JP2002175879A - 有機elディスプレイパネルおよびそれに用いる有機el素子 - Google Patents

有機elディスプレイパネルおよびそれに用いる有機el素子

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JP2002175879A
JP2002175879A JP2000374809A JP2000374809A JP2002175879A JP 2002175879 A JP2002175879 A JP 2002175879A JP 2000374809 A JP2000374809 A JP 2000374809A JP 2000374809 A JP2000374809 A JP 2000374809A JP 2002175879 A JP2002175879 A JP 2002175879A
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Michio Arai
三千男 荒井
Etsuo Mihashi
悦央 三橋
Megumi Aoyama
恵 青山
Mutsuko Nakano
睦子 中野
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで製造することができ、薄層化が可
能で、かつ、高品位な有機ELディスプレイパネルを提
供する。 【解決手段】 基板1を備えるとともに、少なくとも一
方が透明なホール注入電極4と陰極10との間に、少な
くとも一層の有機発光層7、8を備え、さらに、顔料お
よび/または有機染料を蒸着して形成したカラーフィル
ター層3を含み、有機発光層とホール注入電極および陰
極の少なくとも一方との間に、ホールを搬送するための
導通パスを有し、電子をブロックする機能を有する少な
くとも一層の高抵抗の無機物層5および電子を搬送する
ための導通パスを有し、ホールをブロックする機能を有
する少なくとも一層の高抵抗の無機物層9の少なくとも
一方を備え、独立して、制御が可能な複数の有機EL素
子に分割されたことを特徴とする有機ELディスプレイ
パネル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機EL(エレク
トロルミネッセンス)ディスプレイパネルおよびそれに
用いる有機EL素子に関するものであり、さらに詳細に
は、低コストで製造することができ、薄層化が可能で、
かつ、高品位な有機ELディスプレイパネルおよびそれ
に用いる有機EL素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、占有面積を減少させるという観点
から、フラットディスプレイパネルへの要求が高まって
いる。
【0003】現在のところ、フラットディスプレイパネ
ルとしては、液晶ディスプレイパネルが広く用いられて
いるが、最近では、軽量で、バックライトを必要としな
いエレクトロルミネッセント素子(以下、「EL素子」
という。)を用いたデバイスが注目を集めている。
【0004】EL素子は、無機EL素子と有機EL素子
とに分類され、無機EL素子は、たとえば、ZnSに微
量のMnなどを添加するなど、発光層に無機物を用いた
もので、分散型と薄膜型に分類されるが、いずれも、蛍
光体中の電子が高電界下で、加速されて、発光中心に衝
突して、励起される現象を利用しており、現在、実用化
されている無機EL素子は、交流で動作するものが多
く、輝度は電圧と周波数に依存する。
【0005】また、有機EL素子は、外部から、電子と
ホール(正孔)を注入し、それらの再結合エネルギーに
よって、発光中心を励起するもので、一般に、錫ドープ
酸化インジウム(ITO)などよりなるホール(正孔)
注入電極と、ホール注入電極上に成膜されたトリフェニ
ルジアミンなどを含むホール(正孔)輸送層と、ホール
輸送層上に積層されたアルミキノリノール錯体(Alq
)などの蛍光物質を含む有機発光層と、マグネシウム
などの仕事関数の小さな金属電極(電子注入電極)とを
基本構成として有している。
【0006】無機EL素子が、駆動のために、比較的高
電圧を必要とするのに対し、有機EL素子は、10ボル
ト前後の低電圧によって、数百ないし数万cd/m
いうきわめて高い輝度が得られるという特徴を有してお
り、EL素子のうちでは、有機EL素子が主流となって
いる。
【0007】かかる有機EL素子を含んだ有機ELディ
スプレイパネルは、ディスプレイ装置、とりわけ、カラ
ーディスプレイ装置への応用が期待されている。
【0008】有機ELディスプレイパネルを、カラーデ
ィスプレイ装置に用いる場合には、光の三原色である
赤、緑、青の光を発する発光層を各画素ごとに形成する
方法や、複数の発光層とカラーフィルター層を形成し、
カラーフィルター層を用いて、複数の発光層から発せら
れる白色光から、各画素毎に、光の三原色である赤、
緑、青の光を取り出す方法が一般的に用いられている。
また、特定の波長の光を吸収して、所定の色の光に変換
する蛍光変換層、カラーフィルター層および特定の波長
にピークを持つ発光層を組み合わせて、各画素ごとに、
赤、緑、青の光を得るという方法も用いられている。
【0009】しかしながら、光の三原色である赤、緑、
青の光を発する発光層を各画素ごとに形成する場合に
は、赤色光を発する発光層に用いるのに適した蛍光材料
が少ないため、色純度の高い赤色光を得ることが困難で
あるだけでなく、一般に、青色光を発する発光層の寿命
が、赤色光を発する発光層および緑色光を発する発光層
に比して、極端に短いため、カラーディスプレイ装置の
寿命が、青色光を発する発光層の寿命によって、制限を
受けるという問題があった。
【0010】これに対して、白色光を発する有機発光層
とカラーフィルター層とを形成し、カラーフィルター層
を用いて、各画素ごとに、白色光を、光の三原色である
赤、緑、青(R、G、B)の光を取り出すことによっ
て、カラーディスプレイ装置を構成する場合や、単色光
を発する発光層と、蛍光材料によって形成され、発光層
から発せられた光を所定の色の光に変換する蛍光変換層
と、カラーフィルター層とを組み合わせて、カラーディ
スプレイ装置を構成する場合には、一種類の有機EL素
子によって、カラーディスプレイ装置を構成することが
できるため、構成が簡易であるだけでなく、低コスト化
が可能であり、実用性を有している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】カラーフィルター層
は、従来、フォトリソグラフィプロセスによって、基板
上に形成されていたが、カラーレジスト材料は高価であ
るだけでなく、フォトリソグラフィプロセスによって、
カラーフィルター層を形成する場合には、R、G、Bの
各色のレジスト膜を形成し、それぞれ、露光をした後
に、不要な部分を除去するための現像処理が不可欠であ
り、さらには、フォトリソグラフィプロセスによって形
成されたパターニング後の膜には、揮発性の溶剤などが
含まれているため、揮発性の溶剤などを除去するための
加熱処理が必要で、工程数が多く、必然的に、製造に要
する時間も長くなって、低コストで、有機ELディスプ
レイパネルを製造することが困難であるという問題があ
った。
【0012】また、フォトリソグラフィプロセスによっ
て、カラーフィルター層を基板上に形成する場合には、
R、G、Bの各色によって、カラーフィルター層の厚さ
が大きく異なることがあるため、オーバーコート層を設
けて、厚さの違いを補償することが必要であるが、通
常、フォトリソグラフィプロセスによって形成されるカ
ラーフィルター層の厚さは1.0ないし2.0μmで、
オーバーコート層の厚さは3.5μm程度である。これ
に対して、カラーフィルター層上に形成される透明電極
および補助配線の厚みは、0.1μm程度であるため、
カラーフィルター層およびオーバーコート層の状態にわ
ずかでも変動があるときには、カラーフィルター層上に
形成された透明電極および補助配線が切断されるおそれ
があり、所望のように、配線をして、有機ELディスプ
レイパネルとして、機能させることが困難になる場合が
あるという問題もあった。
【0013】さらに、フォトリソグラフィプロセスによ
って、カラーフィルター層を基板上に形成する場合に
は、露光および現像によって、レジスト膜の不要部分を
除去することが必要であるが、その際に、露光時間を十
分に長くしないと、カラーフィルター層のエッジに、5
0度を越える角度の壁が生成されるため、この部分で
も、カラーフィルター層上に形成された透明電極および
補助配線が切断されるおそれがあり、他方、露光時間を
十分に長くする場合には、コストアップの原因になると
いう問題もあった。
【0014】加えて、加熱処理によって、揮発性の溶剤
などを除去した後には、膜の表面が不均一になり、発光
むらの原因になって、有機ELディスプレイパネルの品
質を低下させるという問題もあった。
【0015】また、発光層からの発光を吸収し、そのエ
ネルギーによって、蛍光体を励起して、発光させる蛍光
変換層を設ける場合にも、同様の問題があった。
【0016】したがって、本発明は、低コストで製造す
ることができ、薄層化が可能で、かつ、高品位な有機E
Lディスプレイパネルおよびそれに用いる有機EL素子
を提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者は、本発明の前
記目的を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、基板を
備えるとともに、少なくとも一方が透明なホール注入電
極と陰極との間に、少なくとも一層の有機発光層を備
え、さらに、顔料および/または有機染料を蒸着して形
成したカラーフィルター層を含み、前記少なくとも一層
の有機発光層と前記ホール注入電極および前記陰極の少
なくとも一方との間に、ホールを搬送するための導通パ
スを有し、電子をブロックする機能を有する少なくとも
一層の高抵抗の無機物層および電子を搬送するための導
通パスを有し、ホールをブロックする機能を有する少な
くとも一層の高抵抗の無機物層の少なくとも一方を備
え、独立して、制御が可能な複数の有機EL素子に分割
されたことを特徴とする有機ELディスプレイパネルに
よって、本発明の前記目的が達成されることを見出し
た。
【0018】本発明によれば、顔料だけでなく、樹脂や
感光成分などを含んだ高価なカラーレジスト材料を使用
することなく、顔料および/または有機染料を蒸着し
て、カラーフィルター層が形成されているので、フォト
リソグラフィプロセスによって、カラーフィルター層を
形成する場合に比して、有機ELディスプレイパネルの
製造コストを大幅に低減することが可能になる。
【0019】また、本発明によれば、メタルマスク、シ
ャドウマスクなどのマスクを用いて、各色の蒸着膜を形
成するだけで、カラーフィルター層を形成することがで
きるから、各色のレジスト膜を、それぞれ、露光し、現
像する必要がなく、また、パターニング後に、膜から揮
発性の溶剤などを除去する工程も不要であり、フォトリ
ソグラフィプロセスによって、カラーフィルター層を形
成する場合に比し、大幅に工程数を減少させることがで
き、したがって、有機ELディスプレイパネルの製造に
要する時間を大幅に短縮することができるから、有機E
Lディスプレイパネルの製造コストを大幅に低減するこ
とが可能になる。
【0020】さらに、本発明によれば、顔料および/ま
たは有機染料を蒸着して、カラーフィルター層が形成さ
れているので、カラーフィルター層の厚さを大幅に減少
させることができ、有機ELディスプレイパネルの薄層
化を図ることが可能になる。
【0021】また、本発明によれば、顔料および/また
は有機染料を蒸着して、カラーフィルター層が形成され
ているので、カラーフィルター層の厚さを大幅に減少さ
せることができ、したがって、オーバーコート層を設け
る必要がないから、カラーフィルター層およびオーバー
コート層の厚さの変動によって、カラーフィルター層上
に形成される透明電極および補助配線が切断されるおそ
れを確実に防止することが可能になる。
【0022】さらに、本発明によれば、顔料および/ま
たは有機染料を蒸着して、カラーフィルター層を形成す
る際に、メタルマスク、シャドウマスクなどのマスクを
用いて、顔料および/または有機染料が、メタルマス
ク、シャドウマスクなどのマスクと基板面などの被蒸着
面との隙間から、基板面などの被蒸着面に回り込むよう
に、蒸着することによって、カラーフィルター層のエッ
ジに形成される壁の角度を数度の範囲に抑制することが
でき、したがって、カラーフィルター層上に形成される
透明電極および補助配線が切断されるおそれを確実に防
止することが可能になる。
【0023】また、本発明によれば、パターニング後の
膜に、揮発性の溶剤などが含まれることはなく、パター
ニング後に、膜から揮発性の溶剤などを除去する必要が
ないから、カラーフィルター層の表面が不均一になっ
て、発光むらが生じることを確実に防止することが可能
になるとともに、カラーフィルター層の凹凸による電極
や有機発光層への悪影響を最小限に抑制することが可能
になる。
【0024】さらに、本発明によれば、顔料および/ま
たは有機染料を蒸着して、カラーフィルター層が形成さ
れるので、フィルムなどの比較的耐熱性の低い基板上
に、カラーフィルター層を形成することができ、基板材
料の選択の自由度を向上させることが可能になる。
【0025】また、本発明によれば、少なくとも一層の
有機発光層とホール注入電極および陰極の少なくとも一
方との間に、ホールを搬送するための導通パスを有し、
電子をブロックする機能を有する少なくとも一層の高抵
抗の無機物層および電子を搬送するための導通パスを有
し、ホールをブロックする機能を有する少なくとも一層
の高抵抗の無機物層の少なくとも一方を備えている。し
たがって、少なくとも一層の有機発光層とホール注入電
極との間に、ホールを搬送するための導通パスを有し、
電子をブロックする機能を有する少なくとも一層の高抵
抗の無機物層を備えているときは、有機発光層にホール
を効率よく注入することができ、発光効率を向上させる
ことが可能となるとともに、駆動電圧を低下させること
が可能になり、さらには、有機ELディスプレイパネル
の厚さを減少させることができ、蒸着によって、カラー
フィルター層を形成することによって薄層化された有機
ELディスプレイパネルをより一層、薄層化することが
可能となる。また、少なくとも一層の有機発光層と陰極
との間に、電子を搬送するための導通パスを有し、ホー
ルをブロックする機能を有する少なくとも一層の高抵抗
の無機物層を備えているときは、有機発光層に電子を効
率よく注入することができ、発光効率を向上させること
が可能となるとともに、駆動電圧を低下させることが可
能になり、さらには、有機ELディスプレイパネルの厚
さを減少させることができ、蒸着によって、カラーフィ
ルター層を形成することによって薄層化された有機EL
ディスプレイパネルを、より一層、薄層化することが可
能となる。
【0026】本発明の好ましい実施態様においては、ホ
ールを搬送するための導通パスを有し、電子をブロック
する機能を有する少なくとも一層の高抵抗の前記無機物
層が、無機ホール注入輸送層によって構成されている。
【0027】本発明の別の好ましい実施態様において
は、電子を搬送するための導通パスを有し、ホールをブ
ロックする機能を有する少なくとも一層の高抵抗の前記
無機物層が、無機電子注入輸送層によって構成されてい
る。
【0028】本発明のさらに別の好ましい実施態様にお
いては、ホールを搬送するための導通パスを有し、電子
をブロックする機能を有する少なくとも一層の高抵抗の
前記無機物層が、前記ホール注入電極からのホールの注
入を容易にする機能を有する無機ホール注入層およびホ
ールを安定的に輸送するとともに、電子の輸送を妨げる
機能を有する無機ホール輸送層によって構成されてい
る。
【0029】本発明のさらに別の好ましい実施態様にお
いては、電子を搬送するための導通パスを有し、ホール
をブロックする機能を有する少なくとも一層の高抵抗の
前記無機物層が、前記陰極からの電子の注入を容易にす
る機能を有する無機電子注入層および電子を安定的に輸
送するとともにホールの輸送を妨げる機能を有する無機
電子輸送層によって構成されている。
【0030】本発明の好ましい実施態様においては、前
記基板が透明基板によって形成されるとともに、前記ホ
ール注入電極が透明で、かつ、前記陰極が電子注入電極
によって構成され、有機ELディスプレイパネルは、前
記基板上に、前記カラーフィルター層、前記ホール注入
電極、ホールを搬送するための導通パスを有し、電子を
ブロックする機能を有する少なくとも一層の高抵抗の前
記無機物層、前記少なくとも一層の有機発光層および前
記電子注入電極を、この順に備えている。
【0031】本発明の好ましい実施態様によれば、有機
ELディスプレイパネルは、ホール注入電極と少なくと
も一層の有機発光層との間に、ホールを搬送するための
導通パスを有し、電子をブロックする機能を有する少な
くとも一層の高抵抗の無機物層を備えているから、有機
発光層にホールを効率よく注入することができ、発光効
率を向上させることが可能となるとともに、駆動電圧を
低下させることが可能になり、さらには、有機ELディ
スプレイパネルの厚さを減少させることができ、蒸着に
よって、カラーフィルター層を形成することによって薄
層化された有機ELディスプレイパネルを、より一層、
薄層化することが可能となる。
【0032】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記基板が透明基板によって形成されるとともに、
前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記陰極が電子注
入電極によって構成され、有機ELディスプレイパネル
は、前記基板上に、前記カラーフィルター層、前記ホー
ル注入電極、前記少なくとも一層の有機発光層、電子を
搬送するための導通パスを有し、ホールをブロックする
機能を有する少なくとも一層の高抵抗の前記無機物層お
よび前記電子注入電極を、この順に備えている。
【0033】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
有機ELディスプレイパネルは、少なくとも一層の有機
発光層と電子注入電極との間に、電子を搬送するための
導通パスを有し、ホールをブロックする機能を有する少
なくとも一層の高抵抗の無機物層を備えているから、有
機発光層に電子を効率よく注入することができ、発光効
率を向上させることが可能となるとともに、駆動電圧を
低下させることが可能になり、さらには、有機ELディ
スプレイパネルの厚さを減少させることができ、蒸着に
よって、カラーフィルター層を形成することによって薄
層化された有機ELディスプレイパネルを、より一層、
薄層化することが可能となる。
【0034】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記基板が透明基板によって形成されるとともに、
前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記陰極が電子注
入電極によって構成され、有機ELディスプレイパネル
は、前記基板上に、前記カラーフィルター層、前記ホー
ル注入電極、ホールを搬送するための導通パスを有し、
電子をブロックする機能を有する少なくとも一層の高抵
抗の前記無機物層、前記少なくとも一層の有機発光層、
電子を搬送するための導通パスを有し、ホールをブロッ
クする機能を有する少なくとも一層の高抵抗の前記無機
物層および前記電子注入電極を、この順に備えている。
【0035】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記陰極が電
子注入電極によって構成され、有機ELディスプレイパ
ネルは、前記基板上に、前記電子注入電極、前記少なく
とも一層の有機発光層、ホールを搬送するための導通パ
スを有し、電子をブロックする機能を有する少なくとも
一層の高抵抗の前記無機物層、前記ホール注入電極およ
び前記カラーフィルター層を、この順に備えている。
【0036】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
有機ELディスプレイパネルは、少なくとも一層の有機
発光層とホール注入電極との間に、ホールを搬送するた
めの導通パスを有し、電子をブロックする機能を有する
少なくとも一層の高抵抗の無機物層を備えているから、
有機発光層にホールを効率よく注入することができ、発
光効率を向上させることが可能となるとともに、駆動電
圧を低下させることが可能になり、さらには、有機EL
ディスプレイパネルの厚さを減少させることができ、蒸
着によって、カラーフィルター層を形成することによっ
て薄層化された有機ELディスプレイパネルを、より一
層、薄層化することが可能となる。
【0037】本発明のさらに別の好ましい実施態様にお
いては、前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記陰極
が電子注入電極によって構成され、有機ELディスプレ
イパネルは、前記基板上に、前記電子注入電極、電子を
搬送するための導通パスを有し、ホールをブロックする
機能を有する少なくとも一層の高抵抗の前記無機物層、
前記少なくとも一層の有機発光層、前記ホール注入電極
および前記カラーフィルター層を、この順に備えてい
る。
【0038】本発明のさらに別の好ましい実施態様によ
れば、有機ELディスプレイパネルは、少なくとも一層
の有機発光層と電子注入電極との間に、電子を搬送する
ための導通パスを有し、ホールをブロックする機能を有
する少なくとも一層の高抵抗の無機物層を備えているか
ら、有機発光層に電子を効率よく注入することができ、
発光効率を向上させることが可能となるとともに、駆動
電圧を低下させることが可能になり、さらには、有機E
