JP2002289343A - 有機電界発光素子の製造方法 - Google Patents

有機電界発光素子の製造方法

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JP2002289343A
JP2002289343A JP2001084426A JP2001084426A JP2002289343A JP 2002289343 A JP2002289343 A JP 2002289343A JP 2001084426 A JP2001084426 A JP 2001084426A JP 2001084426 A JP2001084426 A JP 2001084426A JP 2002289343 A JP2002289343 A JP 2002289343A
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Takeshi Ikeda
武史 池田
Shigeo Fujimori
茂雄 藤森
Tetsuo Oka
哲雄 岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】発光効率の低下や発光色の色度変化等の原因と
なるコンタミネーションを抑制する。 【解決手段】基板上に第一電極と、少なくとも有機化合
物からなり、異なる色で発光する層を含む薄膜層と、第
二電極とを順次積層してなる有機電界発光素子の製造方
法であって、発光層が各発光色ごとにそれぞれ異なる真
空槽内で形成されることを特徴とする有機電界発光素子
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示素子、フラッ
トパネルディスプレイ、バックライト、インテリアなど
の分野に利用可能な有機電界発光素子およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機電界発光素子は陽極から注入された
正孔と陰極から注入された電子とが両極に挟まれた有機
発光層内で再結合することにより発光するものである。
その代表的な構造は、ガラス基板上に透明な第一電極
(陽極)、正孔輸送層、有機発光層、第二電極(陰極)
を積層したものであり、駆動により生じた発光は第一電
極およびガラス基板を通じて外部に取り出される。この
ような有機電界発光素子では薄型、低電圧駆動下での高
輝度発光や、有機発光材料を選択することによる多色発
光が可能であり、発光デバイスやディスプレイなどに応
用する検討が盛んである。
【0003】有機電界発光素子における問題点の1つと
して、薄膜層を蒸着する際に生じるコンタミネーション
の問題がある。コンタミネーションとは、有機電界発光
素子を作製するべく各薄膜層を積層する際に、意図しな
い有機物や無機物が混入する現象である。例えば、正孔
輸送層を積層する際に電子輸送材料が混入したり、赤色
発光層を積層する際に青色発光材料が混入する現象を指
す。そして多くの場合、有機電界発光素子を発光させる
際の発光効率の低下や色変化などが起こり、設計値通り
の発光特性を得ることが困難となる。
【0004】この問題を解決する方法として、特開平9
−256142号公報では、蒸着を行う前に予め予備加
熱・不純物の除去を行うための加熱処理室を備えた成膜
装置が開示されている。この予備加熱により蒸着源周り
の不純物を昇華させ、所望の材料を蒸着する時に不純物
が混入しないようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術では蒸着源周りの不純物を除去できるものの、成膜室
全体の不純物を除去できるものでは無かった。すなわ
ち、成膜室の内壁などに付着した不純物が遊離し、基板
に再付着するようなコンタミネーションに対しては効力
を持たなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に第一
電極と、少なくとも有機化合物からなり、異なる色で発
光する層を含む薄膜層と、第二電極とを順次積層してな
る有機電界発光素子の製造方法であって、発光層が各発
光色ごとにそれぞれ異なる真空槽内で形成されることを
特徴とする有機電界発光素子の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下では本発明を詳しく説明する
が、本発明は例示した形式や構造をもつ有機電界発光素
子の製造方法に限定されるわけではない。したがって、
単一発光素子、セグメント型、単純マトリクス型、アク
ティブマトリクス型などの発光素子の形式を問わず任意
の構造の有機電界発光素子に適用することが可能であ
る。
【0008】本発明における有機電界発光素子の構成部
材には、例えば図1に示す素子では、基板1、封止板2
1、接着手段(樹脂)22など封止内部空間23に接す
るすべての部材が含まれる。素子構成によっては、配
線、コネクター、引き出し電極、素子表面を覆う保護フ
ィルムなども含まれる場合があり、構成部材は特に限定
されるわけではない。
