JP4649555B2 - 切断加工装置 - Google Patents
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Description
本発明は、切断加工装置等に使用される平刃状の切断刃を有する切断加工装置、さらに詳しくはセラミックス積層体等の薄板状のワークを切断してパッケージ(例えばインダクタ、コンデンサ等)を製造する途中過程であるその切断過程で、そのチップ状物と切断時に残置される切断不要物とが容易に分別できるようにワークを切断する切断加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、インダクタ、コンデンサ等の電子部品(パッケージ)となるチップ状物は、セラミックス積層体のシートを切断した後、焼成して製作される。
ワークは平面視矩形状を呈し、その四縁にはマークが間隔をおいて付設され、このシートをインデックステーブルに吸着保持し、昇降動可能な切断刃と共に芯出し用のカメラを装着する切断加工装置(図示せず)のその切断加工装置を送り動する度にワークの縁部に間隔をおいて付されている対向する一対のマークを芯出しカメラで撮像し、更に画像処理して芯出しし、その修正量でもってワークを吸着保持するインデックステーブルを補正動した後、切断刃を下降させてワークを切断する。
これをワークの長さ方向に送る度に繰り返し、それが終了すると、インデックステーブルでワークを90度回動させて、同様に切断していく。これによってチップ状物を得ている。
【0003】
このワークの切断には、図15に示すようにワークWの各縁部にチップ状物C間寸法W1とチップ状物Cの辺寸法W2の間隔でマークM…を交互に付設し、インデックステーブルを90度回動させる前工程と後工程において、そのワークWの対向する一対の縁部のマークM、Mに合せてワークWを切断して縦横列上に等間隔をおいて矩形状(詳細には正方形状)をもって切断してチップ状物Cを得る切断方法がある。
この方法では、図16に示すように、切断対象となるチップ状物Cが切断されると同時にそのチップ状物Cの各辺との間に細帯状不要物C’が細切れ状に残置される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような切断方法の場合、チップ状物Cとその間の細帯状不要物C’との分別作業が大変であり、ことに、昨今の電子部品は小型化に対応するため、チップ状物Cには縦横寸法が0.6(mm)×0.3(mm)といった微小のものも要求されており、この大きさのチップ状物Cでは細帯状不要物C’との分別が困難を極める。
【0005】
また、前記のように縦横寸法が0.6(mm)×0.3(mm)といった微小のチップ状物Cを切断刃Aでギロチン式に押し当てて加工精度を維持しながら切断を行うには、刃先角をより小さくしてワークWの切断面が変形するのを最小限に食止めることが必要となる。
そのため、この種の切断刃Aは、その刃先角を10度〜30度とする側面視V字状の両刃面2a、2aで刃部2を構成し、シャンク部1の厚みを0.4〜1mm程度にしている。
しかしながら、ワークWの切断面が変形するのを最小限に食止めるためには、刃先角を小さくすることになるが、刃厚(シャンク部1の厚み)が変らないため左右両刃面2a、2aの面積が大きくなって、その左右両面が切断時の大きな抵抗になり、切断に際して大きな切断力を必要とし、その結果、刃部2が座屈変形を起こす問題がある。
また、刃部2の横断面形状が細長矩形状であるため、押し切り時に左右両刃面2a、2aと端部との直角コーナー部でワークWに裂けを発生させることが往々にしてあり、高品質なチップ状物Cを常時得ることができず、歩留まりを悪くする問題もあった。
【0006】