Lディスプレイパネルの厚さを減少させることができ、
蒸着によって、カラーフィルター層を形成することによ
って薄層化された有機ELディスプレイパネルを、より
一層、薄層化することが可能となる。
【0039】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記陰極が電
子注入電極によって構成され、有機ELディスプレイパ
ネルは、前記基板上に、前記電子注入電極、電子を搬送
するための導通パスを有し、ホールをブロックする機能
を有する少なくとも一層の高抵抗の前記無機物層、前記
少なくとも一層の有機発光層、ホールを搬送するための
導通パスを有し、電子をブロックする機能を有する少な
くとも一層の高抵抗の前記無機物層、前記ホール注入電
極および前記カラーフィルター層を、この順に備えてい
る。
【0040】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、有機ELディスプレイパネルが、さらに、前記カラ
ーフィルター層の前記ホール注入電極側に、前記少なく
とも一層の有機発光層からの発光光を所定の波長の光に
変換する蛍光変換層を備えている。
【0041】本発明の好ましい実施態様によれば、有機
ELディスプレイパネルは、少なくとも一層の有機発光
層からの発光光を所定の波長の光に変換する蛍光変換層
を備えているから、少なくとも一層の有機発光層から発
せられた発光光には含まれない波長の光を生成し、ある
いは、少なくとも一層の有機発光層から発せられた発光
光中に不足する波長の光を補うことが可能になる。
【0042】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記基板が透明基板によって形成されるとともに、
前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記陰極が電子注
入電極によって構成され、有機ELディスプレイパネル
は、前記基板の一方の面に、前記カラーフィルター層を
備え、前記基板の他方の面に、前記ホール注入電極、ホ
ールを搬送するための導通パスを有し、電子をブロック
する機能を有する少なくとも一層の高抵抗の前記無機物
層、前記少なくとも一層の有機発光層および前記電子注
入電極を、この順に備えている。
【0043】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
有機ELディスプレイパネルは、少なくとも一層の有機
発光層とホール注入電極との間に、ホールを搬送するた
めの導通パスを有し、電子をブロックする機能を有する
少なくとも一層の高抵抗の無機物層を備えているから、
有機発光層にホールを効率よく注入することができ、発
光効率を向上させることが可能となるとともに、駆動電
圧を低下させることが可能になり、さらには、有機EL
ディスプレイパネルの厚さを減少させることができ、蒸
着によって、カラーフィルター層を形成することによっ
て薄層化された有機ELディスプレイパネルを、より一
層、薄層化することが可能となる。
【0044】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記基板が透明基板によって形成されるとともに、
前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記陰極が電子注
入電極によって構成され、有機ELディスプレイパネル
は、前記基板の一方の面に、前記カラーフィルター層を
備え、前記基板の他方の面に、前記ホール注入電極、前
記少なくとも一層の有機発光層、電子を搬送するための
導通パスを有し、ホールをブロックする機能を有する少
なくとも一層の高抵抗の前記無機物層および前記電子注
入電極を、この順に備えている。
【0045】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
有機ELディスプレイパネルは、少なくとも一層の有機
発光層と電子注入電極との間に、電子を搬送するための
導通パスを有し、ホールをブロックする機能を有する少
なくとも一層の高抵抗の無機物層を備えているから、有
機発光層に電子を効率よく注入することができ、発光効
率を向上させることが可能となるとともに、駆動電圧を
低下させることが可能になり、さらには、有機ELディ
スプレイパネルの厚さを減少させることができ、蒸着に
よって、カラーフィルター層を形成することによって薄
層化された有機ELディスプレイパネルを、より一層、
薄層化することが可能となる。
【0046】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記基板が透明基板によって形成されるとともに、
前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記陰極が電子注
入電極によって構成され、有機ELディスプレイパネル
は、前記基板の一方の面に、前記カラーフィルター層を
備え、前記基板の他方の面に、前記ホール注入電極、ホ
ールを搬送するための導通パスを有し、電子をブロック
する機能を有する少なくとも一層の高抵抗の前記無機物
層、前記少なくとも一層の有機発光層、電子を搬送する
ための導通パスを有し、ホールをブロックする機能を有
する少なくとも一層の高抵抗の前記無機物層および前記
電子注入電極を、この順に備えている。
【0047】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、有機ELディスプレイパネルが、さらに、前記基板
の一方の面に、前記少なくとも一層の有機発光層からの
発光光を所定の波長の光に変換する蛍光変換層を備え、
前記蛍光変換層が、前記カラーフィルター層の前記基板
側に配置されている。
【0048】本発明のさらに別の好ましい実施態様にお
いては、有機ELディスプレイパネルが、さらに、前記
基板の他方の面に、前記少なくとも一層の有機発光層か
らの発光光を所定の波長の光に変換する蛍光変換層を備
え、前記蛍光変換層が、前記ホール注入電極および前記
陰極と前記基板の間に配置されている。
【0049】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蛍光変換層が、蛍光物質を蒸着して、形成され
ている。
【0050】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、蛍光変換層が、蛍光物質を蒸着して、形成されてい
るので、フォトリソグラフィプロセスによって、蛍光変
換層を形成する場合に比して、蛍光変換層を大幅に薄層
化し、有機ELディスプレイパネルを大幅に薄層化する
ことが可能になる。
【0051】本発明の前記目的はまた、基板を備えると
ともに、少なくとも一方が透明なホール注入電極と陰極
との間に、少なくとも一層の有機発光層を備え、さら
に、顔料および/または有機染料を蒸着して形成したカ
ラーフィルターを含み、前記少なくとも一層の有機発光
層と前記ホール注入電極および前記陰極の少なくとも一
方との間に、ホールを搬送するための導通パスを有し、
電子をブロックする機能を有する少なくとも一層の高抵
抗の無機物層および電子を搬送するための導通パスを有
し、ホールをブロックする機能を有する少なくとも一層
の高抵抗の無機物層の少なくとも一方を備えたことを特
徴とする有機EL素子によって達成される。
【0052】本発明によれば、顔料だけでなく、樹脂や
感光成分などを含んだ高価なカラーレジスト材料を使用
することなく、顔料および/または有機染料を蒸着し
て、カラーフィルターが形成されているので、フォトリ
ソグラフィプロセスによって、カラーフィルターを形成
する場合に比して、有機EL素子の製造コストを大幅に
低減することが可能になる。
【0053】また、本発明によれば、メタルマスク、シ
ャドウマスクなどのマスクを用いて、各色の蒸着膜を形
成するだけで、カラーフィルターを形成することができ
るから、各色のレジスト膜を、それぞれ、露光し、現像
する必要がなく、また、パターニング後に、膜から揮発
性の溶剤などを除去する工程も不要であり、フォトリソ
グラフィプロセスによって、カラーフィルターを形成す
る場合に比し、大幅に工程数を減少させることができ、
したがって、有機EL素子の製造に要する時間を大幅に
短縮することができるから、有機素子の製造コストを大
幅に低減することが可能になる。
【0054】さらに、本発明によれば、顔料および/ま
たは有機染料を蒸着して、カラーフィルターが形成され
ているので、カラーフィルターの厚さを大幅に減少させ
ることができ、有機EL素子の薄層化を図ることが可能
になる。
【0055】また、本発明によれば、顔料および/また
は有機染料を蒸着して、カラーフィルターが形成されて
いるので、カラーフィルターの厚さを大幅に減少させる
ことができ、したがって、オーバーコート層を設ける必
要がないから、カラーフィルターの厚さの変動によっ
て、カラーフィルター上に形成される透明電極および補
助配線が切断されるおそれを確実に防止することが可能
になる。
【0056】さらに、本発明によれば、顔料および/ま
たは有機染料を蒸着して、カラーフィルターを形成する
際に、メタルマスク、シャドウマスクなどのマスクを用
い、顔料および/または有機染料が、メタルマスク、シ
ャドウマスクなどのマスクと基板面などの被蒸着面との
隙間から、基板面などの被蒸着面に回り込むように、蒸
着することにより、カラーフィルターと、カラーフィル
ターが形成されていない領域との境界部分に形成される
壁の角度を数度の範囲に抑制することができ、したがっ
て、カラーフィルター上に形成される透明電極および補
助配線が切断されるおそれを確実に防止することが可能
になる。
【0057】また、本発明によれば、パターニング後の
膜に、揮発性の溶剤などが含まれることはなく、パター
ニング後に、膜から揮発性の溶剤などを除去する必要が
ないから、カラーフィルターの表面が不均一になって、
発光むらが生じることを確実に防止することが可能にな
るとともに、カラーフィルターの凹凸による電極や有機
発光層への悪影響を最小限に抑制することが可能にな
る。
【0058】さらに、本発明によれば、顔料および/ま
たは有機染料を蒸着して、カラーフィルターが形成され
るので、フィルムなどの比較的耐熱性の低い基板上に、
カラーフィルターを形成することができ、基板材料の選
択の自由度を向上させることが可能になる。
【0059】また、本発明によれば、少なくとも一層の
有機発光層とホール注入電極および陰極の少なくとも一
方との間に、ホールを搬送するための導通パスを有し、
電子をブロックする機能を有する少なくとも一層の高抵
抗の無機物層および電子を搬送するための導通パスを有
し、ホールをブロックする機能を有する少なくとも一層
の高抵抗の無機物層の少なくとも一方を備えている。し
たがって、少なくとも一層の有機発光層とホール注入電
極との間に、ホールを搬送するための導通パスを有し、
電子をブロックする機能を有する少なくとも一層の高抵
抗の無機物層を備えているときは、有機発光層にホール
を効率よく注入することができ、発光効率を向上させる
ことが可能となるとともに、駆動電圧を低下させること
が可能になり、さらには、有機EL素子の厚さを減少さ
せることができ、蒸着によって、カラーフィルターを形
成することによって薄層化された有機EL素子をより一
層、薄層化することが可能となる。また、少なくとも一
層の有機発光層と陰極との間に、電子を搬送するための
導通パスを有し、ホールをブロックする機能を有する少
なくとも一層の高抵抗の無機物層を備えているときは、
有機発光層に電子を効率よく注入することができ、発光
効率を向上させることが可能となるとともに、駆動電圧
を低下させることが可能になり、さらには、有機EL素
子の厚さを減少させることができ、蒸着によって、カラ
ーフィルターを形成することによって薄層化された有機
EL素子を、より一層、薄層化することが可能となる。
【0060】本発明の好ましい実施態様においては、前
記カラーフィルターが、隣接して形成された第一のカラ
ーフィルター、第二のカラーフィルターおよび第三のカ
ラーフィルターを含み、前記第一のカラーフィルターが
573ないし780nmの波長の光を透過させる光透過
特性を有し、前記第二のカラーフィルターが493ない
し573nmの波長の光を透過させる光透過特性を有
し、前記第三のカラーフィルターが380ないし493
nmの波長の光を透過させる光透過特性を有している。
【0061】本発明の好ましい実施態様によれば、カラ
ーフィルターが、隣接して形成された第一のカラーフィ
ルター、第二のカラーフィルターおよび第三のカラーフ
ィルターを含み、第一のカラーフィルターが573ない
し780nmの波長の光を透過させる光透過特性を有
し、第二のカラーフィルターが493ないし573nm
の波長の光を透過させる光透過特性を有し、第三のカラ
ーフィルターが380ないし493nmの波長の光を透
過させる光透過特性を有しているから、有機発光層から
発光される光の波長の如何にかかわらず、有機EL素子
は、それぞれ、光の三原色である赤色、緑色および青色
の光を生成することができ、したがって、白色光を発す
る有機発光層を用いた場合だけでなく、有機発光層の構
成材料として、色純度は低いが、寿命が長く、高い発光
効率で、赤色、緑色、青色に近い波長の光を発する有機
物を用いた場合にも、任意の色に、カラー表示をするこ
とが可能になる。
【0062】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記第一のカラーフィルターが578ないし620
nmの波長の光を透過させる光透過特性を有し、前記第
二のカラーフィルターが520ないし570nmの波長
の光を透過させる光透過特性を有し、前記第三のカラー
フィルターが430ないし470nmの波長の光を透過
させる光透過特性を有している。
【0063】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記カラーフィルターが、573ないし780nm
の波長の光を透過させる光透過特性、493ないし57
3nmの波長の光を透過させる光透過特性あるいは38
0ないし493nmの波長の光を透過させる光透過特性
を有している。
【0064】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
カラーフィルターが、573ないし780nmの波長の
光を透過させる光透過特性、493ないし573nmの
波長の光を透過させる光透過特性あるいは380ないし
493nmの波長の光を透過させる光透過特性を有して
いるから、有機発光層から発光される光の波長の如何に
かかわらず、光の三原色である赤色、緑色、青色の光の
うち、いずれかの色の光を生成することができ、有機E
L素子をカラーディスプレイに用いた際、カラーディス
プレイの特定の部分を特定の色で表示することが可能に
なる。
【0065】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記カラーフィルターが、578ないし620nm
の波長の光を透過させる光透過特性、520ないし57
0nmの波長の光を透過させる光透過特性あるいは43
0ないし470nmの波長の光を透過させる光透過特性
を有している。
【0066】本発明のさらに別の好ましい実施態様にお
いては、前記少なくとも一層の有機発光層が、隣接して
形成され、互いに異なる波長の光を発する第一の単位有
機発光層、第二の単位有機発光層および第三の単位有機
発光層を含み、前記第一の単位有機発光層が、573な
いし780nmの波長の光を発する発光特性を有し、前
記第二の単位有機発光層が、493ないし573nmの
波長の光を発する発光特性を有し、前記第三の単位有機
発光層が、380ないし493nmの波長の光を発する
発光特性を有している。
【0067】本発明の好ましい実施態様においては、ホ
ールを搬送するための導通パスを有し、電子をブロック
する機能を有する少なくとも一層の高抵抗の前記無機物
層が、無機ホール注入輸送層によって構成されている。
【0068】本発明の別の好ましい実施態様において
は、電子を搬送するための導通パスを有し、ホールをブ
ロックする機能を有する少なくとも一層の高抵抗の前記
無機物層が、無機電子注入輸送層によって構成されてい
る。
【0069】本発明のさらに別の好ましい実施態様にお
いては、ホールを搬送するための導通パスを有し、電子
をブロックする機能を有する少なくとも一層の高抵抗の
前記無機物層が、前記ホール注入電極からのホールの注
入を容易にする機能を有する無機ホール注入層およびホ
ールを安定的に輸送するとともに、電子の輸送を妨げる
機能を有する無機ホール輸送層によって構成されてい
る。
【0070】本発明のさらに別の好ましい実施態様にお
いては、電子を搬送するための導通パスを有し、ホール
をブロックする機能を有する少なくとも一層の高抵抗の
前記無機物層が、前記陰極からの電子の注入を容易にす
る機能を有する無機電子注入層および電子を安定的に輸
送するとともにホールの輸送を妨げる機能を有する無機
電子輸送層によって構成されている。
【0071】本発明の好ましい実施態様においては、前
記基板が透明基板によって形成されるとともに、前記ホ
ール注入電極が透明で、かつ、前記陰極が電子注入電極
によって構成され、有機EL素子が、前記基板上に、前
記カラーフィルター、前記ホール注入電極、ホールを搬
送するための導通パスを有し、電子をブロックする機能
を有する少なくとも一層の高抵抗の前記無機物層、前記
少なくとも一層の有機発光層および前記電子注入電極
を、この順に備えている。
【0072】本発明の好ましい実施態様によれば、有機
EL素子は、ホール注入電極と少なくとも一層の有機発
光層との間に、ホールを搬送するための導通パスを有
し、電子をブロックする機能を有する少なくとも一層の
高抵抗の無機物層を備えているから、有機発光層にホー
ルを効率よく注入することができ、発光効率を向上させ
ることが可能となるとともに、駆動電圧を低下させるこ
とが可能になり、さらには、有機EL素子の厚さを減少
させることができ、蒸着によって、カラーフィルターを
形成することによって薄層化された有機EL素子を、よ
り一層、薄層化することが可能となる。
【0073】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記基板が透明基板によって形成されるとともに、
前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記陰極が電子注
入電極によって構成され、有機EL素子は、前記基板上
に、前記カラーフィルター、前記ホール注入電極、前記
少なくとも一層の有機発光層、電子を搬送するための導
通パスを有し、ホールをブロックする機能を有する少な
くとも一層の高抵抗の前記無機物層および前記電子注入
電極を、この順に備えている。
【0074】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
有機EL素子は、少なくとも一層の有機発光層と電子注
入電極との間に、電子を搬送するための導通パスを有
し、ホールをブロックする機能を有する少なくとも一層
の高抵抗の無機物層を備えているから、有機発光層に電
子を効率よく注入することができ、発光効率を向上させ
ることが可能となるとともに、駆動電圧を低下させるこ
とが可能になり、さらには、有機EL素子の厚さを減少
させることができ、蒸着によって、カラーフィルターを
形成することによって薄層化された有機EL素子を、よ
り一層、薄層化することが可能となる。
【0075】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記基板が透明基板によって形成されるとともに、
前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記陰極が電子注
入電極によって構成され、有機EL素子は、前記基板上
に、前記カラーフィルター、前記ホール注入電極、ホー
ルを搬送するための導通パスを有し、電子をブロックす
る機能を有する少なくとも一層の高抵抗の前記無機物
層、前記少なくとも一層の有機発光層、電子を搬送する
ための導通パスを有し、ホールをブロックする機能を有
する少なくとも一層の高抵抗の前記無機物層および前記
電子注入電極を、この順に、備えている。
【0076】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記陰極が電
子注入電極によって構成され、有機EL素子は、前記基
板上に、前記電子注入電極、前記少なくとも一層の有機
発光層、ホールを搬送するための導通パスを有し、電子
をブロックする機能を有する少なくとも一層の高抵抗の
前記無機物層、前記ホール注入電極および前記カラーフ
ィルターを、この順に、備えている。
【0077】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
有機EL素子は、ホール注入電極と少なくとも一層の有
機発光層との間に、ホールを搬送するための導通パスを
有し、電子をブロックする機能を有する少なくとも一層
の高抵抗の無機物層を備えているから、有機発光層にホ
ールを効率よく注入することができ、発光効率を向上さ
せることが可能となるとともに、駆動電圧を低下させる
ことが可能になり、さらには、有機EL素子の厚さを減
少させることができ、蒸着によって、カラーフィルター
を形成することによって薄層化された有機EL素子を、
より一層、薄層化することが可能となる。
【0078】本発明のさらに別の好ましい実施態様にお
いては、前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記陰極
が電子注入電極によって構成され、有機EL素子は、前
記基板上に、前記電子注入電極、電子を搬送するための
導通パスを有し、ホールをブロックする機能を有する少
