JP2002281705A - モータの巻線方法とその巻線を使用したモータ - Google Patents

モータの巻線方法とその巻線を使用したモータ

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JP2002281705A
JP2002281705A JP2001075795A JP2001075795A JP2002281705A JP 2002281705 A JP2002281705 A JP 2002281705A JP 2001075795 A JP2001075795 A JP 2001075795A JP 2001075795 A JP2001075795 A JP 2001075795A JP 2002281705 A JP2002281705 A JP 2002281705A
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Hiroyoshi Toyoshima
弘祥 豊島
Mayumi Yamabayashi
真由美 山林
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘキサ巻の2重巻線の巻線方法を供すること
を目的とする。 【解決手段】 巻線を巻枠に一番下に巻回して相に相当
する巻線数だけ(相の総巻数の約半分)巻回すると、巻
始めの位置にバックし、その上に巻回して、下側と上側
を一つの相の巻線とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータの巻線方法
とその巻線を使用したモータ、そのモータを使用したO
A機器、医療機器、携帯端末機器、記録媒体駆動装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のOA機器や医療機器や通信端末な
どに使用されるコアレスモータは振動用ペジャーに代表
されるように小型軽量の要求があり、各社小型のモータ
を開発発売してきている。そのなかで、最近携帯端末機
器の通話待機時間の長時間化のために、効率の良いモー
タが必要とされてきている。またOA機器などの省エネ
ルギー化の一環としてモータ効率の優れたモータの要求
がある。
【0003】そうしたモータの要求になか、コアレスモ
ータに使用されるヘキサ巻の巻線への期待が高くなり、
コアレスモータでは多層巻方法などとられている。また
コア付モータでもコアレスモータに使用する巻線を使用
したスロットレスコア付モータが医療分野やマイクロマ
シン分野や特殊環境で使用され始めている。
【0004】まず、従来のコアレスモータのヘキサ巻線
を説明するにあたって、コアレスモータに使用される3
つの巻線方法を説明する。ヘキサ巻は3つの巻線のうち
の1つである。
【0005】コアレスモータの巻線方法は大別して以下
の3つがある。(図29) (1)ヘキサ巻 (図29(a)) (2)菱形巻 (図29(b)) (3)ハネカム巻(図29(c)) まず、ヘキサ巻は別名六角巻やコダック方式巻と呼ばれ
ている。巻線は自己融着線から形成され、加熱等によっ
て巻線の被膜同士が融着固着されて成形される。中空円
筒のヘキサ巻は円筒軸方向に巻線の一部が揃うので、ト
ルク発生に寄与する円筒軸方向の直線導体部(平行部)
が円筒の巻線の中央部に存在し、磁極の受ける力は有効
に回転トルクに働くのでヘキサ巻は3つの巻線方式で一
番効率が良い。平行部の両脇には傾斜部が形成されてい
る。電池駆動のモータではモータの効率が良い方式を採
用し、消費電流の低減を実現する必要があるので、携帯
端末機器のコアレスモータはヘキサ巻がほとんどであ
る。
【0006】ヘキサ巻の欠点は加工に多くの手間がかか
り作業性が悪い。
【0007】次に、菱形巻は別名マクソン方式巻と呼ば
れて、ヘキサ巻の亜流に考えられている。トルクに寄与
する円筒軸方向の直線導体部(平行部)がなく、全体が
傾斜した導体部(傾斜部)となっているので、巻線の利
用効率がヘキサ巻に比べて悪く、最近のモータの小型
化、高効率化に際しては、あまり好ましい巻線工法では
なくなってきている。
【0008】また、ハネカム巻は別名ファールハーバ方
式巻とも呼ばれている。ハネカム巻も菱形巻と同様にト
ルクに寄与する円筒軸方向の直線導体部がなく、ヘキサ
巻に比べて巻線の利用効率が悪い。
【0009】コアレスモータの巻線を多重巻にする方法
として、特許登録2820372号公報や特許登録28
93228号公報が知られている。
【0010】特許登録2820372号公報では、従来
例にあるようにハネカム巻における、多重巻である。そ
の内容は2極Δ結線において、線材の巻始めから240
°の位置に第1タップ、さらに240°の位置に第2タ
ップ、さらに240°の位置に第3タップであるように
した巻線であるので、巻線をロール巻にして順方向に巻
回していって多重巻にする方法であり、巻初め位置から
第1タップまでは240°であるが、第2タップは1周
まわるので480−360=120°の位置に第2タッ
プは位置し、その位置から240°であれば、巻終わり
は巻始めの位置と一致し、その位置で第3タップを構成
することで、3つのタップが形成されて、巻線は2重に
形成されることになる。タップ間は120°ごとにある
が、接続された巻線では240°ごとに接続されてい
る。
【0011】特許登録2893228号公報では、本文
から巻線はヘキサ巻で説明がなされている。この巻線方
法は巻線がブロックごとに分かれ、それを決まった間隔
ずらしてカーリングしていく巻線方法で多層巻をする方
法が記載されている。もう少し詳しく説明すれば、巻線
ブロックには巻始めのタップと中間タップと巻終わりの
タップとがあり、その3つのタップが形成された巻線を
1つの巻線ブロックとし、巻線ブロック同士は別々の部
品として製作されている。この巻線ブロックを4つ使用
する場合はこの巻線ブロックを90°ごとにずらしてい
き、巻線のタップ位置が重なるように巻線ブロックのタ
ップ間隔を決めた巻線ブロックを作成する。4つの巻線
ブロックで多重巻線を作成する場合はタップ間隔は90
°である。
【0012】ブラシレスモータとして、多重巻線の例と
して特許登録3002927号公報がある。特許登録3
002927号公報は特許登録2893228号公報の
ブラシレスモータの巻線方法と考えればいいが、特許登
録2893228号公報の場合は巻線としてはタップが
4以上に対して限定されているが、特許登録30029
27号公報では巻線としてのタップは3つでもよい。こ
の巻線として3つのタップの場合について説明する。
【0013】特許登録3002927号公報では、本文
から巻線はヘキサ巻で説明がなされている。この巻線方
法も巻線がブロックごとに分かれ、それを決まった間隔
をずらしてカーリングしていく巻線方法で多層巻をする
方法が記載されている。巻線ブロックには巻始めのタッ
プと中間タップと巻終わりのタップとがあり、その3つ
のタップが形成された巻線を1つの巻線ブロックとして
いる。巻線ブロックのタップ間は120°である。この
巻線ブロックを120°ごとにずらしていくと、巻線の
タップ位置が重なり、1つの巻線ブロックの上に別の巻
線ブロックが重なることで、多重巻線の巻線ができる。
この巻線を固定側の外枠(ケース)の内側に配置し、巻
線の内側には回転可能なマグネットを配置したブラシレ
スモータができる。
【0014】コア付の巻線での多重巻きは、スロットレ
スのコアに、上記コアレス用巻線を使用するスロットレ
スコア付モータで使用されるが、この場合だけの巻線に
ついて限定した従来例はあまりなく、コアレスモータの
巻線方法を製作した巻線を使用することになる。
【0015】一般にコアレスモータの巻線で知られてい
る巻線をコア付きモータに使用した例はあまりない。そ
うしたスロットレスコア付モータは一般のスロット形状
コア付きモータの方が発生トルクが大きいために、特殊
な用途に限定されて使用されている。コアをスロットレ
スのコア形状にして、脈動の少ない用途、たとえば、医
療機器、精密計測機器などに使用されている。
【0016】そのようなコアレスモータの巻線で知られ
ている巻線をコア付きモータでは印加電圧も低く、巻線
の巻線方式としてはΔ結線が多い。Y結線は大きなモー
タで特殊な仕様のモータに使用されるだけで、ほとんど
Δ結線である。この理由として、Y結線では巻線を1カ
所に結束する必要があるので、コアがついていると作業
的にも邪魔になる。したがって、巻線の方法をΔ結線に
して、巻線の端末がすべて外周部で処理することに適し
ている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】一般的にコア付きモー
タに比べて、コアレスモータやスロットレスのコア付き
モータはエネルギー効率が悪いので、効率の改善が必要
である。その効率改善として、最近の携帯電話の振動用
モータなどに使用されているヘキサ巻の巻線を多重巻線
にする。
【0018】ヘキサ巻には、加工に多くの工程があり、
加工作業性があまり良くない。いろいろな点で、作業効
率を向上させる工夫がなされている。ヘキサ巻線には巻
回作業、テープ仮固定作業、平プレス(平板状プレス)
作業、カーリング作業、アニール作業というようにかな
り工数がかかる内容になっている。ヘキサ巻で特性を向
上しつつ、巻線作業工程の作業安定性について工夫が行
われてきている。本発明では特に多重巻線方法について
の課題解決を行う。
【0019】課題を解決するには、上記従来例のヘキサ
巻の巻線作業工程について、もう少し詳しく説明する必
要がある。1層のヘキサ巻の巻線方法について、以下に
説明する。
【0020】巻回作業を説明する。ヘキサ巻をする場
合、六角形の巻枠(マンドレルともいう)81に整列に
巻線を巻回する(図30参照)。
【0021】(1)巻線の巻始め端82を巻枠の一カ所
に固定する。
【0022】(2)つぎに、第一相の巻線部83を巻始
め端の際から巻始める。
【0023】(3)第一相巻線部83の端までいくと、
巻枠の開き角の箇所における角部に端子部84を形成す
る。
【0024】(4)続いて、第二相の巻線部85を第一
相の巻線部83の際から巻線開始し、所定数巻回して、
第二相の巻線部85を作成する。
【0025】(5)第二相の巻線部85の端に、巻線端
子部84側の巻枠の開き角の箇所と同じ側の角部に端子
部86を形成する。
【0026】(6)つぎに、第三相の巻線部87を第二
相の巻線部85の際から巻線開始し、所定巻数を巻回し
て第三の巻線部87を作成する。
【0027】(7)さらに、その巻線の巻終わり端末線
88はコイルボビンから切断する。
【0028】次にテープ仮固定作業について説明する
(図31参照)。巻枠に巻回した状態で、巻崩れ防止の
ためにテープで仮固定する。その状態で、その六角形の
巻枠から抜き取る。この巻枠は六角形であり、断面が六
角形の形状を保ったまま、1/100〜1/1000の
テーパとなっている。
【0029】次に、平プレス(平板状)作業について説
明する。巻枠から抜き取った巻線の六角形の一対対向面
を巻枠軸方向に倒して、平板状にする。その際の一対の
対向面とは前記のテープが貼られている面であるよう
に、倒す面を決める。
【0030】さらに、カーリング作業について説明す
る。その平板状にした巻線をカーリング棒(成形棒、棒
