JP2002282677A - 水中油型乳化組成物及びその製造方法 - Google Patents

水中油型乳化組成物及びその製造方法

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dissolved
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Toshiki Mori
俊樹 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生分解性のよい水溶性多糖類を用
いて、十分な増粘安定性と糸曵きのない良好な使用感を
有する水中油型乳化組成物を得る。 【解決手段】 親油性界面活性剤の1種又は2種
以上を溶解した油相中に、ゲル化能を有する多糖類の1
種又は2種以上の水溶液又は水分散液を分散して油中水
型乳化物を調製し、次いでその内水相をゲル化して成る
マイクロゲルを水相中に分散して転相させ、水中油型乳
化組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゲル化能を有する
多糖類により形成されるマイクロゲルを水相中に分散し
て得られる、十分な増粘安定性と糸曵きのない良好な使
用感を有する水中油型乳化組成物、及びその調製方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】化粧料や医薬品分野で基剤もしくは担体
として汎用される水中油型乳化組成物においては、乳化
安定性や使用性,感触等の向上を目的として、種々の増
粘剤が用いられている。かかる増粘剤としては、カルボ
キシビニルポリマー等のビニル系水溶性高分子化合物
や、キサンタンガム,グルコマンナン,ガラクトマンナ
ン,カラギーナン等の水溶性多糖類が従来より用いられ
ている。
【0003】カルボキシビニルポリマー等のビニル系水
溶性高分子化合物は、増粘効果が高く、使用性及び耐微
生物性にも優れるが、生分解性が低く、また高分子化合
物製品中に残留する溶媒により悪影響が生じることがあ
った。それゆえ、環境に配慮すれば、水溶性多糖類を用
いることが好ましいが、水溶性多糖類については、増粘
性が不十分で、多量に用いると糸曵きが生じたり、ぬめ
り感が出て使用感を損なうという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明において
は、生分解性のよい水溶性多糖類を用いて、十分な増粘
安定性と糸曵きのない良好な使用感を有する水中油型乳
化組成物を得ることを目的とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するべく
種々検討した結果、親油性界面活性剤の1種又は2種以
上を溶解した油相中に、ゲル化能を有する多糖類の1種
又は2種以上の水溶液又は水分散液を分散して油中水型
乳化物を調製し、次いでその内水相をゲル化して形成さ
れるマイクロゲルを水相中に分散したとき、転相により
水中油型乳化組成物が得られ、その乳化組成物が良好な
増粘安定性と、糸曵きのない優れた使用感を有すること
を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において用いるゲル化能を
有する多糖類としては、キサンタンガム、もしくはこれ
とローカストビーンガム,タラガム,グアーガム等のガ
ラクトマンナン又はコンニャクマンナン等のグルコマン
ナンとの混合物、カラギーナン、もしくはこれと前記ガ
ラクトマンナンとの混合物、カードラン、ジェランガ
ム、アルギン酸、デンプン、カルボキシメチルデンプ
ン、カルボキシメチルセルロース、ペクチン、寒天、タ
マリンド種子多糖類(グリロイド)、ゼラチン等が挙げ
られ、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。
【0007】上記したゲル化能を有する多糖類をゲル化
させる方法としては、その種類により異なるが、かかる
多糖類の水溶液を60℃又は80℃以上に加熱した後冷
却したり、アルカリ性水溶液に溶解した後中和したり、
マグネシウムイオン,カルシウムイオンといった二価の
陽イオンを添加したりする方法が挙げられる。
【0008】本発明に係る水中油型乳化組成物は、親油
性界面活性剤の1種又は2種以上を溶解した油相中に、
上記したゲル化能を有する多糖類の1種又は2種以上の
水溶液又は水分散液を分散して、まず油中水型乳化物を
調製し、次いで、上記したように加熱及び冷却処理又は
塩を添加することにより、前記油中水型乳化物の内水相
をゲル化してマイクロゲルとした後、水相中に分散して
転相させることにより得ることができる。ゲル化能を有
する多糖類の1種又は2種以上は、水又は熱水もしくは
希アルカリ水溶液に溶解又は分散させる。これら水溶液
又は水分散液におけるゲル化能を有する多糖類の濃度
は、用いる多糖類の種類により異なるが、0.5〜3.
