JP2002274358A - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

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JP2002274358A
JP2002274358A JP2001084701A JP2001084701A JP2002274358A JP 2002274358 A JP2002274358 A JP 2002274358A JP 2001084701 A JP2001084701 A JP 2001084701A JP 2001084701 A JP2001084701 A JP 2001084701A JP 2002274358 A JP2002274358 A JP 2002274358A
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JP
Japan
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wheel speed
pressure
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control device
time
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JP2001084701A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Otsu
伸幸 大津
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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Publication date
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T8/00Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
    • B60T8/17Using electrical or electronic regulation means to control braking
    • B60T8/176Brake regulation specially adapted to prevent excessive wheel slip during vehicle deceleration, e.g. ABS
    • B60T8/1761Brake regulation specially adapted to prevent excessive wheel slip during vehicle deceleration, e.g. ABS responsive to wheel or brake dynamics, e.g. wheel slip, wheel acceleration or rate of change of brake fluid pressure
    • B60T8/17616Microprocessor-based systems

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  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンチスキッド制御装置において、ON/O
FF式のソレノイドバルブを用いる安価な手段としなが
ら、制御収束性を向上させ、かつ、これによりオーバシ
ュートの発生を抑えて、消費液量の減少を図り、リザー
バから汲み出すポンプとして従来よりも小容量のポンプ
の使用を可能として、コストおよび重量の低減を図り、
加えて、音振性能の向上を図ること。 【解決手段】 ON/OFF式のソレノイドバルブに対
して駆動信号を出力するアンチスキッド制御装置であっ
て、車輪速度に基づいて目標車輪速度を作成する目標車
輪速度作成部12aと、目標車輪速度と車輪速度との偏
差の積分値に基づいて目標液圧を求める目標液圧演算部
12cと、目標液圧に応じてソレノイドバルブに出力す
べきONパルス幅が、予め設定されたパルス幅設定値を
越えた時点で前記ONパルス幅の駆動信号を出力するパ
ルス出力制御部12eとを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制動時に車輪がロ
ックするのを防止するべく制動液圧を制御するいわゆる
アンチスキッド制御を実行するアンチスキッド制御装置
に関し、特に、ON/OFF式のソレノイドバルブによ
