JP2002282708A - 金属ハニカム触媒ユニット及びその製造方法 - Google Patents

金属ハニカム触媒ユニット及びその製造方法

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JP2002282708A
JP2002282708A JP2001097045A JP2001097045A JP2002282708A JP 2002282708 A JP2002282708 A JP 2002282708A JP 2001097045 A JP2001097045 A JP 2001097045A JP 2001097045 A JP2001097045 A JP 2001097045A JP 2002282708 A JP2002282708 A JP 2002282708A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面が疎水性の金属ハニカム担体をそのまま
用いて触媒を担持させても、担持した触媒が脱離し難い
金属ハニカム触媒ユニット及びその製造方法を提供する
こと。 【解決手段】 本発明に係る金属ハニカム触媒ユニット
は、金属ハニカム担体の表面に、親水性樹脂及び無機バ
インダー固化物を含む表面処理層と、触媒、前記無機バ
インダー固化物及び有機バインダー固化物を含む触媒担
持層とがこの順に形成されているものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒が強固に担持
された金属ハニカム触媒ユニット及びその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ペーパーコルゲートハニカム担体は、従
来よりオゾン分解触媒等の種々の触媒の担体として広く
用いられている。ペーパーコルゲートハニカム担体は、
その構造上強度が高く触媒担持量を多くでき且つ圧力損
失が小さいため好ましい。これらペーパーコルゲートハ
ニカム担体は、通常セラミックペーパー等の無機繊維の
不織布を無機バインダー等の接着剤で固定して形成され
る。
【0003】しかし、近年、触媒の用いられる装置の小
型化、高性能化等により、より強度が高く圧力損失が小
さいペーパーコルゲートハニカム担体が望まれている。
このため、セラミックペーパーの代替材料が種々検討さ
れており、アルミ箔等の金属箔や金属板の使用が試みら
れている。すなわち、アルミ箔等の金属箔は金属箔がセ
ラミックペーパーに比べて強度が高いため、セラミック
ペーパーよりも厚みを薄くでき、圧力損失を小さくする
ことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属箔
や金属板は、製造段階において圧延する際に油脂等の有
機物が付着するため、表面が撥水性を示す。一方、ハニ
カム担体への触媒の担持方法としては、一般的に、ハニ
カム担体を金属酸化物等の触媒の水性スラリーに浸漬さ
せた後に乾燥することが行われている。このため、金属
箔等の表面が撥水性を示すと、水性スラリーが担体に馴
染まずハニカム担体への触媒の担持量が少なくなるため
好ましくない。従って、金属箔等を担体として用いる場
合には金属箔の表面をアセトン等で脱脂する等により清
浄にする必要があるが、このような作業を行うとコスト
がかさむと共にハニカム担体を接着している有機接着剤
が溶け出してハニカム担体の強度も低下するため金属ハ
ニカム担体の実用化の障害の一因になっていた。また、
例え金属箔の表面を脱脂して親水性を付与したとして
も、金属箔表面とこれに担持される触媒との接着性は十
分でなく、触媒が表面から脱落し易いという問題があっ
た。さらに、金属箔等はセラミックペーパー等と異なり
繊維間の空隙がなく極めて平滑性に富むため、スラリー
