JP2002285823A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2002285823A
JP2002285823A JP2001090965A JP2001090965A JP2002285823A JP 2002285823 A JP2002285823 A JP 2002285823A JP 2001090965 A JP2001090965 A JP 2001090965A JP 2001090965 A JP2001090965 A JP 2001090965A JP 2002285823 A JP2002285823 A JP 2002285823A
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】内燃機関(ディーゼルエンジン)の排気浄化性
能を向上する。 【解決手段】パラレルハイブリッド車両に搭載されるデ
ィーゼルエンジンの運転が要求される領域で、該エンジ
ンの運転点が、排気通路中に配置したDPF(ディーゼ
ルパティキュレートフィルタ)で捕集したPMを、該D
PF上流に配置した酸化触媒の酸化によって生成される
NO2を用いた連続燃焼で浄化することにより自己再生
することが可能な領域IIに設定されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関、特にデ
ィーゼルエンジンの排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、燃費の向上、CO2(二酸化炭
素)の排出量の削減といった観点から、理論空燃比より
高い空燃比でも運転するいわゆるリーンバーンエンジン
が注目されている。この種のエンジンの希薄燃焼時の排
気は、理論空燃比近傍で運転される従来のエンジンの排
気に比較して、酸素含有率が高く、三元触媒では、NO
xの浄化が不十分となる。そこで、リーンバーンエンジ
ンにおける希薄燃焼時の排気中のNOxを高効率で除去
できる新たな触媒が望まれていた。
【0003】その一つとして、特許第2600492号
公報では、流入する排気の空燃比がリーンであるときに
NOxを吸収し、流入する排気の酸素濃度を低下させる
とNOxを放出するNOx吸収材を使った装置が提案さ
れている。一方、触媒ではNOxは除去できても、パテ
ィキュレート(Particulate Matter、以下PMとい
う)は除去できないので、PMを放出する内燃機関、例
えばディーゼルエンジンにおいては、従来よりこのPM
を低減するための様々な排気後処理技術が提案されてい
る。
【0004】しかしながら、PM成分の中のドライスー
トについてはカーボンが主成分であり、カーボンが安定
した物質であるため、通常は約600℃以上の比較的高
温度でなければ焼却処理できず、PM成分中の炭化水素
(Soluble Organic Fraction、以下SOFという)成
分のように、酸化触媒等で比較的低温度で除去(約20
0°C以上で酸化処理)することが困難である。
【0005】このため、排気中のPMを捕集するディー
ゼルパーティキュレートフィルター(Diesel Particul
ate Filter、以下DPFという)を設け、さらにこの
DPFの上流に酸化触媒を配置し、この酸化触媒で排気
中のNO(一酸化窒素)を酸化させてNO2(二酸化窒
素)を生成させ、DPFに捕集されているPMを、この
生成された高酸化力のあるNO2によって燃焼させて除
去することにより、DPFを再生するようにしたPM連
続再燃焼フィルター(Continuously Regenerating Fi
lter、以下CRFという)がある(特開平1−3187
15号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のCR
FのPM除去の反応原理は、「NO2+C→NO+C
O、2NO2+C→2NO+CO2および2NO2+2C
→N2+2CO2」であり、エンジンからのPM発生量に
見合ったNO2量が存在すれば、酸化触媒が比較的低温
度であってもDPFに捕集されたPMが連続的に除去さ
れ(再燃焼量が捕集量を上回る)、DPFにPMが堆積
しないため、DPFを再生させるための特別な加熱装置
等を設ける必要がない。この点は、本出願人の研究にお
いて確認している。
【0007】しかしながら、酸化触媒によるNOからN
2への変換は触媒温度に依存しており、NOからNO2
への変換は触媒入口の排気温度で約150°Cあたりか
ら始まる。また、上記の「NO2+C→NO+CO、2
NO2+C→2NO+CO2および2NO2+2C→N2
2CO2」の反応も、やはり温度に依存しているため、
温度が高い方がNO2によるPMの再燃焼除去が促進さ
れることにはなる。
【0008】一方、酸化触媒によるNOからNO2への
転換は、酸素濃度が極端に減少しない限り温度の高いほ
ど活発に行われるのではあるが、排気温度が高くなるほ
どNO2の状態を維持することが困難になり、生成され
たNO2が再度NOに戻る現象が発生する。すなわち、
排気温度により定まる理論平衡転換率以上にはNOから
NO2に転換することができなくなる。このため、図7
に示すように、実際の排気中における酸化触媒入口から
出口でのNOからNO2への転換は、酸化触媒が活性化
し始める約150°Cから始まって約350°C付近で
ピークに達し、その後温度が上昇するのに伴って低下し
ていく。すなわち、ディーゼル排気中のO2濃度は、一
般的には最低でも4〜6%程度は残存しているため、実
際の排気中でのNOからNO2への転換に対してO2が不
足することがなく、NO2への転換は殆ど排気温度によ
って律則されていると言える。
【0009】この結果、実用上は酸化触媒によってNO
からNO2への転換が活発に行われる約250〜450
℃の排気(触媒)温度範囲でないと、DPFに捕集され
たPMがNO2によって再燃焼して連続的に除去される
状況にはならない。また、PM成分中のカーボンは、前
述したように約600℃以上の温度であればNO2の高
酸化力に頼らずともO2によって再燃焼除去できるの
で、従来のCRFにあっては、約250〜450°Cの
温度範囲と約600°C以上の温度範囲でDPFに捕集
されたPMが連続的に除去され、DPFが再生される。
【0010】逆に、約250°C以下の温度範囲、およ
び約450〜600°Cの温度範囲では、NO2の高酸
化力にも、高温度(O2による酸化)にも期待できな
い。DPFにおけるPMの連続再燃焼を促進する他の方
法としては、DPF表面にも酸化触媒を担持してO2
よる酸化反応を促進させることが従来から一般的に行わ
れており、この技術をCRFと組み合わせて用いれば、
約250°C以上では、NO2とO2とによる酸化反応を
利用してPMを連続再燃焼することが可能である。
【0011】ところで近年のディーゼルエンジンは、電
子制御によるEGRや燃料噴射の制御技術、過給機の装
着、あるいはコモンレール高圧噴射装置等の技術が採用
されており、排気の清浄化や燃費の向上が格段に進んで
いるため燃焼効率の向上に伴ってその排気温度特性は低
下傾向である。このためCRF(触媒担持のDPFを組
み合わせてもよい)を近年のディーゼルエンジンに適用
すると、図8に示すようなIからIIIの領域にエンジン
の運転領域が区分されることになる。
【0012】
【領域I】運転頻度の高い常用運転領域であって通常は
250°C以下の低排温で運転される。近年のディーゼ
ルエンジンであっても、この領域ではEGRによってN
Oxが低減されているのでNOx/PM比が低い。した
がってCRF、あるいはCRFと触媒担持のDPFを併
用したとしてもDPFの自己再生効果は得られない。
【0013】
【領域II】スモークを排出させずに出力特性を向上させ
ることに重点が置かれている領域であって、近年のディ
ーゼルエンジンでは過給機が装着されたり、4弁化技術
等の採用によって空気充填率が高められている。また、
EGRは少なく、かつ高負荷では停止される。したがっ
てNOx/PM比が大きく、そして当然ながら領域Iに
比べて排気温度も高いため、CRF等によるPM連続再
燃焼量がPM捕集量を上回ってDPFの自己再生現象が
発現する。
【0014】
【領域III】発進加速性能を向上するためにトルクを高
めることに重点が置かれている領域であって、スモーク
が目視できないレベル以下の範囲で許容される最大の燃
料をエンジンに供給している。一般的に低回転では空気
充填効率が比較的低く、過給機の効率も比較的低い。領
域IIと同様に高負荷ではEGRが停止され、排気温度は
比較的高めではある。しかし前述したような相乗的な影
響でPM排出量が比較的多いためNOx/PM比が小さ
い。このため領域Iと同様にCRF、あるいはCRFと
触媒担持のDPFを併用したとしてもPM捕集量が連続
再燃焼量を上回るのでDPFの自己再生は得られない。
【0015】このように、通常のディーゼルエンジンは
領域IやIIIのようにCRF等の後処理技術を適用して
も実用上はPM連続再燃焼効果が得られず、PM連続再
燃焼量がPM捕集量を上回ってDPFの自己再生に至る
運転領域が限られている。このため、徐々にDPFにP
Mが堆積していくことになって、背圧上昇によりエンジ
ン動力性能が悪くなり、またPMの燃焼条件に合致した
ときにPMの堆積量が多いと、PMの再燃焼による発熱
が過大となってDPFが焼損するという従来からの問題
点が対策されないまま残ることになる。
【0016】また、特開平6−48222号公報では、
排気通路にDPFを備えたディーゼルエンジンと電動機