本発明は、従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、セラミックス積層体等のチップ状物と切断時に生じた切断不要物との分別が容易に行えるようにワークを切断することのできる切断加工装置を提供することにある。更に他の目的とする処は、所望の刃先角においても刃部の座屈強度が高く、切れ味も良い切断刃を提供することにある。更に他の目的とする処は、4辺の長さが揃った高品質なチップ状物を切断する切断加工装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために講じた技術的手段として、薄板状のワーク(W)から縦横複数列上に等間隔をおいて矩形状のチップ状物(C)を切断する平刃状の切断刃を用いた切断加工装置であって、前記切断刃は、刃先からシャンク部(1)に向って形成された刃部(2)が、切断対象となる同列上のチップ状物(C)において直線上に位置する各辺(c1)と相対しない個所(2b)にその相対しない範囲分の長さをもって非切断用の凹部(3)を刃先先端から刃渡り方向と直交する高さ方向に凹設して同刃渡り方向に切断実行刃部(2')を等間隔に形成してなり、前記切断刃を前記各辺(c1)の長さと前記相対しない箇所(2b)の幅だけ交互に前記切断刃の刃渡り方向と直交する平面方向に移動させながら、移動させる度に前記切断刃を下降させ、前記ワークを90度回転させて、前記切断刃を前記各辺(c1)の長さと前記相対しない箇所(2b)の幅だけ交互に移動させ、その移動させる度に前記切断刃を下降させることで、前記ワークから縦横列上に前記チップ状物のみをくり貫くように切断することを特徴とする。
【0008】
前記技術的手段では、インデックステーブルDに吸着保持されているワークWを90度回動させる前工程、回動させた後工程で切断加工装置を移動させる度に前記マークM、Mに合せて切断刃を下降させると、図8に示すように各切断実行刃部2’…で切断されてワークWから縦横列上にチップ状物C…のみがくり貫くように切断される。
【0009】
また、刃部2は、中心線Xに対し左右対称の凹湾曲面2c’、2c’で所定高さ形成された刃先部2cと、シャンク部1に向かって漸次厚くなるように前記刃先部2cとシャンク部1とに亘って高さ方向に凹状に連続形成され中心線Xに対し左右対称な一段または複数段の凹湾曲面2d’、2d’で形成された連設部2dと、非切断用の凹部3…とで構成し、該凹部3…は、切断対象となる同列上のチップ状物C…において直線上に位置する各辺c1…に相対しない個所2b…にその相対しない範囲分の長さをもって刃先部2c先端から刃渡り方向と直交する高さ方向を向いて凹設して同刃渡り方向に切断実行刃部2’…を等間隔をおいて形成し、前記非切断用の凹部3を除いて刃先部2cの凹湾曲面2c’、2c’と連設部2dの凹湾曲面2d’、2d’とに曲面方向と同一方向の縦目の微小凹凸線条4を刃渡り方向全長に亘って研削形成している場合も有効なものである(請求項2)。
【0010】
前記技術的手段によれば、ワークWの切断を実行する所望の刃先角度からなる刃先部2cを、所定高さ(必要最小限)をもって中心線Xに対し左右対称な凹湾曲面2c’、2c’で形成し、その刃先部2cとシャンク部1とを連絡する連設部2dを、シャンク部1に向かって漸次厚くなるように高さ方向に凹状に連続形成された左右対称の凹湾曲面2d、2dで形成している。
それによって、高さ方向に凹状に連続形成された左右対称の凹湾曲面2d、2dで構成されている連設部2dが切断時のワークWに与える接触抵抗を抑制して、小さな切断力でのワークWの切断を可能にし刃部2の座屈強度を増強する。
また、刃先部2cと連設部2dの縦目の微小凹凸線条4で切り裂くように切断し、切れ味を良くする。
【0011】
また、刃先部2cの左右両面が凹湾曲面2c’、2c’に代えて平面からなり、その刃先部2cは鏡面仕上げされ、且つ前記連設部2dの凹湾曲面2d’、2d’に、曲面方向と同一方向の微小凹凸線条4を前記非切断用の凹部3を除いて刃渡り方向全長に亘って研削形成している場合も有効である(請求項3)。
