JP2002280677A - プリント基板原板の小割り用v溝形状並びにv溝形成フライス工具 - Google Patents

プリント基板原板の小割り用v溝形状並びにv溝形成フライス工具

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JP2002280677A
JP2002280677A JP2001080197A JP2001080197A JP2002280677A JP 2002280677 A JP2002280677 A JP 2002280677A JP 2001080197 A JP2001080197 A JP 2001080197A JP 2001080197 A JP2001080197 A JP 2001080197A JP 2002280677 A JP2002280677 A JP 2002280677A
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JP2001080197A
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Akihiko Takaoka
昭彦 高岡
Shigeki Kawamura
茂樹 河村
Tetsuro Mantani
哲朗 萬谷
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Shoda Techtron Corp
Kanefusa Corp
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Shoda Techtron Corp
Kanefusa Corp
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    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23CMILLING
    • B23C5/00Milling-cutters
    • B23C5/02Milling-cutters characterised by the shape of the cutter
    • B23C5/10Shank-type cutters, i.e. with an integral shaft
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    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23CMILLING
    • B23C2265/00Details of general geometric configurations
    • B23C2265/08Conical

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Milling Processes (AREA)
  • Structure Of Printed Boards (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリント基板原板上に印刷技術で形成した電
気回路のプリント基板小片を作るために、原板に削設し
たV溝により小割りすると、破断部にバリが発生する。
このばりの除去にかかる工数を削減でき且つ破断の発生
起点を安定確実にできる溝形状並びにこの溝形状を削設
するフライス工具の提供。 【解決手段】 プリント基板原板に削設したV溝でプリ
ント基板小片を小割りするV溝の形状であって、プリン
ト基板原板に、底部側である一段目V溝の拡開角度が4
5°乃至120°で、その一段目V溝の幅が0.03m
m乃至0.15mmであり、続く開口側となる二段目V
溝の拡開角度が20°乃至40°である二段構成のV溝
で形成し、一段目V溝の溝底の谷部を割れの起点とする
ことを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプリント基板原板に
形成する小割り用のV溝の形状の改良と、このV溝を形
成するために用いられるフライス工具の改良に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】プリント基板はガラスエポキシ樹脂等の
絶縁板上に印刷技術を利用して電気回路を形成した電気
配線基板である。一般的にプリント基板は比較的小面積
であるので、プリント基板原板に複数の電気回路を形成
し、この原板を小割りすることで個々のプリント基板
(以下、プリント基板小片)が作られる。
【0003】原板の小割りは、拡開角度が通常20°乃
至70°の範囲であるV溝をフライス工具により、原板
に片面からV溝4(図8a)、または両面からV溝5
A,5B(図8b)として削設し、板チョコを小割りす
るごとくV溝の溝底を起点にして割られる。このV溝を
形成するフライス工具の左右の傾斜切刃からなる切刃部
は先端の尖った形状となる。
【0004】図8に示すV溝4,5A,5Bを削設する
フライス工具の切刃は、図9に示すように左右対称の傾
斜をなす両刃の形状で、切刃の先端は鋭利に尖った形状
につくられる。この切刃形成は研削加工,放電加工若し
くはラップ加工等の加工手段(以後成形加工と称す)に
より行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】フライス工具1の外周
に配置された複数のチップ2に切刃を指定された切削半
径に成形加工によって所定の精度内に収めることはかな
りの困難さを伴うものである。
【0006】フライス工具の切刃の形成において、例え
ばフライス工具を回転研削砥石で左傾斜切刃を研削加工
したあとに右傾斜切刃を研削加工して所定のV形切刃を
