JP2002290267A - フロントエンドモジュール - Google Patents

フロントエンドモジュール

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JP2002290267A
JP2002290267A JP2001084666A JP2001084666A JP2002290267A JP 2002290267 A JP2002290267 A JP 2002290267A JP 2001084666 A JP2001084666 A JP 2001084666A JP 2001084666 A JP2001084666 A JP 2001084666A JP 2002290267 A JP2002290267 A JP 2002290267A
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air gap
transmission
resin
circuit
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JP2001084666A
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English (en)
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Minoru Takatani
稔 高谷
Toshiichi Endo
敏一 遠藤
Kazutoshi Tsuyutani
和俊 露谷
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数の通信方式に兼用される移動体通信機器の
フロントエンドモジュールにおいて、内部素子間のクロ
ストークを低減させ、減衰特性を向上させることが可能
となる構成のものを提供する。 【解決手段】スイッチ部17とダイプレクサ部7の各受
動素子を、導体と樹脂または樹脂にセラミックを混合し
た複合材料とからなる積層体8内に縦並びに分離して配
置する。スイッチ部17とダイプレクサ部7の受動素子
の間に空隙層18を介在させる。また、別の態様として
異なる通信方式の送受信系の受動素子を、導体と樹脂ま
たは樹脂にセラミックを混合した複合材料とからなる積
層体内に横並びに分離して配置する。そしてこれらの異
なる送受信系の受動素子の間に空隙部させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の通信方式に
兼用される携帯電話等の移動体通信機器において、送受
信回路とアンテナ部との間の回路を構成するフロントエ
ンドモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話において、特許第303117
8号公報には、単一の通信方式に用いられる携帯電話の
フロントエンドモジュールをセラミック積層体によって
構成する例として、送受信の切換え用スイッチ部とフィ
ルタ部とを1つの積層体内に構成した例が示されてい
る。
【0003】また、特許第2983016号公報には、
複数の通信方式を扱うマルチバンド方式のフロントエン
ドモジュールにおいて、ダイプレクサ部(分波回路)
と、送信回路、受信回路における通信方式の切換えのた
めのスイッチ部とを、1つのセラミック積層体内に構成
した例が開示されている。
【0004】いずれの積層体においても、スイッチ部や
フィルタ部あるいはダイプレクサ部のコンデンサを積層
体内に集中させて配置し、インダクタを積層方向の異な
る層に集中させて配置している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、従来の
フロントエンドモジュールにおいては、積層体内にダイ
プレクサ部(フィルタ部)とスイッチ部とを混在させて
いるので、コンデンサや伝送線路が非常に近接して配置
されることになる。そのため、コンデンサ電極や伝送線
路間の分布容量や電磁結合により、クロストークが発生
し、特定の周波数の信号のみを伝送するための減衰特性
が確保しにくいという問題点があった。このクロストー
クは、特に数ギガヘルツの高周波になると非常に小さな
容量でも特性に大きく効くため、少しでも減らす必要が
ある。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑み、複数の通信
方式に兼用される移動体通信機器のフロントエンドモジ
ュールにおいて、内部素子間のクロストークを低減さ
せ、減衰特性を向上させることが可能となる構成のもの
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1のフロントエン
ドモジュールは、異なる複数種類の通信方式に兼用され
る移動体通信機器に用いられるフロントエンドモジュー
ルであって、アンテナを該当する方式の送信回路、受信
回路に切換えるスイッチ部の受動素子と、該スイッチ部
とアンテナとの間に設けるダイプレクサ部の受動素子と
を、導体と樹脂または樹脂に誘電体粉末を混合した複合
材料とからなる積層体内に縦並びに分離して配置し、前
記スイッチ部と前記ダイプレクサ部の各受動素子の間に
空隙層を介在させたことを特徴とする。
【0008】このように、スイッチ部とダイプレクサ部
の各受動素子を縦ならびに(積層方向に)分離して配置
し、かつ両者間に空隙層を介在させれば、エアーギャッ
プ(空隙)は比誘電率が1であるから、スイッチ部とダ
イプレクサ部との間の容量結合によるクロストークが減
少し、減衰特性を改善することができる。また、エアー
ギャップ(空隙)により、高周波信号がグランドに漏れ
ることを防ぐことにより、挿入損失を押さえることがで
き、これらにより、ギガヘルツ帯域における高周波を扱
