JP2002277520A - モーター駆動電気機器の電流検出方法 - Google Patents
モーター駆動電気機器の電流検出方法Info
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Abstract
を少なくして、正確に電流を検出する。 【解決手段】 電流検出方法は、モーター駆動電気機器
の始動スイッチ3をオンにして負荷回路2に電流が供給
されないスタート時に第1オフセット値を検出し、始動
スイッチ3をオフにして負荷回路2に電流が供給されな
い停止時に第2オフセット値を検出し、第1オフセット
値と第2オフセット値とで、電流センサー4のオフセッ
ト値を補正する。
Description
車等の電動車両や、電動作業機器、電動ロボット等のモ
ーター駆動電気機器に搭載される駆動用のバッテリの残
容量を正確に検出するために電流センサーのオフセット
を補正して正確に電流を検出する電流検出方法に関す
る。
池のような走行駆動に用いられる主バッテリと、鉛電池
のような電気系統の電源や、あるいは内燃機関とのハイ
ブリッド自動車の場合はセル始動用の電源に用いられる
補助バッテリとが設けられるが、特に、走行駆動に用い
られる主バッテリの残容量をいかに正確に演算できるか
が大切である。残容量の検出誤差が、主バッテリの寿命
を短くするからである。残容量の検出誤差は、走行時間
と距離が長くなるにしたがって誤差が累積される。累積
誤差は、主バッテリの実際の残容量と演算した残容量と
を次第に違う残容量とする。この状態になると、主バッ
テリを好ましい残容量の範囲で使用できなくなる。電気
自動車が、主バッテリの残容量を検出して充電や放電を
制御しているからである。主バッテリを最適な残容量範
囲で使用するのが難しくなると、過充電したり過放電さ
せることがある。主バッテリは、好ましい残容量の範囲
で充放電させて長寿命に使用できるが、過充電と過放電
によって著しく電気的な性能が低下して寿命が短くな
る。自動車用の主バッテリは極めて高価であるために、
できるかぎり長い期間使用できることが大切である。
る電流を積算して演算される。充電効率と放電効率を考
慮しながら、充電電流の積算値から放電電流の積算値を
減算して残容量は演算される。正確に残容量を演算する
ためには、主バッテリの電流を正確に検出する必要があ
る。ところで、主バッテリに流れる電流は、電流センサ
ーで検出される。電流センサーは大電流を正確に検出で
きるように設計される。大電流の検出誤差が大きいと、
残容量の演算誤差が大きくなるからである。
きる電流センサーは、小電流を正確に検出することが難
しくなる。微小電流からフルスケールまで正確に検出で
きるのが理想であるが、全ての測定範囲で高精度に負荷
電流を検出するのは極めて難しい。微小電流の測定誤差
も、残容量の演算に悪影響を与える。それは、小さい負
荷電流で使用される時間が極めて長いために、時間とと
もに誤差が累積されるからである。
は、電流測定において悪い影響を与える。電流センサー
のオフセットに起因する誤差は、電流を検出するセンサ
ーとセンサーの出力を増幅するアンプの両方に共通する
特性である。センサーは、バッテリ電流が0Aの状態に
おいてオフセット電圧が出力される。アンプも、入力電
圧が0Vの状態でオフセット電圧が出力される。センサ
ーもアンプもオフセット電圧を完全に0とすることは極
めて難しく、オフセット電圧の小さい素子はコストも高
くなる。
に開発されたものである。本発明の重要な目的は、電流
センサーのオフセット値に起因する誤差を少なくして、
正確に電流を検出できるモーター駆動電気機器の電流検
出方法を提供することにある。
気機器の電流検出方法は、モーター駆動電気機器のバッ
テリから駆動用モーターを含む負荷回路に供給される電
流を電流センサーで検出する方法である。さらに、本発
明の方法は、モーター駆動電気機器の始動スイッチをオ
ンにして負荷回路に電流を供給しないスタート時に第1
オフセット値を検出し、その後、始動スイッチをオフに
して負荷回路に電流を供給しない停止時に第2オフセッ
ト値を検出し、第1オフセット値と第2オフセット値で
電流センサーのオフセット値を補正する。
と第2オフセット値からオフセットテーブルを作成し、
オフセットテーブルでもって電気自動車の走行時間にお
ける電流センサーのオフセット値を補正することができ
る。また、第1オフセット値と第2オフセット値を直線
で補間してオフセット値を求めることができる。さらに
また、第1オフセット値と第2オフセット値から、温
度、電流、時間等をパラメーターとしてオフセットテー
ブルを作成することができる。また、第1オフセット値
と第2オフセット値から、始動スイッチをオフにした後
