回路73Cと、検出回路71V、逆相信号発生回路72Va,72Vbおよび注入回路73Vのうちの一方のみを備えたものでもよい。
【0090】
次に、図14を参照して、図1における分離部9について説明する。図14に示したように、分離部9は、領域10外の電力線101と領域10内の電力線1との間に、直列に挿入された漏洩阻止器91とインピーダンス調整器92とを含んでいる。漏洩阻止器91は領域10外の電力線101側に配置され、インピーダンス調整器92は領域10内の電力線1側に配置されている。漏洩阻止器91の構成は、ノイズフィルタ7,8と同様である。また、インピーダンス調整器92の構成は、インピーダンス調整器5,6と同様である。
【0091】
漏洩阻止器91は、例えば漏洩電流に起因して、領域10内の電力線1上の信号が領域10外の電力線101に漏洩することを阻止する。また、インピーダンス調整器92は、領域10内の電力線1のラインインピーダンスを増加させると共に、電力線1のラインインピーダンスを周波数にかかわらずに一定値に近づくようにする。
【0092】
以上説明したように本実施の形態に係るインピーダンス調整器5,6によれば、ギャップ制御部53によってコア50の磁気特性を変化させることにより、巻線51a,51bのインピーダンスを調整するようにしたので、信号の周波数に応じて容易に信号の伝送路のインピーダンスを変えることが可能になる。
【0093】
また、本実施の形態に係るインピーダンス調整器5,6では、ギャップ制御部53は、コア50のギャップ52内に挿入されたギャップ制御用コア54と、このギャップ制御用コア54に巻き付けられたギャップ制御用コイル55とを有している。従って、本実施の形態によれば、ギャップ制御用コイル55に流す電流を調整して、ギャップ制御用コイル55によってギャップ制御用コア54に印加するバイアス磁界を調整することにより、容易にコア50の磁気特性を変化させることが可能になる。
【0094】
また、本実施の形態によれば、電力線1のラインインピーダンスの低下を引き起こすインピーダンス障害機器21,22と電力線1との間にインピーダンス調整器5,6を設けたので、電力線1のラインインピーダンスを増加させることができる。また、本実施の形態によれば、インピーダンス調整器5,6によって電力線1上のコモンモードノイズを低減することができる。従って、本実施の形態によれば、電力線1に接続された機器による電力線1の通信環境の悪化を防止して、通信環境を改善することができる。
【0095】
また、本実施の形態では、電力線通信を行う周波数に応じてインピーダンス調整器5,6におけるギャップ制御用コア54の磁気特性を変え、更にこれによりコア50の磁気特性を変えることによって、例えば1MHz〜100MHzの周波数帯域において、インピーダンス調整器5,6のインピーダンスが周波数にかかわらずに一定値に近づくようにしている。従って、本実施の形態によれば、例えば1MHz〜100MHzの周波数帯域において、電力線1のラインインピーダンスを周波数にかかわらずにほぼ一定に保持して、電力線1の通信環境をより改善することができる。すなわち、電力線1のラインインピーダンスが周波数にかかわらずにほぼ一定に保持されれば、電力線通信における通信信号の振幅は、周波数にかかわらずにほぼ一定になる。その結果、電力線通信におけるエラーレートを低減し、通信速度を大きくすることが可能になる。また、エラーレートが低減されれば、簡便な通信方式を採用することも可能になる。
【0096】
また、インピーダンス調整器5,6は、コモンモードチョークを含み、1MHz以上の高い周波数帯域で使用されるので、コア50,54の材料としてフェライト等の高透磁率材を使用することができると共に、コア50は小型なもので済む。また、フェライトは、電力線通信を行う周波数帯域1MHz〜100MHzにおいて磁気特性が劣化しないため、コア50,54の材料として適している。従って、インピーダンス調整器5,6は、フェライトのような実用的な材料を用いて製造でき、且つ小型化が可能である。
【0097】
また、図1に示したネットワークシステムによれば、ノイズを発生させるノイズ障害機器31,32と電力線1との間にノイズフィルタ7,8を設けたので、電力線1に接続された機器による電力線1の通信環境の悪化をより確実に防止することができる。
【0098】
また、図1に示したネットワークシステムでは、ノイズフィルタ7,8は、電力線1上のノイズを検出し、この検出されたノイズと逆相の信号を発生させ、この信号を電力線1に与えることによって、電力線1上のノイズを相殺する。従って、図1に示したネットワークシステムによれば、広い周波数帯域において電力線1上のノイズを効果的に低減することができると共に、連続的なノイズのみならず突発的なノイズも効果的に除去することができる。
【0099】
