JP2002278149A - トナーの製造方法 - Google Patents

トナーの製造方法

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JP2002278149A
JP2002278149A JP2001082954A JP2001082954A JP2002278149A JP 2002278149 A JP2002278149 A JP 2002278149A JP 2001082954 A JP2001082954 A JP 2001082954A JP 2001082954 A JP2001082954 A JP 2001082954A JP 2002278149 A JP2002278149 A JP 2002278149A
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polymer particles
colored polymer
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toner
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Hiroshi Yamamoto
寛 山本
Hiroshi Fujii
洋志 藤井
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾燥機への粒子の融着が少なく、且つ粒子同
士の融着による粗大粒子が少なく画質が良好なトナーを
得る方法を提供する。 【解決手段】 本体容器、該容器内で回転する攪拌翼、
該攪拌翼に駆動力を伝える駆動力伝達手段、及び該駆動
力伝達手段を冷却する手段を含む真空乾燥機に着色重合
体粒子を入れ、真空乾燥することによってトナーを得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トナーの製造方法
に関し、さらに詳しくは、乾燥機への付着が少なく且つ
粗大粒子の少ないトナーを効率的に製造する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に電子写真用トナーは、重合によっ
て得られた結着樹脂を、着色剤、帯電制御剤、離型剤な
どと混練、粉砕、分級して得られる着色重合体粒子から
なる粉砕法トナーと;重合性単量体、着色剤、帯電制御
剤、離型剤等の混合物を懸濁重合、乳化重合、分散重合
などの方法で重合して、必要に応じて会合して得られる
着色重合体粒子からなる重合法トナー;結着樹脂の粒子
と、着色剤や帯電制御剤等を含有してなる粒子とを会合
させて得られる着色重合体粒子をかららなる会合法トナ
ー;等に大別される。何れの手法でも重合工程で完全に
重合性単量体を反応させることは困難であり、わずかに
未反応重合性単量体がトナー中に残留してしまう。重合
性単量体の残留したトナーを静電画像形成装置で使用す
ると、画像定着時の加熱等により残留重合性単量体がト
ナー中から揮発して作業環境を悪化させたり、不快な臭
気を発生させる。また、残留重合性単量体の多い電子写
真用トナーは、保存中にブロッキングが発生しやすい、
画像定着時にオフセットしやすい、静電画像現像装置の
部材上にフィルミングしやすいなどの問題がある。
【0003】着色重合体粒子中の残留重合性単量体など
の揮発性物質を減らすために、重合反応後の各工程で揮
発性物質の除去処理をすることが多く検討されている。
例えば、着色重合体粒子を加熱乾燥することによって、
水分とともに未反応の重合性単量体や揮発性の化合物を
取り除くことも行われている。乾燥のために、スプレー
乾燥機、流動層乾燥機、棚段式乾燥機または真空乾燥機
が用いられている。これらの乾燥方法では、揮発成分を
低減するために長時間を要し、また揮発成分が蒸発する
ときに凝集を起こしたり、着色重合体粒子が加熱によっ
て融着したりして、粒径分布が広くなることがあった。
さらに重合体粒子の融着が甚だしくなると攪拌翼や攪拌
軸に粒子が絡まり付き攪拌動力に異常な負荷がかかるよ
うになり、乾燥機自体が故障するおそれさえあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、乾燥
機への付着が少なく且つ粗大粒子が少なく画質に優れた
トナーを効率的に製造する方法を提供することにある。
トナー用着色重合体粒子の真空乾燥においては、揮発成
分蒸発に伴う、粒子同士の凝集を防ぐために、攪拌翼を
備えた真空乾燥機を用いて、乾燥機本体容器内の着色重
合体粒子を攪拌しながら揮発成分を除去している。真空
乾燥機の温度は着色重合体粒子が溶融しない温度以下で
コントロールされているにも関わらず、着色重合体粒子
同士が融着した粗大粒子が散見された。本発明者は、揮
発成分の低減と、この融着粒子の低減を目的として鋭意
研究した結果、真空乾燥機の攪拌翼に駆動力を伝達する
手段に粉粒体が付着し、それが脱落することによって粗
大粒子が増えることを見いだした。そして、この駆動力
伝達手段の温度を調整して、着色重合体粒子を真空乾燥
することによって、上記目的を達成できることを見いだ
し、この知見に基づいて、本発明を完成するに到った。
【0005】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、本体容器、該容器内で回転する攪拌翼、該攪拌翼に
駆動力を伝える駆動力伝達手段、及び該駆動力伝達手段
の温度を調整する手段を含む真空乾燥機に着色重合体粒
子を入れ、真空乾燥することを含むトナーの製造方法が