【0009】本発明は、2種類以上の色で発光する有機
電界発光素子の製造方法であり、発光色ごとに異なる真
空槽を用いて蒸着させる。つまり複数の発光色をそれぞ
れ異なる真空槽内で形成することにより、発光効率の低
下や色変化の原因となるコンタミネーションを抑制する
ことができる。
【0010】本発明の有機電界発光素子の製造方法は、
少なくとも、透明基板に第一電極を形成する第一の工程
と、この基板上に発光色ごとに有機発光層を異なる真空
槽内で形成する第二の工程と、更に第二電極を形成する
第三の工程に大別することができる。第一の工程では、
第一電極を形成した後に、第一電極の一部を露出せしめ
る形状にスペーサーを形成する工程を含めることができ
る。スペーサーの材料としては、酸化ケイ素、窒化ケイ
素等の無機物、ポリイミド樹脂、ノボラック樹脂等の有
機物、あるいはこれらの複合物を用いることができ、形
成方法としては、公知の真空薄膜形成法、フォトリソグ
ラフィ法等を用いることができる。第二の工程には、有
機発光層以外の薄膜層として、正孔輸送層、電子輸送層
等、有機電界発光素子の発光効率を向上させるための薄
膜層を形成する工程を含めることができる。第三の工程
には、第二電極を形成した後に、第二電極の少なくとも
一部分を被覆する保護膜を形成する工程や、基板と非透
水性の封止板を適当な接着手段(樹脂)を用いて貼り合
わせる工程を含めることができる。
【0011】発光色は、例えば青、緑、赤、黄、紫、橙
などの可視光の中から選択されるが、形成する発光層の
色数を最小限にし、かつ最大の色再現範囲を得るために
は、通常互いに独立な3色を選択することが重要とされ
ている。本発明では青、緑、赤の三色を選択することが
好ましい。すなわち、安定した色再現性を有する有機電
界発光素子を量産するためには、青、緑、赤等の構成色
を常にそれぞれの設計値通りの発光特性が得られるよう
に形成する必要がある。
【0012】薄膜の形成方法としては、抵抗加熱蒸着
法、スパッタリング法、CVD法等いずれの方法でも用
いることができる。
【0013】本発明の製造方法では必要な真空槽の数は
少なくとも形成する色数以上である。例えば、青、緑、
赤の3色を形成する場合、3槽以上の真空槽が必要とな
る。上記発光層を形成する真空槽以外に、第一電極、第
二電極を形成する真空槽をそれぞれ別に設けることが望
ましい。すなわち、形成する発光層の色数が3色である
場合、真空槽の数は5槽以上であることが望ましい。さ
らに上記発光層の他に正孔輸送層、電子輸送層を形成す
ることができ、これらの層もまたそれぞれ異なる真空槽
で形成することが望ましい。例えば、正孔輸送材料、電
子輸送層、3種類の発光層、第一電極、第二電極を形成
するするならば、少なくとも7槽の真空槽が必要とな
る。さらに第一電極、正孔輸送層、発光層、電子輸送
層、第二電極をそれぞれ形成した後に、低透湿性の保護
膜を形成することもでき、この保護膜もまた専用の真空
槽内で形成されることが好ましい。すなわち、正孔輸送
材料、電子輸送層、3種類の発光層、第一電極、第二電
極、保護膜を形成するならば、少なくとも8槽の真空槽
が必要となる。
【0014】さらに本発明の有機電界発光素子の製造方
法によれば、、第一電極、正孔輸送層、発光層、電子輸
送層、第二電極、低透湿性の保護膜をそれぞれ形成した
後に、適当な封止板を用いて貼り合わせ封止を行うこと
もできる。貼り合わせ封止は、基板と封止板とを、形成
した薄膜層が内側になるように接着剤等を介して貼り合
わせる。この際、第二電極、あるいは保護膜を形成した
真空槽から有機電界発光素子を大気に曝すことなく貼り
合わせ工程室へ搬送することが望ましい。貼り合わせ工
程室は、低湿度雰囲気であることが望ましく、水分の露
点が−30℃、更に好ましくは−60℃以下であること
が好適である。
【0015】真空槽の構成は、それぞれの真空槽が独立
したバッチ式であっても良いが、真空引き工程時間の短
縮化、または有機層が大気中に曝されると発光特性が劣
化することを考慮して、各真空槽間の搬送経路となる専
用の真空槽を設けた、ロードロック式の構成にすること
もできる。また、各真空槽を直列につなげたインライン
式の構成にすれば、真空引き工程の短縮化、基板搬送時
間の短縮化ができ、さらなる工程時間の短縮化が行え
る。
【0016】第一電極と第二電極は素子の発光のために
十分な電流を供給するための役割を有するものであり、
光を取り出すために少なくとも一方は透明であることが
望ましい。通常、基板上に形成される第一電極を透明電
極とし、これを陽極とする。好ましい透明電極材料とし
ては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、ITOなど
をあげることができる。パターニングを施す目的から
は、加工性に優れたITOを用いることが好ましい。
【0017】第一電極をパターニングする場合には、ウ
エットエッチングを伴うフォトリソグラフィ法を用いる
ことができる。第一電極のパターン形状は特に限定され
ず、用途によって最適パターンを選択すればよい。本発