【0012】
前記技術的手段によれば、前記特徴点の作用に加えて切断面が美麗で、より細かな微細なチップ状物Cを得ることができる。
【0013】
そして、刃先部2cの刃厚、連設部2dの左右一対の凹湾曲面2d’、2d’で形成される刃厚各々において、下段の最大刃厚よりも僅かに薄肉な部分を中途部に形成してから上段の刃厚を漸増している場合も有効なものである(請求項4)。
【0014】
前記技術的手段によれば、ワークWに対する刃当たり(ワークWとの接触)が少なく、より切断抵抗を抑制し、より小さな切断力でのワークWの切断を可能にする。
【0015】
更に、等間隔をおいて形成された各切断実行刃部2’…は、その両端部を平面視V字状に形成しているとより好適なものである(請求項5)。
【0016】
前記技術的手段によれば、図2に示すように刃先部2cの凹湾曲面2c’、2c’と端部のV字面4、連設部2dの凹湾曲面2d’、2d’と端部のV字面4とが各々鈍角をもって連設されることから、切断実行刃部2’…端部でワークWを裂くという現象を抑制する。
【0017】
この上記した切断刃の素材としては、超硬合金材が好適であり、座屈強度の高い形状に形成された切断刃の耐摩耗性を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜図9は本発明の切断加工装置における切断刃の第1の実施の形態を、図10〜図13は、同第2の実施の形態を、図14は、同第3の実施の形態を各々示し、まず、図1〜図9に示す第1の実施の形態を説明すると、図中符号Aは切断刃である。
【0019】
この切断刃Aは、平板状のシャンク部1と、刃部2とから構成されている。
また、この切断刃Aは、図3に示すように切断加工装置Bのツールホルダbに保持される。
【0020】
前記刃部2は、側面視V字状の両刃面2a、2aで形成され、平面視矩形状(平面視正方形状)のワークWから縦横複数列上に等間隔をおいて平面視矩形状(平面視正方形状)のチップ状物Cを切断するに際して(図8参照)、切断されるチップ状物Cの辺c1と相対しない個所2b(図1参照)にその相対しない範囲分の長さをもって非切断用の凹部3を刃先先端から刃渡り方向と直交する高さ方向に凹設し、それによって刃渡り方向全長に亘って切断実行刃部2’…を等間隔をおいて形成した構成にしてある。
本実施の形態における切断刃Aの刃渡り方向の全長は、少なくとも平面視正方形状のワークWの一辺よりも若干短い長さ寸法になっている。
【0021】
また、各切断実行刃部2’…は、端部を図2に示すように平面視V字状に形成することによって、両刃面2a、2aと端部のV字面4とが鈍角をもって連設されるようになっている。
尚、前記するV字面4は、刃先を始端としてその面積を拡大するように形成されている。
【0022】
そして、図4〜図8に示すように、その切断加工装置Bの移動方向(X軸線方向)前方に設置されているインデックステーブルDに吸着保持されたワークWの対向する一対の縁部に切断対象となるチップ状物間の寸法W1とチップ状物の一辺寸法W2の間隔で交互に付されている対向する一対のマークM、M(図5参照)に芯出しカメラEが対応するように切断加工装置Bを前記W1とW2の量をもって間欠移動させる度に芯出しカメラEでその対向する一対のマークM、Mを撮像し、画像処理し、芯出しして、インデックステーブルDを補正動し、その後同切断刃Aを下降させることによって、切断加工装置Bの移動方向(X軸線方向)と直交する方向(Y軸線方向)の、切断対象となる同列上の各チップ状物C…において直線上に位置する各辺c1…を列毎に切断する。この切断は、ワークWにおいてX軸線方向の全長に亘って行なわれる(図4、図6参照)。