提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のトナーの製法は、特定の
真空乾燥機を用いて着色重合体粒子を真空乾燥すること
を含む。本発明において用いられる真空乾燥器は、本体
容器、該容器内で回転する攪拌翼、該攪拌翼に駆動力を
伝える駆動力伝達手段、及び該駆動力伝達手段の温度を
調整する手段を含むものである。本体容器の形状は、公
知の真空乾燥機に採用されている形状のものでよく、例
えば円筒、円錐などが挙げられる。本発明においては、
真空乾燥器内で着色剤含有重合体粒子を揮発成分の蒸発
または昇華を促すために攪拌する。攪拌翼の形式は特に
限定されず、例えば、リボン翼;パドル翼;スクリュー
翼;スクリュー翼全体が容器内で公転するもの;などが
挙げられる。攪拌翼に駆動力を伝達する手段には、攪拌
軸や;回転速度をコントロールするためのギアボックス
等が挙げられる。従来は駆動力伝達手段の摺動部分で発
熱があり、この部分に着色重合体粒子が触れたりするこ
とによって粒子の融着が起きることがあった。融着した
粒子は、粗大粒子化して、トナー製品中に混ざり込むこ
とがあり、これが白筋など画質低下の原因となる。本発
明においては、この駆動力伝達手段の温度を調整する手
段が設けられている。駆動力伝達手段の温度を調整する
ことによって摺動部に着色重合体粒子が融着することを
防ぐことができる。温度調節手段は媒体が流通可能な外
套と該媒体を送り込み排出するための管とを少なくとも
備えている。本発明においては、攪拌や蒸発等により飛
散した着色重合体粒子が駆動力伝達手段と直接接触する
のを防止するために、駆動力伝達手段の廻りに遮蔽物を
設置しても良い。例えば、駆動力伝達手段によって回転
する攪拌翼の最上部かつ駆動力伝達手段に近い箇所に
“つば”状の遮蔽物を設置する。この“つば”状の遮蔽
物は攪拌翼とともに回転し、攪拌翼の回転や蒸発水との
同伴により飛散した着色重合体粒子が駆動力伝達手段に
直接接触する頻度を軽減できる。媒体の温度の上限は着
色重合体粒子の溶融開始温度より5℃程度低い温度であ
り、下限は着色重合体粒子中または着色重合体粒子に付
着した揮発成分の真空乾燥機内圧力における沸点であ
る。冷却媒体の温度は通常20〜80℃、好ましくは2
5〜60℃である。冷却媒体の温度が低すぎると冷却手
段近傍で揮発成分が凝縮又は析出して、揮発成分を容器
外に排出できなくなることがある。一方、冷却媒体の温
度が高すぎると発熱の除去が不十分で着色重合体粒子の
融着を防止できないことがある。
【0007】真空乾燥は、着色重合体粒子を容器内に入
れ、容器内を減圧して、着色重合体粒子中または着色重
合体粒子に付着した揮発成分の沸点あるいは昇華点を下
げて、蒸発または昇華させ、その蒸気を容器と連通する
凝縮器によって凝縮除去することによって、乾燥するも
のである。真空乾燥における、圧力は、通常、0.1〜
27kPa、好ましくは0.2〜14kPa、さらに好
ましくは、0.2〜9kPaである。圧力が高いと揮発
物の蒸発が少なくなり、乾燥効率が低くなる。真空乾燥
における、ジャケット温度は着色重合体粒子の溶融温度
以下、通常は20〜80℃、好ましくは25〜60℃で
ある。ジャケット温度が高いと重合体粒子同士の熱融着
が起きやすくなる。低いと乾燥速度が低くなる。ジャケ
ット温度とは、乾燥機の容器内を加熱するために容器周
囲または内部に取り付けられた発熱体部分の温度をい
う。本発明においては、攪拌軸にも温度調整手段を設け
ることが好ましい。具体的には攪拌軸内に熱媒体を流通
させて温度調整する。攪拌軸に温度調整手段を設けるこ
とによって、攪拌軸や攪拌翼を通しても熱を伝えること
ができ、着色重合体粒子の乾燥を促進することができ
る。攪拌軸の温度調節は、通常20〜80℃、好ましく
は25〜60℃で行われる。
【0008】さらに、本発明においては、真空乾燥時の
着色剤含有重合体粒子自体の平均温度(以下、品温とい
う。)が、重要になる場合がある。すなわち、本発明に
おいては、品温を、好ましくは50℃以下に、さらに好
ましくは35℃以下にする。品温が高くなると、着色剤
含有重合体粒子同士が凝集、融着などする傾向になる。
【0009】本発明に用いる着色重合体粒子は、着色剤
を含有した粒子状の重合体である。着色剤としては、カ
ーボンブラック、チタンホワイト、ニグロシンベース、
アニリンブルー、カルコオイルブルー、クロムイエロ
ー、ウルトラマリンブルー、オリエントオイルレッド、
フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオクサレー
ト等の染顔料類;コバルト、ニッケル、三二酸化鉄、四
三酸化鉄、酸化鉄マンガン、酸化鉄亜鉛、酸化鉄ニッケ
ル等の磁性粒子;などを挙げることができる。さらに、
カラートナー用着色剤としては、C.I.ダイレクトレ
ッド1及び4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベ
ーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、
C.I.ダイレクトブルー1及び2、C.I.アシッド
ブルー9及び15、C.I.ベーシックブルー3及び
5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクト
グリーン6、C.I.ベーシックグリーン4及び6等
が、顔料として黄鉛、カドミウムイエロ、ミネラルファ
ーストイエロ、ネーブルイエロ、ネフトールイエロS、
ハンザイエロG、パーマネントイエロNCG、タートラ
ジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネ
ントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジン
オレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4
R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレー
キ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファスト
バイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コ
バルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブル
ーレーキ、フタロシアニンブルー、ファストスカイブル
ー、インダスレンブルーBC、クロムグリーン、酸化ク
ロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレー
キ、ファイナルイエログリーンG等が挙げられ、
【0010】フルカラートナー用マゼンタ着色顔料とし
ては、C.I.ピグメントレッド1〜209、C.I.
ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1
〜35等が、マゼンタ染料としては、C.I.ソルベン
トレッド1〜121、C.I.ディスパースレッド9、
C.I.ソルベントバイオレット8〜27、C.I.デ
ィスパースバイオレット1などの油溶染料;C.I.ベ
ーシックレッド1〜40、C.I.ベーシックバイオレ
ット1〜28などの塩基性染料等が挙げられ、フルカラ
ートナー用シアン着色顔料としては、C.I.ピグメン
トブルー2〜17、C.I.バットブルー6、C.I.
アシッドブルー45及びフタロシアニン骨格にフタルイ
ミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料
等が挙げられる。また、フルカラートナー用イエロ着色
顔料としては、C.I.ピグメントイエロ1〜181、
C.I.バットイエロ1〜20等が挙げられる。これら
着色剤は、着色重合体粒子を構成する重合体100重量
部に対して、通常、0.1〜100重量部、好ましくは
1〜50重量部の割合で用いられる。
【0011】本発明において好適に用いられる着色重合
体粒子は、ホウ素又はリンの含有率が0.1〜100p
pm、好ましくは0.2〜50ppm、さらに好ましく
は0.5〜10ppmである。ホウ素又はリンの含有率
が少ない場合には、白筋などの画質不良が生じやすくな
り、含有率が多い場合には温度や湿度が変動したときに
画質が低下するようになる。本発明の特に好適な着色重
合体粒子はホウ素の含有率が0.1〜100ppm、好
ましくは0.2〜50ppm、さらに好ましくは0.5
〜10ppmである。ホウ素又はリンの含有率は、以下
の方法によって測定された値である。すなわち、精秤し
た着色重合体粒子5gを100mlのポリ容器に入れ、
さらにイオン交換水50mlを加えて、振とうして、重
合体粒子を分散させた。次に90℃の温水中に該容器を
漬け加熱し、30分間振とうした。次に、0.4μフィ
ルターで濾過し、その濾液をイオンクロマトグラフィー
を用いて、ホウ素又はリンを定量し、着色重合体粒子中
の含有率を求めた。
【0012】好適な着色重合体粒子は、それをイオン交
換水煮沸抽出法によって測定したときのpHが4〜8、
好ましくは4.5〜7.5のものである。pH4未満あ
るいは、pH8超過になると、トナーの帯電量の環境依
存性が大きくなり、環境変化による画質の低下が生じる
ようになる。なお、イオン交換水煮沸抽出法によって測
定したときのpHは、着色重合体粒子6gをイオン交換
水(陽イオン交換処理と陰イオン交換処理を行ったも
の)100gに分散し、これを10分間煮沸した後、別
途10分間煮沸しておいたイオン交換水を添加して煮沸
前の容量に戻し、室温に冷却した後、pH計を用いて測
定した値である。
【0013】好適な着色重合体粒子は、導電率σ1のイ
オン交換水でイオン交換水煮沸抽出法によって測定した
粒子分散液の導電率σ2が、20μS/cm以下、好ま
しくは15μS/cmであり、σ2−σ1が、10μS
/cm以下、好ましくは5μS/cm以下である。水の
導電率σ1は、通常、0〜15μS/cmである。σ2
が大きい場合あるいはσ2−σ1が大きい場合には、帯
電量の環境に対する依存性が高くなって、環境変動(温
度や湿度の変化)による画質の低下を引き起こすように
なる。イオン交換水煮沸抽出法によって測定した粒子分
散液の導電率σ2は、該着色重合体粒子6gを導電率σ
1のイオン交換水100gに分散して分散液を得、この
分散液を10分間煮沸した後、別途10分間煮沸してお
いたイオン交換水を添加して煮沸前の容量に戻し、室温
に冷却した後、導電率計で測定した値である。
【0014】さらに好適な着色重合体粒子は、該粒子1
gを導電率σ1の水20mlに分散して分散液を得、こ
の分散液を十分に撹拌して平衡状態にしてから、該分散
液を濾過した濾液の導電率D2としたときに、D2−σ
1が、通常、5μS/cm未満、好ましくは4μS/c
m以下である。D2−σ1が大きくなると、帯電量の環
境に対する依存性が高くなって、環境変動(温度や湿度
の変化)による画質の低下を引き起こすようになる。
【0015】本発明に用いる着色重合体粒子は、その平
均粒子径(dv)が、通常、1〜20μm、好ましくは
