JP2002285223A - 溶銑脱燐方法 - Google Patents
溶銑脱燐方法Info
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- Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
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Abstract
ラグの過剰な温度上昇を防止して、脱燐能の低下による
脱燐反応停滞や復燐の防止を行い、反応を効率的に進行
させる技術の提供を目的とする。 【解決手段】 溶銑温度を1400℃以下の状態で、溶
銑温度におけるスラグの液相率を70%の組成として、
滓化率の高い状態を維持しつつ、炉内の二次燃焼率を1
2%未満の状態とすることによって、二次燃焼フレーム
からの輻射に起因するスラグの加熱に起因する脱燐能低
下を解消する。
Description
吹き転炉、上吹き機能を備えたAODや電気炉を用いた
溶銑の脱燐方法に属する。
おけるスラグ中T.Fe濃度が高濃度になる領域で進行
するが、脱炭末期の高温域での反応は脱燐に不利である
ことから、脱炭処理に先行して低温の溶銑段階における
予備処理時に、脱燐処理を行う溶銑脱燐方法が確立して
きた。溶銑脱燐処理は、溶銑鍋やトーピードカーでのイ
ンジェクション等の方法の他に、フリーボードの大きい
転炉型精錬炉を利用した処理方法も確立してきた。転炉
型精錬炉を用いた溶銑脱燐方法としては、特開昭63−
195209公報に見られるような溶銑脱燐専用炉方式
や、特開平7−242922号公報のような溶銑脱燐処
理の後に一旦排滓を行い、出銑を行わずに次工程の脱炭
処理を行う方式などがある。
させるためには、脱燐能の高いスラグを滓化率の高い状
態に維持することが重要である。滓化率を効率よく向上
させることを目的に、本発明者らは、二次燃焼率を高め
た操業によって滓化を進め、脱燐反応が促進可能であ
り、特に脱燐反応の初期に高二次燃焼率化を実施するこ
とによって特に脱燐促進効果が大きいことを提案した。
(特願2000−362886)
0−362886)は、滓化促進によってスラグ中の物
質移動を促進して反応効率を高める手段としては有効で
あるが、一方で、滓化が十分に進行した状態が維持でき
ている場合においては、脱燐反応への寄与は得られな
い。また、滓化が十分に確保されている条件下では、高
い二次燃焼率は、フレームからの輻射によって、スラグ
の温度が上昇し、スラグの脱燐能を低下させるおそれが
あり、特に、溶銑温度が高くなり、スラグ中燐酸濃度が
上昇する処理末期には脱燐速度の低下や復燐反応を招
く。
上で、スラグ加熱による脱燐能の低下を回避し、特に脱
燐処理末期において脱燐反応の停滞や復燐を抑制する効
率の良い溶銑脱燐方法を提供する。
の手段である本発明は、以下の通りである。 (1) 上吹き酸素機能を有する転炉型精錬炉において
溶銑脱燐処理を実施するに際し、二次燃焼率を0〜12
%未満とすることを特徴とする溶銑脱燐方法。 (2) (1)の方法において、溶銑温度を1400℃
以下とし、処理中の溶銑温度におけるスラグの平均組成
の液相率を70%以上とすることを特徴とする溶銑脱燐
方法。 (3) (1)または(2)の方法において、脱燐剤と
して添加するCaO源の粒度を25mm以下のものを主
原料とすることを特徴とする溶銑脱燐方法。 (4) (1)乃至(3)何れかの方法において、脱燐
処理の吹錬停止前5分以内において2分間以上の間二次
燃焼率を0〜12%未満とすることを特徴とする溶銑脱
隣方法。
て説明する。この図は、上底吹き転炉による溶銑脱燐処
理を模式的に示したものである。転炉1内に溶銑2が挿
入され、上吹きランス3より酸素4が吹き込まれてお
り、底吹き羽口5より吹き込まれた底吹きガス6によっ
て撹拌されている。炉内には、ホッパー10からCaO
源等の副材が投入され、酸化反応や前チャージからの残
留スラグと共にスラグ相7を形成している。
されており、オンラインで排ガス濃度が測定されてい
る。このとき二次燃焼率は、以下の(1)式で定義され
る。 二次燃焼率(%)=炉内で発生したCO2濃度/(炉内で発生したCO2濃度+ 炉内で発生したCO濃度)×100 ……………(1)
は、排ガスフードと炉体の隙間から侵入する空気中の酸
素は、排ガスフード内でCOガスと反応してCO2を生
成することから、パージガス等に用いられる窒素分を差
し引いた窒素バランスから排ガスフード内で発生したC