また、図1に示したネットワークシステムによれば、電力線1を利用せずにインピーダンス障害機器21,22およびノイズ障害機器31,32との間で通信を行う通信装置41を備えたので、通信装置41とインピーダンス障害機器21,22およびノイズ障害機器31,32との通信が可能になり、これにより、通信装置41によってインピーダンス障害機器21,22およびノイズ障害機器31,32を制御すること等が可能になる。
【0100】
また、図1に示したネットワークシステムによれば、通信装置41は、電力線1を利用して、あるいは電力線1を利用せずに、電力線通信装置11,12との間で通信を行うようにしたので、電力線通信装置11,12と通信装置41との通信が可能になり、これにより、通信装置41を介して電力線通信装置11,12によってインピーダンス障害機器21,22およびノイズ障害機器31,32を制御すること等が可能になる。また、通信を行う機器としてインピーダンス障害機器21,22およびノイズ障害機器31,32も含めた通信ネットワークシステムの構築が可能になる。
【0101】
また、図1に示したネットワークシステムによれば、通信装置41は、電力線1を利用して通信を行う領域10外の装置43との間で、電力線1を利用せずに通信を行うようにしたので、領域10外の装置43と通信装置41との通信が可能になり、これにより、通信装置41を介して、領域10外の装置43によってインピーダンス障害機器21,22およびノイズ障害機器31,32を制御すること等が可能になる。
【0102】
また、図1に示したネットワークシステムでは、領域10内の電力線1と領域10外の電力線101との間に分離部9を設けている。この分離部9は、領域10外の電力線101と領域10内の電力線1との間に、直列に挿入された漏洩阻止器91とインピーダンス調整器92とを含んでいる。インピーダンス調整器92は、コモンモードチョークを含み、領域10内の電力線1のラインインピーダンスを増加させる。従って、図1に示したネットワークシステムによれば、領域10内の電力線1のラインインピーダンスを増加させて、電力線1の通信環境を向上させることができる。また、図1に示したネットワークシステムによれば、漏洩阻止器91によって、領域10内の電力線1上の信号が領域10外の電力線101に漏洩することを防止することができる。
【0103】
また、図1に示したネットワークシステムによれば、電力線通信装置11,12は、領域10外の装置43との間で、電力線1を利用せずに通信を行うようにしたので、領域10外の装置43と電力線通信装置11,12との通信が可能になる。
【0104】
なお、図1に示したネットワークシステムにおいて、インピーダンス障害機器21,22またはノイズ障害機器31,32と電力線1との間に、分離部9と同様に、インピーダンス調整器とノイズフィルタの両方を直列に挿入してもよい。
【0105】
また、電力線通信装置11,12が、電力線1を利用せずに、インピーダンス障害機器21,22またはノイズ障害機器31,32と直接、通信を行って、これらの制御等を行ってもよい。
【0106】
[第2の実施の形態]
次に、図15ないし図17を参照して、本発明の第2の実施の形態に係るインピーダンス調整器について説明する。図15は本実施の形態に係るインピーダンス調整器を電力線に挿入した状態を示す回路図、図16は本実施の形態に係るインピーダンス調整器の構成の第1の例を示す説明図、図17は本実施の形態に係るインピーダンス調整器の構成の第2の例を示す説明図である。
【0107】
図15に示したように、本実施の形態に係るインピーダンス調整器5,6は、ノーマルモード用のラインチョークを構成し、例えば電力線1の一方の導電線1aに直列に挿入される。
【0108】
まず、図16を参照して、本実施の形態に係るインピーダンス調整器5,6の構成の第1の例について説明する。このインピーダンス調整器5,6は、磁性材料よりなる1つの環状のコア50に1つの巻線51aを巻き付けて構成されたノーマルモード用のラインチョークを含んでいる。巻線51aは、例えば電力線1の一方の導電線1aに直列に挿入される。コア50としては、圧粉コア、アモルファスコア、開磁路に近い形状のフェライトコア等を用いることができる。
【0109】
第1の実施の形態と同様に、コア50にはギャップ52が形成され、このギャップ52にはギャップ制御部53が装着されている。ギャップ制御部53の構成は、第1の実施の形態と同様である。また、第1の実施の形態と同様に、ギャップ制御部53のギャップ制御用コイル55には電流制御回路56が接続され、この電流制御回路56には電力線通信制御回路57が接続されている。
【0110】
図16に示したインピーダンス調整器5,6によれば、第1の実施の形態と同様に、ギャップ制御部53によってコア50の磁気特性を変化させることにより、巻線51aのインピーダンスを調整することができる。また、図16に示したインピーダンス調整器5,6によれば、電力線1上のノーマルモードノイズを低減することができる。