0重量%又は(w/v)%程度とするのが取扱いの上で好ま
しい。また、前記水溶液又は水分散液には、ゲル化能を
有する多糖類の水溶性又は水分散性に影響を与えない範
囲で、防腐剤や、プルラン等のゲル化安定化作用を有す
る物質などを添加することができる。
【0009】本発明においては、親油性界面活性剤とし
て、HLB値が8以下の非イオン性界面活性剤を用いる
ことが好ましい。かかる非イオン性界面活性剤として
は、ソルビタンモノパルミチン酸エステル,ソルビタン
モノステアリン酸エステル,ソルビタンセスキステアリ
ン酸エステル,ソルビタントリステアリン酸エステル,
ソルビタンモノオレイン酸エステル,ソルビタンセスキ
オレイン酸エステル,ソルビタントリオレイン酸エステ
ル,ソルビタンモノイソステアリン酸エステル,ソルビ
タンセスキイソステアリン酸エステル等のソルビタン脂
肪酸エステル類、グリセリルモノミリスチン酸エステ
ル,グリセリルモノステアリン酸エステル,グリセリル
モノオレイン酸エステル,グリセリルモノイソステアリ
ン酸エステル,ジグリセリルモノステアリン酸エステ
ル,ジグリセリルモノオレイン酸エステル等のグリセリ
ル又はジグリセリル脂肪酸エステル類、プロピレングリ
コールモノラウリン酸エステル,プロピレングリコール
モノステアリン酸エステル等のプロピレングリコール脂
肪酸エステル類、エチレングリコールモノステアリン酸
エステル,ジエチレングリコールモノステアリン酸エス
テル,ポリオキシエチレン(4E.O.)モノステアリン酸エ
ステル,ジエチレングリコールモノオレイン酸エステル
等のエチレングリコール又はポリエチレングリコール脂
肪酸エステル類、ポリオキシエチレン(2E.O.)ラウリル
エーテル,ポリオキシエチレン(4.2E.O.)ラウリルエー
テル,ポリオキシエチレン(2E.O.)パルミチルエーテ
ル,ポリオキシエチレン(2E.O.)オレイルエーテル等の
ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエ
チレン(2E.O.)ノニルフェニルエーテル,ポリオキシエ
チレン(5E.O.)ノニルフェニルエーテル,ポリオキシエ
チレン(3E.O.)オクチルフェニルエーテル等のポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエ
チレン(3E.O.)ヒマシ油,ポリオキシエチレン(10E.O.)
ヒマシ油,ポリオキシエチレン(5E.O.)硬化ヒマシ油,
ポリオキシエチレン(7.5E.O.)硬化ヒマシ油,ポリオキ
シエチレン(10E.O.)硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレ
ンヒマシ油又は硬化ヒマシ油類などが挙げられ、これら
より1種又は2種以上を選択して用いる。
【0010】本発明において、上記親油性界面活性剤の
1種又は2種以上を溶解する油相成分としては、化粧料
及び医薬品用の油性原料として提供されているものであ
れば、特に限定されることなく用いることができる。た
とえば、アボカド油,アルモンド油,オリーブ油,ゴマ
油,コムギ胚芽油,コメ胚芽油,コメ糠油,サザンカ
油,サフラワー油,大豆油,ツバキ油,トウモロコシ
油,ナタネ油,パーシック油,ヒマシ油,ヒマワリ油,
マカデミアナッツ油,綿実油,落花生油,ミンク油,卵
黄油,カカオ脂,パーム油,パーム核油,モクロウ,ヤ
シ油,牛脂,豚脂,硬化油,硬化ヒマシ油等の動植物油
脂類、ミツロウ,カルナウバロウ,鯨ロウ,ラノリン,
液状ラノリン,還元ラノリン,硬質ラノリン,カンデリ
ラロウ,ホホバ油等のロウ類、流動パラフィン,ワセリ
ン,パラフィン,オゾケライト,セレシン,マイクロク
リスタリンワックス,スクワラン,プリスタン等の炭化
水素油類、ラウリルアルコール,ミリスチルアルコー
ル,パルミチルアルコール,ステアリルアルコール,ベ
ヘニルアルコール,オレイルアルコール,2-ヘキシルデ
カノール,イソステアリルアルコール,2-オクチルドデ
カノール等の高級脂肪酸類、コレステロール,フィトス
テロール等のステロール類、ラノリンアルコール等の高
級アルコール・ステロール混合物、ミリスチン酸イソプ
ロピル,パルミチン酸イソプロピル,ステアリン酸ブチ
ル,ラウリン酸ヘキシル,ミリスチン酸ミリスチル,オ
レイン酸オレイル,オレイン酸デシル,ミリスチン酸オ
クチルドデシル,ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル,
乳酸パルミチル,乳酸ミリスチル,酢酸ラノリン,リン
ゴ酸ジイソステアリル,トリ2-エチルヘキサン酸グリセ
リル,トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパ
ン,トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン等の
エステル類などが好ましいものとして挙げられ、これら
より1種又は2種以上を選択して用いる。
【0011】上記油相成分には、ゲル化能を有する多糖
類の1種又は2種以上の水溶液又は水分散液を分散た際
の乳化安定性に影響を与えない範囲で、油溶性ビタミン
類、油溶性抗酸化剤、油溶性紫外線吸収剤、油溶性防腐
剤、疎水化処理粉体、油溶性色素などの一般的な化粧料
用及び医薬品用原料を含有させることができる。
【0012】本発明に係る水中油型乳化組成物を得る際
には、形成されるマイクロゲルの平均粒子径が0.1〜
100μmとなるようにすることが好ましい。前記平均
粒子径が0.1μmより小さいと有効な増粘効果が認め
られず、100μmより大きいと、これを分散して得た
乳化組成物を使用したとき、粒子としての感触が出てし
まい、ざらついた使用感を与えるため好ましくない。
【0013】本発明に係る水中油型乳化組成物を得る
際、内水相をマイクロゲルとした油中水型乳化物を分散
する水相には、エタノール等の低級アルコール類、1,3-
ブタンジオール,1,2-ペンタンジオール,グリセリン等
の多価アルコール類、アミノ酸類、水溶性ビタミン類、
細胞賦活剤、美白剤、動植物抽出物、水溶性抗酸化剤、
水溶性紫外線吸収剤、防腐剤、粉体、色素類などを添加
することができる。
【0014】本発明に係る水中油型乳化組成物は、乳剤
又は乳液として提供される液状のものから、クリームと
して提供されるペースト状もしくは固形状のものまで、
種々の剤型とすることができる。また、本発明に係る水
中油型乳化組成物は、一度調製した後、さらに水性担体
により希釈することにより、その粘度又は硬度を調整す
ることもできる。
【0015】
【実施例】さらに本発明の特徴について、実施例により
詳細に説明する。
【0016】[実施例1〜実施例3] 液状水中油型乳
化組成物 表1中のA成分を混合,溶解して均一とし、85℃とす
る。これに、80℃に加熱したB成分を加えてホモミキ
サーにて撹拌して油中水型乳化物とし、これを50℃ま
で冷却してマイクロゲルを形成させる。次いで、あらか
じめ混合し、50℃に加温して均一としたC成分を加え
てホモミキサーで撹拌し、液状の水中油型乳化組成物を
得る。
【0017】
【表1】
【0018】[実施例4〜実施例6] 液状水中油型乳
化組成物 表2中のA成分を混合,溶解して均一とし、70℃とす
る。これに、70℃に加熱したB成分を加えてホモミキ
サーにて撹拌して油中水型乳化物とし、これを50℃ま
で冷却してマイクロゲルを形成させる。次いで、あらか
じめ混合し、50℃に加温して均一としたC成分を加え
てホモミキサーで撹拌し、液状の水中油型乳化組成物を
得る。
【0019】
【表2】
【0020】[実施例7,実施例8] 液状水中油型乳
化組成物 表3中のA成分を混合,溶解して均一とし、85℃とす
る。これに、80℃に加熱したB成分を加えてホモミキ
サーにて撹拌して油中水型乳化物とし、これにC成分を
添加してマイクロゲルを形成させる。次いで、あらかじ
め混合し、50℃に加温して均一としたD成分を加えて
ホモミキサーで撹拌して転相させた後、あらかじめ混
合,溶解したE成分を加えて、液状の水中油型乳化組成
物を得る。
【0021】
【表3】
【0022】 [実施例9] クリーム状水中油型乳化組成物 (1)ショ糖モノステアリン酸エステル 1.5(重量%) (2)スクワラン 10.0 (3)ミツロウ 1.0 (4)ステアリルアルコール 1.0 (5)キサンタンガム(1.0重量%水溶液) 2.0 (6)コンニャクグルコマンナン 8.0 (1.0重量%水溶液) (7)トリグリセリルモノラウリン酸エステル 1.0 (8)精製水 30.0 (9)グリセリン 5.0 (10)1,3-ブタンジオール 10.0 (11)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (12)精製水 30.4 製法:(1)〜(4)を混合,加熱溶解して均一とし、85℃
とする。これに、(5),(6)を混合し、80℃に加熱して
加え、ホモミキサーにて撹拌して油中水型乳化物とし、
これを50℃まで冷却してマイクロゲルを形成させる。
次いで、(7)を(8)に溶解し、50℃に加温して加え、ホ
モミキサーで撹拌して転相させ、次いで(9)〜(12)を混
合,溶解して添加し、クリーム状の水中油型乳化組成物
を得る。
