JP2002286588A - エンジンの始動試験装置 - Google Patents

エンジンの始動試験装置

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JP2002286588A
JP2002286588A JP2001087202A JP2001087202A JP2002286588A JP 2002286588 A JP2002286588 A JP 2002286588A JP 2001087202 A JP2001087202 A JP 2001087202A JP 2001087202 A JP2001087202 A JP 2001087202A JP 2002286588 A JP2002286588 A JP 2002286588A
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喜正 澤田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンとダイナモメータを直結してエンジ
ンの始動試験を行うとき、スタータの動作特性の変化が
エンジン評価に悪影響を与えている。 【解決手段】 ダイナモメータを制御するコントローラ
に予めスタータ特性を模擬したスタータモデル部を設
け、始動完了回転数までこのスタータモデル部の出力信
号によって始動するように構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの始動試
験装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エンジンを評価するための装置として
は、エンジンとダイナモメータを連結して構成したエン
ジンベンチシステムがしられている。この装置は図5で
示すようにエンジンE/GとダイナモメータDYとをト
ルクメータTMを介して回転軸で連結し、エンジン側は
スロットルアクチェータACTによりスロットル開度が
制御されるように構成されている。なお、PPは回転速
度検出器である。また、エンジンとトランスミッション
を組み合わせ(ATあるいはMT、MTの場合にはクラ
ッチ付)、回転軸を介してダイナモメータと連結して構
成する場合もある。この場合、エンジン側はスロットル
アクチェータACTによりスロットル開度が制御され、
ダイナモメータ側には速度検出器とトルク検出器(ロー
ドセル)を設け、これら各信号の検出信号をもとに速
度、トルクの制御を実施しながらエンジンの耐久性や燃
費、排ガス計測等の性能試験およびECU(Electronic
Control Unit)適合試験が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】エンジンを始動する
と、過渡的には不完全燃焼となって燃費効率も悪くな
る。このため、エンジン評価においては始動性能を評価
することが行われている。エンジン始動時には、実際の
車両と同じスタータを使用して試験が行われるが、その
スタータは、温度、湿度など試験の環境条件により動作
性能が変化してデータの再現性がないため真のエンジン
始動時の評価が困難となっている。その他、スロットル
開度を0%とし、ダイナモメータによる速度制御によっ
てアイドリング相当回転数にまで増速させる所謂ダイナ
モメータによる押しがけ方法が行われている。しかし、
その場合にはダイナモメータはスタータに比べて慣性が
大きく、スタータと同等の挙動および特性を出すことが
できなかった。すなわち、ダイナモメータの慣性が大き
く、且つ、システムの機械共振点が低いことによりスタ
ータのトルク周波数応答が再現できない等の問題を有し
ている。
【0004】本発明が目的とするところは、エンジン始
動時の試験が環境条件に影響されないエンジンの始動試
験装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、エンジ
ンにダイナモメータを連結し、コントローラ及びインバ
ータを介してエンジン特性を試験するものにおいて、前
記コントローラにバーチャルモデル部を設け、このバー
チャルモデル部にエンジンの回転数信号を導入し、回転
数信号に対応したスタータ特性信号を前記インバータに
出力するよう構成したことを特徴としたものである。
【0006】本発明の第2は、前記バーチャルモデル部
は、スタータトルク特性を予め設定されたスタータモデ
ル部と、エンジン回転数が所定値となったときにスター
タモデル部よりの信号に代えて軸トルク指令を発生する
バーチャル車両モデル部とを有することを特徴としたも
のである。
【0007】本発明の第3は、前記コントローラに軸ト
ルク制御部を設け、この制御部にバーチャルモデル部よ
りの出力信号を導入して機械共振抑制のための制御を実
行し、前記インバータを介してダイナモメータを制御す
るよう構成したことを特徴としたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施形態を示す
制御ブロック図である。1はエンジン、2はトルクメー
タで、エンジン1の軸トルクを検出してコントローラ1
0に出力する。3はダイナモメータで、このダイナモメ
ータはエンジン1と回転軸4およびトルクメータ2を介
して直結されている。ダイナモメータ3は、低慣性化の
ためにPMモータを使用してその冷却を水冷としたり、
回転子の径を極力小さくしている。また、回転軸をカー
ボンファイバーとしたり、トルクメータ2をカップリン
グ形とする等の手段を採ることによって試験装置全体の
低慣性化が図られている。5はエンジンの速度を検出す
る速度検出器で、検出された速度信号はコントローラ1
0に出力される。コントローラ10は、バーチャルモデ
ル部11と軸トルク制御部17を備えている。6はイン
バータである。
【0009】図2は、コントローラ10のブロック図と
システムの制御系を示したものである。12はスタータ
モデル部で、このスタータモデル部には図3で示すよう
な試験に使用されるスタータのトルク特性,すなわち、