に、始動スイッチをオンしてオフにするまでに演算した
充放電の容量を補正することもできる。
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するためのモーター駆動電気機器の
電流検出方法を例示するものであって、本発明は電流検
出方法を以下に特定しない。
ター(図示せず)に電力を供給して走行する電気自動車
の回路図を示す。ただ、本発明の電流検出方法は、電気
自動車以外のモーター駆動電気機器、たとえば、電動カ
ート等の電動車両、電動作業機器、電動ロボット等の駆
動用モーターで駆動される電気機器に使用することがで
きる。図1の電気自動車は、バッテリ1と、このバッテ
リ1に始動スイッチ3を介して接続している負荷回路2
と、バッテリ1の電流を検出する電流センサー4と、電
流センサー4の出力を演算するバッテリーECU5と、
このバッテリーECU5を接続している自動車のメイン
コントローラ6とを備える。
列に接続して出力電圧を高くしている。電池モジュール
は、ニッケル−水素電池やリチウムイオン二次電池等の
複数の二次電池を直列に接続している。電池モジュール
の二次電池には、充電できる全ての電池、たとえば、ニ
ッケル−カドミウム電池等も使用できる。
きにオンに切り換えて、停止させるときにオフに切り換
えられる。ドライバーは、電気自動車に乗って走行させ
るときに、始動スイッチ3をオンする。始動スイッチ3
がオンになると、バッテリ1は負荷回路2に接続され
る。ただし、始動スイッチ3がオンになった直後に、無
負荷状態が設けられる。無負荷状態は、モーターを回転
させることなく、バッテリ1から負荷回路2に電流を供
給しない時間帯である。このタイミングで無負荷状態を
設ける制御は、バッテリーECU5がする。バッテリー
ECU5は、始動スイッチ3がオンに切り換えられたこ
とを検出して、その後に無負荷状態を設けるように制御
する。このタイミングに無負荷状態を設けることは、ド
ライバーに不自然な感覚を与えることはない。内燃機関
だけで駆動される通常の自動車にしても、イグニッショ
ンSWをオンしたときに、セルモーターでエンジンをス
タートさせる時間帯があるので、この時間帯に無負荷状
態を設けることができるからである。無負荷状態におけ
るバッテリ1の電流は0Aとなる。したがって、誤差の
ない電流センサー4のこのときの出力が0となる。た
だ、現実の電流センサー4は、オフセット値が原因で出
力が現れる。このときの出力から、電流センサー4の第
1オフセット値が検出される。
下りるときにオフに切り換えられる。オフに切り換えら
れた始動スイッチ3は、負荷回路2をバッテリ1から切
り離す。したがって、この状態においても、バッテリ1
の電流は0Aとなる。すなわち、このときにも無負荷状
態が設けられる。この無負荷状態において、電流センサ
ー4の第2オフセット値が検出される。
ッテリーECU5で検出される。バッテリ1からバッテ
リーECU5に電力を供給する装置は、無負荷状態にお
いて、バッテリ1の電流を完全に0Aにできない。この
弊害は、バッテリーECU5の電源を、バッテリ1では
なくて補助バッテリ(図示せず)として解消できる。補
助バッテリは、電圧が低くバッテリーECUの電源とし
て最適である。ただ、無負荷状態においては、負荷回路
2の電流が遮断されるので、バッテリーECU5が消費
する電流は極めて小さく、またほぼ一定の電流値とな
る。したがって、バッテリ1からバッテリーECU5に
電力を供給する状態で、第1オフセット値と第2オフセ
ット値を検出することもできる。
える。インバータは、バッテリ1からモーターに供給す
る電力を制御する。モーターは供給電力に比例した出力
で電気自動車の車輪を駆動する。ハイブリッドカーは、
負荷回路2に発電機(図示せず)を備える。発電機はモ
ーターで併用され、あるいはモーターとは別に設けられ
る。
流を検出して電圧に変換して出力する。電流センサー4
は、たとえば、リード線に流れる電流によってできる磁
束を検出するホール素子をセンサーとして内蔵してい
る。電流センサーは、センサーの信号を増幅するアンプ
(図示せず)も内蔵する。ただし、電流センサーのアン
プは外付とすることもできる。
7と、電流補正回路8と、温度センサー9と、残容量演
算回路10を備える。A/Dコンバータ7は、電流セン
サー4から入力されるアナログ信号をデジタル信号に変
換する。電流補正回路8がデジタル値で電流を補正する
からである。
2オフセット値から、電流センサー4の検出電流を補正
する。電流センサー4の検出値は、オフセット電圧が原
因で誤差を含んでいる。電流センサー4のオフセット値
はつねに一定ではなく、時間、温度、電流等によって変