うフロントエンドモジュールとして好適なものが提供で
きる。
【0009】請求項2のフロントエンドモジュールは、
異なる複数種類の通信方式に兼用される移動体通信機器
に用いられるフロントエンドモジュールであって、異な
る通信方式の送受信系の受動素子を、導体と樹脂または
樹脂に誘電体粉末を混合した複合材料とからなる積層体
内に横並びに分離して配置し、これらの異なる送受信系
の受動素子の間に空隙部を介在させたことを特徴とす
る。
【0010】このように、異なる送受信系の受動素子を
横ならびに(積層面方向に)分離し、かつ両者間に空隙
部を介在させれば、エアーギャップ(空隙)は比誘電率
が1であるから、異なる送受信系間の容量結合が低減さ
れてアイソレーション効果を高め、減衰特性を改善する
ことができる。これにより、ギガヘルツ帯域における高
周波を扱うフロントエンドモジュールとして好適なもの
が提供できる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明のフロントエンドモ
ジュールの一実施の形態を示すブロック図である。本実
施の形態は、GSM方式(900MHz帯)とDCS方
式(1.8GHz帯)に兼用されるものを示す。図1に
おいて、1はフロントエンドモジュール、2はアンテ
ナ、T1、T5はそれぞれGSM方式の送信回路、受信回
路に接続される端子電極、T11、T7はそれぞれDCS
方式の送信回路、受信回路に接続される端子電極であ
る。矢印は各方式の信号の流れを示す。
【0012】3、4はそれぞれGSM方式、DCS方式
の送信信号中に含まれる高調波を除去するローパスフィ
ルタ、5はDCS方式の送受切換え用スイッチ部、6は
GSM方式の送受切換え用スイッチ部、7はDCS方式
の信号とGSM方式の信号を分離する分波回路として設
けられたダイプレクサ部である。
【0013】図2は前記フロントエンドモジュール1の
回路構成を説明する回路図である。図2において、T1
〜T11は後述の積層体8(図3参照)の外側に設けら
れる端子電極である。端子電極T9はアンテナへの端子
電極であり、インダクタL1、L2、L11とコンデン
サC1、C11、C12は分波回路である前記ダイプレ
クサ部7を構成する。インダクタL1とコンデンサC1
から端子電極T11に至る側の回路(図面上、右側の回
路)がDCS方式に対応する回路である。インダクタL
11とコンデンサC11から端子電極T1に至る回路
(図面上、左側の回路)がGSM方式に対応する回路で
ある。
【0014】右側のDCS方式に対応する回路におい
て、T11はDCS方式の送信回路に接続される端子電
極である。T7はDCS方式の受信回路に接続される端
子電極である。T8、T10はDCS方式の送受切換え
を行うための制御信号を加える端子電極である。インダ
クタL6とコンデンサC6〜C8は前記ローパスフィル
タ3を構成する。ダイオードD1、D2と、インダクタ
L3〜L5と、コンデンサC2〜C5、C9は送受信切
換えスイッチ部5を構成する。
【0015】また、左側のGSM方式に対応する回路に
おいて、T1はGSM方式の送信回路に接続される端子
電極である。T5はGSM方式の受信回路に接続される
端子電極である。T2、T4はGSM方式の送受切り換
えを行うための制御信号を加える端子電極である。イン
ダクタL14とコンデンサC17〜C19はローパスフ
ィルタ4を構成する。また、ダイオードD11、D12
とインダクタL12、L13とコンデンサC13〜C1
6は送受信切換えスイッチ部6を構成する。
【0016】このように構成されたスイッチ部6(5)
を用いて送信を行う場合、端子電極T2(T10)に正
のバイアス電圧を印加し、端子電極T4(T8)には負
のバイアス電圧を印加する。この電圧は、ダイオードD
11(D1)、D12(D2)に対し、順方向のバイア
ス電圧として働くために、ダイオードD11(D1)、
D12(D2)をオンにする。このとき、コンデンサC
13〜C16、C18、C19(C2〜C4、C7〜C
9)によって直流分がカットされ、ダイオードD11
(D1)、D12(D2)を含む回路にのみ端子電極T
2(T10)、T4(T8)に加えられた電圧が印加さ
れる。
【0017】従って、インダクタL12(L4)がダイ
オードD12(D2)により接地されて送信周波数で共
振し、インピーダンスがほぼ無限大となるため、送信回
路の端子電極T1(T11)からの送信信号は、受信回
路の端子電極T5(T7)側にはほとんど伝送されるこ
となくダイオードD11(D1)を経てダイプレクサ部
7に伝送される。なお、インダクタL13(L5)はコ
ンデンサC16(C9)を介して接地されているため、
送信周波数で共振し、インピーダンスがほぼ無限大とな
り、送信信号がアース側へ漏れることを防止している。
【0018】一方、受信時には、端子電極T2(T1
0)に負のバイアス電圧を印加し、端子電極T4(T
8)に正のバイアス電圧を印加する。この電圧は、ダイ
オードD11(D1)、D12(D2)に対し逆方向の
バイアス電圧として働くため、ダイオードD11(D
1)、D12(D2)はオフ状態となり、アンテナ2か
らの受信信号は、インダクタL12(L4)を経て受信
側端子電極T5(T7)へと伝送され、送信側端子電極
T1(T11)にはほとんど伝送されない。
【0019】このように、高周波スイッチ部6(5)は
端子電極T2(T10)、T4(T8)に印加するバイ
アス電圧をコントロールすることにより、信号の送受信
の切り換えを行うことができる。
【0020】なお、インダクタL3とコンデンサC5の
直列回路は、コンデンサC5とオフ時のダイオードD1
との合成静電容量と、インダクタL3の値とで共振する
並列共振回路を構成し、かつその共振周波数を受信信号
の周波数と一致させた周波数で共振させることにより、
ダイオードD1のオフ時のインダクタL3との接続点の
