JP2002274831A - クラスレート化合物と高効率熱電材料およびその製造方法と高効率熱電材料を用いた熱電モジュール - Google Patents

クラスレート化合物と高効率熱電材料およびその製造方法と高効率熱電材料を用いた熱電モジュール

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、熱伝導率が高く、性能係数が高
く、高効率熱電材料に適用が期待されるクラスレート化
合物を提供することを目的の1つとする。 【解決手段】 本発明は、Siの原子を主体としてなる
クラスレート格子と、該クラスレート格子の格子間隙の
少なくとも一部に内包されたドーピング原子としてのB
aと、前記クラスレート格子を構成する原子の少なくと
も一部と置換された置換原子としてのAlを主体として
なり、一般式Bax1@(Six2,Alx3)で示され、前
記SiとAlの組成比を示すx2とx3について、x2
+x3=46の関係を満足するとともに、Ba原子をド
ーピングさせたことにより生じる過剰電子をキャリアー
とすることで目的を達成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラスレート化合
物とそれを利用した高効率熱電材料とそれらの製造方法
および熱電モジュールに関するもので、導電性とゼーベ
ック係数に優れ、低熱伝導率の熱電材料を提供すること
ができる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】現在の人類社会は膨大な熱エネルギーの
消費により成り立っているが、多くの熱エネルギーは利
用されることなく大気中に排出されている。例えば、工
場排熱に代表される未利用のエネルギーの特徴は、 1)排熱温度が比較的低いが多量であること 2)排出される時間形態は定常ではないが長時間に及ぶ
こと である。従ってこれらの熱エネルギーの形態から電力に
変換する方法で最も適した方法は、熱電発電であると考
えられる。しかしながら、現実的に熱電材料が適用され
た例はワイン等の冷蔵庫、半導体などの冷却装置などが
知られているに過ぎない。
【0003】熱電材料の実用化に際しては、次の2つの
問題を抱えている。第一に現状では熱電材料の使用温度
に制限があり、廃熱発電の温度領域である200℃〜9
00℃で実用可能な熱電材料は存在しないことである。
また、これらの温度領域以外で使用可能な熱電材料の中
にはテルル(Te)等に代表される毒性のある元素、ま
たは非常に高価な元素を含む材料が多いため、使用範囲
が大きく限定される問題がある。第二に従来の熱電材料
の性能を示す無次元性能指数(ZT)の値が低く、従来
の熱電材料は実用化レベルに達していない問題がある。
それら従来の熱電材料でのエネルギー変換効率は最大で
も10%以下である。従って現時点での熱電変換技術の
一般実用化には大きな障害がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上の背景から、これ
らの困難を乗り越えるためには、熱電変換技術の技術革
新と熱電変換材料の飛躍的な性能向上が不可欠な課題と
されている。また、そのためには、既存の考えにとらわ
れない新しい材料の探索と設計、並びに新材料の創製が
必要な状況であった。
【0005】本発明は、上述の事情に鑑みてなされたも
ので、熱伝導率が高く、性能係数が高く、高効率熱電材
料に適用が期待されるクラスレート化合物と熱電材料を
提供することを目的の1つとする。
【0006】本発明は、900℃以上の温度において無
次元性能指数(ZT)として、2.0〜2.7の極めて優
れた値を得ることができるクラスレート化合物と熱電材
料を提供することを目的の1つとする。本発明は、一般
的な廃熱発電等の用途に供し得る優れた熱電材料と熱電
モジュールの提供を目的の1つとする。本発明は、上述
のような優れたクラスレート化合物を製造することがで
きる方法の提供を目的の1つとする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のクラスレート化
合物は前述の事情に鑑みてなされたもので、Siの原子
を主体としてなるクラスレート格子と、該クラスレート
格子の格子間隙の少なくとも一部に内包されたドーピン
グ原子としてのBa原子と、前記クラスレート格子を構
成する原子の少なくとも一部と置換された置換原子とし
てのAl原子を主体としてなり、一般式Bax1@(Si
x2,Alx3)で示され、前記SiとAlの組成比を示す
x2とx3について、x2+x3=46の関係を満足す
るとともに、Ba原子をドーピングさせたことにより生
じる過剰電子がキャリアーとされたことを特徴とする。
【0008】本発明のクラスレート化合物は前述の事情
に鑑みてなされたもので、前記Siクラスレート格子と
前記侵入型原子としてのBaと前記置換原子としてのA
lからなり、一般式Bax1@(Six2,Alx3)で示さ
れるとともに、Baの組成比を示すx1が、7.2≦x1
≦7.9の範囲とされてなることを特徴とする。本発明
において前記x1を7.24≦x1≦7.85の範囲にでき
る。
【0009】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、前記一般式Bax1@(Six2,Alx3)で示される
とともに、Siの組成比を示すx2が、31.2≦x2
≦34.6の範囲とされてなることを特徴とする。本発
明のクラスレート化合物において前記x2を31.25
≦x2≦34.55の範囲とすることもできる。
【0010】本発明のクラスレート化合物は前述の事情
に鑑みてなされたもので、前記一般式Bax1@(S
x2,Alx3)で示されるとともに、Alの組成比を示
すx3が、11.4≦x3≦14.8の範囲とされてなる
ことを特徴とする。本発明のクラスレートにおいて前記
x3を11.45≦x3≦14.75の範囲とすることも
できる。前記シリコンクラスレート46に侵入型原子と
してのBaを多く侵入させると、伝導電子帯の下にドナ
ーレベルのエネルギー帯ができる結果、シリコン46ク
ラスレートI構造よりもバンドギャップが狭くなり、熱
電効果が向上する。また、伝導電子帯の一番下のバンド
の曲率が大きくなり、電子の有効質量が少なくなって電