からなる自動車用ハイブリッド駆動装置において、ディ
ーゼルエンジンを運転して得られる出力を車両の駆動と
電動機による発電に分割し、かつ、ディーゼルエンジン
の運転点をDPFの自己再生が可能である排気温度が得
られる運転条件に設定することを提案している。
【0017】ここで、再度、自己再生について説明して
おくと、自己再生とはDPFに流通する排気の温度が、
PMの燃焼に適した温度条件以上であるときに、DPF
に堆積したPMが酸化燃焼(再燃焼)し、再燃焼量が捕
集量を上回るためDPF上のPMが除去されることであ
って、一般的にDPFに酸化触媒が担持されていない場
合には600°C以上、白金主体の酸化触媒が担持され
ている場合には約450°C以上の排気温度(DPF温
度)でなければ自己再生は発現しない。
【0018】ちなみに特開平6−48222号公報のD
PFは触媒担持であるとの記述はなく、この場合には少
なくとも600°C以上の高温度が必要である。このた
め、特開平6−48222号公報の装置にあっては、こ
の自己再生の運転条件設定が可能であるのはバッテリー
容量に余裕があって充電が可能な場合に限られており、
バッテリーが完全に充電され、従って電流の発生が必要
でないと、電動機によってディーゼルエンジンの出力は
吸収されない。
【0019】このため、電動機による運転(単独あるい
はディーゼルエンジンとの併用)がある程度継続して行
われて電力が消費され、バッテリーの充電が可能になら
ない限り、ディーゼルエンジンが単独あるいは電動機と
の併用で運転される場合には、ディーゼルエンジンは車
両駆動に必要な出力のみを発生することになるので、要
求出力が小さい場合にはDPFが自己再生できるような
高い排気温度(600°C以上)には至らないことにな
る。
【0020】この結果、特開平6−48222号公報で
提案されている装置であっても、DPFが自己再生でき
る運転条件が連続して設定できず、DPFへのPMの堆
積・再燃焼(DPFの自己再生)が交互に不定周期で繰
り返されることになる。このため、DPFにPMが堆積
する運転条件が長くなるような場合には、背圧上昇によ
りエンジン動力性能が悪くなり、PMの燃焼条件に合致
したときにPMの堆積量が多いと、PMの再燃焼による
発熱が過大となってDPFが焼損するという従来からの
問題点を払拭することができない。
【0021】ここで仮に、上記の特開平6−48222
号公報で提案されている装置のDPF表面に酸化触媒を
担持し、このDPFの上流にも流入する排気中のNOを
NO 2に酸化する酸化触媒を配置すれば、上述のように
排気温度が250°Cから自己再生可能となる。これに
より、エンジン出力が低いところでも自己再生が可能に
なる。
【0022】しかしながら、特開平6−48222号公
報の装置は、自己再生が可能な条件を得るために排気温
度しか考慮しないため、エンジンの運転領域が上述の領
域IIIになるような場合には、すなわち、排気温度が2
50°C以上であってもNOx/PM比が小さい(PM
排出量が多い)領域では、PM捕集量がPM連続再燃焼
量を上回るためDPFの自己再生を得ることができな
い。
【0023】また、実用上はディーゼルエンジンの排気
温度は比較的低い温度であることが多いので、上述のC
RFにおいても上記2NO2+2C→N2+2CO2の反
応はほとんど発生せず、大部分の反応はNO2+C→N
O+CO,2NO2+C→2NO+CO2である。つまり
CRFではDPF上の煤を処理するためにはPMの排出
量(DPFにおけるPM捕集量)に見合ったNO2が必
要であるが、PMをNO2で処理するとNOが排気とと
もに大気中に放出されてしまうというもう一つの厄介な
問題がある。
【0024】このため特開平9−53442号公報で
は、流入する排気の空燃比がリーンであるときにNOx
を吸収し、流入する排気の酸素濃度を低下させるとNO
xを放出・還元する従来のNOxトラップ触媒(特許第
2600492号公報と同様)をCRFの下流に配置し
た装置が提案されている。この装置では、従来のNOx
トラップ触媒に吸収されたNOxを放出させてNOx吸
収能力を回復させる(NOxトラップ触媒の再生操作と
呼ぶ)ため、排気空燃比を短時間理論空燃比よりリッチ
側にする。この従来のNOxトラップ触媒の再生操作
は、ディーゼルエンジンの通常の燃料噴射に加えて、定
期的に排気行程に燃料噴射(ポスト噴射)を行い、燃料
の未燃成分を排気通路に排出することで実現している。
つまり排気通路に排出された燃料の未燃成分は酸化触媒
で酸化され、排気中の酸素がほとんど消費されてディー
ゼルエンジンを理論混合比で運転した場合と同程度まで
酸素濃度が減少して酸化触媒出口温度が上昇する。ま
た、排気空燃比がリッチであるため多くの未燃成分、す
なわちHC,COが酸化されないで従来のNOxトラッ
プ触媒に流入し、排気温度も上昇しているので、従来の
NOxトラップ触媒からNOxを放出させ、還元成分で
あるHC,COによってNOxが還元浄化される。
【0025】しかしながらこの装置であっても、NOx
トラップ触媒からNOxを放出して還元浄化すべきとき
には、酸化触媒に流入する排気空燃比がリッチ状態であ
って、かつ排気温度が酸化反応が促進される温度(例え
ば約250°C)以上でなければ上述した反応が起こら
ないため、常用運転領域が250°C以下で運転される
頻度が高いディーゼルエンジンへ適用しても有効な効果
を期待できない。
【0026】本発明は、上記の問題点を解決し、内燃機
関、特にディーゼルエンジン搭載の車両で、CRF機能
(PMを高酸化力のあるNO2によって燃焼させて除去
する機能)によってDPFに捕集されたPMを処理する
とともに、常に酸素過剰な状態においてもNOxを効率
よく吸収−放出・還元浄化させることができて、かつ燃
費の大きな犠牲を伴わない総合的排気浄化システムを実
現することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に係
る発明は、内燃機関の排気通路に、流入する排気中のパ
ティキュレート(PM)を捕集するパティキュレートフ
ィルタと、前記パティキュレートフィルタの上流側に配
置されて流入する排気中の一酸化窒素(NO)を二酸化
窒素(NO2)に酸化する酸化触媒と、を備え、前記パ
ティキュレートフィルタが捕集したPMを前記NO 2
反応させて浄化する内燃機関の排気浄化装置において、
内燃機関の運転点を、前記パティキュレートフィルタで
前記NO2と反応するPMの量を該パティキュレートフ
ィルタが捕集するPMの量より大きくして、該パティキ
ュレートフィルタの自己再生を可能とする運転領域に設
定する運転点設定手段を備えることを特徴とする。
【0028】請求項1の発明によれば、パティキュレー
トフィルタの上流に酸化触媒を設けてNO2を酸化生成
しつつ、該NO2とパティキュレートフィルタに捕集し
たPMとが反応してPMを燃焼除去する量が、フィルタ
に捕集するPMの量より大きくして、フィルタの自己再
生が可能となるように内燃機関の運転点を設定する構成
としたので、該運転点の設定を、排気温度を過度に高め
るような高出力運転とする必要が無く、ある程度以上の
排気温度条件で無理なく継続的に行うことができ、パテ
ィキュレートフィルタの連続的な自己再生が可能とな
る。
【0029】これにより、パティキュレートフィルタへ
のPMの堆積を抑制でき、PM堆積に伴う背圧上昇によ
りエンジン動力性能が悪化したり、PMの燃焼条件に合
致したときにPMの堆積量が多いことにより、PMの再
燃焼による発熱が過大となってパティキュレートフィル
タが焼損するという従来の問題点を解消できる。また、
請求項2に係る発明は、前記運転点設定手段は、機関の
運転点を、排気中のNOx/PM比を所定値以上にする
運転領域に設定することを特徴とする。
【0030】請求項2に係る発明によると、排気中のN
Ox/PM比が所定値以上であることにより、パティキ
ュレートフィルタに捕集されるPM量に対してNOx
(NO2)と酸化反応して燃焼除去されるPM量を大き
くすることができ、パティキュレートフィルタの自己再
生が可能となる。
【0031】また、請求項3に係る発明は、予混合燃焼
を主燃焼とする燃焼状態に制御可能な燃焼制御手段を備
え、前記運転点設定手段は、運転条件に応じて機関の運
転点を、予混合燃焼を主燃焼とする燃焼状態を可能とす
る運転領域と、前記自己再生を可能とする運転領域との
いずれかに設定することを特徴とする。
【0032】請求項3の発明によれば、内燃機関の運転
点を、始動から前記自己再生が可能な運転領域に至る間
や、必要に応じた低負荷運転など、自己再生が不可能な
低排温条件でも、予混合燃焼を主燃焼とする燃焼状態を
可能とする運転領域に設定することにより、PM排出量
とNOx排出量とを十分に低減できるので、自己再生領
域の設定と合わせて、パティキュレートフィルタにPM
を堆積させずに、NOxとPMを同時に低減することが
できる。
【0033】また、請求項4に係る発明は、前記運転点
設定手段が、電動機と内燃機関と車両走行用にそれぞれ
独立に運転可能で、かつ、併用して運転も可能であるパ
ラレルハイブリッド方式の車両における内燃機関の出力
制御手段であることを特徴とする。請求項4の発明によ
れば、前記運転点設定手段を前記パラレルハイブリッド
方式の車両における内燃機関の出力制御手段としたの
で、運転点を任意にかつ広範に変更できる。
【0034】また、請求項5に係る発明は、前記運転点
設定手段が、車両走行用として電動機のみが運転され、
内燃機関が該電動機を発電機として駆動させるため運転
