JP2002279928A - イオンビーム照射装置の運転方法およびイオンビーム照射装置 - Google Patents

イオンビーム照射装置の運転方法およびイオンビーム照射装置

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JP2002279928A JP2001074141A JP2001074141A JP2002279928A JP 2002279928 A JP2002279928 A JP 2002279928A JP 2001074141 A JP2001074141 A JP 2001074141A JP 2001074141 A JP2001074141 A JP 2001074141A JP 2002279928 A JP2002279928 A JP 2002279928A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低エネルギーでイオン注入する場合における
イオンビームの高い輸送効率を実現する手段を提供す
る。 【解決手段】 この発明に係るイオンビーム照射装置の
運転方法は、イオンビームを発生するイオン源1と、前
記イオン源から発生したイオンビームを質量分離する第
1質量分析電磁石2と、前記第1質量分析電磁石で質量
分離されたイオンビームを加減速する加減速管3と、前
記加減速管で加減速されたイオンビームを照射する基板
を設置したエンドステイション7と、前記加減速管と前
記エンドステーションの間に設けられた高真空ポンプか
らなるイオンビーム照射装置において、1価の単原子イ
オンを低エネルギーでイオン注入する場合には、前記高
真空ポンプの排気性能を低下させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばイオン注
入装置のようなイオンビーム照射装置の運転方法および
それを実施するイオンビーム照射装置に関し、より具体
的には、イオン注入装置において低エネルギーイオン注
入を行う際に、効率よくイオンビームを輸送する手段に
関する。
【0002】
【従来の技術】図3は従来のイオン注入装置の一般例を
示す概略図である。
【0003】このイオン注入装置は、基本的にはイオン
源1から引き出したイオンビームは第1質量分析電磁石
2で質量分離され、所望のイオンビームだけが加減速管
3で加減速され、最終エネルギーに到達する。加減速管
3を出たイオンビームは主に加減速管3で生じたエネル
ギーコンタミネーションを除去すべく再度第2質量分析
電磁石4で質量分離され、スキャンマグネット5で水平
方向に走査され、コリメータマグネット6で曲げ戻して
パラレルビームとし、エンドステーション7のプラテン
8に保持された基板9に注入される。イオン注入装置の
場合、基板9は通常シリコンウエハである。このように
して、イオンビームは水平方向に走査され、プラテンは
機械的に垂直方向に動くので、基板9の全面に亘って均
一にイオンビームを照射することができる。
【0004】イオン注入装置の上述した各部は、イオン
ビームを通過させるものなので高真空に真空排気されて
いる。高真空に排気するのは、イオンビームが残留ガス
分子と衝突して損失したり、中性粒子を発生したり、あ
るいは2価のイオンが1価のイオンになり所望のイオン
と異なるイオンが発生するのを防止するためである。こ
れらはビーム電流量の減少やエネルギーコンタミネーシ
ョンの原因となる。
【0005】そこで高真空に排気するために、イオン注
入装置には多くの真空ポンプが設けられている。まず、
荒引きを行うために、図示されていないドライポンプが
設けられている。これは、大気圧から例えば1Paまで
真空排気するために用いる。さらなる高真空に排気する
ために、以下の高真空ポンプが設けられている。本明細
書において高真空ポンプとは、荒引きを行った後さらな
る高真空へ排気するための真空ポンプをいう。第1質量
分析電磁石2には第1のターボ分子ポンプ10と第2の
ターボ分子ポンプ11の二つのターボ分子ポンプが設け
られており、第2質量分析電磁石4には第三のターボ分
子ポンプ12が設けられている。また、コリメータマグ
ネット6には第1のクライオポンプ13、エンドステー
ション7には第2のクライオポンプ14がそれぞれ設け
られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなイオン注