明では一定の間隔をあけて配置された複数のストライプ
状電極を好的な例として挙げることができる。
【0018】透明電極の表面抵抗を下げたり、電圧降下
抑制のために、ITOには少量の銀や金などの金属が含
まれていてもよく、また、錫、金、銀、亜鉛、インジウ
ム、アルミニウム、クロム、ニッケルをITOのガイド
電極として使用することも可能である。特に、クロムは
ブラックマトリックスとガイド電極の両方の機能を持た
せることができることから好適な金属である。素子の消
費電力の観点からは、ITOは低抵抗であることが望ま
しい。例えば、300Ω/□以下のITO基板(ITO
薄膜を形成した透明基板)であれば素子電極として機能
するが、現在では10Ω/□程度のITO基板の供給も
可能になっていることから、低抵抗品を使用することも
可能である。ITOの厚みは抵抗値と関係があり一概に
規定できないが、通常50〜300nmである。ITO
膜形成方法は、電子ビーム法、スパッタリング法、化学
反応法、コーティング法など特に制限を受けるものでは
ない。
【0019】透明電極は可視光線透過率が30%以上あ
れば使用に大きな障害はないが、理想的には100%に
近い方が好ましい。基本的には可視光全域において同程
度の透過率をもつことが好ましいが、発光色を変化させ
たい場合には積極的に光吸収性を付与させることも可能
である。このような場合にはカラーフィルターや干渉フ
ィルターを用いて変色させる方法が技術的に容易であ
る。
【0020】本発明で用いられる正孔輸送性物質として
は、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチル
フェニル)−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミ
ン(TPD)やN,N’−ジフェニル−N,N’−ジナ
フチル−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン
(NPD)などに代表されるトリフェニルアミン類、N
−イソプロピルカルバゾール、ビスカルバゾール誘導
体、ピラゾリン誘導体、スチルベン系化合物、ヒドラゾ
ン系化合物、オキサジアゾール誘導体やフタロシアニン
誘導体に代表される複素環化合物、ポリマー系では前記
単量体を側鎖に有するポリカーボネートやポリスチレン
誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリシラン、ポリフ
ェニレンビニレンなどが好ましいが、特に限定されるも
のではない。
【0021】第一電極もしくは正孔輸送層上にパターニ
ングして形成される発光層の材料は、アントラセンやピ
レン、そして8−ヒドロキシキノリンアルミニウムの他
には、例えば、ビススチリルアントラセン誘導体、テト
ラフェニルブタジエン誘導体、クマリン誘導体、オキサ
ジアゾール誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ピロロ
ピリジン誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン
誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、ポリマー系で
は、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレ
ン誘導体、そしてポリチオフェン誘導体などが使用でき
る。また、発光層に添加するドーパントとしては、ルブ
レン、キナクリドン誘導体、フェノキサゾン660,D
CM1、ペリノン、ペリレン、クマリン540,ジアザ
インダセン誘導体などがそのまま使用できる。
【0022】電子輸送性物質としては、電界を与えられ
た電極間において陰極からの電子を効率よく輸送するこ
とが必要で、電子注入効率が高く、注入された電子を効
率よく輸送することが望ましい。そのためには電子親和
性が大きく、しかも電子移動度が大きく、さらに安定性
に優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に
発生しにくい物質であることが要求される。このような
条件を満たす物質として8−ヒドロキシキノリンアルミ
ニウム(Alq3)、ヒドロキシベンゾキノリンベリリ
ウム、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチル
フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(t−Bu
PBD)などのオキサジアゾール系誘導体、薄膜安定性
を向上させたオキサジアゾール二量体系誘導体の1,3
−ビス(4−t−ブチルフェニル−1,3,4−オキサ
ジゾリル)ビフェニレン(OXD−1)、1,3−ビス
(4−t−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジゾリ
ル)フェニレン(OXD−7)、トリアゾール系誘導
体、フェナントロリン系誘導体などがある。