そして、その切断工程が終了すると、インデックステーブルDを90度回動し(図7)、ワークWにおいてX軸線方向の全長に亘って同様に切断加工装置Bを間欠移動させつつ、同様に対向する一対のマークM、Mを撮像し、画像処理し、芯出しして、切断対象となる同列上の切断対象となる各チップ状物において直線上に位置する各辺c1…を各列毎に各切断実行刃部2’…で切断して、ワークWから縦横複数列上に等間隔をおいて平面視正方形状のチップ状物C…をくり貫く(図8参照)。
【0023】
この切断工程において、刃渡り方向全長に亘り形成されている切断実行刃部2’…の端部が両刃面2a、2aとV字面4とを連設する平面視鈍角状であるため、切断時にワークWを裂くという現象が生じることがなく、また、押し切り時の排除力を受けてチップ状物Cが微移動しようとする応力は、そのチップ状物Cを囲繞するフレーム部c2で吸収されるため、4辺の寸法が揃った高品質なチップ状物Cを切断することができる。
【0024】
斯様に切断されたチップ状物C…は、それ以外の一体な切断不要物Fとに分別されて、焼成して電子部品(パッケージ)となる。
分別に際しては、チップ状物C…または一体な切断不要物Fをバキュームパッド等の簡易な吸着手段で吸着する方法が一手段として提案される(図9参照)。
【0025】
次に、図10〜図13に示す第2の実施の形態を説明すると、この実施の形態の切断刃Aは、平板状のシャンク部1と、座屈強度を高める刃部2とから構成している。
刃部2は、先端部からシャンク部1に向かって漸次厚くなるように形成されており、所定高さの刃先部2cと、その刃先部2cとシャンク部1とに亘って連設する所定高さの連設部2dと、前記第1の実施の形態と同様に刃先先端から刃渡り方向と直交する高さ方向に凹設される非切断用の凹部3とから構成されている。
【0026】
刃先部2cは、高さ方向に凹状を呈し刃渡り方向全長に亘って連続する凹湾曲面2c’、2c’で形成され、その凹湾曲面2c’、2c’は、中心線Xに対し左右対称になっている。
連設部2dは、刃先部2cと同様に高さ方向に凹状を呈し刃渡り方向全長に亘って連続する凹湾曲面2d’、2d’で形成され、刃先部2cと同様にその凹湾曲面2d’、2d’は、中心線Xに対して左右対称になっている。
この切断刃Aにおける刃先部2cと連設部2dとを形成する凹湾曲面2c’、2c’、2d’、2d’は、曲面方向と同一方向に円周面に研削面を有する砥石車で研削加工されて砥石車の曲率と同一の曲率で形成され、これによって刃先部2cの凹湾曲面2c’、2c’と連設部2dの凹湾曲面2d’、2d’は共にその研削加工で前記する非切断用の凹部3を除いて縦目の微小凹凸線条4…が刃渡り方向全長に亘って形成されている。
【0027】
また、切断刃Aは、刃先部2cに連設される連設部2dにおいて、左右一対の凹湾曲面2d’、2d’をその刃先部2cの最大刃厚よりも僅かに薄肉な部分を経てから漸次刃厚が厚くなる左右対称の凹湾曲面2d’、2d’にして、切断時にワークWに接触する抵抗をより少なく抑制できるようにしている。
前記非切断用の凹部3は、前記する第1の実施の形態と同様に、平面視矩形状(正方形状)のワークWから縦横複数列上に等間隔をおいて、切断対象となる同列上のチップ状物おいて直線上に位置する各辺c1…に相対しない個所2b…にその相対しない範囲分の長さをもって刃先部2c先端から刃渡り方向と直交する高さ方向を向いて凹設されて、刃部2にその刃渡り方向全長に亘り等間隔をおいて切断実行刃部2’…を形成している。
また、切断実行刃部2’…は、前記実施の形態と同様に端部を平面視V字状に形成してある。このV字面4は、刃先を始端としてその面積を拡大するように形成されている。
【0028】
このように形成された切断刃Aは前記する実施の形態と同様に切断加工装置Bの昇降移動可能なツールホルダbに保持され、切断刃Aを昇降動させてワークWを切断して、前記する第1の実施の形態と同様にワークWから縦横複数列上に等間隔をおいてくり貫き状にチップ状物を切断することができる。
