JP2002276239A - 移動パネルにおける上部カバー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動パネルに簡単、迅速、かつ確実に装着す
ることができるとともに、ねじの頭部が外部に露呈する
ことがなく、美麗な外観を呈することができるようにし
た移動パネルにおける上部カバー装置を提供する。 【解決手段】 支持金具５の左右両側縁と上端縁とに切
り欠き８，９を設けるとともに、支持金具５の前面、左
右の側面及び上面を覆うカバー部材１８の両側縁の内面
に、支持金具５の左右両側縁の切り欠き８に前方より挿
入可能で、かつこの切り欠き８より下方の支持金具５の
左右の側縁を前後から挾む前後１対の挾持片１９を設
け、さらに、カバー部材１８の後面に、支持金具５の上
端縁の切り欠き９に係合することにより、上方に抜け止
めされるようにした係合部材２０を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、間仕切等に取り付
けられる移動パネルにおけるローラの支持金具の外面を
覆う上部カバー装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の移動パネルは、上端に突設した
支持金具の後面にローラを軸着し、このローラを、間仕
切等の上端に支持された左右方向を向くほぼ水平のレー
ルに装架することにより、レールに沿って移動しうるよ
うになっている。この支持金具やローラが外部に露呈
し、外観を損なうのを防止するため、それらを上部カバ
ー装置により覆うことが多い。

【０００３】従来は、このような上部カバーは、支持金
具に外方より被嵌した後、ねじ止めするのが一般的であ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
従来の上部カバーの取付構造では、上部カバーの位置決
やねじ止め作業が煩雑であるとともに、ねじの頭部が外
部に露呈して、外観を損ねる等の問題がある。

【０００５】本発明は、従来の技術が有する上記のよう
な問題点に鑑み、移動パネルに簡単、迅速、かつ確実に
装着することができるとともに、ねじの頭部が外部に露
呈することがなく、美麗な外観を呈することができるよ
うにした移動パネルにおける上部カバー装置を提供する
ことを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題は、次のようにして解決される。 （１） 上端に突設した支持金具の後面にローラを軸着
し、このローラを左右方向を向くほぼ水平のレールに装
架することにより、レールに沿って移動しうるようにし
た移動パネルにおける前記支持金具を覆う上部カバー装
置であって、前記支持金具の左右両側縁と上端縁とに切
り欠きを設けるとともに、前記支持金具の前面、左右の
側面及び上面を覆うカバー部材の両側縁の内面に、前記
支持金具の左右両側縁の切り欠きに前方より挿入可能
で、かつこの切り欠きより下方の支持金具の左右の側縁
を前後から挾む前後１対の挾持片を設け、さらに、前記
カバー部材の後面に、前記支持金具の上端縁の切り欠き
に係合することにより、上方に抜け止めされるようにし
た係合部材を設ける。

【０００７】（２） 上記(１)項において、支持金具の
上端縁に設けられた切り欠きを、両側縁の中位部に互い
に内向きの係合爪を有するものとし、かつ係合部材を、
前記両係合爪間を下方に向けて通過するとき、互いに内
方に弾性変形しうるようにした左右１対の弾性突片より
なるものとする。

【０００８】（３） 上記(１)または(２)項において、
支持金具における左右両側縁の切り欠きのいずれか一方
に、ローラが装架されたレールにおけるローラガイド溝
の上縁に当接することにより、ローラの浮き上がりを防
止するようにしたローラの外れ防止金具を係合し、かつ
支持金具に固定する。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の上部カバー装置
の一実施形態を備えた移動パネルを装着した間仕切装置
を示す。前後(図１の左方が前方である)２枚の表面パネ
ル(１)(１)を備えた複数の間仕切パネル(２)(その１個
のみを図示する)の上端には、左右方向を向く水平のレ
ール(３)が固着されて支持されている。

【００１０】レール(３)は、前後両側面に開口部の上下
幅を奥部より狭くした上下２段のローラガイド溝(3a)(3
a)を有する断面形状をなし、適宜の長さのものを連結手
段(図示略)により順次連結して形成されている。