気伝導度が向上する。次に、Si原子の一部をAlに置
換することによってバンドギャップ中にアクセプターレ
ベルのエネルギーバンドが発生し、シリコン46クラス
レートI構造よりもバンドギャップが狭くなるために、
熱電特性が向上する。また、価電子帯の一番上のバンド
の曲率が小さくなることから、電子の有効質量が小さく
なり、電気伝導度が向上する。
【0011】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、先に示すいずれかの構造を有し、900℃における
無次元性能係数のTが2.0以上であることを特徴とす
る。先に記載の侵入原子としてのBaの添加による効果
と、置換原子としてのAlの添加による効果から、従来
に見られない画期的な性能係数が得られる。
【0012】本発明の熱電材料は前述の事情に鑑みてな
されたもので、先に記載のいずれかのクラスレート化合
物が主体とされてなる。先に記載の画期的な性能係数を
有するクラスレート化合物が主体とされてなることで、
熱電材料としての性能が画期的に向上する。
【0013】本発明の製造方法は、Siの原子を主体と
してなるクラスレート格子と、該クラスレート格子の格
子間隙の少なくとも一部に内包されたドーピング原子と
してのBaと、前記クラスレート格子を構成する原子の
少なくとも一部と置換された置換原子としてのAlを主
体としてなり、一般式Bax1@(Six2,Alx3)で示
され、前記SiとAlの組成比を示すx2とx3につい
て、x2+x3=46の関係を満足するとともに、Ba
原子をドーピングさせたことにより生じる過剰電子がキ
ャリアーとされたn型クラスレート化合物を製造するに
際し、前記クラスレート格子を構成するためのSiを含
む原料と前記ドーピング原子としてのBaを含む原料と
前記置換原子としてのAlを含む原料を所定の混合比に
なるように混合し、この混合物を融点以上の温度に保持
後に徐冷してから粉砕し、粉砕物から不純物を洗浄によ
り除去し、粉砕後の粉砕物で目的の組成比となっている
ものを加圧焼結法により圧密して固化することを特徴と
する。先に記載の画期的な性能係数を有するクラスレー
ト化合物を原料混合、溶解、粉砕、加圧焼結といった広
く適用されている方法を実施して製造することができ
る。よって、画期的に優れた性能係数を示すクラスレー
ト化合物を容易に製造することができる。
【0014】本発明の製造方法は、前記粉砕物から不純
物を除去する際に水洗によりBaSi2等の水溶性の不
純物を除去することを特徴とする。本発明の製造方法
は、前記加圧焼結法として放電プラズマ焼結法を行うこ
とを特徴とする。粉砕物を水洗することで水溶性の不純
物を容易に除去することができ、不純物を除去した状態
の目的の組成の粉砕物を主体として加圧焼結すること
で、目的の組成を有する純度の高いクラスレート化合物
を得ることができる。また、加圧焼結する場合にプラズ
マ焼結することで、圧密度の高い、優れた熱電性能のク
ラスレート化合物を合成できる。
【0015】本発明の熱電モジュールは、p型の熱電素
子とn型の熱電素子が電極を介して1対以上組み合わさ
れ、両熱電素子の接続部分側に熱交換部が形成され、該
接続部分に対向する側に電気回路が接続されてなり、前
記n型の熱電素子の構成材料として先に記載の高効率熱
電材料が適用されてなることを特徴とする。先に説明し
た画期的に優れた性能係数のクラスレート化合物からな
る熱電材料で構成されるので、従来では得られない優れ
た熱電効率の熱交換が可能であり、優れた熱電性能の熱
電モジュールを提供できる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、以下に説明する本発明
者らのバンド計算によるドナーレベルの変動結果とアク
セプターレベルの変動結果に基づいてなされたものであ
り、以下にバンド計算結果について詳細に説明する。図
1は、Moriguchi ら(Koji Moriguchi, Shinji Muneto
h, and Akira Shintani, Phys. Rev. B.,62, 7138(200
0))によるシリコン46クラスレートI構造のバンド計
算結果を示す。また、図2(a)(b)に本発明者らの
プログラムにより計算したシリコン46クラスレートI
構造のバンド図を示す。図2(a)はエネルギーレベル
±0.2eVの範囲のバンド図を示し、図2(b)はエ
ネルギーレベル0.1〜0.3eVの範囲のバンドの拡大
図を示す。両方の図から、バンド図は典型的な真性半導
体的なバンド構造を持っていることがわかる。従って、
シリコン46クラスレートI構造のままではバンドギャ
ップが広いために熱電材料には適してないことが明らか
である。また、バンド図に示す曲率が大きいことから電
子の有効質量が大きくなり、電気伝導度に悪い影響を及
ぼすことが予想される。
【0017】図3(a)に本発明者らが計算したBa2
@Si46のバンド構造を示し、図3(b)にBa6@S
46のバンド構造を示し、図4(a)に前記Ba2@S
46のバンド構造の拡大図を示し、図4(b)に前記B
6@Si46のバンド構造の拡大図を示す。これらの図
からわかることは、シリコンクラスレート46に侵入す
るBa原子の数を多くすればするほど伝導電子帯の下に
ドナーレベルのエネルギー帯ができる結果、先のシリコ
ン46クラスレートI構造よりもバンドギャップが狭く
なるために、熱電特性の向上が期待できるところであ
る。また、伝導電子帯の一番下のバンドの曲率が大きく
なることから、電子の有効質量が少なくなり、電気伝導
度が向上することが予想できる。
【0018】図5(a)に本発明者らが計算した(Si
30,Al16)のバンド構造を示し、図5(b)に(Si
30,Al16)Ba2@(Si30,Al16)のバンド構造
を示し、図6(a)に前記(Si30,Al16)のバンド
構造の拡大図を示し、図6(b)に前記(Si30,Al
16)Ba2@(Si30,Al16)のバンド構造の拡大図
を示す。これらの図から、Si原子の一部をAlに置換
することによってバンドギャップ中にアクセプターレベ
ルのエネルギーバンドが発生し、シリコン46クラスレ
ートI構造よりもバンドギャップが狭くなるために、熱
電特性の向上が期待できる。また、価電子帯の一番上の