また、その切断時に、刃先部2cと連設部2dとを高さ方向に凹状を呈し刃渡り方向全長に亘って連続する凹湾曲面2c’、2c’、2d’、2d’で形成することにより、連設部2dの凹湾曲面2d’、2d’がバイト等の切削工具の逃げ面と同様にワークWの上縁部から逃げて不必要な押圧を弱くする役目を有する。
そして、前記刃渡り方向全長に亘って形成してある縦目の微小凹凸線条4…が切れ味を良くし、且つ切断刃Aとしての刃部2の強度を高める一助となる。
【0029】
次に図14に示す第3の実施の形態を説明すると、前記連設部2dを、シャンク部1に向かって漸次厚くなるように前記刃先部2cとシャンク部1とに亘って高さ方向に凹状に連続形成され中心線に対し左右対称な3段の凹湾曲面2d’…で形成した場合を示している。
この実施の形態の場合も非切断用の凹部3は、前記する第1の実施の形態、第2の実施の形態と同様に、切断対象となる同列上のチップ状物において直線上に位置する各辺に相対しない個所にその相対しない範囲分の長さをもって刃先部2c先端から刃渡り方向と直交する高さ方向を向いて凹設して、その非切断用の凹部3間を切断実行刃部2’…とし、且つ刃先部2cの刃厚、連設部2dの左右一対の凹湾曲面2d’、2d’で形成される刃厚各々において、下段の最大刃厚よりも僅かに薄肉な部分を中途部に形成してから上段の刃厚を漸増させた構成にしている。
【0030】
また、第4の実施の形態については、図示しないが前記第2の実施の形態や第3の実施の形態において凹湾曲面で形成された刃先部に代えて中心線に対し左右対称の傾斜平面で形成し、かつ、第1の実施の形態と同一な所定の刃先角度で形成された刃先部にしたものであり、その刃先部両面である傾斜平面を鏡面加工している。
この鏡面仕上げによって、刃先部の両刃面は整い、より細かなチップ状物を得ることができるようになる。
この実施の形態も前記する実施の形態と同様に刃先部に連設される連設部においても、刃先部の最大刃厚よりも僅かに薄肉な部分を経てから漸次刃厚が厚くなる左右対称の凹湾曲面とし、且つ、切断対象となる同列上のチップ状物において直線上に位置する各辺に相対しない個所にその相対しない範囲分の長さをもって刃先部先端から刃渡り方向と直交する高さ方向を向いて凹設にして切断実行刃部を等間隔をおいて形成している。
【0031】
尚、前記する各実施の形態においては、平面視正方形状のチップ状物を等間隔をおいて切断する切断刃について言及し、平面視長方形状のチップ状物を切断する切断刃については言及していないが、本発明は、平面視長方形状のチップ状物をワークから縦横列上に等間隔をおいて切断する時に使用される切断刃をも対象とするものである。
その場合には、切断対象となる同列上のチップ状物において直線上に位置する各辺と相対しない個所にその相対しない範囲分の長さをもって非切断用の凹部を刃先先端から刃渡り方向と直交する高さ方向に凹設して切断実行刃部を等間隔をおいて形成した2種類の切断刃をインデックステーブルの90度回転前、回転後に交換して前記ツールホルダに保持させてチップ状物の切断に対処することによって平面視矩形状のチップ状物を切断加工することができる。
【0032】
【実施例】
前記する第1〜第4の実施の形態における切断刃Aのシャンク部1の厚みT2は、0.4mm乃至1mm、刃先角θは約15度〜20度である。
また、第2の実施の形態では図11に示すように、刃先部の最大刃厚(連設部2dとの交点)T1は25μm〜50μm、またその高さH1は50μm〜100μmであり、そして刃先部2c先端から連設部2dのシャンク部1との交点までの高さH2を1mmよりも僅かに高くしており、また連設部2dにおける左右対称の凹湾曲面2d’、2d’の刃厚は下段の最大刃厚よりも5μm程度薄肉な部分を中途部T3に形成してから漸次厚くなるようにした寸法にしてあり、0.1mm〜1mm程度の厚のワークWを切断する。
【0033】
【発明の効果】