【0023】 [実施例10] クリーム状水中油型乳化組成物 (1)ショ糖モノステアリン酸エステル 1.5(重量%) (2)スクワラン 6.0 (3)アボカド油 1.0 (4)ホホバ油 1.0 (5)ミツロウ 1.0 (6)ベヘニルアルコール 1.0 (7)ペクチン(1.0重量%水溶液) 20.0 (8)塩化カルシウム(10.0重量%水溶液) 2.0 (9)ヘキサグリセリルモノラウリン酸エステル 1.0 (10)精製水 30.0 (11)グリセリン 5.0 (12)1,2-ペンタンジオール 10.0 (13)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (14)精製水 20.4 製法:(1)〜(6)を混合,加熱溶解して均一とし、85℃
とする。これに、(7)を80℃に加熱して加え、ホモミ
キサーにて撹拌して油中水型乳化物とし、(8)を添加し
てマイクロゲルを形成させる。次いで、(9)を(10)に溶
解し、50℃に加温して加え、ホモミキサーで撹拌して
転相させ、次いで(11)〜(14)を混合,溶解して添加し、
クリーム状の水中油型乳化組成物を得る。
【0024】上記実施例1〜実施例8については、25
℃における粘度を測定し、糸曵きの有無を観察した。そ
の際、次に示す比較例1〜比較例3についても、同時に
粘度測定及び糸曵きの観察を行った。結果は表4に示し
た。なお、糸曵きの有無については、「○;糸曵きが認
められない」,「△;糸曵きが若干認められる」,
「×;糸曵きが顕著に認められる」として表した。
【0025】 [比較例1] 液状水中油型乳化組成物 (1)ソルビタンイソステアリン酸エステル 1.0(重量%) (2)スクワラン 5.0 (3)ステアリルアルコール 1.0 (4)トリグリセリルモノラウリン酸エステル 1.0 (5)グリセリン 2.0 (6)1,3-ブタンジオール 6.0 (7)キサンタンガム(1.0重量%水溶液) 5.0 (8)コンニャクグルコマンナン 5.0 (1.0重量%水溶液) (9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (10)精製水 73.9 製法:(1)〜(3)の油相成分を混合,加熱溶解して85℃
とする。一方、(4)〜(10)を混合,加熱溶解して80℃
とし、これに前記油相を加えてホモミキサーにて撹拌し
て乳化し、冷却する。
【0026】 [比較例2] 液状水中油型乳化組成物 (1)ソルビタンイソステアリン酸エステル 1.0(重量%) (2)スクワラン 5.0 (3)ステアリルアルコール 1.0 (4)トリグリセリルモノラウリン酸エステル 1.0 (5)グリセリン 2.0 (6)1,3-ブタンジオール 6.0 (7)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (8)精製水 73.9 (9)ジェランガム(1.0重量%水溶液) 10.0 製法:(1)〜(3)の油相成分を混合,加熱溶解して85℃
とする。一方、(4)〜(8)を混合,加熱溶解して80℃と
し、これに前記油相を加えてホモミキサーにて撹拌して
乳化し、冷却する。次いで、50℃にて(9)を添加し、
均一に混合する。
【0027】 [比較例3] 液状水中油型乳化組成物 (1)ペンタグリセリルジイソステアリン酸エステル 1.0(重量%) (2)イソパルミチルオクタン酸エステル 5.0 (3)ステアリルアルコール 1.0 (4)ショ糖モノラウリン酸エステル 1.0 (5)アルギン酸ナトリウム 10.0 (1.0重量%水溶液) (6)精製水 30.0 (7)グリセリン 3.0 (8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (9)精製水 48.9 製法:(1)〜(3)の油相成分を混合,加熱溶解して75℃
とする。一方、(4)〜(6)を混合,加熱溶解して75℃と
し、これに前記油相を加えてホモミキサーにて撹拌して
乳化し、冷却する。次いで、(7)〜(9)を混合したものを
50℃にて添加し、均一に混合する。
【0028】また、本発明の実施例1〜実施例10につ
いて、5℃,25℃及び40℃における製剤安定性を評
価した。その際、上記比較例1〜比較例3、及び下記比
較例4についても、同時に評価を行った。製剤安定性の
評価は、実施例及び比較例の各試料を前記各温度にて3
カ月間静置し、粘度や硬度の変化、相分離や凝集物,析
出物の出現といった状態の変化を観察して行い、「○;
前記状態の変化が認められない」,「△;前記状態の変
化がわずかに認められる」,「×;前記状態の変化が顕
著に認められる」として、表5に示した。