バンドの曲率が小さくなることから、電子の有効質量が
小さくなり、電気伝導度が向上することが予想される。
【0019】先の図3〜図6に示したバンド図の解析か
ら、Ba原子はクラスレート中においてドナー型の原子
として働き、Al原子はアクセプター型の原子として働
くものと予想され、かつ、両ドーピング原子の効果によ
り熱電特性が向上することが予想される。以上の知見に
基づき、本発明者らはBa-Si-Al系のクラスレート
化合物の研究を行った結果として本願発明に到達した。
【0020】本発明に係るクラスレート化合物は基本的
に、Siが構成するシリコンクラスレート格子(シリコ
ンクラスレート基本構成単位)と、このシリコンクラス
レート格子の内部にドーピングされたドーピング原子と
してのBa原子と、前記シリコンクラスレート格子を構
成する複数の原子のうちの一部をAl原子に置換した置
換原子としてのAlから構成される。
【0021】「第1実施形態」図7と図8は、本発明の
クラスレート化合物の第1実施形態の格子構造を示すも
ので、本実施形態のクラスレート格子1は、図8にも示
すSi原子の12面体からなるSi20クラスタ2と、S
i原子の14面体からなるSi24クラスタ3とが組み合
わせられた構成単位4が複数組み合わせられて図7に示
すようにシリコンクラスレート格子1として構成され
た、シリコンクラスレート46からなる格子とされたも
のが基本格子である。
【0022】また、図7に示すシリコンクラスレート格
子1のうち、Si20クラスタ2の複数の2aサイトある
いはSi24クラスタ3の複数の6dサイトの少なくとも
一方の少なくとも一部に、Siよりも質量の大きなBa
原子がドーピングされて格子内に内包されている。ここ
で用いられるドーピング原子としてのBaがSiクラス
タの先のサイトに入ると、Baの原子は2価であり、そ
の中にある2個の電子はクラスレートを構成する原子側
へ移る。そのため、全体としてクラスレート化合物は金
属的な性質を有するようになる。また、Baはクラスレ
ート格子1を構成するSiよりも質量が大きいので、ク
ラスレート格子1の原子の振動を抑制し、フォノンの散
乱を生じさせて熱伝導を低くする。
【0023】図9はシリコンクラスレート格子の格子構
造を示すもので、各格子の基本単位構造の頂点部分にS
i原子が存在する。図10はシリコンクラスレート格子
の2aサイト(Si20クラスタの内部)の全てにBa原
子が侵入した状態を例示し、図11はシリコンクラスレ
ート格子の6dサイト(Si24クラスタの内部)の全て
にBa原子が侵入した状態を例示する。なお、図10、
図11に示す状態は全てのサイトにBa原子が入った状
態を例示しているが、具体的に、どの程度の割合でサイ
トにBa原子が侵入することが好ましいかについては後
述の一般式の説明の部分に示す。
【0024】次に、シリコンクラスレート格子1を構成
する複数のSi原子のうち、少なくとも一部のSi原子
がAlの原子で置換されてなる。Al原子でSi原子の
一部を置換するのは、シリコンクラスレート格子を構成
するSi原子はIV価であるので、2価のAl原子で置
換すると、その中にある2個の価電子はクラスレートを
構成するIVB族のSiの原子側へ移り、Si原子のA
l原子による置換により金属と半導体との中間的性質を
得ることができる。そのため、Al原子によるSi原子
の置換によりシリコンクラスレート格子を全体として半
導体的な性質に変換することができる。前述の如くBa
原子をシリコンクラスレート格子1にドーピングし、S
i原子の少なくとも一部をAl原子に置換することで、
ゼーベック係数を負の値とし、n型の熱電材料にするこ
とができる。
【0025】本実施形態において好適なSiとBaとA
lからなるシリコンクラスレート格子1の組成比として
は、一般式Bax1@(Six2,Alx3)で示され、前記
SiとAlの組成比を示すx2とx3について、x2+
x3=46の関係を満足するとともに、Ba原子をドー
ピングさせたことにより生じる過剰電子がキャリアーと
されてなるものである。
【0026】より具体的には、Baの組成比を示すx1
が、7.2≦x1≦7.9の範囲とされてなることが好ま
しい。更に、前記Siの組成比を示すx2が、31.2
≦x2≦34.6の範囲とされてなることが好ましい。
更に、Alの組成比を示すx3が、11.4≦x3≦1
4.8の範囲とされてなることが好ましい。
【0027】また、前述の組成比において、前記x1
が、7.24≦x1≦7.85の範囲とされてなることが
好ましい。また、前記組成比において、前記x2が、3
1.25≦x2≦34.55の範囲とされてなることが好
ましい。また、前記x3が、11.45≦x3≦14.7
5の範囲とされてなることが好ましい。
【0028】次に、前述の構成のシリコンクラスレート
化合物の製造方法の一例について説明する。シリコンク
ラスレート46の格子を用いるには、Si粉末とドーピ
ング原子としてのBa粉末とクラスレート格子構成元素
の置換用のAlの粉末を目的の組成比になるように秤量
して混合し、これらの混合粉末をアルゴンガス等の不活
性ガス雰囲気中においてアーク溶解などの溶解法により
融点以上の温度に例えば1時間以上加熱し、溶解して溶
製し、徐冷して目的の組成のインゴットを得る。ここで
用いる各元素の原料粉末は、各元素の純粋粉末でも化合
物粉末でも差し支えないが不純物となる元素ができる限
り入っていない純粋な粉末状のものを用いることが好ま
しい。
【0029】次にこのインゴットを大気中に取り出して
粉砕し粉末化した後、この粉末を水洗いして水溶性の不
純物(BaSi2等)を除去する。また、粉砕後の粉末
が目的の組成比となっているか否かEDX分析により検
査して目的の組成となっているか確認し、かつ構造をX
線回折によって確認する。また、この工程において、目
的の組成になっているならば次の工程に進むが、目的の
組成になっていない場合は再度粉末混合からインゴット
の溶製を行い、再度作成したインゴットからの粉末分析
を行う。また、使用する粉砕物の粉末は、できるだけ粒
径の微細な粒径の整ったものを使用することが好まし
い。
【0030】先の分析結果に基づいて組成比が良好な粉
砕物の粉末を得たならば、Arガス雰囲気あるいは真空
雰囲気において熱処理(仮焼き処理)を施し、不要成分