【0111】
図16に示したインピーダンス調整器5,6のその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態に係るインピーダンス調整器5,6と同様である。
【0112】
次に、図17を参照して、本実施の形態に係るインピーダンス調整器5,6の構成の第2の例について説明する。このインピーダンス調整器5,6は、それぞれ磁性材料よりなる2つの棒状のコア50a,50bと、コア50aに巻き付けられた巻線51aと、コア50bに巻き付けられたインピーダンス制御用巻線59とを備えている。コア50a,50bは、互いに平行に、且つ近接した位置に配置されている。コア50a,50bは、図17中で破線で示したような開磁路を形成する。コア50aおよび巻線51aは、ノーマルモード用のラインチョークを構成する。巻線51aは、例えば電力線1の一方の導電線1aに直列に挿入される。巻線59は、コア50bにバイアス磁界を印加する。コア50a,50bとしては、圧粉コア、アモルファスコア、フェライトコア等を用いることができる。
【0113】
巻線59には、電流制御回路56が接続され、この電流制御回路56には電力線通信制御回路57が接続されている。電流制御回路56および電力線通信制御回路57の機能は第1の実施の形態と同様である。コア50b、巻線59および電流制御回路56は本発明における調整手段に対応する。コア50bは本発明における磁性体に対応する。巻線59は本発明におけるバイアス磁界印加手段およびバイアス磁界印加用巻線に対応する。
【0114】
図17に示したインピーダンス調整器5,6では、巻線59に流す電流の大きさを制御することによって、コア50bの磁気特性(磁気抵抗)を制御することができ、その結果、コア50aの磁気特性(透磁率)を制御することができる。このことから、図17に示したインピーダンス調整器5,6によれば、巻線59に流す電流の大きさを制御することによって、巻線51aのインピーダンスを制御することができる。また、図17に示したインピーダンス調整器5,6によれば、電力線1上のノーマルモードノイズを低減することができる。
【0115】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、インピーダンス調整器の適用例も含めて、第1の実施の形態と同様である。
【0116】
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、第2の実施の形態に係るインピーダンス調整器は、電力線1の各導電線1a,1bに1つずつ挿入してもよい。
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないしのいずれかに記載のインピーダンス調整器によれば、調整手段によってコアの磁気特性を変化させることによって、巻線のインピーダンスを調整するようにしたので、信号の周波数に応じて容易に信号の伝送路のインピーダンスを変えることが可能になるという効果を奏する。
【0118】
また、請求項2または3記載のインピーダンス調整器によれば、調整手段は、コアと共に磁路を形成する磁性体と、磁性体にバイアス磁界を印加するバイアス磁界印加手段とを有するので、バイアス磁界印加手段によって磁性体に印加するバイアス磁界を調整することにより、容易にコアの磁気特性を変化させることが可能になるという効果を奏する。
【0119】
また、請求項3記載のインピーダンス調整器によれば、バイアス磁界印加手段は、磁性体に巻き付けられたバイアス磁界印加用巻線を有するので、バイアス磁界印加用巻線に流す電流を調整することによって、容易にコアの磁気特性を変化させることが可能になるという効果を奏する。
【0120】
また、請求項1ないしのいずれかに記載のインピーダンス調整器によれば、巻線は、電力線通信が行われる電力線に挿入されるので、電力線通信が行われる電力線のラインインピーダンスを調整することが可能になるという効果を奏する。
【0121】
また、請求項1ないしのいずれかに記載のインピーダンス調整器によれば、調整手段は、電力線通信における信号の周波数の情報を取得し、周波数に応じて巻線のインピーダンスを調整するので、電力線通信における信号の周波数に応じて電力線のラインインピーダンスを調整することが可能になるという効果を奏する。
【0122】
また、請求項1ないし5のいずれかに記載のインピーダンス調整器によれば、調整手段は、周波数にかかわらずに巻線のインピーダンスが一定値に近づくように、巻線のインピーダンスを調整するので、周波数にかかわらずに電力線のラインインピーダンスを調整することが可能になるという効果を奏する。
【0123】
また、請求項記載のインピーダンス調整器によれば、コアは環状であり、巻線はコアと共にコモンモードチョークを構成する第1の巻線と第2の巻線を含むので、インピーダンスの調整と共にコモンモードノイズの低減が可能になるという効果を奏する。