インピーダンスを増加させ、挿入損失や反射損失を低減
させるのに用いられる。
【0021】また、アンテナ2に接続されるダイプレク
サ部7は、通過帯域の異なる第一の送受信系(GSM)
と第二の送受信系(DCS)の2つの受信系を分波する
分波回路である。ダイプレクサは2つのノッチ回路が主
回路となっている。つまり、インダクタL11とコンデ
ンサC11で1つのノッチ回路を構成し、インダクタL
1とコンデンサC1とでもう1つのノッチ回路を構成し
ている。
【0022】そして、一方のノッチ回路は、コンデンサ
C12とコンデンサC15を介して接地している。この
2つのコンデンサC12、C15は、分波特性のローパ
スフィルタ特性を向上させる目的で設けられている。
【0023】他方のノッチ回路は、直列に接続されたイ
ンダクタL2とコンデンサC4を介して接地している。
これのインダクタL2とコンデンサC4は、分波特性の
ハイパスフィルタ特性を向上させる目的で設けられてい
る。
【0024】図3は本発明によるフロントエンドモジュ
ールの一実施の形態を示す断面図である。図4は該フロ
ントエンドモジュールの層構造図である。該フロントエ
ンドモジュールは、積層体(ベース基板)8と、該積層
体8上に搭載した前記ダイオードD1、D2、D11、
D12や抵抗R1、R11等の搭載部品19とからな
る。
【0025】積層体8は、ガラスクロスを埋設した樹脂
または樹脂に誘電体粉末を混合した(必要に応じて磁性
体粉末をさらに混合する)低誘電率層9a〜9gと、ガ
ラスクロスを埋設した樹脂または樹脂に誘電体粉末を混
合した(必要に応じて磁性体粉末をさらに混合する)高
誘電率層10a〜10cとを、各層間にインダクタ導体
11、14やコンデンサ電極12、15を形成して一体
に積層してなる。16は積層体8の底面に形成したグラ
ンド電極である。
【0026】該積層体8は、上層にダイプレクサ部7を
構成し、下層にローパスフィルタ3、4を含むスイッチ
部5、6となる部分(以下スイッチ部と称す)17を構
成する。これらの部分7、17において形成される受動
素子は図2に示したコンデンサC1〜C19、インダク
タL1〜L14である。前記ダイプレクサ部7とスイッ
チ部7との間にエアーギャップ(空隙)18を形成す
る。図4に示すように、本例の該エアーギャップ(空
隙)18は、積層面方向に拡がる低誘電率層9cに打抜
き等により形成し、他の隣接層間に介在させることによ
り形成している。
【0027】このように、ダイプレクサ部7とスイッチ
部17とを積層方向に分離配置すると共に、両者間にエ
アーギャップ(空隙)18を介在させて容量結合を低減
する。また、最上層は低誘電率層9aを形成してダイプ
レクサ部7と搭載部品19や導体パターンとの容量結合
を低減する。また、インダクタ導体14の上下層は低誘
電率層9e〜9gとしてコンデンサ電極15やグランド
電極16との容量結合を低減する。
【0028】前記低誘電率層9a〜9gには、好ましく
は比誘電率が2.5〜5.0のものを用いる。また、高
誘電率層10a〜10cには好ましくは比誘電率が1
5.0〜30.0のものを用いる。本実施の形態におい
ては、低誘電率層9a〜9gには、難燃剤を混合しかつ
ガラスクロスを埋設したビニルベンジル樹脂で比誘電率
が3.5で厚みが100μmのものを用いた。また、高
誘電率層10a〜10cにはチタン酸バリウムでなる誘
電率粉末および難燃剤を混合しかつガラスクロスを埋設
したエポキシ樹脂で比誘電率が20で厚みが60μmの
ものを用いた。
【0029】なお、誘電体粉末を含む樹脂からなる複合
材料としては、樹脂に誘電体粉末とトルエン等の溶剤を
加えて混練してペースト化したものあるいはシート状に
したものを用いる。樹脂としては、上記のもののほか、
フェノール樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT
レジン)、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)等が
用いられる。また、これらの樹脂に混合する誘電体粉末
としては、上記のほか、例えばCaTiO系、SrT
iO系、BaTiO−BaZrO系、BaO−T
iO−Nd系、BaO−4TiO系等のセラ
ミック誘電体粉末や、誘電体単結晶粉末、誘電体皮膜を
有する金属粉末等が用いられる。勿論本発明において用
いる誘電体粉末、樹脂はこれらの材質のものに限定され
ない。
【0030】この積層体は、前記複合材料でなるプリプ
レグに銅箔を貼着け、半硬化させて複数個の積層体分の
導体パターンが形成されるようにエッチングした後、次
に新たにプリプレグ、銅箔を貼着けてエッチングすると
いう工程を繰り返すか、あるいはガラスクロスを用いな
いビルドアップ工法や導体形成に厚膜印刷工法や薄膜形
成方法を用いることができる。本例の積層体8のサイズ
は、高さ2mmで、縦横の寸法が5mm×7mmであ
る。
【0031】前記エアーギャップ(空隙)18の形成方
法としては、図4に示すように、低誘電率層9cとなる
(空隙)18が埋まらないように調整して熱プレスする
ことで一体化させる方法がある。
【0032】また、エアーギャップ(空隙)18の別の
形成方法として、エアーギャップ(空隙)18を形成し
たコア基板(9cとなる低誘電率層)と低誘電率層9b
および9dとの間に接着シートを介在させてこれらの層
を互いに接着する方法も採用できる。
【0033】また、エアーギャップ(空隙)18の別の
形成方法として、予めエアーギャップ(空隙)となる低
誘電率層9cをエアーギャップ(空隙)18なしで積層
し硬化させておき、エアーギャップ(空隙)となる部分
にドリルもしくはレーザにより孔を連続させたような孔
を開けてエアーギャップ(空隙)を形成することができ
る。この場合は、積層体8の一方の側面から他方の側面