り制動液圧の制御を行うアンチスキッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アンチスキッド制御装置は、制動時に車
輪ロックを防止して車体挙動を安定させるようホイール
シリンダ圧(制動液圧)を制御するものである。このよ
うなアンチスキッド制御装置は、一般に、車体速度と車
輪速度の相対関係(いわゆるスリップ率)に応じて、制
動液圧を高める増圧制御、制動液圧を減圧する減圧制
御、制動液圧を一定に保つ保持制御、制動液圧を徐々に
高める緩増圧制御などを適宜実行する構成となってい
る。
【0003】上述のような制動液圧制御を行うにあたっ
ては、減圧弁や増圧弁などの液圧制御弁の作動を制御す
るが、この液圧制御弁としては、リニア作動のソレノイ
ドバルブを用いてPID制御を実行するもの(例えば、
特開平6−144195号公報に記載のもの)や、ON
/OFF式のソレノイドバルブを用いて一定周期のディ
ーティ制御を実行するもの(例えば、特開平7−117
653号公報に記載のもの)が知られている。
【0004】さらに、ON/OFF式のソレノイドバル
ブを用いる後者の従来技術にあっては、緩増圧制御ある
いは緩減圧制御を行うにあたり、路面摩擦係数(以下、
摩擦係数をμと表示する)が変化する、いわゆるμジャ
ンプ対策として、以下に述べるような制御を実行してい
た。すなわち、増圧弁あるいは減圧弁に対して設定周期
中に出力するパルス幅を、例えば、図12に示すよう
に、3msec,4msec,5msec,6msec
と徐々に増加させるようにしている。これは、増圧の場
合を例にとると、パルス幅を一定として増圧率を一定に
制御すると、増圧率を比較的高めに設定すると、低μ路
にあっては、減圧後の最初の増圧で再びロックするおそ
れがある。それに対して、また、増加率を低めに設定す
ると、増圧時間が長くなるとともに制動力が不足するお
それがある。加えて、制御中に低μ路から高μ路に変化
するようなμジャンプが生じた場合、高μ路に適正な制
動液圧まで上昇するのに非常に時間がかかることにな
り、その間、制動力不足となる。それに対して、増圧時
間が長くなるに連れて増圧量を徐々に増加させるように
すると、増圧時間が短い範囲では低μ路における早期ロ
ックを防止した増圧が可能であるし、また、μジャンプ
が発生しても、一定の増加率で制御するのに比べて短時
間に適正制動圧まで上昇させることができ、制動力不足
となるのを防止することができる。
【0005】また、減圧の場合も同様であり、減圧率を
高めの一定値にすると、減圧時にブレーキ液を抜きすぎ
ることになって、その後の増圧により制動圧を適正に回
復させるのに時間を要するとともに、ポンプの汲み出し
量も多くなってしまうし、逆に、減圧率を低めの一定値
にすると、ロック状態からなかなか抜け出せないし、特
に、高μ路から低μ路へのμジャンプ時に、適正制動力
まで低下させるのに時間を要する。したがって、この緩
減圧時にあっても、減圧時間が長くなるほど、減圧弁に
出力するONパルス幅を広くすることで、上記問題を解
決することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リニア
ソレノイドバルブを用いてPID制御を行う従来技術に
あっては、制御精度は高いものの、リニアソレノイドバ
ルブが構造複雑で高価であるという問題、および、微分
成分は路面ノイズの影響を受けやすく過増減圧を引き起
こすおそれがあるという問題点を有していた。
【0007】一方、ON/OFF弁を用いる従来技術に
あっては、前者の従来技術に比べると安価に構成するこ
とができるものの、以下に述べる問題を有している。す
なわち、この従来技術にあっては、増圧時間、あるいは
減圧時間が長くなるほど、増圧弁あるいは減圧弁に出力
するONパルス幅を長くするようにしていたため、図1
2に示すように、適正な制動液圧に対して、最後の出力
でオーバシュートする可能性が高い。このようにオーバ
シュートした場合、このオーバシュート分だけブレーキ
液がホイールシリンダからリザーバに無駄に排出される
ことになり、それだけ、リザーバのブレーキ液をマスタ
シリンダ側に汲み出すポンプの仕事量が増える。したが
って、この従来技術にあっては、一定の規則性によった
制御であるためμジャンプなどの変化に対する適応に限
界があるとともに、オーバシュートが発生して制御の収
束性が悪いという問題、オーバシュートの発生によりポ
ンプとして大容量のポンプが必要となり、コストおよび
重量の増加を招くという問題、上述のように一定周期の
制御により、ONパルス幅を徐々に広くしていった場
合、一定周期による共振およびONパルス幅を広い信号
