JPWO2022004299A5 - - Google Patents

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JPWO2022004299A5
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本開示は、一般にコイル、モータ及び製造方法に関し、より詳細には、被膜の付いた導線を用いるコイル、モータ及び製造方法に関する。
多数個の凹状スロットと多数個の凸状磁極とを周方向に交互に有するステータコアと、金属線の外周面に絶縁被膜を形成した横断面矩形のマグネットワイヤと、を備えている。かつ、スロットの両側面、両側面の間隔寸法はスロットの底部から先端開口部に向かって小さくなるように形成されている。マグネットワイヤは、磁極に巻設されると共にスロット内に積層状に挿入されている。さらに、マグネットワイヤの幅寸法をスロットの底部から先端開口部に向かって連続的に又は段階的に小さくなるように配設したものである。
一方で、被膜の付いた平角線に、例えば、幅加工及び曲げ加工などの加工を施した部位を設ける場合、加工した部位においては、被膜が損傷して絶縁性能が低下する可能性がある。被膜が破損するとコイルの品質が低下する可能性がある。
特開2007-317636号公報
本開示は上記課題に鑑みてなされ、品質の低下を抑制することができるコイル、モータ及び製造方法を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係るコイルは、導線と、前記導線を被覆する被膜と、を備える。前記導線は、加工された部位である加工部を含む。前記導線は、前記導線のうち前記加工部とは異なる部位を被覆する第1被膜と、前記加工部を被覆する第2被膜と、を含む。前記被膜は、前記第1被膜と前記第2被膜との間において境界を有する。
本開示の一態様に係るモータは、前記コイルと、前記コイルが装着されるステータと、を備える。
本開示の一態様に係る製造方法は、コイルの製造方法であって、前記第1被膜の付いた導線を加工して前記導線に前記加工部を形成する処理と、前記加工部を被覆する前記第2被膜を形成する処理と、を含む。
図1Aは、実施形態1に係る導線を説明する図である。図1Bは、同上の導線に対して幅加工を行った場合の図である。図1Cは、同上の導線に対して幅加工された部位を被覆する第2被膜を説明する図である。図1Dは、同上の幅加工された導線を巻回したコイルを説明する図である。 図2は、実施形態1に係るコイルの製造方法を説明する図である。 図3Aは、変形例2に係るエッジワイズコイルを有するモータの側面図である。図3Bは、同上のエッジワイズコイルを有するモータの上面図である。 図4Aは、変形例2に係る幅可変のエッジワイズコイルを説明する図である。図4Bは、同上の幅固定のエッジワイズコイルを説明する図である。 図5Aは、実施形態2に係る幅加工された部位を説明する図である。図5Bは、同上の幅加工された部位を有したエッジワイズコイルを説明する図である。図5Cは、同上の幅加工された部位を補修したエッジワイズコイルを説明する図である。 図6Aは、実施形態3に係る導線を曲げる曲げ部の内角を加工した部位を説明する図である。図6Bは、同上の導線の加工部に形成した第2被膜を説明する図である。図6Cは、同上の内角に加工部を有する幅固定のエッジワイズコイルを説明する図である。 図7Aは、実施形態4に係る導線を曲げる曲げ部の内角を切り取る加工をした加工部を説明する図である。図7Bは、同上の加工部を有するエッジワイズコイルを説明する図である。図7Cは、同上の加工部に形成した第2被膜を説明する図である。 図8Aは、実施形態5に係る導線を曲げる曲げ部の内角をつぶし加工した加工部を説明する図である。図8Bは、同上のつぶし加工した加工部に形成した第2被膜を説明する図である。図8Cは、同上のつぶし加工した加工部を有するエッジワイズコイルを説明する図である。 図9Aは、実施形態6に係るつぶし加工した加工部を有する導線を説明する図である。図9Bは、同上の加工部を有するエッジワイズコイルを説明する図である。図9Cは、同上の加工部に形成した第2被膜を説明する図である。 図10Aは、実施形態7に係る加工部として幅加工された部位と曲げ加工される部位の内角とを有する導線を説明する図である。図10Bは、同上の加工部を第2被膜により補修した導線を説明する図である。図10Cは、同上の加工部を第2被膜により補修したエッジワイズコイルを説明する図である。
以下に説明する各実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、各実施形態及び変形例に限定されない。これらの実施形態及び変形例以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(実施形態1)
以下、本実施形態に係るコイル1及び製造方法について、図1A~図4Bを用いて説明する。
(1)概要
本実施形態1のコイル1は、一例として、エッジワイズコイルである。以下の説明においては、コイル1は、エッジワイズコイル1として説明する。