されるシリーズハイブリッド方式の車両における内燃機
関の出力制御手段であることを特徴とする。請求項5の
発明によれば、前記運転点設定手段を前記シリーズハイ
ブリッド方式の車両における内燃機関の出力制御手段と
したので、燃費が良好で排気清浄化が簡素に行える。
【0035】また、請求項6に係る発明は、前記運転点
設定手段が、無段変速機付き車両における内燃機関の出
力制御手段であることを特徴とする。請求項6の発明に
よれば、前記運転点設定手段を無段変速機付き車両にお
ける内燃機関の出力制御手段としたので、パラレルハイ
ブリッド方式の車両と同様に排気清浄化が行える。
【0036】また、請求項7に係る発明は、前記運転点
設定手段が、排気温度(酸化触媒の温度)が低いとき
に、前記予混合燃焼を主燃焼とする燃焼状態を可能とす
る運転領域と、前記パティキュレートフィルタの自己再
生を可能とする運転領域の範囲内において、機関回転速
度を増加させることを特徴とする。
【0037】請求項7の発明によれば、前記運転点設定
手段が、排気温度(酸化触媒の温度)が低いときに、低
温予混合燃焼領域とパティキュレートフィルタ自己再生
を可能とする運転領域の範囲内において、エンジン回転
速度を増加させるようにしたので、触媒の反応を促進す
ることができる。また、請求項8に係る発明は、前記運
転点は、運転者のアクセルペダルの踏み込み量に基づい
て設定されることを特徴とする。
【0038】請求項8の発明によれば、前記運転点を運
転者のアクセルペダルの踏み込み量に基づいて設定する
ようにしたので、車両の走行中や停止の状態に応じた排
気清浄化制御が行えるため、運転者に静粛性等の性能面
で違和感を与えることがない。また、請求項9に係る発
明は、前記設定された運転点の中で、前記パティキュレ
ートフィルタの自己再生を可能とする運転領域に設定さ
れた運転点には、内燃機関の最高効率点となる運転点が
含まれることを特徴とする。
【0039】請求項9の発明によれば、前記設定された
運転点の中でパティキュレートフィルタの自己再生が可
能な運転領域に設定された運転点には、内燃機関の最高
効率点を含めるようにしたので、排気清浄化と同時に燃
費を向上させることができる。また、請求項10に係る
発明は、前記パティキュレートフィルタは、PMが捕集
されるフィルタ表面に酸化触媒を担持することを特徴と
する。
【0040】請求項10に係る発明によると、パティキ
ュレートフィルタに酸化触媒を一体化できるため、装置
のコンパクト化を図れる。また、請求項11に係る発明
は、前記パティキュレートフィルタの下流側の排気通路
に配置され、排気の空燃比がリーンのとき、流入する排
気中のNOxを吸収し、排気の空燃比がリッチのとき、
吸収したNOxを放出・浄化するNOxトラップ触媒
と、前記NOxトラップ触媒の再生時期に、排気の空燃
比を所定時間リッチにする空燃比制御手段と、を備える
ことを特徴とする。
【0041】請求項11の発明によれば、NOxトラッ
プ触媒により、排気中のNOxを吸収しつつ、空燃比制
御手段により、排気空燃比を、内燃機関の運転点に適し
た方法で所定期間リッチ化するようにしたので、燃費悪
化への影響を最小限にしながら、パティキュレートフィ
ルタの再生に要求されるNOxを効率的に浄化すること
ができる。
【0042】また、請求項12に係る発明は、前記空燃
比制御手段は、膨張行程若しくは排気行程における燃料
のポスト噴射、吸気絞り強化、EGR強化のうち、少な
くとも1つにより、排気の空燃比をリッチ化することを
特徴とする。請求項12の発明によれば、排気空燃比の
リッチ化を、燃料のポスト噴射か、吸気絞り強化か、E
GR強化のうちから少なくとも1つの方法を選択して行
うようにしたので、特別な装置を設ける必要がない。
【0043】また、請求項13に係る発明は、前記空燃
比制御手段は、機関の運転点が前記パティキュレートフ
ィルタの自己再生を可能とする運転領域に設定されると
き、前記ポスト噴射を行い、前記予混合燃焼を主とする
燃焼状態を可能とする運転領域に設定されるとき、前記
吸気絞り強化およびEGR強化のうち、少なくとも1つ
を行うことを特徴とする。
【0044】請求項13に係る発明によると、パティキ
ュレートフィルタの自己再生運転領域のときだけ、空燃
比を直接的にリッチ化する燃料のポスト噴射を行って、
効率的にリッチ化する一方、低温予混合燃焼運転領域で
は、ポスト噴射は主噴射量に対してポスト噴射量を数倍
程度要求されるので、吸気絞り強化およびEGR強化を
選択することにより、燃費の悪化を防止しつつ排気空燃
比をリッチ化する。
【0045】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施形態
における排気浄化装置のシステム構成図であり、ハイブ
リッド車両システム、特に電動機と内燃機関とを、車両
走行用にそれぞれ独立に運転可能で、かつ、併用して運
転も可能であるように配置したパラレルハイブリッド方
式の車両(Parallel Hybrid Erectric Vehicle、以
下P−HEVという)に内燃機関としてディーゼルエン
ジンを適用したものの実施形態である。
【0046】図1において、ハイブリッド車両はディー
ゼルエンジン1の出力と、バッテリー50からの電力供
給を受けるモーター(ジェネレーターとしても機能す
る)53の出力との、2種の動力源で走行する。ディー
ゼルエンジン1の出力は発電用としてジェネレーター
(モータとしても機能する)51へ伝えられ、また車両
走行用として動力伝達機構(例えば電磁クラッチ付きの
CVT)52からディファレンシャルギヤ54を介して
駆動輪55a,55bに伝えられる。
【0047】ディーゼルエンジン1の出力の発電用と車
両走行用の出力配分は、ハイブリッド用コントロールユ
ニット40が制御する。また、ハイブリッド用コントロ
ールユニット40は、バッテリー50からモーター53
への電力の供給と、逆に減速時のモーター53からバッ
テリー50への回生電力の回収も制御する。ハイブリッ
ド用コントロールユニット40には、車両走行(停止を
含む)情報をモニターするために、アクセルセンサ41
の信号(L:アクセルペダルの踏み込み量に比例した出
力信号)、スタートキー42の信号(STA:Acc位
置とON位置に対応した信号で通常の車両と違いSta
rt位置がない)、シフトレバーポジションセンサ43
の信号(SFT)、ブレーキ作動スイッチ44の信号
(BR)、車速センサ45の信号(Vcar)、バッテ
リー残容量センサ46の信号(Bcap)等が入力さ
れ、エンジン1の始動と出力分担の要否を判定し、エン
ジン用コントロールユニット30に始動指令、および出
力分担指令を発する。
【0048】そしてエンジン用コントロールユニット3
0は、ハイブリッド用コントロールユニット40の指令
に従って、ディーゼルエンジン1の始動と停止、および
出力の制御を行う。このディーゼルエンジン1は、排気
通路3にエンジンの排気を浄化する排気浄化後処理装置
20を備える。排気浄化後処理装置20は上流から酸化
触媒21,DPF(ディーゼルパーティキュレートフィ
ルター)22、流入する排気の空燃比がリーンであると
きにNOxを吸収し、流入する排気の酸素濃度を低下さ
せるとNOxを放出するNOxトラップ触媒23が配置
されている。
【0049】酸化触媒21としては、例えば活性アルミ
ナをベースにPdやPt等の貴金属を担持したものや、
貴金属(特にPt)をイオン交換したゼオライト、また
はこれら両材料を組み合わせたものが利用できる。ま
た、DPF22は、従来より公知のウォールフローハニ
カムタイプのものや、筒の部分に多数の孔を設けた有底
円筒状の心部材にセラミックファイバーを幾層にも巻き
回したものが利用でき、前述のようにDPF表面に酸化
触媒を担持しても構わない。
【0050】酸化触媒21の入口部には、酸化触媒21
の入口部(排気浄化後処理装置20)の排気温度T1を
検出する排温センサ35が設けられ、DPF22の出口
部とNOxトラップ触媒23の入口部との間には、DP
F22の出口部もしくはNOxトラップ触媒23の入口
部の排気温度T2を検出する排温センサ36、および酸
素濃度センサ37が設けられる。
【0051】ステッピングモーターで駆動されるEGR
弁5は、過給機のタービン3a上流の排気通路から分岐
したEGR通路4を介して、吸気通路2の吸気管2dに
排気の一部を還流する。吸気通路2には上流からエアク
リーナ2a、過給機のコンプレッサ2b、インタークー
ラ2c、アクチュエータ(例えばステッピングモータ
ー)6によって開閉駆動される吸気絞り弁7、吸気管2
dから構成されている。24はエンジン始動補助用のグ
ロープラグであり、各気筒の燃焼室に臨んで設けられ
る。
【0052】燃料供給系は、ディーゼル用燃料(軽油)
タンク60、ディーゼル用燃料をエンジンの燃料噴射装
置10へ供給するための燃料供給通路16、エンジンの
燃料噴射装置10からのリターン燃料(スピル燃料)
を、ディーゼル用燃料タンク60に戻すための燃料戻り
通路19で構成される。ディーゼルエンジン1の燃料噴
射装置10は公知のコモンレール式の燃料噴射装置であ
って、サプライポンプ11、コモンレール(蓄圧室)1
4、気筒毎に設けられる燃料噴射弁15からなり、サプ
ライポンプ11により加圧された燃料は燃料供給通路1
2を介してコモンレール14にいったん蓄えられたあ
と、コモンレール14の高圧燃料が気筒数分の燃料噴射
弁15に分配される。
【0053】またコモンレール14の圧力を制御するた
め、サプライポンプ11からの吐出燃料の一部は、途中
に一方向弁18が設けられたオーバーフロー通路17を
