JP2002289977A - 半導体素子の製造方法および半導体素子および光送信モジュールおよび光送受信モジュールおよび光通信システム - Google Patents

半導体素子の製造方法および半導体素子および光送信モジュールおよび光送受信モジュールおよび光通信システム

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JP2002289977A
JP2002289977A JP2001087694A JP2001087694A JP2002289977A JP 2002289977 A JP2002289977 A JP 2002289977A JP 2001087694 A JP2001087694 A JP 2001087694A JP 2001087694 A JP2001087694 A JP 2001087694A JP 2002289977 A JP2002289977 A JP 2002289977A
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semiconductor
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Shunichi Sato
俊一 佐藤
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 出荷後、素子使用初期に素子特性が変化しな
い高信頼性を有する半導体素子を提供する。 【解決手段】 半導体素子のウエハを作製するウエハ作
製工程を行なった後(ステップS1)、電流通電工程へ
進めない半導体素子を選別するための最初の検査(電流
−光出力特性、電流−電圧特性等の標準的な検査)を行
ない(ステップS2)、しかる後、しきい値電流低減の
ための電流通電工程を行ない(ステップS3)、しかる
後、burn−in工程へ進めない素子を選別するため
の最初の検査(電流−光出力特性、電流−電圧特性等の
標準的な検査)を行ない(ステップS4)、しかる後、
burn−in工程(初期不良素子選別のためのスクリ
ーニング試験)を行ない(ステップS5)、しかる後、
出荷前検査工程を行なうようになっている(ステップS
6)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信用半導体レ
ーザ,発光ダイオード,赤外光用フォトダイオードなど
に利用される半導体素子の製造方法および半導体素子お
よび光送信モジュールおよび光送受信モジュールおよび
光通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光ファイバーを用いた光通信シス
テムは主に幹線系で用いられている。将来は各家庭やビ
ル内,オフィス内での利用が考えられている。これを実
現するためには、システムの小型化,低コスト化が必要
であり、温度制御用のペルチェ素子が不要なシステムの
実現が必要である。半導体レーザには、低しきい値動作
と温度変化による特性変化の少ない高特性温度の実現が
望まれている。しかし、従来のGaInPAs/InP
系材料では、伝導帯のバンド不連続を大きくできないこ
とが主たる原因で、高特性温度を実現するのは困難であ
る。
【0003】これを解決できる材料として、特開平6−
37355号には、GaAs基板上のGaInNAs系
材料が提案されている。GaInNAsはNと他のV族
元素を含んだIII−V族混晶半導体である。GaAsよ
り格子定数が大きいGaInAsにNを添加することで
格子定数をGaAsに格子整合させることが可能であ
り、さらにバンドギャップエネルギーが小さくなり、
1.3μm,1.5μm帯での発光を可能にすることが
できる。
【0004】文献「Jpn.J.Appl.Phys.
Vol.35(1996)pp.1273−1275」
には、近藤らによりバンドラインナップが計算されてい
る。GaInNAsはGaAs格子整合系なので、Al
GaAs等をクラッド層に用いることで、伝導帯のバン
ド不連続が大きくなる。このため、高特性温度半導体レ
ーザが実現できると予想されている。
【0005】しかしながら、N(窒素)と他のV族元素
を含んだIII−V族混晶半導体は、Nの原子半径が他の
元素に比べて小さいことに起因して、混晶組成のほとん
どが熱平衡状態では非混和領域にあり、結晶成長が非常
に難しい。非平衡度の高いMOCVD法(有機金属気相
成長法)やMBE法(分子線エピタキシー法)によりわ
ずかの窒素組成の結晶が成長可能となるものである。N
と他のV族元素を含んだIII−V族混晶半導体の成長に
関して、特開平6−37355号には、高周波プラズマ
により活性化した窒素ガスもしくは窒素化合物ガスを窒
素源としたMOCVD法が示されており、また、特開平
9−283857には、DMHy(ジメチルヒドラジ
ン)を窒素源としたMOCVD法が示されており、ま
た、特開平6−334168号,特開平11−8784
8号には、活性化窒素を用いたMBE法が示されてい
る。
【0006】また、Nと他のV族元素を含んだIII−V
族混晶半導体であるGaInNAsやGaNAsの結晶
成長後に熱処理することによる結晶性改善が、特開平1
1−274083号や、文献「39th Electronic Materi
als Conference, Session T,p3, Fort Collins, Colora
do June 25-27, 1997、 Appl. Phys. Lett., Vol.72(199
8) pp11409-1411」、文献「Appl. Phys. Lett., Vol.72
(1998) pp1857-1859、またはJpn. J. Appl. Phys. Vol.
38 (1999) pp.L298-L300」等のように試みられている。
ほとんどの場合、熱処理は急速加熱が可能なrapid ther
mal annealing(RTA)装置を用いている。特開平1
1−274083号においては、層構造成長後に成長装
置を用いて熱処理を行うことも記載されている。
【0007】しかし、これらの結果は、半導体素子とし
ての構造についての効果ではなく、PL(Photo
Luminescence)測定のための構造について
の結果であり、層構造成長後に熱処理して効果を得てい
る。半導体素子についての例としては半導体レーザの場
合がある。文献「J. Cryst. Growth. Vol.192 (1998)p
p.381-385」では、半導体レーザ構造の成長中におい
て、上部クラッド層の成長温度を、窒素を含んだIII−
V族混晶半導体層であるGaInNAs活性層の成長温
度よりも高くして熱処理効果を得て、1.3μm帯での
レーザ発振を達成している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、窒素を
含んだIII−V族混晶半導体層の結晶成長後の熱処理に
よる結晶性改善では不完全であり、半導体素子を動作さ
せると、動作初期に特性が急激に変化することがわかっ
た。例えば半導体レーザの場合、しきい値電流が10%
〜50%程度、もしくは、それ以上低減してしまうこと
がわかった。このような状態だと、半導体素子を出荷前
に検査した場合、設計した特性と大きく特性が異なるの
で、エラー素子と判断されてしまう。また、エラー素子
と判断されなくても、素子を出荷後、素子使用初期に素
子特性が変化してしまうので、ユーザは検査結果を参考
にできず、半導体素子を使用する上で大きな問題があっ
た。特に、低コストの光通信システムを実現するために