本発明は以上のように、セラミックス積層体等のワークWから縦横複数列上に等間隔をおいて矩形状のチップ状物Cを切断する平刃状の切断刃であって、刃先からシャンク部1に向って形成された刃部2が、切断対象となる同列上のチップ状物C…において直線上に位置する各辺c1…と相対しない個所2b…にその相対しない範囲分の長さをもって非切断用の凹部3…を刃先先端から刃渡り方向と直交する高さ方向に凹設して同刃渡り方向に切断実行刃部2’…を等間隔をおいて形成しているから、ワークWから矩形状のチップ状物C…をくり貫き状に切断することができる。
従って、チップ状物C…とそれ以外の切断不要物Fとの分別作業が頗る簡単である。
【0034】
また、両刃面2a、2aによる押し切り時の排除力を受けてチップ状物Cが微移動しようとする応力をそのチップ状物Cを囲繞するように残置されるフレーム部c2部分で吸収してチップ状物Cを切断するから、4辺の寸法を同一とする高品質なチップ状物Cを切断することができる。
【0035】
また、刃部2を、所定高さの刃先部2cと、その刃先部2cとシャンク部1とに連設する所定高さの連設部2dとで構成し、前記刃先部2c、連設部2dを、共に高さ方向に凹状を呈し刃渡り方向全長に亘って連続する凹湾曲面2c’、2c’、2d’、2d’で形成し、その刃先部2cの凹湾曲面2c’、2c’、連設部2dの凹湾曲面2d’、2d’を共に中心線Xに対して左右対称にした切断刃にあっては、従来のような刃部となる刃面全体を平面で構成した側面視V字状の切断刃よりも刃部全体を厚く(刃先部を除く)且つ短くした上に、ワークに接触する抵抗をより小さく抑制し、より小さな切断力での切断を可能にし刃部の座屈変形をも防止する切断刃を提供することができる。
しかも、微細な縦目の微小凹凸線条4によって、切れ味が非常に良くなり、尚且つ刃先部2cと共に連設部2dの座屈強度を高め、より耐久信頼性のあるものにすることができる。
その上、刃先部2cとシャンク部1とを連設する連設部2dを、刃渡り方向全長に渡って形成された左右対称な高さ方向に複数段の凹湾曲面2d’、2d’で形成している場合には、切断加工時に連設部2dが薄肉状のワークWにおける切断面上縁部を押圧する力が更に弱くなる上、座屈強度が更に増強され、また切断時のワークWの変形をより防止する上でも有効なものである。
【0036】
そして、刃先部2cを平面で構成したものにあっては、その鏡面加工で、前記する利点に加えて切断面を美麗に仕上げることができる。
【0037】
また、刃先部2cの刃厚、連設部2dの左右一対の凹湾曲面2d’、2d’で形成される刃厚各々において、下段の最大刃厚よりも僅かに薄肉な部分を中途部に形成してから上段の刃厚を漸増した構成のものにあっては、前記利点に加えて、切断時の、刃先部2cを除いて刃面となる凹湾曲面2d’、2d’のワークWに接触する抵抗をより小さく抑制して、より小さな切断力での切断を可能とし、刃部の座屈変形を招かずに微細なチップ状物Cを切断するのに最適な切断刃Aとなる。
【0038】
しかも、各切断実行刃部2’…は、その端部を平面視V字状に形成して、刃面に対して鈍角をもって連設しており、従来のように切断されるチップ状物Cに裂かれ現象が生じるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態の切断刃の拡大正面図で一部省略して示す。
【図2】 図1の(2)−(2)線拡大断面図。
【図3】 切断加工装置とインデックステーブルとワークの関係を示す側面図。
【図4】 切断加工装置とワークとの関係を示す平面図。
【図5】 切断状態を示す拡大斜視図で一部切欠して示す。
【図6】 図5で切断されたワークの拡大平面図。
【図7】 インデックステーブルを90度回動させた際の切断加工装置とワークとの関係を示す平面図。
【図8】 図7で切断されたワークの平面図で、平面視矩形状(正方形)のワークから縦横列上に等間隔をおいてチップ状物がくり貫き状に切断された状態を示している。
【図9】 切断されたチップ状物と切断不要物とを分別する状態を示す拡大斜視図。