に貫通した孔、または非貫通の孔によりエアーギャップ
(空隙)を形成することになる。
【0034】このように、スイッチ部17の受動素子と
ダイプレクサ部7の受動素子とを縦並びに(積層方向
に)分離して配置し、かつ両者間に空隙層18を介在さ
せれはエアーギャップ(空隙)18は比誘電率が1であ
るから、スイッチ部17とダイプレクサ部7との間のク
ロストークが減少し、減衰特性を改善することができ
る。また、エアーギャップ(空隙)18により、高周波
信号がグランド16に漏れることを防ぐことにより、挿
入損失を押さえることができ、これらにより、GHz帯
域における高周波を扱うフロントエンドモジュールとし
て好適なものが提供できる。
【0035】図5は本発明のフロントエンドモジュール
の他の実施の形態を示す断面図、図6はその層構造を示
す平面図である。本実施の形態においては、異なる通信
方式であるGSM方式とDCS方式の送受信系の受動素
子を、図5、図6の図面上左側がGSM方式の領域3
0、右側がDCS方式の領域31となるように、積層体
20内に横並びに(積層面方向に)分離して配置し、こ
れらの領域間に、積層方向に設けた空隙部18を介在さ
せたものである。
【0036】本実施の形態においても、積層体20は、
インダクタ導体23、26あるいはコンデンサ電極2
4、27となる導体と、樹脂または樹脂に誘電体粉末を
混合した複合材料でなる絶縁体層(21a〜21fは低
誘電率層、22a〜22eは高誘電率層)とからなる。
この場合も、低誘電率層21a〜21f、高誘電率層2
2a〜22eの一部または全部に磁性体粉末を混合して
インダクタのインダクタンスを高めることもある。19
は積層体20に搭載した半導体素子または受動素子から
なる搭載部品である。28は積層体20の底面に形成し
たグランド電極である。
【0037】本実施の形態の積層体20は、図6に示す
ように、最上下層またはさらにその近傍層以外の内部の
各層にレーザ、ドリル、パンチ等により孔18a〜18
iを開けておき、これらを積層して熱プレスにより一体
化することにより、積層方向に連続するエアーギャップ
(空隙)18を形成している。なお、このエアーギャッ
プ(空隙)18は、上下に貫通して設けてもよく、ま
た、積層して一体化した後に、レーザ、ドリル、パンチ
等により積層方向に貫通したまたは非貫通のエアーギャ
ップ(空隙)を設けてもよい。
【0038】このように、異なる送受信系(GSM、D
CS)の受動素子を横ならびに分離して配置し、両者間
に空隙部18を介在させれば、エアーギャップ(空隙)
18は比誘電率が1であるから、異なる送受信系間のア
イソレーション効果を高め、減衰特性を改善することが
できる。
【0039】本発明は、2ギガヘルツを超える周波数領
域で使用される移動体通信機器のフロントエンドモジュ
ールにも好適に利用できる。また、GSM、DCS、P
CS方式の3つの異なる通信方式を取り扱うフロントエ
ンドモジュールにも適用することができる。
【0040】
【発明の効果】請求項1によれば、スイッチ部とダイプ
レクサ部の受動素子を縦並びに分離して配置し、かつ両
者間に空隙層を介在させたので、スイッチ部とダイプレ
クサ部との間のクロストークが減少し、減衰特性を改善
することができる。また、エアーギャップ(空隙)によ
り、高周波信号がグランドに漏れることを防ぐことによ
り、挿入損失を押さえることができ、これらにより、ギ
ガヘルツ帯域における高周波を扱うフロントエンドモジ
ュールとして好適なものが提供できる。
【0041】請求項2によれば、異なる通信方式の送受
信系の受動素子を、導体と樹脂または樹脂にセラミック
を混合した複合材料とからなる積層体内に横並びに分離
して配置し、これらの異なる送受信系の受動素子の間
に、積層方向に形成されたエアーギャップを介在させた
ので、異なる送受信系間のアイソレーション効果を高
め、減衰特性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフロントエンドモジュールの一実施の
形態を示すブロック図である。
【図2】図1のフロントエンドモジュールの回路図であ
る。
【図3】本発明のフロントエンドモジュールの一実施の
形態を示す断面図である。
【図4】図3のフロントエンドモジュールの層構造を示
す斜視図である。
【図5】本発明のフロントエンドモジュールの他の実施
の形態を示す断面図である。
【図6】図5のフロントエンドモジュールの各層の配置
を示す平面図である。
【符号の説明】
1:フロントエンドモジュール、2:アンテナ、3、
4:ローパスフィルタ、5、6:スイッチ部、7:ダイ
プレクサ部、8:積層体、9a〜9g:低誘電率層、1
0a〜10c:高誘電率層、11、14:インダクタ導
体、12、15:コンデンサ電極、16:グランド電
極、17:スイッチ部、18:エアーギャップ(空隙
層、空隙部)、19:搭載部品、20:積層体、21a
〜21f:低誘電率層、22a〜22e:高誘電率層、
23、26:インダクタ導体、24、27:コンデンサ
電極、28:グランド電極、30:GSM領域、31:
DCS領域
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年3月25日(2002.3.2
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 フロントエンドモジュール
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の通信方式に
兼用される携帯電話等の移動体通信機器において、送受
信回路とアンテナ部との間の回路を構成するフロントエ
ンドモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話において、特許第303117