浸漬後に乾燥して触媒を金属箔等の表面に担持させても
触媒が表面から脱落し易いという問題もあった。
【0005】従って、本発明の目的は、表面が疎水性の
金属ハニカム担体をそのまま用いて触媒を担持させて
も、担持した触媒が脱離し難い金属ハニカム触媒ユニッ
ト及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者は鋭意検討を行った結果、金属ハニカム担体を、
親水性樹脂バインダー及び無機バインダーを含む表面処
理液と接触させた後に乾燥し、次いで、触媒、前記無機
バインダー及び有機バインダーを含む触媒担持スラリー
と接触させた後に乾燥すると、疎水性及び親水性のいず
れの金属箔等の表面にも親水性樹脂及び無機バインダー
固化物からなる親水性表面が形成され、さらに、生成し
た触媒が該無機バインダー固化物及び有機バインダー固
化物により金属ハニカム担体上に強固に担持されること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、金属ハニカム担体の
表面に、親水性樹脂及び無機バインダー固化物を含む表
面処理層と、触媒、前記無機バインダー固化物及び有機
バインダー固化物を含む触媒担持層とがこの順に形成さ
れていることを特徴とする金属ハニカム触媒ユニットを
提供するものである。
【0008】また、本発明は、金属ハニカム担体を、親
水性樹脂バインダー及び無機バインダーを含む表面処理
液と接触させた後に乾燥し、次いで触媒、前記無機バイ
ンダー及び有機バインダーを含む触媒担持スラリーと接
触させた後に乾燥することを特徴とする金属ハニカム触
媒ユニットの製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る金属ハニカム触媒ユ
ニットは、金属ハニカム担体を構成する金属板の表面に
親水性の表面処理層を形成し、さらに該表面処理層上に
触媒担持層を形成したものである。本発明において金属
板とは実質的に板状の金属材料全てを含む意味で用い、
通常の金属板を含む他、より厚さの薄い金属箔をも含む
意味で用いる。金属板の厚さとしては、例えば、通常
0.1mm以下、好ましくは10μm 〜0.05mmのもの
が挙げられる。金属板の材質としては、特に限定され
ず、例えば、アルミニウム、白金、ステンレス、銅等が
挙げられるが、このうちアルミニウムであると、軽量
で、加工性がよく、硬さ、厚さの種類が豊富で、且つ、
安価であるため好ましい。
【0010】本発明で用いられる金属ハニカム担体は、
平板状金属板と波形状金属板とが交互に積層されてなる
ものである。このうち、波形状金属板は、平板状金属板
をコルゲート加工してなるものであり、金属板の面内の
一方向に波が進行するように凹凸が形成されたものであ
る。本発明においてコルゲート加工とは平板状物を波形
状物に加工することを意味し、例えば、噛合部分が凹凸
形状をなす一組のロール間に平板状物を通す加工方法を
いう。
【0011】金属ハニカム担体は、上記平板状金属板と
波形状金属板とが交互に積層され、この積層が固定され
てなるものである。この積層を固定する手段としては、
接着剤が用いられる。該接着剤としては、特に限定され
ないが、例えば、シリカゾル、アルミナゾル、チタニア
ゾル、セメント等の無機系接着剤;アクリル樹脂系接着
剤、酢酸ビニル樹脂系接着剤等の熱可塑性樹脂系接着
剤;エポキシ樹脂系接着剤等の熱硬化性樹脂系接着剤が
挙げられる。これら接着剤は、上記のものを1種又は2
種以上組み合わせて用いることができる。また、接着剤
には無機フィラーが配合されていてもよい。接着剤に用
いられる無機フィラーとしては、特に限定されない。
【0012】本発明に係る金属ハニカム触媒ユニット
は、金属ハニカム担体の表面に、表面処理層及び触媒担
持層がこの順に形成されてなるものである。本発明にお