介して燃料供給通路16に戻される。このためオーバー
フロー通路17の流路面積を変えるための圧力制御弁1
3が設けられ、この圧力制御弁13はコントロールユニ
ット30からのデューティ信号に応じてオーバーフロー
通路17の流路面積を変えることでコモンレール14へ
の燃料吐出量を調整することによりコモンレール14の
圧力を制御する。
【0054】燃料噴射弁15は、エンジン用コントロー
ルユニット30からのON−OFF信号によってエンジ
ン燃焼室への燃料供給通路を開閉する電子式の噴射弁で
あって、ON信号によって燃料を燃焼室に噴射し、OF
F信号によって噴射を停止する。そして、燃料噴射弁1
5へのON信号が長いほど燃料噴射量が多くなるが、後
述するようにコモンレール14の燃料圧力によっても燃
料噴射量は変化する。
【0055】エンジン用コントロールユニット30に
は、水温センサ31の信号(Tw)、クランク角センサ
32の信号(エンジン回転速度とクランク角度検出N
e)、気筒判別センサ33の信号(気筒判別信号Cy
l)、コモンレール圧力を検出する圧力センサ34の信
号(PCR)、酸化触媒21の入口部の排気温度を検出
する排温センサ35の信号(T1)、DPF22の出口
部もしくはNOxトラップ触媒23の入口部の排気温度
を検出する排温センサ36の信号(T2)、酸素濃度セ
ンサ37の信号(O2)、が入力される。
【0056】上記本発明の第1の実施形態にかかる排気
浄化装置は、ハイブリッド用コントロールユニット40
と、エンジン用コントロールユニット30と、によって
制御される。これを図10〜図16のフローチャートに
基づいて説明する。図10は、ハイブリッドシステムの
基本制御ルーチン、図11〜図16は、ハイブリッド用
コントロールユニット40からディーゼルエンジン1に
対して出力分担指令が発せられた場合に、エンジン用コ
ントロールユニット30によって行われるディーゼルエ
ンジン1の出力制御、および本発明の排気清浄化制御に
関するサブルーチンである。
【0057】図10のハイブリッドシステムの基本制御
ルーチンにおいて、ステップ100では、アクセルセン
サ41の信号(L)、スタートキー42の信号(ST
A)、シフトレバーポジションセンサ43の信号(SF
T)、ブレーキ作動スイッチ44の信号(BR)、車速
センサ45の信号(Vcar)、バッテリー残容量セン
サ46の信号(Bcap)を読み込み、ステップ200
に進む。
【0058】ステップ200では、図2に示すように運
転者のアクセルペダルの踏み込み量(L)に応じた車両
走行のための必要な駆動力(Prun:図2の中の、a
−b−c−d−e−fのライン)、つまり運転者がアク
セル操作によって求めている車両走行に必要な駆動力を
算出し、ステップ300に進む。なお基本的にはこの場
合のスタートキー42の信号STAはON位置であり、
シフトレバーポジションセンサ43の信号SFTはDr
ive位置である。
【0059】ステップ300では、算出された車両走行
のための必要な駆動力(Prun)や、ブレーキ作動状
態(BR)、車両速度(Vcar)、バッテリー残容量
(Bcap)に応じて運転モードが判定される。運転モ
ードは、大きくは以下に記述するパターンに分かれてお
り、エンジンの最大出力や燃料消費率特性、バッテリー
の容量やモーターの最大出力等を基準にして定められて
いる。 [モーター走行モード]図2の中でAの駆動力範囲は、
モーター53の駆動力だけで走行する(a−bのライ
ン)ことを基本としている。したがってバッテリー50
の残容量(Bcap)は常に所定値(安定してバッテリ
ーの定格電力を供給できるレベル)以上を保つ必要があ
る。この対策として、後述するようにエンジン走行中発
電によって充電する。 [車両停止時エンジン発電モード]モーター走行が長時
間継続される等によって、万一バッテリー50の残容量
(Bcap)が所定値以下になる場合には、バッテリー
50の過放電を防ぐため、静粛性を保つのに許容される
負荷と回転速度の条件(図2中のgポイント)で、車両
停止時にエンジン1を運転して発電し充電する。つま
り、エンジン出力は駆動輪に伝達されず、発電(充電)
用の動力として供される。 [エンジン走行モード]図2の中でA、B、Cの駆動力
範囲において、Aの駆動力範囲とCの駆動力範囲は、万
一バッテリー50の残容量(Bcap)が所定値以下に
なった場合には、バッテリー50の過放電を防ぐため
に、モーター53の動力は用いず(空運転させ)、エン
ジン1の動力のみで走行する(a−bライン、およびd
−eライン)。
【0060】ただし、Aの駆動力範囲において、aはア
イドリング条件であり、燃料消費削減のため、基本的に
はエンジン始動時を除いて車両停止時はエンジン1も停
止される。またBの駆動力範囲では、後述するようにエ
ンジン1の熱効率が良好であることと、バッテリー50
の残容量(Bcap)が所定値以上の場合にA、Bの駆
動力範囲とは逆に過充電を防ぐことのために、エンジン
1は走行用の動力のみを出力し、(b−c−dライン)
で走行する。 [エンジン出力分割モード]Bの駆動力範囲において、
バッテリー50の残容量(Bcap)が所定値以下の場
合に、エンジン1は車両走行と発電のために図2の中の
h−i−dラインで運転される。前述したようにb−c
−dラインが車両走行のために必要な駆動力ラインであ
って、h−i−dラインはb−c−dラインより大きな
駆動力を出力する。そして、h−i−dラインとb−c
−dラインとの差分がジェネレーター51の発電(充
電)用に供される。つまりエンジン1に、走行用動力に
発電(充電)用動力を加えた動力を出力させ、該エンジ
ン出力を走行用と発電(充電)用とに分割する。 [モーターアシストモード]Cの駆動力範囲において、
バッテリー50の残容量(Bcap)が所定値以上で安
定してバッテリー50の定格電力を供給できるレベルで
あれば、図2の中のd−eラインはモーター53とエン
ジン1の動力を併用して走行する。つまりエンジン1は
d−j−kラインで運転され、d−eラインとd−j−
kラインとの差分をモーター53の動力でアシストす
る。 [パワーアシストモード]Dの駆動力範囲は、基本的に
はモーターアシストモードである。ただし、エンジン1
の最大出力がeポイント(lポイント)であって、エン
ジン1はそれ以上の動力を供給できない。したがって、
エンジン1は図2の中e−lラインつまり最大出力一定
で運転され、eポイントから車両走行最大駆動力のfポ
イント(Prunmax.)までの差分をモーター53
がアシストする。このため、バッテリー50の残容量
(Bcap)が所定値以下の場合には、過放電を防ぐた
めにモーターアシストができないので車両走行最大駆動
力はe(=l)ポイントに限定される。 [減速回生モード]減速時にモーター53がジェネレー
ターとして働き、減速時の運動エネルギーを電力として
回収し、バッテリー50を充電する。
【0061】以上説明した中で、エンジン1の出力を車
両走行用の駆動力として供さないとき、つまりモーター
走行モード、車両停止時エンジン発電モード、および減
速回生モードでは動力伝達機構52(例えば電磁クラッ
チ付きCVTの電磁クラッチ)は切り離されている。こ
こで、前述の図8の運転領域I、II、IIIと、図2のA
〜Dの駆動力範囲、およびそのエンジン運転ポイント
a、b、c(=h)、d(=i=j)、e(=l)、
g、kとの関係、および本発明の排気浄化装置の狙いと
の関係について、図3を参照して説明する。
【0062】図8の運転領域Iは、運転頻度の高い常用
運転領域であって250°C以下の低排温で運転され、
この領域ではEGRによってNOxが低減されているの
でNOx/PM比も低い。したがってCRFのDPF自
己再生効果は得られない。この運転領域IにはAの駆動
力範囲の運転ポイントとしてa、b、gが対応するが、
バッテリー50の残容量(Bcap)が所定値以下にな
ることは少なく、通常は、a−bラインをモーター53
で走行され、車両停止時にgポイントで発電されること
もない。
【0063】しかし前述したように、万一低速走行が長
時間継続される等によってバッテリー50の残容量(B
cap)が所定値以下になる場合には、a−bラインを
エンジン1で運転され、かつ車両停止時にgポイントで
発電がなされる。この場合には徐々にDPF22にPM
が堆積していくことになるため、やはり、背圧上昇によ
るエンジン動力性能の悪化やDPF22の損傷を防ぐ安
全策を講じておく必要がある。
【0064】ところで、この運転領域Iは比較的低負荷
であって圧縮端温度(圧縮上死点時の燃焼室内温度)が
低いので、本出願人が先願(特開平7−4287号、特
開平8−86251号)で提案したように、熱発生パタ
ーンが単段燃焼の形態となる低温予混合燃焼には好適の
条件である。ここで、低温予混合燃焼について説明す
る。通常では、燃料噴射が開始すると燃料の蒸発による
混合気化が進み、筒内温度および筒内圧が所定値に達し
たときに存在する混合気が初期燃焼(予混合燃焼)し、
この燃焼により筒内が高温高圧となるため、その後は噴
射された燃料と噴射と同時に蒸発しながら燃焼(拡散燃
焼)を行うことが知られている。一般的には、噴射開始
から予混合燃焼が起こるまでの期間(着火遅れ期間)は
燃焼期間に対して短いため、拡散燃焼が主燃焼となる。
【0065】これに対し、低温予混合燃焼とは、着火遅
れ期間を大幅に長くし、この着火遅れ期間内に燃料を全
量噴射することで、予混合噴射の割合を拡散燃焼の割合
より大きくして、予混合燃焼を主燃焼とする技術であ
る。エンジン1をこの低温予混合燃焼で運転すれば、P