形成する場合、切刃部の尖端位置の切削半径(フライス
工具の回転半径である)を計測して工具の製造公差範囲
かどうかが検査される。計測値が公差範囲内であれば問
題はないが、公差範囲を外れて切削半径が小さい場合
は、製品とならないので、切削半径が大きい状態から右
または左傾斜切刃を切刃部中央位置まで成形加工したあ
と反対側傾斜切刃を成形加工して徐々に半径を小さくし
ていき、切削半径が公差範囲内になるように慎重に作業
が行われる。
【0007】左右の傾斜切刃の交叉角(先端角)が鋭角
である場合には、左右の傾斜切刃の成形加工時の加工量
が多過ぎたり、少な過ぎたりすると、切刃尖端の切削半
径の変化に大きく影響し公差外となる確率が高いし、こ
の傾向は交叉角が鋭利になるほど大きくなり特に20°
乃至40°ともなれば一層顕著である。このように成形
加工時の切り込みの僅かの誤差でも切削半径が製造公差
範囲を外れるという問題がある。
【0008】特にフライス工具の切刃チップの材料に加
工困難なダイヤモンド,ボラゾン等の超高硬度の焼結体
を使用すると製造公差範囲に収めることは一層困難なも
のとなる問題がある。そこでこのような問題に対処する
ために、切削半径を製造公差内に収め易いように、先ず
左右の傾斜切刃を成形加工する前に、図11に示すよう
にチップ7の尖端に回転軸と平行な切刃を切削半径の製
造公差内に成形加工して平切刃7aを形成する。その後
に左・右の傾斜切刃7a,7bを成形加工して、平切刃
7aの中央部に0.05mm程度の僅かの平切刃7aを
残して仕上げる。このように切刃尖端に平切刃7aを残
すことにより、確実に切削半径が製造公差内に入るもの
を製造することができる。
【0009】しかしながら、この平切刃7aを有するチ
ップ付のフライス工具でプリント基板原板3にV溝8を
切削すると、図10のようなV溝8の底に平坦部8aが
形成される。このためプリント基板3を小割りするとク
ラックは平坦部8aの中央に入らず、どちらかのV壁面
8d,8eと平坦部8aとの交点位置8bまたは8cに
入り、図12のような平坦部8aがバリ3aとなって一
方のV壁面の端に残ることになる。
【0010】このためプリント基板小片の周囲の一部に
残したバリ3aがプリント基板小片の寸法精度に影響す
るという問題がある。またこのバリ3aはプリント基板
小片が電気機器に組み込まれた場合、脱落して有害な異
物となり機器に損傷を与える。このためこのバリ3aを
除去しておかなければならず、除去にかなりの工数を要
する問題があった。
【0011】一般にプリント基板原板の厚みは1.6m
m程度のものが多い。この場合に形成されるV溝は深く
しても1.5mm程度である。したがって、この切削に
使用するフライス工具は図9に示すように切刃部の幅W
aは1.2mmあれば十分な幅である。ところが、チッ
プ切刃材料にダイヤモンド,ボラゾン等の焼結体を使用
する場合、幅1.2mmのチップを図9のようにフライ
ス工具1の刃体1aのチップ座1bにろう付けしたとき
切削力に耐える十分なろう付強度が得られないばかり
か、あまりにも微小チップとなるためろう付作業性が悪
いがゆえにろう付け精度も悪くなる。
【0012】そこでダイヤモンド,ボラゾン等の焼結体
チップのろう付強度とろう付精度を上げるために、フラ
イス工具1の幅Wを最低でも1.6mmある刃体1a
に、最低でも1.6mmの幅を有するチップ2をろう付
しているのが実情である。1.6mm幅のチップに例え
ば拡開角度30°のV溝を加工できるフライス工具の切
刃を形成するとすれば、切刃部の幅Waはチップ幅W
1.6mmと等しくなり、左右の傾斜切刃2bの長さa
(図9)は幅Waの2倍に近い長さとなり約3mmにな
る。
【0013】プリント基板の厚みは1.6mm程度であ
るので、V溝深さを1.5mmとするとV溝4の傾斜面
4aの傾斜面長さbは約1.6mmである。しかるにダ
イヤモンド焼結体のチップ2の傾斜切刃2bの長さaは
溝の傾斜面長さbの約2倍もあり、必要以上に長くな
る。よってダイヤモンド焼結体チップ2の成形加工では
切削作用に関与しない部分も切刃として成形加工される
ため研削加工面が広くなり、加工が困難なダイヤモンド
チップの加工コストが上昇するという問題がある。さら
に加工時間を短縮するため加工負荷を大きくすると、チ
ップ尖端が欠けたり或いは加工精度を悪くし、高価なダ
イヤンモンドチップを無駄にして廃棄しなければならな
いという問題がある。
【0014】本発明は従来技術の有するこのような問題
点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、プ
リント基板を小割りしたときに長く発生する破断面のバ
リをなくし、若しくはバリを小さくする。このことによ
ってバリ除去工数をなくし、或いは短時間で除去できる
ようにする。またダイヤモンド焼結体チップの不必要に
成形加工する部分をなくして、成形加工時間を短縮する
ことで製造コストを抑えることのできるプリンド基板原
板の小割り用V溝形状および小割り用のV溝形成フライ
ス工具を提供しようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本請求項1の発明のV溝形状は、プリント基板原板
の板面に形成した該プリント基板原板を小割りするため
のV溝のV溝形状であって、プリント基板原板に底部側
である一段目V溝の拡開角度が45°乃至120°で、
その一段目V溝の幅Weが0.03mm乃至0.15m
mであり、続く開口側となる二段目V溝の拡開角度が2
0°乃至40°である二段構成のV溝で形成し、一段目
V溝の溝底の谷部を割れの起点とするものである。
【0016】また請求項2の発明のV溝形成フライス工
具は、切刃チップの形状は正面視見かけにおいて先端一
段目Vを形成する左右の傾斜切刃の拡開角度が45°乃
至120°でその一段目Vの幅が0.03mm乃至0.