なくとも一層の高抵抗の前記無機物層、前記少なくとも
一層の有機発光層、前記ホール注入電極および前記カラ
ーフィルターを、この順に備えている。
【0079】本発明のさらに別の好ましい実施態様によ
れば、有機EL素子は、少なくとも一層の有機発光層と
電子注入電極との間に、電子を搬送するための導通パス
を有し、ホールをブロックする機能を有する少なくとも
一層の高抵抗の無機物層を備えているから、有機発光層
に電子を効率よく注入することができ、発光効率を向上
させることが可能となるとともに、駆動電圧を低下させ
ることが可能になり、さらには、有機EL素子の厚さを
減少させることができ、蒸着によって、カラーフィルタ
ーを形成することによって薄層化された有機EL素子
を、より一層、薄層化することが可能となる。
【0080】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記陰極が電
子注入電極によって構成され、有機EL素子は、前記基
板上に、前記電子注入電極、電子を搬送するための導通
パスを有し、ホールをブロックする機能を有する少なく
とも一層の高抵抗の前記無機物層、前記少なくとも一層
の有機発光層、ホールを搬送するための導通パスを有
し、電子をブロックする機能を有する少なくとも一層の
高抵抗の前記無機物層、前記ホール注入電極および前記
カラーフィルターを、この順に備えている。
【0081】本発明の好ましい実施態様においては、有
機EL素子は、さらに、前記カラーフィルター層の前記
ホール注入電極側に、前記少なくとも一層の有機発光層
からの発光光を所定の波長の光に変換する蛍光変換層を
備えている。
【0082】本発明の好ましい実施態様によれば、有機
EL素子は、少なくとも一層の有機発光層からの発光光
を所定の波長の光に変換する蛍光変換層を備えているか
ら、少なくとも一層の有機発光層から発せられた発光光
には含まれない波長の光を生成し、あるいは、少なくと
も一層の有機発光層から発せられた発光光中に不足する
波長の光を補うことが可能になる。
【0083】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記基板が透明基板によって形成されるとともに、
前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記陰極が電子注
入電極によって構成され、有機EL素子は、前記基板の
一方の面に、前記カラーフィルターを備え、前記基板の
他方の面に、前記ホール注入電極、ホールを搬送するた
めの導通パスを有し、電子をブロックする機能を有する
少なくとも一層の高抵抗の前記無機物層、前記少なくと
も一層の有機発光層および前記電子注入電極を、この順
に備えている。
【0084】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
有機EL素子は、ホール注入電極と少なくとも一層の有
機発光層との間に、ホールを搬送するための導通パスを
有し、電子をブロックする機能を有する少なくとも一層
の高抵抗の無機物層を備えているから、有機発光層にホ
ールを効率よく注入することができ、発光効率を向上さ
せることが可能となるとともに、駆動電圧を低下させる
ことが可能になり、さらには、有機EL素子の厚さを減
少させることができ、蒸着によって、カラーフィルター
を形成することによって薄層化された有機EL素子を、
より一層、薄層化することが可能となる。
【0085】本発明のさらに別の好ましい実施態様にお
いては、前記基板が透明基板によって形成されるととも
に、前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記陰極が電
子注入電極によって構成され、有機EL素子は、前記基
板の一方の面に、前記カラーフィルターを備え、前記基
板の他方の面に、前記ホール注入電極、前記少なくとも
一層の有機発光層、電子を搬送するための導通パスを有
し、ホールをブロックする機能を有する少なくとも一層
の高抵抗の前記無機物層および前記電子注入電極を、こ
の順に備えている。
【0086】本発明のさらに別の好ましい実施態様によ
れば、有機EL素子は、少なくとも一層の有機発光層と
電子注入電極との間に、電子を搬送するための導通パス
を有し、ホールをブロックする機能を有する少なくとも
一層の高抵抗の無機物層を備えているから、有機発光層
に電子を効率よく注入することができ、発光効率を向上
させることが可能となるとともに、駆動電圧を低下させ
ることが可能になり、さらには、有機EL素子の厚さを
減少させることができ、蒸着によって、カラーフィルタ
ーを形成することによって薄層化された有機EL素子
を、より一層、薄層化することが可能となる。
【0087】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記基板が透明基板によって形成されるとともに、
前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記陰極が電子注
入電極によって構成され、有機EL素子は、前記基板の
一方の面に、前記カラーフィルターを備え、前記基板の
他方の面に、前記ホール注入電極、ホールを搬送するた
めの導通パスを有し、電子をブロックする機能を有する
少なくとも一層の高抵抗の前記無機物層、前記少なくと
も一層の有機発光層、電子を搬送するための導通パスを
有し、ホールをブロックする機能を有する少なくとも一
層の高抵抗の前記無機物層および前記電子注入電極を、
この順に備えている。
【0088】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、有機EL素子が、さらに、前記基板の一方の面に、
前記少なくとも一層の有機発光層からの発光光を所定の
波長の光に変換する蛍光変換層を備え、前記蛍光変換層
が、前記カラーフィルターの前記基板側に配置されてい
る。
【0089】本発明のさらに別の好ましい実施態様にお
いては、有機EL素子が、さらに、前記基板の他方の面
に、前記少なくとも一層の有機発光層からの発光光を所
定の波長の光に変換する蛍光変換層を備え、前記蛍光変
換層が、前記電極と前記基板の間に配置されている。
【0090】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蛍光変換層が、蛍光物質を蒸着して、形成され
ている。
【0091】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、蛍光変換層が、蛍光物質を蒸着して、形成されてい
るので、フォトリソグラフィプロセスによって、蛍光変
換層を形成する場合に比して、蛍光変換層を大幅に薄層
化し、有機EL素子、ひいては、有機ELディスプレイ
パネルを大幅に薄層化することが可能になる。
【0092】
【発明の実施の形態】本発明において、カラーフィルタ
ー層あるいはカラーフィルターを形成するために、顔料
および/または有機染料を用いることができ、顔料とし
ては、無機顔料および有機顔料のいずれをも使用可能で
あり、無機顔料としては、たとえば、金属の複合酸化物
などを用いることができ、無機顔料と有機顔料の混合物
を使用することもできる。
【0093】顔料および有機染料のうちでは、カラーバ
リエーションの多さから、有機顔料および有機染料が好
ましく使用され、有機顔料および有機染料のうちでも、
有機顔料は、耐熱性があり、有機溶媒や水に溶解しない
ため、とくに好ましい。
【0094】本発明において、カラーフィルター層ある
いはカラーフィルターは、顔料および有機染料を共蒸着
して形成することができる。
【0095】本発明において、好ましくは、カラーフィ
ルター層あるいはカラーフィルターは、2種類以上の顔
料および/または2種類以上の有機染料を蒸着して形成
される。2種類以上の顔料および/または2種類以上の
有機染料を蒸着して、カラーフィルター層あるいはカラ
ーフィルターを形成する場合には、2種類以上の顔料お
よび/または2種類以上の有機染料を組み合わせること
によって、所望の光透過特性を有するカラーフィルター
層あるいはカラーフィルターを形成することが可能にな
り、緑色のフィルター層など、単一の顔料または有機染
料を蒸着したときには、所望の光透過特性を有するカラ
ーフィルター層あるいはカラーフィルターを形成するこ
とが困難なときにも、所望の光透過特性を有するカラー
フィルター層あるいはカラーフィルターを形成すること
が可能になる。
【0096】本発明において、2種類以上の顔料および
/または2種類以上の有機染料を用いて、カラーフィル
ター層あるいはカラーフィルターを形成する場合には、
顔料および/または有機染料を含む各ボートを個別に温
度制御して、2種類以上の顔料および/または2種類以
上の有機染料を共蒸着して、カラーフィルター層あるい
はカラーフィルターを形成することが好ましい。2種類
以上の顔料および/または2種類以上の有機染料を共蒸
着する場合には、同時に蒸着をすることができるから、
2以上の蒸着膜を積層する場合に比し、作業時間を短縮
することが可能になり、また、2種類以上の顔料および
/または2種類以上の有機染料を混合して、蒸着する場
合に比し、それぞれの顔料および/または有機染料の蒸
気圧が大きく異なっていても、所望のように、2種類以
上の顔料および/または2種類以上の有機染料を含むカ
ラーフィルター層あるいはカラーフィルターを形成する
ことが可能になる。
【0097】本発明において、2種類以上の顔料および
/または2種類以上の有機染料を用いて、カラーフィル
ター層あるいはカラーフィルターを形成する場合には、
2種類以上の顔料および/または2種類以上の有機染料
を、それぞれ、蒸着して形成した2以上の蒸着層を積層
して、カラーフィルター層あるいはカラーフィルターを
形成することができる。2種類以上の顔料および/また
は2種類以上の有機染料を共蒸着して、カラーフィルタ
ー層あるいはカラーフィルターを形成する場合には、そ
れぞれの添加量を正確に制御することが必要不可欠で、
操作が煩雑であるが、2種類以上の顔料および/または
2種類以上の有機染料を、それぞれ、蒸着して形成した
2以上の蒸着層を積層して、カラーフィルター層あるい
はカラーフィルターを形成するする場合には、簡易に、
所望の光透過特性を有するカラーフィルター層あるいは
カラーフィルターを形成することが可能になるだけでな
く、それぞれの顔料および/または有機染料の蒸気圧が
大きく異なっていても、所望の光透過特性を有するカラ
ーフィルター層あるいはカラーフィルターを形成するこ
とが可能になる。
【0098】また、本発明において、2種類以上の顔料
および/または2種類以上の有機染料を、それぞれ、蒸
着して形成した2以上の蒸着層を積層して、カラーフィ
ルター層あるいはカラーフィルターを形成する場合、各
蒸着層を、2種類以上の顔料および/または2種類以上
の有機染料を共蒸着して形成することもできる。
【0099】本発明において、カラーフィルター層ある
いはカラーフィルターは、メタルマスク、シャドウマス
クなどのマスクを用い、顔料および/または有機染料を
マスク蒸着して形成されることが好ましい。顔料および
/または有機染料をマスク蒸着することによって、カラ
ーフィルター層あるいはカラーフィルターを形成する場
合には、所望のパターンで、カラーフィルター層あるい
はカラーフィルターを形成することが可能になる。
【0100】さらに、メタルマスク、シャドウマスクな
どのマスクを用い、顔料および/または有機染料が、メ
タルマスク、シャドウマスクなどのマスクと基板面など
の被蒸着面との隙間から、基板面などの被蒸着面に回り
込むように、蒸着することによって、カラーフィルター
層あるいはカラーフィルターと、カラーフィルター層あ
るいはカラーフィルターが形成されていない領域との境
界部分に形成される壁の角度を数度の範囲に抑制するこ
とができ、したがって、カラーフィルター層上あるいは
カラーフィルター上に形成される透明電極および補助配
線が切断されるおそれを確実に防止することが可能にな
る。
【0101】本発明において、顔料および/または有機
染料を蒸着する条件はとくに限定されるものではない
が、1×10−4パスカル以下で、蒸着速度を0.01
ないし1nm/秒程度とすることが好ましい。
【0102】本発明において、有機顔料および有機染料
としては公知の材料を使用することができ、たとえば、
赤色用の有機顔料および有機染料としては、ジケトピロ
ロピロール系、アンスラキノン系、キナクリドン系、ペ
リレン系、アゾ系、ベンズイミダゾロン系などが挙げら
れ、緑色用の有機顔料および有機染料としては、ハロゲ
ン化銅フタロシアニン系、アンスラキノン系などが挙げ
られ、青色用の有機顔料および有機染料としては、銅フ
タロシアニン系、インダントロン系などが挙げられる。
また、混色用の黄色用の有機顔料および有機染料として
は、イソインドリン系、イソインドリノン系、キノフタ
ロン系、ジスアゾ系などが、紫色用の有機顔料および有
機染料としては、ジオキサジン系、アンスラキノン系な
どが挙げられる。
【0103】これらの有機顔料および有機染料の中で、
赤色フィルター層を形成するためには、アゾ系の有機顔
料または有機染料が好ましく用いられ、青フィルター層
を形成するためには、銅フタロシアニン系の有機顔料ま
たは有機染料が好ましく用いられる。また、緑赤色フィ
ルター層は、銅フタロシアニン系の有機顔料もしくは有
機染料の蒸着層と、ジスアゾ系の有機顔料もしくは有機
染料の蒸着層とを積層して形成し、または、銅フタロシ
アニン系の有機顔料または有機染料とジスアゾ系の有機
顔料もしくは有機染料を混合して形成することが好まし
い。
【0104】本発明において、蒸着によって形成される
カラーフィルター層あるいはカラーフィルターは厚いほ
ど、色度が向上し、薄すぎると、カラーフィルター層あ
るいはカラーフィルターとしての機能が低下するが、厚
くなりすぎると、顔料の結晶が析出したり、カラーフィ
ルター層あるいはカラーフィルターにひび割れが生じる
ため、一般に1.5μm以下であることが好ましい。具
体的には、カラーフィルター層あるいはカラーフィルタ
ーの好ましい厚さは、色によって異なり、赤色フィルタ
ー層は、400ないし15000オングストロームの厚
さを有していることが好ましく、緑色フィルター層は、
200ないし10000オングストロームの青色蒸着層
と1000ないし2000オングストロームの青色蒸着
層とを積層した厚さを有していることが好ましく、青色
フィルター層は、400ないし15000オングストロ
ームの厚さを有していることが好ましい。これら赤色フ
ィルター層、緑色フィルター層および青色フィルター層
の厚さは、要求される光学特性に応じて、変化させるこ
とができる。
【0105】本発明において、好ましくは、カラーフィ
ルター層あるいはカラーフィルターの表面に、パッシベ
ーション層が形成されている。カラーフィルター層ある
いはカラーフィルターの表面に、パッシベーション層を
形成することによって、電極をパターニングする際に施
されるエッチング処理や洗浄処理によって、カラーフィ
ルター層あるいはカラーフィルターが損傷を受けること
を防止して、カラーフィルター層あるいはカラーフィル
ターを保護することが可能になる。
【0106】カラーフィルター層あるいはカラーフィル
ターを、ホール注入電極上に設ける場合には、カラーフ
ィルター層あるいはカラーフィルターの表面に形成され
たパッシベーション層は、水分、ガスから、有機発光層
を保護する役割を果たし、カラーフィルター層あるいは
カラーフィルターが導電性の場合には、絶縁層として機
能させることができる。
【0107】カラーフィルター層あるいはカラーフィル
ターを、2つの電極に対して、基板の反対側の面に設け
る場合は、カラーフィルター層あるいはカラーフィルタ
ーの表面に形成されたパッシベーション層はカラーフィ
ルター層あるいはカラーフィルターが損傷を受けること
を防止し、カラーフィルター層あるいはカラーフィルタ
ーを保護する機能を有している。
【0108】本発明において、カラーフィルター層ある
いはカラーフィルターの電極側に、有機発光層からの発
光光を所定の波長の光に変換する蛍光変換層を設けるこ
とができ、蛍光変換層を設けた場合には、パッシベーシ
ョン層は、蛍光変換層および/またはカラーフィルター
層もしくはカラーフィルターの表面に形成される。
【0109】蛍光変換層は、有機発光層から入射した光
によって、励起され、入射光とは異なる波長の光を生成
して、放出する蛍光物質を含んでいる。蛍光物質は、そ
のエネルギー順位で決定される波長の光を放出する物質
であり、蛍光変換層に含まれる蛍光物質としては、赤
色、緑色、青色などの光の三原色に対応する蛍光を発す
る化合物が好ましく使用される。蛍光物質は、短波長の
光を長波長の光に変換することができるため、青色の発
光光を赤色、緑色、黄色の光に変換させることによっ
て、任意の色(波長)の光を生成することができる。
【0110】本発明において、蛍光変換層に好ましく使
用することのできる蛍光物質の例としては、たとえば、
特開昭63−264692号公報に開示されているキナ
クリドン、ルブレン、スチリル系色素などおよびクマリ
ン、ルモゲンなどの化合物から選択される少なくとも1
種の化合物を挙げることができる。また、下式の構造を
有するトリス(8−キノリナト)アルミニウム(Alq
3)などの8−キノリノールまたはその誘導体を配位子
とする金属錯体、テトラフェニルブタジエン、アントラ
セン、ペリレン、コロネン、12−フタロペリノン誘導
体などの蛍光物質も、蛍光変換層に好ましく使用するこ
とができる。さらには、特開平8−12600号公報に
開示されたフェニルアントラセン誘導体や特開平8−1
2969号に開示されたテトラアリールエテン誘導体な
ども、蛍光変換層用の蛍光物質として使用することがで
きる。
【0111】
【化1】 本発明において、蛍光変換層を設ける場合、蛍光変換層
の膜厚は、2000nm以下が好ましく、300nmな
いし600nm程度がとくに好ましい。
【0112】本発明において、蛍光変換層を設ける場合
には、蛍光物質を蒸着して、蛍光変換層が形成されるこ
とが好ましい。
【0113】本発明において、蛍光変換層は、2種類以
上の蛍光物質を蒸着して、形成されていてもよい。
【0114】本発明において、2種類以上の蛍光物質を
蒸着して、蛍光変換層を形成する場合には、蛍光物質を
含む各ボートを個別に温度制御して、2種類以上の蛍光
物質を共蒸着して、蛍光変換層を形成することが好まし
い。2種類以上の蛍光物質を共蒸着する場合には、同時
に蒸着をすることができるから、2以上の蒸着膜を積層
する場合に比し、作業時間を短縮することが可能にな
り、また、2種類以上の蛍光物質を混合して、蒸着する
場合に比し、それぞれの蛍光物質の蒸気圧が大きく異な
っていても、所望のように、2種類以上の蛍光物質を含
む蛍光変換層を形成することが可能になる。
【0115】本発明において、2種類以上の蛍光物質を
用いて、蛍光変換層を形成する場合には、2種類以上の
蛍光物質を、それぞれ、蒸着して形成した2以上の蒸着
層を積層して、蛍光変換層を形成することができる。2
種類以上の蛍光物質を共蒸着して、蛍光変換層を形成す
る場合には、それぞれの添加量を正確に制御することが
必要不可欠で、操作が煩雑であるが、2種類以上の蛍光
物質を、それぞれ、蒸着して形成した2以上の蒸着層を
積層して、蛍光変換層を形成する場合には、簡易に、所
望の波長変換特性を有する蛍光変換層を形成することが
可能になるだけでなく、それぞれの蛍光物質の蒸気圧が
大きく異なっていても、所望の波長変換特性を有する蛍
光変換層を形成することが可能になる。
【0116】また、本発明において、2種類以上の蛍光
物質を、それぞれ、蒸着して形成した2以上の蒸着層を
積層して、蛍光変換層を形成する場合、各蒸着層を、2
種類以上の蛍光物質を共蒸着して形成することもでき
る。
【0117】本発明において、蛍光物質を蒸着する条件
は、とくに限定されるものではないが、1×10−4
スカル以下で、蒸着速度を0.01ないし1nm/秒程
度とすることが好ましい。
【0118】本発明において、パッシベーション層は、
酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNy)など
のケイ素化合物によって形成することができるが、酸化
ケイ素単体あるいは酸化ケイ素と窒化ケイ素の複合膜な
ど、酸化ケイ素を含んでいることが好ましい。
【0119】本発明において、パッシベーション層は、
酸化ケイ素や窒化ケイ素などのケイ素化合物によって形
成されることが好ましいが、カラーフィルター層もしく
はカラーフィルターあるいは蛍光変換層に悪影響を与え
ない材料であれば、有機系の透明樹脂あるいは無機系の
透明樹脂などによって、パッシベーション層を形成する
こともできる。
【0120】本発明において、酸化ケイ素、窒化ケイ素
あるいは酸化ケイ素と窒化ケイ素の複合膜によって形成
されたパッシベーション層に、ピンホールなどの欠陥や
異物などが含まれている可能性がある場合には、酸化ケ
イ素、窒化ケイ素あるいは酸化ケイ素と窒化ケイ素の複
合膜によって形成されたパッシベーション層を保護する
ために、有機系の透明樹脂あるいは無機系の透明樹脂な
どによって、パッシベーション層上に、保護膜を形成す
ることもできる。
【0121】パッシベーション層は、632nmにおけ
る屈折率が1.40ないし1.55であることが好まし
く、632nmにおける屈折率が1.44ないし1.4
8であると、さらに好ましい。パッシベーション層の6
32nmにおける屈折率がこれよりも高いと、有機発光
層中の成分から、カラーフィルター層もしくはカラーフ
ィルターあるいは蛍光変換層を保護する機能が低下し、
一方、これよりも低いと、水分などから、カラーフィル
ター層もしくはカラーフィルターあるいは蛍光変換層を
保護する機能が低下してしまう。
【0122】パッシベーション層を、酸化ケイ素(Si
Ox)によって形成する場合には、xが1.8ないし
2.2であることが好ましく、さらに好ましくは、1.