は、冷却素子などの制御回路を用いないことが必要であ
り、半導体レーザ等の半導体素子の特性が環境温度に対
して変化が小さいなど初期特性が高性能であることの他
に、半導体素子の特性が経時変化しないことが求められ
る。
【0009】本発明は、V族構成元素としてN(窒素)
及び他の1種以上のV族元素とIII族元素とから構成さ
れる窒素を含んだIII−V族混晶半導体層を少なくとも
有する半導体素子において、効率良くコスト上昇を抑え
て、結晶性の改善効果を高めることの可能な半導体素子
の製造方法を提供することを目的としている。
【0010】また,本発明は、半導体素子の出荷後、素
子使用初期に素子特性が変化しない高信頼性を有する半
導体素子および光送信モジュールおよび光送受信モジュ
ールおよび光通信システムを提供することを目的として
いる。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、V族構成元素としてN(窒
素)及び他の1種以上のV族元素とIII族元素とから構
成される窒素を含んだIII−V族混晶半導体層を少なく
とも有する半導体素子の製造方法において、半導体素子
のウエハを作製するウエハ作製工程と、半導体素子の出
荷前検査工程とを有し、前記ウエハ作製工程と前記出荷
前検査工程との間に、半導体素子のしきい値電流を低減
させるための電流通電を半導体素子に対して行う電流通
電工程が設けられていることを特徴としている。
【0012】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の半導体素子の製造方法において、前記電流通電工程
は、半導体素子からの光出力を監視し、半導体素子から
の光出力に応じて、通電する電流値を制御することを特
徴としている。
【0013】また、請求項3記載の発明は、請求項1ま
たは2記載の半導体素子の製造方法において、前記III
−V族混晶半導体層は、GaxIn1-xyAs1-y(0≦
x≦1,0<y<1)からなることを特徴としている。
【0014】また、請求項4記載の発明は、請求項1乃
至請求項3のいずれか一項に記載の半導体素子の製造方
法において、半導体素子は面発光型半導体レーザであ
り、前記電流通電工程では、半導体素子をウエハ状態の
まま電流通電を行うことを特徴としている。
【0015】また、請求項5記載の発明は、請求項4記
載の半導体素子の製造方法において、複数の電流通電用
プローブを用いて、ウエハ状態の複数の素子を一括して
個別に電流通電することを特徴としている。
【0016】また、請求項6記載の発明は、請求項1乃
至請求項5のいずれか一項に記載の半導体素子の製造方
法を用いて作製された半導体素子である。
【0017】また、請求項7記載の発明は、請求項6記
載の半導体素子を光源として用いていることを特徴とす
る光送信モジュールである。
【0018】また、請求項8記載の発明は、請求項6記
載の半導体素子を光源として用いていることを特徴とす
る光送受信モジュールである。
【0019】また、請求項9記載の発明は、請求項6記
載の半導体素子を光源として用いていることを特徴とす
る光通信システムである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0021】本願の発明者は、V族構成元素としてN
(窒素)及び他の1種以上のV族元素とIII族元素とか
ら構成される窒素を含んだIII−V族混晶半導体層を少
なくとも活性層に用いた半導体素子(例えば半導体レー
ザ)を電流通電すると、通電初期に半導体素子の特性が
大きく改善される現象が生じることを見出した。具体的
に、現象としては、発光素子の場合、電流通電すると、
時間とともに発光効率が急激に上昇していき、次第に飽
和し、特性が安定する。また、半導体レーザの場合、例
えばしきい値電流が10%〜50%程度、もしくは、そ
れ以上低減される。この現象は、注入する電流値が大き
いほど発光効率が上昇する効率が高く、特性が安定する
までの時間が短くて済むので、適切な通電条件とするこ
とで、製造工程を短縮化できる。このような現象は、窒
素を含んだIII−V族混晶半導体層以外のAlGaAs
系など従来材料でもわずかに起こる場合があるが、その
場合でも例えば半導体レーザの場合、しきい値電流は、
わずか数%程変化するだけでる(すなわち、ほとんど変
化しない)。窒素を含んだIII−V族混晶半導体層の場
合、結晶成長工程のみで高品質化を図るのは困難であ
り、何らかの後処理が必要であり、この場合、上記電流
通電工程の効果は大きい。
【0022】上記の現象が起きる理由としては、原子や
欠陥が電気的に励起して原子や欠陥が移動,消滅するな
どにより活性層中の結晶欠陥が減少すること、また、電
流注入により活性層において発光し、この光エネルギー
により原子や欠陥が励起され、上記の現象が起こること
などが考えられる。このように、半導体素子に電流通電
すると、通電初期に半導体素子の特性が改善されること
がわかった。例えば半導体レーザの場合、結晶成長後に
熱処理を行い、PL(Photo Luminesce
nce)強度が強くなるなど結晶性を改善させた素子に
おいても、更に電流注入することで半導体素子の特性が
更に改善されることから、電流注入による効果は熱処理
よりも改善効果が大きいと思われる。
【0023】本発明は、本願の発明者による上記知見に
基づいてなされたものである。
【0024】すなわち、本発明は、V族構成元素として
N(窒素)及び他の1種以上のV族元素とIII族元素と
から構成される窒素を含んだIII−V族混晶半導体層を
少なくとも有する半導体素子の製造方法において、半導
体素子のウエハを作製するウエハ作製工程と、半導体素
子の出荷前検査工程とを有し、ウエハ作製工程と出荷前
検査工程との間に、半導体素子のしきい値電流を10%
〜50%程度、もしくは、それ以上に低減させるための
電流通電を半導体素子に対して行う電流通電工程が設け
られていることを特徴としている。
【0025】なお、本発明において、電流通電がなされ
る半導体素子とは、後述のように、製品として完成され
たもののみならず、製品として完成されていないウエハ
状態のものをも含めた広義な素子を指すものとする。こ
こで、ウエハ状態の素子とは、例えば、結晶成長がなさ
れ半導体素子としての機能は具備し、半導体素子として
は完成しているが、パッケージ等に実装される前の状態
の素子(例えば、個々の素子の物理的分離がなされてい
ない状態の素子)を意味している。
【0026】ところで、従来、特開平10−32168
5号に示されているように、寿命の短い半導体素子(初
期不良モードの半導体素子)、つまり、しきい値電流が
大きく上昇する半導体素子が出荷されることを防止する
目的で、「スクリーニング試験」として電流通電処理を
行う所謂burn−in工程を導入する場合がある。結
晶成長工程,成長後の素子化プロセス工程におけるウエ
ハ毎のばらつきの中から良品のウエハのみを選別するた
め、また、半導体レーザを実装しパッケージ化した後に
burn−in工程を行える素子を選別するための検査
を行い、しかる後、この検査で合格した素子に対してb
urn−in工程を行い、その後、出荷前検査を行い、
規格を満足する素子を選別し出荷する場合もある。
【0027】しかしながら、本発明における電流通電工
程は、これらとは目的が異なる。
【0028】すなわち、従来では、半導体素子のウエハ
を作製するウエハ作製工程を行なった後、半導体素子の
検査工程として、例えば、burn−in工程へ進めな
い素子を選別するための最初の検査(電流−光出力特