いて表面処理層とは、金属ハニカム担体の表面を親水性
樹脂バインダー及び無機バインダーを含む表面処理液と
接触させた後に乾燥して得られる層であり、層中に親水
性樹脂及び無機バインダー固化物を含む。本発明におい
て親水性樹脂とは、カルボニル基、アミノ基、スルホン
基、カルボキシル基等の親水基を有する樹脂をいい、例
えば、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ユリア
メラミン樹脂等が挙げられる。また、無機バインダー固
化物としては、例えば、アルミナゾル、コロイダルシリ
カ、チタニアゾル等の無機バインダーが水分の除去等に
より固化したものが挙げられる。
【0013】表面処理層は、通常、層中に親水性樹脂を
5〜80重量%、無機バインダー固化物を20〜95重
量%含み、好ましくは親水性樹脂を10〜50重量%、
無機バインダー固化物を50〜90重量%含む。親水性
樹脂及び無機バインダー固化物の含有量が該範囲内にあ
ると、表面処理層が金属板及び触媒担持層と強固に結合
してそれぞれの界面が剥離し難くなり、また、表面処理
層が厚くなりすぎないため好ましい。
【0014】また、表面処理層中にさらに無機フィラー
が含まれると、触媒の担持量を増やす効果があるため好
ましい。このような無機フィラーとしては、例えば、ア
ルミナ、シリカ、活性炭等が挙げられる。無機フィラー
は、平均粒径が、通常0.01〜10μm 、好ましくは
0.01〜5μm である。平均粒径が該範囲内にあると
触媒の乗りがよくなって触媒を保持し易くなるため好ま
しい。
【0015】表面処理層に無機フィラーが含まれる場
合、通常、層中に親水性樹脂を5〜70重量%、無機バ
インダー固化物を10〜75重量%及び無機フィラーを
20〜85重量%含み、好ましくは親水性樹脂を10〜
50重量%、無機バインダー固化物を20〜60重量%
及び無機フィラーを30〜70重量%含む。なお、表面
処理層中には、親水性樹脂、無機バインダー固化物及び
無機フィラー以外にも、例えば、触媒、活性炭等が含ま
れていてもよい。
【0016】表面処理層の厚さは、通常5〜100μm
、好ましくは10〜50μm である。層の厚さが該範
囲内にあると、触媒スラリーとの接着性を保持しつつ、
圧力損失を小さく抑えられるため好ましい。
【0017】上記表面処理層は親水基と疎水基の両方を
有する親水性樹脂を含むため、油等の有機物が付着して
いる金属板の表面及び清浄な表面の両方に対して親水性
樹脂中の疎水基により強固に接着しており、一方触媒の
担持の際に接触する触媒担持スラリーに対しても親水性
樹脂中の親水基によってよく馴染む。また、上記表面処
理層は後述する触媒担持層と同様の無機バインダー固化
物を含むため、触媒担持層とも強固に接着する。
【0018】本発明に係る金属ハニカム触媒ユニットで
は、表面処理層の上に触媒担持層が形成される。本発明
において触媒担持層とは、表面処理層が形成された金属
ハニカム担体を、触媒、前記無機バインダー及び有機バ
インダーを含む触媒担持スラリーと接触させた後に乾燥
した結果、表面処理層上に形成される層であり、層中に
触媒、無機バインダー固化物及び有機バインダー固化物
を含む。
【0019】本発明で用いられる触媒としては特に限定
されないが、例えば、MnO2 、活性炭、MnO2 とC
uOとの複合酸化物等のオゾン分解触媒や、MnO2
CuOとCo2 3 との複合酸化物等の脱臭触媒等が挙
げられる。また、触媒担持層で用いられる無機バインダ
ー固化物は、表面処理層で用いたものと同一のものが挙
げられる。有機バインダー固化物としては、例えば、ア
クリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ブタジエンラテッ
クス、スチレン系樹脂、酢酸ビニル樹脂、SBRラテッ