本実施形態1のコイル1は、導線3と、導線3を被覆する被膜5と、を備える。導線3は、加工された部位である加工部6を含んでいる。また、導線3は、導線3のうち加工部6とは異なる部位を被覆する第1被膜L1と、加工部6を被覆する第2被膜L2と、を含んでいる。被膜5は、第1被膜L1と、第2被膜L2と、の間において境界B1を有している。ここで導線3とは、図1Aに示すように、平角線であり、平らな角線で、例えば、断面は長方形の導線3であって、絶縁被膜である第1被膜L1により被覆されている。
加工部6は、図1Bに示すように導線3の幅を調整する幅加工された部位7を含んでいる。
幅加工とは、図1Bに示すように、導線3の長さ方向Lとは異なる短手方向Wの幅を加工することである。幅加工することにより、幅加工された導線3をエッジワイズコイル1として形成し、モータ2として構成する場合に、モータ2の中心の軸方向に行くにしたがって導線3を巻く巻き線の幅が細くなると、エッジワイズコイル1をティースに沿って円形状に配置することができる。このため、モータ2のスロット内の占積率が高くなり、大きな回転トルクを効率よく得られるモータ2を製造することが可能になる。
幅加工を行うことによって、導線3の被膜5は、損傷する可能性があるために、図1Cに示すように、第1被膜L1に加えて、第2被膜L2を形成することにより、被膜5の損傷する可能性のある部位を補修する。第1被膜L1を第2被膜L2により補修した導線3を巻回することにより、図1Dに示すように、エッジワイズコイル1は形成される。ここで、導線3を巻回してエッジワイズコイル1を形成する前に第1被膜L1を第2被膜L2を用いて補修することにより、エッジワイズコイル1の形成後においても被膜5の絶縁性能の低下を抑制することができる。このため、エッジワイズコイル1の品質の低下を抑制することができる。
(2)構成
本実施形態1では、エッジワイズコイル1は、加工部6として、幅加工された部位7を有する構成について説明する。
導線3は、図1Aに示すように、断面が、一例として、長方形の平らな角線であり、絶縁被膜である第1被膜L1によって被覆されている。導線3は、例えば、銅材であり、電気伝導性を有している。
第1被膜L1は、導線3を被覆する絶縁膜である。第1被膜L1は、幅加工を行うと、第1被膜L1は損傷する。
第2被膜L2は、導線3を被覆する絶縁膜である第1被膜L1を補修する絶縁膜である。第2被膜L2を用いて、第1被膜L1の損傷部位D1を補修する。第1被膜L1と第2被膜L2とは、同材質であってもよいし、異材質であってもよい。本実施形態1では、同材質として説明する。
第1被膜L1及び第2被膜L2が同材質である場合の材質は、例えば、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、エステルイミド、アミドイミド、エステルイミド(下層)/アミドイミド(上層)、及びポリイミドが挙げられる。第2被膜L2は、第1被膜L1と同様である。第1被膜L1がエステルイミド(下層)/アミドイミド(上層)の場合には、第2被膜L2は、エステルイミド又はアミドイミドのどちらか、又は両方を選択することができる。
第2被膜L2の形成方法は、例えば、塗布、含浸、滴下、静電塗装、スプレー塗装、電着塗装、粉体塗装、フィルム・テープ貼り付けが挙げられる。
境界B1は、第1被膜L1と第2被膜L2との間に形成される。第1被膜L1と第2被膜L2とは、同材質であっても異材質であっても、境界B1は形成される。つまり、第1被膜L1と第2被膜L2とは、同材質であってもよいし、異材質であってもよい。第1被膜L1と第2被膜L2との間において、導線3の中心軸C1に沿った、境界B1とは別の境界B4を有する。境界B1においては、境界B1を挟んで加工部6における第2被膜L2と、元々導線3の被覆である第1被膜L1とが存在している。第1被膜L1は、第2被膜L2の少なくとも一部と重複する重複部10を有する。つまり、第1被膜L1と第2被膜L2とは重なりが生じている。
加工部6として、幅加工された部位7は、導線3の長さ方向とは異なる幅方向の幅を加工した部位である。幅方向を加工すると、導線3に付いていた絶縁膜である第1被膜L1は損傷する可能性がある。本実施形態1では、幅加工された部位7に絶縁被膜として第2被膜L2を形成する。
(3)製造方法
本実施形態1のコイル1の製造方法について説明する。
コイル1の製造方法は、図2に示すように、加工部6を形成する処理(ステップS1)と、被膜を形成する処理(ステップS2)と、コイルを形成する処理(ステップS3)と、を含む。
本実施形態1のコイル1としてのエッジワイズコイル1の製造方法では、導線3に第1被膜L1が付いた導線3を幅加工し、巻回することにより幅可変のエッジワイズコイル1は形成される。
本実施形態1のコイル1としてのエッジワイズコイル1の製造方法は、第1被膜L1の付いた導線3を切削などによって加工して導線3に加工部6を形成する処理を含んでいる。具体的には、導線3に幅加工を行った部位である幅加工された部位7を形成する。幅加工された部位7を形成すると、導線3を被覆していた第1被膜L1は損傷する可能性がある。このため、本実施形態1のエッジワイズコイル1の製造方法は、加工部6を被覆する第2被膜L2を形成する処理を含んでいる。本実施形態1では、第1被膜L1と第2被膜L2とは、例えば、同素材であるポリウレタンであるとし、第2被膜L2は、例えば、静電塗装により形成する場合について説明する。静電塗装とは、接地した被塗物を正極とし、塗料噴霧装置を負極として、直接高電圧を両極間に印加して両極間に静電界を形成し、塗料の微粒子を負に帯電させて被膜を作製する方法である。本実施形態1では、加工部6を形成した導線3を接地して正極とし、噴霧塗料装置を負極として、高電圧を両極間に印加し、両極間に静電界を形成する。ポリウレタンの塗料微粒子を負に帯電させて噴霧し、第1被膜L1の損傷部位に第2被膜L2を形成する。本実施形態1では、第1被膜L1と第2被膜L2とは、ともにポリウレタンであるが、上述したように、第1被膜L1と、新たに静電塗装により形成された第2被膜L2との間には、境界B1が形成される。