性、電流−電圧特性等の標準的な検査)を行ない、しか
る後、burn−in工程(スクリーニング試験)を行
ない、しかる後、出荷前検査工程を行なうようになって
いる。
【0029】これに対し、本発明では、第1の実施形態
として、図1に示すように、半導体素子のウエハを作製
するウエハ作製工程を行なった後(ステップS1)、電
流通電工程へ進めない半導体素子を選別するための最初
の検査(電流−光出力特性、電流−電圧特性等の標準的
な検査)を行ない(ステップS2)、しかる後、しきい
値電流低減のための電流通電工程を行ない(ステップS
3)、しかる後、burn−in工程へ進めない素子を
選別するための最初の検査(電流−光出力特性、電流−
電圧特性等の標準的な検査)を行ない(ステップS
4)、しかる後、burn−in工程(初期不良素子選
別のためのスクリーニング試験)を行ない(ステップS
5)、しかる後、出荷前検査工程を行なうようになって
いる(ステップS6)。
【0030】また、本発明では、第2の実施形態とし
て、図2に示すように、半導体素子のウエハを作製する
ウエハ作製工程を行なった後(ステップS11)、しき
い値電流低減のための電流通電工程を行ない(ステップ
S12)、しかる後、burn−in工程へ進めない素
子を選別するための最初の検査(電流−光出力特性、電
流−電圧特性等の標準的な検査)を行ない(ステップS
13)、しかる後、burn−in工程(初期不良素子
選別のためのスクリーニング試験)を行ない(ステップ
S14)、しかる後、出荷前検査工程を行なうようにな
っている(ステップS15)。
【0031】また、本発明では、第3の実施形態とし
て、図3に示すように、半導体素子のウエハを作製する
ウエハ作製工程を行なった後(ステップS21)、bu
rn−in工程へ進めない素子を選別するための最初の
検査(電流−光出力特性、電流−電圧特性等の標準的な
検査)を行ない(ステップS22)、しかる後、しきい
値電流低減のための電流通電工程を兼ねたburn−i
n工程(しきい値電流低減、及び初期不良素子選別のた
めのスクリーニング試験)を行ない(ステップS2
3)、しかる後、出荷前検査工程を行なうようになって
いる(ステップS24)。すなわち、この第3の実施形
態では、しきい値電流低減のための電流通電工程は、b
urn−in工程を兼ねて行うことができる。
【0032】このように、本発明の電流通電工程は、半
導体素子のしきい値電流を10%〜50%程度、もしく
は、それ以上に低減させるための電流通電工程であり、
上記第1乃至第3の実施形態からもわかるように、半導
体素子のウエハを作製するウエハ作製工程と半導体素子
の出荷前検査工程との間に行なわれることを特徴として
いる。
【0033】本発明における上記電流通電工程(しきい
値電流低減のための電流通電工程)は、半導体素子から
の光出力を監視し、半導体素子からの光出力に応じて、
通電する電流値を制御することによってなされるのが良
い。
【0034】すなわち、電流通電の効果は、注入する電
流値が大きいほど高い。例えば半導体レーザの場合、注
入する電流値が大きいほど発光効率が上昇する効率が高
く、特性が安定するまでの時間を短くできる。しかしな
がら、一定電流値で電流通電工程を行うと、通電試験開
始時には低光出力(例えば、初期には、しきい値電流近
傍)であっても、通電により効率が改善されて高光出力
となり、電流通電工程後には、しきい値電流の2〜3倍
の電流値となり、素子が破壊してしまう場合も生じる。
このような事態が生ずるのを防ぐために、電流通電工程
は、半導体素子からの光出力を監視し、半導体素子から
の光出力に応じて、通電する電流値を制御することが望
ましい。つまり、電流値を時間とともに低減することが
望ましい。例えば、光出力が一定になるようにOPC
(オートパワーコントロール)回路を用いる方法があ
る。これにより素子を破壊することなく電流通電工程を
行うことができる。
【0035】また、本発明の半導体素子の製造方法にお
いて、半導体素子中の窒素を含んだIII−V族混晶半導
体層、すなわち、V族構成元素としてN(窒素)及び他
の1種以上のV族元素とIII族元素とから構成される窒
素を含んだIII−V族混晶半導体層は、例えば、Gax
1-xyAs1-y(0≦x≦1,0<y<1)などであ
る。
【0036】すなわち、本発明は、例えば活性層にGa
InNAsを用いた半導体発光素子に適用できる。活性
層にGaInNAsを用いると、GaAs基板上に0.
9μm以上の長波長帯半導体レーザを形成できる。すな
わち、GaAs基板上には、AlGaAs,(Al)G
aInP(As)のようにワイドギャップの材料を形成
でき、活性層とのバンド不連続を大きく取れるので、従
来のInP基板上の材料で形成した半導体レーザに比べ
て、キャリアの閉じ込めが良く温度特性の良い長波長帯
面発光レーザを得ることができる。
【0037】また、本発明の半導体素子の製造方法にお
いて、半導体素子は、例えば、面発光型半導体発光素子
(面発光型半導体レーザ)である。この場合、後述のよ
うに、半導体素子をウエハ状態のまま電流通電を行うこ
とができる。
【0038】具体的に、本発明は、例えば活性層にGa
InNAsを用いた面発光型半導体発光素子に適用でき
る。活性層にGaInNAsを用いると、GaAs基板
上に0.9μm以上の長波長帯の面発光型半導体レーザ
を形成できる。GaAs基板上には屈折率差の大きいA
l(Ga)As/(Al)GaAs系の材料を用いるこ
とができるので、従来のInP基板上に形成した場合に
比べて半導体分布ブラッグ反射鏡の積総数低減効果は大
きく、高反射率が得られる。
【0039】また、面発光型半導体レーザの場合、ウエ
ハ状態で各素子の電気的分離が容易であり、光出力がウ
エハ面に垂直方向に放射されるので、光出力のモニター
(監視)が容易であるなど、ウエハ状態のままでも各素
子個別に検査できるとともに、しきい値電流低減のため
の電流通電工程を容易に行うことができ、製造コストを
抑えられる。この場合、通常、素子に接触させるプロー
ブが用いられる。ウエハ状態で各素子個別に検査を行っ
た後、合格した素子についてはプローブを素子に接触さ
せたまま、引き続き、しきい値電流低減のための電流通
電工程を行うことが好ましい。なお、この場合、ウエハ
状態での検査とは、出荷検査ではなく、上記電流通電工
程に進む素子を選別するための検査である。従って、し
きい値電流低減のための電流通電工程を行なった後、素
子を実装し、出荷検査を行う。ここで、出荷検査前に初
期不良素子(寿命の短い素子)選別のためのburn−
in工程を行っても良い。また、電流通電工程とbur
n−in工程とを兼ねて行っても良い。
【0040】なお、上述の例では、半導体素子が面発光
型素子である場合に、半導体素子をウエハ状態のまま電
流通電できるとしたが、半導体素子が端面発光型素子の
場合でも、電気的に素子分離した構造とすることで、ウ
エハ状態のままで各素子個別に上記電流通電が可能であ
る。
【0041】また、本発明の半導体素子の製造方法にお
いて、複数の電流通電用プローブを用いて、ウエハ状態
(例えば、個々の素子の物理的分離がなされていない状
態)の複数の素子を一括して個別に電流通電することが
できる。
【0042】このように、ウエハ上に形成されている複
数の素子を一括して個別に電流通電することにより、短
時間で処理ができ、製造コストを抑えられる。半導体素
子が面発光型素子である場合にはウエハ一括処理がやり
やすいが、半導体素子が端面発光型素子である場合で
も、電気的に素子分離した構造であれば一括処理は可能
である。