入装置においては、高真空に保たれたビームライン中を
イオンビームが進む。通常のイオンビームは、若干の電
子を含むが、大半は正に帯電したイオンの集合である。
このため、イオンビームは正電荷同士の反発により、発
散する傾向にあり、これを空間電荷効果という。この空
間電荷効果が大きいと、イオンビームの輸送過程でイオ
ンビームは散失し、イオンビームの輸送効率が低下する
という問題がある。
【0007】これを解決するために特開平3−1388
49号公報には、イオン源1から第1質量分析電磁石ま
でのビーム輸送ラインにガス導入ポートを設けて不活性
ガス等を導入し、導入されたガス分子とイオンビームを
衝突させることにより電子を放出させ、その結果イオン
ビーム中の電子の量が増え、空間電荷効果を小さくでき
ると記載されている。また、ガスを導入するので中性粒
子が発生するが、ガスを導入する(ガス導入ポート)場
所が第1質量分析電磁石2の上流側なので、発生した中
性粒子は第1質量分析電磁石2で除去することができ、
さらに、イオンビームの収束点のずれは、第1質量分析
電磁石2の上流側でのイオンビームの発散に大きく影響
されるが、この部分でのイオンビームの発散を抑制する
ので、イオンビームの収束点のずれを効果的に抑制する
ことができると記載されている。
【0008】従来のイオン注入は、数十keV〜数百k
eV以上の中エネルギー、高エネルギーでイオン注入す
ることが多く、この場合は加減速管の下流側での空間電
荷効果が比較的小さく、これが問題となることは少なか
った。
【0009】しかし、近年のデバイスの微細化の要求に
より、低エネルギー領域、例えば10keV以下でイオ
ン注入されることが多くなってきた。この場合は、加減
速管の下流側での空間電荷効果が大きくなり、イオンビ
ームの輸送効率が低下するという問題が生じてきた。従
来数十keV以上のエネルギーでイオン注入する場合に
は加減速管の下流側での空間電荷効果が問題とならなか
ったのに、低エネルギーでイオン注入する場合になぜ問
題となるのか、その理由は後ほど詳述する。
【0010】また、特開平3−138849号公報に記
載のように意図的にガスを供給し、その流入量を適当に
制御するには、それ専用のガス供給設備を設ける必要が
あり、必然的に装置価格が高くなるという問題がある。
【0011】さらに、イオン注入装置は、大地電位に保
持した基板に、正に帯電したイオンを打ち込むため、イ
オン源から分析電磁石までのビーム輸送ラインは高電圧
となっている。従って、前記のような高電圧のビーム輸
送ラインにガス導入ポートを設けて、これにガスを供給
するには、高電圧部にガスボンベを設置する必要があ
る。しかし、ガスボンベは有限の大きさなので適宜交換
する必要があり、その都度イオン注入装置の運転を停止
しなければならないという問題がある。
【0012】そこでこの発明は、ガス供給設備を新たに
設けることなく、特に低エネルギーイオン注入における
空間電荷効果によるイオンビームの輸送効率低下を抑制
する手段、すなわち、イオンビームの高い輸送効率を実
現する手段を提供することを主たる目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明に係るイオンビ
ーム照射装置の運転方法は、イオンビームを発生するイ
オン源と、前記イオン源から発生したイオンビームを質
量分離する第1質量分析電磁石と、前記第1質量分析電
磁石で質量分離されたイオンビームを加減速する加減速
管と、前記加減速管で加減速されたイオンビームを照射
する基板を設置したエンドステーションと、前記加減速
管と前記エンドステーションの間に設けられた高真空ポ
ンプからなるイオンビーム照射装置において、1価の単
原子イオンを低エネルギーでイオン注入する場合には、
前記高真空ポンプの排気性能を低下させることを特徴と
している。
【0014】上記構成によれば、低エネルギーでイオン
注入をする場合には加減速管とエンドステーションの間
に設けられた高真空ポンプの排気性能を低下させるの
で、加減速管より下流側での真空度が悪化する。その結
果、加減速管より下流側での残留ガス分子とイオンビー
ムの衝突により電子を放出し、イオンビーム中の電子の
量が増え、空間電荷効果が小さくなるので、加減速管よ
り下流側でのイオンビームの輸送効率を向上することが
できる。すなわち、低エネルギーでイオン注入する場
合、加減速管の上流側に比べて、下流側の空間電荷効果