1.5〜15μm、さらに好ましくは1.5〜8μmで
ある。また、体積平均粒径(dv)/個数平均粒径(d
p)は、通常、1.7以下、好ましくは1.5以下であ
る。また、好適な着色重合体粒子は、その長径rlと短
径rsとの比(rl/rs)が、通常、1〜1.2、好
ましくは1〜1.1のものである。この比が大きくなる
と、画像の解像度が低下する傾向に、また、粒子同志の
摩擦が大きくなるので外添剤が剥離したりして、耐久性
が低下する傾向になる。
【0016】着色重合体粒子を構成する樹脂として、ス
チレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体やポリエ
ステル樹脂が好適に用いられる。本発明に用いる着色重
合体粒子は、単一の樹脂からなる粒子であってもよい
が、複数の樹脂が層を成した粒子であってもよい。層を
成した粒子の代表例としては、コア−シェル構造をなし
た粒子が挙げられる。このコア−シェル構造粒子のシェ
ルはコアを完全に被ったものであっても良いし、コアの
一部だけを被ったものであっても良い。又、複数の粒子
が会合し、一つの粒子を形成しているものであってもよ
い。
【0017】着色重合体粒子は、その製法によって特に
限定されない。製法として、たとえば、(1)樹脂と着
色剤とその他の添加剤とを溶融混練した後、粉砕し、必
要に応じて分級する方法;(2)着色剤やその他の添加
剤を分散した単量体を懸濁重合、乳化重合又は分散重合
し、次いで洗浄、乾燥する方法;(3)単量体を含む混
合物を重合し微粒子を得、この微粒子を他の添加剤と混
合し凝集させ、洗浄、乾燥する方法;などを挙げること
ができる。これらのうち、(2)の方法が、分級などの
手間がかからず、真球状の粒子が得られるので好適であ
る。以下(2)の方法を中心にして着色重合体粒子を説
明する。
【0018】着色剤やその他の添加剤を分散した重合性
単量体を重合する方法としては、乳化重合法、懸濁重合
法、析出重合法、分散重合法、などが挙げられ、これら
のうち、トナー用の着色重合体粒子として好適な粒径を
容易に得ることが可能な懸濁重合法が好適である。重合
によって粒子を直接得る方法においては、着色重合体粒
子を構成する樹脂を得るための重合性単量体の重合を一
段で行ってもよいし、二段階に分けて行ってもよい。二
段階に分けて重合する方法では、一段目に重合する単量
体と二段目に重合する単量体との種類を変えて、一段目
重合で形成されるコア粒子を柔らかくし、二段目重合で
形成されるシェルを堅くすることによって、低温定着性
と高温保存性とのバランスを良好にすることができる。
【0019】重合に用いる重合性単量体としては、スチ
レン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレ
ン系単量体;アクリル酸、メタクリル酸;アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル
酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸
ジメチルアミノエチル、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアク
リル酸またはメタクリル酸の誘導体;エチレン、プロピ
レン、ブチレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン;
塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロゲ
ン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニ
ルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエー
テル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、メチル
イソプロペニルケトン等のビニルケトン;2−ビニルピ
リジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン等
の含窒素ビニル化合物;等のモノビニル系単量体が挙げ
られる。これらのモノビニル系単量体は、単独で用いて
もよいし、複数の単量体を組み合わせて用いてもよい。
これらのモノビニル系単量体のうち、スチレン系単量体
またはアクリル酸もしくはメタクリル酸の誘導体が、特
にスチレン系単量体とエチレン性不飽和カルボン酸エス
テルが、好適に用いられる。
【0020】これらのモノビニル系単量体とともに、任
意の架橋性モノマーを、定着性、特にオフセット性改善
のために重合性単量体として用いることが好ましい。架
橋性モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、ジ
ビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビ
ニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールジメタクリレート等のジエチレン性
不飽和カルボン酸エステル;N,N−ジビニルアニリ
ン、ジビニルエーテル;3個以上のビニル基を有する化
合物;等を挙げることができる。これらの架橋性モノマ
ーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて
用いることができる。本発明では、架橋性モノマーを、
モノビニル系単量体100重量部に対して、通常、0.