【0043】以上のように、本発明では、V族構成元素
としてN(窒素)及び他の1種以上のV族元素とIII族
元素とから構成される窒素を含んだIII−V族混晶半導
体層を少なくとも有する半導体素子の製造方法におい
て、半導体素子のウエハを作製するウエハ作製工程と半
導体素子の出荷前検査工程との間に、半導体素子のしき
い値電流を10%〜50%程度、もしくは、それ以上に
低減させるための電流通電を半導体素子に対して行う電
流通電工程が設けられていることで、安定した特性を有
する半導体素子(本発明の半導体素子)が得られる。特
性が安定すれば、出荷後の特性変化による不具合が生じ
なくなる。
【0044】また、このようにして得られた本発明の半
導体素子を光源として用いた光送信モジュールを構成す
ることができる。
【0045】この場合、低コストかつ安定した特性を有
する本発明の半導体素子を用いることによって、低コス
トで信頼性の高い光送信モジュールを実現することがで
きる。
【0046】また、本発明の半導体素子を光源として用
いた光送受信モジュールを構成することもできる。
【0047】この場合、低コストかつ安定した特性を有
する本発明の半導体素子を用いることによって、低コス
トで信頼性の高い光送受信モジュールを実現することが
できる。
【0048】また、本発明の半導体素子を光源として用
いた光通信システムを構成することもできる。
【0049】この場合、低コストかつ安定した特性を有
する本発明の半導体素子を用いることによって、低コス
トで信頼性の高い光ファイバー通信システム,光インタ
ーコネクションシステムなどの光通信システムを実現す
ることができる。
【0050】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。
【0051】実施例1 図4は実施例1の半導体素子(半導体レーザ素子)を示
す図である。実施例1では、簡単な構造であるリッジス
トライプ型レーザ(端面発光型)を例にして説明する。
また、実施例1の半導体レーザ素子は、層構造としては
SCH−DQW(Separate Confinement Heterostructu
re Double Quantum Well)構造である。
【0052】図4の半導体レーザ素子は、面方位(10
0)のn−GaAs基板1上に、Seドープn−GaA
sバッファ層2,Seドープn−Ga0.5In0.5P下部
クラッド層3(厚さが1.5μm),アンドープGaA
s下部光ガイド層4(厚さが100nm),アンドープ
Ga0.63In0.370.006As0.994As井戸層5aとア
ンドープGaAsバリア層5b(厚さが14.7nm)
からなる活性層5,アンドープGaAs上部光ガイド層
6(厚さが100nm),Znドープp−Ga 0.5In
0.5P上部クラッド層7(厚さが1.5μm),Znド
ープp−GaAsコンタクト層8(厚さが0.3μm)
が順次に成長されている。
【0053】ここで、井戸層5aのIn組成xは37
%,窒素組成は0.6%とした。また、井戸層5aの厚
さは7.7nmとした。成長方法はMOCVD法で行っ
た。また、キャリアガスにはH2を用いた。また、原料
には、TMG(トリメチルガリウム),TMI(トリメ
チルインジウム),AsH3(アルシン),PH3(フォ
スフィン),そして窒素の原料にはDMHy(ジメチル
ヒドラジン)を用いた。DMHyは低温で分解するので
600℃以下のような低温成長に適している。実施例1
では、GaInNAs層(5a)は550℃で成長し
た。特に歪みの大きい量子井戸層5aを成長する場合は
例えば500℃〜600℃程度の低温成長が好ましい。
【0054】GaAs光ガイド層4,6も、GaInN
As層5aと同じ550℃で成長し、上部光ガイド層6
を成長させた後、成長を中断し、基板温度を700℃に
上げ、3分間熱処理を行った。
【0055】その後、温度を620℃に下げ、Znドー
プ上部GaInPクラッド層7及びGaAsコンタクト
層8を成長させた。次いで、エッチングにより幅7.5
μmのリッジを形成し、p側電極9をコンタクト層8上
に形成、また、基板1の裏面にn側電極10を形成し
た。なお、図4において、符号11はSiO2絶縁膜で
ある。
【0056】この実施例1では、上部光ガイド層6を成
長後、成長を中断し、基板温度を3分間700℃に上げ
たこと、及び、620℃でのZnドープ上部クラッド層
7,GaAsコンタクト層8の成長が熱処理工程を兼ね
ている。GaInNAs層5aの成長温度より高い温度
で上部クラッド層7及びGaAsコンタクト層8を成長
するだけでも効果はあるが、熱処理温度は、GaInN
As層5aの成長温度よりも高い温度、例えば650℃
〜780℃程度の高温が好ましい。このような高温でZ
nドープ上部クラッド層7を成長すると、ドープしてい
る不純物(この実施例1ではZn)が活性領域(GaI
nNAs活性層5及びGaAs光ガイド層4,6)に拡
散し、内部損失を大きくするなど半導体レーザの特性を
悪くする原因になってしまう。このため、不純物をドー
プするクラッド層7の成長温度は、拡散を低減するため
にできるだけ低い温度での成長が適しており、不純物を
ドープするクラッド層7の成長前に、高温での熱処理工
程を設けるのが好ましかった。このような熱処理工程を
設けることで、GaInNAs活性層5の結晶性が改善
し、発光強度は強くなる。
【0057】しかしながら、この熱処理工程だけでは不
充分であった。作製した半導体レーザ素子を測定した。
例えば共振器長240μmの素子では、始め50mAで
あったが、しきい値の1.1倍である55mAで5分通
電した後にもう一度測定したら、しきい値電流は27m
Aになり、約50%低減した。他の素子では、50%を
超えて低減するものもあった。なお、これは市販のレー
ザーテスターでごくわずかの時間で電流値を増加させて
測定した例である。別の素子をマニュアルでゆっくり電
流値を増加させていったら、電流値の増加分では説明で
きないほどの速度で見る見るうちに光出力が増加してい
くのがわかった。このわずかな時間の電流注入で発光効
率が向上しているためである。この素子の電流−光出力
を測定したところ、しきい値電流は32mAであった。
しきい値の1.1倍である35mAで5分通電した後に
もう一度測定したら、しきい値電流は、27mAにな
り、約20%低減した。発振波長は約1.3μmであっ
た。25℃〜80℃における特性温度は200Kを超
え、非常に良好であった。また結晶性が良好なので長寿
命であった。発振波長は、窒素組成,In組成及び井戸
層の厚さ等の制御で可能である。
【0058】上述の例では、MOCVD法での成長の例
を示したが、MBE法等の他の成長方法を用いることも
できる。また窒素の原料にDMHyを用いたが、活性化
した窒素やNH3等他の窒素化合物を用いることもでき
る。また、積層構造として2重量子井戸構造(DQW)
の例を示したが、他の井戸数の量子井戸を用いた構造
(SQW,MQW)等を用いることもできる。また、各
層の組成厚さ等は、必要に応じて、他の値を設定でき
る。また、クラッド層3,7には、GaInPと同様に
ワイドギャップのAlGaAsを用いることもできる。
また、レーザの構造も他の構造にしてもかまわない。
【0059】実施例2 図5(a),(b)は実施例2の面発光型半導体レーザ
を示す図である。なお、図5(b)は図5(a)におけ
る活性領域の拡大図である。図5の面発光型半導体レー
ザは、2インチの大きさの面方位(100)のn−Ga
As基板21上に、それぞれの媒質内における発振波長
の1/4倍の厚さでn−AlxGa1-xAs(x=1.