M、特にドライスートとNOxの排出量が従来エンジン
に比べて大幅に低減ができる。この結果、例えバッテリ
ー50の残容量(Bcap)が所定値以下になってa−
bラインがエンジン運転され、かつgポイントで発電が
なされたとしても、DPF22へのPM堆積を極少なく
することができる。
【0066】したがって、本発明では領域Iを低温予混
合燃焼の領域I改とするため、EGRの最適化、燃料噴
射時期の上死点後までの遅延化、吸気ポート形状の最適
化等によるスワールの強化等を行ってエンジン1の低温
予混合燃焼運転を可能にする。これに対し、領域IIは、
NOx/PM比が大きく、そして領域Iに比べて排気温
度も高いためCRF等によるDPF自己再生効果が得ら
れる領域である。
【0067】本発明ではこの運転領域IIに、Bの駆動力
範囲の運転ポイントのc(=h)、d(=i=j)、e
(=l)、k(dとeの間)の各運転ポイントが包含さ
れるようにエンジン負荷と回転速度を設定している。つ
まり、運転者がアクセル操作(アクセルペダルの踏み込
み量:L)によって求めている車両走行に必要な駆動力
を、CRF等によるDPF自己再生効果が得られる領域
IIの中の運転ポイントで得るようにしている。
【0068】より望ましくは、本発明の領域IIではEG
Rは停止してNOx/PM比を大きくすることもCRF
の適用に好都合である。またe(=l)ポイントは、酸
化触媒21によってNOからNO2への転換が活発に行
われる約450°C程度の排気(触媒)温度が得られる
中でエンジン1の最大出力が得られるエンジン負荷と回
転速度に設定するのが望ましい。これにより、燃費が改
善され、NO2生成効率が高められ、エンジン出力も高
められる。
【0069】さらに望ましくは、c(=h)、d(=i
=j)ポイントは、エンジン1の効率が最も良好になる
エンジン負荷と回転速度に設定するのが良い。領域III
では前述したように、CRF、あるいはCRFと触媒担
持のDPFを併用したとしてもDPF自己再生効果は得
られない。このため本発明では運転者がアクセル操作に
よって求めている車両走行に必要な駆動力を、領域III
の中に設定しない。
【0070】以上でステップ300の走行モードの説
明、エンジンの運転領域と、車両走行に必要な駆動力範
囲とそのエンジン各運転ポイントとの関係についての説
明を終える。図10に戻って、ステップ300で上記の
ようにして運転モードを判定した後ステップ400に進
み、車両走行に必要な駆動力(Prun)と判定された
走行モードとに基づいて、モーター53とエンジン1の
分担出力(PeとPm)を算出した後(図2)、ステッ
プ500に進む。
【0071】ステップ500では、エンジン1の運転が
必要かを判定する。この判定がNOであってエンジン運
転が必要ない場合(モーター走行モード、あるいは車両
停止時アイドリング条件)は、ステップ900に進んで
エンジン1の停止操作制御が行われる。すなわち、ハイ
ブリッド用コントロールユニット40がエンジン用コン
トロールユニット30にエンジン停止指令を発し、エン
ジン用コントロールユニット30は指令に従ってエンジ
ン1の停止制御を行う。これにより、EGR弁5、吸気
絞り弁7の作動が停止されると共に、燃料供給も停止保
持され(サプライポンプ11の圧力制御弁13、燃料噴
射弁15(内蔵の電磁弁)がOFF)、エンジン1は停
止、または停止保持される。
【0072】ステップ500の判定がYESであってエ
ンジン1を運転する必要がある場合(車両停止時エンジ
ン発電、エンジン走行、エンジン出力分割、モーターア
シスト、パワーアシストの各モード)は、ステップ60
0に進む。ステップ600では、エンジン1は既に始動
されているかを判定する。この判定がYESであって既
にエンジン1が運転されている場合、すなわち既にハイ
ブリッド用コントロールユニット40がエンジン用コン
トロールユニット30に出力指令を発信済みであって、
エンジン用コントロールユニット30が指令に従ってエ
ンジン1の出力制御を行っている場合はステップ700
に進む。
【0073】ステップ700では、前記ステップ400
で算出されたエンジン分担出力(Pe)を得るためのエ
ンジン1の出力制御を継続、又は開始する。前記ステッ
プ600の判定がNOであってエンジン1がまだ始動さ
れていない場合は、ステップ800に進んでエンジンの
始動操作制御を行う(始動指令を発する)。
【0074】この始動操作もハイブリッド用コントロー
ルユニット40とエンジン用コントロールユニット30
によって制御されており、図6に示すタイムチャートに
則って行われる。すなわち、まずグロープラグ24の予
熱を行い、モーター51によるエンジン1のモータリン
グを開始する。次いでエンジン1のモータリング回転速
度が所定の安定レベルに到達(極短時間で到達する)す
ると、サプライポンプ11の圧力制御弁13、および燃
料噴射弁15を駆動する。これにより、始動に見合った
量の燃料が供給されて完爆に至る。
【0075】前記ステップ700のエンジン出力制御、
ステップ800のエンジン始動操作制御、ステップ90
0のエンジン停止操作制御が行われた後、ステップ11
00に進む。ステップ1100では、ハイブリッド用コ
ントロールユニット40が、運転モードに基づいてジェ
ネレーター51の発電制御を行う。
【0076】そして次にステップ1200で、走行モー
ドに基づいてステップ400で算出されたモーター駆動
力(Pm:Prun−Pe)をモーター53に出力させ
る。あるいは、減速時にモーター53をジェネレーター
として働かせ、減速時の運動エネルギーを電力として回
収してバッテリー50に充電するための制御を行う。最
後にステップ1300に進み、走行モード、および車両
速度(Vcar)等に基づいて動力伝達機構52(例え
ば電磁クラッチ付きCVT)の変速比制御やON−OF
F制御を行う。
【0077】図11のサブルーチンが、ハイブリッド用
コントロールユニット40からディーゼルエンジン1に
対して出力分担指令が発せられた場合に、エンジン用コ
ントロールユニット30によって行われる前述のステッ
プ700の、ディーゼルエンジン1の出力制御について
のサブルーチンである。図11のエンジン出力制御ルー
チンにおいて、ステップ710では水温Tw、エンジン
回転速度Ne、気筒判別信号Cyl、コモンレール圧力
PCR、酸化触媒21の入口部の排気温度T1,DPF
22の出口部もしくはNOxトラップ触媒23の入口部
の排気温度T2と酸素濃度O2を読み込み、ステップ7
20に進む。
【0078】ステップ720では酸化触媒21の入口部
の排気温度T1に基づいて、図3に示す運転パターンA
か運転パターンBのどちらかを選択したのちステップ7
30に進む。ここで、酸化触媒21の入口部(排気浄化
後処理装置20の入口部)の排気温度T1が、酸化触媒
21において酸化反応が活発に行われる温度(例えば2
00°C)以上であれば、酸化触媒21の酸化反応だけ
でなく、DPF22、およびNOxトラップ触媒23で
発現する反応(PM連続再燃焼反応、NOx吸収−放出
・還元)にも好都合である。そして、この場合は静粛性
を優先して同一出力点でも回転速度の低いパターンAを
選択する。
【0079】一方、前記排気温度T1が低い場合には、
触媒反応を活発にさせるために、領域I改(低温予混合
燃焼)と領域II(DPF自己再生)の範囲内で、排気温
度を高めることを優先して、同一出力点でも回転速度の
高いパターンBを選択する。ステップ730では、ステ
ップ400で算出されたエンジン分担出力Peを得るた
めのエンジン回転速度Neと燃料噴射量Qmainを所
定のテーブルデータを検索して求める。
【0080】これらのテーブルデータは、図4に示すよ
うにエンジン分担出力Peをパラメータとして設定され
ており、予めエンジン用コントロールユニット30のR
OMに記憶されているものである。ステップ730でエ
ンジン回転速度Neと燃料噴射量Qmainを求めた
後、ステップ740でコモンレール圧力制御、ステップ
750でエンジン出力制御のための主噴射制御を順次行
う。
【0081】そしてステップ760に進み、NOxトラ
ップ触媒23の再生制御中を示すフラグが1であってN
Oxトラップ触媒23が再生中であるかを判定する。ス
テップ760でYESであってNOxトラップ触媒23
が再生中である場合はステップ1000に進み、NOx
トラップ触媒の再生制御を継続、又は開始してリターン
となる。
【0082】ステップ760の判定がNOであってNO
xトラップ触媒23が再生中でない場合は、ステップ7
70でエンジン燃焼制御を行ない、ステップ780でN
Oxトラップ触媒23のNOx吸収量を積算してNOx
トラップ触媒23の再生の要否判定を行ってリターンと
なる。図12は、前記図11のステップ740で行われ
るコモンレール圧力制御のサブルーチンである。
【0083】図12のコモンレール圧力制御ルーチンに
おいて、ステップ741,742では、エンジン回転速
度Neと燃料噴射量(負荷)Qmainをパラメータと
して、エンジン用コントロールユニット30のROMに
予め記憶されている所定のマップを検索してコモンレー
ル14の目標基準圧力PCR0と、この目標基準圧力P
CR0を得るための圧力制御弁13の基準デューティ比
(基準制御信号)DutyOとを求め、ステップ743
に進む。
【0084】ステップ743では、目標基準圧力PCR
Oと実際のコモンレール圧力PCRとの差の絶対値|P
CR0−PCR|を求め、これを目標基準圧力PCR0
に対して予め設定された許容圧力差△PCR0と比較す