1〜5重量部、好ましくは0.3〜2重量部の割合で用
いることが望ましい。
【0021】また、本発明では、保存性と定着性とのバ
ランスを良くするためにマクロモノマーをモノビニル系
単量体とともに重合性単量体として使用することが好ま
しい。マクロモノマーは、分子鎖の末端にビニル重合性
官能基を有するもので、数平均分子量が、通常、1,0
00〜30,000のオリゴマーまたはポリマーであ
る。数平均分子量が1,000より小さいものを用いる
と、着色重合体粒子の表面部分が柔らかくなり、保存性
が低下するようになる。逆に数平均分子量が30,00
0より大きいものを用いると、マクロモノマーの溶融性
が悪くなり、定着性が低下するようになる。マクロモノ
マー分子鎖の末端に有するビニル重合性官能基として
は、アクリロイル基、メタクリロイル基などを挙げるこ
とができ、共重合のしやすさの観点からメタクリロイル
基が好適である。本発明に用いるマクロモノマーの具体
例としては、スチレン、スチレン誘導体、メタクリル酸
エステル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等を単独でまたは2種以上を重合して
得られる重合体、ポリシロキサン骨格を有するマクロモ
ノマー、特開平3−203746号公報の第4頁〜第7
頁に開示されているものなどを挙げることができる。マ
クロモノマーの量は、モノビニル系単量体100重量部
に対して、通常、0.01〜10重量部、好適には0.
03〜5重量部、さらに好適には0.05〜1重量部で
ある。マクロモノマーの量が少ないと、保存性と定着性
とのバランスが向上しない。マクロモノマーの量が極端
に多くなると定着性が低下するようになる。
【0022】単量体を重合するための重合開始剤、分子
量調整剤などの重合副資材は、通常の重合反応で用いら
れているものを用いることができる。本発明に用いる重
合開始剤としては、使用される単量体に可溶なものを使
用することが好ましい。より具体的には、メチルエチル
ケトンパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ア
セチルアセトンパーオキシド、ジクミルパーオキシド、
ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキソド、t
−ブチルパーオキシ−2エチルヘキサノエート、ジ−イ
ソ−プロピルパーオキシジカーボネート、ビス(ブチル
ジパーオキシ)イソフタレート等の過酸化物類;2,
2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−ア
ゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ
化合物;を例示することができる。前記重合開始剤は、
モノビニル系単量体100重量部に対して、通常0.1
〜20重量部、特に1〜10重量部用いることが好まし
い。
【0023】本発明で必要に応じて使用される分子量調
整剤としては、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシ
ルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン等のメルカ
プタン類;四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化炭化
水素類;α−メチルスチレンダイマー等を例示すること
ができる。これらの分子量調整剤は、重合開始以前、あ
るいは、重合の途中で反応系中に添加することができ
る。前記分子量調整剤は、モノビニル系単量体100重
量部に対して、通常0.01〜10重量部、特に0.1
〜5重量部用いることが好ましい。
【0024】本発明に用いる着色重合体粒子を得るため
の重合において、単量体を水媒体中で安定に分散(乳化
あるいは懸濁)させるために分散安定剤が用いられる。
分散安定剤としては、硫酸バリウム、硫酸カルシウムな
どの硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウムなどの炭酸塩;リン酸カルシウムなどのリン酸
塩;酸化アルミニウム、酸化チタン等の金属酸化物、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄
等の金属水酸化物;ポリビニルアルコール、メチルセル
ロース、ゼラチン等水溶性高分子;アニオン性界面活性
剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を挙げる
ことができる。これらのうち、金属化合物、特に難水溶
性の金属水酸化物のコロイドを含有する分散安定剤は、
重合体粒子の粒径分布を狭くすることができ、画像の鮮
明性が向上するので好適である。難水溶性金属水酸化物
のコロイドを含有する分散安定剤は、その製法による制
限はないが、水溶性多価金属化合物の水溶液のpHを7
以上に調整することによって得られる難水溶性の金属水
酸化物のコロイド、特に水溶性多価金属化合物と水酸化
アルカリ金属塩との水相中の反応により生成する難水溶
性の金属水酸化物のコロイドを用いることが好ましい。
本発明に用いる難水溶性金属化合物のコロイドは、個数
粒径分布D50(個数粒径分布の50%累積値)が0.