90ないし2.05である。xの値は、パッシベーショ
ン層の平均値として、この範囲にあればよく、パッシベ
ーション層の厚さ方向に、xの値が一定の割合で変化し
ていてもよい。
【0123】パッシベーション層を、窒化ケイ素(Si
Ny)によって形成する場合には、yが0.1ないし
0.5であることが好ましい。yの値は、パッシベーシ
ョン層の平均値として、この範囲にあればよく、パッシ
ベーション層の厚さ方向に、yの値が一定の割合で変化
していてもよい。
【0124】パッシベーション層は、不純物として、
0.5重量%以下のC、Arなどを含んでいてもよく、
さらに、層内の応力を緩和させるために、30原子%以
下のHを含んでいてもよい。
【0125】パッシベーション層は、2ないし50nm
の平均表面粗さ(Ra)を有していることが好ましく、
10ないし50nmの最大表面粗さ(Rmax)を有し
ていることが好ましい。
【0126】また、パッシベーション層は、有機発光層
から発せられた光の80%以上を透過する透過率を有し
ていることが好ましい。
【0127】パッシベーション層の厚さはとくに限定さ
れるものではないが、5ないし50nm、とくに10な
いし30nmであることが好ましい。
【0128】パッシベーション層を、酸化ケイ素によっ
て形成する場合には、スパッタリング法、プラズマCV
D法によって、パッシベーション層を成膜することがで
きるが、スパッタリング法、とくに、RF電源を用いた
高周波スパッタリング法によって、パッシベーション層
を成膜することが好ましい。RF電源を用いた高周波ス
パッタリングの電力は10ないし100W/平方センチ
メートルの範囲が好ましく、周波数は13.56MH
z、成膜速度は5ないし50nm/分、成膜中の圧力は
0.1ないし1.0パスカルであることが好ましい。
【0129】スパッタリング法を用いて、酸化ケイ素よ
りなるパッシベーション層を成膜する場合、スパッタリ
ング用ガスには、通常のスパッタリング装置に使用され
る不活性ガスを使用することができるが、Ar、Kr、
Xeよりなる群から選ばれる1種の不活性ガスあるいは
2種以上の混合不活性ガスを用いることが好ましい。A
r、Kr、Xeのいずれかを、主たるスパッタリング用
ガスとして用いるときは、基板とターゲットの間の距離
は20ないし60パスカル・cmの範囲にあることが好
ましく、とくに、30ないし50パスカル・cmの範囲
にあることが好ましい。Ar、KrおよびXeのうち、
Arを用いることが最も好ましい。
【0130】本発明において、好ましくは、有機EL素
子は、顔料および/または有機染料を蒸着して形成した
カラーフィルターを有しており、カラーフィルターは、
隣接して形成された第一のカラーフィルター、第二のカ
ラーフィルターおよび第三のカラーフィルターを含み、
第一のカラーフィルターは、573ないし780nmの
波長の光を透過させる光透過特性を有し、第二のカラー
フィルターは、493ないし573nmの波長の光を透
過させる光透過特性を有し、第三のカラーフィルター
は、380ないし493nmの波長の光を透過させる光
透過特性を有している。
【0131】本発明において、さらに好ましくは、第一
のカラーフィルターが、578ないし620nmの波長
の光を透過させる光透過特性を有し、第二のカラーフィ
ルターが、520ないし570nmの波長の光を透過さ
せる光透過特性を有し、第三のカラーフィルターが、4
30ないし470nmの波長の光を透過させる光透過特
性を有している。
【0132】このように、カラーフィルターを構成する
ことによって、有機発光層から発光される光の波長の如
何にかかわらず、有機EL素子は、それぞれ、光の三原
色である赤色、緑色および青色の光を透過することがで
き、したがって、白色光を発する有機発光層を用いた場
合だけでなく、有機発光層の構成材料として、色純度は
低いが、寿命が長く、高い発光効率で、赤色、緑色、青
色に近い波長の光を発する有機物を用いた場合にも、任
意の色に、カラー表示をさせることが可能になる。
【0133】本発明において、カラーフィルターが、5
73ないし780nmの波長の光を透過させる光透過特
性、493ないし573nmの波長の光を透過させる光
透過特性あるいは380ないし493nmの波長の光を
透過させる光透過特性を有していてもよい。さらに好ま
しくは、カラーフィルターが、578ないし620nm
の波長の光を透過させる光透過特性、520ないし57
0nmの波長の光を透過させる光透過特性あるいは43
0ないし470nmの波長の光を透過させる光透過特性
を有している。
【0134】有機EL素子のカラーフィルターがかかる
特性を有するように構成することによって、有機発光層
から発光される光の波長の如何にかかわらず、光の三原
色である赤色、緑色、青色の光のうち、いずれかの色の
光を生成することができ、有機EL素子をカラーディス
プレイに用いた際、カラーディスプレイの特定の部分を
特定の色で表示することが可能になる。
【0135】本発明にかかる有機ELディスプレイパネ
ルおよび有機EL素子は、少なくとも一方が透明なホー
ル注入電極と陰極との間に、少なくとも一層の有機発光
層を備え、有機発光層は、少なくとも発光機能に関与す
る1種または2種の化合物を含んでいる。
【0136】本発明にかかる有機EL素子において、少
なくとも一層の有機発光層から発せられる光の波長はと
くに限定されるものではないが、好ましくは、少なくと
も一層の有機発光層が、少なくとも380ないし780
nmの連続した発光スペクトルを有する白色発光を発す
るように構成されている。
【0137】本発明において、少なくとも一層の有機発
光層が、430nmないし650nm以下の連続した発
光スペクトルを有する白色発光を発するように構成され
ていると、とくに好ましい。
【0138】本発明において、有機発光層は、ホール輸
送性化合物もしくは電子輸送性化合物またはこれらの混
合物であるホスト物質を含み、ホール(正孔)および電
子の注入機能、ホールおよび電子の輸送機能ならびにホ
ールおよび電子の再結合により、励起子を生成させる機
能を有しており、電子的に比較的ニュートラルな化合物
を含んでいることが好ましい。
【0139】有機発光層のホスト物質として用いられる
ホール輸送性化合物としては、トリアゾール誘導体、オ
キサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリ
ールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘
導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導
体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、
スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒ
ドラゾン誘導体、スチルベン誘導体が挙げられ、さら
に、トリフェニルジアミン誘導体が好ましく使用でき
る。
【0140】トリフェニルジアミン誘導体の例として
は、テトラアリールベンジシン化合物(トリアリールジ
アミンないしトリフェニルジアミン:TPD)がとくに
好ましい。
【0141】テトラアリールベンジシン化合物(TD
P)の好ましい具体例は、以下のとおりである。
【0142】
【化2】
【0143】
【化3】
【0144】
【化4】 有機発光層のホスト物質として用いられる電子輸送性化
合物としては、キノリン誘導体が好ましく使用すること
ができ、さらには、8−キノリノールないしその誘導体
を配位子とする金属錯体、とくに、下式の構造を有する
トリス(8−キノリナト)アルミニウム(Alq3)が
好ましく使用される。また、フェニルアントラセン誘導
体やテトラアリールエテン誘導体も、電子輸送性化合物
として使用することができる。
【0145】
【化5】 本発明において、有機発光層は、ホール輸送性化合物も
しくは電子輸送性化合物またはこれらの混合物であるホ
スト物質に、蛍光物質であるドーパントがドープされた
構造を有していることが好ましい。
【0146】また、本発明にかかる有機ELディスプレ
イパネルおよび有機EL素子は、好ましくは、互いに積
層された2層の有機発光層を備えている。2層の有機発
光層を形成する場合には、それぞれに、異なった発光波
長を有する蛍光物質をドーピングすることによって、広
い発光波長帯域を確保し、また、発光色の色彩の自由度
を向上させることができる。
【0147】本発明において、ドーパントとして含有さ
せる蛍光物質としては、たとえば、特開昭63−264
692号公報に開示された化合物、具体的には、ルブレ
ン系化合物、クマリン系化合物、キナクリドン系化合
物、ジシアノメチルピラン系化合物などの化合物よりな
る群から選ばれる1種以上の化合物が好ましく使用でき
る。
【0148】本発明に好ましく使用できる蛍光物質の例
を挙げると、以下のとおりである。
【0149】
【化6】
【0150】
【化7】
【0151】
【化8】
【0152】
【化9】 さらに、本発明においては、特開2000−26334
号公報および特開2000−26337号公報に記載さ
れているナフタセン系化合物も、ドーパントとして含有
させる蛍光物質として、好ましく使用することができ、
ルブレン系化合物、クマリン系化合物、キナクリドン系
化合物、ジシアノメチルピラン系化合物などと併用する
ことによって、有機EL素子の寿命を飛躍的に向上させ
ることができる。
【0153】本発明において、ドーパントとして含有さ
せる蛍光物質として、好ましく使用することのできるナ
フタセン系化合物は、式(I)で示される基本骨格を有
している。
【0154】
【化10】 式(I)において、RないしRは、それぞれ、非置
換または置換基を有するアルキル基、アリール基、アミ
ノ基、複素環基およびアルケニル基のいずれかを表わ
し、アリール基、アミノ基、複素環基およびアルケニル
基のいずれかであることが好ましくい。
【0155】RないしRで表わされるアリール基と
しては、単環でも、多環でもよく、縮合環や環集合のも
のも含んでいる。総炭素数は、6ないし30であること
が好ましく、置換基を有していてもよい。
【0156】RないしRで表わされるアリール基と
しては、フェニル基、(o−,m−,p−)トリル基、
ピレニル基、ペリレニル基、コロネニル基、(1−、お
よび2−)ナフチル基、アントリル基、(o−,m−,
p−)ビフェニリル基、ターフェニル基、フェナントリ
ル基などが好ましい。
【0157】RないしRで表わされるアミノ基とし
ては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキ
ルアミノ基などのいずれであってもよい。これらは、総
炭素数1ないし6の脂肪族および/または1なし4環の
芳香族炭素環を有していることが好ましい。具体的に
は,ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルア
ミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ビス
ジフェニルアミノ基、ビスナフチルアミノ基などが含ま
れる。
【0158】RないしRで表わされる複素環基とし
ては、ヘテロ原子として、O、N、Sを含有する5員環
または6員環の芳香族複素環基、炭素数2ないし20の
縮合多環芳香族複素環基などが挙げられる。
【0159】RないしRで表わされるアルケニル基
としては、少なくとも置換基の1つにフェニル基を有す
る(1−および2−)フェニルアルケニル基、(1,2
−および2,2−)ジフェニルアルケニル基、(1,
2,2−)トリフェニルアルケニル基などが好ましい
が、非置換のものであってもよい。
【0160】芳香族複素環基および縮合多環芳香族複素
環基としては、たとえば、チエニル基、フリル基、ピロ
リル基、ピリジン基、キノリル基、キノキサリルなどが
挙げられる。
【0161】RないしRが置換基を有する場合、こ
れらの置換基のうちの少なくとも2つがアリール基、ア
ミノ基、複素環基、アルケニル基およびアリーロキシ基
のいずれかであることが好ましい。アリール基、アミノ
基、複素環基およびアルケニル基については、Rない
しRと同様のものが使用できる。
【0162】RないしRの置換基となるアリーロキ
シ基としては、総炭素数6ないし18のアリール基を有
するものが好ましく、具体的には、(o−,m−,p
−)フェノキシ基などが挙げられる。
【0163】これらの置換基の2種以上が、縮合環を形
成し、あるいは、さらに、置換されていてもよい。置換
されている場合、好ましい置換基は、前記置換基を同様
である。
【0164】RないしRが置換基を有する場合に
は、少なくとも、その2種以上が前記置換基を有してい
ることが好ましい。その置換位置は、とくに限定される
ものではなく,メタ、パラ、オルト位のいずれであって
もよい。また、RとR、R とRは、それぞれ同
じものであることが好ましいが、互いに異なるものであ
ってもよい。
【0165】式(I)において、RないしRのう
ち、少なくとも5種以上、好ましくは6種以上が、非置
換または置換基を有するアルキル基、アリール基、アミ
ノ基、アルケニル基または複素環基である。
【0166】R、R、RおよびRで表わされる
アルキル基としては、炭素数が1ないし6のものが好ま
しいが、直鎖状であっても、分岐を有していてもよい。
、R、RおよびRで表わされるアルキル基の
好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、(n,
i)プロピル基、(n,i,sec,tert)−ブチ
ル基、(n,i,neo,tert)−ペンチル基など
が挙げられる。
【0167】R、R、RおよびRで表わされる
アリール基、アミノ基およびアルケニル基としては、R
ないしRと同様のものが使用できる。また、R
、RとRは、それぞれ同じものであることが好
ましいが、互いに異なるものであってもよい。
【0168】本発明において、ドーパントとして含有さ
せる蛍光物質として、好ましく使用することのできる化
合物には、たとえば、次のものが挙げられる。
【0169】
【化11】
【0170】
【化12】 二層の有機発光層を設ける場合、各有機発光層が、2種
以上のこれらの蛍光物質を含み、2種以上の蛍光物質
が、異なった発光波長を有していることが好ましい。
【0171】本発明において、有機発光層におけるドー
パントの含有量は、0.01ないし20重量%であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは,0.1ないし15重
量%である。
【0172】本発明において、有機発光層の厚さはとく
に限定されるものではなく、その好ましい厚さは、形成
方法によっても異なるが、通常、5ないし500nm、
さらに好ましくは、10ないし300nmである。
【0173】本発明において、二層以上の有機発光層を
形成する場合、各有機発光層の厚さは、分子層一層分に
相当する厚さから、有機発光層全体の厚さ未満の範囲に
あり、具体的には、1ないし85nm、好ましくは5な
いし60nm、さらに好ましくは5ないし50nmであ
る。
【0174】本発明において、好ましくは、有機発光層
は蒸着によって形成される。
【0175】本発明において、有機発光層を、蒸着によ
って形成する条件は、とくに限定されるものではない
が、1×10−4パスカル以下で、蒸着速度を0.01
ないし1nm/秒程度とすることが好ましい。
【0176】本発明において、好ましくは、有機発光層
は、ホール輸送性化合物と電子注入輸送性化合物の混合
物を含んでいる。
【0177】有機発光層が、ホール輸送性化合物と電子
注入輸送性化合物の混合物を含んでいる場合には,キャ
リアのホッピング伝導パスが形成されるため、各キャリ
アは極性的に優勢な物質中を移動し、逆の極性のキャリ
ア注入が起こり難くなり、したがって、有機発光層に含
まれた化合物がダメージを受けることが防止されるの
で、素子の寿命を向上させることができるという利点が
ある。
【0178】さらに、蛍光物質からなるドーパントを、
ホール輸送性化合物および電子注入輸送性化合物の混合
物を含んだ有機発光層に含有させることによって、有機
発光層自体が有する発光波長特性を変化させることがで
き,発光波長を長波長側に移行させるとともに、発光強
度を向上させ、さらには、有機EL素子の安定性を向上
させることが可能になる。
【0179】有機発光層が、ホール輸送性化合物および
電子注入輸送性化合物の混合物を含んでいる場合、ホー
ル輸送性化合物と電子注入輸送性化合物の混合比は、そ
れぞれのキャリア移動度とキャリア濃度にしたがって決
定されるが、一般的には、重量比で、1/99ないし9
9/1、好ましくは、10/90ないし90/10、さ
らに好ましくは、20/80ないし80/20、最も好
ましくは、40/60ないし60/40が選ばれる。
【0180】ホール輸送性化合物および電子注入輸送性
化合物の混合物を含む有機発光層を形成する場合には、
ホール輸送性化合物と電子注入輸送性化合物を、異なる
蒸着源に入れて、蒸発させ、共蒸着することが好ましい
が、ホール輸送性化合物と電子注入輸送性化合物の蒸気
圧が同程度あるいは非常に近い場合には、あらかじめ同
じ蒸着源内で混合させておき、蒸着することもできる。
【0181】ホール輸送性化合物および電子注入輸送性
化合物の混合物を含む有機発光層を形成する場合、有機
発光層内で、ホール輸送性化合物と電子注入輸送性化合
物とが均一に混合していることが好ましいが、均一に混
合していることは必ずしも必要でない。
【0182】本発明において、有機ELディスプレイパ
ネルおよび有機EL素子は、少なくとも一層の有機発光
層とホール注入電極との間に、ホールを搬送するための
導通パスを有し、電子をブロックする機能を有する少な
くとも一層の高抵抗の無機物層を備え、あるいは、少な
くとも一層の有機発光層と陰極との間に、電子を搬送す
るための導通パスを有し、ホールをブロックする機能を
有する少なくとも一層の高抵抗の無機物層を備えてお
り、好ましくは、少なくとも一層の有機発光層とホール
注入電極との間に、ホールを搬送するための導通パスを
有し、電子をブロックする機能を有する少なくとも一層
の高抵抗の無機物層を備えるとともに、少なくとも一層
の有機発光層と陰極との間に、電子を搬送するための導
通パスを有し、ホールをブロックする機能を有する少な
くとも一層の高抵抗の無機物層を備えている。
【0183】このように、ホールの導通パスを備え、電
子をブロックする機能を有する少なくとも一層の高抵抗
の無機物層を設けることによって、有機発光層にホール
を効率よく注入することができ、発光効率を向上させる
ことが可能となるとともに、駆動電圧を低下させること
が可能になる。さらには、ホールの導通パスを備え、電
子をブロックする機能を有する少なくとも一層の高抵抗
の無機物層を設けることによって、有機ELディスプレ
イパネルおよび有機EL素子の厚さを減少させることが
でき、蒸着によって、カラーフィルター層ないしカラー
フィルターを形成することによって薄層化された有機E
Lディスプレイパネルおよび有機EL素子を、より一
層、薄層化することが可能となる。
【0184】また、このように、電子の導通パスを備
え、ホールをブロックする機能を有する少なくとも一層
の高抵抗の無機物層を、有機発光層と電子注入電極との
間に、設けることによって、有機発光層に電子を効率よ
く注入することができ、発光効率を向上させることが可
能となるとともに、駆動電圧を低下させることが可能に
なる。さらには、電子の導通パスを備え、ホールをブロ
ックする機能を有する少なくとも一層の高抵抗の無機物
層を設けることによって、有機ELディスプレイパネル
および有機EL素子の厚さを減少させることができ、蒸
着によって、カラーフィルター層ないしカラーフィルタ
ーを形成することによって薄層化された有機ELディス
プレイパネルおよび有機EL素子をより一層薄層化する
ことが可能となる。
【0185】本発明において、少なくとも一層の有機発
光層とホール注入電極との間に設けられるホールを搬送
するための導通パスを有し、電子をブロックする機能を
有する少なくとも一層の高抵抗の無機物層は、無機ホー
ル注入輸送層によって構成することができる。
【0186】また、本発明において、少なくとも一層の
有機発光層とホール注入電極との間に設けられるホール
を搬送するための導通パスを有し、電子をブロックする
機能を有する少なくとも一層の高抵抗の無機物層を、ホ
ール注入電極からのホールの注入を容易にする機能を有
する無機ホール注入層およびホールを安定的に輸送する
とともに、電子の輸送を妨げる機能を有する無機ホール
輸送層によって構成することもできる。
【0187】本発明において、無機ホール注入輸送層ま
たは無機ホール注入層および無機ホール輸送層の主成分
として、シリコンやゲルマニウムなどの金属あるいは半
金属の酸化物を用い、これに、仕事関数が4.5eV以
上、好ましくは、4.5ないし6.0eVの金属、半金
属およびこれらの酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物、
硼化物のいずれか1種以上を含有させて、ホールの導通
パスを形成すると、ホール注入電極から有機発光層へ、
ホールを効率よく注入することができるだけでなく、有
機発光層からホール注入電極への電子の移動を抑制し
て、有機発光層において、ホールと電子とを効率よく再
結合させることができ、好ましい。
【0188】高抵抗の無機ホール注入輸送層または無機
ホール注入層および無機ホール輸送層を設ける場合に
は、従来の有機のホール注入輸送層や、有機のホール注
入層、有機のホール輸送層を有する有機EL素子に比し
て、同等か、それ以上の輝度を得ることができ、しか
も、耐熱性、耐候性が高いので、寿命が長く、無機材料
であるホール注入電極との接続性も良好になり、そのた
め、リークやダークスポットの発生も少ないという利点
がある。さらには、比較的高価な有機物質とは異なり、
無機ホール注入輸送層または無機ホール注入層および無
機ホール輸送層を形成するための無機物質は、安価で、
入手がしやすく、無機ホール注入輸送層または無機ホー
ル注入層および無機ホール輸送層を、容易に形成するこ
とができるので、有機EL素子ないし有機ELディスプ
レイパネルの製造コストを低減させることができる。
【0189】高抵抗の無機ホール注入輸送層または無機
ホール注入層および無機ホール輸送層の抵抗率は、1Ω
・cmないし1×1011Ω・cmであることが好まし
く、1×10Ω・cmないし1×10Ω・cmであ
ることが、とくに好ましい。無機ホール注入輸送層また
は無機ホール注入層および無機ホール輸送層の抵抗率を
かかる範囲に設定することによって、高い電子ブロック