る。そして、|PCR0−PCR|が許容圧力差△PC
R0の範囲内であれば、ステップ746に進んで基準デ
ューティ比Duty0を開弁デューティ比Dutyとす
ることによって同じデューティ比を維持し、ステップ7
47においてこのデューティ比Dutyから作ったデュ
ーティ信号を送って、圧力制御弁13を駆動する。
【0085】一方、|PCR0−PCR|が許容圧力差
△PCR0の範囲内にない場合は、ステップ743より
ステップ744に進み、PCR0−PCR(=△P)に
対応して予め設定されているROMのテーブルを検索し
て、デューティ比の補正係数KDutyを求める。たと
えば前記圧力差△Pがマイナス(PCR0よりもPCR
が大きい)の場合は、前記補正係数KDutyが1より
も小さい値に、この逆に△Pがプラス(PCR0よりも
PCRが小さい)の場合はKDutyが1よりも大きい
値に設定される。
【0086】具体的には、圧力制御弁13の特性に合わ
せてデューティ比補正係数KDutyのテーブルデータ
を設定する。そして、ステップ745では基準デューテ
ィ比Duty0を前記補正係数KDutyにより補正し
た値(Duty0×KDuty)を、開弁デューティ比
Dutyとして設定した後、ステップ747で該開弁デ
ューティ比Dutyによって圧力制御弁13を駆動す
る。
【0087】図13は、前記図11のステップ750で
行われる主噴射制御のサブルーチンである。図13の主
噴射制御ルーチンにおいて、ステップ751では、主噴
射量Qmainとコモンレール圧力PCRをパラメータ
として、エンジン用コントロールユニット30のROM
に予め記憶されている所定のマップを検索して主噴射期
間Mperiodを求め、ステップ752に進む。
【0088】ここで主噴射期間Mperiodはmse
c単位で設定され、図9に示すように主噴射量Qmai
nが同じならば、コモンレール圧力PCRが高いほど主
噴射期間Mperiodが短くなり、コモンレール圧力
PCRが同じなら主噴射量Qmainが多いほど主噴射
期間Mperiodが長くなる。ステップ752では、
エンジン回転速度Neと主噴射量Qmainをパラメー
タとして、コントロールユニット30のROMに予め記
憶されている所定のマップを検索して主噴射開始時期M
startを求め、ステップ753に進む。
【0089】ここで主噴射開始時期Mstartは、前
述した領域I改の低温予混合燃焼、および領域IIでのC
RF等によるDPF自己再生が実現できるように予め設
定されている。ステップ753では、水温Twに基づい
て、例えば冷却水温が低いときには主噴射開始時期Ms
tartを進角させてステップ754に進む。
【0090】ここで、水温Twが低いほどエンジン燃焼
室の温度も低くなるため着火開始時期が相対的に遅れる
ことになる。そこで、HC,CO,PM(特にSOF)
の排出量を増加させないために、主噴射開始時期Mst
artを進角補正して燃焼開始時期を一定に保つように
するのが望ましい。ステップ754では、主噴射量Qm
ainが供給されるように主噴射開始時期Mstart
より主噴射期間Mperiodの期間、主噴射すべき気
筒の燃料噴射弁15を、クランク角度検出用クランク角
センサ32、および気筒判別用クランク角センサ33の
信号に基づいて開弁駆動する。
【0091】図14は、前記図11のステップ770で
行われるエンジン燃焼制御のサブルーチンであり、領域
I改の低温予混合燃焼、および領域IIのDPF自己再生
を実現するための制御を行う。図14のエンジン燃焼制
御ルーチンにおいて、ステップ771ではエンジン分担
出力Peに基づいて領域を判定する。
【0092】つまり、図2、図4中にも示したように所
定の分担出力以下であれば領域I改の低温予混合燃焼領
域、所定の分担以上であれば領域IIのDPF自己再生領
域と判定する。そして、ステップ771で領域I改の低
温予混合燃焼領域と判定されればステップ772に進
み、領域IIのDPF自己再生領域と判定されればステッ
プ775に進む。
【0093】ステップ775では、EGRを停止、又は
停止保持(EGR弁5、吸気絞り弁7の作動を停止)す
る。このことで、NOx生成量が増大してNOx/PM
比を大きくできるため、CRF等によるDPF自己再生
にとって好適な排気条件を実現できる。ステップ772
では、低温予混合燃焼を実現するための目標EGRデー
タ(EGR弁5と吸気絞り弁7の駆動信号)を、エンジ
ン回転速度Neと燃料噴射量(負荷)Qmainをパラ
メータとして、エンジン用コントロールユニット30の
ROMに予め記憶されている所定のマップを検索して求
める。
【0094】ステップ772で目標EGRデータを求め
た後、ステップ773で水温Twに基づいて、例えば冷
却水温が低いときにはEGRを減量補正してステップ7
74に進む。ここで、水温が低いほどエンジン燃焼室の
温度も低くなるため着火開始時期が相対的に遅れること
になる。HC,CO,PM(特にSOF)の排出量を増
加させないためには、EGRを減量補正して燃焼開始時
期を一定に保つようにするのが望ましい。
【0095】ステップ774では、EGR弁5、および
吸気絞り弁7を夫々の補正された駆動信号に基づいて駆
動制御し、低温予混合燃焼を実現するためのEGRを行
う。図15は、前記図11のステップ780で行われる
NOxトラップ触媒23のNOx吸収量積算と再生要否
判定についてのサブルーチンである。図15のNOx吸
収量積算と再生要否判定ルーチンにおいて、ステップ7
81では、NOxトラップ触媒23のNOx吸収量(単
位時間当たりのNOx吸収量)を、所定のテーブルデー
タを検索して求める。
【0096】このテーブルデータは、図5に示すように
エンジン分担出力Peをパラメータとして設定されてお
り、予めエンジン用コントロールユニット30のROM
に記憶されているものである。NOx吸収量の求めかた
はこの例によらず、エンジン回転速度Neと燃料噴射量
(負荷)Qmainをパラメータとするマップ形式で設
定してもよい。
【0097】ステップ781でNOx吸収量を求めた
後、ステップ782に進み、水温Twに基づいて、例え
ば冷却水温が低いときにはNOx吸収量を減量補正して
ステップ783に進む。ここで、水温の低いほどエンジ
ン燃焼室の温度も低くなるため着火開始時期が相対的に
遅れることになる。そこで、前述したように図13のス
テップ754、および図14のステップ773では、ス
テップHC,CO,PM(特にSOF)の排出量を増加
させないために夫々主噴射開始時期Mstartを進角
補正し、EGRを減量補正して燃焼開始時期を一定に保
つようにした。
【0098】しかし、燃焼開始時期を一定に保つように
してもエンジン燃焼室温度の低いほど燃焼期間が長期化
して燃焼温度も低温化する傾向にあり、NOx排出量が
減少する傾向にある。またNOx排出量が減少するとN
Ox吸収量も減少する傾向にあるため、水温Twをパラ
メータとして水温の低いほどNOx吸収量を減量補正す
る係数を設定して、NOx吸収量を減量補正するのが望
ましく、これにより、NOx吸収量積算の算出精度を高
めることができる。このNOx吸収量の補正係数は予め
実験によって求める。
【0099】ステップ783では単位時間当たりのNO
x吸収量に同期した所定時間間隔でNOx吸収量を積算
し、ステップ784に進む。ステップ784では、積算
したNOx吸収量がNOxトラップ触媒23において設
定した所定の吸収限界量を超えており、NOxトラップ
触媒23の再生(NOxの放出・還元)が必要か否かを
判定する。
【0100】ステップ784の判定がNOあって、再生
が必要でないときはリターンとなる。ステップ784の
判定がYESであって、NOx吸収量が吸収限界量を超
えており、NOxトラップ触媒23の再生が必要である
と判定された場合は、ステップ785で触媒再生中フラ
グを1にする(フラグを立てて再生開始信号とする)。
【0101】そしてステップ786に進み、再生終了の
指標値、例えば時間のカウントを開始して、リターンと
なる。再生終了の指標値は時間の例だけでなく、NOx
トラップ触媒23の入口部の排気温度T2と時間の乗数
を積算してもよく、このようにすれば、再生算出の精度
が向上する。図16は、前記図11のステップ1000
で行われるNOxトラップ触媒23の再生制御について
のサブルーチンである。
【0102】図16のNOxトラップ触媒23の再生制
御ルーチンにおいて、ステップ1001では所定の再生
操作、すなわち再生が開始されNOxトラップ触媒23
の再生が完了するのに必要な所定時間が経過したかを判
定する。ここで、排気空燃比のリッチ化によってNOx
トラップ触媒23を再生するのに要する時間は、おおよ
そ時間比率で1〜2%程度であって、再生1回に要する
時間は触媒の容量や再生インターバルによっても異な
る。
【0103】ステップ1001の判定がYESであって
再生が終了した場合には、ステップ1011に進んでN
Oxトラップ触媒23の再生制御の初期化を行う。つま
り再生中フラグ、NOx吸収量積算値、再生時間カウン
トを夫々0にリセットし、リターンとなる。ステップ1
001の判定がNOであって再生が終了していない場合
には、ステップ1002に進み、エンジン分担出力Pe
に基づいて運転領域を判定する。
【0104】つまり、所定の分担出力(図2、図4、図
5)以下であれば領域I改の低温予混合燃焼領域、所定
の分担以上であれば領域IIのDPF自己再生領域(PM
連続再燃焼領域)と判定する。そして、ステップ100
2の判定が領域I改の低温予混合燃焼領域であればステ
ップ1003に進み、領域IIのPM連続再燃焼領域であ