5μm以下で、D90(個数粒径分布の90%累積値)
が1μm以下であることが好ましい。コロイドの粒径が
大きくなると重合の安定性が崩れ、トナーの収率が低下
する。分散安定剤は、重合性単量体100重量部に対し
て、通常0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜10
重量部の割合で使用する。この割合が少ないと充分な重
合安定性や分散安定性を得ることが困難であり、凝集物
が生成し易くなる。この割合が多いと微粒子増加により
粒径分布が広がり易い。
【0025】水系分散媒体に、分散安定剤の他に、水溶
性の有機化合物、あるいは無機化合物を、特に水溶性オ
キソ酸塩を含有しているものが好ましい。水溶性オキソ
酸塩としては、ホウ酸塩、リン酸塩、硫酸塩、炭酸塩、
ケイ酸塩、硝酸塩等が挙げられ、好ましくはケイ酸塩、
ホウ酸塩又はリン酸塩が、特に好ましくはホウ酸塩が挙
げられる。ホウ酸塩としては、テトラヒドロホウ酸ナト
リウム、テトラヒドロホウ酸カリウム;四ホウ酸ナトリ
ウム、四ホウ酸ナトリウム十水和物、メタホウ酸ナトリ
ウム、メタホウ酸ナトリウム四水和物、ペルオキソホウ
酸ナトリウム四水和物、メタホウ酸カリウム、四ホウ酸
カリウム八水和物などが挙げられる。リン酸塩として
は、ホスフィン酸ナトリウム一水和物、ホスホン酸ナト
リウム五水和物、ホスホン酸水素ナトリウム2.5水和
物、リン酸ナトリウム十二水和物、リン酸水素二ナトリ
ウム、リン酸水素二ナトリウム十二水和物、リン酸二水
素ナトリウム一水和物、リン酸二水素ナトリウム二水和
物、ヘキサメタリン酸ナトリウム、次リン酸ナトリウム
十水和物、二リン酸ナトリウム十水和物、二リン酸二水
素二ナトリウム、二リン酸二水素二ナトリウム六水和
物、三リン酸ナトリウム、cyclo−四リン酸ナトリ
ウム、ホスフィン酸カリウム、ホスホン酸カリウム、ホ
スホン酸水素カリウム、リン酸カリウム、リン酸水素二
カリウム、リン酸二水素カリウム、二リン酸カリウム三
水和物、メタリン酸カリウムなどが挙げられる。ケイ酸
塩としては、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリ
ウム9水和物、水ガラス、オルトケイ酸ナトリウムなど
が挙げられる。水溶性オキソ酸塩の量は、分散安定剤1
00重量部に対して、通常0.1〜1000重量部、好
ましくは1〜100重量部である。水溶性オキソ酸塩
は、溶解させて水系分散媒体中に含有させる。
【0026】本発明に用いる着色重合体粒子には、着色
剤以外に、離型剤(ワックス)、帯電制御剤などが含有
されていてもよい。本発明で必要に応じて使用される離
型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子
量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレン等の低分子量
ポリオレフィン;パラフィンワックス類;フィッシャー
トロプシュワックスなどの合成ワックス類;ペンタエリ
スリトールやジペンタエリスリトールのごとき多価アル
コールとステアリン酸のごとき脂肪族モノカルボン酸と
からなるエステル化合物(具体的には、ペンタエリスリ
トールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテト
ララウレート、ジペンタエリスリトールヘキサミリステ
ート、グリセロールトリアラキン酸等)などを挙げられ
る。前記離型剤は、着色重合体粒子を構成する重合体1
00重量部に対して、通常0.1〜20重量部、特に1
〜10重量部用いることが好ましい。
【0027】帯電制御剤としては、例えば、ボントロン
N01(オリエント化学社製)、ニグロシンベースEX
(オリエント化学社製)、スピロブラックTRH(保土
ケ谷化学社製)、T−77(保土ケ谷化学社製)、ボン
トロンS−34(オリエント化学社製)、ボントロンE
−81(オリエント化学社製)、ボントロンE−84
(オリエント化学社製)、ボントロンE−89(オリエ
ント化学社製)、ボントロンF−21(オリエント化学
社製)、COPY CHRGE NX(クラリアント社
製)、COPY CHRGE NEG(クラリアント社
製)、TNS−4−1(保土ケ谷化学社製)、TNS−
4−2(保土ケ谷化学社製)、LR−147(日本カー
リット社製);特開平11−15192号公報、特開平
3−175456号公報、特開平3−243954号公
報などに記載の4級アンモニウム(塩)基含有共重合
体、特開平3−243954号公報、特開平1−217
464号公報、特開平3−15858号公報などに記載
のスルホン酸(塩)基含有共重合体;等を用いることが
できる。これらのうち、4級アンモニウム(塩)基含有
共重合体、又はスルホン酸(塩)基含有共重合体が好適
である。帯電制御剤は、着色重合体粒子を構成する重合