クス等の樹脂又はこれらのエマルジョンからなる有機バ
インダーが水分の除去等により固化したものが挙げられ
る。
【0020】触媒担持層は、通常、層中に触媒を80〜
95重量%、無機バインダー固化物を2〜19.9重量
%及び有機バインダー固化物を0.1〜4重量%含み、
好ましくは触媒を80〜90重量%、無機バインダー固
化物を7〜19.5重量%及び有機バインダー固化物を
0.5〜3重量%含む。触媒、無機バインダー固化物及
び有機バインダー固化物の含有量が該範囲内にあると、
触媒の性能が保持された状態で触媒が強固に担持され触
媒の脱落が発生し難くなると共に、触媒担持層が表面処
理層と強固に結合して界面が剥離し難くなるため好まし
い。また、触媒担持層の厚さは、通常10〜200μm
、好ましくは50〜150μm である。層の厚さが該
範囲内にあると、触媒の性能が保持された状態で触媒が
強固に担持され触媒の脱落が発生し難くなり、圧力損失
が高くなりすぎず、且つ、触媒担持層が表面処理層と強
固に結合するため好ましい。
【0021】本発明に係る金属ハニカム触媒ユニット
は、金属ハニカム担体が無機バインダー固化物で被覆さ
れるため耐水性が向上する。また、本発明に係る金属ハ
ニカム触媒ユニットは、表面処理層の無機バインダー固
化物と触媒担持層の無機バインダー固化物とで触媒が強
固に担持されるため、表面処理層中の親水性樹脂や触媒
担持層中の有機バインダー固化物が、触媒や処理ガス等
により劣化しても、粉落ちが非常に少ない。
【0022】次に本発明に係る金属ハニカム触媒ユニッ
トの製造方法について説明する。該方法は、金属ハニカ
ム担体を、親水性樹脂バインダー及び無機バインダーを
含む表面処理液と接触させた後に乾燥し、次いで触媒、
前記無機バインダー及び有機バインダーを含む触媒担持
スラリーと接触させた後に乾燥するものである。
【0023】本発明に係る金属ハニカム触媒ユニットの
製造方法では、まず、金属ハニカム担体を親水性樹脂バ
インダー及び無機バインダーを含む表面処理液と接触さ
せた後に乾燥することにより、金属ハニカム担体を構成
する金属板の表面上に表面処理層を形成する。本発明で
用いられる表面処理液は、親水性樹脂バインダー及び無
機バインダーを含む液状物である。本発明において親水
性樹脂バインダーとは、上記本発明に係る金属ハニカム
触媒ユニットで用いられる親水性樹脂を含む接着剤であ
り、具体的には、例えば、カルボニル基、アミノ基、ス
ルホン基、カルボキシル基等の親水基を有する、ポリエ
ステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ユリアメラミン樹脂
等の樹脂接着剤又はこれらのエマルジョン接着剤が挙げ
られる。また、本発明で用いられる無機バインダーは、
上記本発明に係る金属ハニカム触媒ユニットで用いられ
る無機バインダー固化物の固化前のセラミックスゾルで
あり、例えば、アルミナゾル、コロイダルシリカ、チタ
ニアゾル等が挙げられる。
【0024】表面処理液は、通常、親水性樹脂バインダ
ーの樹脂分を0.5〜10重量%、無機バインダーの固
形分を1〜20重量%含み、好ましくは親水性樹脂バイ
ンダーの樹脂分を2〜7重量%、無機バインダーの固形
分を5〜15重量%含む。親水性樹脂バインダーの樹脂
分及び無機バインダーの固形分の含有量が該範囲内にあ
ると、得られる表面処理層が金属板及び触媒担持層と強
固に結合してそれぞれの界面が剥離し難くなるため好ま
しい。
【0025】また、表面処理液にさらに無機フィラーが
含まれると、1回の含浸で担持できる触媒担持量が多く
なるため好ましい。このような無機フィラーとしては、
上記本発明に係る金属ハニカム触媒ユニットで用いられ
る無機フィラーと同様のものが挙げられる。表面処理液
にさらに無機フィラーが含まれる場合、表面処理液は、