性を維持しつつ、ホール注入効率を飛躍的に向上させる
ことが可能になる。高抵抗の無機ホール注入輸送層また
は無機ホール注入層および無機ホール輸送層の抵抗率
は、シート抵抗と膜厚からも求めることができる。
【0190】高抵抗の無機ホール注入輸送層または無機
ホール注入層および無機ホール輸送層は、シリコンとゲ
ルマニウムの酸化物(Si1−xGe)Oを主成分
とすることが好ましく、ここに、xは0ないし1、y
は、1.7ないし2.2、好ましくは、1.7ないし
1.99である。無機ホール注入輸送層または無機ホー
ル注入層および無機ホール輸送層の主成分は、酸化シリ
コン(すなわち、xが0.5以下)でも、酸化ゲルマニ
ウム(すなわち、xが0.5を越えている)でもよく、
それらの混合薄膜であってもよい。yがこの範囲より大
きくても、小さくても、ホール注入機能が低下し、好ま
しくない。組成は、たとえば、ラザフォード後方散乱、
化学分析などによって調べることができる。
【0191】無機ホール注入輸送層または無機ホール注
入層および無機ホール輸送層は、さらに、仕事関数が
4.5eV以上、好ましくは、4.5ないし6.0eV
の金属、半金属およびこれらの酸化物、炭化物、窒化
物、ケイ化物、硼化物のいずれか1種以上を含有してい
ることが好ましい。仕事関数が4.5eV以上、好まし
くは、4.5ないし6.0eVの金属としては、Au、
Cu、Fe、Ni、Ru、Sn、Cr、Ir、Nb、P
t、Mo、W、Ta、Pd、Coを挙げることができ
る。これらの金属、半金属およびこれらの酸化物、炭化
物、窒化物、ケイ化物、硼化物は混合して用いることが
でき、その場合の混合比は任意である。これらの含有量
は、好ましくは、0.2ないし40モル%、より好まし
くは、1ないし20モル%である。これらの含有量が、
0.2モル%よりも少ないと、ホール注入機能が低下
し、一方、40モル%よりも多いと、電子ブロック機能
が低下し、好ましくない。これらを2種以上併用する場
合には、合計の含有量がかかる範囲内にあることが好ま
しい。
【0192】前記金属、半金属およびこれらの酸化物、
炭化物、窒化物、ケイ化物、硼化物は、通常、高抵抗の
無機ホール注入輸送層または無機ホール注入層および無
機ホール輸送層中に、分散状態で、含有されている。分
散粒子の粒径は、通常、1ないし5nm程度である。こ
れらの導体である分散粒子間に、主成分である高抵抗の
シリコンとゲルマニウムの酸化物を介して、ホールを輸
送するためのホッピングパスが形成されるものと考えら
れる。
【0193】高抵抗の無機ホール注入輸送層または無機
ホール注入層および無機ホール輸送層は、さらに、不純
物として、Hや、スパッタガスとして用いられるNe、
Ar、Kr、Xeなどを、合計5分子%以下含有してい
てもよい。
【0194】高抵抗の無機ホール注入輸送層または無機
ホール注入層および無機ホール輸送層の組成は均一でな
くてもよく、平均として、かかる組成を有していれば、
膜厚方向に濃度勾配を有していてもよい。
【0195】高抵抗の無機ホール注入輸送層または無機
ホール注入層および無機ホール輸送層は、通常、非晶質
状態である。
【0196】高抵抗の無機ホール注入輸送層または無機
ホール注入層および無機ホール輸送層は、0.3ないし
100nmの膜厚を有していることが好ましく、より好
ましくは、1ないし100nmであり、5ないし30n
mの膜厚を有していると、とくに好ましい。高抵抗の無
機ホール注入輸送層または無機ホール注入層および無機
ホール輸送層の膜厚が、0.3nm未満でも、100n
mを越えていても、ホール注入の機能が十分に発揮され
なくなる。
【0197】高抵抗の無機ホール注入輸送層または無機
ホール注入層および無機ホール輸送層は、スパッタリン
グ、蒸着など、各種の物理的あるいは化学的な薄膜形成
方法によって、形成することができるが、スパッタリン
グ法によって形成することが好ましい。とくに、主成分
であるシリコンとゲルマニウムの酸化物と、仕事関数が
4.5eV以上の金属、半金属およびこれらの酸化物、
炭化物、窒化物、ケイ化物、硼化物のいずれか1種以上
を、ターゲットとして、別個にスパッタリングする多元
スパッタリング法によって、無機ホール注入輸送層また
は無機ホール注入層および無機ホール輸送層を形成する
ことが好ましい。多元スパッタリング法によれば、それ
ぞれのターゲットに適した条件で、スパッタリングする
ことができる。また、主成分のターゲット上に、金属、
半金属およびこれらの酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化
物、硼化物のいずれか1種以上の小片を配置し、これら
の面積比を適当に調整することによって、組成を調整す
れば、一元スパッタリング法によって、無機ホール注入
輸送層または無機ホール注入層および無機ホール輸送層
を形成することもできる。
【0198】無機ホール注入輸送層または無機ホール注
入層および無機ホール輸送層をスパッタリング法によっ
て形成する場合、スパッタガスの圧力は、0.1ないし
1パスカルの範囲に設定することが好ましい。スパッタ
ガスとしては、スパッタリングに、通常、用いられる不
活性ガス、たとえば、Ar、Ne、Xe、Krなどを使
用することができ、必要に応じて、窒素ガスを用いるこ
ともできる。スパッタリング時において、これらのスパ
ッタガスに加えて、1ないし99%の酸素ガスを混合す
るようにしてもよい。
【0199】スパッタリング法としては、RF電源を用
いた高周波スパッタリング法や、DCスパッタリング法
を使用することができ、RF電源を用いた高周波スパッ
タリングの電力は0.1ないし10W/平方センチメー
トルの範囲が好ましく、成膜速度は0.5ないし10n
m/分、とくに、1ないし5nmの範囲が好ましい。
【0200】成膜時の基板温度は、25ないし150℃
程度である。
【0201】本発明において、有機ELディスプレイパ
ネルおよび有機EL素子は、無機ホール注入輸送層ある
いは無機ホール注入層および無機ホール輸送層に加え
て、有機のホール輸送層を有していてもよい。
【0202】本発明において、有機のホール輸送層に、
好ましく使用することができる化合物としては、例え
ば、テトラアリールベンジシン化合物(トリアリールジ
アミンないしトリフェニルジアミン:TPD)、芳香族
三級アミン、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、
トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を
有するオキサジアゾール誘導体、ポリチオフェンなどを
挙げることができる。これらのうち、テトラアリールベ
ンジシン化合物(トリアリールジアミンないしトリフェ
ニルジアミン:TPD)、WO/98/30071号に
記載されているトリアリールアミン多量体(ATP)
が、とくに好ましく使用することができる。
【0203】トリアリールアミン多量体(ATP)の好
ましい具体例は、以下のとおりである。
【0204】
【化13】
【0205】
【化14】
【0206】
【化15】 本発明において、さらには、特開昭63−295695
号公報、特開平2−191694号公報、特開平3−7
92号公報、特開平5−234681号公報、特開平5
−239455号公報、特開平5−299174号公
報、特開平7−126225号公報、特開平7−126
226号公報、特開平8−100172号公報、EP0
650955A1などに記載されている各種有機化合物
も、有機のホール輸送層に使用することができる。
【0207】本発明において、2種以上のこれらの化合
物を併用してもよく、2種以上のこれらの化合物を併用
する場合には、一層中に混合しても、また、2以上の層
として、積層してもよい。
【0208】有機のホール輸送層を設ける場合には、前
記化合物の中から、好ましい組み合わせを選択して、使
用することができる。このとき、ITOなどのホール注
入電極側から、イオン化ポテンシャルの小さい化合物の
層の順に、積層することが好ましい。また、ホール注入
電極表面には、薄膜性の良好な化合物の層を形成するこ
とが好ましい。とくに、前記ATPをホール注入層に用
い、前記TPDをホール輸送層に用いると、好ましい。
【0209】本発明において、有機のホール輸送層は、
前記化合物を蒸着することによって形成することができ
る。蒸着によって、素子化する場合には、均一で、ピン
ホールのない1ないし10nm程度の薄膜を形成するこ
とができるため、ホール注入層にイオン化ポテンシャル
が小さく、可視波長の光を吸収する化合物を用いても、
発光色の色調変化や再吸収による発光効率の低下を防止
することができる。
【0210】本発明において、少なくとも一層の有機発
光層と陰極との間に設けられる電子を搬送するための導
通パスを有し、ホールをブロックする機能を有する少な
くとも一層の高抵抗の無機物層は、無機電子注入輸送層
によって構成することができる。
【0211】また、本発明において、少なくとも一層の
有機発光層と陰極との間に設けられる電子を搬送するた
めの導通パスを有し、ホールをブロックする機能を有す
る少なくとも一層の高抵抗の無機物層を、陰極からの電
子の注入を容易にする機能を有する無機電子注入層およ
び電子を安定的に輸送するとともにホールの輸送を妨げ
る機能を有する無機電子輸送層によって構成することも
できる。
【0212】本発明において、高抵抗の無機電子注入輸
送層あるいは無機電子注入層および無機電子輸送層は、
好ましくは、第一成分として、仕事関数が4eV以下、
好ましくは、1eVないし4eVであって、Li、N
a、K、Rb、CsおよびFrよりなる群から選ばれる
1種以上のアルカリ金属元素、または、Mg、Caおよ
びSrよりなる群から選ばれる1種以上のアルカリ金属
土類元素、または、LaおよびCeよりなる群から選ば
れる1種以上のランタノイド系元素の酸化物を含有して
いる。これらの中では、とくに、酸化リチウム、酸化マ
グネシウム、酸化カルシウム、酸化セリウムが好まし
い。これらの元素を混合して用いる場合、混合比は任意
に決定することができる。これらの元素を混合して用い
る場合、混合物中に、酸化リチウムが、LiO換算
で、50モル%以上が含有されていることが好ましい。
【0213】本発明において、高抵抗の無機電子注入輸
送層あるいは無機電子注入層および無機電子輸送層は、
さらに、第二成分として、Zn、Sn、V、Ru、Sm
およびInよりなる群から選ばれる1種以上の元素を含
有している。第二成分の含有量は、好ましくは、0.2
ないし40モル%、より好ましくは、1ないし20モル
%である。第二成分の含有量が、0.2モル%より少な
いと、電子注入機能が低下し、他方、40モル%を越え
ると、ホールブロック機能が低下し、好ましくない。第
二成分として、2種以上の元素を併用する場合、合計の
含有量がかかる範囲内にあることが好ましい。第二成分
は、金属の状態で存在しても、酸化物の状態で存在して
もよい。
【0214】このように、高抵抗である第一成分中に、
第二成分として、Zn、Sn、V、Ru、SmおよびI
nよりなる群から選ばれる1種以上の元素を、0.2な
いし40モル%含有させて、導電パスを形成することに
より、電子注入電極から有機発光層に、効率よく、電子
を注入することができる。これは、第一成分中に、第二
成分を含有させることによって、絶縁物質中に、導電物
質が島状に存在することになり、電子注入のためのホッ
ピングパスが形成されるためと考えられる。
【0215】第一成分中に、第二成分を、0.2ないし
40モル%含有させることにより、さらに、有機発光層
から電子注入電極へのホールの移動を抑制することが可
能になり、有機発光層において、ホールと電子とを効率
よく再結合させることができる。
【0216】高抵抗の無機電子注入輸送層あるいは無機
電子注入層および無機電子輸送層を設ける場合には、従
来の有機の電子注入輸送層や、有機の電子注入層、有機
の電子輸送層を有する有機EL素子に比して、同等か、
それ以上の輝度を得ることができ、しかも、耐熱性、耐
候性が高いので、寿命が長く、無機材料である電子注入
電極との接続性も良好になり、そのため、リークやダー
クスポットの発生も少ないという利点がある。さらに
は、比較的高価な有機物質とは異なり、無機電気注入輸
送層あるいは無機電子注入層および無機電子輸送層を形
成するための無機物質は、安価で、入手がしやすく、無
機電子注入輸送層あるいは無機電子注入層および無機電
子輸送層の形成も容易であるので、有機EL素子ないし
有機ELディスプレイパネルの製造コストを低減させる
ことができる。
【0217】高抵抗の無機電子注入輸送層あるいは無機
電子注入層および無機電子輸送層の抵抗率は、1Ω・c
mないし1×1011Ω・cmであることが好ましく、
1×10Ω・cmないし1×10Ω・cmであるこ
とが、とくに好ましい。無機電子注入輸送層あるいは無
機電子注入層および無機電子輸送層の抵抗率をかかる範
囲に設定することによって、高いホールブロック性を維
持しつつ、電子注入効率を飛躍的に向上させることが可
能になる。この場合、シート抵抗は4端子法などによっ
て測定することができる。
【0218】第一成分の酸化物は、通常、化学量論組成
(stoichiometric composition)であるが、これか
ら、多少偏倚して、非化学量論組成(non‐stoichiomet
ry)となっていてもよい。第二成分の酸化物も同様であ
る。
【0219】高抵抗の無機電子注入輸送層あるいは無機
電子注入層および無機電子輸送層は、さらに、不純物と
して、Hや、スパッタガスとして用いるNe、Ar、K
r、Xeなどを、合計5分子%以下含有していてもよ
い。
【0220】高抵抗の無機電子注入輸送層あるいは無機
電子注入層および無機電子輸送層は、通常、非晶質状態
である。
【0221】高抵抗の無機電子注入輸送層あるいは無機
電子注入層および無機電子輸送層は、0.2ないし30
nmの膜厚を有していることが好ましく、0.2ないし
20の膜厚を有していると、とくに好ましい。高抵抗の
無機電子注入輸送層あるいは無機電子注入層および無機
電子輸送層の膜厚が、0.2nm未満でも、30nmを
越えていても、電子注入の機能が十分に発揮されなくな
る。
【0222】高抵抗の無機電子注入輸送層あるいは無機
電子注入層および無機電子輸送層は、スパッタリング、
蒸着など、各種の物理的あるいは化学的な薄膜形成方法
によって、形成することができるが、スパッタリング法
によって形成することが好ましい。とくに、第一成分と
第二成分を、ターゲットとして、別個にスパッタリング
する多元スパッタリング法によって、無機電子注入輸送
層あるいは無機電子注入層および無機電子輸送層を形成
することが好ましい。多元スパッタリング法によれば、
それぞれのターゲットに適した条件で、スパッタリング
することができる。また、第一成分と第二成分の混合タ
ーゲットを用いて、一元スパッタリング法によって、無
機電子注入輸送層あるいは無機電子注入層および無機電
子輸送層を形成することもできる。
【0223】無機電子注入輸送層あるいは無機電子注入
層および無機電子輸送層をスパッタリング法によって形
成する場合、スパッタガスの圧力は、0.1ないし1パ
スカルの範囲に設定することが好ましい。スパッタガス
としては、スパッタリング法に、通常、用いられる不活
性ガス、たとえば、Ar、Ne、Xe、Krなどを使用
することができ、必要に応じて、窒素ガスを用いること
もできる。スパッタリング時において、これらのスパッ
タガスに加えて、1ないし99%の酸素ガスを混合する
ようにしてもよい。
【0224】スパッタリング法としては、RF電源を用
いた高周波スパッタリング法や、DCスパッタリング法
を使用することができ、RF電源を用いた高周波スパッ
タリングの電力は0.1ないし10W/平方センチメー
トルの範囲が好ましく、成膜速度は0.5ないし10n
m/分、とくに、1ないし5nmの範囲が好ましい。
【0225】成膜時の基板温度は、25ないし150℃
程度である。
【0226】本発明において、有機ELディスプレイパ
ネルおよび有機EL素子は、無機電子注入輸送層あるい
は無機電子注入層および無機電子輸送層に加えて、有機
の電子輸送層を有していてもよい。
【0227】本発明において、有機の電子輸送層に、好
ましく使用することができる化合物としては、たとえ
ば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq
)などの8−キノリノールないしその誘導体を配位子
とする有機金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ペリレ
ン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキ
サリン誘導体などを挙げることができる。
【0228】本発明において、有機の電子輸送層は、前
記化合物を蒸着することによって形成することができ
る。
【0229】本発明において、有機発光層、有機のホー
ル輸送層および有機の電子輸送層の各層を、蒸着によっ
て形成する条件は、とくに限定されるものではないが、
1×10−4パスカル以下で、蒸着速度を0.01ない
し1nm/秒程度とすることが好ましい。各層は、1×
10−4パスカル以下の減圧下で、連続して、形成され
ることが好ましい。1×10−4パスカル以下の減圧下
で、連続して、各層を形成することによって、各層の界
面に不純物が吸着されることを防止することができるか
ら、高特性の有機EL素子を得ることが可能になるとと
もに、有機EL素子の駆動電圧を低下させ、ダークスポ
ットが発生し、成長することを抑制することができる。
【0230】本発明において、有機発光層、有機のホー
ル輸送層あるいは有機の電子輸送層に、2種以上の化合
物を含有させる場合には、化合物を入れた各ボートを個
別に温度制御して、共蒸着によって、有機発光層、有機
のホール輸送層あるいは有機の電子輸送層を形成するこ
とが好ましい。
【0231】本発明において、ホール注入電極は、無機
ホール注入輸送層あるいは無機ホール注入層に、ホール
を効率よく、注入することのできる材料によって形成さ
れることが好ましく、仕事関数が4.5ないし5.5e
Vの材料によって形成されることが好ましい。ホール注
入電極を形成するために、好ましく使用できる材料とし
ては、たとえば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、
亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、酸化インジウム
(In)、酸化錫(SnO)および酸化亜鉛
(ZnO)のいずれかを主成分とした酸化物が挙げられ
る。これらの酸化物は、その化学量論組成から、多少偏
倚した組成を有していてもよい。錫ドープ酸化インジウ
ム(ITO)における酸化インジウムに対する酸化錫の
混合比は1ないし20重量%が好ましく、さらに好まし
くは、5ないし12重量%である。また、亜鉛ドープ酸
化インジウム(IZO)における酸化インジウムに対す
る酸化亜鉛の混合比は、通常、12ないし32重量%で
ある。
【0232】本発明において、ホール注入電極は、仕事
関数を調整するため、酸化シリコン(SiO)を含ん
でいてもよい。酸化シリコン(SiO)の含有量は、
錫ドープ酸化インジウム(ITO)に対するモル比で、
0.5なしし10%であることが好ましい。酸化シリコ
ンを含有させることによって、錫ドープ酸化インジウム
(ITO)を増大させることができる。
【0233】本発明において、有機発光層から発せられ
た光を取り出す側の電極は、通常、400ないし700
nmの発光波長帯域の光、とくに、各発光光に対する光
透過率が50%以上であることが好ましくは、さらに好
ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上の光透
過率を有している。光透過率がこれ以下の場合には、発
光素子として必要な輝度を得ることができない。
【0234】本発明において、有機発光層から発せられ
た光を取り出す側の電極の厚さは、50ないし500n
mであることが好ましく、50ないし300nmであれ
ば、さらに好ましい。厚すぎると、光透過率が低下し、
また、剥離のおそれが生じ、好ましくない。一方、薄す
ぎると、強度が低下し、好ましくない。
【0235】本発明において、電子注入電極は、電子注
入輸送層あるいは電子注入層に、電子を効率よく、注入
することのできる材料によって形成されることが好まし
い。
【0236】無機材料によって、無機電子注入輸送層が
形成されている場合には、低仕事関数で、電子注入性を
有している必要がないので、電子注入電極を形成するた
めの材料はとくに限定されるものではなく、通常の金属
を用いることができる。金属の中では、Al、Ag、I
n、Ti、Cu、Au、Mo、W、Pt、PdおよびN
iよりなる群、とくに、AlおよびAgよりなる群から
選ばれる1種または2種以上の金属元素が、導電率や取
り扱いやすさの観点から、好ましく使用することができ
る。
【0237】本発明において、電子注入電極の厚さは、
0.1nm以上であることが好ましく、さらに好ましく
は0.5nm以上、最も好ましくは1nm以上である。
電子注入電極の厚さの上限値はとくに限定されないが、
通常は、1ないし500nm程度である。
【0238】さらに、有機発光層や電極の劣化を防止す
るために、有機EL素子を、封止板などによって封止す
ることが好ましい。封止板は、湿気の侵入を防ぐため
に、接着性樹脂層を用いて、有機EL素子に接着され、
有機EL素子が封止される。封止ガスとしては、Ar、
He、Nなどの不活性なガスが好ましい。封止ガスの
水分含有量は、100ppm以下が好ましく、さらに好
ましく、は10ppm以下、最も好ましくは、1ppm
以下である。封止ガスの水分含有量の下限値はとくに限
定されるものではないが、通常、0.1ppm程度であ
る。
【0239】封止板は、平板状であることが好ましく、
好ましい材料としては、ガラスや、石英、樹脂などの透
明または半透明材料が挙げられるが、これらのうち、ガ
ラスと樹脂がとくに好ましく使用される。ガラスとして
は、コスト面から、アルカリガラスが好ましく使用さ
れ、とくに、表面処理が施されていないソーダガラスが
安価であり、好ましい。樹脂としては、基板と同様な材
料を好ましく使用することができる。
【0240】封止板は、スペーサーを用いて、所望の高
さに保持することができる。スペーサーとしては、樹脂
ビーズ、シリカビーズ、ガラスビーズ、ガラスファイバ
ーなどが使用可能であるが、これらのうち、ガラスビー
ズがとくに好ましい。
【0241】また、スペーサーを使用しないで、封止板
に凹部を形成することもでき、封止板に凹部を形成した
ときに、スペーサーを使用することもできる。封止板に