【0023】第二電極となる陰極は、電子を本素子の発
光層に効率よく注入できる物質であれば特に限定されな
い。従って、アルカリ金属などの低仕事関数金属の使用
も可能であるが、電極の安定性を考えると、白金、金、
銀、銅、鉄、錫、アルミニウム、マグネシウム、インジ
ウムなどの金属、またはこれら金属と低仕事関数金属と
の合金などが好ましい例として挙げられる。また、あら
かじめ有機層に低仕事関数金属を微量ドーピングしてお
き、その後に比較的安定な金属を陰極として成膜するこ
とで、電極注入効率を高く保ちながら安定な電極を得る
こともできる。これらの電極の作製法も抵抗加熱蒸着、
電子ビーム蒸着、スパッタリング、イオンプレーティン
グ法などのドライプロセスが好ましい。
【0024】基板の材料は、表示または発光素子として
機能するに適した光学的透明性、機械的強度、耐熱性な
どを有するものであれば、材質は特に限定されない。ポ
リメチルメタクリレート、ポリカーボネート、無定形ポ
リオレフィンなどのプラスチック板やフィルム類を用い
ることができるが、ガラス板を用いるのが最も好まし
い。ガラスの材質については、無アルカリガラスや酸化
珪素膜などのバリアコートを施したソーダライムガラス
などが使用できる。厚みは機械的強度を保つのに十分な
厚みがあればよいので、0.5mm以上あれば十分であ
る。なお、上記第一電極もしくは基板には、公知技術を
用いて反射防止機能を付加することができる。
【0025】保護膜の材料としては、酸化ケイ素、酸化
ガリウム、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミ
ニウム、窒化ケイ素等の酸化物や窒化物、各種高分子材
料、有機電界発光素子を構成する有機材料を用いること
ができる。中でも窒化ケイ素は水分に対するバリア性に
優れた好適な保護膜材料である。これらの保護膜は抵抗
加熱蒸着法、スパッタリング法、CVD法などによって
形成されるが、用いる材料によっては、マスク蒸着法な
どの既知の方法で保護膜をパターニングして形成するこ
ともできる。
【0026】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるも
のではない。
【0027】実施例1 第一電極1のパターニングは次のようにして行った。大
きさ120mm×100mm、厚さ1.1mmの無アル
カリガラス基板1表面にスパッタリング蒸着法によって
厚さ150nmのITO透明電極を形成した。フォトリ
ソグラフィ法により、長さ90mm、幅70μmのスト
ライプ状のITOが100μmピッチで816本平行に
なるようにパターニングした。
【0028】このITO基板を洗浄し、UVオゾン処理
を行った後に第一電極1を形成した真空槽とは異なる真
空蒸着機内に設置した。2×10-4Pa以下の真空度に
なるまで真空引きした後に正孔輸送層5としてビス(N
−エチルカルバゾール)を60nm基板全体に蒸着し
た。引き続き、同一真空槽内で、基板の蒸着面側に図2
に示すような配置でシャドウマスク31を密着させた。
このマスクの外形は120×84mmで、長さ64m
m、幅100μmのストライプ状の開口部がピッチ30
0μmでITOと平行に272本配置されている。この
状態で、青色発光層28として、4,4’−ビス(2,
2’−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)を
15nmの膜厚で蒸着した。
【0029】次にこの基板を緑色発光層形成用真空槽に
設置した。2×10-4Pa以下の真空度になるまで真空
引きした後、基板1の蒸着面側に図3に示すような配置
でシャドウマスク31を密着させた。このマスクの外形
は120×84mmで、長さ64mm、幅100μmの
ストライプ状の開口部がピッチ300μmで、ITOと
平行に272本配置されている。この状態で、緑色発光
層27として、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム錯
体(Alq3)を15nmの膜厚で蒸着した。
【0030】次にこの基板を赤色発光層形成用真空槽に
設置した。2×10-4Pa以下の真空度になるまで真空
引きした後、基板の蒸着面側に図4に示すような配置で
シャドウマスク31を密着させた。このマスクの外形は
120×84mmで、長さ64mm、幅100μmのス
トライプ状の開口部がピッチ300μmで272本配置
されている。この状態で、赤色発光層26として、1w
t%の4−(ジシアノメチレン)−2メチル−6−(p
−ジメチルアミノスチリル)−4ピラン(DCM)をド
ーピングしたAlq3を膜厚で15nm蒸着した。
【0031】次にこの基板を電子輸送層形成用真空槽に
設置した。2×10-4Pa以下の真空度になるまで真空
引きした後、電子輸送層7として、2,9−ジメチル−
4,7ジフェニル−1,10フェナントロリンを膜厚で
35nm蒸着した。
【0032】次にこの基板を第二電極形成用真空槽に設
置した。2×10-4Pa以下の真空度になるまで真空引
きした後、基板の蒸着面側に図5に示すような配置でシ