8号公報には、単一の通信方式に用いられる携帯電話の
フロントエンドモジュールをセラミック積層体によって
構成する例として、送受信の切換え用スイッチ部とフィ
ルタ部とを1つの積層体内に構成した例が示されてい
る。
【0003】また、特許第2983016号公報には、
複数の通信方式を扱うマルチバンド方式のフロントエン
ドモジュールにおいて、ダイプレクサ部(分波回路)
と、送信回路、受信回路における通信方式の切換えのた
めのスイッチ部とを、1つのセラミック積層体内に構成
した例が開示されている。
【0004】いずれの積層体においても、スイッチ部や
フィルタ部あるいはダイプレクサ部のコンデンサを積層
体内に集中させて配置し、インダクタを積層方向の異な
る層に集中させて配置している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、従来の
フロントエンドモジュールにおいては、積層体内にダイ
プレクサ部(フィルタ部)とスイッチ部とを混在させて
いるので、コンデンサや伝送線路が非常に近接して配置
されることになる。そのため、コンデンサ電極や伝送線
路間の分布容量や電磁結合により、クロストークが発生
し、特定の周波数の信号のみを伝送するための減衰特性
が確保しにくいという問題点があった。このクロストー
クは、特に数ギガヘルツの高周波になると非常に小さな
容量でも特性に大きく効くため、少しでも減らす必要が
ある。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑み、複数の通信
方式に兼用される移動体通信機器のフロントエンドモジ
ュールにおいて、内部素子間のクロストークを低減さ
せ、減衰特性を向上させることが可能となる構成のもの
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のフロントエンド
モジュールは、異なる複数種類の通信方式に兼用される
移動体通信機器に用いられるフロントエンドモジュール
であって、アンテナを該当する方式の送信回路、受信回
路に切換えるスイッチ部の受動素子と、該スイッチ部と
アンテナとの間に設けるダイプレクサ部の受動素子
、導体と樹脂または樹脂に誘電体粉末を混合した複合
材料とからなる積層体内に縦並びに分離して配置し、前
記スイッチ部と前記ダイプレクサ部との各受動素子の間
に空隙層を介在させたことを特徴とする。
【0008】このように、スイッチ部とダイプレクサ部
の各受動素子を縦ならびに(積層方向に)分離して配置
し、かつ両者間に空隙層を介在させれば、エアーギャッ
プ(空隙)は比誘電率が1であるから、スイッチ部とダ
イプレクサ部との間の容量結合によるクロストークが減
少し、減衰特性を改善することができる。また、エアー
ギャップ(空隙)により、高周波信号がグランドに漏れ
ることを防ぐことにより、挿入損失を抑えることがで
き、これらにより、ギガヘルツ帯域における高周波を扱
うフロントエンドモジュールとして好適なものが提供で
きる。
【0009】また、本発明のフロントエンドモジュール
は、異なる複数種類の通信方式に兼用される移動体通信
機器に用いられるフロントエンドモジュールであって、
異なる通信方式の送受信系の受動素子を、導体と樹脂ま
たは樹脂に誘電体粉末を混合した複合材料とからなる積
層体内に横並びに分離して配置し、これらの異なる送受
信系の受動素子の間に空隙部を介在させたことを特徴と
する。
【0010】このように、異なる送受信系の受動素子を
横ならびに(積層面方向に)分離し、かつ両者間に空隙
部を介在させれば、エアーギャップ(空隙)は比誘電率
が1であるから、異なる送受信系間の容量結合が低減さ
れてアイソレーション効果を高め、減衰特性を改善する
ことができる。これにより、ギガヘルツ帯域における高
周波を扱うフロントエンドモジュールとして好適なもの
が提供できる。
【0011】また、本発明のフロントエンドモジュール
は、異なる複数種類の通信方式に兼用される移動体通信
機器に用いられるフロントエンドモジュールであって、
アンテナを該当する方式の送信回路、受信回路に切換え
るスイッチ部の受動素子と、該スイッチ部とアンテナと
の間に設けるダイプレクサ部の受動素子とを、導体と樹
脂または樹脂に誘電体粉末を混合した複合材料とからな
る積層体内に縦並びに分離して配置し、前記スイッチ部
と前記ダイプレクサ部との各受動素子の間に空隙層を介
在させ、かつ、異なる通信方式の送受信系の受動素子
を、積層体内に横並びに分離して配置し、これらの異な
る送受信系の受動素子の間に空隙部を介在させたことを
特徴とする。
【0012】また、本発明のフロントエンドモジュール
は、前記樹脂が、ビニルベンジル樹脂、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリ
フェニレンエーテル樹脂のうちの一種以上のものからな
り、かつこれらの樹脂に混合する誘電体粉末が、BaT
iO系、CaTiO系、SrTiO系、BaTi
−BaZrO系、BaO−TiO−Nd
系、BaO−4TiO系等のセラミック誘電体粉末、
誘電体単結晶粉末、誘電体皮膜を有する金属粉末のうち
の一種以上のものからなることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明のフロントエンドモ
ジュールの一実施の形態を示すブロック図である。本実
施の形態は、GSM方式(900MHz帯)とDCS方
式(1.8GHz帯)に兼用されるものを示す。図1に
おいて、1はフロントエンドモジュール、2はアンテ
ナ、T1、T5はそれぞれGSM方式の送信回路、受信回
路に接続される端子電極、T11、T7はそれぞれDCS
方式の送信回路、受信回路に接続される端子電極であ
る。矢印は各方式の信号の流れを示す。
【0014】3、4はそれぞれGSM方式、DCS方式