体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、
好ましくは0.1〜7重量部の割合で用いられる。
【0028】本発明の製法においては、真空乾燥の後、
必要に応じて外添処理を行う。この外添処理は、着色剤
含有重合体粒子表面に添加剤(以下、外添剤ということ
がある。)を付着あるいは埋設等することによって、粒
子帯電特性、粒子の流動性などを調整することができ
る。
【0029】外添剤としては、シリカ粒子、酸化チタン
粒子などの無機粒子;ポリスチレン粒子、ポリメチルメ
タクリレート粒子、スチレン−メタクリレート共重合体
粒子、コアがポリスチレンでシェルがポリメチルメタク
リレートで構成されるコアシェル粒子、コアがポリメチ
ルメタクリレートでシェルがポリスチレンで構成される
コアシェル粒子などの有機樹脂粒子が挙げられる。これ
らのうち、特に好ましくは疎水化処理されたシリカ粒子
が挙げられる。また、疎水化シリカ粒子と有機樹脂粒子
とを組み合わせて用いることによって、帯電特性が良好
になるので好ましい。外添剤を前記重合体粒子に付着さ
せるには、通常、外添剤と前記重合体粒子とをヘンシェ
ルミキサー(三井鉱山社製)などの混合器に仕込み、撹
拌して行う。本発明によって得られたトナーは、そのま
ま一成分現像剤として、あるいはキャリアとともに二成
分現像剤として使用することができる。
【0030】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例の
みに限定されるものではない。なお、部及び%は、特に
断りのない限り重量基準である。
【0031】本実施例では、以下の方法で評価した。 (粗大粒子の割合)重合体粒子(トナー粒子)の体積平
均粒径(dv)及び粒径分布即ち体積平均粒径と数平均
粒径(dp)との比(dv/dp)は、粒径分布測定装
置(SALD2000A型、島津製作所株式会社製)に
より測定した。この粒径分布測定装置による測定におい
ては、屈折率=1.55−0.20i、超音波照射時間
=5分間、粒径測定時の分散媒として蒸留水を用いて行
った。この測定装置を用いて得られる体積平均粒径の積
算カーブより15.2μm以上の割合を(体積%)求め
た。 (乾燥機容器の融着物量)4mの真空乾燥機を用い
て、約2000kgの着色重合体粒子を真空乾燥した。
乾燥機内の清掃をせずに同条件で真空乾燥を10回繰り
返した。その後乾燥機内部を水洗し風乾した後、乾燥機
内に融着した粒子を集め、その重量を量った。
【0032】実施例 スチレン78部及びn−ブチルアクリレート22部から
なるコア用単量体(得られる共重合体の計算Tg=50
℃)と、カーボンブラック(三菱化学社製、商品名#2
5)7部、帯電制御剤(保土ケ谷化学社製、商品名スピ
ロンブラックTRH)1部、ジビニルベンゼン0.3
部、ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合
成化学工業社製、AA6、Tg=94℃)0.8部、ペ
ンタエリスリトールテトラステアレート10部及びt−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート4部とを
高剪断力で混合可能なホモミキサー(TK式、特殊機化
工社製)により、12000rpmの回転数で攪拌、混
合して、均一分散し、コア用単量体混合物を得た。
【0033】一方、メチルメタクリレート(計算Tg=
105℃)10部と水100部を超音波乳化機にて微分
散化処理して、シェル用単量体の水分散液を得た。シェ
ル用単量体の液滴の粒径は、得られた液滴を1%ヘキサ
メタリン酸ナトリウム水溶液中に濃度3%で加え、マイ
クロトラック粒径分布測定器で測定したところ、D90
が1.6μmであった。
【0034】他方、イオン交換水250部に塩化マグネ
シウム(水溶性多価金属塩)9.8部を溶解した水溶液
に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム(水酸化ア
ルカリ金属)6.9部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々
に添加して、水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性の
金属水酸化物コロイド)分散液を調製した。生成した上
記コロイドの粒径分布をマイクロトラック粒径分布測定
器(日機装社製)で測定したところ、粒径は、D50
(個数粒径分布の50%累積値)が0.38μmで、D
90(個数粒径分布の90%累積値)が0.82μmで
あった。このマイクロトラック粒径分布測定器による測
定においては、測定レンジ=0.12〜704μm、測
定時間=30秒、媒体=イオン交換水の条件で行った。
【0035】上記により得られた水酸化マグネシウムコ