次に、加工部6及び第2被膜L2が形成された導線3を、第2被膜L2が巻回の中心から見て外側になるように曲げることによって、幅可変のエッジワイズコイル1は完成する。例えば、厚みWが最も小さい部分が1ターン、次に厚みWが小さい部分が2ターン、となるようにエッジワイズコイル1は形成される。この場合、厚みWが最も小さい部分が内側に位置している。
なお、第2被膜L2を巻回の中心から見て中心側(内側)になるように曲げることによって、幅可変のエッジワイズコイル1を形成してもよい。
(4)利点
コイル1は、長さを有する導線3と、導線3を被覆する被膜5と、を備える。被膜5は、導線3を加工した加工部6を有する第1被膜L1と、導線3の長さ方向に沿って、第1被膜L1の周辺部分を形成する第2被膜L2との間に境界B1を含む。
この構成によると、被膜5は、第1被膜L1と第2被膜L2との間において、境界B1を有している。そのため、第2被膜L2の曲げ部4を補修していることが分かる。曲げ部4においては、曲げ部4を被覆する第1被膜L1は、破損する可能性がある。そこで、第2被膜L2で補修することで、被膜5の絶縁性能の低下を抑制することができる。このため、コイル1の品質の低下を抑制することができる。したがって、第1被膜L1が破損する可能性のある部分を、絶縁被膜である第2被膜L2で補修したコイル1を提供することができる。つまり、被膜5を補修することで、コイル1の品質の低下を抑制することができる。
(5)変形例
以下に、変形例について記載する。なお、以下に説明する変形例は、上記実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
(5-1)変形例1
実施形態1では、第1被膜L1と第2被膜L2とは同材質である構成としたが、この構成に限定されない。第1被膜L1と第2被膜L2とは、異材質である構成であってもよい。
第1被膜L1と第2被膜L2とが異材質である場合の材質は、第1被膜L1は、例えば、上述した材質及びその組み合わせである。第1被膜L1は、例えば、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、エステルイミド、アミドイミド、エステルイミド(下層)/アミドイミド(上層)、及びポリイミドである。第2被膜L2は、例えば、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、芳香族ポリエステル(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、芳香族ポリアミド、エポキシ、アクリルが挙げられる。上記の第2被膜L2の形成方法は、上述した形成方法である、塗布、含浸、滴下、静電塗装、スプレー塗装、電着塗装、粉体塗装、フィルム・テープ貼り付けが挙げられる。これらに加えて、不飽和ポリエステル等のワニスは、塗布、含浸、滴下により第2被膜L2として形成することができる。フッ素樹脂等の熱収縮チューブは、熱収縮により、第2被膜L2として形成することができる。また、マイカは、フィルム・テープ貼り付けにより、第2被膜L2として形成することができる。
本変形例1では、一例として、第1被膜L1をポリウレタン、第2被膜L2をPEEKである構成として説明する。第1被膜L1としてポリウレタンが形成されている導線3を幅加工すると、幅加工された部位7において第1被膜L1は損傷する。本変形例1では、損傷部位D1に第2被膜L2として第1被膜L1とは異材質のPEEKをスプレー塗装により形成する。PEEKのスプレー塗装においては、PEEK樹脂の微粒粉を水に分散させ、エアスプレー装置で吹き付けた後、焼成成膜する。これにより、第2被膜L2であるPEEKの成膜が完了する。第2被膜L2は、スプレー塗装によって、第1被膜L1の上にも第1被膜L1の損傷部位D1の上にも形成されている。つまり、境界B1は、第1被膜L1と第2被膜L2との間に形成されており、実施形態1と同様に、第1被膜L1と第2被膜L2との重なりも発生している。
幅加工された部位7を有する導線3を曲げることによって、第1被膜L1と第2被膜L2とは、異材質である構成であっても幅可変のエッジワイズコイル1を形成することができる。
(5-2)変形例2
幅加工された部位7を有する導線3を用いた幅可変のエッジワイズコイル1は、コイルが装着されるステータ14と組み合わせてモータ2への適用が可能である。幅可変のエッジワイズコイル1を有するモータ2を図3A及び図3Bに示す。図3Aは、モータ2の側面図、図3Bはモータ2の上面図である。
モータ2は、幅可変のエッジワイズコイル1と、シャフト11と、ベアリング12と、ロータ13と、ステータ14と、端子部材15と、ベアリング18と、を含んでいる。