を出力したときの大圧力変化により、音振性能の悪化を
招くおそれが高いという問題があった。
【0008】本発明は、上述の従来の問題に着目してな
されたもので、ON/OFF式のソレノイドバルブを用
いる安価な手段としながら、μジャンプなどに対する適
応性の高い制御を実行して制御収束性を向上させ、か
つ、これによりオーバシュートの発生を抑えて、消費液
量の減少を図り、リザーバから汲み出すポンプとして従
来よりも小容量のポンプの使用を可能として、コストお
よび重量の低減を図り、加えて、音振性能の向上を図る
ことを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明は、検出された車輪速度に基づいてON/
OFF式のソレノイドバルブに対して駆動信号を出力す
ることで制動液圧を調整して車輪のロックを防止するア
ンチスキッド制御装置であって、検出された車輪速度に
基づいて目標車輪速度を作成する目標車輪速度作成手段
と、前記目標車輪速度と車輪速度との偏差の積分値に基
づいて目標液圧を求める目標液圧演算手段と、前記目標
液圧に応じてソレノイドバルブに出力すべきONパルス
幅が、予め設定されたパルス幅設定値を越えた時点で前
記ONパルス幅の駆動信号を出力するパルス出力制御手
段と、を備えている手段とした。
【0010】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載のアンチスキッド制御装置において、前記パルス
幅設定値は、2〜8msecの範囲内の任意の値である
ことを特徴とする。
【0011】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
または2に記載のアンチスキッド制御装置において、前
記目標車輪速度作成手段は、車輪速度あるいは疑似車体
速度が上向きから下向きに変化する度に、この上向きか
ら下向きに変化したときのスピンアップ点近傍の車輪速
度から制動時の最適スリップ率が得られる車輪速度であ
る最適スリップ率値に向けて徐々に収束させる値に設定
することを特徴とする。
【0012】また、請求項4に記載の発明は、請求項3
に記載のアンチスキッド制御装置において、前記目標車
輪速度作成手段は、1次のローパスフィルタを用いて最
適スリップ率値に向けて収束させることを特徴とする。
【0013】また、請求項5に記載の発明は、請求項1
ないし4に記載のアンチスキッド制御装置において、前
記パルス出力制御手段は、前回駆動信号を出力した時点
から、30〜60msecの範囲内の判断設定時間より
も長い時間が経過した後の時点で、前記出力すべきON
パルス幅がパルス幅設定値を越えたか否かの判断を行う
ことを特徴とする。
【0014】また、請求項6に記載の発明は、請求項1
ないし5に記載のアンチスキッド制御装置において、前
記パルス出力制御手段は、減圧あるいは増圧の初回は、
車輪加速度に基づいて形成したフィードフォワード減圧
量およびフィードフォワード増圧量に応じたパルス幅の
フィードフォワード出力を行うことを特徴とする。
【0015】
【発明の作用および効果】本発明にあっては、目標車輪
速度と車輪速度との偏差の積分値に基づいて目標液圧を
求めるPI制御により、目標液圧に向けて可変出力を行
うようにしたために、路面ノイズなどの外乱の影響を受
けにくいとともに、オーバシュートを起こさない。した
がって、ブレーキ液の消費量が抑えられ、これによりポ
ンプ容量を抑えることが可能となり、ポンプの小型化を
図ることができるという効果が得られる。さらに、パル
ス出力制御手段は、ONパルス幅がパルス幅設定値を超
えた時点で駆動信号を出力するため、駆動信号の出力周
期が一定でなくなるとともに、大きなパルス幅の出力頻
度が抑えられ、音や振動の発生を低減させることができ
るという効果が得られる。
【0016】また、請求項2に記載の発明では、パルス
幅設定値を、2〜8msecの幅として、最小開弁時間
を小さくしたことによりオーバシュートおよびアンダシ
ュートを防止することができるとともに、圧力変動によ
る音や振動の発生を防止することができる。
【0017】請求項3に記載の発明では、目標車輪速度
を最適スリップ率値に収束させるようにしたため、目標
液圧がいきなり大きな値となり難く、初期の大パルス出
力を抑えて、音・振動の発生を抑えることができる。し
かも、目標液圧が徐々に最適スリップ率値に向かうこと
により、制御が緩やかになり、減圧・増圧の各制御サイ
クルが延び、これにより、減圧の頻度が小さくなって、
消費ブレーキ液量が低くなり、よって、ポンプの必要容
量が小さくなって、ポンプの小型化および軽量化を図る
ことができる。
【0018】請求項4に記載の発明では、目標車輪速度