0)とn−GaAsを交互に35周期積層した周期構造
からなるn−半導体分布ブラッグ反射鏡(下部反射鏡)
22が形成されており、下部反射鏡22上には、アンド
ープ下部GaAsスペーサ層23,3層のGaxIn1-x
yAs1-y(0≦x≦1,0<y<1)井戸層24aと
GaAsバリア層24b(厚さが15nm)からなる多
重量子井戸活性層24,アンドープ上部GaAsスペー
サ層25,Cドープのp−AlxGa1-xAs(x=0.
9)とGaAsをそれぞれの媒質内における発振波長の
1/4倍の厚さで交互に積層した周期構造(25周期)
とからなる半導体分布ブラッグ反射鏡(上部反射鏡)2
6が順次に成長されている。ここで、上部反射鏡26の
最上部のp−GaAs層27は電極とコンタクトを取る
コンタクト層(p−コンタクト層)を兼ねている。
【0060】また、上記のように、活性層24には、窒
素と他のV族材料Asとを含んだ混晶半導体であるGa
InNAsを用いている。ここで、井戸層24aのIn
組成xは37%,窒素組成は0.5%とした。また、井
戸層24aの厚さは7nmとした。そして、活性層24
は、GaAs基板21に対して約2.5%の圧縮歪を有
していた。
【0061】また、この面発光型半導体レーザの成長方
法は、MOCVD法で行った。MOCVD法は過飽和度
が高く高歪活性層の成長に適している。また、MOCV
D法は、MBE法のように高真空を必要としないこと、
原料ガスの供給で制御できることなどにより量産性にも
優れている。原料にはTMA(トリメチルアルミニウ
ム),TMG(トリメチルガリウム),TMI(トリメ
チルインジウム),AsH3(アルシン),PH3(フォ
スフィン)、そして窒素の原料にはDMHy(ジメチル
ヒドラジン)を用いた。DMHyは低温で分解するので
600℃以下のような低温成長に適しており,特に低温
成長の必要な歪みの大きい量子井戸層を成長する場合好
ましい。この実施例2の素子の活性層24のように歪が
大きい場合は、非平衡となる低温成長が好ましい。この
実施例2では、GaInNAs層は550℃で成長し
た。キャリアガスにはH2を用いた。また、多重量子井
戸活性層24と上下スペーサ層23,25は、600℃
以下で低温成長しており、格子緩和は見られなかった。
また、上部反射鏡26は活性層24よりも高い660℃
で成長し、熱処理効果を得た。ここで、p側には拡散し
にくいCをドーパントとして用いたので、高温化しても
拡散を防ぐことができた。
【0062】また、図5の面発光型半導体レーザでは、
電流経路外の部分をプロトン(H+)照射によって絶縁
層(高抵抗部)を作って電流狭さく部分28を形成し
た。また、2インチウエハ上にドライエッチングにより
素子分離を行った。素子のピッチは例えば500μmと
した。また、p−コンタクト層27上に光取り出し口と
なる光出射部31を除いてp側電極29を形成し、基板
21の裏面にはn側電極30を形成した。なお、p側電
極29は個別動作できるように分離してある。
【0063】この実施例2に示すGaInNAsのよう
に、V族構成元素としてN(窒素)及び他の1種以上の
V族元素とIII族元素とから構成される窒素を含んだIII
−V族混晶半導体層を少なくとも活性層に用いた半導体
素子を電流通電すると、通電初期に半導体素子の特性が
大きく改善されることがわかった。発光素子の場合、現
象としては電流通電すると時間とともに発光効率が上昇
していき、次第に飽和し、特性が安定する。このような
現象は、窒素を含んだIII−V族混晶半導体層以外のA
lGaAs系など従来材料でもわずかに起こる場合があ
るが、その場合でも例えば半導体レーザの場合、しきい
値電流は、わずか数%程変化するだけでる(すなわち、
ほとんど変化しない)。窒素を含んだIII−V族混晶半
導体層の場合、結晶成長工程のみで高品質化を図るのは
困難であり、何らかの後処理が必要であり、この場合、
上記電流通電工程の効果は大きい。
【0064】この現象が起きる理由としては、前述した
ように、原子や欠陥が電気的に励起して原子や欠陥が移
動,消滅するなどにより活性層中の結晶欠陥が減少する
こと、また、電流注入により活性層において発光し、こ
の光エネルギーにより原子や欠陥が励起され、上記の現
象が起こることなどが考えられる。このように、半導体
素子に電流通電すると、通電初期に半導体素子の特性が
改善されることがわかった。例えば半導体レーザの場
合、結晶成長後に熱処理を行い、PL(Photo L
uminescence)強度が強くなるなど結晶性を
改善させた素子においても、更に電流注入することで半
導体素子の特性が更に改善されることから、電流注入に
よる効果は熱処理よりも改善効果が大きいと思われる。
【0065】そこで、図5の面発光型半導体レーザにつ
いて、ウエハ作製工程が終わったあと、電流通電工程を
行った。電流通電工程は、ウエハ状態のまま、イニシャ
ルテスト用プローブを用いて、電流通電工程へ進めない
半導体素子を選別するための最初の検査を行った後に行
った。
【0066】図6は電流通電工程の概略を示す図であ
る。電流通電の効果は、注入する電流値が大きいほど高
い。発光素子の場合、注入する電流値が大きいほど発光
効率が上昇する効率が高く、特性が安定するまでの時間
が短くて済むので、適切な通電条件とすることで、電流
通電工程を短縮化でき、結果として製造工程を短縮化で
きる。しかしながら、一定電流値で電流通電工程を行う
と、通電試験開始時には低光出力であっても、通電によ
り効率が改善され、高出力となり、素子が破壊してしま
う場合も生じる。よって素子が破壊される心配をするこ
となく電流通電工程を短縮化するためには、素子からの
光出力を受光素子でモニターし通電する電流値を制御す
ることが好ましい。つまり電流値を時間とともに低減す
る必要がある。例えば図6に示すように、光出力が一定
出力になるように、APC(オートパワーコントロー
ル)回路を用いて電源の出力を制御する方法がある。図
7には、電流−光出力特性の一例が示されている。図7
を参照すると、まず、素子には電流値I1を流し、光出
力L1が一定になるようにAPC回路で電流値を制御し
た。その結果、電流はI1からI2に変化し、I2で安
定した。これにより、素子を破壊することなく電流通電
工程を行うことができた。その後、素子特性測定を行っ
た。
【0067】この実施例2では、ウエハ作製工程が終わ
った後に電流通電工程を行ったが、素子を分離(切断)
し実装して出荷する形態にした後など、結晶成長終了
後、出荷検査の前に行うことができる。なお、通電時間
は、条件により異なるが、数秒から数十分程度で行うこ
とができる。
【0068】この実施例2では、I1に対してI2の値
は10%〜30%程度低かった。これはスロープ効率
(発振特性の傾き)の向上分も含んでいる。つまり、電
流通電工程によりスロープ効率も向上する。しかし、こ
の効果は実施例1の素子と比べて小さい。この違いは、
上部クラッド層の成長温度が高いための熱処理効果の違
いと考えられる。また、面発光型半導体レーザの方が動
作電流密度が高いために、最初の測定中に効果が現れて
しまい、見かけ上効果が小さくなったのかもしれない。
なお、これらのしきい値電流の大きな低減効果は、従来
材料の素子ではほとんど見られず、あっても数%程度で
あった。GaInNAsのような窒素と他のV族を同時