エッジワイズコイル1は、幅加工された部位7を有する導線3を折り曲げて形成した後、第1被膜L1の損傷部位D1を第2被膜L2により補修している。このため、エッジワイズコイル1は、絶縁性能の低下を抑制している。
モータの各要素について説明する。シャフト11は、回転動力を伝える。ベアリング12と、ベアリング18とは、2つのベアリングにより、シャフト11を回転可能に支持している。ロータ13は、図3A及び図3Bに示すように、シャフト11と、複数の永久磁石(図示せず)と、を備える。ロータ13は、ステータ14に対して回転可能であり、複数のエッジワイズコイル1に電流が流れることにより発生する磁界により回転する。つまり、ロータ13は、永久磁石を有し、永久磁石による磁界とステータ14のエッジワイズコイル1に電流が流れることにより発生する磁界とで回転し、発生するトルクをシャフト11に伝える。ステータ14は、複数のティース16を有している。複数のティース16には、インシュレータを介して複数のエッジワイズコイル1が巻回されている。端子部材15は、スイッチング回路(図示せず)に接続する複数(図3Bでは3つ)の端子部材である。
モータ2では、ティース16に対して導線3を巻回し、エッジワイズコイル1を形成する。導線3を巻回してエッジワイズコイル1を形成する方法について、図4A及び図4Bの12極18スロットのエッジワイズコイル1を用いて説明する。
導線3を巻回してエッジワイズコイル1を形成する方法は、図4Aに示す幅可変と、図4Bに示す幅固定とが可能である。幅固定は、導線3を巻回する幅を固定しており、幅可変は、導線3を巻回する幅を可変としている。幅可変のエッジワイズコイル1は、幅加工を施した平角線(導線3)を折り曲げてエッジワイズコイル1を形成することにより、スロット内の占積率を向上させて、大きな回転トルクを効率よく得られるモータ2を製造することが可能である。ここで、幅加工とは、占積率が高くなるようにエッジワイズコイル1の幅を調整するために、導線3の幅を加工することである。
以上により、第1被膜L1が破損する可能性のある部分に絶縁被膜である第2被膜L2を補修したモータ2を提供することができる。
(実施形態2)
本実施形態2では、第1被膜L1のついた導線3に幅加工された部位7を形成した後にエッジワイズコイル1を形成し、第2被膜L2を形成する点が実施形態1とは相違する。本実施形態2では、図1Aに示す第1被膜L1のついた導線3に、加工部6を設ける。具体的には、図5Aに示すように、加工部6として、幅加工された部位7を導線3に設ける。幅加工された部位7は、元々付いていた、例えば、ポリエステルで形成された第1被膜L1は損傷しており、例えば、導線3の母材である銅材がむき出しになっている。本実施形態2では、幅加工された部位7の第1被膜L1が損傷した状態で、導線3を曲げて、図5Bに示すように、エッジワイズコイル1を形成する。エッジワイズコイル1を形成した後、図5Cに示すように、第1被膜L1の損傷部位D1に、本実施形態2では、一例として、電着塗装により、第1被膜L1と同材質であるポリエステルの第2被膜L2を形成する。
ここで、電着塗装は、電着塗料の中に電着塗布される対象と、電極とを入れて電位を生じさせ、塗膜成分を電気泳動させることにより、電着塗布される対象の表面に塗膜を析出させる。本実施形態2では、導線3の加工部6の第1被膜L1は、導線3が幅加工されることによって損傷しており、導線3の母材である銅材がむき出しになることにより、電着塗布における電極の役割を果たす。このため、第1被膜L1の損傷部位D1に電着塗布することが可能となっている。本実施形態2では、電着塗装により、第1被膜L1の損傷部位D1に第2被膜L2を形成し、被膜5の絶縁性能の低下を抑制した幅可変のエッジワイズコイル1を形成することができる。このため、エッジワイズコイル1の品質の低下を抑制することができる。
図5Cに示すように、第1被膜L1の損傷部位D1に第2被膜L2を形成することにより、導線3の中心軸C1に沿った、境界B4を有する。
次に製造方法について説明する。本実施形態2では、実施形態1で説明したステップS3とステップS2の処理の順序を入れ替えることで、実施形態2のエッジワイズコイル1が形成される。具体的には、導線3に対して、幅加工された部位7を形成する。幅加工された部位7では、第1被膜L1が損傷する。加工部6を形成した状態で、導線3を巻回することによりエッジワイズコイル1を形成する。その後、第1被膜L1の損傷部位D1に第2被膜L2を電着塗装により形成する。以上により、補修された被膜5を有するエッジワイズコイル1は形成される。
(5-3)実施形態2の変形例1
実施形態2では、一例として、第1被膜L1及び第2被膜L2をポリエステル、第2被膜L2の形成方法を電着塗装とする構成としたが、この構成に限定されない。上記の変形例2と同様に、種々の材料の組み合わせ、被膜形成方法が選択可能である。具体的には、第1被膜L1及び第2被膜L2が同材質である場合の材質は、例えば、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、エステルイミド、アミドイミド、エステルイミド(下層)/アミドイミド(上層)、及びポリイミドが挙げられる。第2被膜L2は、第1被膜L1と同様である。第1被膜L1がエステルイミド(下層)/アミドイミド(上層)の場合には、第2被膜L2は、エステルイミド又はアミドイミドのどちらか、又は両方を選択することができる。第2被膜L2の形成方法は、例えば、塗布、含浸、滴下、静電塗装、スプレー塗装、電着塗装、粉体塗装、フィルム・テープ貼り付けが挙げられる。