化する。温度センサー9は、バッテリ1の表面温度や周
囲温度、あるいは外気温度を検出する。温度センサー9
が検出した温度は、電流補正回路8に入力される。
る特性を例示するグラフである。このグラフに示す電流
センサーのオフセット値は、時間が経過するにしたがっ
て直線的に変化する。始動スイッチ3をオンした直後の
無負荷状態に第1オフセット値(I1)が検出される。
始動スイッチ3をオフにした無負荷状態に第2オフセッ
ト値(I2)が検出される。無負荷状態においてバッテ
リ1の電流が0Aであるから、このときに電流センサー
4が検出する検出値がオフセット値となる。時間によっ
て直線的に変化するオフセット値は、時間をパラメータ
ーとする一次関数となる。一次関数は、第1オフセット
値と第2オフセット値から全体を特定できる。したがっ
て、図に示すようにオフセット値が直線的に変化する電
流センサー4は、第1オフセット値(I1)と第2オフ
セット値(I2)から簡単に全体のオフセット値を演算
できる。
ット電流で示している。電流センサーは検出する電流を
電圧として出力する。電流センサーの出力電圧と電流と
は直線の関係にあり、出力電圧から電流が特定される。
したがって、電圧が特定されると電流が特定される。こ
のため、オフセット電圧とオフセット電流は実質的には
同じである。オフセット電圧が特定されると、オフセッ
ト電流も特定されるからである。残容量の演算回路は、
バッテリ1の電流を演算して残容量を演算する。いいか
えると、電流から残容量を演算するので、図2はオフセ
ット値を電流で示している。この図に示すように、直線
的に変化するオフセット値は、第1オフセット値(I
1)と第2オフセット値(I2)からその間のオフセット
値を演算できる。
も時間のみをパラメーターとして直線的に変化しない。
オフセット値は、温度や電流によっても変化する。温度
や電流で変化するオフセット値は、第1オフセット値と
第2オフセット値を検出する無負荷状態における温度や
電流を検出して検出できる。電流をパラメーターとする
オフセット値は、始動スイッチ3をオフにするときの第
2オフセット値で検出できる。第2オフセット値は、始
動スイッチ3をオフにして検出されるので、始動スイッ
チ3をオフにする前の平均電流を検出して、電流に対す
るオフセット値とする。
オフにする毎に、第1オフセット値と第2オフセット値
を検出する。第1オフセット値と第2オフセット値を検
出するときの温度や電流は、検出の度に変化する。この
ため、ドライバーが何回も電気自動車を運転すると、始
動スイッチ3をオンオフにする毎に、温度や電流が異な
る環境となる。したがって、温度や電流を異なる条件と
する第1オフセット値と第2オフセット値が検出され
る。運転回数が多くなる、言いかえると、始動スイッチ
3のオンオフを繰り返す回数が多くなるにしたがって、
温度や電流が異なる複数の第1オフセット値と第2オフ
セット値が検出される。
態で検出された多数の第1オフセット値と第2オフセッ
ト値から、時間、温度、電流をパラメーターとするオフ
セット値を特定するオフセットテーブルを作成する。オ
フセットテーブルは、第1オフセット値と第2オフセッ
ト値を検出するときの時間、温度、電流をパラメーター
として作成する。作成されたオフセットテーブルは、電
流補正回路8の記憶回路(図示せず)に記憶させる。さ
らに、記憶しているオフセットテーブルは、次々と検出
する第1オフセット値と第2オフセット値で修正する。
このように、温度や電流でオフセット値を補正する方法
は、始動スイッチ3をオンにしてからオフにするまでの
間のオフセット値を正確に検出できる。
補正回路8は、始動スイッチ3をオンにしてからオフす
るまでの間のオフセット値を、オフセットテーブルから
演算できる。この間のオフセット値は、時間、温度、電
流等をパラメーターとして特定される。オフセット値が
特定されると、電流補正回路8は、電流センサー4の検
出値をオフセット値で補正して正確な電流を検出する。
ら出力される電流値を積算してバッテリ1の残容量を演
算する。残容量は、充電容量から放電容量を減算して演
算される。充電容量は、充電電流の積算値に充電効率を
掛けて計算される。放電容量は、放電電流の積算値に放
電効率を掛けて計算される。
して正確に演算する方法は、大別してふたつある。第1
の方法は、電流センサー4が電流を検出するときに、オ
フセットテーブルからオフセット値を求めて検出した電
流を補正し、補正した電流を積算して残容量を演算する
方法である。この方法は、電流補正回路8からオフセッ
ト値を補正した正確な電流を残容量演算回路10に出力
する。第2の方法は、始動スイッチ3をオンにしてから
次にオフにするまでの間に演算した充放電の容量を、始