が極めて大きくなることに着目し、従来行われていたよ
うな加減速管の上流側の空間電荷効果を緩和するのでは
なく、下流側の空間電荷効果を緩和するものである。
【0015】本願の発明は、特に低エネルギーイオン注
入に関するものである。数十keV以上の中エネルギー
若しくは高エネルギーでイオン注入する場合には、加減
速管の下流側での空間電荷効果が問題とならないのに、
低エネルギーでイオン注入する場合には、加減速管の下
流側での空間電荷効果が問題となる理由を詳細に説明す
る。なぜそれを説明するのか、それは何度もいうが、本
願発明は、低エネルギーイオン注入を行う際の独特の問
題であることを説明するためである。
【0016】まず、はじめに図3のイオン注入装置の各
部位のポテンシャル変化の概念を図2に示す。図には、
2つのパターンのイオン注入過程を示した。1つは、従
来からよく行われている中エネルギー(200keV)
でイオン注入する場合で、もう一つは、低エネルギー
(3keV)でイオン注入する場合である。
【0017】200keVのエネルギーでイオン注入す
る場合のイオンビームの電位の変化について説明する。
大地電位に載置された基板9に対し最終的に200ke
Vでイオン注入しようとすると、1価イオンを用いる場
合、イオン源1の電位は大地電位に対し+200kVと
なる。なぜなら、最初(イオン源1)と最後(基板9)
の電位差で、基板9に打ち込まれるエネルギーが決まる
からである。+200kVのイオン源1から30kVで
イオンビームを引出し、第1質量分析電磁石2を経て、
加減速管3へ輸送される。これを加減速管3で170k
V加速し、第2質量分析電磁石4、スキャンマグネット
5、コリメータマグネット6を経て基板9に最終的に2
00kVの電位差で打ち込まれる。
【0018】次に同様に、3keVの低エネルギーでイ
オン注入する場合のイオンビームの電位の変化について
説明する。イオン源2の電位が+3kVになるのは、先
ほどと同じ理由による。+3kVのイオン源から30k
Vでイオンビームを引出し、第1質量分析電磁石を経
て、加減速管3へ輸送される。これを加減速管3で27
kV減速し(加減速管は、減速管としても使用でき
る)、第2質量分析電磁石4、スキャンマグネット5、
コリメータマグネット6を経て基板9に最終的に3kV
の電位差で打ち込まれる。
【0019】これらのイオンビームの輸送過程における
各部位でのイオンビームのポテンシャルを説明する。イ
オンビームのポテンシャルは、イオン源の電位を基準電
位として考える。200keVでイオン注入する場合、
引出電極から第1質量分析電磁石2、加減速管3へ入る
までのイオンビームポテンシャルは30kVであり(図
2中a)、加減速管3を出てから第2質量分析電磁石
4、スキャンマグネット5、コリメータマグネット6を
経て基板9へ注入されるまでのイオンビームポテンシャ
ルは200kVである(図2中b)。次に、3keVで
イオン注入する場合、引出電極から第1質量分析電磁石
2、加減速管3へ入るまでのイオンビームポテンシャル
は30kVであり(図2中c)、加減速管3(ここでは
減速管として作用)を出てから第2質量分析電磁石4、
スキャンマグネット5、コリメータマグネット6を経て
基板9へ注入されるまでのイオンビームポテンシャルは
3kVである(図2中d)。
【0020】すなわち、200keVでイオン注入する
場合は、加減速管3の下流側のイオンビームポテンシャ
ルは、上流側のそれより大きくなる(30kVが200
kVになる)のに対し、3keVでイオン注入する場合
は、加減速管3の下流側のイオンビームポテンシャル
は、上流側のそれより小さくなる(30kVが3kVに
なる)。200keVでイオン注入する場合と3keV
でイオン注入する場合は全く異なった動きをすることが
分かる。
【0021】次に、イオンビームの空間電荷効果の強さ
について説明する。イオンビームの空間電荷効果の強さ
Sは、比例定数をA、イオンビーム電流をI、イオンビ
ーム中に存在する電子の比率(イオンビーム中の電子の
電荷/イオンビーム中のイオンの電荷)をp、イオンの
質量をm、イオンの価数をq、イオンビームのポテンシ
ャル(基準電位に対する電位差)をVとしたとき、次の
式で表される。
【0022】
【数1】 S=A*I*(1−p)*√(m/qV3) (1)
【0023】この式から、イオンビーム電流が大きく、
イオンビーム中に存在する電子の比率が小さく、イオン