第1被膜L1と第2被膜L2とが異材質である場合の材質は、第1被膜L1は、例えば、上述した材質及びその組み合わせである。第2被膜L2は、例えば、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、芳香族ポリエステル(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、芳香族ポリアミド、エポキシ、アクリルが挙げられる。上記の第2被膜L2の形成方法は、上述した形成方法が挙げられる。これらに加えて、不飽和ポリエステル等のワニスは、塗布、含浸、滴下により第2被膜L2として形成することができる。フッ素樹脂等の熱収縮チューブは、熱収縮により、第2被膜L2として形成することができる。また、マイカは、フィルム・テープ貼り付けにより、第2被膜L2として形成することができる。
(実施形態3)
本実施形態3では、曲げ加工における内角を形成する加工を行う点が実施形態1及び実施形態2とは相違する。
曲げ加工とは、導線3を曲げるように加工することである。曲げ加工することによって、曲げ部4を形成する。従来、曲げ部の内側の部分(以下、内角8という)では、導線3(平角線)を曲げたことにより、導線3及び被膜(第1被膜L1)が圧縮されることによって盛り上がり、第1被膜L1が損傷する可能性があった。このため、内角8を形成する加工を行うことによって、導線3を曲げた場合においても、導線3及び第1被膜L1の盛り上がりを抑制することができる。例えば、エッジワイズコイル1を形成する場合、内角8を形成する加工を行うことによって、曲げ加工においても被膜の絶縁性能の低下を抑制することができる。ここで、内角8とは、巻回された導線3の中心から見て、曲げ加工を含む加工部6の中心側に位置する部位を内角8としている。
具体的には、図1Aに示すように、導線3に絶縁被膜として第1被膜L1を形成する。次に、図6Aに示すように、加工部6として曲げ加工される部位の内角8の導線3及び第1被膜L1を切り取る。曲げ加工される部位の内角8の導線3及び第1被膜L1を切り取ることで、導線3の第1被膜L1は損傷し、導線3がむき出しになる。図6Bに示すように、第1被膜L1の損傷部位D2を第2被膜L2で補修することで、第1被膜L1の絶縁性能の低下を抑制することができる。一例として、第1被膜L1及び第2被膜L2は同材質でポリアミド、第2被膜L2の形成方法は電着塗装である。部分的に第2被膜L2を形成することで、被膜5の絶縁性能の低下を抑制しながら、第1被膜L1を補修するコストを抑制することができる。
曲げ加工される部位の内角8の第1被膜L1を第2被膜L2により補修した後、加工部6が導線3を巻回する中心側を向くように導線3を曲げ加工して、図6Cに示す幅固定のエッジワイズコイル1を形成する。ここで、内側とは、エッジワイズコイル1の巻回の中心から見て加工部6における中心側を向いた部位である。曲げ加工しても、内角8は、導線3が第1被膜L1からはみ出すことも、絶縁被膜である第2被膜L2が損傷することも抑制することができる。
このため、第1被膜L1の付いた導線3に曲げ加工される部位の第1被膜L1の損傷を補修し、被膜5の絶縁性能の低下を抑制した加工部6を有する、コイル1及び製造方法を提供することができる。また、被膜5の絶縁性能の低下を抑制できることから、コイル1の品質の低下を抑制することができる。
(実施形態4)
本実施形態4では、エッジワイズコイル1の形成と、曲げ加工された部位の内角8の補修の形成との順番が、実施形態3とは相違する。
本実施形態4では、一例として、第1被膜L1及び第2被膜L2を同材質のポリアミド、第2被膜L2は電着塗装により形成されるものとする。
具体的には、図1Aに示すように、導線3に第1被膜L1を形成する。加工部6として曲げ加工される部位の内角8の導線3及び第1被膜L1を切り取る(図7A参照)。曲げ加工される部位の内角8の導線3及び第1被膜L1を切り取ることで、第1被膜L1は損傷し、導線3がむき出しになる。
次に、導線3の曲げ加工を行い、図7Bに示すように、幅固定のエッジワイズコイル1を形成する。この状態では、曲げ加工された部位の内角8の導線3及び第1被膜L1は切り取られているため、導線3のはみ出しは抑制されており、内角8を被覆する第1被膜L1は存在しない。
エッジワイズコイル1を形成すると、曲げ加工された内角8の導線3がむき出しになった部位に対して、図7Cに示すように、電着塗装により第2被膜L2としてのポリアミドを形成し、絶縁被膜の補修を完了する。曲げ加工された内角8の損傷した絶縁被膜を第2被膜L2により部分的に補修することで、絶縁性能の低下を抑制しながら、第1被膜L1を補修するコストを抑制することができる。
次に製造方法について説明する。本実施形態4では、実施形態1で説明したステップS3とステップS2の処理の順序を入れ替えることで、実施形態4のエッジワイズコイル1が形成される。具体的には、導線3に対して、曲げ加工される部位の内角8の導線3及び第1被膜L1を切り取る。このため、第1被膜L1は損傷し、導線3がむき出しになる。加工部6を形成した状態で、導線3を巻回することによりエッジワイズコイル1を形成する。その後、第1被膜L1の損傷部位D2に電着塗装により第2被膜L2を形成する。以上により、補修された被膜5を有するエッジワイズコイル1は形成される。