動スイッチ3をオフにしたときに、オフセット値で補正
する。この方法は、始動スイッチ3をオンにする状態で
は、電流をオフセット値で補正しない。オフセット値で
補正しない電流で充放電した容量を演算する。したがっ
て、この間に演算された充放電の容量は、オフセットに
よる誤差を含んでいる。オフセット値による誤差は、始
動スイッチ3をオフにした後に補正する。
に直線で変化するとするとき、以下のステップで残容量
を補正する。 [n=1のステップ]電流補正回路8が、始動スイッチ
3をオンにしたときの無負荷状態において第1オフセッ
ト値(I1)を検出する。 [n=2のステップ]残容量演算回路10が、始動スイ
ッチ3をオンにしてからオフにするまでの間の充放電容
量(S1)を第1オフセット値(I1)から演算する。 [n=3のステップ]始動スイッチ3がオフになると、
無負荷状態を設けて第2オフセット値(I2)を検出す
る。 [n=4のステップ]第1オフセット値(I1)と第2
オフセット値(I2)から、充放電した容量を補正す
る。充放電の容量は、以下の式で補正される。 補正した充放電容量(S)=演算した充放電容量(S
1)−オフセット電流の積算値(S2) オフセット電流の積算値(S2)は、以下の式で演算す
る。 S2=k×(I2−I1)×T ただし、kは始動スイッチ3をオンにしてからオフにす
るまでの補正係数であり、kの範囲は、0<k<1であ
る。また、Tは始動スイッチ3をオンにしてからオフに
するまでの時間である。図2に示すように、オフセット
値が直線で変化するとき、kの値は0.5となる。た
だ、オフセット値は、図3に示す特性で変化する場合も
ある。このときのkの値は0.5よりも大きくなる。
出方法は、電流センサーのオフセット値に起因する誤差
を少なくして、正確に電流を検出できる特長がある。そ
れは、本発明の電流検出方法が、始動スイッチをオンに
して負荷回路に電流を供給しないスタート時に第1オフ
セット値を検出し、さらに、始動スイッチをオフにした
ときにも第2オフセット値を検出し、第1オフセット値
と第2オフセット値の両方で電流センサーのオフセット
値を補正するからである。とくに、本発明の方法は、駆
動用モーターの運転に影響を与えることなく、第1オフ
セット値と第2オフセット値を検出できるので、モータ
ー駆動電気機器の使用状態を不自然にすることなく、電
流を正確に補正できる特長がある。それは、モーター駆
動電気機器は、始動スイッチをオンにしたときとオフに
したときに電流を流さない時間帯があるので、この時間
帯を利用して第1オフセット値と第2オフセット値を検
出できるからである。
のブロック図
セット値を演算する特性を示すグラフ
セット値を演算する特性の他の一例を示すグラフ
Claims (7)
- 【請求項1】 モーター駆動電気機器のバッテリから駆
動用モーターを含む負荷回路に供給される電流を電流セ
ンサーで検出する方法において、 モーター駆動電気機器の始動スイッチをオンにして負荷
回路に電流が供給されないスタート時に第1オフセット
値を検出し、さらに、始動スイッチをオフにして負荷回
路に電流が供給されない停止時に第2オフセット値を検
出し、第1オフセット値と第2オフセット値とで電流セ
ンサーのオフセット値を補正することを特徴とするモー
ター駆動電気機器の電流検出方法。 - 【請求項2】 第1オフセット値と第2オフセット値か
らオフセットテーブルを作成し、オフセットテーブルで
もって電気自動車の走行時間における電流センサーのオ
フセット値を補正する請求項1に記載されるモーター駆
動電気機器の電流検出方法。 - 【請求項3】 第1オフセット値と第2オフセット値を
直線で補間してオフセット値を求める請求項1に記載さ
れるモーター駆動電気機器の電流検出方法。 - 【請求項4】 第1オフセット値と第2オフセット値と
温度をパラメーターとしてオフセットテーブルを作成す
る請求項2に記載されるモーター駆動電気機器の電流検
出方法。 - 【請求項5】 第1オフセット値と第2オフセット値と
電流センサーで検出した電流とをパラメーターとしてオ
フセットテーブルを作成する請求項2に記載されるモー
ター駆動電気機器の電流検出方法。 - 【請求項6】 第1オフセット値と第2オフセット値と
時間とをパラメーターとしてオフセットテーブルを作成
する請求項2に記載されるモーター駆動電気機器の電流
検出方法。 - 【請求項7】 第1オフセット値と第2オフセット値か
ら、始動スイッチをオフにした後に、始動スイッチをオ
ンしてオフにするまでに演算した充放電の容量を補正す
る請求項1に記載されるモーター駆動電気機器の電流検
出方法。
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