O2量を換算するなどして、真の炉内発生COガス濃
度、CO2ガス濃度を求める必要がある。また、底吹き
ガス等からCO2やLPG等のガスを炉内に吹き込んだ
ことによって発生するCO,CO2は炉内発生ガスとし
て取り扱う。
応によって発生する熱を輻射伝熱により表面より受ける
ことから、二次燃焼率が高い場合にはスラグが高温にな
り脱燐能が低下する。本発明では、特に処理の後半にお
いて、スラグの加熱による脱燐能低下の抑制効果が顕著
である12%未満に二次燃焼率を制御する。二次燃焼率
の下限値は0%であり、実操業で得られる最低二次燃焼
率でも本発明の効果は得られる。二次燃焼率の制御方法
としては、排ガス分析値から求めた二次燃焼率をモニタ
ーしながら、所定の二次燃焼率になるようにランス高さ
をコントロールしたり、複数系統の酸素配管を利用して
多孔ランスのノズル毎の流量比をコントロールするなど
の方法があるが、特に規定はしない。
し、スラグの平均組成で決まる処理中の溶銑温度におけ
る液相率が70%以上とすることが望ましい。処理温度
に上限を設けたのは、一般的な溶銑脱燐条件では、14
00℃を超える溶銑温度ではスラグ加熱が少ない場合で
も脱燐反応が効率よく進行しないためであり、下限は特
に設けないが、1100℃程度以上が実操業上の範囲と
なる。このときの溶銑温度は、サブランスのバッチ測温
や二色温度計を用いた連続測温値などで管理できる。ス
ラグの平均組成とは、炉内に存在する滓化スラグと未滓
化スラグを合わせた組成であり、排滓後のスラグの多点
分析や、処理前の溶銑成分と投入副材、前チャージから
のキャリーオーバースラグの平均的推定値などのマスバ
ランス計算等で決定できる。また、吹錬中のシリコン燃
焼や鉄酸化等に伴い、組成が変化する場合は、溶銑成分
や温度、送酸条件等の操業条件からのスラグ組成逐次推
定値等のような連続的な決定もできる。また、処理温度
での液相率は、各種スラグ組成に対するオフライン実験
に基づく推定値や、状態図に基づいた評価、市販の液相
率計算ソフトの値などを適宜用いることができる。望ま
しい液相率を70%以上と規定した理由は、70%未満
では、二次燃焼抑制によるスラグ脱燐能確保の一方で、
滓化不足による脱燐不良の影響が生じ、十分な効果が得
られないためである。望ましい液相率の上限はクレーム
内に記載していないが、100%の完全液相でも何ら支
障はない。
25mm以下の粒度のものを主成分とすることが望まし
く、下限値は特に記載しないが1μmを超えるものが通
常操業には用いられる。これは、生石灰などのCaO源
は、滓化に一定の時間を要することから、25mmを超
える粒度の大きなものが多い場合に、二次燃焼率を低下
させる場合は、スラグ温度低下によって未滓化分が残り
やすいためであり、望ましい方法としては、CaO源粉
体の上吹きや底吹きからのインジェクション等がある。
CaO源としては、生石灰の他に、石灰石、消石灰、脱
炭スラグ、ドロマイト等が一般的であり、また、25m
m以下の粒度のものが全CaO源内の質量比で70%程
度以上が望ましい。また、CaO源として、前チャージ
のスラグをホットリサイクルするような場合は、処理中
に滓化が十分進行していることから、25mm以下のも
のと同様に扱う。
の燐酸濃度が高まり、脱燐速度が停滞したり、復燐反応
が生じる脱燐処理末期に実施することが効果的であるこ
とから、特に脱燐処理の末期で二次燃焼率を低く制御す
ることで大きな効果を得ることができ、脱燐処理終了前
5分以内に、連続、または断続的な時間の合計を測定し
て、二次燃焼率を12%未満に制御する時間を2分以上
確保することで、最も問題となる処理末期の脱燐反応を
効率的に促進することができる。
試験転炉を用いた溶銑脱燐実験を行った。溶銑量は6t
として、初期炭素濃度を4.3〜4.5質量%、シリコ
ン濃度0.2〜0.4質量%、燐濃度0.11〜0.1
2質量%と他不可避的混入成分とし、初期溶銑温度は1
240〜1275℃として、10分間の吹錬を行い、吹
錬開始から初期5分間の間に1mm以下の生石灰をシリ
コンが完全燃焼した場合に塩基度(質量%CaO/質量
%SiO2)が計算上1.0になる条件で上吹き酸素と
共に吹き込み、処理開始5分後から10分までの5分間
に排ガスモニター値に基づいて二次燃焼率5%目標にラ
ンス高さを制御した結果、2.3〜4.1分間二次燃焼
率を12%未満に制御できた。吹錬開始後5分のタイミ
ングでメタル、スラグサンプルを採取して成分分析を行
った結果、二次燃焼率の制御を開始する前に、メタル中
のシリコン燃焼が完了しており、二次燃焼コントロール