ともいう)に巻き付ける。その際カーリング成形した外
周にテープを巻き付ける。このテープを巻き付けること
で、カーリング棒から取り出した時に、カーリング成形
後の巻線の成形外径が安定に保たれる上に、ばらつきが
小さなものになる。また、次工程でのアニール作業での
作業性が向上するうえに、作業上での断線などの不具合
の発生がなくなる。
【0031】次に、アニール作業について説明する。カ
ーリング成形した状態の巻線では、加熱して成形を強固
なものにする。巻線は自己融着線を使用しているので、
加熱することで巻線同士が融着するので巻き崩れしな
い。前工程で使用したテープ関係で、さらに強度的にも
強固なものになる。
【0032】以上の工程によって円筒状の巻線が出来上
がる。
【0033】ハネカム巻であり、円筒状の巻枠を傾斜を
付けながら巻くために、巻始めに戻ることは巻線のテン
ションで張力を受けて巻かれたものが、逆に力が働くの
でほどけやすくなるなど作業上の問題があるため実際に
は不可能に近い。特許登録2820372号公報での巻
線方法はハネカム巻であり、順送りに巻線を形成してい
きロール状に巻線を構成するものであって、ハネカム巻
であることによるモータ効率の向上があまり期待できな
い。
【0034】多重巻であってもヘキサ巻にした場合に一
番モータ特性が良いので、多重巻でも特許登録3002
927号公報の巻線方法の方が良いことになる。しか
し、特許登録3002927号公報では、巻線をブロッ
クごとにしている。各巻線ブロックにはタップが3つあ
る。3つの巻線ブロックで構成する多重巻線を考える
と、図32のように平プレス巻線の上下に巻線が存在す
るのは斜線部と平行部の一部である。巻線の形成数を○
の中の数字であらわすと、、が存在する。巻線ブロ
ックが120°ずれているので、3つの巻線ブロックを
1つの巻線としてレイアウトすると、上下の巻線の別々
の巻線としてカウントすれば、図33に示すように巻線
の形成数を○の中の数字であらわすと、、、、
などの数字が存在し、3つの平プレスを平面上に重ねた
時には均一な巻線形成数になっていない。しかし円筒形
状にすれば、どの箇所もになる。このブロックを重ね
ていく方法はずらし角度がばらつくと形成数が場所によ
って異なるために局部的に巻線の厚みが異なることがあ
るという課題がある上に、タップ線が9本もあるものを
3本に接続するなど作業的に課題がある。
【0035】一般の1重のヘキサ巻では巻線形成数はど
の場所でもである。平プレス時の巻線ではカールして
あわせるために巻線形成数がの箇所であるが、カール
するとその箇所が重なって、巻線形成数はすべてにな
る。
【0036】上記課題をかんがみて、多重巻であって、
タップ数が少なく、巻線形成数はどの場所も均一になっ
ている巻線方法を提供する。
【0037】
【課題を解決するための手段】モータのサイズが決定し
たなかでモータ特性を向上させるのは、ヘキサ巻での円
筒軸方向の直線導体部の長さを長くできれば可能であ
る。平フォーミングした平板状の巻線の幅はモータサイ
ズから決定しているので、傾斜部の巻線部の占める割合
を下げる必要がある。傾斜部の幅寸法が短くなるように
巻枠の開き角を大きくすることで、効率の向上を行う。
【0038】それ以外には、巻線の導体数を増やすこと
である。この方法には、従来例に示すようにいろいろな
方法がある。
【0039】本発明は、上記目的を達成するためのう
ち、巻線方法で巻線形成数が同じになる1重巻きに着目
し、ヘキサ巻の長所短所を考慮して、多重巻線方法に繋
がる工程に工夫を盛り込むことにした。
【0040】巻線を巻枠に巻回するときに、相ごとに積
層することを主眼にして、巻線品質を検討した。
【0041】すなわち、巻線を巻枠に一番下に巻回して
相に相当する巻線数だけ(相の総巻数の約半分)巻回す
ると、巻始めの位置にバックする。バックする巻線を渡
り線とすると、渡り線を (1)1ターン程度で巻回方向は同じで巻回バックす
る。 (2)平行部(直線導体部)に相当する位置をバックす
る。 方法のうちいずれかの手段をとる。
【0042】また、渡り線の開始位置は (1)巻枠の開角の位置(プレスの折り返し位置) (2)平行部と傾斜部の境界 (3)平行部 などがある。
【0043】渡り線を保持するために (1)巻線を引っ掛けるための部位を設ける。 (2)巻枠を分割する。
【0044】また、多重巻線の巻線方法で作成したモー
タについても、その巻線にあわせてモータの部位を工夫
することで特性が向上する。
【0045】スロット付きコア付きモータは巻線をコア
に巻回し、コアの外径からはみ出さないために、モータ
のサイズ検討の場合にコアなどの変更をしなくても良い
が、ヘキサ巻のような円筒状の巻線の場合は、巻線の出
来上がり寸法によって、部材の寸法を変更しなくてはな
らない。
【0046】スロットレスのコア付のモータに、上記円
筒状巻線を使用するにあたって、モータの効率を向上さ
せるために、 (1)モータのマグネットと巻線とのギャップを狭くす
る。 (2)巻線の傾斜部に相当する部分のコアの外径を小さ
くする。 (3)巻線のアニール工程の際にモータコアを使用す
る。
【0047】ヘキサ巻線には巻回作業、テープ仮固定作
業、平プレス作業、カーリング作業、アニール作業とい
うようにかなり工数がかかる内容になっている。ヘキサ
巻で特性を向上しつつ、巻線作業工程の作業安定性につ
いて工夫が行われてきている。
【0048】コアレスモータと相対するモータとしてコ
ア付モータがあるが、このコア付きモータのうち、コア
レスモータに使用する巻線を使用したコア付きモータが
ある。特開平7−99751号公報に示されるように、
このモータのコアは円筒状に巻線の内部円筒部に構成さ
れる円筒コアであるので、スロットレスモータである。
このスロットレスモータはスロットがないためにコギン
グトルク変動がないなどの特徴があり、振動の発生を嫌
う製品に使用されている。コアレスモータのように低電
圧での起動には好適でないので、携帯電話の振動用モー
タなどにはあまり使用されない。
【0049】このスロットレスのコア付きモータは一般
のスリット付きのモータに比べて、発生トルクが小さい
ために使用されることが少ないが、振動を嫌う医療用機
器のモータや特殊環境の計測機器用モータとして使用さ
れつつある。また、省エネルギーの観点から、効率の向
上が必要になりつつある。
【0050】スロットレスのコア付きモータの場合でも
巻線はヘキサ巻線などが使用される。したがって、コア
レスモータの巻線と同様にヘキサ巻線での特性向上が必
要となる。
【0051】本発明は、上記目的を達成するためのう
ち、巻線の工程で特性の向上に繋がる工程に工夫を盛り
込むことにした。
【0052】モータのサイズが決定したなかでモータ特
性を向上させるのは、ヘキサ巻での円筒軸方向の直線導
体部の長さを長くできれば可能である。平フォーミング
した平板状の巻線の幅はモータサイズから決定している
ので、傾斜部の巻線部の占める割合を下げる必要があ
る。傾斜部の幅寸法が短くなるように巻枠の開き角を大
きくすることで、効率の向上を行う。
【0053】直線部を長くするためには、傾斜部の幅寸
法を短くすることであるが、平プレスする過程で、傾斜
部が伸びてしまい、巻枠の傾斜部の幅寸法より長くな
る。その傾斜部の伸び分を考慮して軸方向直線導体部の
長さを決定することになる。
【0054】この傾斜部の伸び分が小型モータでは、特
性に及ぼす影響が大きいので、伸びを規制して平プレス
することで比較的長い直線導体部が得られる。
【0055】以上を簡単にまとめると、ヘキサ巻の円筒
状巻線を製作する巻線装置について、 (1)巻枠を分割する。 (2)巻枠の開き角を120°以上にする。
【0056】その項目を1つ以上盛り込むことで、従来
にない巻線が可能となり、この巻線装置で作成された巻
線を使用したモータはモータ特性を向上させることがで
きる。
【0057】スロットレスのコア付のモータに、上記円
筒状巻線を使用するにあたって、モータの効率を向上さ
せるために、 (1)モータのマグネットと巻線とのギャップを狭くす
る。 (2)巻線の傾斜部に相当する部分のコアの外径を小さ
くする。 (3)コアと巻線との絶縁に電着塗装膜を使用する。 (4)コアと巻線との絶縁に真空蒸着重合膜を使用す
る。 (5)巻線のアニール工程の際にモータコアを使用す
る。
【0058】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、六角形状の巻線を巻層する巻線用巻枠を使用して製
作するモータの巻線において、巻枠の一番下に下側の巻
線を巻回して相に相当する巻線数だけ(相の総巻数の約
半分)巻回すると、相の巻始めの位置にバックし、その
上に上側の巻線を巻回(相の総巻数の残り約半分)し
て、下側の巻線と上側の巻線を一つの相の巻線として、
順次、相数だけ同一巻枠に巻回してなる巻線を、平プレ
スして、ヘキサ巻線の円筒状形成した巻線方法としたも
のであり、従来の巻線装置を工夫することで、2重巻線
が可能であるうえに、巻枠などの特別な長さのものは必
要なく、設備的にも高価にならない。さらに、各相が連
続した2重巻線であって、各相ごとに端子処理部(タッ
プ等)が形成され、タップ数が少なくタップ処理が容易
であるうえに、1つの平プレス巻線として形成できると
いう作用を有する。
【0059】請求項2に記載の発明は、六角形状の巻線
を巻層する巻線用巻枠を使用して製作するモータの巻線
において、巻枠の一番下に下側の巻線を巻回して相に相
当する巻線数だけ(相の総巻数の約半分)巻回すると、
相の巻始めの位置にバックし、その上に上側の巻線を巻
回(相の総巻数の残り約半分)して、下側の巻線と上側
の巻線を一つの相の巻線として形成する時の、相の巻始
めの位置にバックする渡り線が、巻回方向が同じで数タ
ーンにてなされ、順次、相数だけ同一巻枠に巻回してな
る巻線においても渡り線が巻回方向が同じで数ターンで
なされたことが特徴の請求項1記載のヘキサ巻線の円筒
状形成した巻線方法としたものであり、渡り線を相ごと
に形成し、上側巻回巻線と下側巻回巻線の間にその渡り
線を形成することができる。その渡り線は巻回回転方向
を同じにして数ターンで下側巻線の巻終わりから巻始め
の位置までバックするので、巻線装置をマンドレルの回
転方向を逆転することもなくでき、渡り線をたるませる
こともなくバックすることができるという作用を有す
る。
【0060】請求項3に記載の発明は、六角形状の巻線
を巻層する巻線用巻枠を使用して製作するモータの巻線
において、巻枠の一番下に下側の巻線を巻回して相に相
当する巻線数だけ(相の総巻数の約半分)巻回すると、
相の巻始めの位置にバックし、その上に上側の巻線を巻
回(相の総巻数の残り約半分)して、下側の巻線と上側
の巻線を一つの相の巻線として形成する時の、相の巻始
めの位置にバックする渡り線が、平プレスするときの平
行部に構成され、順次、相数だけ同一巻枠に巻回してな
る巻線においても渡り線が、平プレスするときの平行部
に構成されたことが特徴の請求項1記載のヘキサ巻線の
円筒状形成した巻線方法としたものであり、渡り線を相
ごとに形成し、上側巻回巻線と下側巻回巻線の間にその
渡り線を形成し、平プレスするときに形成される平行部
に渡り線が設けることができる。その渡り線は平行部に
形成できるので、平プレスしたときの平ブレス圧が作用