15mmであり、続く二段目Vを形成する左右の傾斜切
刃の拡開角度が20°乃至40°である二段構成のV形
をなし、チップの材質がダイヤモンドまたはボラゾンの
焼結体であることを特徴とする請求項1に記載した二段
構成のV溝を削成するものである。
【0017】請求項1及び2の発明によれば、小割り時
のクラック起点が溝底中央の谷に確実に決まり、安定し
た小割りができるとともに長いバリの発生をなくするこ
とができる。また一段目V溝の拡開角度を大きくして且
つV壁面の幅を小さくし、二段目V溝の拡開角度を鋭角
とすることで開口幅を従来と同じにすることにより従来
と同数のプリント基板小片が得られる。
【0018】また請求項3の発明のV溝形成フライス工
具は、ダイヤモンドまたはボラゾンの焼結体でなるチッ
プを接合したプリント基板原板小割り用V溝形成フライ
ス工具において、チップの全幅Wが1.6mm乃至2.
6mmであり、チップの切刃部の幅Wbが0.8mm以
上且つチップの全幅より0.4mm以上小さいものであ
る。
【0019】この請求項3の発明によれば、チップの切
刃部の幅が最大でも0.4mm以上小さい値であるの
で、傾斜切刃が従来より短くなり加工時間が大幅に短縮
できる。また、ダイヤモンドまたはボラゾンの焼結体で
チップの素材であるチップブランクから交互に並列に並
べて切り出せるのでチップブランクの無駄に廃棄する部
分を減らすことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】プリント基板の切削V溝の断面を
示す図1、フライス工具の切刃を刃袋側から見た正面図
の図2にもとづき説明する。
【0021】プリント基板原板3の面上に規則的に整然
と配置された複数個の電気回路を分割してプリント基板
小片を作るために、プリント基板原板3に小割り用のV
溝11が格子状に削設される。図1bの拡大図に示すよ
うに、例えば板厚が1.6mm程度のプリント基板原板
3の底面からの肉厚が約0.1mmとなる位置まで切り
込まれたV溝11の断面形状は二段構成で溝底に尖端角
度を形成するものである。
【0022】溝底側の一段目のV溝11Aの形状は、V
の拡開角度が45°乃至120°であって、この一段目
V溝の幅Weが0.03mm乃至0.15mm好ましく
は0.05mm乃至0.10mmと微小なものである。
このV溝幅Weに続く開口側の二段目のV溝11Bの拡
開角度は20°乃至40°である。そして第一段目V溝
11Aの溝底の谷11Abは平坦部が形成されない角部
である。但し発明の主旨を逸脱しない範囲で微小な平坦
部或いは丸味を有することが許容される。プリント基板
原板3のV溝の二段目V溝開口部の幅Wcは通常図8の
従来の開口部の幅Wdとほぼ同じ値となるように二段目
V溝11Bの拡開角度が決定されるものである。
【0023】このように二段構成のV溝11が削設され
たチップ基板原板3を小割りのため折り曲げると、応力
は一段目V溝11Aの谷11Abに集中して、ここを起
点として図3のように破断されV壁面11Aaが分離さ
れたプリント基板小片の微小な突起3b,3cとして残
ることになる。
【0024】上述したような二段V溝を削設するフライ
ス工具は、従来使用されているフライス工具を一部手直
しして使用することができる。例えば図11のように傾
斜切刃7bを有する20°乃至40°の鋭角のチップ7
の先端が平切刃7aに形成されている形のものでは、平
切刃7aと左傾斜切刃7bとの交わる左角を図2のよう
に中心線CLに対し22.5°〜60°の角度で中央部
まで成形加工により傾斜切刃12Aaを形成し、その後
平切刃7aと右傾斜切刃7bと交わる右角を中心線CL
に対し同角度の22.5°乃至60°の角度で成形加工
して傾斜切刃12Aaを形成し、拡開角度を45°乃至
120°に修正することにより、一段目V12Aを形成
するとともに尖端に角部12Abを形成し、傾斜切刃7
b,7bを本発明の二段目V12Bの傾斜切刃12B
a,12Baとして二段構成のV形切刃が作られる。こ
の場合、フライス工具1の切削半径は平切刃7aの切削
半径そのままであるのでフライス工具1を従来通りの設
定量で切り込めばV溝開口幅Wcは同じに形成できる。