(実施形態5)
本実施形態5では、曲げ加工される部位の内角8の形成方法が実施形態3及び実施形態4とは異なる。実施形態3及び実施形態4では、曲げ加工される部位の内角8において、第1被膜L1からはみ出さないように、内角8の導線3及び第1被膜L1を切り取っていたが、本実施形態5ではつぶし加工することで内角9を形成している。導線3を曲げ加工することによって、曲げ部4を形成した場合の曲げ部4の内側の部分(以下、内角9という)では、導線3(平角線)を曲げたことにより、導線3及び被膜(第1被膜L1)が盛り上がり、第1被膜L1が損傷する可能性があった。このため、内角9を形成する加工を行うことによって、導線3を曲げた場合においても、導線3及び第1被膜L1の盛り上がりを抑制することができる。例えば、エッジワイズコイル1を形成する場合、内角9を形成する加工を行うことによって、曲げ加工においても被膜の絶縁性能の低下を抑制することができる。ここで、内角9とは、巻回された導線3の中心から見て、曲げ加工を含む加工部6の中心側に位置する部位を内角9としている。
つぶし加工とは、導線3の曲げ加工される部位の内側に、窪みを作製しておく加工方法である。つぶし加工を行った内角9においては、導線3の第1被膜L1は損傷し、絶縁性能は低下する。そこで本実施形態5では、曲げ加工される部位の内角9において、つぶし加工を行った後、絶縁膜である第2被膜L2により第1被膜L1を補修し、曲げ加工を行ってエッジワイズコイル1を形成する。
具体的には、図1Aに示すように、導線3に絶縁被膜として第1被膜L1を形成する。本実施形態5では、一例として、第1被膜L1及び第2被膜L2は同材質でポリアミドであり、第2被膜L2は電着塗装により形成されるものとする。
まず、導線3において、図8Aに示すように、加工部6として曲げ加工される部位の内角9の導線3につぶし加工を行う。つぶし加工を行うことにより、元々付いていた第1被膜L1はつぶし加工された部分において損傷を受ける。次に、図8Bに示すように、絶縁膜である第2被膜L2は、電着塗装により、曲げ加工される部位の内角9に形成される。第2被膜L2は、電着塗装により内角9に部分的に形成され、第1被膜L1を補修する。被膜5の補修が完了すると、つぶし加工が行われた導線3は、曲げ加工され、図8Cに示すように、幅固定のエッジワイズコイル1が形成される。
以上により、加工部6として曲げ加工される部位の内角9につぶし加工を用いた場合のエッジワイズコイル1が形成される。つぶし加工した内角9の損傷した第1被膜L1を第2被膜L2により部分的に補修することで、絶縁性能の低下を抑制しながら、第1被膜L1を補修するコストを抑制することができる。このため、エッジワイズコイル1の品質の低下を抑制することができる。
(実施形態6)
本実施形態6では、つぶし加工した内角9の第1被膜L1の損傷部位D3の補修と、エッジワイズコイル1の形成との順番が実施形態5とは相違する。
本実施形態6では、第1被膜L1及び第2被膜L2は、一例として、同材質でポリアミドであり、第2被膜L2は電着塗装により形成されるものとする。具体的には、図1Aに示すように、導線3に第1被膜L1を形成する。導線3の曲げ加工される部位の内角9に、図9Aに示すように、加工部6としてのつぶし加工した内角9を形成し、導線3のはみ出しを抑制する。つぶし加工を行うことにより、第1被膜L1は損傷する。この状態において、導線3の曲げ加工を行い、図9Bに示すように、エッジワイズコイル1を形成する。エッジワイズコイル1は形成されるが、つぶし加工を行った内角9の第1被膜L1は損傷している。そのため、第2被膜L2は、図9Cに示すように、電着塗装によりつぶし加工を行った内角9に形成される。つぶし加工した内角9の損傷した第1被膜L1を第2被膜L2により部分的に補修することで、絶縁性能の低下を抑制しながら、第1被膜L1を補修するコストを抑制することができる。
(実施形態7)
本実施形態7は、実施形態1、実施形態2で説明した加工部6として幅加工された部位7と、実施形態3、実施形態4、実施形態5、実施形態6で説明した曲げ加工される部位の内角8とが組み合わさった構成である点が、他の実施形態とは相違する。
図10Aに示すように、第1被膜L1に被覆された導線3に、加工部6として、幅加工された部位7と曲げ加工される部位の内角8とが組み合わさって形成されることで、幅可変のエッジワイズコイル1を形成することができる。また、エッジワイズコイル1の形成時に曲げ加工される部位の内角8において、導線3がはみ出すことを抑制することができる。本実施形態7では、幅加工された部位7及び曲げ加工される部位の内角8を形成することにより、元々導線3に付いていた第1被膜L1が損傷する。そのため、本実施形態7では、エッジワイズコイル1を形成する前に、図10Bに示すように、第2被膜L2により第1被膜L1の損傷した部位を補修する。
具体的には、第1被膜L1及び第2被膜L2は、一例として、同材質でポリアミドであり、第2被膜L2は電着塗装により形成されるものとする。本実施形態7では、第1被膜L1の損傷部位D4を、第2被膜L2を用いた電着塗装により補修する。
第1被膜L1を第2被膜L2により補修した後、幅加工された部位7及び曲げ加工される部位の内角8を有する導線3を曲げ加工することにより、図10Cに示すように、幅可変のエッジワイズコイル1を形成することができる。