等をガス状態にして除去し、仮焼き処理後の粉末を更に
粉砕して粒径を揃え、更にX線で分析し、組成比が正し
いか否か検査し、目的の組成比になっているものを選択
して粒径を揃え、この粉砕物を放電プラズマ装置を用い
て加熱加圧焼結し、所望の形状、例えば柱状の焼結物と
してのシリコンクラスレート化合物の熱電材料からなる
目的の熱電素子を得ることができる。放電プラズマ焼結
とは、混合粉末に一対のパンチで数MPa〜数10MP
a程度の圧力で加圧すると同時に電流を印加して約10
00℃程度の高温に加熱しながら数分〜数時間程度焼結
する加圧焼結法の1種である。
【0031】なお、前記熱処理を行う場合、シリコンク
ラスレート46を製造する場合はArガス雰囲気中で熱
処理を行うことが好ましい。また、先のX線分析により
組成比が目的の組成から外れている場合は再度アーク溶
解からインゴットを得る工程に戻って同じ工程を繰り返
すことが好ましい。
【0032】ところで、前述の製造工程において、アー
ク溶解の代わりに、メカニカルアロイング処理を施して
目的の組成比の混合粉末を得ることもできる。メカニカ
ルアロイング処理とは、ステンレス鋼球などの金属球を
多数収納した中空のアトライタの内部に混合する粉末を
投入後、アトライタを高速回転させて粉末を混合し、金
属球の間で粉末を粉砕混合して組成均一な混合粉末を得
る方法である。このようにメカニカルアロイング処理を
施して得られた混合粉末を成形してから予備熱処理し、
更に焼結することで本発明に係るシリコンクラスレート
化合物の熱電素子を得ることもできる。
【0033】また、上記の製造方法において、ドーピン
グ原子としてBaを用い、置換原子としてAlを選択
し、目的の組成範囲とした場合は、必要な元素を混合
し、その後に焼結するという極めて簡易な方法でクラス
レート化合物を生成することができる。従って本発明の
クラスレート化合物は、従来の熱電材料と比較して製造
方法が簡単であり、しかも、900℃において従来に見
られない極めて高い無次元性能指数(2.0〜2.7)を
示すn型の熱電材料が得られる。
【0034】次に、前記組成比のクラスレート化合物が
優れたn型の熱電材料となる理由について以下に詳述す
る。前記の組成比において例えば、Ba7.63@(Si
31.25,Al14.75)で示されるクラスレート化合物を例
にして説明する。シリコンクラスレート格子1にドープ
されたBaは2個の原子をクラスレート格子に放出する
ため、以下の(1)式の電子がクラスレート格子へ移動
する。
【0035】
【化1】
【0036】クラスレート格子が全て価電子4個のシリ
コン原子で構成されているときは、クラスレート格子は
真性半導体となっている。従って、クラスレート格子へ
の置換原子とクラスレート格子が構成するケージ中心へ
導入するドーピング原子を最適化することにより、p型
またはn型熱電材料を創製することができる。
【0037】本発明のクラスレート化合物の場合、シリ
コンクラスレート格子の格子点46の中で例えば14.
75点を価電子数が3価であるアルミニウムに置換す
る。ここで、Ba-Si-Al系クラスレート化合物のS
i原子の価電子数をNVSiとすると、以下の(2)式の
関係となる。
【0038】
【化2】
【0039】また、Al原子の価電子数をNVAIとする
と、以下の(3)式の関係となる。
【化3】
【0040】ここで、クラスレート格子が全てSi原子
の場合の価電子数は、以下の(4)式の関係となる。
【0041】
【化4】 よって、全ての格子点がSi原子である真性半導体的な
クラスレート化合物と本実施形態の価電子数の差異をΔ
NVCLとすると、以下の(5)式に示すだけ価電子数が
不足していることになる。
【0042】
【化5】
【0043】しかし、Ba原子により電子が先のNVBa
個供給されるので、以下の(6)式に示すだけ電子が多
くなる。
【0044】
【化6】
【0045】その結果、過剰電子がキャリアになりn型
熱電半導体となる。本発明の実施形態で得られる物質
は、クラスレート格子が全てSi原子の場合と比較して
トータルで価電子数が増加したため、n型熱電材料とな
る。
【0046】「第2実施形態」図12は本発明に係るシ
リコンクラスレート化合物の熱電材料を用いて構成され
た熱電モジュールの一実施形態を示すもので、この実施
形態の熱電モジュール30は、上下に離間して対向配置
された絶縁物の基板31、32の間に、p型の柱状の熱
電材料からなる複数の熱電素子33と、n型の柱状の熱
電材料からなる複数の熱電素子34が交互に配置され、
相互に隣接する1組の熱電素子33、34の下端部どう
しが間欠的に電極板35で接続され、相互に隣接する他
の熱電素子33、34の上端部どうしが間欠的に電極板
36で接続されると同時に、隣接するp型の熱電素子3
3の端部とn型の熱電素子34の端部とが互い違いに交
互に接続されて全ての熱電素子が直列接続されるように
複数の電極板35、36で接続されている。また、上下
の基板間の複数の熱電素子33…、34…のうち、一側
の端部の熱電素子33に接続配線37が、他側の端部の
熱電素子34に接続配線38がそれぞれ接合されて構成
されている。ここで前記n型の熱電素子34が先に記載
のクラスレート化合物からなる熱電材料から構成され
る。
【0047】図12に示す構成の熱電モジュール30
は、図13(a)に示すように上部側の電極板36側を
加熱することで接続配線37、38の間に負荷としての
抵抗39などを接続して電気回路41を構成しておくな
らば、電極板36側を他の熱源で加熱し、電極板35側
を放熱側することで接続配線37、38間に電位差を生
じさせて電流を流すことができ、熱電発電用に供するこ
とができる。更に、図12に示す熱電モジュール30
は、図13(b)に示すように接続配線37、38に電
源40を組み込み、矢印に示す方向に電流を流すこと
で、上部側の電極板36側にて吸熱作用を行うことがで
き、下部側の電極板35側を発熱側として先の吸熱作用
によって熱電冷却器として使用することができる。
【0048】次に、前記p型の熱電素子33を構成する
ために好適なクラスレート化合物の熱電材料について
は、先に本発明者らが特願平11−220567号、特
願平11−220568号などにおいて特許出願してい
るクラスレート化合物の熱電材料において性能係数1.