の質量が大きいほど、イオンビームの空間電荷効果は強
く、イオンビームの発散する度合いが強く、結果として
イオンビームの輸送効率が低下することがわかる。ま
た、イオンの価数が大きく、イオンビームのポテンシャ
ルが大きいほどイオンビームの空間電荷効果は弱く、イ
オンビームの発散する度合いは弱く、結果としてイオン
ビームの輸送効率は高くなることがわかる。一言でいえ
ば、イオンビームの輸送効率の観点から空間電荷効果の
強さSは、小さいほど好ましい。
【0024】ここで、イオンビームのポテンシャルにつ
いて考えると、イオンビームのポテンシャルが大きいほ
ど、空間電荷効果が小さい(輸送効率が高い)と分か
る。すなわち、イオンビームの輸送過程において、下流
側のイオンビームポテンシャルが上流側より大きくなる
場合は、少なくとも下流側において空間電荷効果が問題
となることはない。
【0025】ここで、前述した200keVでイオン注
入する場合と3keVでイオン注入する場合において、
加減速管の下流側での空間電荷効果が問題となるか、正
確には加減速管の上流側より下流側で空間電荷効果が問
題となるか否かを検討する。200keVでイオン注入
する場合は、前記したように加減速管上流側のイオンビ
ームポテンシャルは30kV、下流側のそれは200k
Vなので、空間電荷効果の強さは下流側の方が小さい。
〔数1〕から下流側での空間電荷効果の強さは、上流側
の約1/17となる。下流側での空間電荷効果が全く問
題とならないことが分かる。
【0026】次に3keVでイオン注入する場合、前記
したように加減速管上流側のイオンビームポテンシャル
は30kV、下流側のそれは3kVなので、空間電荷効
果の強さは下流側の方が大きい。〔数1〕から下流側で
の空間電荷効果の強さは、上流側の約31倍となり、加
減速管の上流側に比べて、下流側の空間電荷効果が極め
て大きくなる。これでは上流側での空間電荷効果が問題
とならない場合でも、下流側では問題となることが分か
る。
【0027】すなわち、数十keV以上の中エネルギー
若しくは高エネルギーでイオン注入する場合には、加減
速管の下流側での空間電荷効果が問題とならないのに、
低エネルギー領域でイオン注入する場合には、加減速管
の下流側での空間電荷効果が問題となる。本願は、低エ
ネルギーでイオン注入する場合の加減速管の下流側での
空間電荷効果増大によるイオンビームの輸送効率低下と
いう独特の問題に関するものである。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に係るイオンビ
ーム照射装置の一例を示す概念図である。図3の従来例
と同一または相当する部分には同一の符号を付し、以下
において当該従来例との相違点を主に説明する。
【0029】このイオンビーム照射装置は、低エネルギ
ーでイオン注入する場合は、加減速管3の下流である加
減速管3とエンドステーション7の間に設けられた高真
空ポンプの排気性能を低下させる。ここで、低エネルギ
ーイオン注入とは、10keV以下のエネルギーでイオ
ン注入する場合をいう。高真空ポンプとは、大気圧から
荒引き(例えば、1Pa)を行った後のさらなる高真空
(例えば、10−4Pa)へ真空排気を行うための真空
ポンプをいう。また、加減速管3とエンドステーション
7の間に設けられた高真空ポンプとは、第3のターボ分
子ポンプ12、第1のクライオポンプ13あるいは、加
減速管3とエンドステーション7の間に設けられた他の
高真空ポンプがあればその高真空ポンプをいう。
【0030】加減速管3とエンドステーション7の間に
設けられた高真空ポンプの排気性能を低下させるには以
下の手法がある。当該高真空ポンプの運転を停止させて
もよく、また、当該高真空ポンプの運転を定格より下げ
た状態で運転(例えば、通常3万回転/分で回転するタ
ーボ分子ポンプの回転数を1万回/分に下げて運転すれ
ばよい)してもよく、さらに、当該高真空ポンプと各機
器の間に真空バルブが設けられていれば当該真空バルブ
の開閉状態を変えてもよく、これらの手段を適宜組み合
わせてもよい。
【0031】図1のように、加減速管3とエンドステー
ション7の間に複数の高真空ポンプが設けられている場
合は、加減速管3の下流側で最も加減速管3に近い第3
のターボ分子ポンプ12の運転を停止するのが効果的で
ある。ここでは、第3のターボ分子ポンプ12に意味が
あるのではなく、加減速管3の下流側で最も加減速管3