ロイド分散液に、上記コア用単量体混合物を投入し、さ
らに、四ホウ酸ナトリウム十水和物を1部添加し、TK
式ホモミキサーを用いて12000rpmの回転数で高
剪断攪拌して、コア用単量体混合物の液滴を造粒した。
この造粒した単量体混合物の水分散液を、攪拌翼を装着
した反応器に入れ、90℃で重合反応を開始させ、重合
転化率99%に達したときに前記シェル用単量体水分散
液110部及び1%過硫酸カリウム水溶液1部を添加
し、5時間反応を継続した後、反応を停止し、pH11
のコアシェル型の着色重合体粒子の水分散液を得た。
【0036】上記により得たコアシェル型の着色重合体
粒子の水分散液を攪拌しながら、硫酸により系のpHを
約5.5にして酸洗浄(25℃、10分間)を行った。
次いで、連続式ベルトフィルター(住友重機械工業社
製、商品名イーグルフィルター)を用いて、脱水し、脱
水後、洗浄水を振りかけて水洗浄を行った。
【0037】水洗浄後、着色重合体粒子を再度水に分散
させ、次いで、サイホンピーラーセントリフュージ(三
菱化工機社製、HZ40Si)を用いて、遠心重力12
00G、層厚10mmで、層面積0.25mの濾過ケ
ーキ層(濾過用重合体粒子=体積平均粒子径7.8μ
m、[スチレン85部、n−ブチルアクリレート15
部、ジビニルベンゼン0.3部、離型剤2部、カーボン
ブラック(キャボット社製、商品名モナーク120)7
部及び帯電制御剤(保土ケ谷化学社製、商品名スピロン
ブラックTRH)1部を懸濁重合して得たもの])、洗
浄用イオン交換水40部/時間、水分散液の供給量12
0部/時間の条件で遠心濾過脱水して含水率15%の着
色重合体粒子を分離した。着色重合体粒子の体積平均粒
径(dv)は6.9μmであり、体積平均粒径と個数平
均粒径の比(dv/dp)は1.21であり、長径と短
径の比(rl/rs)は1.1であった。この分離した
湿潤着色重合体粒子を、真空乾燥機を用いて4.2kP
a、ジャケット温度45℃で11時間真空乾燥を行っ
た。揮発成分の沸点(4.2kPa)は30℃であり、
着色重合体粒子のホウ素含有率は1.7ppmであっ
た。真空乾燥機は、円錐形状の本体容器、スクリュー
翼、スクリュー翼を駆動するためのギアボックス及びギ
アボックスを冷却するための外套を備えている。スクリ
ュー翼は本体容器内で回転し着色重合体粒子を掻き上げ
るようにして攪拌できるようになっている。外套には3
5℃の冷却水が流れており、ギアボックスを冷却できる
ようになっている。粗大粒子量及び融着物付着量の評価
結果を表1に示した。
【0038】乾燥された粒子100部に、疎水化処理し
たシリカ(商品名:AEROSILRX−200、平均
粒子径12nm、日本アエロジル社製)1部及び疎水化
処理したシリカ(商品名:AEROSIL RX−5
0、平均粒子径40nm、日本アエロジル社製)0.5
部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合してトナ
ーを得た。市販プリンター(4枚機)にこのトナーを充
填し、初期から1万枚連続印字を行ったが、印字濃度は
反射濃度計(マクベス製)で1.3以上、非画像部のカ
ブリは白色度計(日本電色製)で10%以下、フィルミ
ング及び白筋は全く発生しなかった。
【0039】比較例 外套に冷却水を流さなかった他は実施例1と同様にして
トナーを得た。市販プリンター(4枚機)にて画像を評
価した結果、カブリ、フィルミングは問題無かったが、
白筋が3000枚で発生した。評価結果を表1に示し
た。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明の製法によれば、着色重合体粒子
を短時間で高収率で乾燥できる。また、この方法で得ら
れたトナーは、その残留単量体が非常に少なくなるので
環境安全性が高い。さらに、熱凝集などを引き起こさず
に乾燥できるので、画像特性が良好である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体容器(1)、該容器内で回転する攪
    拌翼(2)、該攪拌翼に駆動力を伝える駆動力伝達手段
    (3)、及び該駆動力伝達手段の温度を調整する手段
    (4)を含む真空乾燥機に着色重合体粒子を入れ、真空
    乾燥することを含むトナーの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100395666C (zh) * 2004-10-19 2008-06-18 夏普株式会社 二成分显影剂及图像形成方法
JP2009083279A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Fujifilm Corp 感熱転写シート

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