01のp型熱電材料を好適には用いることができるが、
その他一般のp型の熱電材料を用いることもできる。こ
れにより、例えば、p型の熱電素子33を先の特許に係
る性能係数1.01の熱電材料で構成し、n型の熱電素
子34を後述の実施例の如く性能係数2〜2.7の熱電
材料で構成することができ、その場合に極めて優れた発
電効率あるいは吸熱効率の熱電モジュールを得ることが
できる。
【0049】図14は本発明の熱電材料を用いた発電ス
タックの一例を示すもので、この例の発電スタック50
は、内部を排気ガスなどが流れる偏平型の多穴管からな
るインナーシェル51の外周部に、6基の発電モジュー
ル52が装着され、発電モジュール52の外部側にこれ
らを覆うように偏平型のアウターシェル54が設けられ
ていて、インナーシェル51の内部を流れる排気ガスの
熱を利用して発電を行うことができるように構成された
ものである。この実施形態の発電スタックにおいても先
の実施形態の熱電モジュール30と同様に発電モジュー
ル52を構成することで、熱電モジュール52を発電用
に供することができる。
【0050】ここで以下に、熱電材料の性能指標として
多用される無次元性能指数(ZT)について説明する。
熱電材料の性能は、性能指数をZ、熱電能をα、熱伝導
率をκ、比抵抗をρとすると、以下の(7)式で示され
る。
【0051】
【化7】
【0052】また、図12に示す熱電モジュールの性能
指数Zは、以下の(8)式で示される。
【0053】
【化8】
【0054】上記(8)式において、添え字はp型の成
形体とn型の成形体の各値に対応する。次に、熱電材料
の最大発電効率は、高温端と低温端の温度をそれぞれT
hとTcとすると、以下の(9)式と(10)式で示され
る。
【0055】
【化9】
【0056】
【化10】
【0057】一方、熱電冷却の最大成績係数は、以下の
(11)式で示される。
【0058】
【化11】
【0059】熱電加熱ではφmax+1で与えられる。ま
た、吸熱部が完全断熱され、熱の流入がないと、Tc
最も低下した状態になり、φmax=0とおくと、最大冷
却温度差は、以下の(12)式の関係が得られる。
【0060】
【化12】
【0061】ここで一般に、熱電冷却・加熱は、室温近
傍の温度差(Th−Tc)≦100Kの範囲で利用される
ため、Zが高い方が必要条件になり、現在では3.4×
10- 3-1以上のものが要求されている。
【0062】一方、熱電発電は性能指数Zが比較的低く
てもThを高くして効率を高めることができるが、高温
で化学的に安定な耐熱材料であることが必要とされる。
一般に性能指数Zは材料に固有の温度依存性を有する
が、最大値を示す温度は材料によって異なる。この性能
指数Zに絶対温度Tをかけた無次元性能指数(ZT)が
1を超える材料は、現在知られているところ、GeTe
-AgSbTe2のみであり、他の大部分の従来材料は無
次元性能指数(ZT)が1よりも低い値を示す。
【0063】図15と図16は従来知られているこの種
熱電材料においてp型のものとn型のものの無次元性能
指数の絶対温度依存性を示すもので、これらの図からも
明らかなように無次元性能指数ZT=1を超えるもの
は、p型では600〜900Kの温度範囲においてGe
Te-AgSbTe2のみであり、その他には現在では知
られていない。また、n型においては、特定の狭い温度
範囲においてSiGe(GaP)のみが有望であり、常
温〜700Kにおいては存在しない。これに対して本発
明に係る熱電材料であるならば、後述の実施例からも明
らかなように無次元性能指数(ZT)が2.0〜2.7の
n型の熱電材料を提供することができる。よって、本発
明の熱電材料を用いて熱電モジュールを構成するなら
ば、従来の熱電材料によるものよりも格段に優れた高効
率の熱電モジュールを提供することができる。なお、図
15には本発明者らが先に特許出願しているSiBaA
l系のクラスレート化合物(特願平11−220567
号参照)においてZT=1.01を示すp型のもの(B
8@(Si26,Al20)焼結体)を例示し、図16には
従来のものと対比させて本発明の後述の実施例で得られ
たZT=2.5を示すn型のものを記載した。
【0064】次に、ゼーベック係数について説明する。
図13(b)に示す熱電モジュールにおいて、電源40
から矢印方向に電流を流すと、電気回路42に電流Iが
流れて上部の電極板36側にペルチェ発熱が生じ、n型
熱電素子34のゼーベック係数を−αn、p型熱電素子
のゼーベック定数をαp、電極板のゼーベック係数をαm
とすると、上部の電極板とPN素子ペルチェ吸熱Q
cpは、以下の(13)式となる。
【0065】
【化13】
【0066】前記(13)式においてαm は無視でき
る。ここでTcは接合部の温度である。αe=αn+αp
して、吸熱量の絶対値Qcpは、以下の(14)式とな
る。
【0067】
【化14】
【0068】このように熱電モジュールの熱計算を行う
場合に指標となるのがゼーベック係数であるので、この
数値は熱電モジュールの性能向上に大きな影響を有する
ものとして広く知られているものである。
【0069】次に、本発明に係るシリコンクラスレート
化合物を発電モジュールに適用した他の例について説明
する。図17は図13に示す熱電モジュール30を焼却
炉の炉壁に取り付けた一実施形態を示す断面図である。
この形態の炉壁60は、内部に水等の冷媒の流通路61
が形成され、流通路61が形成された部分においては外
側に面する外部壁62と内側に面する内部壁63とから
なる2重構造とされ、内部壁63の一部に凹部65が形
成されるとともに、この凹部65内に先の構成の熱電モ