通常、親水性樹脂バインダーの樹脂分を0.5〜10重
量%、無機バインダーの固形分を1〜20重量%及び無
機フィラーを1〜40重量%含み、好ましくは親水性樹
脂バインダーの樹脂分を3〜7重量%、無機バインダー
の固形分を5〜15重量%及び無機フィラーを20〜3
0重量%含む。親水性樹脂バインダーの樹脂分、無機バ
インダーの固形分及び無機フィラーの含有量が該範囲内
にあると、得られる表面処理層が金属板及び触媒担持層
と強固に結合してそれぞれの界面が剥離し難くなると共
に、金属ハニカム担体中に含浸し易いスラリーとなり、
さらに後述の触媒担持スラリーの含浸の回数が例えば1
回のように少ない回数でも多量の触媒を担持し易い表面
状態を形成するため好ましい。
【0026】表面処理液のスラリー濃度は、通常10〜
50%、好ましくは25〜45%である。スラリー濃度
が10%未満であると表面処理層が金属板表面に十分に
担持されないため、またスラリー濃度が50%を越える
と増粘して表面処理液の流動性が低下して含浸できなく
なるため好ましくない。なお、表面処理液中には、親水
性樹脂バインダー、無機バインダー及び無機フィラー以
外にも、例えば、消泡剤、分散剤等の助剤が含まれてい
てもよい。
【0027】本発明において表面処理液は親水基と疎水
基の両方を有する親水性樹脂バインダーを含むため、油
等の有機物が付着している金属板の表面及び清浄な表面
の両方に対して親水性樹脂中の疎水基により強固に接着
し、乾燥することにより金属板の表面と強固に接着した
表面処理層が得られる。また、該表面処理層中に親水基
が含まれるため、触媒担持スラリーと接触してもよく馴
染む。
【0028】金属ハニカム担体を表面処理液と接触させ
た後に乾燥する場合、その乾燥温度は、通常60〜20
0℃、好ましくは100〜140℃である。乾燥温度が
200℃を越えると、親水性樹脂が劣化するおそれがあ
るため好ましくない。該乾燥により、金属ハニカム担体
の表面に表面処理層が形成される。
【0029】次いで、触媒、前記無機バインダー及び有
機バインダーを含む触媒担持スラリーと接触させた後に
乾燥することにより、表面処理層上に触媒担持層を形成
する。本発明で用いられる触媒担持スラリーは、触媒、
前記無機バインダー及び有機バインダーを含むスラリー
である。本発明で用いられる触媒としては、200℃以
上の加熱処理を必要としないものが挙げられ、上記本発
明に係る金属ハニカム触媒ユニットで用いられる触媒と
同様のものが挙げられる。無機バインダーとしては、上
記表面処理液で用いられる無機バインダーと同様のもの
が挙げられる。無機バインダーは、特に、表面処理液で
用いたものと同一のものを用いると、表面処理層と触媒
担持層との間で層間の結合が強固になるため好ましい。
【0030】本発明で用いられる有機バインダーは、上
記本発明に係る金属ハニカム触媒ユニットで用いられる
有機バインダー固化物の固化前の樹脂又はそのエマルジ
ョンであり、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系
樹脂、ブタジエンラテックス、スチレン系樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂、SBRラテックス等の樹脂又はこれらのエマ
ルジョンが挙げられる。このように触媒担持スラリーに
有機バインダーを配合することにより、触媒担持スラリ
ーと表面処理層中の親水性樹脂との馴染みがよくなり層
間で剥離し難くなると共に、触媒が強固に担持され脱落
し難くなるため好ましい。
【0031】触媒担持スラリーは、通常、触媒を5〜5
0重量%、無機バインダーの固形分を1〜10重量%及
び有機バインダーの固形分を0.2〜8重量%含み、好
ましくは触媒を10〜40重量%、無機バインダーの固
形分を2〜8重量%及び有機バインダーの固形分を0.