が、1次遅れで最適スリップ率値に向けて収束するた
め、最適スリップ率への収束がさらに穏やかになり、上
述の減圧・増圧の各制御サイクルが延びることによるブ
レーキ液消費量の軽減および音・振動の発生防止が、よ
り顕著に得られる。
【0019】請求項5に記載の発明では、前回駆動信号
を出力してから次の駆動信号の出力までに、30〜60
msecの範囲内の判断設定時間を存在させたため、サ
イクル周期が延びて、上述のブレーキ液消費量の軽減お
よび音・振動の発生防止が、いっそう顕著に得られる。
【0020】請求項6に記載の発明では、減圧あるいは
増圧の初回は、車輪加速度に基づいて形成したフィード
フォワード減圧量およびフィードフォワード増圧量に応
じたパルス幅のフィードフォワード出力を行うようにし
たため、初期制御応答性を確保することができるという
効果が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。この実施の形態のアンチスキッ
ド制御装置は、全請求項に記載の発明に対応するもので
あり、前輪駆動車に適用されているものとする。まず、
実施の形態のアンチスキッド制御装置の構成について説
明するにあたり、最初に、ブレーキ装置の構成について
説明する。図2においてM/Cは、マスタシリンダを示
しており、このマスタシリンダM/Cは、4輪のホイー
ルシリンダW/Cに2系統のブレーキ回路1,1を介し
て接続されている。
【0022】各ブレーキ回路1は、分岐点1dにおいて
それぞれ2つのホイールシリンダW/Cに分岐され、ま
た、この分岐点1dの下流(ホイールシリンダW/C
側)に増圧弁5,5が設けられている。これら増圧弁5
は、非作動時にスプリング力により開弁状態となり、作
動時(通電時)に閉弁状態となる常開の2ポート2ポジ
ションのON/OFF式のソレノイドバルブにより構成
されている。また、各増圧弁5には、制動操作を終了し
たときにホイールシリンダW/Cから円滑にブレーキ液
を戻すためのバイパス路1hが並列に設けられ、このバ
イパス路1hに、下流(ホイールシリンダW/C側)か
ら上流(マスタシリンダM/C側)への戻りのみを許す
一方弁1gが設けられている。
【0023】また、各増圧弁5の下流には、ブレーキ回
路1とリザーバ7とを連通させるドレーン回路10が接
続されている。そして、これらドレーン回路10に減圧
弁6が設けられている。これら減圧弁6は、非作動時に
閉弁し、作動時に開弁する常閉の2ポート2ポジション
のON/OFF式のソレノイドバルブにより構成されて
いる。
【0024】前記ドレーン回路10は、還流回路11を
介して、各ブレーキ回路1において分岐点1dよりも上
流位置に接続されている。そして、前記還流回路11の
途中にリザーバ7に貯留されているブレーキ液をブレー
キ回路1に戻すポンプ4が設けられている。よって、前
記還流回路11は、吸入回路11aと吐出回路11bと
で構成されるものである。
【0025】前記ポンプ4は、モータMにより回転され
るカム4cにより対向して配置された1組のプランジャ
41が往復ストロークすることで、吸入回路11aから
ブレーキ液を吸入し、吐出回路11bへブレーキ液を吐
出させる構成であり、逆流防止用の吸入弁4aおよび吐
出弁4bが設けられ、吸入側にはフィルタ部材42が設
けられている一方、吐出側に脈動吸収用のダンパ4dが
設けられている。
【0026】したがって、このブレーキ装置では、制動
時に車輪がロック傾向になったときには、そのロック傾
向となった車輪のホイールシリンダW/Cに接続されて
いる回路中の増圧弁5を閉弁させる一方、減圧弁6を開
弁させてホイールシリンダW/Cのブレーキ液をリザー
バ7に抜いて制動液圧を低下させる減圧制御と、増圧弁
5を開弁状態に戻すとともに減圧弁6を閉弁状態に戻し
てマスタシリンダ圧をホイールシリンダW/Cに供給す
る増圧制御とを適宜繰り返し、あるいは必要に応じて増
圧弁5と減圧弁6との両方を閉弁させる保持制御を加え
て、車輪のロックを防止しつつ制動を行うアンチスキッ
ド制御を実行することができる。
【0027】このアンチスキッド制御は、図3に示すコ
ントロールユニット12により実行される。すなわち、
コントロールユニット12は、入力側に、前後の左右輪
の各車輪速度を検出する車輪速度センサ13が接続さ
れ、一方、出力側に、各輪に対応して設けられた一対の
増圧弁5および減圧弁6と、モータMとが接続されてい
る。
【0028】次に、コントロールユニット12が実行す
るアンチスキッド制御について説明する。図4はアンチ
スキッド制御の全体の流れを示している。本アンチスキ
ッド制御は、10msec周期で行うもので、まず、ス