に近い高真空ポンプに意味がある。なぜなら、前記した
ように低エネルギーでイオン注入する場合、イオンビー
ムは加減速管3を出ると空間電荷効果が極端に大きくな
り、イオンビームが散失するので、加減速管3を出たと
ころでこれを防止するのが最も効果的だからである。ま
た、若干効果は落ちるが、第3のターボ分子ポンプ12
は定格で運転しコリメータマグネット6に設けられた第
1のクライオポンプ13を停止してもよい。さらに、第
3のターボ分子ポンプ12と第1のクライオポンプ13
の両方の運転を停止してもよい。
【0032】要するに、低エネルギーイオン注入する場
合には、加減速管3とエンドステーション7の間に設け
られた高真空ポンプの排気性能を何らかの手段を用いて
低下させて、この間の真空度を低下させればよい。真空
度が低下することにより、イオンビームと残留ガスとの
衝突が増加、電子が発生し、その結果、空間電荷効果が
小さくなり、結果としてイオンビームの輸送効率を向上
することができる。
【0033】しかしながら、上述したようにイオン注入
装置は、イオンビームの輸送過程でイオンビームが残留
ガス分子と衝突すると輸送効率が低下する。従って、従
来例がそうであったように、イオン注入装置は高真空に
排気されているのが大原則である。しかし、真空度を下
げると残留ガス分子とイオンビームの衝突により電子が
放出され、空間電荷効果の低下による輸送効率の向上が
期待できる。では、どんな場合にあえて真空度を下げ
て、加減速管3の下流側の空間電荷効果を小さくし、輸
送効率を向上することができるのであろうか。
【0034】そこで、本願の発明者は種々実験を重ねた
結果、イオンビーム電流をI〔μA〕、イオンの質量を
m〔amu〕、イオンの価数をq〔無次元数〕、イオン
ビームのポテンシャル(基準電位に対する電位差)をV
〔kV〕としたとき、次の式で表される判定値S’を求
め、判定値S’が5以上の場合には、加減速管3とエン
ドステーション7の間に設けられた高真空ポンプの排気
性能を低下すれば、イオンビームの輸送効率を改善でき
ることを見いだした。判定値S’が10以上の場合には
特に顕著な効果を生じる。
【0035】
【数2】 S’=I*√(m/qV3) (2)
【0036】判定値S’が5以上の場合は、イオンビー
ム電流の損失というデメリットよりも空間電荷効果が小
さくなるというメリットの方が顕著に現れ、イオンビー
ムの輸送効率が向上する。この場合は元々の空間電荷効
果が大きいので、衝突による空間電荷効果が小さくなる
という効果が顕著に現れたためである。従ってこの場合
には、加減速管3とエンドステーション7の間に設けら
れた高真空ポンプの排気性能を低下げて運転する。
【0037】これに対し、判定値S’が5より小さい場
合は、真空度を低下させて残留ガスとの衝突を増やし空
間電荷効果を小さくしても、元々の空間電荷効果が小さ
いので前述のメリットはほとんど現れず、逆にイオンビ
ーム電流の損失というデメッリトの方が優勢に現れ、イ
オンビームの輸送効率が若干低下する。従って、この場
合には、加減速管3とエンドステーション7の間に設け
られた高真空ポンプの排気性能は通常通り定格で運転す
る。
【0038】では、判定値がS’が5以上であれば如何
なる場合でも加減速管3とエンドステーション7の間に
設けられた高真空ポンプの排気性能を低下げていいので
あろうか。そこで次に、打ち込むイオン種との関係につ
いて説明する。
【0039】判定値がS’が5以上の場合であっても、
所望のイオンがB2+、P2+のような多価イオンやP
2+、BF2+のような分子イオンでは、イオンビーム
と残留ガス分子との衝突によるイオンの価数の変化(例
えば、2価のイオンから1価のイオン)や分子自体の分
解(例えば分子イオンが原子イオン)によりエネルギー
コンタミネーションが発生し、結果として所望のイオン
ビームの輸送効率は低下する。多価イオンや分子イオン
は単分子の1価イオンに比べて、不安定であるため、残
留ガス分子との衝突によりイオンビームの損失というデ
メリットの方が現れやすいためである。ゆえにこの場合
は、加減速管3とエンドステーション7の間に設けられ
た高真空ポンプの排気性能は通常通り定格で運転する方
が好ましい。
【0040】従って、所望のイオンがB+、P+、As
+のような1価の単原子イオンで、かつ、判定値がS’
が5以上の場合は、加減速管3とエンドステーション7