の送信信号中に含まれる高調波を除去するローパスフィ
ルタ、5はDCS方式の送受切換え用スイッチ部、6は
GSM方式の送受切換え用スイッチ部、7はDCS方式
の信号とGSM方式の信号を分離する分波回路として設
けられたダイプレクサ部である。
【0015】図2は前記フロントエンドモジュール1の
回路構成を説明する回路図である。図2において、T1
〜T11は後述の積層体8(図3参照)の外側に設けら
れる端子電極である。端子電極T9はアンテナへの端子
電極であり、インダクタL1、L2、L11とコンデン
サC1、C11、C12は分波回路である前記ダイプレ
クサ部7を構成する。インダクタL1とコンデンサC1
から端子電極T11に至る側の回路(図面上、右側の回
路)がDCS方式に対応する回路である。インダクタL
11とコンデンサC11から端子電極T1に至る回路
(図面上、左側の回路)がGSM方式に対応する回路で
ある。
【0016】右側のDCS方式に対応する回路におい
て、T11はDCS方式の送信回路に接続される端子電
極である。T7はDCS方式の受信回路に接続される端
子電極である。T8、T10はDCS方式の送受切換え
を行うための制御信号を加える端子電極である。インダ
クタL6とコンデンサC6〜C8は前記ローパスフィル
タ3を構成する。ダイオードD1、D2と、インダクタ
L3〜L5と、コンデンサC2〜C5、C9は送受信切
換えスイッチ部5を構成する。
【0017】また、左側のGSM方式に対応する回路に
おいて、T1はGSM方式の送信回路に接続される端子
電極である。T5はGSM方式の受信回路に接続される
端子電極である。T2、T4はGSM方式の送受切り換
えを行うための制御信号を加える端子電極である。イン
ダクタL14とコンデンサC17〜C19はローパスフ
ィルタ4を構成する。また、ダイオードD11、D12
とインダクタL12、L13とコンデンサC13〜C1
6は送受信切換えスイッチ部6を構成する。
【0018】このように構成されたスイッチ部6(5)
を用いて送信を行う場合、端子電極T2(T10)に正
のバイアス電圧を印加し、端子電極T4(T8)には負
のバイアス電圧を印加する。この電圧は、ダイオードD
11(D1)、D12(D2)に対し、順方向のバイア
ス電圧として働くために、ダイオードD11(D1)、
D12(D2)をオンにする。このとき、コンデンサC
13〜C16、C18、C19(C2〜C4、C7〜C
9)によって直流分がカットされ、ダイオードD11
(D1)、D12(D2)を含む回路にのみ端子電極T
2(T10)、T4(T8)に加えられた電圧が印加さ
れる。
【0019】従って、インダクタL12(L4)がダイ
オードD12(D2)により接地されて送信周波数で共
振し、インピーダンスがほぼ無限大となるため、送信回
路の端子電極T1(T11)からの送信信号は、受信回
路の端子電極T5(T7)側にはほとんど伝送されるこ
となくダイオードD11(D1)を経てダイプレクサ部
7に伝送される。なお、インダクタL13(L5)はコ
ンデンサC16(C9)を介して接地されているため、
送信周波数で共振し、インピーダンスがほぼ無限大とな
り、送信信号がアース側へ漏れることを防止している。
【0020】一方、受信時には、端子電極T2(T1
0)に負のバイアス電圧を印加し、端子電極T4(T
8)に正のバイアス電圧を印加する。この電圧は、ダイ
オードD11(D1)、D12(D2)に対し逆方向の
バイアス電圧として働くため、ダイオードD11(D
1)、D12(D2)はオフ状態となり、アンテナ2か
らの受信信号は、インダクタL12(L4)を経て受信
側端子電極T5(T7)へと伝送され、送信側端子電極
T1(T11)にはほとんど伝送されない。
【0021】このように、高周波スイッチ部6(5)は
端子電極T2(T10)、T4(T8)に印加するバイ
アス電圧をコントロールすることにより、信号の送受信
の切り換えを行うことができる。
【0022】なお、インダクタL3とコンデンサC5の
直列回路は、コンデンサC5とオフ時のダイオードD1
との合成静電容量と、インダクタL3の値とで共振する
並列共振回路を構成し、かつその共振周波数を受信信号
の周波数と一致させた周波数で共振させることにより、
ダイオードD1のオフ時のインダクタL3との接続点の
インピーダンスを増加させ、挿入損失や反射損失を低減
させるのに用いられる。
【0023】また、アンテナ2に接続されるダイプレク
サ部7は、通過帯域の異なる第一の送受信系(GSM)
と第二の送受信系(DCS)の2つの受信系を分波する
分波回路である。ダイプレクサは2つのノッチ回路が主
回路となっている。つまり、インダクタL11とコンデ
ンサC11で1つのノッチ回路を構成し、インダクタL
1とコンデンサC1とでもう1つのノッチ回路を構成し
ている。
【0024】そして、一方のノッチ回路は、コンデンサ
C12とコンデンサC15を介して接地している。この
2つのコンデンサC12、C15は、分波特性のローパ
スフィルタ特性を向上させる目的で設けられている。
【0025】他方のノッチ回路は、直列に接続されたイ
ンダクタL2とコンデンサC4を介して接地している。
これのインダクタL2とコンデンサC4は、分波特性の
ハイパスフィルタ特性を向上させる目的で設けられてい
る。
【0026】図3は本発明によるフロントエンドモジュ
ールの一実施の形態を示す断面図である。図4は該フロ
ントエンドモジュールの層構造図である。該フロントエ
ンドモジュールは、積層体(ベース基板)8と、該積層
体8上に搭載した前記ダイオードD1、D2、D11、
D12や抵抗R1、R11等の搭載部品19とからな
る。
【0027】積層体8は、ガラスクロスを埋設した樹脂
または樹脂に誘電体粉末を混合した(必要に応じて磁性
体粉末をさらに混合する)低誘電率層9a〜9gと、ガ