【００１１】移動パネル(４)の両側部上端には、側面視
Ｌ字状の支持金具(５)における上方を向く起立片(5a)の
下端に連設された前方を向く取付片(5b)が固着されてお
り、各支持金具(５)の起立片(5a)の後面ほぼ中央には、
ローラ(６)が、前後方向を向く水平の軸(７)をもって軸
着されており、各ローラ(６)を、この例ではレール(３)
の前面の下段のローラガイド溝(3a)に装架することによ
り、移動パネル(４)は、下端が床面(図示略)から離間し
て、レール(３)及び間仕切パネル(２)と平行に移動し、
複数の間仕切パネル(２)間に形成された通路(図示略)を
開閉したり、移動パネル(４)自体に固着したホワイトボ
ード(図示略)等を間仕切パネル(２)に沿って移動させた
りしうるようになっている。

【００１２】図２及び図５に示すように、各支持金具
(５)における起立片(5a)の左右両側縁の中位部と上端縁
のほぼ中央とには、ほぼ方形の切り欠き(８)(９)がそれ
ぞれ設けられている。

【００１３】図２における左方の切り欠き(８)には、ロ
ーラ(６)の外れ防止金具(10)が次のようにして装着され
ている。すなわち、この外れ防止金具(10)は、図５に示
すように、板金を折り曲げて形成され、中央にねじ挿通
孔(11)が穿設された垂直の取付片(12)と、この取付片(1
2)の左端からローラ(６)の軸(７)と同方向に直角に折曲
されてローラガイド溝(3a)内に突入する突入片(13)と、
この突入片(13)の上下の縁より右側方に水平に延出し、
かつ取付片(12)との間に、支持金具(５)の板厚に相当す
るスリット(14)を形成するようにした上下１対の水平片
(15)とからなっている。突入片(13)の前端部の上下方向
の幅は、切り欠き(８)の上下寸法とほぼ等しくしてあ
る。

【００１４】この外れ防止金具(10)は、切り欠き(８)の
奥端に突入片(13)の前端部が当接するまで、スリット(1
4)を支持金具(５)の左端部から切り欠き(８)内に嵌合し
た後、ねじ挿通孔(11)に挿通した止めねじ(16)を、支持
金具(５)における起立片(5a)に予め穿設しておいたねじ
孔(17)に螺締することにより、前後左右及び上下のいず
れの方向にも移動不能として支持金具(５)に固着され、
上方の水平片(15)が、レール(３)における下段のローラ
ガイド溝(3a)の上縁に当接することにより、ローラ(６)
の浮き上がりを阻止し、もってローラ(６)がローラガイ
ド溝(3a)から外れるのを防止することができるようにな
っている。

【００１５】支持金具(５)における起立片(5a)の上端縁
に設けられた切り欠き(９)の左右両側縁の上部には、円
弧状をなして互いに内下方に傾斜する上縁と、水平の下
縁とを有する内向きの係合爪(9a)が設けられている。

【００１６】図１〜図５に示すように、カバー部材(18)
は、支持金具(５)の前面、すなわちローラ(６)とは反対
側の面と、左右の側面と、上面とを覆うもので、移動パ
ネル(４)の前面側から後上方に湾曲する倒立Ｊ字状断面
を有している。

【００１７】カバー部材(18)の両側縁の内面やや下部に
は、支持金具(５)の左右両側縁の切り欠き(８)、より詳
しくは左方のものについては、外れ防止金具(10)を装着
した後に残る切り欠き(８)に前方より挿入可能で、かつ
この切り欠き(８)より下方の支持金具(５)の左右の側縁
を前後から挾む前後１対の挾持片(19)が設けられてい
る。

【００１８】カバー部材(18)の後面における中央のやや
上部には、後方に向かって突出し、支持金具(５)の上端
縁の切り欠き(９)に係合することにより、上方に抜け止
めされるようにした係合部材をなす左右１対の弾性突片
(20)(20)が設けられている。すなわち、両弾性突片(20)
(20)は、切り欠き(９)の左右の両係合爪(9a)(9a)間を下
方に向けて通過するとき、互いに内方に弾性変形し、両
係合爪(9a)(9a)間の通過後は互いに開いて、両係合爪(9
a)(9a)の下縁に係合することにより、切り欠き(９)より
上方に抜け止めされるようになっている。

【００１９】取り付けにあたっては、ローラ(６)をレー
ル(３)のローラガイド溝(3a)に装架した後、図５の矢印
に示すように、外れ防止金具(10)を、上述したようにし
て支持金具(５)における起立片(5a)の一方の側部に装着
する。

【００２０】次いで、図５に矢印により示すように、カ
バー部材(18)の左右両側縁の１対の挾持片(19)(19)を支
持金具(５)の左右両側縁の切り欠き(８)に前方より差し
入れ、カバー部材(18)をそのまま下方に引き下げる。