の間に設けられた高真空ポンプの排気性能を低下して運
転することにより、空間電荷効果が小さくなり、加減速
管より下流側でのイオンビームの輸送効率を向上するこ
とができる。
【0041】以上をまとめると、高真空ポンプの排気性
能を低下させるか否かは、次のように判断することがで
きる。
【0042】まず、所望のイオン種が1価の単原子イオ
ンか、分子イオンか、多価イオンかを判断する。分子イ
オンまたは多価イオンの場合は、加減速管3とエンドス
テーション7の間に設けられた高真空ポンプの排気性能
は通常通り定格で運転する。1価の単原子イオンの場合
は〔数2〕により判定値S’を求め、S’が5以上のと
きは加減速管3とエンドステーション7の間に設けられ
た高真空ポンプの排気性能を低下し、S’が5より小さ
いときは、高真空ポンプの排気性能は通常通り定格で運
転する。ここで、判定値S’は前述した10としてもよ
い。
【0043】以上のような手法で、イオン種(1価の単
原子イオン、分子イオン、多価イオン)と判定値S’か
ら加減速管とエンドステーションの間に設けられた高真
空ポンプの排気性能を低下させるか否かを判断すること
により、当該高真空ポンプの排気性能を最適に制御する
ことができ、イオンビームの輸送効率の高いイオン注入
が可能となる。さらに、中エネルギーや高エネルギーで
イオン注入する場合や、分子イオンや多価イオンを低エ
ネルギーイオン注入する場合には、加減速管3とエンド
ステーション7の間に設けられた高真空ポンプの排気性
能を低下させないので、イオンビームの輸送効率が低下
することもないというメリットもある。
【0044】また、イオン種と判定値S’の両方から判
断させる場合より若干判断の最適性は落ちるが、イオン
種若しくは判定値S’のいずれか一つから当該判断を行
わせてもよい。
【0045】ここで、加減速管3とエンドステーション
7の間に設けられた高真空ポンプの排気性能の制御は制
御装置20で行う。
【0046】制御装置は、1価の単原子イオンを低エネ
ルギーでイオン注入する場合には、加減速管と前記エン
ドステーションの間に設けられた高真空ポンプの排気性
能を低下させる制御を行う。高真空ポンプの排気性能を
低下させる手段は前述のとおりである。
【0047】イオン注入装置にこの様な制御装置20を
設けることにより、1価の単原子イオンを低エネルギー
でイオン注入する場合には、加減速管3とエンドステー
ション7の間に設けられた高真空ポンプの排気性能を低
下させるので、空間電荷効果が小さくなり、輸送効率の
高いイオン注入装置の実現することができ、さらにイオ
ン注入装置の運転の省力化を図ることができる。
【0048】高真空ポンプの排気性能を低下させるか否
かは、前述した判断手法を用いて判断することができ
る。当該判断は、制御装置20自身で行ってもよく、あ
るいは、イオン注入装置の中央制御装置等で行わせても
よい。制御装置20自身で当該判断を行った場合は、当
該判断の結果により制御装置20が高真空ポンプの排気
性能を制御し、また、制御装置20以外の例えばイオン
注入装置の中央制御装置等が当該判断を行った場合は、
そこからの信号(命令)を下に制御装置20が高真空ポ
ンプの排気性能を制御すればよい。
【0049】当該判断手法を用いることにより、打ち込
むエネルギー(低エネルギー、中エネルギー、高エネル
ギー)やイオン種(分子イオン、多価イオン、1価の単
原子イオン)が変化した場合でも、最適なイオン注入装
置の運転状態を選択することができる。さらに、この様
な判断を自動的に行うようにすれば、さらなるイオン注
入装置の運転の省力化を図ることができる。
【0050】なお、加減速管3とエンドステーション7
の間に設けられた高真空ポンプの排気性能を低下、具体
的には高真空ポンプの運転を停止または通常の回転数よ
り下げて運転した際に、種々のイオンビームの輸送効率
がどうなるか事前に実測し、最適条件を決めておくのが
好ましい。このデータを制御装置20に与えて、注入条
件に応じて加減速管3とエンドステーション7の間に設
けられた高真空ポンプを制御するようにしてもよい。
【0051】
【実施例】判定値S’が5以上の例を示す。全ての真空
ポンプを定格運転した状態において、B+を3keVの
エネルギーでイオン注入した場合の基板部でのイオンビ
ーム電流は10μAであった。ここで、判定値S’を
〔数2〕で計算してみると約12となる。判定値S’が
5以上なので加減速管3とエンドステーション7の間に