ラスクロスを埋設した樹脂または樹脂に誘電体粉末を混
合した(必要に応じて磁性体粉末をさらに混合する)高
誘電率層10a〜10cとを、各層間にインダクタ導体
11、14やコンデンサ電極12、15を形成して一体
に積層してなる。16は積層体8の底面に形成したグラ
ンド電極である。
【0028】該積層体8は、上層にダイプレクサ部7を
構成し、下層にローパスフィルタ3、4を含むスイッチ
部5、6となる部分(以下スイッチ部と称す)17を構
成する。これらの部分7、17において形成される受動
素子は図2に示したコンデンサC1〜C19、インダク
タL1〜L14である。前記ダイプレクサ部7とスイッ
チ部7との間にエアーギャップ(空隙)18を形成す
る。図4に示すように、本例の該エアーギャップ(空
隙)18は、積層面方向に拡がる低誘電率層9cに打抜
き等により形成し、他の隣接層間に介在させることによ
り形成している。
【0029】このように、ダイプレクサ部7とスイッチ
部17とを積層方向に分離配置すると共に、両者間にエ
アーギャップ(空隙)18を介在させて容量結合を低減
する。また、最上層は低誘電率層9aを形成してダイプ
レクサ部7と搭載部品19や導体パターンとの容量結合
を低減する。また、インダクタ導体14の上下層は低誘
電率層9e〜9gとしてコンデンサ電極15やグランド
電極16との容量結合を低減する。
【0030】前記低誘電率層9a〜9gには、好ましく
は比誘電率が2.5〜5.0のものを用いる。また、高
誘電率層10a〜10cには好ましくは比誘電率が1
5.0〜30.0のものを用いる。本実施の形態におい
ては、低誘電率層9a〜9gには、難燃剤を混合しかつ
ガラスクロスを埋設したビニルベンジル樹脂で比誘電率
が3.5で厚みが100μmのものを用いた。また、高
誘電率層10a〜10cにはチタン酸バリウムでなる
電体粉末および難燃剤を混合しかつガラスクロスを埋設
したエポキシ樹脂で比誘電率が20で厚みが60μmの
ものを用いた。
【0031】なお、誘電体粉末を含む樹脂からなる複合
材料としては、樹脂に誘電体粉末とトルエン等の溶剤を
加えて混練してペースト化したものあるいはシート状に
したものを用いる。樹脂としては、上記のもののほか、
フェノール樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT
レジン)、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)等が
用いられる。また、これらの樹脂に混合する誘電体粉末
としては、上記のほか、例えばCaTiO系、SrT
iO系、BaTiO−BaZrO系、BaO−T
iO−Nd系、BaO−4TiO系等のセラ
ミック誘電体粉末や、誘電体単結晶粉末、誘電体皮膜を
有する金属粉末等が用いられる。勿論本発明において用
いる誘電体粉末、樹脂はこれらの材質のものに限定され
ない。
【0032】この積層体は、前記複合材料でなるプリプ
レグに銅箔を貼着け、半硬化させて複数個の積層体分の
導体パターンが形成されるようにエッチングした後、次
に新たにプリプレグ、銅箔を貼着けてエッチングすると
いう工程を繰り返すか、あるいはガラスクロスを用いな
いビルドアップ工法や導体形成に厚膜印刷工法や薄膜形
成方法を用いることができる。本例の積層体8のサイズ
は、高さ2mmで、縦横の寸法が5mm×7mmであ
る。
【0033】前記エアーギャップ(空隙)18の形成方
法としては、図4に示すように、低誘電率層9cとなる
(空隙)18が埋まらないように調整して熱プレスする
ことで一体化させる方法がある。
【0034】また、エアーギャップ(空隙)18の別の
形成方法として、エアーギャップ(空隙)18を形成し
たコア基板(9cとなる低誘電率層)と低誘電率層9b
および9dとの間に接着シートを介在させてこれらの層
を互いに接着する方法も採用できる。
【0035】また、エアーギャップ(空隙)18の別の
形成方法として、予めエアーギャップ(空隙)となる低
誘電率層9cをエアーギャップ(空隙)18なしで積層
し硬化させておき、エアーギャップ(空隙)となる部分
にドリルもしくはレーザにより孔を連続させたような孔
を開けてエアーギャップ(空隙)を形成することができ
る。この場合は、積層体8の一方の側面から他方の側面
に貫通した孔、または非貫通の孔によりエアーギャップ
(空隙)を形成することになる。
【0036】このように、スイッチ部17の受動素子と
ダイプレクサ部7の受動素子とを縦並びに(積層方向
に)分離して配置し、かつ両者間に空隙層18を介在さ
せれはエアーギャップ(空隙)18は比誘電率が1であ
るから、スイッチ部17とダイプレクサ部7との間のク
ロストークが減少し、減衰特性を改善することができ
る。また、エアーギャップ(空隙)18により、高周波
信号がグランド16に漏れることを防ぐことにより、挿
入損失を抑えることができ、これらにより、GHz帯域
における高周波を扱うフロントエンドモジュールとして
好適なものが提供できる。
【0037】図5は本発明のフロントエンドモジュール
の他の実施の形態を示す断面図、図6はその層構造を示
す平面図である。本実施の形態においては、異なる通信
方式であるGSM方式とDCS方式の送受信系の受動素
子を、図5、図6の図面上左側がGSM方式の領域3
0、右側がDCS方式の領域31となるように、積層体
20内に横並びに(積層面方向に)分離して配置し、こ
れらの領域間に、積層方向に設けた空隙部18を介在さ
せたものである。
【0038】本実施の形態においても、積層体20は、
インダクタ導体23、26あるいはコンデンサ電極2
4、27となる導体と、樹脂または樹脂に誘電体粉末を
混合した複合材料でなる絶縁体層(21a〜21fは低
誘電率層、22a〜22eは高誘電率層)とからなる。
この場合も、低誘電率層21a〜21f、高誘電率層2