以上により、幅加工された部位7及び曲げ加工された内角8の損傷した第1被膜L1を第2被膜L2により部分的に補修することで、絶縁性能の低下を抑制しながら、第1被膜L1を補修するコストを抑制することができる。
(5-4)その他の変形例
実施形態7では、加工部6において、幅加工された部位7と曲げ加工された部位の内角8とを組み合わせ、エッジワイズコイル1の形成前に第1被膜L1を第2被膜L2により補修する構成としたが、この構成に限定されない。第1被膜L1の第2被膜L2による補修は、エッジワイズコイル1の形成後であってもよい。具体的には、第1被膜L1及び第2被膜L2は、一例として、同材質でポリアミドであり、第2被膜L2は電着塗装により形成されるものとする。幅加工された部位7と曲げ加工される部位の内角8とを組み合わせて、導線3に加工部6を形成する。次に、導線3に曲げ加工を行い、エッジワイズコイル1を形成する。エッジワイズコイル1の形成後に、一例として、電着塗装により幅加工された部位7と曲げ加工された部位の内角8の第1被膜L1の損傷部位D4に第2被膜L2であるポリアミドを形成する。以上により、幅加工された部位7及び曲げ加工された内角8の損傷した第1被膜L1を第2被膜L2により部分的に補修することで、絶縁性能の低下を抑制しながら、第1被膜L1を補修するコストを抑制することができる。
変形例2では、幅加工された部位7を有する導線3を用いて幅可変のエッジワイズコイル1をモータ2へ適用する構成としたが、この構成に限定されない。幅加工された部位7は必須の構成ではなく、幅加工された部位7はなくてもよい。この場合、図3Bに示すような幅固定のエッジワイズコイル1が形成される。
実施形態7では、加工部6として、幅加工された部位7と曲げ加工される部位の内角8とが組み合わさって導線3に形成され、第1被膜L1を補修した後に幅可変のエッジワイズコイル1を形成する構成としたが、この構成に限定されない。加工部6を形成した後、幅可変のエッジワイズコイル1を形成し、エッジワイズコイル1を形成した後に第2被膜L2により、第1被膜L1の補修を行ってもよい。
実施形態7では、加工部6として、幅加工された部位7と曲げ加工される部位の内角8とが組み合わさって導線3に形成され、第1被膜L1を第2被膜L2により補修した後に幅可変のエッジワイズコイル1を形成する構成としたが、この構成に限定されない。曲げ加工される部分の内角8は、つぶし加工される部位の内角9であってもよい。つまり、加工部6は、幅加工された部位7とつぶし加工される部位の内角9であってもよい。加工部6が導線3に形成されると、第1被膜L1を第2被膜L2により補修し、導線3を巻回してエッジワイズコイル1を形成する。
上記変形例においては、加工部6として、幅加工された部位7とつぶし加工される部位の内角9とが組み合わさって導線3に形成され、第1被膜L1を第2被膜L2により補修した後に幅可変のエッジワイズコイル1を形成する構成としたが、この構成に限定されない。加工部6が形成された後に、導線3を巻回してエッジワイズコイル1を形成し、その後に損傷した第1被膜L1の補修を第2被膜L2により行ってもよい。
(まとめ)
以上、説明したように、第1の態様に係るコイル(1)は、長さを有する導線(3)と、導線(3)を被覆する被膜(5)とを備える。導線(3)は、加工された部位である加工部(6)を含む。導線(3)は、導線(3)のうち加工部(6)とは異なる部位を被覆する第1被膜(L1)と、加工部(6)を被覆する第2被膜(L2)と、を含む。被膜(5)は、第1被膜(L1)と第2被膜(L2)との間において境界(B1,B2,B3,B4)を有している。
この構成によると、被膜(5)は、第1被膜(L1)と第2被膜(L2)との間において、境界(B1,B2,B3,B4)を有している。そのため、第2被膜(L2)で曲げ部(4)を補修していることが分かる。曲げ部(4)においては、曲げ部(4)を被覆する第1被膜(L1)は、破損する可能性がある。そこで、第2被膜(L2)で補修することで、被膜(5)の絶縁性能の低下を抑制することができる。このため、コイル(1)の品質の低下を抑制することができる。したがって、第1被膜(L1)が破損する可能性のある部分を、絶縁被膜である第2被膜(L2)で補修したコイル(1)を提供することができる。つまり、被膜(5)を補修することで、コイル(1)の品質の低下を抑制することができる。
第2の態様に係るコイル(1)では、第1の態様において、加工部(6)は、導線(3)の幅を調整する幅加工された部位(7)を含む。
この構成によると、幅加工された部位(7)を含むために、幅可変のコイル(1)を形成することが可能である。モータ(2)へ幅可変のコイル(1)を適用した場合、占積率が高くなることから、大きな回転トルクを効率よく得られるモータ(2)を製造することが可能である。
第3の態様に係るコイル(1)では、第1又は第2の態様において、加工部(6)は、導線(3)を曲げた部分である曲げ部(4)の曲げ加工された部位の内角(8,9)を含む。
この構成によると、加工部(6)は、導線(3)を曲げた部分である曲げ部(4)の曲げ加工された内角(8,9)を含むことで、導線(3)を折り曲げてコイル(1)を形成するときに、導線(3)が第1被膜(L1)からはみ出ることを抑制することができる。