しにくいので、断線などの不安もなく信頼性の高い巻線
が可能であるという作用を有する。
【0061】請求項4に記載の発明は、六角形状の巻線
を巻層する巻線用巻枠を使用して製作するモータの巻線
において、巻枠の一番下に下側の巻線を巻回して相に相
当する巻線数だけ(相の総巻数の約半分)巻回すると、
相の巻始めの位置にバックし、その上に上側の巻線を巻
回(相の総巻数の残り約半分)して、下側の巻線と上側
の巻線を一つの相の巻線として、順次、相数だけ同一巻
枠に巻回してなる巻線を、平プレスして、ヘキサ巻線の
円筒状形成した巻線方法であって、巻始めに巻枠に仮巻
をしてタップを形成してから、相巻を開始し、相ごとに
タップを形成し、巻終わりには相としてのタップ終了後
に仮巻を施した請求項1記載の巻線方法としたものであ
り、仮巻部を設けて端子処理部(タップ)を各相ごとに
同じ形態で形成することができるうえに、巻始めや巻終
わりの線処理が安定できるので、巻回作業での巻線不良
が少なくなるという作用を有する。
【0062】請求項5に記載の発明は、六角形状の巻線
を巻層する巻線用巻枠を使用して製作するモータの巻線
において、巻枠の一番下に下側の巻線を巻回して相に相
当する巻線数だけ(相の総巻数の約半分)巻回すると、
相の巻始めの位置にバックし、その上に上側の巻線を巻
回(相の総巻数の残り約半分)して、下側の巻線と上側
の巻線を一つの相の巻線として、順次、相数だけ同一巻
枠に巻回してなる巻線を、平プレスして、ヘキサ巻線の
円筒状形成した巻線方法であって、巻始めに巻枠に巻始
め線を預けて、相巻を開始し、相ごとにタップを形成
し、相の最後に巻終わり線で形成し、巻始め線と巻終わ
り線を円筒形成時に重ねてひとつのタップに形成できる
ようにした請求項1記載の巻線方法としたものであり、
仮巻部の形成なく巻回するので、仮巻による巻線の重な
りがなく、小型の円筒の巻線に適用できる。さらには、
巻終わり線と巻始め線を一つの端子処理部とすること
で、2重巻線の円筒形状の巻線を容易に作ることができ
るという作用を有する。
【0063】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
巻線方法で製作された巻線としたものであり、各相が連
続した2重巻線であって、各相ごとに端子処理部(タッ
プ等)が形成され、タップ数が少なくタップ処理が容易
であるうえに、1つの平プレス巻線として形成できるの
で、上記請求の巻線方法で容易に2重巻線が形成できる
という作用を有する。
【0064】請求項7に記載の発明は、巻枠の一番下に
下側の巻線を巻回して相に相当する巻線数だけ(相の総
巻数の約半分)巻回して、相の巻始めの位置にバック
し、その上に上側の巻線を巻回(相の総巻数の残り約半
分)して、下側の巻線と上側の巻線を一つの相の巻線と
して、順次、相数だけ同一巻枠に巻回してなる2重巻線
を、平プレスして、円筒状形成したヘキサ巻線をスロッ
トレスコア付きモータの巻線に使用したことが特徴のス
ロットレスコア付きモータとしたものであり、2重巻線
を使用することで、モータ特性のよいスロットレスコア
付きモータができるという作用を有する。
【0065】請求項8に記載の発明は、円筒状の巻線を
絶縁された円形断面のコアの外周に配置したスロットレ
スコア付きモータにおいて、円筒状の巻線の平行部に相
当するコアの範囲が円筒形状のある円筒部を形成し、円
筒状の巻線の傾斜部に相当するコアの範囲は円筒部の端
面からコア端面まで外径が減少する径減少円形断面形状
部を円筒部の両側に構成したことが特徴の請求項7記載
のスロットレスコア付きモータとしたものであり、円筒
状の巻線の平行部と傾斜部の巻線厚みが異なるために、
コアの径を巻線の厚みにあわせて変えることによってコ
アの外周に巻線を配置した時の上記コアを使用してコア
巻線組立体にしたとき巻線がコアに密着するので、コア
巻線組立体の外径が場所によって大きく違わないように
なる。そのためにマグネットとのギャップが全体的に均
一に確保できるので、モータの特性がより向上できる。
またコアの端部が径が減少する径減少円形断面形状部で
あるので、傾斜部の巻線が複数層になれば端にいくほど
平行部の影響を受けなくなるので巻線厚みが端ほど厚く
なる。その巻線の厚みの変化に対して、コアに密着した
状態でコアの外周に配置することができるという作用を
有する。
【0066】請求項9に記載の発明は、巻枠の一番下に
下側の巻線を巻回して相に相当する巻線数だけ(相の総
巻数の約半分)巻回して、相の巻始めの位置にバック
し、その上に上側の巻線を巻回(相の総巻数の残り約半
分)して、下側の巻線と上側の巻線を一つの相の巻線と
して、順次、相数だけ同一巻枠に巻回してなる2重巻線
を、平プレスして、円筒状形成したヘキサ巻線をモータ
の巻線に使用したことが特徴のコアレスモータとしたも
のであり、ヘキサ巻の2重巻線を使用したコアレスモー
タができ、コアレスモータの特性がより向上できるとい
う作用を有する。
【0067】請求項10に記載の発明は、六角形状の巻
線を巻層する巻線用巻枠を使用して製作するモータの巻
線において、連続して一つの巻枠に巻回したn相(n=
3以上、正の整数)巻線であって、各相が下側巻線と渡
り線と上側巻線で巻回されて形成され、前記渡り線は下
側巻線の巻終わりから巻始めまでバックした巻線であっ
て、下側巻線と上側巻線の間に構成され、各相の両側に
はタップが形成されていて、タップ数はn+1であっ
て、円筒状に成形した巻線でははじめのタップと終わり
のタップを重ねて一つのタップとして、円周状にn個タ
ップを配置させ、またそのタップは等分に配置されてい
て、隣り合うタップ間で巻線の相を構成したことが特徴
の巻線としたものであり、巻回巻線を平プレスして円筒
状の巻線にした場合、隣り合うタップ間で巻線の相が構
成されているので、360°の円周長さの平プレス巻線
でn相の2重巻線が作成でき、平プレス長さの短いn相
2重巻線が容易にできるという作用を有する。
【0068】請求項11から請求項14に記載の発明
は、本願発明のモータを使用することにより、よりすぐ
れた特性のOA機器や医療機器や携帯端末機器及び記録
媒体駆動装置を得られるものである。
【0069】
【実施例】以下本発明の実施例について、図面を参照し
て説明する。
【0070】(実施例1)図1は本発明の実施例であ
り、ヘキサ巻における巻枠片の実施例である。ヘキサ巻
をするにあたって、従来の巻枠は実軸のものであるが、
本実施例の巻枠は分割タイプの巻枠の一片である。図1
において、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は
左側面図である。図2は図1に示す分割タイプの巻枠片
をセットした時の巻枠の断面説明図である。
【0071】図1、図2において、1は巻枠、2は傾斜
部を示し、aは巻枠の開き角、bは巻枠の開き幅、cは
巻枠の傾斜部厚み、dは巻枠の平行部厚み、eは巻枠間
隔、gは巻枠の隙間である。
【0072】図1に示す巻枠は開き角aの角度をもち、
巻枠の開き幅bで規定されるまで傾斜部が構成されるた
め、図2に示すように巻枠の傾斜部厚みcは巻枠の開き
角aと巻枠の開き幅bによって設定される。次式関係に
なる。
【0073】
【数1】
【0074】巻枠の開き幅bについては、巻線の仕様か
ら設計的に求められる値である。
【0075】図2のように分割タイプの巻枠片を2個用
いて巻線の巻枠とすると、従来の六角形の実軸巻枠を分
割して、2つの分割タイプの巻枠を合わせて、巻線用の
1つの巻枠にしたようなイメージであるが、2つの巻枠
による断面は実軸状態にはならない。すなわち、図2に
示すように隙間gのある状態で巻枠を配置構成してい
る。巻枠間隔eは平プレスフォーミング(または、平プ
レス、平フォーミングという)した状態の長さより短く
設定されている。この設定量は巻線装置の調整の際に決
定されるので、実軸状態にしてしまうと、巻枠間隔eを
調整することが簡単にはできないためである。巻枠間隔
eを調整することが巻線設定作業の中では多いので、分
割タイプの巻枠の場合は隙間gを変えることで可能とな
る。したがって、分割タイプの巻枠は調整が容易である
が、従来例のような実軸タイプの巻枠の場合は隙間gに
相当するものがないので巻枠間隔の調整はできない。こ
のことが分割タイプの巻枠の大きな特徴の一つである。
【0076】本発明の巻線方法について以下のような作
業工程で説明していく。従来例で説明したように巻回作
業、テープ仮固定作業、平プレス作業、カーリング作
業、アニール作業の順序となる。ただし、実施例とは作
業内容が異なっている。
【0077】図3〜図7は分割タイプの巻枠を使用した
巻線巻回工程を説明する図である。巻回作業は、2重に
巻回する作業を説明している。3相のヘキサ巻の巻線工
程例で説明する。
【0078】作業手順は以下のようである。
【0079】(1)巻線の巻始め端3を巻枠の一カ所に
固定して、巻回作業の際でも巻線のテンションによって
巻線がほどけないように固定する。
【0080】(2)巻線の巻始め端の固定処理が終われ
ば、まず、一周程度巻枠に仮巻し、仮巻部4を形成す
る。
【0081】(3)続いて、端子部5(タップともい
う)を巻枠の開き角度の角部に作成する。この端子部5
を第1タップとする(図3)。
【0082】(4)第一相の巻線部6の下側巻線7をそ
の仮巻部4の際から巻始める。
【0083】(5)下側巻線7の所要巻数が終われば、
端子部5の巻線(第一相の巻始め)まで、同じ巻回方向
で巻回バックする。この巻回バックした渡り線8は数タ
ーンでバックしている(図4)。
【0084】(6)下側巻線7の上に上側巻線9を巻回
していき、第一相の巻線部6の下側巻線7の端までいく
と、巻線端子部5側の巻枠の開き角の箇所と同じ側の角
部に端子部10を形成する。この端子部10は第2タッ
プという。
【0085】(7)続いて、第二相の巻線部11を第一
相の巻線部6の際から巻線開始し下側巻線12を所定数
巻回して、第二相の下側巻線12を作成する。
【0086】(8)端子部10の巻線(第二相の巻始
め)まで、同じ巻回方向で下側巻線12の上を巻回バッ
クする。この巻回バックした渡り線13は数ターンでバ
ックする(図5)。
【0087】(9)下側巻線12の上に上側巻線14を
巻回していき、第二相の巻線部11の下側巻線12の端
まで上側巻線14がいくと、巻線端子部5側の巻枠の開
き角の箇所と同じ側の角部に端子部15を形成する。こ
の端子部15は第3タップという。
【0088】(10)第三相の巻線部16を第二相の巻
線部11の際から巻線開始し所定巻数を巻回して下側巻
線17を作成する。
【0089】(11)端子部15の巻線(第三相の巻始
め)まで、同じ巻回方向で下側巻線17の上を巻回バッ
クする。この巻回バックした渡り線18は数ターンでバ
ックする(図6)。
【0090】(12)下側巻線17の上に上側巻線19
を巻回していき、第三相の巻線部16の下側巻線17の
端まで上側巻線19を巻回する。
【0091】(13)さらに、その上側巻線19の端
に、巻線端子部5側の巻枠の開き角の箇所と同じ側の角
部に端子部20を形成する。この端子部20は第4タッ
プという。
【0092】(14)さらに、1周程度巻回して巻終わ
りの仮巻部21を形成し、巻線の巻終わりの端末処理を
する。その巻線の巻終わりの端末22はコイルボビンか