なお、V角度が40°以上のものでは先に両傾斜切刃1
2Ba,12Baを成形加工して20°乃至40°に修
正するものである。
【0025】新しくフライス工具を製造するときは、ろ
う付したチップ12を先ず二段目V12Bの拡開角度2
0°乃至40°に成形加工したあと、先端に平切刃を切
削半径位置に形成する。その後平切刃の左角及び右角を
それぞれ中心線CLに対し所定角度22.5乃至60°
で中央部まで成形加工一段目V12Aの傾斜切刃12A
a,12Aaを形成して平切刃のない尖端12Abを突
設した二段構成のV形切刃を作るものである。
【0026】ここで二段構成のV溝の一段目V溝の拡開
角度を45°乃至120°とする根拠は、45°未満で
あると拡開角度が鋭角となる。このためフライス工具の
一段目Vの傾斜切刃の成形加工の僅かな過不足が切削半
径に数倍の値となって影響しフライス工具製作精度の公
差範囲内に収めにくくなり、慎重な作業が必要となり加
工工数が増すためである。
【0027】また、120°を越えると鈍角に成り過ぎ
溝底の谷が浅くなって、小割りの起点がずれる恐れがあ
るため起点を確実なものとするためである。一段目V溝
の幅を0.03乃至0.15mmとした根拠は、幅が
0.03mm未満であると微小過ぎてフライス工具製造
時に左右の傾斜切刃が確実に加工形成出来ないためであ
る。
【0028】0.15mmを越えると一段目V溝の幅W
eが広くなり、フライス工具を所定量切り込むと、二段
目V溝の開口幅Wcが広くなってプリント基板小片の間
隔が広まりプリント基板原板の無駄が多くなるためであ
る。さらに二段目V溝の拡開角度を20°乃至40°と
する根拠は、20°未満であるとフライス工具の切刃部
全体が薄くなり、充分な強度が得難くなるのを避けるた
めである。また、40°を越えると開口部の幅Wcが大
きくなりプリント基板小片の間隔が広まりプリント基板
小片の分離数が減少するのを避けるためである。
【0029】〔チップの形成の第1実施例〕ダイヤモン
ド,ボラゾン等の焼結体のチップブランク15からチッ
プ16を切り出す状態を示す図4、切り出したチップを
フライス工具1の刃体にろう付けした状態を示す図5に
もとづきチップの形状を説明する。
【0030】ダイヤモンド,ボラゾン等の焼結体のチッ
プブランク15よりチップ16を刃先側と刃元側を交互
に向きを変え並べて無駄な場所がないようにワイヤカッ
ト放電加工機によって切り出すものである。切り出すチ
ップ16の形状はT字形であって刃元部16aはフライ
ス工具1の厚みと同じ幅Wである。通常1.6mm乃至
2.6mmの幅である軸部16bの幅Wbはチップ切刃
の幅Wjと同じ幅であって、通常0.8mm以上かつチ
ップの全幅Wより最大でも0.4mm以上小さい幅であ
る。
【0031】そしてチップ16のT字形の長さLはフラ
イス工具1の刃体のチップろう付面にろう付けしたチッ
プを成形加工して正規の切削半径長さが得られるように
成形代を含んで僅かに長くするものである。なお、フラ
イス工具1の幅Wはチップのろう付け強度およびろう付
作業性によって決められるものであって、チップの全幅
Wを1.6mm乃至2.6mmとした根拠は1.6mm
未満であると、ろう付け面積があまりにも小さくなりろ
う付け強度とろう付精度とを十分に確保できないためで
ある。
【0032】また、2.6mmを越えると、プリント基
板原板の小割り用V溝形成フライス工具としてダイヤモ
ンド,ボラゾンチップが大きくなり必要以上の面積を使
用することになってコストアップとなるためである。さ
らに、切刃となる部分の幅Wbを0.8mm以上とした
のは、0.8mm未満だとチップがチップブランクより
切り出される際や、チップをろう付けする際や或いは成
形加工の際に薄過ぎて折損し易くするためである。ま
た、チップの全幅より0.4mm以上小さくしたのは、
研削面積を差し支えない範囲でできるだけ小さくして加
工時間を短縮してコスト低減をはかるためである。
【0033】チップ16をチップブランク15よりワイ
ヤカット放電加工で切り出す場合は、T形チップ16を
一個切り出し不要部15aを切り落とし、順次一個ずつ
切り出す。或いはチップの輪郭線AでジグザグにT形チ