ジュール30が設置されている。
【0070】この形態の発電モジュール30では焼却炉
の熱発生源(火炉)から熱電モジュール30の電極板3
6で受ける熱を基に発電を行うことができる。この形態
においては、火炉側からの温度をTH、Tcとすると、例
えば、以下の(15)式と(16)式とすることができ
る。
【0071】
【化15】
【0072】
【化16】
【0073】ここで本発明に係るn型熱電材料の熱電性
能(Ba-Si-Alクラスレート化合物の実測値)は以
下の(17)式〜(22)式のようであった。
【0074】
【化17】
【0075】
【化18】
【0076】
【化19】
【0077】
【化20】
【0078】
【化21】
【0079】
【化22】
【0080】これらの(17)式〜(22)式の実測値
に対し、一般的なp型の熱電性能は(p type-SiGe, ref
C. B. Vining, CRC Handbook of Thermoeelectric Mat
erilas, eds. D. M. Rowe, P329, 1994)によれば以下
の(23)式〜(28)式のようになる。
【0081】
【化23】
【0082】
【化24】
【0083】
【化25】
【0084】
【化26】
【0085】
【化27】
【0086】
【化28】
【0087】ここで、n型熱電材料には、本発明で得ら
れたBa-Si-Alクラスレート化合物を用い、p型熱
電材料には市販のp型SiGe熱電材料を用いることが
できる。ただし、ゼーベック係数、電気抵抗、熱伝導率
は温度変化するので、ここではTHとTcの平均値による
近似を用いる。 1)n型Ba-Si-Alクラスレート化合物熱電材料 ゼーベック係数
【0088】
【化29】
【0089】電気抵抗
【0090】
【化30】
【0091】熱伝導率
【0092】
【化31】
【0093】2)p型SiGe熱電材料 ゼーベック係数
【0094】
【化32】
【0095】電気抵抗
【0096】
【化33】
【0097】熱伝導率
【0098】
【化34】
【0099】ここで、熱電モジュールのゼーベック係数
を<αpn>とすると、
【0100】
【化35】
【0101】となる。次に、熱電モジュール1個あたり
で発電可能な電圧を計算する。ここで、熱電モジュール
の内部抵抗は考慮しないとする。
【0102】
【化36】
【0103】となる。ここで、本実施形態の熱電モジュ
ールが200個あると仮定すると、発電されるトータル
の電圧は、以下のようになる。
【0104】
【化37】
【0105】次に、本熱電モジュールの変換効率ηを求
める。求める変換効率は、以下の式に示す通りとなる。
【0106】
【化38】
【0107】ここでMは、
【0108】
【化39】
【0109】で表される。最初に(Zpm)を求めると、
【0110】
【化40】
【0111】である。前述の(40)式と(39)式を
使って(38)式を計算すると変換効率ηは12.1%
となる。現状では、800℃を越える温度領域で変換効
率10%を越える熱電モジュールは他に存在しない。従
って本発明に係る熱電モジュールは800〜900℃の
領域での熱電性能が極めて高く、かつ、高い変換効率を
持つ優れた熱電発電モジュールであることが明らかにな
った。
【0112】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をより詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。Si粉末(99.99%)とBa粉末(純度9
9.99%)とAl粉末(99.99%)をBa:Si:
P=8:30:16の組成比(原子%)「Ba8@(S
30,Al16)に対応」になるようにそれぞれの粉末を
秤量し、これらの混合粉末を作製した。この混合粉末を
Arガス雰囲気中において融点以上の温度1150℃で
1時間以上、5時間保持した後、徐冷した。
【0113】その後、大気中にインゴットを取り出して
粉砕し、粉末を水洗いして水溶性の不純物(BaSi2
等)を除去した。粉砕後の粉末が目的の組成比となって
いるかどうかはEDX(エネルギー分散型X線分光法)
にて確認し、かつ構造をX線回折によって確認した。こ
れらのうち、組成比が整った混合粉末をプラズマ焼結装
置にかけて900℃で40MPaの圧力で30分間、プ
ラズマ焼結処理した。
【0114】以上の製造方法に従い、複数の試験片を作
成し、各試料において分析した結果判明した組成と、熱
電材料としての型、900℃における無次元性能係数
(ZT)の測定結果を以下の表1に記載する。
【0115】 「表1」 試験片 組成 型 900℃における 番号 無次元性能指数(ZT) 1 Ba7.33@(Si31.88,Al14.12) n型 2.5 2 Ba7.29@(Si31.25,Al14.75) n型 2.0 3 Ba7.24@(Si34.55,Al11.45) n型 2.7 4 Ba7.85@(Si32.14,Al13.86) n型 2.6 5 Ba7.66@(Si32.75,Al13.25) n型 2.4 6 Ba7.63@(Si31.25,Al14.75) n型 2.5
【0116】以上の結果から、シリコンクラスレート4
6 Ba7.24-7.85@(Si31.25-3 4.55,Al
11.45-14.75)なる組成の熱電材料ならば、n型であ
り、極めて性能指数の大きな熱電材料を得られることが
判明した。
【0117】また、表1の組成比から、性能指数2.0
以上を確保するためには、Baにおいては、Ba:7.
24〜7.85原子%の組成範囲、性能指数2.4〜2.