第4の態様に係るコイル(1)では、第1~第3のいずれかの態様において、境界(B1,B2,B3,B4)の両側で第1被膜(L1)と第2被膜(L2)とは、同一材料から形成されている。
この構成によると、第1被膜(L1)と第2被膜(L2)とは、同一材料であることで、被膜(5)を形成する設備を共通化することが可能であり、被膜(5)の補修のコストを抑制することができる。
第5の態様に係るコイル(1)では、第1~第3のいずれかの態様において、第1被膜(L1)と第2被膜(L2)とは、別材料から形成されている。
この構成によると、第1被膜(L1)と第2被膜(L2)とは、別材料であってもよく、別材料である場合には、材料の選択及びプロセスの選択の幅が広がる。
第6の態様に係るコイル(1)では、第1~第5のいずれかの態様において、第1被膜(L1)と第2被膜(L2)との間において、導線(3)の中心軸に沿った、境界(B1,B2,B3)とは別の境界(B4)を有する。
この構成によると、第1被膜(L1)と第2被膜(L2)との間において、導線(3)の中心軸に沿った、境界(B1,B2,B3)とは別の境界(B4)を有することで、第2被膜(L2)は、導線(3)の一部を被覆している。第1被膜(L1)を部分的に補修していることで、第1被膜(L1)の絶縁性能の低下を抑制しながら、必要な箇所のみを補修することで補修に関するコストを抑制している。
第7の態様に係るコイル(1)では、第1~第6のいずれかの態様において、第1被膜(L1)は、第2被膜(L2)の少なくとも一部と重複する。
この構成によると、第1被膜(L1)と第2被膜(L2)とは、少なくとも一部と重複することで、絶縁性能の低下を抑制することができる。
第8の態様に係るコイル(1)では、第1~第7のいずれかの態様において、エッジワイズコイル(1)として形成されている。
この構成によると、エッジワイズコイル(1)は、導線(3)を曲げることによって形成される。エッジワイズコイル(1)は、第1被膜(L1)を第2被膜(L2)で補修することによって、絶縁性能の低下を抑制することができる。
第9の態様に係るモータ(2)は、第1~第8のいずれかの態様において、コイル(1)と、コイル(1)が装着されるステータ(14)と、を備える。
この構成によると、被膜(5)の付いた導線(3)に幅加工された部位(7)及び曲げ加工された部位の内角(8,9)の被膜(5)の損傷を補修し、絶縁性能の低下を抑制した加工部(6)を有する、コイル(1)、モータ(2)及び製造方法を提供することができる。また、スロット内における占積率が高く、大きな回転トルクを効率よく得られるモータ(2)を製造することが可能である。また、絶縁性能の低下を抑制することができる。
第10の態様に係る製造方法は、導線(3)を加工して導線(3)に加工部(6)を形成する処理と、加工部(6)を被覆する第2被膜(L2)を形成する処理と、を含む。
この構成によると、第1被膜(L1)の付いた導線(3)に幅加工された部位(7)及び曲げ加工された部位の内角(8,9)の第1被膜(L1)の損傷を補修し、絶縁性能の低下を抑制した加工部(6)を有する、コイル(1)、モータ(2)及び製造方法を提供することができる。
1 コイル、エッジワイズコイル
2 モータ
3 導線
4 曲げ部
5 被膜
6 加工部
7 幅加工された部位
8,9 曲げ加工された部位の内角
11 シャフト
L1 第1被膜
L2 第2被膜
B1,B2,B3,B4 境界

Claims (10)

  1. 導線と、
    前記導線を被覆する被膜と、を備え、
    前記導線は、加工された部位である加工部を含み、
    前記導線は、前記導線のうち前記加工部とは異なる部位を被覆する第1被膜と、前記加工部を被覆する第2被膜と、を含み、
    前記被膜は、前記第1被膜と前記第2被膜との間において境界を有する、
    コイル。
  2. 前記加工部は、前記導線の幅を調整する幅加工された部位を含む、
    請求項1に記載のコイル。
  3. 前記加工部は、前記導線を曲げた部分である曲げ部の曲げ加工された内角の部位を含む、
    請求項1又は2に記載のコイル。
  4. 前記第1被膜と前記第2被膜とは、同一材料から形成されている、
    請求項1~3のいずれか1項に記載のコイル。
  5. 前記第1被膜と前記第2被膜とは、別材料から形成されている、
    請求項1~3のいずれか1項に記載のコイル。
  6. 前記第1被膜と前記第2被膜との間において、前記導線の中心軸に沿った、前記境界とは別の境界を有する、
    請求項1~5のいずれか1項に記載のコイル。
  7. 前記第1被膜は、前記第2被膜の少なくとも一部と重複する、
    請求項1~6のいずれか1項に記載のコイル。
  8. エッジワイズコイルとして形成された、
    請求項1~7のいずれか1項に記載のコイル。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載のコイルと、
    前記コイルが装着されるステータと、を備える、
    モータ。
  10. コイルの製造方法であって、
    第1被膜の付いた導線を加工して前記導線に加工部を形成する処理と、
    前記加工部を被覆する第2被膜を形成する処理と、含む、
    製造方法。
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