凹部を形成した上で、スペーサーを使用するときは、2
ないし8μmのスペーサーを用いることが好ましい。
【0242】封止板を接着する接着剤としては、安定し
た強度を保つことができ、気密性が良好なものであれば
とくに限定されるものではないが、カチオン硬化型の紫
外線硬化型エポキシ樹脂接着剤が好ましく使用される。
【0243】本発明において、基板が有機発光層から発
せられた光を取り出す側に位置しているときは、基板は
透明でなければならないが、基板が有機発光層から発せ
られた光を取り出す側に位置していないときは、半透明
であっても、不透明であってもよい。
【0244】本発明において、基板の材質はとくに限定
されるものではなく、積層される電極の材質によって、
適宜選択することができる。
【0245】透明な基板を形成するために好ましく使用
することのできる材料としては、ガラスが挙げられ、ガ
ラスのうち、とくに、無アルカリガラスが好ましく使用
される。さらに、本発明においては、カラーフィルター
層あるいはカラーフィルターが、顔料および/または有
機染料を蒸着して形成されるため、油脂や異物による汚
染がなく、傷などの欠陥がなければ、ポリカーボネー
ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエーテルス
ルホンなどの比較的耐熱性の低い透明樹脂や、これらの
上に、無機材料からなるパッシベーション膜を形成した
ものも使用することができる。
【0246】基板が透明であることを要しない場合に
は、ガラスや前記透明樹脂に加えて、ポリアミドイミ
ド、ポリイミド、ポリアリールエーテルニトリルなどの
比較的耐熱性の高い樹脂、石英、アルミナなどのセラミ
ック、ステンレスなどの金属シートに表面酸化などの絶
縁処理を施したものなどが、基板として、好ましく使用
することができる。
【0247】本発明にかかる有機EL素子および有機E
Lディスプレイパネルは、通常、直流駆動型あるいはパ
ルス駆動型の有機EL素子および有機ELディスプレイ
パネルとして用いられるが、交流によって駆動すること
もできる。
【0248】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
る有機EL素子の略断面図である。
【0249】図1に示されるように、本実施態様にかか
る有機EL素子は、基板1と、基板1上に、有機顔料お
よび/または有機染料がマスク蒸着されて形成されたカ
ラーフィルター2と、パッシベーション層3と、ホール
注入電極4と、ホールを搬送するための導通パスを有
し、電子をブロックする機能を有する高抵抗の無機ホー
ル注入輸送層5と、有機ホール輸送層6と、第一の有機
発光層7と、第二の有機発光層8と、電子を搬送するた
めの導通パスを有し、ホールをブロックする機能を有す
る高抵抗の無機電子注入輸送層9と、電子注入電極10
とが、この順に、積層されて形成されている。
【0250】ホール注入電極4と電子注入電極10との
間には、駆動電源11が接続されている。
【0251】本実施態様においては、カラーフィルター
2は、互いに隣接して形成された第一のカラーフィルタ
ー2a、第二のカラーフィルター2bおよび第三のカラ
ーフィルター2cによって構成され、第一のカラーフィ
ルターは578ないし620nmの波長の光を透過させ
る光透過特性を有し、第二のカラーフィルターは520
ないし570nmの波長の光を透過させる光透過特性を
有し、第三のカラーフィルターは430ないし470n
mの波長の光を透過させる光透過特性を有している。
【0252】本実施態様においては、第一の有機発光層
7および第二の有機発光層8から発せられた光は、基板
1を介して、取り出されるように構成されており、した
がって、基板は透明材料によって形成されている。
【0253】本実施態様によれば、有機顔料および/ま
たは有機染料をマスク蒸着して、カラーフィルター2が
形成されているので、樹脂や感光成分などを含んだ高価
なカラーレジスト材料を使用して、フォトリソグラフィ
プロセスによって、カラーフィルター2を形成する場合
に比して、有機ELディスプレイパネルの製造コストを
大幅に低減することが可能になる。
【0254】また、本実施態様によれば、メタルマスク
などのマスクを用いて、各色の蒸着膜を形成するだけ
で、カラーフィルター2を形成することができるから、
各色のレジスト膜を、それぞれ、露光し、現像する必要
がなく、また、パターニング後に、膜から揮発性の溶剤
などを除去する工程も不要であり、フォトリソグラフィ
プロセスによって、カラーフィルター2を形成する場合
に比し、大幅に工程数を減少させることができ、したが
って、有機ELディスプレイパネルの製造に要する時間
を大幅に短縮することができるから、有機ELディスプ
レイパネルの製造コストを大幅に低減することが可能に
なる。
【0255】さらに、本実施態様によれば、有機顔料お
よび/または有機染料をマスク蒸着して、カラーフィル
ター2が形成されているので、カラーフィルター2の厚
さを大幅に減少させることができ、有機ELディスプレ
イパネルの薄層化を図ることが可能になる。
【0256】また、本実施態様によれば、有機顔料およ
び/または有機染料をマスク蒸着して、カラーフィルタ
ー2が形成されているので、カラーフィルター2の厚さ
を大幅に減少させることができ、したがって、オーバー
コート層を設ける必要がないから、カラーフィルター2
の厚さが変動することによって、カラーフィルター2上
に形成される透明電極および補助配線が切断されるおそ
れを確実に防止することが可能になる。
【0257】さらに、本実施態様によれば、有機顔料お
よび/または有機染料をマスク蒸着して、カラーフィル
ター2を形成する際に、メタルマスクなどのマスクを用
いて、有機顔料および/または有機染料がメタルマスク
の隙間から基板に回り込むように、蒸着することによ
り、カラーフィルター2と、カラーフィルター2が形成
されていない領域との境界部分に形成される壁の角度を
数度の範囲に抑制することができ、したがって、カラー
フィルター2上に形成される透明電極および補助配線が
切断されるおそれを確実に防止することが可能になる。
【0258】また、本実施態様明によれば、パターニン
グ後の膜に、揮発性の溶剤などが含まれることはなく、
パターニング後に、膜から揮発性の溶剤などを除去する
必要がないから、カラーフィルター2の表面が不均一に
なって、発光むらが生じることを確実に防止することが
可能になるとともに、カラーフィルター2の凹凸による
電極や有機発光層への悪影響を最小限に抑制することが
可能になる。
【0259】さらに、本実施態様によれば、有機顔料お
よび/または有機染料をマスク蒸着して、カラーフィル
ター2が形成されるので、樹脂フィルムなどの比較的耐
熱性の低い基板上に、カラーフィルター2を形成するこ
とができ、基板材料の選択の自由度を向上させることが
可能になる。
【0260】また、本実施態様によれば、第一の有機発
光層7とホール注入電極4との間に、ホールを搬送する
ための導通パスを有し、電子をブロックする機能を有す
る高抵抗の無機ホール注入輸送層5が設けられているか
ら、第一の有機発光層7および第二の有機発光層8にホ
ールを効率よく注入することができ、発光効率を向上さ
せることが可能となるとともに、駆動電圧を低下させる
ことが可能になり、さらには、有機EL素子の厚さを減
少させることができ、蒸着によって、カラーフィルター
2を形成することによって薄層化された有機EL素子を
より一層、薄層化することが可能となる。
【0261】さらに、本実施態様においては、第二の有
機発光層8と電子注入電極10との間に、電子を搬送す
るための導通パスを有し、ホールをブロックする機能を
有する高抵抗の無機電子注入輸送層9が設けられている
から、第一の有機発光層7および第二の有機発光層8に
電子を効率よく注入することができ、発光効率を向上さ
せることが可能となるとともに、駆動電圧を低下させる
ことが可能になり、さらには、有機EL素子の厚さを減
少させることができ、蒸着によって、カラーフィルター
2を形成することによって薄層化された有機EL素子
を、より一層、薄層化することが可能となる。
【0262】図2は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる有機EL素子の略断面図である。
【0263】図2に示されるように、本実施態様にかか
る有機EL素子は、基板1と、基板1上に、有機顔料お
よび/または有機染料がマスク蒸着されて形成されたカ
ラーフィルター2と、蛍光変換層12と、パッシベーシ
ョン層3と、ホール注入電極4と、ホールを搬送するた
めの導通パスを有し、電子をブロックする機能を有する
高抵抗の無機ホール注入輸送層5と、有機のホール輸送
層6と、第一の有機発光層7と、第二の有機発光層8
と、電子を搬送するための導通パスを有し、ホールをブ
ロックする機能を有する高抵抗の無機電子注入輸送層9
と、電子注入電極10とが、この順に、積層されて形成
されている。蛍光変換層12は、第一の有機発光層7お
よび第二の有機発光層8からの発光光を所定の波長の光
に変換する機能を有している。
【0264】ホール注入電極4と電子注入電極10との
間には、駆動電源11が接続されている。
【0265】本実施態様においても、図1に示された実
施態様と同様に、カラーフィルター2は、互いに隣接し
て形成された第一のカラーフィルター2a、第二のカラ
ーフィルター2bおよび第三のカラーフィルター2cに
よって構成され、第一のカラーフィルターは578ない
し620nmの波長の光を透過させる光透過特性を有
し、第二のカラーフィルターは520ないし570nm
の波長の光を透過させる光透過特性を有し、第三のカラ
ーフィルターは430ないし470nmの波長の光を透
過させる光透過特性を有している。
【0266】また、本実施態様においても、図1に示さ
れた実施態様と同様に、第一の有機発光層7および第二
の有機発光層8から発せられた光は、基板1を介して、
取り出されるように構成されており、したがって、基板
は透明材料によって形成されている。
【0267】本実施態様によれば、さらに、第一の有機
発光層7および第二の有機発光層8からの発光光を所定
の波長の光に変換する機能を有する蛍光変換層12が設
けられているので、第一の有機発光層7および第二の有
機発光層8から発せられた発光光には含まれない波長の
光を生成し、あるいは、第一の有機発光層7および第二
の有機発光層8から発せられた発光光中に不足する波長
の光を補うことが可能になる。
【0268】図3は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる有機EL素子の略断面図である。
【0269】図3に示されるように、本実施態様にかか
る有機EL素子は、基板1と、電子注入電極10と、電
子を搬送するための導通パスを有し、ホールをブロック
する機能を有する高抵抗の無機電子注入輸送層9と、第
一の有機発光層7と、第二の有機発光層8と、有機のホ
ール輸送層6と、ホールを搬送するための導通パスを有
し、電子をブロックする機能を有する高抵抗の無機ホー
ル注入輸送層5と、ホール注入電極4と、有機顔料およ
び/または有機染料がマスク蒸着されて形成されたカラ
ーフィルター2と、パッシベーション層3とが、この順
に、積層されて、形成されている。
【0270】ホール注入電極4と電子注入電極10との
間には、駆動電源11が接続されている。
【0271】本実施態様においても、図1に示された実
施態様と同様に、カラーフィルター2は、互いに隣接し
て形成された第一のカラーフィルター2a、第二のカラ
ーフィルター2bおよび第三のカラーフィルター2cに
よって構成され、第一のカラーフィルターは578ない
し620nmの波長の光を透過させる光透過特性を有
し、第二のカラーフィルターは520ないし570nm
の波長の光を透過させる光透過特性を有し、第三のカラ
ーフィルターは430ないし470nmの波長の光を透
過させる光透過特性を有している。
【0272】本実施態様においては、第一の有機発光層
7および第二の有機発光層8から発せられた光は、基板
1とは反対側に取り出され、したがって、基板1を透明
材料によって形成することは必要とされない。
【0273】図4は、本発明のさらに別の好ましい実施
態様にかかる有機EL素子の略断面図である。
【0274】図4に示されるように、本実施態様にかか
る有機EL素子は、基板1と、電子注入電極10と、電
子を搬送するための導通パスを有し、ホールをブロック
する機能を有する高抵抗の無機電子注入輸送層9と、第
一の有機発光層7と、第二の有機発光層8と、有機のホ
ール輸送層6と、ホールを搬送するための導通パスを有
し、電子をブロックする機能を有する高抵抗の無機ホー
ル注入輸送層5と、ホール注入電極4と、蛍光変換層1
2と、有機顔料および/または有機染料がマスク蒸着さ
れて形成されたカラーフィルター2と、パッシベーショ
ン層3とが、この順に、積層されて、形成されている。
蛍光変換層12は、第一の有機発光層7および第二の有
機発光層8からの発光光を所定の波長の光に変換する機
能を有している。
【0275】ホール注入電極4と電子注入電極10との
間には、駆動電源11が接続されている。
【0276】本実施態様においても、図1に示された実
施態様と同様に、カラーフィルター2は、互いに隣接し
て形成された第一のカラーフィルター2a、第二のカラ
ーフィルター2bおよび第三のカラーフィルター2cに
よって構成され、第一のカラーフィルターは578ない
し620nmの波長の光を透過させる光透過特性を有
し、第二のカラーフィルターは520ないし570nm
の波長の光を透過させる光透過特性を有し、第三のカラ
ーフィルターは430ないし470nmの波長の光を透
過させる光透過特性を有している。
【0277】本実施態様においては、第一の有機発光層
7および第二の有機発光層8から発せられた光は、基板
1とは反対側に取り出され、したがって、基板1を透明
材料によって形成することは必要とされない。
【0278】本実施態様によれば、さらに、第一の有機
発光層7および第二の有機発光層8からの発光光を所定
の波長の光に変換する機能を有する蛍光変換層12が設
けられているので、第一の有機発光層7および第二の有
機発光層8から発せられた発光光には含まれない波長の
光を生成し、あるいは、第一の有機発光層7および第二
の有機発光層8から発せられた発光光中に不足する波長
の光を補うことが可能になる。
【0279】図5は、本発明のさらに別の好ましい実施
態様にかかる有機EL素子の略断面図である。
【0280】図5に示されるように、本実施態様にかか
る有機EL素子は、基板1と、基板1の一方の面上に、
有機顔料および/または有機染料がマスク蒸着されて形
成されたカラーフィルター2と、パッシベーション層3
とが、この順に、積層され、基板1の他方の面上に、ホ
ール注入電極4と、ホールを搬送するための導通パスを
有し、電子をブロックする機能を有する高抵抗の無機ホ
ール注入輸送層5と、有機のホール輸送層6と、第一の
有機発光層7と、第二の有機発光層8と、電子を搬送す
るための導通パスを有し、ホールをブロックする機能を
有する高抵抗の無機電子注入輸送層9と、電子注入電極
10とが、この順に、積層されて、形成されている。
【0281】ホール注入電極4と電子注入電極10との
間には、駆動電源11が接続されている。
【0282】本実施態様においても、図1に示された実
施態様と同様に、カラーフィルター2は、互いに隣接し
て形成された第一のカラーフィルター2a、第二のカラ
ーフィルター2bおよび第三のカラーフィルター2cに
よって構成され、第一のカラーフィルターは578ない
し620nmの波長の光を透過させる光透過特性を有
し、第二のカラーフィルターは520ないし570nm
の波長の光を透過させる光透過特性を有し、第三のカラ
ーフィルターは430ないし470nmの波長の光を透
過させる光透過特性を有している。
【0283】本実施態様においては、第一の有機発光層
7および第二の有機発光層8から発せられた光は、基板
1、カラーフィルター2およびパッシベーション層3を
介して、取り出され、したがって、基板1は透明材料に
よって形成されている。
【0284】図6は、本発明のさらに別の好ましい実施
態様にかかる有機EL素子の略断面図である。
【0285】図6に示されるように、本実施態様にかか
る有機EL素子は、基板1と、基板1の一方の面上に、
蛍光変換層12と、有機顔料および/または有機染料が
マスク蒸着されて形成されたカラーフィルター2と、パ
ッシベーション層3とが、この順に、積層され、基板1
の他方の面上に、ホール注入電極4と、ホールを搬送す
るための導通パスを有し、電子をブロックする機能を有
する高抵抗の無機ホール注入輸送層5と、有機のホール
輸送層6と、第一の有機発光層7と、第二の有機発光層
8と、電子を搬送するための導通パスを有し、ホールを
ブロックする機能を有する高抵抗の無機電子注入輸送層
9と、電子注入電極10とが、この順に、積層されて、
形成されている。蛍光変換層12は、第一の有機発光層
7および第二の有機発光層8によって発せられ、基板1
を介して、蛍光変換層12に入射した光を所定の波長の
光に変換する機能を有している。
【0286】ホール注入電極4と電子注入電極10との
間には、駆動電源11が接続されている。
【0287】本実施態様においても、図1に示された実
施態様と同様に、カラーフィルター2は、互いに隣接し
て形成された第一のカラーフィルター2a、第二のカラ
ーフィルター2bおよび第三のカラーフィルター2cに
よって構成され、第一のカラーフィルターは578ない
し620nmの波長の光を透過させる光透過特性を有
し、第二のカラーフィルターは520ないし570nm
の波長の光を透過させる光透過特性を有し、第三のカラ
ーフィルターは430ないし470nmの波長の光を透
過させる光透過特性を有している。
【0288】本実施態様においては、第一の有機発光層
7および第二の有機発光層8から発せられた光は、基板
1、蛍光変換層12、カラーフィルター2およびパッシ
ベーション層3を介して、取り出され、したがって、基
板1は透明材料によって形成されている。
【0289】本実施態様によれば、さらに、第一の有機
発光層7および第二の有機発光層8からの発光光を所定
の波長の光に変換する機能を有する蛍光変換層12が設
けられているので、第一の有機発光層7および第二の有
機発光層8から発せられた発光光には含まれない波長の
光を生成し、あるいは、第一の有機発光層7および第二
の有機発光層8から発せられた発光光中に不足する波長
の光を補うことが可能になる。
【0290】図7は、本発明のさらに別の好ましい実施
態様にかかる有機EL素子の略断面図である。
【0291】図7に示されるように、本実施態様にかか
る有機EL素子は、基板1と、基板1の一方の面上に、
有機顔料および/または有機染料がマスク蒸着されて形
成されたカラーフィルター2と、パッシベーション層3
とが、この順に、積層され、基板1の他方の面上に、蛍
光変換層12と、パッシベーション層13と、ホール注
入電極4と、ホールを搬送するための導通パスを有し、
電子をブロックする機能を有する高抵抗の無機ホール注
入輸送層5と、有機のホール輸送層6と、第一の有機発
光層7と、第二の有機発光層8と、電子を搬送するため
の導通パスを有し、ホールをブロックする機能を有する
高抵抗の無機電子注入輸送層9と、電子注入電極10と
が、この順に、積層されて、形成されている。蛍光変換
層12は、第一の有機発光層7および第二の有機発光層
8から入射した光を所定の波長の光に変換し、基板1に
向けて、放出する機能を有している。
【0292】ホール注入電極4と電子注入電極10との
間には、駆動電源11が接続されている。
【0293】本実施態様においても、図1に示された実
施態様と同様に、カラーフィルター2は、互いに隣接し
て形成された第一のカラーフィルター2a、第二のカラ
ーフィルター2bおよび第三のカラーフィルター2cに
よって構成され、第一のカラーフィルターは578ない
し620nmの波長の光を透過させる光透過特性を有
し、第二のカラーフィルターは520ないし570nm
の波長の光を透過させる光透過特性を有し、第三のカラ
ーフィルターは430ないし470nmの波長の光を透
過させる光透過特性を有している。
【0294】本実施態様においては、第一の有機発光層
7および第二の有機発光層8から発せられた光は、基板
1、カラーフィルター2およびパッシベーション層3を
介して、取り出され、したがって、基板1は透明材料に
よって形成されている。
【0295】本実施態様によれば、さらに、第一の有機
発光層7および第二の有機発光層8からの発光光を所定
の波長の光に変換する機能を有する蛍光変換層12が設
けられているので、第一の有機発光層7および第二の有
機発光層8から発せられた発光光には含まれない波長の
光を生成し、あるいは、第一の有機発光層7および第二
の有機発光層8から発せられた発光光中に不足する波長
の光を補うことが可能になる。
【0296】
【実施例】以下において、本発明の効果を、一層明らか
にするため、実施例および比較例を掲げる。
【0297】実施例1 透明基板として、コーニングジャパン株式会社製の#7
059ガラス基板を用い、透明基板上に、赤色顔料、緑
色顔料および青色顔料を、それぞれ、マスク蒸着して、
隣接して形成された第一のカラーフィルター、第二のカ
ラーフィルターおよび第三のカラーフィルターからなる
カラーフィルターを形成した。
【0298】ここに、赤色フィルターに相当する第一の
カラーフィルターは、赤色顔料として、構造式(1)に
示されるピグメントレッド254(Pigment Red 254)
を蒸着して形成し、また、緑色フィルターに相当する第
二のカラーフィルターは、構造式(2)に示されるター
シャリーブチルチタンフタロシアニンを蒸着して形成し
た。さらに、青色フィルターに相当する第三のカラーフ
ィルターは、青色顔料として、構造式(3)に示される
モノメチル銅フタロシアニンを蒸着して形成した。
【0299】
【化16】
【0300】
【化17】
【0301】
【化18】 また、第一のカラーフィルター、第二のカラーフィルタ
ーおよび第三のカラーフィルターの実測膜厚は、それぞ
れ、4223オングストローム、4012オングストロ
ーム、3694オングストロームであった。
【0302】透明基板上に、カラーフィルターを形成し
た後、カラーフィルター上に、酸化ケイ素からなるパッ
シベーション膜をスパッタリングによって形成し、さら
に、パッシベーション膜上に、スパッタリングによっ
て、透明電極(ITO)膜を形成し、透明電極膜をパタ
ーニングした。
【0303】こうして得られた積層体を、超音波を用い
て、洗浄し、エタノールを用いて、煮沸洗浄した。