らの切断によって得られる。この切断には巻線にある程
度テンションが作用している状態である方が切断位置が
安定するので、テープの仮固定作業後に行う。そのため
に巻線の仕上がりが安定する(図7)。
【0093】したがって、6は第一相の巻線部、11は
第二相の巻線部、16は第三相の巻線部を示し、三相の
ヘキサ巻線であるが、各相とも巻枠には下側巻線と上側
巻線との2重に巻線が巻回されている。つまり、第一相
の巻線部の下側巻線部7、上側巻線部9があり、第二相
の巻線部の下側巻線12、上側巻線14があり、さらに
第3相の巻線部の下側巻線17、上側巻線19がある。
巻枠に巻回された状態の巻線の断面は図8のようにな
る。図8では、巻枠の開き幅bだけ離れたところに、下
側巻線29が対向していて、下側巻線の両側には上側巻
線30が存在している。この巻線の配置構造は従来例で
示す巻線方法とは異なる配置構造となっている。
【0094】次にテープ仮固定作業について説明する。
図9は巻枠1に巻回した巻線にテープ23で仮固定した
状態を示す説明図である。巻枠1に巻回した状態で、巻
崩れ防止のためにテープ23(仮固定テープともいう)
で仮固定する。その仮固定するテープ23の位置は、開
き角を構成する面(すなわち、実際には開き角を構成す
る面は2つあり、開き角が2箇所あるため、6角形の6
面のうち4面が該当する)以外の2面24、25であ
る。この2面24、25は対面で構成され、開き角の角
同士を結ぶ線に平行の関係にあるので、次行程で平プレ
スフォーミングする場合、テープ23が上下に位置する
ように平プレスフォーミングする。すなわち、2面2
4、25は上下に重なるようになる。
【0095】テープ23で仮固定する幅は図9から、g
+2d以下になる。テープ23の幅g1はg+2dに基
づき決められるが、次工程の平プレスフォーミングのプ
レス工程での巻線の仕上がり具合で若干調整する。テー
プ23の幅g1は次の関係になるような範囲で決める。
【0096】
【数2】
【0097】上式のg<g1の関係は、テープ23を巻
回した巻線に貼る場合、テープ23を巻線の上に置い
て、テープ23を上から押さえてテープ23が巻線に密
着して貼れることが必要であり、そのために、貼る巻線
の下に固体部材が介在している必要があるので、分割の
巻枠の平行部にテープ23がかかるように、テープ23
の幅が決定される。テープ貼りの作業性や巻線工程を十
分考慮のうえで、巻枠の平行部の幅dを決定している。
【0098】上式の(g+2d)/2<g1<(g+2
d)の関係は、巻回した平行部には巻線が整列に配置さ
れていて、テープ幅が小さいとテープ23で固定してい
ない平行部の整列巻回部の巻線が以降の作業工程の際に
整列巻回状態がくずれてしまうために、テープで仮固定
し巻崩れのないようにした関係式である。巻崩れが生じ
ると完成した巻線の厚みが局部的に変化するために、マ
グネットとの距離が変化したり、最悪はマグネットに接
触したりすることにもなる。実際使用的には、(数2)
の関係の中で、テープ幅は(g+2d)の80%程度に
している。
【0099】テープの長さf1は、第一相巻線部6、第
二相巻線部11、第三相巻線部16をはじめ、巻始め仮
巻部4や巻始め端3、巻終わりの仮巻部21、巻終わり
端22もテープ23で固定するために、巻線の巻回長さ
fよりも長くする。すなわち、以下の関係にある。
【0100】
【数3】
【0101】次に、巻枠1から巻線を抜き取る。分割し
た巻枠1のために、隙間g(図2参照)を零にするよう
に巻枠をあわせると、巻線はテープ23で仮固定されて
いるので巻形状を保ったまま、その六角形の巻枠から抜
き取ることが容易にできる。従来例のように実軸巻枠の
場合は、断面が六角形の形状を保ったまま、若干のテー
パとなっているので、作業的には抜くことが可能である
が、面倒である。このテーパの影響で巻枠間隔e(図2
参照)が巻枠の位置によって異なるために巻線の相間の
抵抗値や相間の誘起電圧に相違が生じる問題が発生しや
すい。そういった相関ばらつきは分割タイプの巻枠にす
ることで解消される。分割タイプの巻枠の場合は巻枠間
隔eは巻枠のどの位置でも同じになる。よって、従来例
のような相間の抵抗値や誘起電圧のばらつきがほとんど
ない。
【0102】次に、平板状作業(または、平プレスフォ
ーミング作業、平プレス作業ともいう)について説明す
る。巻枠から抜き取った巻線の六角形の一対対向面を巻
枠軸方向に倒して、平板状にする。その対向面とは前記
テープ23での仮固定作業の際のテープが貼られている
面24、25を示す。別の観点から説明する。平プレス
作業によって、所定の厚みのコイルに製作することであ
る。
【0103】図10はプレス作業での巻線高さが零にな
る巻線の軌跡のモデル図である。巻線をプレスする場
合、巻線の高さは巻線の線径を無視すれば、巻枠の開き
幅bになり、プレスすることで巻線高さは零となると考
える。2重巻回の巻線であるので、平行部の箇所で巻線
が2重に形成されているように表現している。また端子
部は巻線高さの中央部にあるので、(b/2)の高さに
ある。プレスによって巻線高さを零にするためには、巻
線が単に上下に移動して高さが零になるのではなく、巻
線がプレス面を摺動して、高さが零になる。図10を用
いて説明すれば、巻線が巻線高さ方向距離を半径にした
軌跡を描いて、高さが零になる。図10はプレス工程で
は、巻線26と巻線27はプレスする前は巻線26aの
位置と巻線27の位置に存在していて、プレス方向に対
して一直線になっている。プレスをすることによって、
巻線26は巻線26aの位置から巻線26bの位置に、
巻線27の位置を中心にした円弧軌跡で移動すると考え
る。そうすると端子部28は半径(b/2)の円の軌跡
を動くことになる。プレス前の端子部28aの位置から
端子部28bの位置に移動する。したがって、端子部2
8は横方向距離では(b/2)だけ移動したことにな
る。
【0104】上記のように説明される平プレス作業がな
されると、プレスした平面状の巻線を平フォーミングコ
イル(または平プレスコイル、平コイル)として区別す
る。図11は平フォーミングコイルの平行部の巻線の模
式図である。2重巻線方法では下側巻線29を包むよう
に上側巻線30が形成され、プレス下側とプレス上側と
をa、bの符号をつけて区別すれば、下側巻線29は2
9a、29bとなり、上側巻線30は30a、30bに
なる。上側巻線と下側巻線の平行部の長さf3は、プレ
スしても巻線整列状態が乱れないならば、図11のよう
にコイル総線径Dcの巻線が巻数φで整列状態にあると
すると、
【0105】
【数4】
【0106】の関係になる。平フォーミングコイルの長
さは巻回長さfによって決まり、巻回の状態が2層配列
の状態であるために、平プレスしてもその2層配列の状
態は維持されるので、下側巻線29、上側巻線30のプ
レス上下の巻線の平行部の長さf3は巻回長さfに等し
くなる。
【0107】図12には、平プレスした平フォーミング
コイルの模式図を示す。図12(a)は巻線の1本1本
が理解できるように実体を表現した実体模式図であり、
仮固定テープが貼られている。図12(b)は巻線の相
や端子部などの形体を表現した形体模式図である。図の
角度の数字は1周を360°としたときの周相当の角度
を表している。図12において、31、32は六角形部
であって、説明上図ではプレス下側を紙面の下側になる
ようにした。六角形部32はプレス上側の巻線によって
紙面の上からは直接見えないので、波線を用いて六角形
部を表している。33は平行部、33aはプレス下側の
巻線の平行部、33bはプレス上側巻線の平行部、34
は傾斜部、34aはプレス下側巻線の傾斜部、34bは
プレス上側巻線の傾斜部である。平行部33は整列巻回
した六角形の巻線の平行部に相当する。プレス前も整列
になっているので、プレス後の平行部33も整列になっ
ている。プレス下側巻線の平行部33aは2層の巻線配
列になり、またプレス上側巻線の平行部の33bも2層
の巻線配列になっている。
【0108】次に、平プレス作業後の平フォーミングコ
イルを円筒状にカーリングするカーリング作業について
以下に説明する。平プレスした平フォーミングコイルを
カーリング棒に巻き付けて、カーリング棒に密着状態に
なるようにローラでカーリング成形し、その後外周にカ
ーリングテープ(カーリングテープとして仮固定テープ
とは区別する)を巻き付ける。このカーリングテープを
巻き付けることで、カーリング棒から巻線を取り出した
時に、カーリング成形後の巻線の成形外径が安定に保た
れる上に、カーリングした円筒状の巻線の円筒径のばら
つきが小さなものになる。
【0109】図12のような平プレスフォーミングコイ
ルをカーリングすると、六角形部31と六角形部32と
を巻線の円筒状にして重なるために、平行部33の巻線
はどこの箇所もプレス下側巻線の平行部33aとプレス
上側巻線の平行部33bとが存在することになり、平行
部33では均一な厚みの巻線になる。巻線は巻回時の巻
回長さfは整列に巻回されているので、巻線の平行部は
整列配置の巻線になっていて、巻線の平均周長Lmは巻
回長さfに概略等しい。すなわち、
【0110】
【数5】
【0111】である。
【0112】タップは第1タップ5と第2タップ10と
第3タップ15と第4タップ20が形成されているが、
リング状に形成した巻線では第1タップ5と第4タップ
20とは重なり、ダブルタップとなる。このダブルタッ
プを一つのタップとして扱うことで、円筒状の巻線は導
通可能な状態になる。このダブルタップと第2タップ1
0と第3タップ15とは円周に120°等分に配置され
る。
【0113】次に、カーリング成形した状態の巻線で
は、加熱して成形を強固なものにするアニール作業をす
る。アニール作業について以下に説明する。巻線は自己
融着線を使用しているので、加熱することで巻線同士が
融着する。したがって、円筒状のカーリング成形した巻
線を円筒状に筐体に入れて、130℃程度の環境に置
く、その温度によって自己融着線同士が融着され巻き崩
れがなくなるので、その筐体から取り出し、アニール後
に円筒状の巻線を製作することができる。また、カーリ
ングテープが巻かれているので、テープの粘着材も熱硬
化型の接着材であれば、より円筒成形が強固なものにな
る。カーリングテープの幅g2は仮テープの幅の関係式
と同様に次の関係にある。
【0114】
【数6】
【0115】カーリングテープを貼る時はカーリング棒
が存在するので貼り易い、下限の幅以下でも実際問題が
ないように考えられるが、仮固定テープの上に貼るので
仮固定テープを覆うような効果のために、仮固定テープ
と同じ幅のものかそれ以上の幅のカーリングテープを使
用している方が好ましい。六角形の巻線の時に貼る仮固
定テープやカーリングテープの幅は六角形の巻線をプレ
スした時の平行部の幅よりも小さなものを使用してい
る。巻線厚みはその平行部が薄いためにテープを貼って
も巻線の厚みに影響がでにくい。巻線の厚み寸法が大き
くならないように、使用するテープの厚みは薄いものが
使用される。一例として25μmの基材のものが使用さ
れる。
【0116】アニールした巻線はモータの巻線として使
用される。このアニールした巻線は円筒形状していて1
20°等分にタップが形成されている。すなわち、ダブ
ルタップと第2タップと第3タップであり、そのタップ