2a〜22eの一部または全部に磁性体粉末を混合して
インダクタのインダクタンスを高めることもある。19
は積層体20に搭載した半導体素子または受動素子から
なる搭載部品である。28は積層体20の底面に形成し
たグランド電極である。
【0039】本実施の形態の積層体20は、図6に示す
ように、最上下層またはさらにその近傍層以外の内部の
各層にレーザ、ドリル、パンチ等により孔18a〜18
iを開けておき、これらを積層して熱プレスにより一体
化することにより、積層方向に連続するエアーギャップ
(空隙)18を形成している。なお、このエアーギャッ
プ(空隙)18は、上下に貫通して設けてもよく、ま
た、積層して一体化した後に、レーザ、ドリル、パンチ
等により積層方向に貫通したまたは非貫通のエアーギャ
ップ(空隙)を設けてもよい。
【0040】このように、異なる送受信系(GSM、D
CS)の受動素子を横ならびに分離して配置し、両者間
に空隙部18を介在させれば、エアーギャップ(空隙)
18は比誘電率が1であるから、異なる送受信系間のア
イソレーション効果を高め、減衰特性を改善することが
できる。
【0041】本発明は、2ギガヘルツを超える周波数領
域で使用される移動体通信機器のフロントエンドモジュ
ールにも好適に利用できる。また、GSM、DCS、P
CS方式の3つの異なる通信方式を取り扱うフロントエ
ンドモジュールにも適用することができる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、スイッチ部とダイプレ
クサ部の受動素子を縦並びに分離して配置し、かつ両者
間に空隙層を介在させたので、スイッチ部とダイプレク
サ部との間のクロストークが減少し、減衰特性を改善す
ることができる。また、エアーギャップ(空隙)によ
り、高周波信号がグランドに漏れることを防ぐことによ
り、挿入損失を抑えることができ、これらにより、ギガ
ヘルツ帯域における高周波を扱うフロントエンドモジュ
ールとして好適なものが提供できる。
【0043】また、異なる通信方式の送受信系の受動素
子を、導体と樹脂または樹脂にセラミックを混合した複
合材料とからなる積層体内に横並びに分離して配置し、
これらの異なる送受信系の受動素子の間に、積層方向に
形成されたエアーギャップを介在させたので、異なる送
受信系間のアイソレーション効果を高め、減衰特性を改
善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフロントエンドモジュールの一実施の
形態を示すブロック図である。
【図2】図1のフロントエンドモジュールの回路図であ
る。
【図3】本発明のフロントエンドモジュールの一実施の
形態を示す断面図である。
【図4】図3のフロントエンドモジュールの層構造を示
す斜視図である。
【図5】本発明のフロントエンドモジュールの他の実施
の形態を示す断面図である。
【図6】図5のフロントエンドモジュールの各層の配置
を示す平面図である。
【符号の説明】 1:フロントエンドモジュール、2:アンテナ、3、
4:ローパスフィルタ、5、6:スイッチ部、7:ダイ
プレクサ部、8:積層体、9a〜9g:低誘電率層、1
0a〜10c:高誘電率層、11、14:インダクタ導
体、12、15:コンデンサ電極、16:グランド電
極、17:スイッチ部、18:エアーギャップ(空隙
層、空隙部)、19:搭載部品、20:積層体、21a
〜21f:低誘電率層、22a〜22e:高誘電率層、
23、26:インダクタ導体、24、27:コンデンサ
電極、28:グランド電極、30:GSM領域、31:
DCS領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 露谷 和俊 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5J012 BA03 BA04 5K011 AA06 DA02 FA01 GA05 GA06 JA01 KA05 KA13

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異なる複数種類の通信方式に兼用される移
    動体通信機器に用いられるフロントエンドモジュールで
    あって、 アンテナを該当する方式の送信回路、受信回路に切換え
    るスイッチ部の受動素子と、該スイッチ部とアンテナと
    の間に設けるダイプレクサ部の受動素子を、導体と樹脂
    または樹脂に誘電体粉末を混合した複合材料とからなる
    積層体内に縦並びに分離して配置し、 前記スイッチ部と前記ダイプレクサ部の各受動素子の間
    に空隙層を介在させたことを特徴とするフロントエンド
    モジュール。
  2. 【請求項2】異なる複数種類の通信方式に兼用される移
    動体通信機器に用いられるフロントエンドモジュールで
    あって、 異なる通信方式の送受信系の受動素子を、導体と樹脂ま
    たは樹脂に誘電体粉末を混合した複合材料とからなる積
    層体内に横並びに分離して配置し、 これらの異なる送受信系の受動素子の間に空隙部を介在
    させたことを特徴とするフロントエンドモジュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012004305A (ja) * 2010-06-16 2012-01-05 Murata Mfg Co Ltd 積層回路基板

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JP2012004305A (ja) * 2010-06-16 2012-01-05 Murata Mfg Co Ltd 積層回路基板

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