【0124】
また、請求項記載のインピーダンス調整器によれば、コアおよび巻線はノーマルモード用のラインチョークを構成するので、インピーダンスの調整と共にノーマルモードノイズの低減が可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るインピーダンス調整器が適用される電力線通信ネットワークシステムの構成の一例を示す説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るインピーダンス調整器の基本的な構成部分を表した回路図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るインピーダンス調整器の構成を示す説明図である。
【図4】図3に示したインピーダンス調整器におけるギャップ制御部の平面図である。
【図5】ギャップの無いフェライトコアの磁束密度と磁界との関係を示す特性図である。
【図6】ギャップの無いフェライトコアを表す説明図である。
【図7】ギャップを有するフェライトコアを表す説明図である。
【図8】図3に示したインピーダンス調整器におけるコアのギャップにギャップ制御用コアが挿入されている状態を表す説明図である。
【図9】図3に示したインピーダンス調整器におけるコアの磁気特性を示す説明図である。
【図10】図3に示したインピーダンス調整器の作用を概念的に示す説明図である。
【図11】図1に示したネットワークシステムにおけるノイズフィルタの構成の一例を示すブロック図である。
【図12】図11における逆相信号発生回路の構成の一例を示す回路図である。
【図13】図1に示したネットワークシステムにおけるノイズフィルタの構成の他の例を示すブロック図である。
【図14】図1における分離部の構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係るインピーダンス調整器を電力線に挿入した状態を示す回路図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係るインピーダンス調整器の構成の第1の例を示す説明図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態に係るインピーダンス調整器の構成の第2の例を示す説明図である。
【図18】照明機器によってラインインピーダンスが低下する現象の一例を示す特性図である。
【符号の説明】
1…電力線、5,6…インピーダンス調整器、7,8…ノイズフィルタ、9…分離部、10…電力線通信領域、11,12…電力線通信装置、13,14…電力線通信端末、15,16…通信部、21,22…インピーダンス障害機器、23,24…通信部、31,32…ノイズ障害機器、33,34…通信部、41…家庭電気機器制御用通信装置、42…通信端末、50…コア、51a,51b…巻線、52…ギャップ、53…ギャップ制御部、54…ギャップ制御用コア、55…ギャップ制御用コイル、56…電流制御回路、57…電力線通信制御回路。

Claims (5)

  1. 磁性材料よりなるコアと、
    前記コアに巻き付けられた巻線と、
    前記コアの磁気特性を変化させることによって、前記巻線のインピーダンスを調整する調整手段とを備えたインピーダンス調整器であって、
    前記巻線は、電力線通信が行われる電力線に挿入され、
    前記調整手段は、電力線通信における信号の周波数の情報を取得し、前記周波数の情報に基づいて、前記周波数と前記コアの透磁率との積が一定値に近づくように前記コアの透磁率を制御することによって、前記周波数にかかわらずに前記巻線のインピーダンスが一定値に近づくように、前記巻線のインピーダンスを調整することを特徴とするインピーダンス調整器。
  2. 前記調整手段は、前記コアと共に磁路を形成する磁性体と、前記磁性体にバイアス磁界を印加するバイアス磁界印加手段とを有することを特徴とする請求項1記載のインピーダンス調整器。
  3. 前記バイアス磁界印加手段は、前記磁性体に巻き付けられたバイアス磁界印加用巻線を有することを特徴とする請求項2記載のインピーダンス調整器。
  4. 前記コアは環状であり、前記巻線は前記コアと共にコモンモードチョークを構成する第1の巻線と第2の巻線とを含むことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のインピーダンス調整器。
  5. 前記コアおよび前記巻線はノーマルモード用のラインチョークを構成することを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のインピーダンス調整器。
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