設けられた高真空ポンプの排気性能を低下させた方が輸
送効率が向上すると考えられる。そこで、加減速管3と
エンドステーション7の間に設けられた高真空ポンプで
ある第三のターボ分子ポンプ12を停止したところ、基
板部でのイオンビーム電流が20〜30%増加した。
【0052】判定値S’が5より小さい例を示す。全て
の真空ポンプを定格運転した状態において、B+を20
0keVのエネルギーでイオン注入した場合の基板部で
のイオンビーム電流は200μAであった。ここで、判
定値S’を〔数2〕で計算してみると約0.2となる。
判定値S’が5より小さいので加減速管3とエンドステ
ーション7の間に設けられた高真空ポンプの排気性能を
通常通り定格で運転しても輸送効率は向上しない考えら
れる。しかしここではあえて、加減速管3とエンドステ
ーション7の間に設けられた高真空ポンプである第三の
ターボ分子ポンプ12を停止したところ、予想通りイオ
ンビームの輸送効率は向上せず、基板部でのイオンビー
ム電流が1%減少した。
【0053】
【発明の効果】この発明は、上記のとおり構成されてい
るので、次のような効果を生じる。
【0054】請求項1記載の発明によれば、1価の単原
子イオンを低エネルギーでイオン注入を行う場合には、
加減速管3とエンドステーション7の間に設けられた高
真空ポンプの排気性能を低下させるので、加減速管3と
エンドステーション7間の真空度が低下し、残留ガス分
子が増加する。その結果、残留ガス分子とイオンビーム
の衝突による電子の放出が増加し、イオンビーム中の電
子の量が増えるので、空間電荷効果が小さくなり、ひい
てはイオンビームの輸送効率を向上することができる。
また、既存の高真空ポンプの運転を制御するだけなの
で、特開平3−138849号公報に記載されているよ
うなガス供給設備を新たに設ける必要もなく、従って、
ガスボンベ交換のためにイオン注入装置を停止させる必
要もない。
【0055】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明の前記効果と同様の効果を奏すると共に、イオ
ンビーム照射装置運転の省力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るイオンビーム照射装置の一例を
示す概念図である。
【図2】この発明に係るイオンビーム照射装置の各部位
のポテンシャル変化を示す概念図である。
【図3】従来のイオン注入装置の一般例を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
1 イオン源 2 第1質量分析電磁石 3 加減速管 4 第2質量分析電磁石 7 エンドステーション 12 第3のターボ分子ポンプ12 20 制御装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオンビームを発生するイオン源と、前
    記イオン源から発生したイオンビームを質量分離する第
    1質量分析電磁石と、前記第1質量分析電磁石で質量分
    離されたイオンビームを加減速する加減速管と、前記加
    減速管で加減速されたイオンビームを照射する基板を設
    置したエンドステーションと、前記加減速管と前記エン
    ドステーションの間に設けられた高真空ポンプからなる
    イオンビーム照射装置において、 1価の単原子イオンを低エネルギーでイオン注入する場
    合には、前記高真空ポンプの排気性能を低下させること
    を特徴とするイオンビーム照射装置の運転方法。
  2. 【請求項2】 イオンビームを発生するイオン源と、前
    記イオン源から発生したイオンビームを質量分離する第
    1質量分析電磁石と、前記第1質量分析電磁石で質量分
    離されたイオンビームを加減速する加減速管と、前記加
    減速管で加減速されたイオンビームを照射する基板を設
    置したエンドステイションと、前記加減速管と前記エン
    ドステーションの間に設けられた高真空ポンプからなる
    イオンビーム照射装置において、 1価の単原子イオンを低エネルギーでイオン注入する場
    合には、前記高真空ポンプの排気性能を低下させる制御
    装置を備えることを特徴とするイオンビーム照射装置。
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