ればステップ1007に進む。
【0105】ステップ1003では、ポスト噴射を停
止、あるいは停止保持した後、リターンとなる。ここ
で、ポスト噴射は、NOxトラップ触媒23の再生(N
Oxを放出・還元)のため、排気空燃比のリッチ化、お
よび排気温度を上昇させる必要から、主噴射とは別に各
気筒の膨張行程もしくは排気行程で燃料噴射を行うもの
である。
【0106】しかし、領域I改は負荷の低い(燃料噴射
量が少ない)領域であって、EGRが行われていても空
気過剰率は比較的大きい(λ=3〜5程度)。このよう
な負荷の低い運転領域でポスト噴射を行って排気空燃比
をリッチ化するためには、主噴射燃料の2倍から4倍の
量の燃料をポスト噴射する必要があり、短時間(時間比
率で1〜2%程度)であっても燃費悪化率は大きくな
る。
【0107】したがって、負荷の低い領域I改でポスト
噴射を行うのは得策ではない。また、前述したようにA
の駆動力範囲のa−bライン(≒領域I改)はモーター
53だけで走行することを基本としている。モーター走
行が長時間継続される等によって、万一バッテリー50
の残容量(Bcap)が所定値以下になった場合には、
バッテリー50の過放電を防ぐためにエンジン動力で走
行する。かつ、そのような場合に限って車両停止時にエ
ンジンを運転して発電し充電する(gポイント)。
【0108】さらに、図5でも示したようにAの駆動力
範囲のa−bライン(≒領域I改)は、低温予混合燃焼
によってPM、特にドライスートとNOx吸収量(排出
量)が非常に低いレベルであり、仮にエンジン運転がな
されてNOxトラップ触媒23を再生しなければNOx
を吸収しない状況であったとしてもNOx排出量は元々
十分に低い。
【0109】したがって、この領域I改の低温予混合燃
焼領域でNOxトラップ触媒23の再生を行わなくても
問題は生じない。むしろNOxトラップ触媒23の再生
効率を高くするという観点からは、領域IIでのみ再生す
ることが効率的である。ステップ1002で領域IIのD
PF自己再生領域と判定された場合は、ステップ100
7に進み、EGRを停止、又は停止保持(EGR弁5、
吸気絞り弁7の作動を停止)する。このことで、NOx
/PM比を大きくできるためCRF等によるDPF自己
再生にとって好適な排気条件を実現できることは前でも
説明した。
【0110】そしてステップ1008に進み、NOxト
ラップ触媒23の再生(NOxを放出・還元)のため、
排気空燃比のリッチ化、および排気温度を上昇させるた
めのポスト噴射量Qpost、ポスト噴射期間Pper
iod、ポスト噴射時期Pstartを、エンジン回転
速度Neと燃料噴射量(負荷)Qmainをパラメータ
として、コントロールユニット30のROMに予め記憶
されている所定のマップを検索して求める。
【0111】ここで、領域IIは、比較的負荷の高い領域
であって空気過剰率も比較的小さい(λ=3〜1.5程
度)。したがってポスト噴射を行って排気空燃比をリッ
チ化するのに必要なポスト噴射量は、主噴射燃料の0.
5倍から多くても2倍の程度の量の燃料を噴射すること
で対応できるため燃費悪化率は比較的小さくて済む。ま
た、この領域でのEGRはCRF等によるDPF自己再
生にとって不都合であり、かつ空気過剰率が比較的小さ
いのでEGRを行うとPM(スモーク)が激増してDP
F22の目詰まりを引き起こす。したがって、領域IIで
はポスト噴射を行って排気空燃比をリッチ化することが
好適である。
【0112】ステップ1008でポスト噴射に関するデ
ータ(噴射開始時期Pstart及び噴射期間Pper
iod)を検索した後、ステップ1009に進む。ステ
ップ1009では、ポスト噴射量QPostが供給され
るように噴射開始時期PstartよりPperiod
の期間、ポスト噴射すべき気筒の燃料噴射弁15を、ク
ランク角度検出用クランク角センサ32、および気筒判
別用クランク角センサ33の信号に基づいて開弁駆動す
る。
【0113】そしてステップ1010に進み、酸素濃度
センサ37の信号(O2)に基づいてポスト噴射(Qp
ost)のフィードバック制御を行い、排気空燃比をリ
ッチに保ちリターンとなる。前記図16のサブルーチン
では、領域I改の低温予混合燃焼領域では元々NOx排
出量が十分に低いのでNOxトラップ触媒23の再生を
行わないようにした。
【0114】しかし、将来的にはULEV(Ultra
Low Emission Vehic1e)、また
は大気並みの排気レベルが求められ、そのような場合に
は領域I改でもNOxトラップ触媒23の再生が必要に
なる。このため図17に示すように、ステップ1004
でEGRの強化によって排気空燃比をリッチ化するため
の目標EGRデータ(EGR弁5と吸気絞り弁7の駆動
信号)を、エンジン回転速度Neと燃料噴射量(負荷)
Qmainをパラメータとして、コントロールユニット
30のROMに予め記憶されている所定のマップを検索
して求める。
【0115】ここで、前述したように負荷の低い領域I
改でポスト噴射を行うのは得策ではない。この領域では
EGR(吸気しぼり)を強化して排気空燃比をリッチ化
する方が、燃焼室内作動ガス量の減少による排気温度上
昇や、触媒を通過するガス量が低下(SV比低下)する
のでNOxの放出・還元反応が向上する。そして、ステ
ップ1005でEGR弁5、および吸気絞り弁7の駆動
信号に基づいて駆動制御し、排気空燃比をリッチ化する
ためのEGRを行う。
【0116】さらに、ステップ1006では、酸素濃度
センサ37の信号(02)に基づいてEGRのフィード
バック制御を行い、排気空燃比をリッチに保ちリターン
とする。なお、ここまで、本発明はエンジンの使用範囲
が比較的広くて排気清浄化の難易度が高いP−HEV方
式の車両にディーゼルエンジンを適用した場合について
説明してきた。
【0117】しかし、本発明の排気浄化装置はP−HE
Vだけでなくシリーズハイブリッド方式の車両(Ser
ies Hybrid E1ectric Vehic
1e以下S−HEVという)にも適用できる。S−HE
Vが構造面でP−HEVと異なるのは、図1の中で動力
伝達機構52がない。エンジンの出力が駆動力として直
接駆動輪に伝えられることがなく、車両はモーター53
の駆動力だけで走行することを基本としており、運転者
のアクセルペダルの踏み込み量(L)に応じた車両走行
のための必要な駆動力は全てモーター出力Pmで賄うと
いうことである。
【0118】つまり、エンジンの出力は全て発電用とし
てジェネレーター51に伝えられ、エンジンは基本的に
最高効率が得られる負荷と回転速度で運転される。また
この運転点をCRF等によるDPF自己再生効果が得ら
れる領域IIの中に設定(例えば図3のc〜dの中の最良
点)することにより、DPFにはPMが堆積することが
ない。 つまり、燃費が良好で排気清浄化が簡素に行え
る。
【0119】また、さらに本発明の排気浄化装置は、H
EVではなく無段変速機(Continuous1y
Variab1e Transmissin 以下CV
Tという)付きの従来の車両であっても適用できる。つ
まり、CVT付きの従来の車両とは、P−HEVにおい
てモーターアシストがなく、かつエンジンによる発電も
ないということと同じである。つまり、車両走行のため
に必要な駆動力Prun=エンジン出力Peであり、例
えば図2の中のa−b−c−d−eのラインをエンジン
走行することに他ならない。したがって、運転者のアク
セルペダルの踏み込み量(L)に応じた車両走行のため
に必要な駆動力、すなわち運転点を、領域I改(PM、
特にドライスートとNOxの排出量が従来エンジンに比
べて大幅に低減ができる低温予混合燃焼領域)と領域II
(CRF等によるDPF自己再生効果が得られる領域)
の中に設定することができるので、P−HEVと同様の
排気清浄化が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態にかかる排気浄化装置を
備えたディーゼルエンジンを搭載した車両のシステム構
成を示す図。
【図2】 アクセルペダルポジション走行駆動力との関
係を示す特性図。
【図3】 運転領域と運転点との関係を示す特性図。
【図4】 エンジン分担出力と運転条件との関係を示す
特性図。
【図5】 エンジン分担出力とNOx吸収重量との関係
を示す特性図。
【図6】 始動時に行われる操作のタイムチャート。
【図7】 NO→NO2の転換率を示す特性図。
【図8】 エンジン回転速度と負荷とをパラメータとす
る運転領域の特性図。
【図9】 コモンレール圧力および燃料噴射期間と燃料
噴射量との関係を示す特性図。
【図10】 第1の実施形態に係る基本制御のメインルー
チンを示すフローチャート。
【図11】 エンジン出力制御ルーチンを示すフローチャ
ート。
【図12】 コモンレール圧力制御ルーチンを示すフロー
チャート。
【図13】 主噴射制御ルーチンを示すフローチャート。
【図14】 エンジンの燃焼制御ルーチンを示すフローチ
ャート。
【図15】 NOx吸収量の積算およびNOxトラップ触
媒再生時期を判定するルーチンを示すフローチャート。
【図16】 NOxトラップ触媒の再生制御ルーチンを示
すフローチャート。
【図17】 第2のNOxトラップ触媒の再生制御ルーチ
ンを示すフローチャート。
【符号の説明】
1 ディーゼルエンジン 3 排気通路 5 EGR弁 7 吸気絞り弁 10 燃料噴射装置 15 燃料噴射弁 20 排気後処理装置 21 酸化触媒 22 ディーゼルパーティキュレートフィルター(DP