5〜3重量%含む。触媒、無機バインダーの固形分及び
有機バインダーの固形分の含有量が該範囲内にあると、
触媒性能を保持したまま粉落ちを防ぐことができる。
【0032】また、触媒担持スラリーのスラリー濃度
は、通常10〜60%、好ましくは20〜40%であ
る。スラリー濃度が10%未満であると触媒担持層が十
分に形成されないため、またスラリー濃度が60%を越
えると増粘し触媒担持スラリーの流動性が低下してセル
が目詰まりを起こし易いため好ましくない。
【0033】本発明において触媒担持スラリーは触媒と
共に前記表面処理層の形成に用いたのと同様の無機バイ
ンダー及び有機バインダーを用いるため、同様の無機バ
インダーの固化物及び親水性樹脂を含む表面処理層と強
固に接着した触媒担持層が得られ、金属ハニカム担体と
の界面で剥離し難く、触媒が強固に担持され脱落し難
い。
【0034】表面処理された金属ハニカム担体を触媒担
持スラリーと接触させた後に乾燥する場合、その乾燥温
度は、通常60〜200℃、好ましくは100〜140
℃である。乾燥温度が200℃を越えると、親水性樹脂
が劣化するおそれがあるため好ましくない。該乾燥によ
り、表面処理層の表面に触媒担持層が形成される。
【0035】本発明に係る金属ハニカム担体触媒ユニッ
トは、コピー機等に用いられるオゾンフィルター、冷蔵
庫やトイレ脱臭機などに用いられる脱臭フィルター等に
使用できる。
【0036】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0037】実施例1 厚さ0.03mmのアルミ箔をコルゲート加工するもの
と、コルゲート加工しないものとに分け、コルゲート加
工するものを、上下一対の波形段ロールの間に通してコ
ルゲート状アルミ箔とした。得られたコルゲート状アル
ミ箔の山部にポリエステル系熱可塑性樹脂のエマルジョ
ン(商品名アロンメルト、東亜合成株式会社製、樹脂分
30重量%)を塗布した後、該コルゲート状アルミ箔を
コルゲート加工しない平板状アルミ箔と共に190℃に
加熱した段ロールに通した。このコルゲート状アルミ箔
は、段ロールを通過する0.2秒の間に段ロールの山部
においてエマルジョンの水分が蒸発すると共にポリエス
テル樹脂が溶融し、この状態でコルゲート加工していな
い平坦状アルミ箔と共に0.5MPa で加圧し、段ロール
の通過後に自然冷却することにより接着して、コルゲー
ト状アルミ箔と平坦状アルミ箔とがコルゲート状アルミ
箔の山部で接着され一体化されたアルミ箔(アルミハニ
カム基本構造体)を得た。このアルミハニカム基本構造
体を長さ170mmに切断し、コルゲート状アルミ箔の山
部にアクリル樹脂系接着剤を塗布して複数積層し、乾燥
して、170mm×170mm×210mmのアルミハニカム
構造体を得た。得られたアルミハニカム構造体は、波形
コルゲートのピッチが2.0mm、セル高さが0.8mmで
あった。次に、このアルミハニカム構造体を厚さ10mm
に切断して、十分な強度を有する170mm×170mm×
10mmの平板状のアルミハニカム構造体を得た。得られ
た平板状のアルミハニカム構造体を上記と同様のポリエ
ステル系熱可塑性樹脂のエマルジョンを10重量部(樹
脂分として3重量部)、固形分30重量%のコロイダル
シリカを20重量部(固形分として6重量部)、水90
重量部からなる表面処理液に浸漬し、引き揚げた後11
0℃で1時間乾燥した。乾燥後の平板状のアルミハニカ
ム構造体を、オゾン分解触媒としてMnO2 18重量
部、固形分30重量%のコロイダルシリカを14重量部
(固形分として4.2重量部)、アクリル樹脂系エマル
ジョン(商品名アクロナール、BASFディスパージョ
ン株式会社製、樹脂分30重量%)4重量部(樹脂分と
して1.2重量部)及び水64重量部からなる触媒担持
スラリーに浸漬し、引き揚げた後140℃で1時間乾燥
した。得られたオゾン分解フィルターは、ポリエステル
系熱可塑性樹脂の固化物を30重量%、コロイダルシリ
カの固化物を70重量%含む表面処理層が厚さ30μm
に形成されると共に、MnO2 を80重量%、コロイダ
ルシリカの固化物を18重量%、アクリル樹脂を2重量
%含む触媒担持層が厚さ150μm に形成されていた。
また、得られたオゾン分解フィルターについて粉落ち具
合を調べたところ、粉落ち量はオゾン分解フィルター1
L 当たり0.02g 以下であり、非常に少なかった。粉
落ち具合は以下のようにして調べた。 (粉落ち具合の測定方法)オゾン分解フィルターを、高