間で一つの相を形成していて、相の巻線は巻回作業でも
わかるように円周角で120°に相当して、3相の巻線
を円周状に構成される。
【0117】ここで、巻線の基本的な巻数の決定方法と
巻枠の距離の設定方法について説明する。いろいろな巻
線仕様があるために、設計方法は異なるが、基本的な2
極のマグネットと3相の巻線であるとする。
【0118】モータの巻線を設計するうえで決定される
巻線の緒元寸法は図13に示すように、コイル長さL
c、コイル外径Do、コイル内径Diである。コイルの
内径Diと外径Doからコイルの平均径Dmは次式にな
る。
【0119】
【数7】
【0120】また、このコイル外径Doとコイル内径D
iの関係が次式になる。
【0121】
【数8】
【0122】本発明の場合は2重巻であるので、k=2
である。平フォーミングプレス巻線は1重巻の場合では
2層となり、実際の巻線は円筒形状しているので、直径
で考えると2カ所にコイルがあることになるので、1重
巻の場合では直径あたり4層である。しがたって、(数
8)のDcの前の数字4は、その4層を意味している。
【0123】補正係数hは傾斜部の巻線の状態に基づく
補正である。その補正係数について説明するまえに、巻
線のターン数(巻数)について説明する。
【0124】コイルの平均径Dmで決まる円周部に巻線
が整列に巻かれるとすると、周長Lmは次式になる。
【0125】
【数9】
【0126】したがって、2重巻線の場合は、総巻数Φ
は次式になる。
【0127】
【数10】
【0128】したがって、3相の場合は各相の巻数φs
【0129】
【数11】
【0130】となる。
【0131】実際には、巻線のトラバース量ピッチばら
つきや使用する線径のばらつきによって、巻数は計算だ
けで決定できないので、巻線をしながら調整することが
多い。
【0132】コイルの内外径が決まれば、巻枠の開き幅
bを次式で概略値決定する。巻枠の開き幅bは周長Lm
を360°と考えると180°相当分になる。つまり、
次式で表される。
【0133】
【数12】
【0134】巻線仕様がきまれば、巻枠の開き幅bの概
略値が決定でき、巻線作業をしながら、巻枠の緒元等を
決定していく。
【0135】設計で要求される巻線の長さLcから、巻
枠の距離eを決める。巻線を平プレスした時に傾斜部の
長さが変化しない場合として、巻枠の距離はコイル長さ
Lcと同じにして、仮に巻線を製作する。
【0136】平プレスした巻線の全幅Lpがコイル長さ
Lcでないことが多いので、(Lp−Lc)の値だけ、
巻線の平行部幅から引く必要があり、巻枠の距離を(L
p−Lc)だけ短くして、巻線を製作して、巻線の全幅
Lpがコイル長さLcに等しくなるまで、調整を繰り返
す。この作業が実軸のマンドレルの場合はマンドレルの
製作にまで及ぶので、簡単には調整できないが、図1に
示すような分割マンドレルの場合ではマンドレルのあわ
せ距離を変更して調整することで調整が容易にできる。
【0137】以下に補正係数hについて説明する。この
補正係数hについて説明した文献はないので、考え方か
ら簡単に説明していく。
【0138】図14は傾斜部の巻線状態を検討するため
に、上の巻線と下の巻線は整列配列されているが、接続
する巻線同士位置が配列の向きに対して傾いているよう
な模式図で表現した。すなわち、巻線部上側を下側に対
して傾斜するように、ずらして配置した模式図である。
傾斜始め側巻線35(または傾斜始め部巻線とする)も
傾斜開き角部側巻線36(または傾斜終わり部巻線とす
る)も密着整列であるとすれば、傾斜の始め部から終わ
り部までの巻線の状態を図示すれば、斜線部の箇所で巻
線が重なってしまう。その重なり37をハッチングで示
すが、傾斜の程度によってその重なり37は変化する。
傾斜始め部巻線35と傾斜終わり部巻線36が整列であ
る以上に、巻線は重なってしまうので、重ならないよう
に配置するには、傾斜終わり部巻線は交互の2段になら
ないと重なりは解消されない。
【0139】また、図15は傾斜巻線の説明模式図であ
る。巻線は傾斜していない平行部では図11のように整
列になっている。その1層の巻線状態を基にして表現す
れば、平行部から傾斜部に移行する近傍の平行部でも整
列になっていると考えると、図15の下部側の巻線38
のように整列となっているとする。
【0140】図15では、巻線のコイル総線径Dcが全
巻数φで整列しているので、横方向に整列配置した巻線
は長さf4で表す。この整列配置の巻線が傾斜部では、
傾斜部の開き角αとすれば、傾斜部の傾斜角度は(α/
2)となる。また、巻線が傾斜をもって、1層の状態に
傾斜部がなっていると考えると半径f4の円弧(破線で
表示)で描く位置まで、巻線は存在していることになる
が、実際には傾斜部巻線39は傾斜部距離f5の範囲に
しか存在しない。したがって、f4>f5であるので、
傾斜部は1段(1層)の巻線の状態でないことになる。
【0141】横方向に整列配置した長さf4と傾斜部距
離f5の関係を傾斜部の傾斜角(α/2)を使用して表
すと、次式になる。
【0142】
【数13】
【0143】である。
【0144】横方向に整列配置した長さf4はf4=f
3であることから、傾斜の際の巻線は整列の配置になっ
ている。したがって、(数13)から得られるf5<f
4の関係から、傾斜部の巻線は整列配置になっていない
と推測される。
【0145】(数13)から、f5<f4の関係が得ら
れることは異なった状態に傾斜部がなっていると推測さ
れる。傾斜部は1層状態ではなく、1層以上の状態にな
っていると考えられる。(数13)から、
【0146】
【数14】
【0147】のように変形すると、(f4/f5)の値
は傾斜部の巻線層数に関係する。
【0148】(数14)の関係を図16に表す。(f4
/f5)が1より大きいと、1層状態でないことにな
り、積層状態が規則的であれば、(f4/f5)の値の
切り上げ整数値が層数であると考えられる。図16から
傾斜部開き角α=120°以下の場合は1<(f4/f
5)≦2であるので、傾斜部層数は2である。しかし、
120°を超える場合は角度によって傾斜部層数が大き
く異なる。
【0149】補正係数hは(f4/f5)の値の切り上
げ整数値である。したがって、
【0150】
【数15】
【0151】である。
【0152】傾斜部開き角αが180°は(f4/f
5)は無限大となる。傾斜部の開き角αはほぼ巻枠の開
き角aに等しいので、巻枠の開き角a=180°は実際
には今のままの巻枠に巻回する工法では実用できない内
容である。実際、傾斜部の開き角αはほぼ巻枠の開き角
aよりも若干小さくなる。傾斜部の開き角αがわからな
い場合は巻枠の開き角aを傾斜部の開き角αとみなして
巻線の緒元設計を行う。
【0153】枠の開き角aが大きくなればなるほど、層
数が大きくなるので、プレス工程でのわずかな設定条件
などによって、フォーミングプレスコイルの出来が左右
される。
【0154】(実施例2)本発明の巻線方法における第
2の実施例について以下のような作業工程で説明してい
く。3相ヘキサ巻線を例として説明する。
【0155】実施例1と異なるところは、巻始めの仮巻
と巻終わりの仮巻が無い場合である。実施例1で説明し
たように巻回作業、テープ仮固定作業、平プレス作業、
カーリング作業、アニール作業の順序となる。
【0156】図17〜図20は分割タイプの巻枠を使用
した巻線巻回工程を説明する図である。巻回作業は、2
重に巻回する作業を説明している。3相のヘキサ巻の巻
線工程例で説明する。
【0157】作業手順は以下のようである。
【0158】(1)巻線の巻始め端40を巻枠の一カ所
に固定する。
【0159】(2)巻線の巻始め端の固定処理が終われ
ば、第一相の巻線部6の下側巻線7を巻始め端の際から
巻始める。
【0160】(3)下側巻線7の所要巻数が終われば、
第一相の巻始めまで、同じ巻回方向で巻回バックする。
この巻回バックした渡り線8は数ターンでバックしてい
る(図17)。
【0161】(4)下側巻線7の上に上側巻線9を巻回
していき、第一相巻線部6の下側巻線7の端までいく
と、巻枠の開き角の箇所の角部に端子部10を形成す
る。この端子部10は第2タップという。
【0162】(5)続いて、第二相の巻線部11を第一
相の巻線部6の際から巻線開始し下側巻線12を所定数
巻回して、第二相の下側巻線12を作成する。
【0163】(6)端子部10の巻線(第二相の巻始
め)まで、同じ巻回方向で下側巻線12の上を巻回バッ
クする。この巻回バックした渡り線13は数ターンでバ
ックする(図18)。
【0164】(7)下側巻線12の上に上側巻線14を
巻回していき、第二相の巻線部11の下側巻線12の端
まで上側巻線14がいくと、巻線端子部10側の巻枠の
開き角の箇所と同じ側の角部に端子部15を形成する。
この端子部15は第3タップという。
【0165】(8)第三相の巻線部16を第二相の巻線
部11の際から巻線開始し所定巻数を巻回して下側巻線
17を作成する。
【0166】(9)端子部15の巻線(第三相の巻始
め)まで、同じ巻回方向で下側巻線17の上を巻回バッ
クする。この巻回バックした渡り線18は数ターンでバ
ックする(図19)。
【0167】(10)下側巻線17の上に上側巻線19
を巻回していき、第三相の巻線部16の下側巻線17の
端まで上側巻線19を巻回する。
【0168】(11)さらに、巻線の巻終わりの端末処
理する。その巻線の巻終わりの端末41はコイルボビン
からの切断によって得られる。この切断には巻線にある
程度テンションが作用している状態である方が切断位置
が安定するので、テープの仮固定作業後に行う。そのた
めに巻線の仕上がりが安定する(図20)。
【0169】したがって、6は第一相の巻線部、11は
第二相の巻線部、16は第三相の巻線部を示し、三相の
ヘキサ巻線のための巻回作業であるが、各相とも巻枠に
は下側巻線と上側巻線と2重に巻線が巻回されている。
【0170】次にテープ仮固定作業を行う。実施例1と
同じ作業内容であるので、説明は省略する。
【0171】次に、巻枠1から巻線を抜き取り、平プレ
ス作業を行う。図21には、平プレスした平フォーミン
グコイルの模式図を示す。図21(a)は巻線の1本1
本が理解できるように実体を表現した実体模式図であ
り。仮固定テープが貼られている。図21(b)は巻線
の相や端子部などの形体を表現した形体模式図である。
図21において、31、32は六角形部であって、説明
上図ではプレス下側を紙面の下側になるようにした。六
角形部32はプレス上側の巻線によって紙面の上からは
直接見えないので、波線を用いて六角形部を表してい
る。33は平行部、33aはプレス下側の巻線の平行
部、33bはプレス上側巻線の平行部、34は傾斜部、
34aはプレス下側巻線の傾斜部、34bはプレス上側
巻線の傾斜部である。平行部33は整列巻回した六角形
の巻線の平行部に相当する。プレス前も整列になってい
るので、プレス後の平行部33も整列になっている。プ
レス下側巻線の平行部33aは2層の巻線配列になり、
またプレス上側巻線の平行部の33bも2層の巻線配列
になっている。
【0172】次に、平プレス作業後の平フォーミングコ
イルを円筒状にカーリングするカーリング作業を行う。
【0173】次に、カーリング成形した状態の巻線は、
加熱して成形を強固なものにするアニール作業をする。