【0304】次いで、スパッタ装置の基板ホルダーに固
定して、スパッタ装置内部を、1×10−4パスカル以
下に減圧した。
【0305】ターゲットにSiOを用い、この上に、
所定の大きさのAuのペレットを配置して、高抵抗の無
機ホール注入輸送層を20nmの膜厚に成膜した。スパ
ッタガスは、Ar:30sccm、O:5sccm
で、室温(25℃)下、成膜レート1nm/分、動作圧
力0.2ないし2パスカル、投入電力500Wとした。
【0306】成膜した高抵抗の無機ホール注入輸送層の
組成は、SiO1.9にAuを4モル%含有するもので
あった。
【0307】次いで,減圧状態を保ったまま、次の構造
式で示されるN,N’−ビス(m−メチルフェニル)−
N,N’− ジフェニル −1,1’−ビフェニル−4,
4’−ジアミンを蒸着速度0.2nm/秒で、20nm
の膜厚に蒸着し、有機ホール輸送層を形成した。
【0308】
【化19】 さらに、減圧状態を保ったまま、N,N’−ビス(m−
メチルフェニル)−N,N’− ジフェニル −1,1’
−ビフェニル−4,4’−ジアミンとAlqとを、
1:1で混合したものに、次の構造式で示されるルブレ
ンを1体積%ドープしたものを、全体の蒸着速度0.2
nm/秒で、40nmの膜厚に蒸着し、第一の有機発光
層を形成した。
【0309】
【化20】 次いで、減圧状態を保ったまま、N,N’−ビス(m−
メチルフェニル)−N,N’− ジフェニル −1,1’
−ビフェニル−4,4’−ジアミンとAlq3とを、
1:1で混合したものに、次の構造式で示されるDSM
Aを2.5体積%ドープしたものを、全体の蒸着速度
0.2nm/秒で、40nmの膜厚に蒸着し、第二の有
機発光層を形成した。
【0310】
【化21】 さらに、LiOにRuOを4モル%混合したターゲ
ットを用い,高抵抗の無機電子注入輸送層を2nmの膜
厚に成膜した。スパッタガスは、Ar:30sccm、
:5sccmで、室温(25℃)下、成膜レート1
nm/分、動作圧力0.2ないし2パスカル、投入電力
500Wとした。
【0311】成膜した高抵抗の無機ホール注入輸送層の
組成は、ターゲットとほぼ同様であった。
【0312】さらに、減圧に保ったまま,Alを200
nmの厚さに蒸着して、陰極を形成し、有機ELディス
プレイパネルを生成した。
【0313】こうして得られた有機EL素子ディスプレ
イパネルの赤色発光の色度、緑色発光の色度および青色
発光の色度を求めた結果が、表1に示されている。
【0314】
【表1】 実施例2 透明基板として、コーニングジャパン株式会社製の#7
059ガラス基板を用い、透明基板上に、赤色顔料とし
て構造式(1)に示されるピグメントレッド254を、
緑色顔料として、構造式(2)に示されるターシャリー
ブチルチタンフタロシアニンを、青色顔料としてを、構
造式(3)に示されるモノメチル銅フタロシアニンをそ
れぞれ、マスク蒸着して、隣接して形成された第一のカ
ラーフィルター、第二のカラーフィルター及び第三のカ
ラーフィルターからなるカラーフィルターを形成した。
また、赤色フィルターに相当する第一のカラーフィルタ
ー、緑色カラーフィルターに相当する第二のカラーフィ
ルターおよび青色カラーフィルターに相当する第三のカ
ラーフィルターの実測膜厚は、それぞれ、485オング
ストローム、612オングストローム、396オングス
トロームであった。
【0315】透明基板上に、カラーフィルターを形成し
た後、カラーフィルター上に、酸化ケイ素からなるパッ
シベーション膜をスパッタリングによって形成し、さら
に、パッシベーション膜上に、スパッタリングによっ
て、透明電極(ITO)膜を形成し、透明電極膜をパタ
ーニングした。
【0316】こうして得られた積層体を、超音波を用い
て、洗浄し、エタノールを用いて、煮沸洗浄した後、実
施例1と同様にして、高抵抗の無機ホール注入輸送層、
有機ホール注入層、有機ホール輸送層、有機発光層、高
抵抗の無機電子注入輸送層、陰極の順に成膜して、有機
ELディスプレイパネルを生成した。
【0317】ここに、第一の有機発光層および第二の有
機発光層は、それぞれ、第一のカラーフィルターに対応
する位置に、赤色光を発光する有機化合物を蒸着し、第
二のカラーフィルターに対応する位置に、緑色光を発光
する有機化合物を蒸着し、第三のカラーフィルターに対
応する位置に、青色光を発光する有機化合物を蒸着する
ことによって、形成した。
【0318】こうして得られた有機EL素子ディスプレ
イパネルの赤色発光の色度、緑色発光の色度および青色
発光の色度を求めた結果が、表2に示されている。
【0319】
【表2】 比較例 透明基板として、コーニングジャパン株式会社製の#7
059ガラス基板を用い、透明基板上に、液晶用赤色カ
ラーレジスト(富士写真フイルムオーリン株式会社製C
R7001)、液晶用緑色カラーレジスト(富士写真フ
イルムオーリン株式会社製CG7001)および液晶用
青色カラーレジスト(富士写真フイルムオーリン株式会
社製CB7001)を、それぞれ、厚さが1.5μmと
なるように、パターニングして、隣接して形成された第
一のカラーフィルター、第二のカラーフィルターおよび
第三のカラーフィルターからなるカラーフィルターを形
成し、さらに、その上に、富士写真フイルムオーリン株
式会社製CTをパターニングして、オーバーコート層を
形成した。
【0320】透明基板上に、カラーフィルターおよびオ
ーバーコート層を形成した後、カラーフィルター層上
に、酸化ケイ素からなるパッシベーション膜をスパッタ
リングによって形成し、さらに、パッシベーション膜上
に、スパッタリングによって、透明電極(ITO)膜を
形成し、透明電極膜をパターニングした。
【0321】こうして得られた積層体を、超音波を用い
て、洗浄し、エタノールを用いて、煮沸洗浄した後、実
施例1と同様にして、高抵抗の無機ホール注入輸送層、
有機ホール注入層、有機ホール輸送層、有機発光層、高
抵抗の無機電子注入輸送層、陰極の順に成膜して、有機
ELディスプレイパネルを生成した。
【0322】こうして得られた有機EL素子ディスプレ
イパネルの赤色発光の色度、緑色発光の色度および青色
発光の色度を求めた結果が、表3に示されている。
【0323】
【表3】 表1および表2を表3と対比すれば明らかなとおり、以
上の結果から、本発明を利用して作製した実施例1およ
び2にかかるカラーフィルターは、フォトリソグラフィ
プロセスによって作製した比較例にかかるカラーフィル
ターと同等もしくはそれ以上の色純度を有しており、し
たがって、本発明によれば、一般に、カラーフィルター
の厚みが小さくなると、色純度が低下するにもかかわら
ず、フォトリソグラフィープロセスで作製した比較例に
かかるカラーフィルターの四分の一以下の膜厚で、同等
もしくはそれ以上の色純度を再現することができ、低コ
ストで、大幅な薄層化が可能で、かつ、高品位な有機E
L素子を得ることができることが判明した。
【0324】本発明は、以上の実施態様および実施例に
限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明
の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の
範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0325】たとえば、図1ないし図7に示された実施
態様においては、有機顔料および/または有機染料をマ
スク蒸着して、カラーフィルター2を形成しているが、
有機顔料および/または有機染料に限らず、無機顔料を
マスク蒸着して、カラーフィルター2を形成することも
できるし、2種類以上の有機顔料、2種類以上の有機染
料もしくは2種類以上の無機顔料または2種類以上の有
機顔料および2種類以上の有機染料もしくは2種類以上
の無機顔料および2種類以上の有機染料をマスク蒸着し
て、カラーフィルター2を形成するようにしてもよい。
【0326】また、図1ないし図7に示された実施態様
においては、有機顔料および/または有機染料をマスク
蒸着して、カラーフィルター2を形成しているが、蒸着
によって、カラーフィルター2が形成されればよく、マ
スク蒸着によって、カラーフィルター2を形成すること
は必ずしも必要がない。
【0327】また、図1および図2に示された実施態様
においては、カラーフィルター2は基板1上に形成され
ており、図3および図4に示された実施態様において
は、カラーフィルター2はホール注入電極4上に形成さ
れ、図5および図7に示された実施態様においては、カ
ラーフィルター2は、第一の有機発光層7および第二の
有機発光層8が設けられている側とは反対側の基板1の
面に形成されており、図6に示された実施態様において
は、カラーフィルター2は、蛍光変換層13上に形成さ
れているが、有機EL素子が、カラーフィルター2を備
えていればよく、カラーフィルター2の位置は任意に決
定することができる。
【0328】さらに、図1ないし図7に示された実施態
様においては、有機EL素子は、いずれも、第一の有機
発光層7と第二の有機発光層8とを有しているが、有機
EL素子が、二層の有機発光層を備えていることは、必
ずしも必要がなく、有機発光層が単層であっても、ま
た、必要に応じて、三層以上の有機発光層を備えていて
もよい。
【0329】また、図1ないし図7に示された実施態
様、実施例1および2ならびに比較例においては、有機
EL素子は、いずれも、高抵抗の無機ホール注入輸送層
5と、有機のホール輸送層6とを有しているが、有機の
ホール輸送層6を省略して、高抵抗の無機ホール注入輸
送層5のみが、ホールの注入機能および輸送機能を果た
すように構成することもできる。
【0330】さらに、図1ないし図7に示された実施態
様、実施例1および2ならびに比較例においては、有機
EL素子は、いずれも、高抵抗の無機電子注入輸送層9
のみを備えているが、高抵抗の無機電子注入輸送層9に
加えて、有機の電子輸送層を設けることもできる。
【0331】
【発明の効果】本発明によれば、低コストで製造するこ
とができ、薄層化が可能で、かつ、高品位な有機ELデ
ィスプレイパネルおよびそれに用いる有機EL素子を提
供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる有
機EL素子の略断面図である。
【図2】図2は、本発明の別の好ましい実施態様にかか
る有機EL素子の略断面図である。
【図3】図3は、本発明のさらに別の好ましい実施態様
にかかる有機EL素子の略断面図である。
【図4】図4は、本発明のさらに別の好ましい実施態様
にかかる有機EL素子の略断面図である。
【図5】図5は、本発明のさらに別の好ましい実施態様
にかかる有機EL素子の略断面図である。
【図6】図6は、本発明のさらに別の好ましい実施態様
にかかる有機EL素子の略断面図である。
【図7】図7は、本発明のさらに別の好ましい実施態様
にかかる有機EL素子の略断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 カラーフィルター 2a 第一のカラーフィルター 2b 第二のカラーフィルター 2c 第三のカラーフィルター 3 パッシベーション層 4 ホール注入電極 5 無機ホール注入輸送層 6 有機ホール輸送層 7 第一の有機発光層 8 第二の有機発光層 9 無機電子注入輸送層 10 電子注入電極 11 駆動電源 12 蛍光変換層 13 パッシベーション層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/22 H05B 33/22 A (72)発明者 青山 恵 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 中野 睦子 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB03 AB04 AB06 AB18 BB06 CA01 CB01 DA01 DB03 EA00 EB00 FA01 4K029 AA09 AA24 BA50 BA62 BB02 BC07 BD00

Claims (82)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を備えるとともに、少なくとも一方
    が透明なホール注入電極と陰極との間に、少なくとも一
    層の有機発光層を備え、さらに、顔料および/または有
    機染料を蒸着して形成したカラーフィルター層を含み、
    前記少なくとも一層の有機発光層と前記ホール注入電極
    および前記陰極の少なくとも一方との間に、ホールを搬
    送するための導通パスを有し、電子をブロックする機能
    を有する少なくとも一層の高抵抗の無機物層および電子
    を搬送するための導通パスを有し、ホールをブロックす
    る機能を有する少なくとも一層の高抵抗の無機物層の少
    なくとも一方を備え、独立して、制御が可能な複数の有
    機EL素子に分割されたことを特徴とする有機ELディ
    スプレイパネル。
  2. 【請求項2】 前記顔料が有機顔料を含むことを特徴と
    する請求項1に記載の有機ELディスプレイパネル。
  3. 【請求項3】 前記カラーフィルター層が、顔料および
    有機染料を共蒸着して形成されたことを特徴とする請求
    項1または2に記載の有機ELディスプレイパネル。
  4. 【請求項4】 前記カラーフィルター層が、2種類以上
    の顔料および/または2種類以上の有機染料を蒸着して
    形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の
    有機ELディスプレイパネル。
  5. 【請求項5】 前記カラーフィルター層が、2種類以上
    の顔料および/または2種類以上の有機染料を共蒸着し
    て形成されたことを特徴とする請求項4に記載の有機E
    Lディスプレイパネル。
  6. 【請求項6】 前記カラーフィルター層が、顔料および
    /または有機染料を、それぞれ、蒸着して形成した2以
    上の蒸着層が積層されて形成されたことを特徴とする請
    求項1または2に記載の有機ELディスプレイパネル。
  7. 【請求項7】 前記各蒸着層が、2種類以上の顔料およ
    び/または2種類以上の有機染料を共蒸着して形成され
    たことを特徴とする請求項6に記載の有機ELディスプ
    レイパネル。
  8. 【請求項8】 前記カラーフィルター層が、顔料および
    /または有機染料をマスク蒸着して形成されたことを特
    徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の有機
    ELディスプレイパネル。
  9. 【請求項9】 前記カラーフィルター層の厚さが1.5
    μm以下であることを特徴とする請求項1ないし8のい
    ずれか1項に記載の有機ELディスプレイパネル。
  10. 【請求項10】 ホールを搬送するための導通パスを有
    し、電子をブロックする機能を有する少なくとも一層の
    高抵抗の前記無機物層が、無機ホール注入輸送層によっ
    て構成されたことを特徴とする請求項1ないし9のいず
    れか1項に記載の有機ELディスプレイパネル。
  11. 【請求項11】 電子を搬送するための導通パスを有
    し、ホールをブロックする機能を有する少なくとも一層
    の高抵抗の前記無機物層が、無機電子注入輸送層によっ
    て構成されたことを特徴とする請求項1ないし10のい
    ずれか1項に記載の有機ELディスプレイパネル。
  12. 【請求項12】 ホールを搬送するための導通パスを有
    し、電子をブロックする機能を有する少なくとも一層の
    高抵抗の前記無機物層が、前記ホール注入電極からのホ
    ールの注入を容易にする機能を有する無機ホール注入層
    およびホールを安定的に輸送するとともに、電子の輸送
    を妨げる機能を有する無機ホール輸送層によって構成さ
    れたことを特徴とする請求項1ないし9および11のい
    ずれか1項に記載の有機ELディスプレイパネル。
  13. 【請求項13】 電子を搬送するための導通パスを有
    し、ホールをブロックする機能を有する少なくとも一層
    の高抵抗の前記無機物層が、前記陰極からの電子の注入
    を容易にする機能を有する無機電子注入層および電子を
    安定的に輸送するとともにホールの輸送を妨げる機能を
    有する無機電子輸送層によって構成されたことを特徴と
    する請求項1ないし10および12のいずれか1項に記
    載の有機ELディスプレイパネル。
  14. 【請求項14】 前記基板が透明基板によって形成され
    るとともに、前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記
    陰極が電子注入電極によって構成され、前記基板上に、
    前記カラーフィルター層、前記ホール注入電極、ホール
    を搬送するための導通パスを有し、電子をブロックする
    機能を有する少なくとも一層の高抵抗の前記無機物層、
    前記少なくとも一層の有機発光層および前記電子注入電
    極を、この順に備えたことを特徴とする請求項1ないし
    13のいずれか1項に記載の有機ELディスプレイパネ
    ル。
  15. 【請求項15】 前記基板が透明基板によって形成され
    るとともに、前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記
    陰極が電子注入電極によって構成され、前記基板上に、
    前記カラーフィルター層、前記ホール注入電極、前記少
    なくとも一層の有機発光層、電子を搬送するための導通
    パスを有し、ホールをブロックする機能を有する少なく
    とも一層の高抵抗の前記無機物層および前記電子注入電
    極を、この順に備えたことを特徴とする請求項1ないし
    13のいずれか1項に記載の有機ELディスプレイパネ
    ル。
  16. 【請求項16】 前記基板が透明基板によって形成され
    るとともに、前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記
    陰極が電子注入電極によって構成され、前記基板上に、
    前記カラーフィルター層、前記ホール注入電極、ホール
    を搬送するための導通パスを有し、電子をブロックする
    機能を有する少なくとも一層の高抵抗の前記無機物層、
    前記少なくとも一層の有機発光層、電子を搬送するため
    の導通パスを有し、ホールをブロックする機能を有する
    少なくとも一層の高抵抗の前記無機物層および前記電子
    注入電極を、この順に備えたことを特徴とする請求項1
    ないし13のいずれか1項に記載の有機ELディスプレ
    イパネル。
  17. 【請求項17】 前記ホール注入電極が透明で、かつ、
    前記陰極が電子注入電極によって構成され、前記基板上
    に、前記電子注入電極、前記少なくとも一層の有機発光
    層、ホールを搬送するための導通パスを有し、電子をブ
    ロックする機能を有する少なくとも一層の高抵抗の前記
    無機物層、前記ホール注入電極および前記カラーフィル
    ター層を、この順に、備えたことを特徴とする請求項1
    ないし13のいずれか1項に記載の有機ELディスプレ
    イパネル。
  18. 【請求項18】 前記ホール注入電極が透明で、かつ、
    前記陰極が電子注入電極によって構成され、前記基板上
    に、前記電子注入電極、電子を搬送するための導通パス
    を有し、ホールをブロックする機能を有する少なくとも
    一層の高抵抗の前記無機物層、前記少なくとも一層の有
    機発光層、前記ホール注入電極および前記カラーフィル
    ター層を、この順に、備えたことを特徴とする請求項1
    ないし13のいずれか1項に記載の有機ELディスプレ
    イパネル。
  19. 【請求項19】 前記ホール注入電極が透明で、かつ、
    前記陰極が電子注入電極によって構成され、前記基板上
    に、前記電子注入電極、電子を搬送するための導通パス
    を有し、ホールをブロックする機能を有する少なくとも
    一層の高抵抗の前記無機物層、前記少なくとも一層の有
    機発光層、ホールを搬送するための導通パスを有し、電
    子をブロックする機能を有する少なくとも一層の高抵抗
    の前記無機物層、前記ホール注入電極および前記カラー
    フィルター層を、この順に備えたことを特徴とする請求
    項1ないし13のいずれか1項に記載の有機ELディス
    プレイパネル。
  20. 【請求項20】 前記基板が透明基板によって形成され
    るとともに、前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記
    陰極が電子注入電極によって構成され、前記基板の一方
    の面に、前記カラーフィルター層を備え、前記基板の他
    方の面に、前記ホール注入電極、ホールを搬送するため
    の導通パスを有し、電子をブロックする機能を有する少
    なくとも一層の高抵抗の前記無機物層、前記少なくとも
    一層の有機発光層および前記電子注入電極を、この順
    に、備えたことを特徴とする請求項1ないし13のいず
    れか1項に記載の有機ELディスプレイパネル。
  21. 【請求項21】 前記基板が透明基板によって形成され
    るとともに、前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記
    陰極が電子注入電極によって構成され、前記基板の一方
    の面に、前記カラーフィルター層を備え、前記基板の他
    方の面に、前記ホール注入電極、前記少なくとも一層の
    有機発光層、電子を搬送するための導通パスを有し、ホ
    ールをブロックする機能を有する少なくとも一層の高抵
    抗の前記無機物層および前記電子注入電極を、この順
    に、備えたことを特徴とする請求項1ないし13のいず
    れか1項に記載の有機ELディスプレイパネル。
  22. 【請求項22】 前記基板が透明基板によって形成され
    るとともに、前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記
    陰極が電子注入電極によって構成され、前記基板の一方
    の面に、前記カラーフィルター層を備え、前記基板の他
    方の面に、前記ホール注入電極、ホールを搬送するため