エンジン回転数に対するスタータのトルク特性が記憶さ
れている。なお、このトルク特性を温度等の環境条件に
対応して可変したい場合には、そのトルク特性も環境条
件に対応する特性としてもよいことは勿論である。13
はバーチャル車両モデル部で、被試験車両の諸元や、各
定数などをもとに車両モデルが作成されている。14は
伝達比調節部で、実機スタータに連結されているギヤ比
に相当する値に調節している。15は比較部で、エンジ
ン回転が始動完了回転数となったことを検出して切換部
16に対して切換信号を出力するもので、これら12〜
16によってバーチャルモデル部11が構成されてい
る。17は軸トルク制御部である。
【0010】以上のように構成されたものにおいてその
動作を説明する。被試験体であるエンジン1は、燃料、
空気、温度およびスロットル開度等の試験環境の条件下
におかれてダイナモメータ3による始動が開始される。
エンジン慣性部20の出力は、エンジントルクTegと
軸剛性部21よりの軸トルクとの偏差に相当する回転数
信号Negとなってバーチャルモデル11に入力され
る。バーチャルモデル11の切換部16は、始動時には
伝達比調節部14側に接続されている。したがって、ス
タータモデル12から図3で示すようなエンジン回転数
に対応したスタータのトルク信号が、伝達比調節部1
4,切換部16を介して軸トルク制御部17に印加され
る。
【0011】軸トルク制御部17には、トルクメータ2
によって検出された軸トルクの検出信号も入力されてお
り、入力された両信号をもとに軸トルク制御部17は機
械共振抑制のための制御も行いつつインバータ6に電流
指令信号を出力する。エンジンベンチシステムは、アイ
ドリング回転から約8000rpmくらいまでが運転回
転数範囲となっているが、この運転回転数範囲に共振点
があると、その共振によってシステムの機械損失を招く
惧れを有している。軸トルク制御部17は、その共振を
抑制するための制御を行いながら、トルク制御信号を出
力する。
【0012】インバータ6は、軸トルク制御部よりのト
ルク指令値に基づきダイナモメータ3にたいして制御信
号を出力するが、このダイナモメータ3はダイナモ慣性
部22においてこの信号と軸剛性部21より軸トルクと
の誤差信号に相当する信号によって制御される。また、
ダイナモメータの回転数信号は軸剛性部21にフィード
バックされる。
【0013】図4はエンジン始動時における回転波形例
を示したものである。回転数Nをアイドリング時の回転
数N2とすると、時刻t1より回転が始まってアイドリ
ング回転数N2にむかって増速されるが、その途中の始
動完了回転数N1に達すると比較部15はこれを検出
し、切換部16をバーチャル車両モデル部13側に切換
える。これによってスタータモデル12は制御系より切
り離され、以後はバーチャル車両モデル部13から車両
軸トルク指令として軸トルク制御部17に印加され、制
御部17はこの信号に応じた出力をインバータ6に与え
る。
【0014】
【発明の効果】以上のとおり本発明によれば、スタータ
のトルク特性を模擬したスタータモデル部を設け、エン
ジンの始動完了回転数に達するまでこのモデル部よりの
トルク信号にて始動するようにしたものである。したが
って、試験時におけるスタータ特性は、例えば温度等の
環境条件に影響されることなく同一特性を出力すること
ができるから、エンジンはスタータの特性変動に影響さ
れることなく試験ができ、真のエンジン評価を得ること
かできる。また、低慣性のダイナモメータを使用し、且
つ、軸トルク制御部において制振制御を行うことによっ
て、システムの機械系との共振を避けながらスタータの
トルク周波数の再現を行う事ができる等の効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す制御ブロック図。
【図2】本発明の実施形態を示すコントローラ部の構成
図。
【図3】スタータモデルのトルク特性図。
【図4】エンジン始動時の回転波形図。
【図5】従来の試験装置の概略図。
【符号の説明】
1…エンジン 2…トルクメータ 3…ダイナモメータ 4…回転軸 5…速度検出器 6…インバータ 10…コントローラ 118…バーチャルモデル部 12…スタータモデル部 13…バーチャル車両モデル部 14…伝達比調節部 15…比較部 16…切換部 17…軸トルク制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 実 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会 社明電舎内 Fターム(参考) 2G087 BB33 CC01 CC06 DD01 DD09 EE30

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンにダイナモメータを連結し、コ
    ントローラ及びインバータを介してエンジン特性を試験
    するものにおいて、前記コントローラにバーチャルモデ
    ル部を設け、このバーチャルモデル部にエンジンの回転
    数信号を導入し、回転数信号に対応したスタータ特性を
    前記インバータに出力するよう構成したことを特徴とし
    たエンジンの始動試験装置。
  2. 【請求項2】 前記バーチャルモデル部は、スタータト
    ルク特性を予め設定したスタータモデル部と、エンジン
    回転数が所定値となったときにスタータモデル部の信号
    に代えて軸トルク指令を発生するバーチャル車両モデル
    部とを有することを特徴とした請求項1記載のエンジン
    の始動試験装置。
  3. 【請求項3】 前記コントローラに軸トルク制御部を設
    け、この制御部にバーチャルモデル部よりの出力信号を
    導入して機械共振抑制のための制御を実行し、前記イン
    バータを介してダイナモメータを制御するよう構成した
    ことを特徴とした請求項1又は2記載のエンジンの始動
    試験装置。
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