ャドウマスク31を密着させた。このマスクの外形は1
20×84mmで、長さ84mm、幅250μmのスト
ライプ状の開口部がピッチ300μmで、ITOと直交
する方向に200本配置されている。この状態でLiを
まず極微量(膜厚換算0.5nm)電子輸送層7にドー
ピングし、続けて第二電極8としてアルミニウムを20
0nm蒸着した。
【0033】以上の作製手順により、対角4インチの有
機電界発光素子を計10枚作製した。得られた10枚の
有機電界発光素子の緑発光層を発光させ、それぞれ発光
特性の評価を行った。その結果、発光特性のばらつき
は、発光効率4.1±0.1cd/A、CIEの色度で
(0.315±0.001、0.565±0.001)
となり、非常に安定した発光特性を示した。
【0034】実施例2 正孔輸送層と青色発光層を異なる真空槽で形成する以外
は実施例1と同様の方法で、対角4インチの有機電界発
光素子を計10枚作製した。得られた10枚の有機電界
発光素子の緑発光層を発光させ、それぞれ発光特性の評
価を行った。その結果、発光特性のばらつきは、発光効
率4.5±0.1cd/A、CIEの色度で(0.31
5±0.001、0.565±0.001)となり、非
常に安定した発光特性を示した。
【0035】比較例1 緑色発光層と赤色発光層を同一の真空槽で形成する以外
は実施例1と同様の方法で、対角4インチの有機電界発
光素子を計10枚作製した。得られた10枚の有機電界
発光素子の緑発光層を発光させ、それぞれ発光特性の評
価を行った。その結果、発光特性のばらつきは、発光効
率3.5±0.3cd/A、CIEの色度で(0.31
7±0.004、0.562±0.003)となり、発
光効率、色度共にばらつきが大きく信頼性に欠けるもの
となった。
【0036】比較例2 緑色発光層と青色発光層を同一の真空槽で形成する以外
は実施例1と同様の方法で、対角4インチの有機電界発
光素子を計10枚作製した。得られた10枚の有機電界
発光素子の緑発光層を発光させ、それぞれ発光特性の評
価を行った。その結果、発光特性のばらつきは、発光効
率3.5±0.3cd/A、CIEの色度で(0.31
2±0.003、0.563±0.004)となり、発
光効率、色度共にばらつきが大きく信頼性に欠けるもの
となった。
【0037】
【発明の効果】本発明の有機電界発光素子の製造方法に
よれば、発光層を各発光色ごとに異なる真空槽内で形成
することにより、コンタミネーションの無い有機電界発
光素子を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で製造される有機電界発光素子の一例を
示す断面図。
【図2】本発明で製造される有機電界発光素子の別の一
例を示す断面図。
【図3】本発明で製造される有機電界発光素子の別の一
例を示す断面図。
【図4】本発明で製造される有機電界発光素子の別の一
例を示す断面図。
【図5】本発明で製造される有機電界発光素子の別の一
例を示す断面図。
【符号の説明】
1 基板 2 第一電極 3 駆動源 5 正孔輸送層 6 発光層 7 電子輸送層 8 第二電極 9 保護層 12 フラックス 21 封止板 22 接着樹脂 23 封止内部空間 26 赤色発光層 27 緑色発光層 28 青色発光層 31 マスク部分 34 フレーム

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に第一電極と、少なくとも有機化合
    物からなり、異なる色で発光する層を含む薄膜層と、第
    二電極とを順次積層してなる有機電界発光素子の製造方
    法であって、発光層が各発光色ごとにそれぞれ異なる真
    空槽内で形成されることを特徴とする有機電界発光素子
    の製造方法。
  2. 【請求項2】第一電極と薄膜層が異なる真空槽内で形成
    されることを特徴とする請求項1記載の有機電界発光素
    子の製造方法。
  3. 【請求項3】第二電極と薄膜層が異なる真空槽内で形成
    されることを特徴とする請求項1記載の有機電界発光素
    子の製造方法。
  4. 【請求項4】各発光色が青、緑、赤の3色であることを
    特徴とする請求項1記載の有機電界発光素子の製造方
    法。
  5. 【請求項5】薄膜層が正孔輸送層を含み、かつ正孔輸送
    層と前記発光層が異なる真空槽内で形成されることを特
    徴とする請求項1記載の有機電界発光素子の製造方法。
  6. 【請求項6】薄膜層が電子輸送層を含み、かつ電子輸送
    層と前記発光層が異なる真空槽内で形成されることを特
    徴とする請求項1記載の有機電界発光素子の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9666645B2 (en) 2014-11-10 2017-05-30 Japan Display Inc. Display device

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