7を得るためには、Ba:7.24〜7.28原子%の組
成範囲、あるいは、7.30〜7.85原子%の組成比と
することが重要であることが明らかである。また、表1
の組成比から、2.0以上の性能指数を示すためには、
SiにおいてはSi:31.25〜34.55原子%が必
要であり、2.0以上の性能指数を得るためには、Al
においては11.45〜14.75原子%が必要であるこ
とが判明した。
【0118】図18は、本発明に係るBa7.63@(Si
31.25,Al14.75)なる組成のシリコンクラスレート化
合物の熱伝導率の温度特性をレーザフラッシュ法により
測定した結果と、n-SiGeの熱伝導率の温度特性を
比較して示すものである。熱伝導率においてBa7.63
(Si31.25,Al14.75)なる組成のシリコンクラスレ
ート化合物の熱伝導率は、半導体のn-SiGeに近い
値を示した。
【0119】図19は、本発明に係るBa7.63@(Si
31.25,Al14.75)なる組成のシリコンクラスレート化
合物とn-SiGeのゼーベック係数の温度特性を測定
した結果を比較して示すが、前記シリコンクラスレート
化合物のゼーベック係数は負の値を示し、特に800℃
を超える高温度域においてn-SiGeよりも負の値が
大きくなっていることが判明した。
【0120】図20は、本発明に係るBa7.63@(Si
31.25,Al14.75)なる組成のシリコンクラスレート化
合物とn-SiGeの電気抵抗の温度特性を測定した結
果を比較して示すが、前記クラスレート化合物の電気抵
抗が0〜900℃の範囲でn-SiGeの電気抵抗より
も低いことが判明した。
【0121】図21は、本発明に係るBa7.63@(Si
31.25,Al14.75)なる組成のシリコンクラスレート化
合物とn-SiGeの性能指数の温度特性を測定した結
果を比較して示すが、本発明のクラスレート化合物は温
度が上昇する(900K以上)につれて性能指数が急激
に上昇し、850℃において1.05を超え、900℃
において2.5を超えることが明らかである。なお、現
在のところ、この種の熱電材料において性能指数が90
0℃において2.5を示す材料は他に見られず、本発明
に係るクラスレート化合物が世界最高値を示す材料であ
る。また、先の表1に示した各組成のクラスレート化合
物においても優れた性能指数を有するので、本願発明ク
ラスレート化合物が優れたものであることが明らかであ
る。
【0122】
【発明の効果】以上説明したように本発明のクラスレー
ト化合物によれば、基本的な格子がシリコンクラスレー
ト46格子であり、このシリコンクラスレート46格子
の内部にクラスレート格子構成元素のSiよりも比重の
大きなBa原子がドーピングされているので、クラスレ
ート格子の振動が抑制されて熱伝導性が低くされると同
時に電気伝導度が向上されるともに、クラスレート格子
を構成する原子の一部がAlで置換されてn型半導体的
な性質に置換される結果としてゼーベック係数が向上さ
れたシリコンクラスレート化合物を提供することができ
る。
【0123】本発明においてクラスレート格子構成元素
としてSiを選択し、ドーピング原子としてBaを選択
し、置換原子としAlを選択することで、熱伝導性と電
気伝導度とゼーベック係数をバランス良く良好にするこ
とができる。前記のシリコンクラスレート46に侵入型
原子としてのBaを多く侵入させると、伝導電子帯の下
にドナーレベルのエネルギー帯ができる結果、シリコン
46クラスレートI構造よりもバンドギャップが狭くな
り、熱電効果が向上する。また、伝導電子帯の一番下の
バンドの曲率が大きくなり、電子の有効質量が少なくな
って電気伝導度が向上する。次に、Si原子の一部をA
lに置換することによってバンドギャップ中にアクセプ
ターレベルのエネルギーバンドが発生し、シリコン46
クラスレートI構造よりもバンドギャップが狭くなるた
めに、熱電特性が向上する。また、価電子帯の一番上の
バンドの曲率が小さくなることから、電子の有効質量が
小さくなり、電気伝導度が向上する。先に記載の侵入原
子としてのBaの添加による効果と、置換原子としての
Alの添加による効果から、従来に見られない画期的な
性能係数が得られる。
【0124】本発明において、前記x1が7.2≦x1≦
7.9の範囲、あるいは、前記x1が7.24≦x1≦7.
85の範囲、前記x2が、31.2≦x2≦34.6の範
囲、あるいは、前記x2が31.25≦x2≦34.55
の範囲であることが優れた熱電特性を得る上で好まし
い。更に、前記Alの組成比を示すx3が、11.4≦
x3≦14.8の範囲、あるいは、x3が11.45≦x
3≦14.75の範囲であることが、優れた熱電特性を
有する上で好ましい。
【0125】本発明の製造方法は、先に記載の画期的な
性能係数を有するクラスレート化合物を原料混合、溶
解、粉砕、加圧焼結といった広く適用されている方法を
実施して製造することができる。よって、画期的に優れ
た性能係数を示すクラスレート化合物を容易に製造する
ことができる。
【0126】本発明の製造方法は、粉砕物を水洗するこ
とで水溶性の不純物を容易に除去することができ、不純
物を除去した状態の目的の組成の粉砕物を主体として加
圧焼結することで、目的の組成を有する純度の高いクラ
スレート化合物を得ることができる。また、加圧焼結す
る場合にプラズマ焼結することで、圧密度の高い、優れ
た熱電性能のクラスレート化合物を合成できる。
【0127】本発明の熱電モジュールは、n型の熱電素
子の構成材料として先に記載の高効率熱電材料が適用さ
れてなるので、従来では得られない優れた熱電効率の熱
交換が可能であり、優れた熱電性能の熱電モジュールを
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はシリコン46クラスレートIのバンド
構造を示すバンド図である。
【図2】 図2はシリコン46クラスレートIのバンド
構造を示す部分拡大バンド図である。
【図3】 図3(a)はBa2@Si46のバンド構造を
示すバンド図、図3(b)はBa6@Si46のバンド構
造を示すバンド図である。
【図4】 図4(a)はBa2@Si46のバンド構造を
示す部分拡大バンド図、図4(b)はBa6@Si46
バンド構造を示す部分拡大バンド図である。
【図5】 図5(a)は(Si30Al16)のバンド構造
を示すバンド図、図5(b)はBa2@(Si30
16)のバンド構造を示すバンド図である。
【図6】 図6(a)は(Si30Al16)のバンド構造
を示す部分拡大バンド図、図6(b)はBa2@(Si
30Al16)のバンド構造を示す部分拡大バンド図であ
る。
【図7】 図7は本発明に係るシリコンクラスレート化
合物のクラスレート格子と侵入原子と置換原子を含む結
晶構造を示す模式図。
【図8】 図8は図7に示すシリコンクラスレート化合
物の部分構成単位となるSiの12面体のSi20クラス
タとSiの14面体のSi24クラスタを示す模式図。
【図9】 図9は本発明に係るシリコンクラスレート化
合物の基本結晶格子構造を示す平面図。
【図10】 図10は本発明に係るシリコンクラスレー
ト化合物の基本結晶格子の2aサイトにBa原子が侵入
された構造を示す平面図。
【図11】 図11は本発明に係るシリコンクラスレー
ト化合物の基本結晶格子の6dサイトにBa原子が侵入
された構造を示す平面図。
【図12】 図12は本発明に係る熱電素子を用いて構