に含んだ材料を活性層とした場合、しきい値電流を10
%〜50%程度、若しくはそれ以上低減させための電流
通電工程が特別に必要であることがわかった。
【0069】更に、この実施例2のように面発光型半導
体レーザの場合、ウエハ状態で各素子の電気的分離が容
易であり、光出力がウエハ面に垂直方向に放射されるの
で、光出力のモニターが容易であるなど、ウエハ状態の
ままでも各素子個別に上記電流通電を容易に行うことが
でき、製造コストを抑えられる。ただし、端面発光型素
子でも電気的に素子分離した構造であれば、ウエハ状態
のままで各素子個別に上記電流通電は可能である。端面
発光型の場合、光出力のモニターは工夫が必要である。
【0070】この実施例2で作製した面発光型半導体レ
ーザの発振波長は約1.3μmであった。GaInNA
sを活性層に用いたので、GaAs基板上に長波長帯の
面発光レーザを形成できた。この波長は、GaAs基板
やSi半導体基板に対して透明である。この実施例2で
は、結晶成長した表面から光を取り出す構造としている
が、GaAs基板側からの光の取り出しも可能である。
また、Si基板上に電子素子と光素子を集積した回路チ
ップにおいて、Si基板を通した光伝送が可能となる。
【0071】上述の例では、MOCVD法での成長の例
を示したが、MBE法等の他の成長方法を用いることも
できる。また、窒素の原料にDMHyを用いたが、活性
化した窒素やNH3等他の窒素化合物を用いることもで
きる。また、積層構造として、3重量子井戸構造(TQ
W)の例を示したが、他の井戸数の量子井戸を用いた構
造(SQW,MQW)等を用いることもできる。レーザ
の構造も他の構造にしてもかまわない。
【0072】波長1.1μm〜1.3μmの半導体レー
ザは、従来適した材料がなかったが、GaInNAsを
用いることにより、波長1.1μm〜1.3μmの半導
体レーザの実現が可能となる。さらに、組成を変えるこ
とで1.55μm帯、更にはもっと長波長の面発光レー
ザも可能となる。更に、GaAsSb活性層でも1.1
μm〜1.3μmの半導体レーザは実現可能であるが、
伝導帯バンド不連続が小さく注入キャリアの漏れなどの
ために高性能化は困難である。しかし、GaInNAs
活性層の場合、従来高性能化が困難であった1.3μm
帯,1.55μm帯等の長波長において、高性能な面発
光型半導体レーザを実現できる。
【0073】実施例3 図8は実施例3の電流通電工程の概略を示す図である。
実施例3が実施例2と違うところは、電流通電工程を、
複数の電流通電用プローブを用いて、ウエハ状態のまま
行っている点である。この実施例3では、8個のプロー
ブを用いてウエハ状態(例えば、個々の素子の物理的分
離がなされていない状態)の8素子を同時に電流通電し
ているが、これに限るものではない。また、実施例3で
は、電流通電工程は一定電流値で行った。素子が破壊さ
れないように、例えば電流通電工程後のしきい値電流値
の5倍以下の電流値で行うなど、電流値に制限を設ける
ことで、一定電流値でも可能となる。なお、光励起によ
る改善効果を得るためにも、少なくともしきい値電流値
以上で行うことが望ましい。
【0074】この実施例3のようにウエハ状態の複数の
素子を一括して同時に個別に電流通電することにより、
更に短時間で処理ができ、製造コストを抑えられる。元
々面発光レーザは、ウエハ状態のまま、素子特性評価,
検査が可能であるメリットがあり、低コスト化に向いて
いる。よって、本発明の電流通電工程を検査の前にウエ
ハ状態のまま行うことで、コスト上昇を抑えることがで
きる。
【0075】この実施例3のように面発光型半導体レー
ザである場合、ウエハ一括処理がやりやすいが、端面型
素子でも電気的に素子分離した構造であれば、一括処理
は可能である。
【0076】実施例4 図9(a),(b)は実施例4の面発光型半導体レーザ
を示す図である。なお、図9(b)は図9(a)におけ
る活性領域の拡大図である。この実施例4の面発光型半
導体レーザが素子構造上実施例1と主に違うところは、
電流狭さく構造220,230である。
【0077】図9を参照すると、この面発光型半導体レ
ーザは、2インチの大きさの面方位(100)のn−G
aAs基板201上に、それぞれの媒質内における発振
波長の1/4倍の厚さでn−AlxGa1-xAs(x=
0.9)とn−GaAsを交互に35周期積層した周期
構造からなるn−半導体分布ブラッグ反射鏡(下部反射
鏡)202が形成され、その上に、アンドープ下部Ga
Asスペーサ層205,3層のGaxIn1-xyAs1-y
(0≦x≦1,0<y<1)井戸層206aとGaAs
バリア層206b(厚さが15nm)からなる多重量子
井戸活性層206,アンドープ上部GaAsスペーサ層
207,p−半導体分布ブラッグ反射鏡(上部反射鏡)
209が形成されている。
【0078】ここで、上部反射鏡209は、被選択酸化
層230となるAlAsをAlGaAsで挟んだ3λ/
4厚さの低屈折率層240(λ/4−15nmのCドー
プp−AlxGa1-xAs(x=0.9)、Cドープp−
AlAs被選択酸化層230(厚さが30nm)、2λ
/4−15nmのCドープのp−AlxGa1-xAs(x
=0.9))と厚さλ/4のGaAs(1周期)、及び
Cドープのp−AlxGa1-xAs(x=0.9)とp−
GaAsをそれぞれの媒質内における発振波長の1/4
倍の厚さで交互に積層した周期構造(25周期)からな
っている。また、この上部反射鏡209の最上部のp−
GaAs層210は、電極212とコンタクト(p−コ
ンタクト層)を取るコンタクト層を兼ねている。
【0079】また、活性層206において、井戸層20
6aのIn組成xは37%,窒素組成は0.5%とし
た。また、井戸層206aの厚さは7nmとした。そし
て,活性層206は、GaAs基板201に対して約
2.5%の圧縮歪を有していた。また、この面発光型半
導体レーザの成長方法はMOCVD法で行った。MOC
VD法は過飽和度が高く高歪活性層の成長に適してい
る。また、MOCVD法は、MBE法のように高真空を
必要としないこと、原料ガスの供給で制御できることな
どにより量産性にも優れている。原料にはTMA(トリ
メチルアルミニウム),TMG(トリメチルガリウ
ム),TMI(トリメチルインジウム),AsH3(ア
ルシン),PH3(フォスフィン)、そして窒素の原料
にはDMHy(ジメチルヒドラジン)を用いた。DMH
yは低温で分解するので600℃以下のような低温成長
に適しており,特に低温成長の必要な歪みの大きい量子
井戸層を成長する場合好ましい。この実施例4の素子の
活性層206のように歪が大きい場合は、非平衡となる
低温成長が好ましい。この実施例4では、GaInNA
s層は540℃で成長した。キャリアガスにはH2を用
いた。また、多重量子井戸活性層206と上下スペーサ
層205,207は、600℃以下で低温成長してお
り、格子緩和は見られなかった。
【0080】また,図9の面発光型半導体レーザでは、
所定の大きさのメサ(ポスト状(柱状)積層構造)を少
なくともp−AlAs被選択酸化層230の側面を露出
させて形成し、側面の現れたAlAsを水蒸気で側面か
ら酸化してAlxy電流狭さく部220を形成した。そ
して次に、ポリイミド膜221でエッチング部を埋め込
んで平坦化し、p−コンタクト層210と光出射部21