前に液相率80〜100%が得られていたことが確認で
きた。このときの液相率の算定は、採取したスラグの分
析値からの熱力学モデルから計算される平衡液相率と採
取スラグの再加熱試験の併用によって行った。5chの
脱燐試験の結果として、処理後の到達燐濃度は0.01
4〜0.018質量%であった。
めのランス高さ制御を実施せず、それ以外は実施例と同
一の条件で行った比較試験を5ch行った。吹錬開始後
5〜10分の二次燃焼率は15〜23%の範囲であり、
処理後の到達燐濃度は0.025〜0.032質量%で
あり、いずれのchでも到達燐濃度は実施例よりも高い
値までしか到達しなかった。
による脱燐反応の停滞や復燐の発生が効果的に防止で
き、脱燐反応を効果的に促進できるようになった。
5:底吹き羽口 6:底吹きガス 7:スラグ相 8:排ガスフード
9:排ガス分析計 10:ホッパー 11:出鋼孔
Claims (4)
- 【請求項1】 上吹き酸素機能を有する転炉型精錬炉に
おいて溶銑脱燐処理を実施するに際し、二次燃焼率を0
〜12%未満とすることを特徴とする溶銑脱燐方法。 - 【請求項2】 溶銑温度を1400℃以下とし、処理中
の溶銑温度におけるスラグの平均組成の液相率を70%
以上とすることを特徴とする請求項1記載の溶銑脱燐方
法。 - 【請求項3】 脱燐剤として添加するCaO源の粒度を
25mm以下のものを含む原料とすることを特徴とする
請求項1または2記載の溶銑脱燐方法。 - 【請求項4】 脱燐処理の吹錬停止前5分以内において
2分間以上の間二次燃焼率を0〜12%未満とすること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の溶銑脱
隣方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001084067A JP2002285223A (ja) | 2001-03-23 | 2001-03-23 | 溶銑脱燐方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=18939795
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001084067A Pending JP2002285223A (ja) | 2001-03-23 | 2001-03-23 | 溶銑脱燐方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2002285223A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002317218A (ja) * | 2001-04-20 | 2002-10-31 | Kawasaki Steel Corp | 溶銑の脱燐方法 |
JP2009052059A (ja) * | 2007-08-23 | 2009-03-12 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 溶銑の脱燐方法 |
JP2009256794A (ja) * | 2008-03-25 | 2009-11-05 | Kobe Steel Ltd | 溶鉄製造方法 |
JP2010013685A (ja) * | 2008-07-02 | 2010-01-21 | Nippon Steel Corp | 溶銑脱りん方法 |
JP2019183227A (ja) * | 2018-04-11 | 2019-10-24 | 日本製鉄株式会社 | 転炉パラメータ導出装置、転炉パラメータ導出方法、およびプログラム |
-
2001
- 2001-03-23 JP JP2001084067A patent/JP2002285223A/ja active Pending
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JP2019183227A (ja) * | 2018-04-11 | 2019-10-24 | 日本製鉄株式会社 | 転炉パラメータ導出装置、転炉パラメータ導出方法、およびプログラム |
JP7069999B2 (ja) | 2018-04-11 | 2022-05-18 | 日本製鉄株式会社 | 転炉パラメータ導出装置、転炉パラメータ導出方法、およびプログラム |
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