成された熱電モジュールの一実施形態を示す断面図。
【図13】 図13は図12に示す熱電モジュールの使
用形態例を示すもので、図13(a)は熱電反応を生じ
させる場合の構成図、図13(b)は吸熱作用を起こす
場合の構成図。
【図14】 図14は本発明に係る熱電モジュールを発
電スタックに用いた例を示す断面図。
【図15】 従来のp型熱電材料の性能指数の絶対温度
依存性を示す図。
【図16】 従来のn型熱電材料と本発明に係る熱電材
料の性能指数の絶対温度依存性を示す図。
【図17】 図17は本発明に係る熱電モジュールを焼
却炉に取り付けた状態を示す断面図。
【図18】 図18は本発明に係るシリコンクラスレー
ト化合物とn-SiGeの熱伝導率の温度依存性を示す
図である。
【図19】 図19は本発明に係るシリコンクラスレー
ト化合物とn-SiGeのゼーベック係数の温度依存性
を示す図である。
【図20】 図20は本発明に係るシリコンクラスレー
ト化合物とn-SiGeの電気抵抗の温度依存性を示す
図である。
【図21】 図21は本発明に係るシリコンクラスレー
ト化合物とn-SiGeの無次元性能指数(ZT)の温
度依存性を示す図である。
【符号の説明】
1…シリコンクラスレート化合物、2…Si20クラス
タ、3…Si24クラスタ、30…熱電モジュール、33
…p型熱電素子、34…n型熱電素子、35、36…電
極板、37、38…接続配線、41、42…電気回路、
50…発電スタック、52…熱電モジュール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小島 正男 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター基盤技術研究所内 (72)発明者 鈴木 章彦 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター基盤技術研究所内 (72)発明者 田中 徹 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター基盤技術研究所内 (72)発明者 円谷 和雄 神奈川県厚木市森の里1−16−1 Fターム(参考) 4G072 AA02 AA50 BB16 GG01 GG03 JJ09 UU30

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Siの原子を主体としてなるクラスレー
    ト格子と、該クラスレート格子の格子間隙の少なくとも
    一部に内包されたドーピング原子としてのBaと、前記
    クラスレート格子を構成する原子の少なくとも一部と置
    換された置換原子としてのAlを主体としてなり、 一般式Bax1@(Six2,Alx3)で示され、前記Si
    とAlの組成比を示すx2とx3について、x2+x3
    =46の関係を満足するとともに、Ba原子をドーピン
    グさせたことにより生じる過剰電子がキャリアーとされ
    たことを特徴とするn型クラスレート化合物。
  2. 【請求項2】 前記一般式Bax1@(Six2,Alx3
    で示され、Baの組成比を示すx1が、7.2≦x1≦7.
    9の範囲とされてなることを特徴とする請求項1に記載
    のn型クラスレート化合物。
  3. 【請求項3】 前記x1が、7.24≦x1≦7.85の範
    囲とされてなることを特徴とする請求項1に記載のn型
    クラスレート化合物。
  4. 【請求項4】 前記一般式Bax1@(Six2,Alx3
    で示され、Siの組成比を示すx2が、31.2≦x2
    ≦34.6の範囲とされてなることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載のn型クラスレート化合物。
  5. 【請求項5】 前記x2が、31.25≦x2≦34.5
    5の範囲とされてなることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載のn型クラスレート化合物。
  6. 【請求項6】 前記一般式Bax1@(Six2,Alx3
    で示され、Alの組成比を示すx3が、11.4≦x3
    ≦14.8の範囲とされてなることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれかに記載のn型クラスレート化合物。
  7. 【請求項7】 前記x3が、11.45≦x3≦14.7
    5の範囲とされてなることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれかに記載のn型クラスレート化合物。
  8. 【請求項8】 900℃における無次元性能係数(Z
    T)が2.0以上であることを特徴とする請求項1〜7
    のいずれかに記載のn型クラスレート化合物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8に記載のクラスレート化合
    物が主体とされてなることを特徴とする高効率熱電材
    料。
  10. 【請求項10】 Siの原子を主体としてなるクラスレ
    ート格子と、該クラスレート格子の格子間隙の少なくと
    も一部に内包されたドーピング原子としてのBaと、前
    記クラスレート格子を構成する原子の少なくとも一部と
    置換された置換原子としてのAlを主体としてなり、 一般式Bax1@(Six2,Alx3)で示され、前記Si
    とAlの組成比を示すx2とx3について、x2+x3
    =46の関係を満足するとともに、Ba原子をドーピン
    グさせたことにより生じる過剰電子がキャリアーとされ
    たn型クラスレート化合物を製造するに際し、 前記クラスレート格子を構成するためのSiを含む原料
    と前記ドーピング原子としてのBaを含む原料と前記置
    換原子としてのAlを含む原料を所定の混合比になるよ
    うに混合し、この混合物を融点以上の温度に保持後に徐
    冷してから粉砕し、粉砕物から不純物を洗浄により除去
    し、粉砕後の粉砕物で目的の組成比となっているものを
    主体に加圧焼結法により圧密して固化することを特徴と
    するn型クラスレート化合物の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記粉砕物から不純物を除去する際に
    水洗によりBaSi 2等の水溶性の不純物を除去するこ
    とを特徴とする請求項10記載のn型クラスレート化合
    物の製造方法。
  12. 【請求項12】 加圧焼結法として放電プラズマ焼結法
    を行うことを特徴とする請求項10又は11に記載のn
    型クラスレート化合物の製造方法。
  13. 【請求項13】 p型の熱電素子とn型の熱電素子が電
    極を介して1対以上組み合わされ、両熱電素子の接続部
    分側に熱交換部が形成され、該接続部分に対向する側に
    電気回路が接続されてなり、 前記n型の熱電素子の構成材料として請求項9に記載の
    高効率熱電材料が適用されてなることを特徴とする熱電
    モジュール。
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