ップ16が同方向に並んだ2列を切り出したあとそれぞ
れの接続部不要個所15aを切り落とすことによって1
個のチップが作り出される。
【0034】このようにして切り出されたチップ16
は、図5に示すようにフライス工具1の刃体にろう付け
される。切刃先端の平切刃を所定切削半径に成形加工さ
れたあと、前述のように二段目V16dの左・右傾斜切
刃をVの拡開角度20°乃至40°になるように成形加
工し、好ましくはしかる後一段目のVの拡開角度45°
乃至120°で一段目Vの幅が所定幅0.03mm乃至
0.15mmになり且つ中央に平切刃が残らないように
成形加工するものである。この切り出し方法では不要な
15a部と二段目V面の左右傾斜面に形成する不要部分
が存在する。
【0035】〔チップ形成の第2実施例〕ダイヤモン
ド,ボラゾン等の焼結体のチップブランク18からチッ
プ19を切り出す状態を示す図6、切り出したチップを
フライス工具の刃体にろう付けした状態を示す図7にも
とづき説明する。
【0036】このものはチップブランク18にチップ1
9の刃先を交互に配して無駄なく横一列に配したもので
ある。チップ19の形状は先端をVとする弾頭形であっ
て後端の幅Wgはフライス工具1の刃体幅と同じで1.
6mm乃至2.6mmである。中段の幅WhはWgの半
分である。先端部の左右のそれぞれの傾斜切刃角αは本
発明の二段構成のV形の二段目のV溝拡開角度20°乃
至40°の1/2である。
【0037】そして後端部19aと中央部19cとを結
ぶ左右の傾斜角βも傾斜角αと同じ角度とするものであ
る。中央部Whの長さTbは、チップの長さTと後端部
の長さTaと傾斜角α=βによる左右傾斜面とにより決
められる。チップブランク18を幅T+Taとし上述の
ように長さ・幅並びに傾斜角を決めることによりチップ
19の向きを交互にして殆ど無駄のない切り出しが可能
である。切り出されたチップ19は図7に示すように、
フライス工具1の刃体にろう付けされたあと尖端切刃が
切削半径になるように成形加工し、上述のように二段構
成のV形切刃を成形加工することによって形成するもの
である。
【0038】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したので以下
の効果を奏する。請求項1の発明のV溝形状は、溝底に
谷となる角部を形成したので小割り時の応力は確実に谷
に集中して、この位置が小割りの起点となって、正確且
つ安定した小割りが可能である。また従来のように溝底
の平坦部をなくしたので片側に長く残るバリをなくする
ことができる。一段目V溝傾斜壁面は中央で破断されて
それぞれの傾斜壁面が突起となって残るが脱落しないの
で除去処理は不要である。破断面上のごく微少なバリは
必要により容易に除去できる。さらに小割りの起点が確
実に決まることによりプリント基板小片の正確な大きさ
が得られる。一段目壁面の幅Weを小さくしたので、一
段目Vの断面全体が小さくなり、二段目Vの拡開角度が
従来と同じであっても二段目Vの開口幅Wcは大きくな
ることがない。したがってプリント基板原板に形成する
溝幅は従来のV溝の開口部の幅Wdとほぼ同じで一枚の
原板から同数のプリント基板小片を得ることができ、プ
リント基板のコストに影響しない。
【0039】請求項2の発明は、二段構成のV溝を切削
するフライス工具のチップは、一段目Vの拡開角度は従
来のフライス工具のチップの尖端のV拡開角度より、は
るかに鈍角であるので傾斜切刃の成形加工切り込みの過
不足による切削半径方向への影響がはるかに少なくな
り、フライス工具研削時に切削半径を公差範囲内に収め
易く加工が容易である。またフライス工具のチップを、
従来の平切刃程度の精度範囲内に左右の尖端傾斜切刃を
形成するので、切刃材料がダイヤモンド,ボラゾン焼結
体であっても精度上問題なく加工できる。全体として鋭
角のV形であるが、二段構成のV形切刃としたので切削
の溝底には幅のない直線の谷を形成することができる。
【0040】請求項3の発明のフライス工具は、チップ
の全幅が1.6mm乃至2.6mmであるので従来チッ
プと同じようにろう付け強度が確保でき成形加工中に脱
落することはない。そして切刃部の幅0.8mm以上で