【００２１】すると、前後の両挾持片(19)(19)間の間隙
に支持金具(５)の起立片(5a)の前後面が挾まれて、カバ
ー部材(18)はそのまま下方に移行し、その途中から、カ
バー部材(18)における左右１対の弾性突片(20)(20)が、
支持金具(５)の上端縁の切り欠き(９)に、互いに内向き
に弾性変形しながら進入し、最終的に、切り欠き(９)の
両側縁における両係合爪(9a)(9a)の下縁に係合して、切
り欠き(９)より上方に抜け止めされる。

【００２２】この最終状態では、カバー部材(18)は、そ
の左右両側下部の挾持片(19)(19)が、支持金具(５)の起
立片(5a)の両側下部を前後から挟むことにより、前後方
向及び左右方向への移動が阻止され、また、左右１対の
弾性突片(20)(20)が、支持金具(５)の上端縁の切り欠き
(９)における両係合爪(9a)(9a)の下縁に係合することに
より、上方への移動が阻止され、支持金具(５)に対して
がたつくことなく確実に保持される。

【００２３】

【発明の効果】請求項１記載の発明によると、カバー部
材を、ねじ等を使用することなく、移動パネルに簡単、
迅速、かつ確実に装着することができるとともに、ねじ
の頭部が外部に露呈することがなく、美麗な外観を呈す
ることができる。また、カバー部材は、一旦移動パネル
に装着されると、前後、左右及び上下のいずれの方向に
もがたつくことがなく、しかも誤って外れるようなこと
がない。

【００２４】請求項２記載の発明によると、カバー部材
の上下方向の係止を簡単な動作で確実に行うことができ
る。

【００２５】請求項３記載の発明によると、カバー部材
の固定と外れ防止金具の取付とに、支持金具に設けた切
り欠きを共用することができるので、都合がよく、構造
の簡素化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の上部カバー装置の一実施形態を備えた
移動パネル付きの間仕切装置の上部の縦断側面図であ
る。

【図２】同じく、カバー部材を外したときの要部の縦断
正面図である。

【図３】同じく、カバー部材の背面図である。

【図４】同じく、カバー部材の縦断側面図である。

【図５】同じく、支持金具、外れ防止金具及びカバー部
材の分解斜視図である。

【符号の説明】

(１)表面パネル (２)間仕切パネル (３)レール (3a)ローラガイド溝 (４)移動パネル (５)支持金具 (5a)起立片 (5b)取付片 (６)ローラ (７)軸 (８)(９)切り欠き (9a)係合爪 (10)外れ防止金具 (11)ねじ挿通孔 (12)取付片 (13)突入片 (14)スリット (15)水平片 (16)止めねじ (17)ねじ孔 (18)カバー部材 (19)挾持片 (20)弾性突片（係合部材）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上端に突設した支持金具の後面にローラ
   を軸着し、このローラを左右方向を向くほぼ水平のレー
   ルに装架することにより、レールに沿って移動しうるよ
   うにした移動パネルにおける前記支持金具を覆う上部カ
   バー装置であって、 前記支持金具の左右両側縁と上端縁とに切り欠きを設け
   るとともに、前記支持金具の前面、左右の側面及び上面
   を覆うカバー部材の両側縁の内面に、前記支持金具の左
   右両側縁の切り欠きに前方より挿入可能で、かつこの切
   り欠きより下方の支持金具の左右の側縁を前後から挾む
   前後１対の挾持片を設け、さらに、前記カバー部材の後
   面に、前記支持金具の上端縁の切り欠きに係合すること
   により、上方に抜け止めされるようにした係合部材を設
   けたことを特徴とする移動パネルにおける上部カバー装
   置。
2. 【請求項２】 支持金具の上端縁に設けられた切り欠き
   を、両側縁の中位部に互いに内向きの係合爪を有するも
   のとし、かつ係合部材を、前記両係合爪間を下方に向け
   て通過するとき、互いに内方に弾性変形しうるようにし
   た左右１対の弾性突片よりなるものとした請求項１記載
   の移動パネルにおける上部カバー装置。
3. 【請求項３】 支持金具における左右両側縁の切り欠き
   のいずれか一方に、ローラが装架されたレールにおける
   ローラガイド溝の上縁に当接することにより、ローラの
   浮き上がりを防止するようにしたローラの外れ防止金具
   を係合し、かつ支持金具に固定した請求項１または２記
   載の移動パネルにおける上部カバー装置。