さ100mmからプラスチック板に10回落下させたとき
の、オゾン分解フィルターから脱落した粉の重量の合計
量を測定した。これを3つの試料について測定し、平均
値を求めた。
【0038】比較例1 平板状のアルミハニカム構造体を、表面処理液に浸漬、
乾燥しなかった以外は、実施例1と同様にしてオゾン分
解フィルターの作製を試みた。しかし、平板状のアルミ
ハニカム構造体の表面が、触媒担持スラリーをはじいた
ため、触媒を担持することができなかった。
【0039】比較例2 実施例1の触媒担持スラリーに代えて、オゾン分解触媒
としてMnO2 18重量部及び水82重量部からなる触
媒担持スラリーを用いた以外は、実施例1と同様にして
オゾン分解フィルターを作製した。得られたオゾン分解
フィルターについて、実施例1と同様に粉落ち具合を調
べたところ、粉落ち量はオゾン分解フィルター1L 当た
り5.0g 以上であり、多かった。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る金属ハニカム触媒ユニット
によれば、触媒が金属ハニカム担体に強固に結合したも
のとなる。また、本発明に係る金属ハニカム触媒ユニッ
トの製造方法によれば、表面が疎水性の金属ハニカム担
体をそのまま用い、特段の表面処理をすることなく触媒
を担持させても、担持した触媒が脱離し難い金属ハニカ
ム触媒ユニットが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D048 AA12 AA22 AB03 BA28X BA41X BB02 4G069 AA03 AA08 BA02B BB04B BC62B CA01 CA10 CA16 CA17 DA05 EA11 EA20 FA04 FB15 FB17 FB23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属ハニカム担体の表面に、親水性樹脂
    及び無機バインダー固化物を含む表面処理層と、触媒、
    前記無機バインダー固化物及び有機バインダー固化物を
    含む触媒担持層とがこの順に形成されていることを特徴
    とする金属ハニカム触媒ユニット。
  2. 【請求項2】 前記表面処理層が、さらに無機フィラー
    を含むことを特徴とする請求項1記載の金属ハニカム触
    媒ユニット。
  3. 【請求項3】 前記金属ハニカム担体がアルミハニカム
    担体であることを特徴とする請求項1又は2記載の金属
    ハニカム触媒ユニット。
  4. 【請求項4】 金属ハニカム担体を、親水性樹脂バイン
    ダー及び無機バインダーを含む表面処理液と接触させた
    後に乾燥し、次いで触媒、前記無機バインダー及び有機
    バインダーを含む触媒担持スラリーと接触させた後に乾
    燥することを特徴とする金属ハニカム触媒ユニットの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記表面処理液が、さらに無機フィラー
    を含むことを特徴とする請求項4記載の金属ハニカム触
    媒ユニットの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記金属ハニカム担体がアルミハニカム
    担体であることを特徴とする請求項4又は5記載の金属
    ハニカム触媒ユニットの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005270714A (ja) * 2004-03-23 2005-10-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 排ガス浄化材及びその製造方法
JP2017534448A (ja) * 2014-10-30 2017-11-24 ビーエーエスエフ コーポレーション 空気供給源中に存在するオゾン及び揮発性有機化合物を処理するための卑金属触媒
JP2018500158A (ja) * 2014-12-17 2018-01-11 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. フィルタエレメントおよびフィルタエレメントを含むガス浄化装置

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