【0029】 [比較例4] クリーム状水中油型乳化組成物 (1)ショ糖モノステアリン酸エステル 1.5(重量%) (2)スクワラン 10.0 (3)ミツロウ 1.0 (4)ステアリルアルコール 1.0 (5)トリグリセリルモノラウリン酸エステル 1.0 (6)キサンタンガム(1.0重量%水溶液) 2.0 (7)コンニャクグルコマンナン 8.0 (1.0重量%水溶液) (8)精製水 30.0 (9)グリセリン 5.0 (10)1,3-ブタンジオール 10.0 (11)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (12)精製水 30.4 製法:(1)〜(4)の油相成分を混合,加熱溶解して均一と
し、85℃とする。一方、(5)〜(8)の水相成分を混合
し、80℃に加熱する。これに前記油相成分を加え、ホ
モミキサーにて撹拌して乳化し、冷却した後、50℃に
て(9)〜(12)を混合,溶解して添加する。
【0030】
【表4】
【0031】表4より明らかなように、本発明の実施例
1〜実施例8については良好な増粘が得られており、糸
曵きも認められなかった。これに対し、水溶性多糖類を
水相に添加して、従来の方法により乳化した比較例1と
比較例3においては、増粘は認められたものの、顕著な
糸曵きが見られていた。また、水溶性多糖類を乳化した
後に添加した比較例2においては、十分な増粘が認めら
れず、若干の糸曵きが見られていた。
【0032】
【表5】
【0033】また表5より明らかなように、本発明の実
施例1〜実施例10については、いずれの温度において
も、製剤の状態変化は全く認められなかった。これに対
し、水溶性多糖類を水相に添加して、従来の方法により
乳化したクリーム状の水中油型乳化物である比較例4に
おいては、各温度で状態の変化が認められていた。
【0034】なお、本発明の実施例1〜実施例10につ
いては、生分解性は良好で、経口毒性試験,皮膚貼付試
験においても、何ら問題となる毒性又は刺激性は認めら
れなかった。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、生
分解性のよい水溶性多糖類を用いて、十分な増粘安定性
と糸曵きのない良好な使用感を有する水中油型乳化組成
物を得ることができた。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C076 AA17 DD08F DD34 DD37 DD38 DD46F EE30G FF16 FF17 GG41 4C083 AA082 AA122 AB051 AB052 AB342 AC022 AC072 AC112 AC122 AC422 AC442 AC482 AD211 AD212 AD222 AD272 AD302 AD352 BB03 BB13 DD33 4G035 AB40 4G065 AA01 AA05 AB03X AB05Y AB07Y AB11X AB12X AB35Y BA01 BA06 BB06 BB08 CA04 CA20 DA02 FA01 FA03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親油性界面活性剤の1種又は2種以上を
    溶解した油相中に、ゲル化能を有する多糖類の1種又は
    2種以上の水溶液又は水分散液を分散して成る油中水型
    乳化物の内水相をゲル化して形成させたマイクロゲル
    を、水相中に分散することにより得られる水中油型乳化
    組成物。
  2. 【請求項2】 親油性界面活性剤の1種又は2種以上を
    溶解した油相中に、ゲル化能を有する多糖類の1種又は
    2種以上の水溶液又は水分散液を分散して油中水型乳化
    物を調製し、次いでその内水相をゲル化してマイクロゲ
    ルを形成させた後、水相中に分散して転相させることを
    特徴とする、水中油型乳化組成物の調製方法。
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JP2008528516A (ja) * 2005-01-26 2008-07-31 インターナショナル フローラ テクノロジーズ,リミテッド 局所製剤に使用するための親水性ビーズ
JP2009102281A (ja) * 2007-10-25 2009-05-14 Shiseido Co Ltd 水中油型乳化化粧料
JP2021167291A (ja) * 2020-04-13 2021-10-21 信越化学工業株式会社 水性固体ゲル球状粒子の分散体及びその製造方法
US11365371B2 (en) * 2017-04-03 2022-06-21 Obshestvo S Ogranichennoi Otvetstvennost'u “Biomicrogeli” Use of polysaccharide microgels in detergents

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