    の導通パスを有し、電子をブロックする機能を有する少
    なくとも一層の高抵抗の前記無機物層、前記少なくとも
    一層の有機発光層、電子を搬送するための導通パスを有
    し、ホールをブロックする機能を有する少なくとも一層
    の高抵抗の前記無機物層および前記電子注入電極を、こ
    の順に、備えたことを特徴とする請求項1ないし13の
    いずれか1項に記載の有機ELディスプレイパネル。
  23. 【請求項23】 さらに、前記カラーフィルター層の表
    面に、パッシベーション層を備えたことを特徴とする請
    求項1ないし22のいずれか1項に記載の有機ELディ
    スプレイパネル。
  24. 【請求項24】 さらに、前記カラーフィルター層の前
    記ホール注入電極側に、前記少なくとも一層の有機発光
    層からの発光光を所定の波長の光に変換する蛍光変換層
    を備えたことを特徴とする請求項1ないし18のいずれ
    か1項に記載の有機ELディスプレイパネル。
  25. 【請求項25】 さらに、前記基板の一方の面に、前記
    少なくとも一層の有機発光層からの発光光を所定の波長
    の光に変換する蛍光変換層を備え、前記蛍光変換層が、
    前記カラーフィルター層の前記基板側に配置されたこと
    を特徴とする請求項20ないし22のいずれか1項に記
    載の有機ELディスプレイパネル。
  26. 【請求項26】 さらに、前記基板の他方の面に、前記
    少なくとも一層の有機発光層からの発光光を所定の波長
    の光に変換する蛍光変換層を備え、前記蛍光変換層が、
    前記電極と前記基板の間に配置されたことを特徴とする
    請求項20ないし22のいずれか1項に記載の有機EL
    ディスプレイパネル。
  27. 【請求項27】 前記蛍光変換層が、蛍光物質を蒸着し
    て、形成されたことを特徴とする請求項23ないし26
    のいずれか1項に記載の有機ELディスプレイパネル。
  28. 【請求項28】 前記蛍光変換層が、2種類以上の蛍光
    物質を蒸着して、形成されたことを特徴とする請求項2
    7に記載の有機ELディスプレイパネル。
  29. 【請求項29】 前記蛍光変換層が、2種類以上の蛍光
    物質を共蒸着して、形成されたことを特徴とする請求項
    28に記載の有機ELディスプレイパネル。
  30. 【請求項30】 前記蛍光変換層が、蛍光物質を、それ
    ぞれ、蒸着して形成した2以上の蒸着層が積層されて形
    成されたことを特徴とする請求項28に記載の有機EL
    ディスプレイパネル。
  31. 【請求項31】 前記各蒸着層が、2種類以上の蛍光物
    質を共蒸着して形成されたことを特徴とする請求項30
    に記載の有機ELディスプレイパネル。
  32. 【請求項32】 さらに、前記蛍光変換層および/また
    は前記カラーフィルター上に、パッシベーション層を備
    えたことを特徴とする請求項24ないし31のいずれか
    1項に記載の有機ELディスプレイパネル。
  33. 【請求項33】 前記パッシベーション層が、ケイ素化
    合物によって形成されたことを特徴とする請求項23ま
    たは32に記載の有機ELディスプレイパネル。
  34. 【請求項34】 前記パッシベーション層が、酸化ケイ
    素および/または窒化ケイ素を含んだことを特徴とする
    請求項33に記載の有機ELディスプレイパネル。
  35. 【請求項35】 前記少なくとも一層の有機発光層が二
    層の有機発光層によって構成されたことを特徴とする請
    求項1ないし34のいずれか1項に記載の有機ELディ
    スプレイパネル。
  36. 【請求項36】 前記少なくとも一層の有機発光層が蒸
    着によって形成されたことを特徴とする請求項1ないし
    34のいずれか1項に記載の有機ELディスプレイパネ
    ル。
  37. 【請求項37】 基板を備えるとともに、少なくとも一
    方が透明なホール注入電極と陰極との間に、少なくとも
    一層の有機発光層を備え、さらに、顔料および/または
    有機染料を蒸着して形成したカラーフィルターを含み、
    前記少なくとも一層の有機発光層と前記ホール注入電極
    および前記陰極の少なくとも一方との間に、ホールを搬
    送するための導通パスを有し、電子をブロックする機能
    を有する少なくとも一層の高抵抗の無機物層および電子
    を搬送するための導通パスを有し、ホールをブロックす
    る機能を有する少なくとも一層の高抵抗の無機物層の少
    なくとも一方を備えたことを特徴とする有機EL素子。
  38. 【請求項38】 前記顔料が有機顔料を含むことを特徴
    とする請求項37に記載の有機EL素子。
  39. 【請求項39】 前記カラーフィルターが、顔料および
    有機染料を共蒸着して形成されたことを特徴とする請求
    項37または38に記載の有機EL素子。
  40. 【請求項40】 前記カラーフィルターが、2種類以上
    の顔料および/または2種類以上の有機染料を蒸着して
    形成されたことを特徴とする請求項37または38に記
    載の有機EL素子。
  41. 【請求項41】 前記カラーフィルターが、2種類以上
    の顔料および/または2種類以上の有機染料を共蒸着し
    て形成されたことを特徴とする請求項40に記載の有機
    EL素子。
  42. 【請求項42】 前記カラーフィルターが、顔料および
    /または有機染料を、それぞれ、蒸着して形成した2以
    上の蒸着層が積層されて形成されたことを特徴とする請
    求項40に記載の有機EL素子。
  43. 【請求項43】 前記各蒸着層が、2種類以上の顔料お
    よび/または2種類以上の有機染料を共蒸着して形成さ
    れたことを特徴とする請求項42に記載の有機EL素
    子。
  44. 【請求項44】 前記カラーフィルターが、顔料および
    /または有機染料をマスク蒸着して形成されたことを特
    徴とする請求項37ないし43のいずれか1項に記載の
    有機EL素子。
  45. 【請求項45】 前記カラーフィルターの厚さが1.5
    μm以下であることを特徴とする請求項37ないし44
    のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  46. 【請求項46】 前記カラーフィルターが、隣接して形
    成された第一のカラーフィルター、第二のカラーフィル
    ターおよび第三のカラーフィルターを含み、前記第一の
    カラーフィルターが573ないし780nmの波長の光
    を透過させる光透過特性を有し、前記第二のカラーフィ
    ルターが493ないし573nmの波長の光を透過させ
    る光透過特性を有し、前記第三のカラーフィルターが3
    80ないし493nmの波長の光を透過させる光透過特
    性を有していることを特徴とする請求項37ないし45
    のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  47. 【請求項47】 前記第一のカラーフィルターが578
    ないし620nmの波長の光を透過させる光透過特性を
    有し、前記第二のカラーフィルターが520ないし57
    0nmの波長の光を透過させる光透過特性を有し、前記
    第三のカラーフィルターが430ないし470nmの波
    長の光を透過させる光透過特性を有していることを特徴
    とする請求項46に記載の有機EL素子。
  48. 【請求項48】 前記第二のカラーフィルターが、フタ
    ロシアニン系顔料の蒸着膜と、アゾ系顔料の蒸着膜を積
    層して、形成されたことを特徴とする請求項46または
    47に記載の有機EL素子。
  49. 【請求項49】 前記カラーフィルターが、573ない
    し780nmの波長の光を透過させる光透過特性、49
    3ないし573nmの波長の光を透過させる光透過特性
    あるいは380ないし493nmの波長の光を透過させ
    る光透過特性を有していることを特徴とする請求項37
    ないし45のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  50. 【請求項50】 前記493ないし573nmの波長の
    光を透過させる光透過特性を有する前記カラーフィルタ
    ーが、フタロシアニン系顔料の蒸着膜と、アゾ系顔料の
    蒸着膜を積層して、形成されたことを特徴とする請求項
    49に記載の有機EL素子。
  51. 【請求項51】 前記カラーフィルターが、578ない
    し620nmの波長の光を透過させる光透過特性、52
    0ないし570nmの波長の光を透過させる光透過特性
    あるいは430ないし470nmの波長の光を透過させ
    る光透過特性を有していることを特徴とする請求項49
    に記載の有機EL素子。
  52. 【請求項52】 前記520ないし570nmの波長の
    光を透過させる光透過特性を有する前記カラーフィルタ
    ーが、フタロシアニン系顔料の蒸着膜と、アゾ系顔料の
    蒸着膜を積層して、形成されたことを特徴とする請求項
    51に記載の有機EL素子。
  53. 【請求項53】 前記少なくとも一層の有機発光層が、
    少なくとも380ないし780nmの連続した発光スペ
    クトルを有する白色発光を発する有機発光層によって形
    成されたことを特徴とする請求項37ないし52のいず
    れか1項に記載の有機EL素子。
  54. 【請求項54】 前記少なくとも一層の有機発光層が、
    430ないし650nm以下の連続した発光スペクトル
    を有する白色発光を発する有機発光層によって形成され
    たことを特徴とする請求項53に記載の有機EL素子。
  55. 【請求項55】 前記少なくとも一層の有機発光層が、
    隣接して形成され、互いに異なる波長の光を発する第一
    の単位有機発光層、第二の単位有機発光層および第三の
    単位有機発光層を含み、前記第一の単位有機発光層が、
    573ないし780nmの波長の光を発する発光特性を
    有し、前記第二の単位有機発光層が、493ないし57
    3nmの波長の光を発する発光特性を有し、前記第三の
    単位有機発光層が、380ないし493nmの波長の光
    を発する発光特性を有していることを特徴とする請求項
    37ないし48のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  56. 【請求項56】 ホールを搬送するための導通パスを有
    し、電子をブロックする機能を有する少なくとも一層の
    高抵抗の前記無機物層が、無機ホール注入輸送層によっ
    て構成されたことを特徴とする請求項37ないし55の
    いずれか1項に記載の有機EL素子。
  57. 【請求項57】 電子を搬送するための導通パスを有
    し、ホールをブロックする機能を有する少なくとも一層
    の高抵抗の前記無機物層が、無機電子注入輸送層によっ
    て構成されたことを特徴とする請求項37ないし56の
    いずれか1項に記載の有機EL素子。
  58. 【請求項58】 ホールを搬送するための導通パスを有
    し、電子をブロックする機能を有する少なくとも一層の
    高抵抗の前記無機物層が、前記ホール注入電極からのホ
    ールの注入を容易にする機能を有する無機ホール注入層
    およびホールを安定的に輸送するとともに、電子の輸送
    を妨げる機能を有する無機ホール輸送層によって構成さ
    れたことを特徴とする請求項37ないし55および57
    のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  59. 【請求項59】 電子を搬送するための導通パスを有
    し、ホールをブロックする機能を有する少なくとも一層
    の高抵抗の前記無機物層が、前記陰極からの電子の注入
    を容易にする機能を有する無機電子注入層および電子を
    安定的に輸送するとともにホールの輸送を妨げる機能を
    有する無機電子輸送層によって構成されたことを特徴と
    する請求項37ないし56および58のいずれか1項に
    記載の有機EL素子。
  60. 【請求項60】 前記基板が透明基板によって形成され
    るとともに、前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記
    陰極が電子注入電極によって構成され、前記基板上に、
    前記カラーフィルター、前記ホール注入電極、ホールを
    搬送するための導通パスを有し、電子をブロックする機
    能を有する少なくとも一層の高抵抗の前記無機物層、前
    記少なくとも一層の有機発光層および前記電子注入電極
    を、この順に備えたことを特徴とする請求項37ないし
    59のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  61. 【請求項61】 前記基板が透明基板によって形成され
    るとともに、前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記
    陰極が電子注入電極によって構成され、前記基板上に、
    前記カラーフィルター、前記ホール注入電極、前記少な
    くとも一層の有機発光層、電子を搬送するための導通パ
    スを有し、ホールをブロックする機能を有する少なくと
    も一層の高抵抗の前記無機物層および前記電子注入電極
    を、この順に備えたことを特徴とする請求項37ないし
    59のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  62. 【請求項62】 前記基板が透明基板によって形成され
    るとともに、前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記
    陰極が電子注入電極によって構成され、前記基板上に、
    前記カラーフィルター、前記ホール注入電極、ホールを
    搬送するための導通パスを有し、電子をブロックする機
    能を有する少なくとも一層の高抵抗の前記無機物層、前
    記少なくとも一層の有機発光層、電子を搬送するための
    導通パスを有し、ホールをブロックする機能を有する少
    なくとも一層の高抵抗の前記無機物層および前記電子注
    入電極を、この順に備えたことを特徴とする請求項37
    ないし59のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  63. 【請求項63】 前記ホール注入電極が透明で、かつ、
    前記陰極が電子注入電極によって構成され、前記基板上
    に、前記電子注入電極、前記少なくとも一層の有機発光
    層、ホールを搬送するための導通パスを有し、電子をブ
    ロックする機能を有する少なくとも一層の高抵抗の前記
    無機物層、前記ホール注入電極および前記カラーフィル
    ターを、この順に、備えたことを特徴とする請求項37
    ないし59のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  64. 【請求項64】 前記ホール注入電極が透明で、かつ、
    前記陰極が電子注入電極によって構成され、前記基板上
    に、前記電子注入電極、電子を搬送するための導通パス
    を有し、ホールをブロックする機能を有する少なくとも
    一層の高抵抗の前記無機物層、前記少なくとも一層の有
    機発光層、前記ホール注入電極および前記カラーフィル
    ターを、この順に、備えたことを特徴とする請求項37
    ないし59のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  65. 【請求項65】 前記ホール注入電極が透明で、かつ、
    前記陰極が電子注入電極によって構成され、前記基板上
    に、前記電子注入電極、電子を搬送するための導通パス
    を有し、ホールをブロックする機能を有する少なくとも
    一層の高抵抗の前記無機物層、前記少なくとも一層の有
    機発光層、ホールを搬送するための導通パスを有し、電
    子をブロックする機能を有する少なくとも一層の高抵抗
    の前記無機物層、前記ホール注入電極および前記カラー
    フィルターを、この順に備えたことを特徴とする請求項
    37ないし59のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  66. 【請求項66】 前記基板が透明基板によって形成され
    るとともに、前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記
    陰極が電子注入電極によって構成され、前記基板の一方
    の面に、前記カラーフィルターを備え、前記基板の他方
    の面に、前記ホール注入電極、ホールを搬送するための
    導通パスを有し、電子をブロックする機能を有する少な
    くとも一層の高抵抗の前記無機物層、前記少なくとも一
    層の有機発光層および前記電子注入電極を、この順に、
    備えたことを特徴とする請求項37ないし59のいずれ
    か1項に記載の有機EL素子。
  67. 【請求項67】 前記基板が透明基板によって形成され
    るとともに、前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記
    陰極が電子注入電極によって構成され、前記基板の一方
    の面に、前記カラーフィルターを備え、前記基板の他方
    の面に、前記ホール注入電極、前記少なくとも一層の有
    機発光層、電子を搬送するための導通パスを有し、ホー
    ルをブロックする機能を有する少なくとも一層の高抵抗
    の前記無機物層および前記電子注入電極を、この順に、
    備えたことを特徴とする請求項37ないし59のいずれ
    か1項に記載の有機EL素子。
  68. 【請求項68】 前記基板が透明基板によって形成され
    るとともに、前記ホール注入電極が透明で、かつ、前記
    陰極が電子注入電極によって構成され、前記基板の一方
    の面に、前記カラーフィルターを備え、前記基板の他方
    の面に、前記ホール注入電極、ホールを搬送するための
    導通パスを有し、電子をブロックする機能を有する少な
    くとも一層の高抵抗の前記無機物層、前記少なくとも一
    層の有機発光層、電子を搬送するための導通パスを有
    し、ホールをブロックする機能を有する少なくとも一層
    の高抵抗の前記無機物層および前記電子注入電極を、こ
    の順に備えたことを特徴とする請求項37ないし59の
    いずれか1項に記載の有機EL素子。
  69. 【請求項69】 さらに、前記カラーフィルターの表面
    に、パッシベーション層を備えたことを特徴とする請求
    項37ないし68のいずれか1項に記載の有機EL素
    子。
  70. 【請求項70】 さらに、前記カラーフィルターの前記
    ホール注入電極側に、前記少なくとも一層の有機発光層
    からの発光光を所定の波長の光に変換する蛍光変換層を
    備えたことを特徴とする請求項37ないし68のいずれ
    か1項に記載の有機EL素子。
  71. 【請求項71】 さらに、前記基板の一方の面に、前記
    少なくとも一層の有機発光層からの発光光を所定の波長
    の光に変換する蛍光変換層を備え、前記蛍光変換層が、
    前記カラーフィルターの前記基板側に配置されたことを
    特徴とする請求項66ないし68のいずれか1項に記載
    の有機EL素子。
  72. 【請求項72】 さらに、前記基板の他方の面に、前記
    少なくとも一層の有機発光層からの発光光を所定の波長
    の光に変換する蛍光変換層を備え、前記蛍光変換層が、
    前記電極と前記基板の間に配置されたことを特徴とする
    66ないし68のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  73. 【請求項73】 前記蛍光変換層が、蛍光物質を蒸着し
    て、形成されたことを特徴とする請求項70ないし72
    のいずれか1項に記載の有機EL素子。
  74. 【請求項74】 前記蛍光変換層が、2種類以上の蛍光
    物質を蒸着して、形成されたことを特徴とする請求項7
    3に記載の有機EL素子。
  75. 【請求項75】 前記蛍光変換層が、2種類以上の蛍光
    物質を共蒸着して、形成されたことを特徴とする請求項
    74に記載の有機EL素子。
  76. 【請求項76】 前記蛍光変換層が、蛍光物質を、それ
    ぞれ、蒸着して形成した2以上の蒸着層が積層されて形
    成されたことを特徴とする請求項74に記載の有機EL
    素子。
  77. 【請求項77】 前記各蒸着層が、2種類以上の蛍光物
    質を共蒸着して形成されたことを特徴とする請求項76
    に記載の有機EL素子。
  78. 【請求項78】 さらに、前記蛍光変換層および/また
    は前記カラーフィルターの表面に、パッシベーション層
    を備えたことを特徴とする請求項70ないし77のいず
    れか1項に記載の有機EL素子。
  79. 【請求項79】 前記パッシベーション層が、ケイ素化
    合物によって形成されたことを特徴とする請求項69ま
    たは78に記載の有機EL素子。
  80. 【請求項80】 前記パッシベーション層が、酸化ケイ
    素および/または窒化ケイ素を含んだことを特徴とする
    請求項79に記載の有機EL素子。
  81. 【請求項81】 前記少なくとも一層の有機発光層が二
    層の有機発光層によって構成されたことを特徴とする請
    求項37ないし80のいずれか1項に記載の有機EL素
    子。
  82. 【請求項82】 前記少なくとも一層の有機発光層が蒸
    着によって形成されたことを特徴とする請求項37ない
    し81のいずれか1項に記載の有機EL素子。
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