アニール作業について以下に説明する。巻線は自己融着
線を使用しているので、加熱することで巻線同士が融着
する。したがって、円筒状のカーリング成形した巻線を
円筒状の筐体に入れて、130℃程度の環境に置く、そ
の温度によって自己融着線同士が融着され巻き崩れがな
くなるので、その筐体から取り出し、アニール後に円筒
状の巻線を製作することができる。また、カーリングテ
ープが巻かれているので、テープの粘着材も熱硬化型の
接着材であれば、より円筒成形が強固なものになる。カ
ーリングテープの幅g2は仮テープの幅の関係式と同様
の関係にある。
【0174】図21のような平プレスフォーミングコイ
ルをカーリングすると、六角形部31と六角形部32と
を巻線の円筒状にして重なるために、平行部33の巻線
はどこの箇所もプレス下側巻線の平行部33aとプレス
上側巻線の平行部33bとが存在することになり、平行
部33では均一な厚みの巻線になる。
【0175】タップは巻始め端40と第2タップ10と
第3タップ15と巻終わり端41が形成されているが、
リング状に形成した巻線では巻始め端40と巻終わり端
41とは重なり、新たなタップ(重ねタップという)を
形成する。この重ねタップを一つのタップと扱うこと
で、円筒状の巻線は導通可能な状態になる。この重ねタ
ップと第2タップ10と第3タップ15とは円周に12
0°等分に配置される。
【0176】アニールした巻線はモータの巻線として使
用される。このアニールした巻線は円筒形状をしていて
120°等分にタップが形成されている。すなわち、重
ねタップと第2タップと第3タップであり、そのタップ
間で一つの相を形成していて、相の巻線は巻回作業でも
わかるように円周角で120°に相当して、3相の巻線
を円周状に構成される。
【0177】(実施例3)図22は上記の巻線を使用し
たコアレスモータの断面図である。コアレスモータは、
携帯端末機器に使用される振動モータであり、シャフト
46の先端にウエイト60が取り付けられている。図2
2において、円筒状のフレーム55の一端面側に中空円
筒シャーシ42を構成し、中空円筒シャーシ42に凹状
の凹み部43を設け、その凹み部43に焼結メタル44
を圧入して取り付け、圧入による内径の変形の防止のた
めにガイドピンを挿入して焼結メタル44の内径が使用
に差し支えないように変形を押さえる。そのガイドピン
を抜く時には焼結メタル44が異常に飛び出さないよう
に行い、中空円筒シャーシ42と焼結メタル44の内径
との同軸度などをコントロールしている。中空円筒シャ
ーシ42にはシャフト通し孔45が構成されている。こ
のシャフト通し孔45は絞りによって形成されている。
中空円筒シャーシ42のもう一方はシャフト通し孔45
があって、シャフト通し孔45の先端にはシャフト46
とのコンタクトを防止するために、軸受部を構成するた
め嵌合部47が形成されている。この中空円筒シャーシ
42のシャフト通し孔45の外周部に円筒状のマグネッ
ト48が取り付けられ、そのマグネット48の端面と嵌
合部47とで位置決めされる軸受ホルダー49を中空円
筒シャーシ42の端面側に構成している。その軸受ホル
ダー49に焼結メタル50が挿入され、シャフト46は
両持ち支持にて構成される。両焼結メタル44、50の
端面に数枚のワッシャ51、52があって、軸方向の荷
重を受けている。
【0178】シャフト46には、整流子ハブ53が固定
され、さらには整流子ハブ53の外周には、上記実施例
で説明した円筒状の巻線54が取り付けられている。そ
の巻線54の端子部を整流子ハブ53の電極部に電気的
に接続されている。
【0179】中空円筒シャーシ42の外周に円筒状のフ
レーム55が装着されていて、ブラシホルダー56がそ
の円筒状のフレーム55の端面に取り付けられている。
そのブラシホルダー56にはブラシ57があり、ブラシ
57の先端は整流子58に摺動可能なように接触してい
る。またブラシ57のもう一方にはリード線59が接続
されている。そのリード線にDC電圧を印加すること
で、巻線54に電流が流れ、シャフト通し孔45に取り
付けられたマグネット48との関係で巻線54に回転力
は発生し、シャフト46を中心にして回転する。
【0180】シャフト46の先端にはウエイト60がシ
ャフト46に取り付けられている。このウエイト60で
振動を発生させることができる。携帯端末機器の振動発
生用モータとして使用される。
【0181】図22によれば、シャフト46の中心にし
て内側から、空気の隙間、シャフト通し孔45、マグネ
ット48、空気の隙間、巻線54、空気の隙間、円筒状
のフレーム55のような構成である。すなわち、コアレ
スモータの構成となっている。
【0182】(表1)には、1重巻線の場合と2重巻線
の場合での無負荷で4000rpmの場合の電流値を示
す。2重巻線の方が電流値が小さいことがわかる。評価
のモータはモータ外径を同じにして構成したため、モー
タ巻線にあわせて、マグネット、軸受等の大きさを若干
違えているが、(表1)より判断して、2重巻線のモー
タの方が特性がよく、効率も1.5倍近く良いと思われ
る。
【0183】
【表1】
【0184】(実施例4)本発明の巻線方法における第
4の実施例ついて以下のような作業工程で説明してい
く。
【0185】実施例1と異なるところは、渡り線の処理
方法が異なる。実施例1で説明したように巻回作業、テ
ープ仮固定作業、平プレス作業、カーリング作業、アニ
ール作業の順序となる。
【0186】図23〜図26は分割タイプの巻枠を使用
した巻線巻回工程を説明する図である。巻回作業は、2
重に巻回する作業を説明している。3相のヘキサ巻の巻
線工程例で説明する。
【0187】作業手順は以下のようである。
【0188】(1)巻線の巻始め端3を巻枠の一カ所に
固定して、巻回作業の際でも巻線のテンションによって
巻線がほどけないように固定する。
【0189】(2)巻線の巻始め端の固定処理が終われ
ば、まず、一周程度巻枠に仮巻し、仮巻部4を形成す
る。
【0190】(3)続いて、分割巻枠の隙間からフック
61を飛び出させる。
【0191】(4)続いて、端子部5(タップともい
う)を巻枠の開き角の角部に作成する。この端子部5を
第1タップとする。
【0192】(5)第一相の巻線部6の下側巻線7をそ
の仮巻部4の際から巻始める。
【0193】(6)下側巻線7の所要巻数が終われば、
分割巻枠の隙間から飛び出たフック62に巻線を引っ掛
けて、その巻線をさらにフック61に引っ掛けて、第一
相の巻始めまで、バックする。このバックした巻線は渡
り線63である(図23)。
【0194】(7)つぎに、下側巻線7の上に上側巻線
9を巻回していき、第一相巻線部6の下側巻線7の端ま
でいくと、巻線端子部5側の巻枠の開き角の箇所と同じ
側の角部に端子部10を形成する。この端子部10は第
2タップという。
【0195】(8)続いて、第二相の巻線部11を第一
相の巻線部6の際から巻線開始し下側巻線12を所定数
巻回して、第二相の下側巻線12を作成する。
【0196】(9)下側巻線12の所要巻数が終われ
ば、分割巻枠の隙間から飛び出たフック64に巻線を引
っ掛けて、その巻線をさらにフック62に引っ掛けて、
第二相の巻始めまでバックする。このバックした巻線は
渡り線65である(図24)。
【0197】(10)下側巻線12の上に上側巻線14
を巻回していき、第二相の巻線部11の下側巻線12の
端まで上側巻線14がいくと、巻線端子部5側の巻枠の
開き角の箇所と同じ側の角部に端子部15を形成する。
この端子部15は第3タップという。
【0198】(11)第三相の巻線部16を第二相の巻
線部11の際から巻線開始し所定巻数を巻回して下側巻
線17を作成する。
【0199】(12)下側巻線17の所要巻数が終われ
ば、分割巻枠の隙間から飛び出たフック66に巻線を引
っ掛けて、その巻線をさらにフック64に引っ掛けて、
第三相の巻始めまでバックする。このバックした巻線は
渡り線67である(図25)。
【0200】(13)下側巻線17の上に上側巻線19
を巻回していき、第三相の巻線部16の下側巻線17の
端まで上側巻線19を巻回する。
【0201】(14)さらに、その上側巻線19の端
に、巻線端子部5側の巻枠の開き角の箇所と同じ側の角
部に端子部20を形成する。この端子部20は第4タッ
プという。
【0202】(15)さらに、1周程度巻回して巻終わ
りの仮巻部21を形成し、巻線の巻終わりの端末処理を
する。その巻線の巻終わりの端末22はコイルボビンか
らの切断によって得られる。この切断には巻線にある程
度テンションが作用している状態である方が切断位置が
安定するので、テープの仮固定作業後に行う。そのため
に巻線の仕上がりが安定する(図26)。
【0203】したがって、6は第一相の巻線部、11は
第二相の巻線部、16は第三相の巻線部を示し、三相の
ヘキサ巻線であるが、各相とも巻枠には下側巻線と上側
巻線との2重に巻線が巻回されている。
【0204】次にテープ仮固定作業を行う。図26に見
られるように実施例では、渡り線を引っ掛けるためのフ
ックが飛び出ている。このフックは巻枠に押し込むこと
ができるようになっている。図9と同様であるので、説
明は図9をもって説明する。
【0205】巻枠1に巻回した状態で、巻崩れ防止のた
めに仮固定テープ23で巻線を仮固定する。その際、フ
ックが邪魔になるが、仮固定するテープ23を巻線に貼
っていくと、フックは分割巻枠の隙間に引っ込んでしま
うので、仮固定テープから飛び出るようなことはなく、
仮固定テープを貼ってしまうと渡り線が位置関係は表面
からは見えないので実施例1と実施例4とは区別ができ
ない。実際、巻回が終わり仮固定テープが貼られると、
フックが巻枠の中に収納されてしまい、フックが無い場
合と変わらなくなる。
【0206】実施例4の渡り線は巻線の平行部に位置す
る箇所で形成される。それは、傾斜部と平行部では平プ
レスした巻線の厚みが平行部の方が傾斜部よりも薄いの
で、平行部に渡り線が存在しても、平プレスの際にわた
り線を傷めることがない。
【0207】次に、平プレス作業、カーリング作業、ア
ニール作業を実施例1と同じように行う。
【0208】実施例4の2重巻線は渡り線が巻線の平行
部に存在するので、平行部と傾斜部の巻線の厚みの違い
により、渡り線には平プレスのプレス圧が作用しにく
い。平プレス作業では傾斜部の厚みが平行部の厚みより
も厚いので、プレスすると傾斜部はプレスされるが平行
部はプレスされない。そのために渡り線が平行部にあっ
ても、ほとんどプレス圧が平行部には作用しないので、
渡り線がプレスによって断線するようなことはない。
【0209】実施例4の場合もアニール作業で作成され
た巻線はモータの巻線として使用される。アニール後の
円筒状の巻線はタップが120°おきに形成されて、そ
のタップごとに相をなし、各相は120°ごとになって
いる。
【0210】(実施例5)図27は上記の巻線を使用し
たスロットレスのコア付きモータの断面図である。この
スロットレスのコア付きモータはサーボ制御のブラシレ
スモータである。そのコア68は固定側であって、マグ
ネット69の付いているフレーム70が回転側である。
ロータフレームの円筒状部分の内側にマグネット69が
取り付けられ、ロータフレーム70の天面側にかしめ固
定されたボス71があり、ボス71にはシャフト72が
圧入固定されている。シャフト72はハウジング73に