F) 23 NOxトラップ触媒 30 エンジン用コントロールユニット 31 水温センサ 32 クランク角センサ 35、36 排温センサ 37 酸素濃度センサ 40 ハイブリッド用コントロールユニット 50 バッテリー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 46/42 B01D 46/42 B 3G093 53/94 B60L 11/12 B60K 6/02 ZHV 11/14 B60L 11/12 F01N 3/08 A 11/14 3/18 ZHVB F01N 3/08 3/20 B 3/18 ZHV 3/24 R 3/20 S 3/24 E 3/28 301E F02D 21/08 301D 3/28 301 29/02 D F02D 21/08 301 29/06 D 29/02 41/04 355 29/06 360A 41/04 355 41/40 D 360 43/00 301C 41/40 301E 43/00 301 301J 301K 301N 301T 301W 45/00 314Z F02M 25/07 B 45/00 314 570A F02M 25/07 570D 570 570J B01D 53/36 102G 103B B60K 9/00 ZHVC Fターム(参考) 3G062 AA01 AA03 AA05 AA06 BA02 BA04 BA05 BA06 DA01 DA02 EA10 EB15 GA04 GA06 GA08 GA09 GA16 GA17 GA25 3G084 AA01 AA03 BA05 BA08 BA09 BA13 BA15 BA20 BA21 BA24 BA32 BA34 DA10 DA27 EA11 EB01 FA05 FA20 FA26 FA27 FA29 FA33 FA38 FA39 3G090 AA03 BA01 CA01 DA01 DA10 DA12 DA14 DA18 DA19 DA20 EA02 EA05 EA06 EA07 3G091 AA02 AA10 AA11 AA14 AA18 AA28 AB02 AB06 AB13 BA00 BA14 BA33 BA38 CB02 CB03 CB07 CB08 CB09 DA01 DA02 DA03 DA08 DB06 DB07 DB10 DB13 DC01 DC05 EA00 EA01 EA07 EA16 EA17 EA26 EA31 EA34 EA39 EA40 FA06 FA11 FA16 FA19 FB01 FB10 FB12 FC02 GA05 GA06 GB01X GB05W GB06W GB07W GB09X GB10X GB16X HA10 HA12 HA14 HA15 HA16 HA36 HA37 HA38 HA42 HB05 HB06 3G092 AA02 AA06 AA09 AA10 AB03 AB04 AC02 BA01 BA04 BB01 BB06 BB10 BB13 DB03 DB04 DC01 DC06 DC08 DC09 DC14 DC15 DF01 DF02 DF06 EA01 EA02 EA05 EA07 EA11 EA26 EA27 EA28 EC01 EC08 FA15 FA17 FA18 FA20 FA36 FA37 FB06 GA01 GA02 GA03 HD01Y HD01Z HD05Y HD05Z HE01Y HE01Z HE03Y HE03Z HE05Y HE05Z HE08Y HE08Z HF02Y HF02Z HF08Y HF08Z HF12Y HF12Z HF19Y HF19Z HF21Y HF21Z 3G093 AA06 AA07

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の排気通路に、流入する排気中の
    パティキュレート(PM)を捕集するパティキュレート
    フィルタと、前記パティキュレートフィルタの上流側に
    配置されて流入する排気中の一酸化窒素(NO)を二酸
    化窒素(NO2)に酸化する酸化触媒と、を備え、前記
    パティキュレートフィルタが捕集したPMを前記NO 2
    と反応させて浄化する内燃機関の排気浄化装置におい
    て、 内燃機関の運転点を、前記パティキュレートフィルタで
    前記NO2と反応するPMの量を該パティキュレートフ
    ィルタが捕集するPMの量より大きくして、該パティキ
    ュレートフィルタの自己再生を可能とする運転領域に設
    定する運転点設定手段を備えることを特徴とする内燃機
    関の排気浄化装置。
  2. 【請求項2】前記運転点設定手段は、機関の運転点を、
    排気中のNOx/PM比を所定値以上にする運転領域に
    設定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の
    排気浄化装置。
  3. 【請求項3】予混合燃焼を主燃焼とする燃焼状態に制御
    可能な燃焼制御手段を備え、 前記運転点設定手段は、運転条件に応じて機関の運転点
    を、予混合燃焼を主燃焼とする燃焼状態を可能とする運
    転領域と、前記パティキュレートフィルタの自己再生を
    可能とする運転領域とのいずれかに設定することを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の排気
    浄化装置。
  4. 【請求項4】前記運転点設定手段が、電動機と内燃機関
    とを、車両走行用にそれぞれ独立に運転可能で、かつ、
    併用して運転も可能であるパラレルハイブリッド方式の
    車両における内燃機関の出力制御手段であることを特徴
    とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の内燃
    機関の排気浄化装置。
  5. 【請求項5】前記運転点設定手段が、車両走行用として
    電動機のみが運転され、内燃機関が該電動機を発電機と
    して駆動させるため運転されるシリーズハイブリッド方
    式の車両における内燃機関の出力制御手段であることを
    特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の
    内燃機関の排気浄化装置。
  6. 【請求項6】前記運転点設定手段が、無段変速機付き車
    両における内燃機関の出力制御手段であることを特徴と
    する請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の内燃機
    関の排気浄化装置。
  7. 【請求項7】前記運転点設定手段が、排気温度(酸化触
    媒の温度)が低いときに、前記予混合燃焼を主燃焼とす
    る燃焼状態を可能とする運転領域と、前記パティキュレ
    ートフィルタの自己再生を可能とする運転領域の範囲内
    において、機関回転速度を増加させることを特徴とする
    請求項3〜請求項6のいずれか1つに記載の内燃機関の
    排気浄化装置。
  8. 【請求項8】前記運転点は、運転者のアクセルペダルの
    踏み込み量に基づいて設定されることを特徴とする請求
    項1〜請求項7のいずれか1つに記載の内燃機関の排気
    浄化装置。
  9. 【請求項9】前記設定された運転点の中で、前記パティ
    キュレートフィルタの自己再生を可能とする運転領域に
    設定された運転点には、内燃機関の最高効率点となる運
    転点が含まれることを特徴とする請求項1〜請求項8の
    いずれか1つに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  10. 【請求項10】前記パティキュレートフィルタは、PM
    が捕集されるフィルタ表面に酸化触媒を担持することを
    特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の
    内燃機関の排気浄化装置。
  11. 【請求項11】前記パティキュレートフィルタの下流側
    の排気通路に配置され、排気の空燃比がリーンのとき、
    流入する排気中のNOxを吸収し、排気の空燃比がリッ
    チのとき、吸収したNOxを放出・浄化するNOxトラ
    ップ触媒と、 前記NOxトラップ触媒の再生時期に、排気の空燃比を
    所定時間リッチにする空燃比制御手段と、 を備えることを特徴とする請求項1〜請求項10のいず
    れか1つに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  12. 【請求項12】前記空燃比制御手段は、膨張行程若しく
    は排気行程における燃料のポスト噴射、吸気絞り強化、
    EGR強化のうち、少なくとも1つにより、排気の空燃
    比をリッチ化することを特徴とする請求項11に記載の
    内燃機関の排気浄化装置。
  13. 【請求項13】前記空燃比制御手段は、機関の運転点が
    前記パティキュレートフィルタの自己再生を可能とする
    運転領域に設定されるとき、前記ポスト噴射を行い、前
    記予混合燃焼を主とする燃焼状態を可能とする運転領域
    に設定されるとき、前記吸気絞り強化およびEGR強化
    のうち、少なくとも1つを行うことを特徴とする請求項
    12に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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