4のある上部反射鏡209上のポリイミドを除去し、p
−コンタクト層210上の光出射部214以外にp側電
極212を形成した。また、基板201の裏面にn側電
極213を形成した。
【0081】そして,実施例4では、電流通電工程は、
素子を分離(切断)し実装して出荷する形態にした後
に、電流通電工程とburn−in工程とを兼ねて行っ
た。なお、この工程は、結晶成長終了後、出荷検査の前
に行うことができる。
【0082】作製した面発光型半導体レーザの発振波長
は約1.3μmであった。実施例4の面発光型半導体レ
ーザでは、GaInNAsを活性層206に用いたの
で、GaAs基板上に長波長帯の面発光レーザを形成で
きた。また、AlとAsを主成分とした被選択酸化層2
30の選択酸化により電流狭さく部220を形成したの
で、しきい値電流は低かった。被選択酸化層を選択酸化
したAl酸化膜からなる電流狭さく部を用いた電流狭さ
く構造によると、電流狭さく部を活性層に近づけて形成
することで、電流の広がりを抑えられ、大気に触れない
微小領域に効率良くキャリアを閉じ込めることができ
る。更に、酸化してAl酸化膜となることで、屈折率が
小さくなり凸レンズの効果でキャリアの閉じ込められた
微小領域に効率良く光を閉じ込めることができ、極めて
効率が良くなり、しきい値電流は低減される。また、容
易に電流狭さく構造を形成できることから、製造コスト
を低減できる。これらのように低消費電力で低コストの
1.3μm帯の面発光型半導体レーザを実現できた。
【0083】実施例5 図10は実施例4の1.3μm帯GaInNAs面発光
型半導体レーザと石英系光ファイバーとを組み合わせた
光送信モジュールの概要を示す図である。この光送信モ
ジュールでは、半導体レーザからの光信号が光ファイバ
ーに入力され、伝送されるようになっている。このよう
な光送信モジュールにおいて、発振波長の異なる複数の
半導体レーザを1次元または2次元にアレイ状に配置し
て、波長多重送信により伝送速度を増加できる。また、
半導体レーザを1次元または2次元にアレイ状に配置
し、それぞれに対応する複数の光ファイバーからなる光
ファイバー束とを結合させて伝送速度を増加できる。
【0084】本発明による面発光型半導体レーザ等の半
導体素子(半導体発光素子)を光通信システムに用いる
と、低コストで信頼性が高い光送信モジュールを実現で
き、さらに、この光送信モジュールを用いた低コストで
高信頼の光通信システムを実現できる。また、GaIn
NAsを用いた面発光型半導体レーザは、温度特性が良
いこと、及び低しきい値であることにより、発熱が少な
く高温まで冷却なしで使えるシステムを実現できる。
【0085】実施例6 図11は実施例4の1.3μm帯GaInNAs面発光
型半導体レーザと受信用フォトダイオードと光ファイバ
ーとを組み合わせた光送受信モジュールの概要を示す図
である。
【0086】本発明による面発光型半導体レーザ等の半
導体素子(発光素子)を光通信システムに用いる場合、
本発明による半導体素子(発光素子)は信頼性が高く、
特に面発光型半導体レーザは低コストのものであるの
で、送信用半導体レーザと受信用フォトダイオードと光
ファイバーとを組み合わせた光送信モジュールを用いた
低コスト高信頼性の光通信システムを実現できる。ま
た、GaInNAsを用いた面発光型半導体レーザの場
合、温度特性が良いこと、及び、低しきい値であること
により、発熱が少なく、高温まで冷却なしで使えるシス
テムを実現できる。更に1.3μm等の長波長帯で低損
失となるフッ素添加POF(プラスチックファイバ)と
GaInNAsを活性層に用いた面発光型半導体レーザ
とを組み合わせると、ファイバが低コストであること、
ファイバの径が大きくてファイバとのカップリングが容
易で実装コストを低減できることから、極めて低コスト
のモジュールを実現できる。
【0087】本発明による面発光型半導体レーザを用い
た光通信システムとしては、光ファイバーを用いた長距
離通信に用いることができるのみならず、LAN(Lo
cal Area Network)などのコンピュー
タ等の機器間伝送、さらにはボード間のデータ伝送、ボ
ード内のLSI間、LSI内の素子間等、光インターコ
ネクションとして短距離通信に用いることができる。近
年、LSI等の処理性能は向上しているが、これらを接
続する部分の伝送速度が今後ボトルネックとなる。シス
テム内の信号接続を従来の電気接続から光インターコネ
クトで行うと、例えばコンピュータシステムのボード
間、ボード内のLSI間、LSI内の素子間等を光送信
モジュールや光送受信モジュールを用いて接続した場
合、超高速コンピュータシステムが可能となる。また、
複数のコンピュータシステム等を上記光送信モジュール
や光送受信モジュールを用いて接続した場合、超高速ネ
ットワークシステムができる。
【0088】特に面発光型半導体レーザは端面発光型レ
ーザに比べて桁違いに低消費電力化が可能であり、2次
元アレイ化が容易なので、並列伝送型の光通信システム
に適している。
【0089】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1乃至請
求項5記載の発明によれば、V族構成元素としてN(窒
素)及び他の1種以上のV族元素とIII族元素とから構
成される窒素を含んだIII−V族混晶半導体層を少なく
とも有する半導体素子の製造方法において、半導体素子
のウエハを作製するウエハ作製工程と、半導体素子の出
荷前検査工程とを有し、前記ウエハ作製工程と前記出荷
前検査工程との間に、半導体素子のしきい値電流を低減
させるための電流通電を半導体素子に対して行う電流通
電工程が設けられているので、始めから低しきい値電流
で動作し、出荷後しきい値電流が低下するなどの経時変
化することなく安定した特性の半導体素子を提供でき
る。すなわち、半導体素子の出荷後、素子使用初期に素
子特性が変化しない高信頼性を有する半導体素子を提供
できる。
【0090】特に、請求項2記載の発明によれば、請求
項1記載の半導体素子の製造方法において、前記電流通
電工程は、半導体素子からの光出力を監視し、半導体素
子からの光出力に応じて、通電する電流値を制御するの
で、素子を破壊することなく電流通電工程を行うことが
できる。
【0091】また、請求項3記載の発明によれば、請求
項1または2記載の半導体素子の製造方法において、前
記III−V族混晶半導体層は、GaxIn1-xyAs1-y
(0≦x≦1,0<y<1)からなるので、例えば活性
層にGaInNAsを用いた半導体発光素子に適用でき
る。活性層にGaInNAsを用いると、GaAs基板
上に0.9μm以上の長波長帯半導体レーザを形成でき
る。GaAs基板上にはAlGaAs,(Al)GaI
nP(As)のようにワイドギャップの材料を形成でき
るので、活性層とのバンド不連続を大きく取れるため、
従来のInP基板上の材料で形成した半導体レーザに比
べて、キャリアの閉じ込めが良く温度特性の良い長波長
帯面発光型半導体レーザを提供できる。
【0092】また、請求項4記載の発明によれば、例え
ば活性層にGaInNAsを用いた面発光型半導体発光
素子に適用できる。活性層にGaInNAsを用いる
と、GaAs基板上に0.9μm以上の長波長帯半導体
レーザを形成できる。GaAs基板上には屈折率差の大