固定された焼結メタル74、75にて回転支承されてい
る。ハウジング73にはモータ駆動回路が実装された基
板76が取り付けられ、さらにはスロットレスのコア6
8がマグネットに対向するように取り付けられ、絶縁さ
れたコア68とマグネット69の間にコア68に密着す
るように円筒状の巻線77が配置されている。その円筒
状の巻線77は上述のフォーミングコイルを円筒状にし
た巻線である。その巻線77の端末処理部は基板76に
半田で接続されている。
【0211】モータのスロットレスコアには、エポキシ
樹脂の電着塗装が膜状に施されている。そのエポキシ膜
78は巻線77とコア68との電気絶縁を目的にしたも
のであるので、膜厚が厚い方が電気絶縁性はよくなる
が、膜厚が厚いと巻線77とコア68の間に空隙が生じ
効率が低下することになるので、膜厚はできるだけ薄く
するような工程を採用している。電着塗装膜のスプレー
塗装によっても膜形成が可能である。
【0212】電着塗装膜は絶縁性の優れた膜であって、
工業的には比較的容易に膜形成ができるうえに、電着塗
装膜は耐環境性に優れているために空気以外の環境たと
えば油などの環境下でも、モータの使用が可能となる。
絶縁として絶縁テープを使用する場合は、油などの環境
下では粘着剤が特性劣化するために使用できないが、電
着塗装膜では油などの環境でも問題なく使用できる。
【0213】コアに電着塗装を施す工程の例を以下に説
明する。
【0214】浴槽に水溶性または水分散型塗料を入れ、
コアを浴槽に侵漬し、導電性のコアの塗装する箇所に電
極を取り付け、浴槽に付属する対極との間に通電する
と、電荷をもった樹脂粒子は電気泳動によってコアに移
動して析出する。これを水洗して焼き付ける。
【0215】浴の組成や温度、通電条件を適正な水準に
管理すると、塗膜厚の調整が容易でばらつきの少ない電
着塗装膜ができ、10μmで公差±5μmでも管理でき
る。コアは外周部にも電着塗装膜がつくので、電着塗装
膜を管理すれば、モータ組立特性上問題にはならない。
薄い電着塗装膜の場合、電着塗装膜でコアと巻線との絶
縁をもたせるためには、コアエッジ部のエッジカバー率
があまり高くないので絶縁膜の強度には注意が必要であ
る。
【0216】また、電着塗装膜ではなく、蒸着重合薄膜
を施すこともある。その蒸着重合薄膜は対環境特性が優
れているので、油の中や水の中などに使用される場合に
は採用される膜である。その蒸着重合薄膜について、説
明をする。蒸着重合法は、物理的な真空蒸着法を基に熱
エネルギーによりモノマーを蒸発、活性化させ、基材上
でモノマーを重合させることにより高分子薄膜を作製す
る方法である。この方法は高分子薄膜が単純な装置で製
作できるので本願のモータコアの絶縁や電子部品材料へ
応用ができる。モータのコアの絶縁膜に高分子薄膜を工
業的に処理するためには、膜厚の制御性、均一性、大面
積化、処理速度の高速化、膜性能の再現性などの条件を
満足する方法が要求される。
【0217】この蒸着重合法は次のような特徴がある。
【0218】(1)無媒体、無溶媒で重合できること。
【0219】(2)真空中であるので不純物の混入がさ
けられ高純度の薄膜ができること。
【0220】(3)薄膜が容易に得られること。
【0221】(4)分子配列の制御が可能であるので薄
膜制御性がよい。
【0222】(5)ドライプロセスである。
【0223】(6)薄膜の電気特性は溶液法で作製した
膜と同等である。
【0224】(7)難加工性高分子の薄膜法として最適
である。
【0225】(8)マスク蒸着が可能であるため膜のパ
ターン形成が簡単にできる。
【0226】モータのコアの場合は形状が複雑であった
りするので、全方向同時蒸着重合法が用いられる。この
全方向同時蒸着重合法は、基材や真空槽壁をモノマー分
子の蒸発温度以上に加熱しておき、この中に2種類のモ
ノマーを同時に導入し、両者が基材上で反応して蒸気圧
の低い二量体や三量体となり基材上に付着し、さらに反
応して高分子の薄膜を成長させる。モノマー分子が真空
槽全面化から蒸発するので、複雑な基材にも均一に薄膜
が形成できる。
【0227】またモータのコアに使用される薄膜には、
ポリアミド、ポリアゾメチル、ポリ尿素、ポリオキサジ
アゾール、ポリウレタン、ポリエステルなどに加えて、
ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ベンゾシクロブテ
ン、フッ素化アモルファスカーボン、有機ガラス、パリ
レンなどが使用される。
【0228】真空での蒸着重合法による薄膜であるため
に、コアの角部のカバーコート率は良好であり、巻線と
コアとの絶縁が確実にできる。
【0229】図27によれば、シャフト72を中心にし
て内側から、軸受、ハウジング、コア、絶縁膜、巻線、
空気の隙間、マグネット、ロータフレームのような構成
である。すなわち、スロットレスのコア付きモータの構
成となっている。
【0230】巻線を固定したコア巻線組立体を製作する
場合、傾斜部と平行部では巻線の厚みが異なるためにコ
ア巻線組立体の外径がかなり異なってしまい、マグネッ
トとのギャップを傾斜部の箇所で設定することになり、
モータの特性に一番寄与する導体直線部(平行部)とマ
グネットとのギャップがばらつき、特性改善がばらつ
く。
【0231】したがって、均一外径のスロットレスコア
ではなく、巻線の厚みを考慮して、図28のようにする
とモータ特性の効果が顕著になる。
【0232】図28はモータのコアを巻線平行部に相当
する範囲は巻線が4層(2重巻線)であることを考慮し
て、マグネットとのギャップが小さくなるようにコア外
径を大きくして、均一な外径とし、円筒形状の中央円筒
部79のあるコアになっている。巻線の傾斜部に相当す
る範囲のコアの外径は中央円筒部の端部からコア端部ま
でをコア径が減少するような形状でコア径の減少外径コ
ア部80(または径減少円形断面形状部である)を形成
する。この減少外径コア部80をコアの両端に形成して
いるコアであり、傾斜部の折り返し部が特に巻線の厚み
が大きくなりやすいことを考慮している。そのために、
コア巻線組立体にしたとき、外径が平行部と傾斜部で違
いがないようにすることができる。またコアの端部の径
が減少する径減少円形断面形状部になっているので、傾
斜部の巻線が複数層になれば端にいくほど平行部の影響
を受けなくなるので巻線厚みが端ほど厚くなる。その巻
線の厚みの変化に対して、コアに密着した状態でコアの
外周に配置することができる。
【0233】
【発明の効果】上記実施例の記載から明らかなように、
請求項1記載の発明によれば、巻線の緒元がきまったな
かでヘキサ巻での円筒軸方向の直線導体部の長さを長く
でき、傾斜部の巻線部の占める長さ割合を下げることが
できるために、サイズが決定したなかでモータ特性を向
上させることができる。さらに従来の巻線装置を工夫す
ることで、2重巻線が可能であるうえに、巻枠など特別
な長さのものは必要なく、設備的にも高価にならない。
さらに、各相が連続した2重巻線であって、各相ごとに
端子処理部(タップ等)が形成され、タップ数が少なく
タップ処理が容易であるうえに、1つの平プレス巻線と
して形成できるという有利な効果が得られる。
【0234】また、請求項2に記載の発明によれば、渡
り線を相ごとに形成し、上側巻回巻線と下側巻回巻線の
間にその渡り線を形成することができる。その渡り線は
巻回回転方向を同じにして数ターンで下側巻線の巻終わ
りから巻始めの位置までバックするので、巻線装置のマ
ンドレルの回転方向を逆転することもなくでき、渡り線
をたるませることもなくバックすることができる。さら
に、渡り線が数ターンであるために、巻線の厚みに寄与
する量が少なく渡り線によって巻線の緒元を変えること
がなくモータを設計できるという有利な効果が得られ
る。
【0235】また、請求項3に記載の発明によれば、渡
り線を相ごとに形成し、上側巻回巻線と下側巻回巻線の
間にその渡り線を形成し、平プレスするときに形成され
る平行部に渡り線を設けることができる。その渡り線は
平行部に形成されるので、平プレスしたときの平ブレス
圧が作用しにくいので、断線などの不安もなく信頼性の
高い巻線が可能である。さらには分割タイプの巻枠を使
用することで、渡り線の預けるフックを巻枠の中に収納
できる機構もできることにより、よりコンパクトな巻線
装置で2重巻線が可能となるという効果が得られる。
【0236】また、請求項4に記載の発明によれば、仮
巻部を設けて端子処理部(タップ)を各相ごとに同じ形
態で形成するとことができるうえに、巻始めや巻終わり
の線処理が安定的にできるので、巻回作業での巻線不良
が少なくなるという効果が得られる。
【0237】また、請求項5に記載の発明によれば、仮
巻部の形成なく巻回するので、仮巻による巻線の重なり
がなく、小型の円筒の巻線に適用できる。さらには、巻
終わり線と巻始め線を一つの端子処理部とすることで、
2重巻線の円筒形状の巻線を容易に作ることができると
いう効果を奏するものである。
【0238】また、請求項6に記載の発明によれば、各
相が連続した2重巻線であって、各相ごとに端子処理部
(タップ等)が形成され、タップ数が少なくタップ処理
が容易であるうえに、1つの平プレス巻線として形成で
きるので、上記請求の巻線方法で容易に2重巻線が形成
できるという有利な効果が得られる。
【0239】また、請求項7に記載の発明によれば、2
重巻線を使用することで、モータ特性のよいスロットレ
スコア付きモータができる。
【0240】また、請求項8に記載の発明によれば、円
筒状の巻線の平行部と傾斜部の巻線厚みが異なるため
に、コアの外径を巻線の厚みにあわせて変えることによ
って、コアの外周に巻線を配置したときの上記コアを使
用してコア巻線組立体にしたとき巻線がコアに密着する
ので、コア巻線組立体の外径が場所によって大きく違わ
ないようになる。そのためにマグネットとのギャップが
全体的に均一に確保できるので、モータの特性がより向
上できる。また、傾斜部の巻線が複数層になれば端にい
くほど平行部の影響を受けなくなるので巻線厚みが端ほ
ど厚くなるが、コアの端部が径が減少する径減少円形断
面形状部となっていることにより、その巻線の厚みの変
化に対して、コアに密着した状態でコアの外周に配置す
ることができるという有利な効果が得られる。
【0241】また、請求項9に記載の発明によれば、ヘ
キサ巻の2重巻線を使用したコアレスモータができ、コ
アレスモータの特性がより向上できるという有利な効果
が得られる。
【0242】また、請求項10に記載の発明によれば、
巻回巻線を平プレスして円筒状の巻線にした場合隣り合
うタップ間で巻線の相が構成されているので、360°
の円周長さの平プレス巻線でn相の2重巻線が作成で
き、平プレス長さの短いn相2重巻線が容易にできると
いう効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における巻線装置の分割タイプ
の巻枠片の図 (a)正面図 (b)上面図 (c)左側面図
【図2】図1に示す分割タイプの巻枠片を2個セットし
た時の巻枠の断面説明図
【図3】実施例における巻線巻回工程を説明する図
【図4】実施例における巻線巻回工程を説明する図
【図5】実施例における巻線巻回工程を説明する図
【図6】実施例における巻線巻回工程を説明する図