【図10】 第2の実施の形態の切断刃の拡大斜視図で一部切欠して示す。
【図11】 図10の(11)−(11)線拡大断面図。
【図12】 同第2の実施の形態の要部の切断刃の部分拡大斜視図。
【図13】 同図12の部分拡大斜視図。
【図14】 第3の実施の形態の切断刃の縦断面図。
【図15】 従来の切断刃で切断する状態を示す斜視図。
【図16】 同従来の切断刃で切断されたチップ状物と細帯状不要物との関係を示す切断状態を示す拡大斜視図。
【符号の説明】
A…切断刃 1…シャンク部
2…刃部 2c…刃先部
2d…連設部 X…中心線
W…ワーク 4…縦目の微小凹凸線条
3…非切断用の凹部 2c’…刃先部の凹湾曲面
2a…刃面 2d’…連設部の左右対称の凹湾曲面
2’…切断実行刃部 c2…フレーム部
Claims (5)
- 薄板状のワーク(W)から縦横複数列上に等間隔をおいて矩形状のチップ状物(C)を切断する平刃状の切断刃を用いた切断加工装置であって、
前記切断刃は、刃先からシャンク部(1)に向って形成された刃部(2)が、切断対象となる同列上のチップ状物(C)において直線上に位置する各辺(c1)と相対しない個所(2b)にその相対しない範囲分の長さをもって非切断用の凹部(3)を刃先先端から刃渡り方向と直交する高さ方向に凹設して同刃渡り方向に切断実行刃部(2')を等間隔に形成してなり、
前記切断刃を前記各辺(c1)の長さと前記相対しない箇所(2b)の幅だけ交互に前記切断刃の刃渡り方向と直交する平面方向に移動させながら、移動させる度に前記切断刃を下降させ、前記ワークを90度回転させて、前記切断刃を前記各辺(c1)の長さと前記相対しない箇所(2b)の幅だけ交互に移動させ、その移動させる度に前記切断刃を下降させることで、前記ワークから縦横列上に前記チップ状物のみをくり貫くように切断することを特徴とする切断加工装置。 - 前記刃部(2)は、中心線(X)に対し左右対称の凹湾曲面(2c'、2c')で所定高さ形成された刃先部(2c)と、シャンク部(1)に向かって漸次厚くなるように前記刃先部(2c)とシャンク部(1)とに亘って高さ方向に凹状に連続形成され中心線(X)に対し左右対称な一段または複数段の凹湾曲面(2d'、2d')で形成された連設部(2d)と、非切断用の凹部(3)とで構成し、該凹部(3)は、切断対象となる同列上のチップ状物(C)において直線上に位置する各一辺(c1)と相対しない個所(2b)にその相対しない範囲分の長さをもって刃先部(2c)先端から刃渡り方向と直交する高さ方向を向いて凹設して同刃渡り方向に切断実行刃部(2')を等間隔に形成し、前記非切断用の凹部(3)を除いて刃先部(2c)の凹湾曲面(2c'、2c')と連設部(2d)の凹湾曲面(2d'、2d')とに曲面方向と同一方向の縦目の微小凹凸線条(4)を刃渡り方向全長に亘って研削形成していることを特徴とする請求項1項記載の切断加工装置。
- 前記刃先部(2c)の左右両面が凹湾曲面(2c'、2c')に代えて平面からなり、その刃先部(2c)は鏡面仕上げされ、且つ前記連設部(2d)の凹湾曲面(2d'、2d')に、曲面方向と同一方向の微小凹凸線条(4)を前記非切断用の凹部(3)を除いて刃渡り方向全長に亘って研削形成していることを特徴とする請求項2項記載の切断加工装置。
- 前記刃先部(2c)の刃厚、連設部(2d)の左右一対の凹湾曲面(2d'、2d')で形成される刃厚各々において、下段の最大刃厚よりも薄肉な部分を中途部に形成してから上段の刃厚を漸増していることを特徴とする請求項2または3記載の切断加工装置。
- 前記等間隔をおいて形成された各切断実行刃部(2')は、両端部を平面視V字状に形成していることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の切断加工装置。
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