きいAl(Ga)As/(Al)GaAs系の材料を用
いることができるので、従来のInP基板上に形成した
場合に比べて半導体分布ブラッグ反射鏡の積総数低減効
果は大きく、高反射率が得られる。
【0093】更に面発光型半導体レーザの場合、ウエハ
状態で各素子の電気的分離が容易であり、光出力がウエ
ハ面に垂直方向に放射されるので、光出力のモニターが
容易であるなど、ウエハ状態のままでも各素子個別に上
記電流通電工程を容易に行うことができ、製造コストを
抑えられる。端面型素子でも素子分離した構造であれば
ウエハ状態のままで各素子個別に上記電流通電が可能で
ある。
【0094】また、請求項5記載の発明によれば、ウエ
ハ状態の複数の素子を一括して個別に電流通電すること
により、短時間で処理ができ、製造コストを抑えられ
る。半導体素子が面発光型半導体レーザである場合、ウ
エハ一括処理がやりやすいが、端面型素子でも素子分離
した構造であれば、一括処理は可能である。
【0095】また、請求項6記載の発明によれば、請求
項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の半導体素子の
製造方法を用いて作製された半導体素子であるので、安
定した特性を有する半導体素子が得られる。特性が安定
すれば、出荷後の特性変化による不具合が生じなくな
る。
【0096】また、請求項7記載の発明によれば、請求
項6記載の半導体素子を光源として用いていることを特
徴とする光送信モジュールであり、上記のように低コス
トで安定した特性を有する優れた半導体素子を用いるこ
とによって、低コストで信頼性の高い光送信モジュール
を実現することができる。
【0097】また、請求項8記載の発明によれば、請求
項6記載の半導体素子を光源として用いていることを特
徴とする光送受信モジュールであり、上記のように低コ
ストで安定した特性を有する優れた半導体素子を用いる
ことによって、低コストで信頼性の高い光送受信モジュ
ールを実現することができる。
【0098】また、請求項9記載の発明によれば、請求
項6記載の半導体素子を光源として用いていることを特
徴とする光通信システムであり、上記のように低コスト
で信頼性の高い優れた半導体素子を用いることによっ
て、低コストで信頼性の高い光ファイバー通信システ
ム,光インターコネクションシステムなどの光通信シス
テムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体素子の製造方法の第1の実
施形態を示す図である。
【図2】本発明に係る半導体素子の製造方法の第2の実
施形態を示す図である。
【図3】本発明に係る半導体素子の製造方法の第3の実
施形態を示す図である。
【図4】実施例1の半導体素子(半導体レーザ素子)を
示す図である。
【図5】実施例2の面発光型半導体レーザを示す図であ
る。
【図6】電流通電工程の概略を示す図である。
【図7】電流−光出力特性の一例を示す図である。
【図8】実施例3の電流通電工程の概略を示す図であ
る。
【図9】実施例4の面発光型半導体レーザを示す図であ
る。
【図10】実施例4の1.3μm帯GaInNAs面発
光型半導体レーザと石英系光ファイバーとを組み合わせ
た光送信モジュールの概要を示す図である。
【図11】実施例4の1.3μm帯GaInNAs面発
光型半導体レーザと受信用フォトダイオードと光ファイ
バーとを組み合わせた光送受信モジュールの概要を示す
図である。
【符号の説明】
1 GaAs基板 2 バッファ層 3 下部クラッド層 4 下部光ガイド層 5 活性層 5a 井戸層 5b バリア層 6 上部光ガイド層 7 上部クラッド層 8 コンタクト層 9 p側電極 10 n側電極 21 GaAs基板 22 下部反射鏡 23 スペーサ層 24 活性層 24a 井戸層 24b バリア層 25 スペーサ層 26 上部反射鏡 27 コンタクト層 28 電流狭さく部分 29 p側電極 30 n側電極 201 n−GaAs基板 202 n−AlGaAs/n−GaAs層 203 n−GaInP層 204 下部反射鏡 205 下部GaAsスペーサ層 206 多重量子井戸活性層 207 上部GaAsスペーサ層 208 GaInP層 209 上部反射鏡 230 AlAs層 210 コンタクト層 220 電流狭さく部 221 ポリイミド(絶縁膜) 214 光出射部 212 p側電極 213 n側電極

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 V族構成元素としてN(窒素)及び他の
    1種以上のV族元素とIII族元素とから構成される窒素
    を含んだIII−V族混晶半導体層を少なくとも有する半
    導体素子の製造方法において、半導体素子のウエハを作
    製するウエハ作製工程と、半導体素子の出荷前検査工程
    とを有し、前記ウエハ作製工程と前記出荷前検査工程と
    の間に、半導体素子のしきい値電流を低減させるための
    電流通電を半導体素子に対して行う電流通電工程が設け
    られていることを特徴とする半導体素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体素子の製造方法に
    おいて、前記電流通電工程は、半導体素子からの光出力
    を監視し、半導体素子からの光出力に応じて、通電する
    電流値を制御することを特徴とする半導体素子の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の半導体素子の製
    造方法において、前記III−V族混晶半導体層は、Gax
    In1-xyAs1-y(0≦x≦1,0<y<1)からな
    ることを特徴とする半導体素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に
    記載の半導体素子の製造方法において、半導体素子は面
    発光型半導体レーザであり、前記電流通電工程では、半
    導体素子をウエハ状態のまま電流通電を行うことを特徴
    とする半導体素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の半導体素子の製造方法に
    おいて、複数の電流通電用プローブを用いて、ウエハ状
    態の複数の素子を一括して個別に電流通電することを特
    徴とする半導体素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に
    記載の半導体素子の製造方法を用いて作製された半導体
    素子。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の半導体素子を光源として
    用いていることを特徴とする光送信モジュール。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の半導体素子を光源として
    用いていることを特徴とする光送受信モジュール。
  9. 【請求項9】 請求項6記載の半導体素子を光源として
    用いていることを特徴とする光通信システム。
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