【図7】実施例における巻線巻回工程を説明する図
【図8】2重巻回時の巻線断面説明図
【図9】巻枠に巻回した巻線にテープで仮固定した状態
を示す説明図
【図10】プレス工程での巻線高さが零になる巻線の軌
跡のモデル図
【図11】平フォーミングコイルの平行部の巻線の模式
【図12】平プレスした平フォーミングコイルの模式図 (a)実体模式図 (b)形体模式図
【図13】円筒状に成形の巻線図
【図14】傾斜部の巻線の重なりの説明図
【図15】傾斜巻線の説明模式図
【図16】傾斜部の開き角αと(f4/f5)の関係図
【図17】実施例における2重巻線巻回工程を説明する
【図18】実施例における2重巻線巻回工程を説明する
【図19】実施例における2重巻線巻回工程を説明する
【図20】実施例における2重巻線巻回工程を説明する
【図21】平プレスした平フォーミングコイルの模式図 (a)実体模式図 (b)形体模式図
【図22】本発明の実施例によるモータの断面図
【図23】実施例における2重巻線巻回工程を説明する
【図24】実施例における2重巻線巻回工程を説明する
【図25】実施例における2重巻線巻回工程を説明する
【図26】実施例における2重巻線巻回工程を説明する
【図27】本発明の実施例によるモータの断面図
【図28】スロットレスコアの断面図
【図29】コアレスの巻線の巻線方法を示す図 (a)ヘキサ巻を示す図 (b)菱形巻を示す図 (c)ハネカム巻を示す図
【図30】従来例における巻線巻回工程を説明する図
【図31】巻枠に巻回した巻線にテープで仮固定した状
態を示す説明図
【図32】従来例の平プレス巻線図
【図33】従来例の平プレス巻線図
【符号の説明】
1 巻枠 2 傾斜部 3、40 巻線の巻始め端 4 巻始め仮巻部 5、10、15、20、28、28a、28b 端子部 6 第一相の巻線部 7、12、17、29 下側巻線 8、13、18、63、65、67 渡り線 9、14、19、30 上側巻線 11 第二相の巻線部 16 第三相の巻線部 21 巻終わりの仮巻部 22、41 巻線の巻終わり端 23 テープ(仮固定テープ) 24、25 テープを貼る面 26、26a、26b、27、54、77 巻線 29a プレス下側の下側巻線 29b プレス上側の下側巻線 30a プレス下側の上側巻線 30b プレス上側の上側巻線 31、32 六角形部 33 平行部 33a プレス下側巻線の平行部 33b プレス上側巻線の平行部 34 傾斜部 34a プレス下側巻線の傾斜部 34b プレス上側巻線の傾斜部 35 傾斜始め側巻線 36 傾斜開き角部側巻線 37 重なり 38 下部側の巻線 39 傾斜部巻線 42 中空円筒シャーシ 43 凹み部 44、50、74、75 焼結メタル 45 シャフト通し孔 46、72 シャフト 47 嵌合部 48、69 マグネット 49 軸受ホルダー 51、52 ワッシャ 53 整流子ハブ 55、70 フレーム 56 ブラシホルダー 57 ブラシ 58 整流子 59 リード線 60 ウエイト 61、62、64、66 フック 68 コア 71 ボス 73 ハウジング 76 基板 78 エポキシ膜 79 中央円筒部 80 減少外径コア部 a 巻枠の開き角 b 巻枠の開き幅 c 巻枠の傾斜部厚み d 巻枠の平行部厚み dc コイル導体線径 e 巻枠間隔 f 巻線の巻回長さ f1 テープの長さ f3 整列状態のコイル長さ f4 横方向に整列配置した長さ f5 傾斜部距離 g 隙間 g1 テープの幅 g2 カーリングテープ幅 h 補正係数 k 巻重層数 Dc コイル総線径 Di コイルの内径 Dm コイルの平均径 Do コイルの外径 Lc コイルの長さ Lm 周長 Lp 巻線の全幅 α 傾斜部の開き角 δ コイル皮膜厚み φ 全巻数(1重あたり) φs 各相の巻数 Φ 総巻数
フロントページの続き Fターム(参考) 5H603 AA03 AA09 BB01 BB04 BB05 BB09 BB10 BB12 CA01 CA05 CB01 CC02 CC19 CD02 CD21 CD32 CE01 5H604 AA08 BB01 BB15 CC01 CC04 CC12 PB03 PC01 PC03 QB01 5H615 AA01 BB01 BB04 BB05 BB07 BB14 PP12 QQ02 QQ05 QQ19 QQ26 SS11

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 六角形状の巻線を巻層する巻線用巻枠を
    使用して製作するモータの巻線において、 巻枠の一番下に下側の巻線を巻回して相に相当する巻線
    数だけ(相の総巻数の約半分)巻回すると、相の巻始め
    の位置にバックし、その上に上側の巻線を巻回(相の総
    巻数の残り約半分)して、下側の巻線と上側の巻線を一
    つの相の巻線として、順次、相数だけ同一巻枠に巻回し
    てなる巻線を、平プレスして、ヘキサ巻線の円筒状形成
    した巻線方法。
  2. 【請求項2】 六角形状の巻線を巻層する巻線用巻枠を
    使用して製作するモータの巻線において、 巻枠の一番下に下側の巻線を巻回して相に相当する巻線
    数だけ(相の総巻数の約半分)巻回すると、相の巻始め
    の位置にバックし、その上に上側の巻線を巻回(相の総
    巻数の残り約半分)して、下側の巻線と上側の巻線を一
    つの相の巻線として形成する時の、相の巻始めの位置に
    バックする渡り線が、巻回方向が同じで数ターンでなさ
    れた、順次、相数だけ同一巻枠に巻回してなる巻線にお
    いても渡り線が巻回方向が同じで数ターンでなされたこ
    とが特徴の請求項1記載のヘキサ巻線の円筒状形成した
    巻線方法。
  3. 【請求項3】 六角形状の巻線を巻層する巻線用巻枠を
    使用して製作するモータの巻線において、 巻枠の一番下に下側の巻線を巻回して相に相当する巻線
    数だけ(相の総巻数の約半分)巻回すると、相の巻始め
    の位置にバックし、その上に上側の巻線を巻回(相の総
    巻数の残り約半分)して、下側の巻線と上側の巻線を一
    つの相の巻線として形成する時の、相の巻始めの位置に
    バックする渡り線が、平プレスするときの平行部に構成
    され、順次、相数だけ同一巻枠に巻回してなる巻線にお
    いても渡り線が、平プレスするときの平行部に構成され
    たことが特徴の請求項1記載のヘキサ巻線の円筒状形成
    した巻線方法。
  4. 【請求項4】 六角形状の巻線を巻層する巻線用巻枠を
    使用して製作するモータの巻線において、 巻枠の一番下に下側の巻線を巻回して相に相当する巻線
    数だけ(相の総巻数の約半分)巻回すると、相の巻始め
    の位置にバックし、その上に上側の巻線を巻回(相の総
    巻数の残り約半分)して、下側の巻線と上側の巻線を一
    つの相の巻線として、順次、相数だけ同一巻枠に巻回し
    てなる巻線を、平プレスして、ヘキサ巻線の円筒状形成
    した巻線方法であって、巻始めに巻枠に仮巻をしてタッ
    プを形成してから、相巻を開始し、相ごとにタップを形
    成し、巻終わりには相としてのタップ終了後に仮巻を施
    した請求項1記載の巻線方法。
  5. 【請求項5】 六角形状の巻線を巻層する巻線用巻枠を
    使用して製作するモータの巻線において、 巻枠の一番下に下側の巻線を巻回して相に相当する巻線
    数だけ(相の総巻数の約半分)巻回すると、相の巻始め
    の位置にバックし、その上に上側の巻線を巻回(相の総
    巻数の残り約半分)して、下側の巻線と上側の巻線を一
    つの相の巻線として、順次、相数だけ同一巻枠に巻回し
    てなる巻線を、平プレスして、ヘキサ巻線の円筒状形成
    した巻線方法であって、巻始めに巻枠に巻始め線を預け
    て、相巻を開始し、相ごとにタップを形成し、相の最後
    に巻終わり線で形成し、巻始め線と巻終わり線を円筒形
    成時に重ねてひとつのタップに形成できるようにした請
    求項1記載の巻線方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の巻線方法で製作された巻
    線。
  7. 【請求項7】 巻枠の一番下に下側の巻線を巻回して相
    に相当する巻線数だけ(相の総巻数の約半分)巻回し
    て、相の巻始めの位置にバックし、その上に上側の巻線
    を巻回(相の総巻数の残り約半分)して、下側の巻線と
    上側の巻線を一つの相の巻線として、順次、相数だけ同
    一巻枠に巻回してなる2重巻線を、平プレスして、円筒
    状形成したヘキサ巻線をスロットレスコア付きモータの
    巻線に使用したことが特徴のスロットレスコア付きモー
    タ。
  8. 【請求項8】 円筒状の巻線を絶縁された円形断面のコ
    アの外周に配置したスロットレスコア付きモータにおい
    て、 円筒状の巻線の平行部に相当するコアの範囲が円筒形状
    のある円筒部を形成し、円筒状の巻線の傾斜部に相当す
    るコアの範囲は円筒部の端面からコア端面まで外径が減
    少する径減少円形断面形状部を円筒部の両側に構成した
    ことが特徴の請求項7記載のスロットレスコア付きモー
    タ。
  9. 【請求項9】 巻枠の一番下に下側の巻線を巻回して相
    に相当する巻線数だけ(相の総巻数の約半分)巻回し
    て、相の巻始めの位置にバックし、その上に上側の巻線
    を巻回(相の総巻数の残り約半分)して、下側の巻線と
    上側の巻線を一つの相の巻線として、順次、相数だけ同
    一巻枠に巻回してなる2重巻線を、平プレスして、円筒
    状形成したヘキサ巻線をモータの巻線に使用したことが
    特徴のコアレスモータ。
  10. 【請求項10】 六角形状の巻線を巻層する巻線用巻枠
    を使用して製作するモータの巻線において、 連続して一つの巻枠に巻回したn相(n=3以上、正の
    整数)巻線であって、各相が下側巻線と渡り線と上側巻
    線で巻回されて形成され、前記渡り線は下側巻線の巻終
    わりから巻始めまでバックした巻線であって、下側巻線
    と上側巻線の間に構成され、 各相の両側にはタップが形成されていて、タップ数はn
    +1であって、円筒状に成形した巻線では始めのタップ
    と終わりのタップを重ねて一つのタップとして、円周状
    にn個タップを配置させ、またそのタップは等分に配置
    されていて、隣り合うタップ間で巻線の相を構成したこ
    とが特徴の巻線。
  11. 【請求項11】 請求項7、または請求項8、または請
    求項9のいずれかに記載のモータを使用したOA機器。
  12. 【請求項12】 請求項7、または請求項8、または請
    求項9のいずれかに記載のモータを使用した医療機器。
  13. 【請求項13】 請求項7、または請求項8、または請
    求項9のいずれかに記載のモータを使用した携帯端末機
    器。
  14. 【請求項14】 請求項7、または請求項8、または請
    求項9のいずれかに記載のモータを使用した記録媒体駆
    動装置。
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