チップの全幅より0.4mm以上小さい値としたので、
傾斜切刃は従来の傾斜切刃より短くなり、成形加工に要
する時間を大幅に短縮することができコストの低減に寄
与する。チップブランクよりチップを切り出すとき小さ
くなった分効果的に配列することができ、ブランクを無
駄に廃棄する部分を減らすことができるコスト低減に寄
与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリント基板原板を小割りするV溝形
状を示す図で、aは全体図、bは先端部拡大図である。
【図2】本発明のV溝形状を削設するフライス工具の一
部断面図で、aは正面図、bは刃先部拡大図である。
【図3】本発明のV溝を削設したプリント基板小片の小
割り破断部の拡大図である。
【図4】チップブランクからチップを切り出す状態図で
ある。
【図5】図4で切り出しチップをフライス工具刃体にろ
う付けして成形した状態のチップを示す図である。
【図6】チップブランクからチップを切り出す他の実施
例の状態図である。
【図7】図6で切り出したチップをフライス工具刃体に
ろう付けして研削した状態のチッフを示す図である。
【図8】従来のV溝の形状を示す図で、aは片面より切
り込んだ図、bは両面より切り込んだ図である。
【図9】V溝を削設する従来のフライス工具の一部を示
す図で、aは正面図、bは側面図である。
【図10】従来の削設したV溝の他の実施例の形状を示
す図で、aは全体図、bは溝底部の拡大図である。
【図11】V溝を削設する従来のフライス工具の一部を
示す他の実施例の図で、aは正面図、bは刃先部拡大図
である。
【図12】図10のV溝形状を有するプリント基板原板
の小割り時の破断部の拡大図である。
【符号の説明】
1 フライス工具 2,7 チップ 3 プリント基板原板 3a バリ 4,5A,5B,8 V溝 11,12,16,19 チップ 11A 一段目V溝 11Aa 一段目V壁面 11Ab 尖端切刃 11B 二段目V溝 15,18 チップブランク
フロントページの続き (72)発明者 河村 茂樹 愛知県丹羽郡大口町中小口一丁目1番地 兼房株式会社内 (72)発明者 萬谷 哲朗 愛知県丹羽郡大口町中小口一丁目1番地 兼房株式会社内 Fターム(参考) 3C022 KK04 KK25 5E338 AA00 BB35 BB47 EE32 EE33

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリント基板原板の板面に形成した該プ
    リント基板原板を小割りするためのV溝のV溝形状であ
    って、プリント基板原板に底部側である一段目V溝の拡
    開角度が45°乃至120°で、その一段目V溝の幅W
    eが0.03mm乃至0.15mmであり、続く開口側
    となる二段目V溝の拡開角度が20°乃至40°である
    二段構成のV溝で形成し、一段目V溝の溝底の谷部を割
    れの起点とすることを特徴とするプリント基板原板の小
    割り用V溝形状。
  2. 【請求項2】 切刃チップの形状は正面視見かけにおい
    て先端一段目Vを形成する左右の傾斜切刃の拡開角度が
    45°乃至120°でその一段目Vの幅が0.03mm
    乃至0.15mmであり、続く二段目Vを形成する左右
    の傾斜切刃の拡開角度が20°乃至40°である二段構
    成のV形をなし、チップの材質がダイヤモンドまたはボ
    ラゾンの焼結体であることを特徴とする請求項1に記載
    した二段構成のV溝を削成するプリント基板原板小割り
    用のV溝形成フライス工具。
  3. 【請求項3】 ダイヤモンドまたはボラゾンの焼結体で
    なるチップを接合したプリント基板原板小割り用V溝形
    成フライス工具において、チップの全幅Wが1.6mm
    乃至2.6mmであり、チップの切刃部の幅Wbが0.
    8mm以上かつチップの全幅より0.4mm以上小さい
    ことを特徴とするプリント基板原板小割り用のV溝形成
    フライス工具。
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