テップ101では、10msec毎に発生する各車輪速
度センサ13のセンサパルス数と周期とからセンサ周波
数を求め、車輪速度Vwおよび車輪加速度△Vwを演算
する。なお、以下の説明あるいは図面において、符号V
wやΔVwなどの後に、FR,FL,RR,RL の符
号を付けた場合は、その車輪の車輪速度あるいは車輪加
速度を示すものであり、また、xxを付けた場合は、前
記符号FR,FL,RR,RL のいずれか、すなわち
各車輪の任意のいずれかを示すものである。ステップ1
02では、車輪速度Vwに基づいて疑似車体速度VIを
計算する。この疑似車体速度VIの演算の詳細について
は後述する。ステップ103では、疑似車体速度VIの
変化率に基づき車体減速度VIKを計算する。なお、こ
の車体減速度VIKの求め方については後述する。ステ
ップ104では、目標車輪速度VWMを計算する。な
お、その詳細について後述する。ステップ105では、
目標液圧PBを求めるPI制御演算処理を行う。このP
I制御の詳細については後述する。
【0029】ステップ106では、車輪速度VWが減圧
制御の開始判断閾値である最適スリップ率値VWS未満
であり、かつ、後述の増圧フラグZFLAGが増圧制御
を示す=1であるか否か判断し、YESすなわちVW<
VWSかつZFLAG=1の場合にはステップ107に
進み、NOの場合にはステップ108に進む。ここでス
テップ107では、ABS制御を実行していることを示
すアンチスキッドタイマAS=Aとし、かつ、保持を行
っていることを示す保持タイマTHOJI=0とし、減
圧制御を行っていることを示す減圧フラグGFLAG=
1とした後、ステップ109に進んで、減圧制御を実行
する。なお、この減圧制御にあっては、減圧弁6に向け
てデューティ信号を出力し、開弁量を制御することによ
り、減圧量を制御するものである。
【0030】次に、ステップ106においてNOと判断
された場合、ステップ108に進んで、以下の3つの条
件のいずれか1つを満たすか否か判断し、いずれかを満
たしている場合にはステップ107に進んで減圧制御を
実行し、いずれも満たしていない場合は、ステップ11
8に進んで、増圧・保持判断を行う。なお、ステップ1
08における3つの条件とは、1)フィードフォワード
減圧量FFGが減圧タイマDECTよりも大きい、2)
保持タイマTHOJIの値が30msecを越え、かつ
PB−(DECT−FFG)の値が8msecを越えて
いる、3)保持タイマTHOJIが60msecを越
え、かつPB−(DECT−FFG)が3msecを越
えている、である。なお、PBは現在の目標液圧であ
り、DECTは減圧処理時間の積分値である減圧タイマ
である。すなわち、減圧制御に進むのは、1)減圧カウ
ンタDECTがフィードフォワード減圧量FFGに達し
ていない場合、2)フィードフォワード減圧(これにつ
いては後述する)を実行後において、30msecの保
持を実行している間に、目標液圧PBが8msecを越
えた場合、3)同様に60msecの保持を実行してい
る間に、目標液圧PBが3msecを越えた場合、であ
る。また、ここで目標液圧PBは、後述する係数Kを乗
じることで減圧弁6の開弁時間に換算されている。
【0031】次に、ステップ110にあっては、以下の
3つの条件のいずれかを満足するか否かにより増圧・保
持判断を行い、3つのいずれかを満足した場合にはステ
ップ113の保持制御に進み、3つのいずれも満足しな
い場合には、ステップ111の増圧制御に進む。ここ
で、3つの条件とは、1)FFZ≦INCT、かつ、P
B+(INCT−FFZ)<−3msecの場合、2)
THOJI<60msecの場合、3)GFLAG=1
かつVWD>0gの場合、である。なお、FFZは、後
述するフィードフォワード増圧量、INCTは増圧制御
時間の積算値である増圧タイマである。また、増圧の場
合、増圧タイマINCTおよびフィードフォワード増圧
量FFZはいずれもマイナスの値で与えられる。すなわ
ち、増圧制御に進むのは、増圧タイマINCTがフィー
ドフォワード増圧量FFZに達していない場合、また
は、保持を60msec実行した後、または、減圧制御
の実行中に、車輪加速度VWDが0gを越えた場合、で
ある。
【0032】ステップ111の増圧制御を実行した後
は、ステップ112において、増圧フラグZFLAG=
1とし、かつ、保持タイマTHOJI=0にセットす
る。また、ステップ113の保持制御を実行した後は、
ステップ114の保持タイマTHOJIをインクリメン
ト(1加算)し、さらに続くステップ115において1
0msecが経過したか否か判断し、10msecが経
過したらステップ116に進み、10msecが経過す
るまではステップ115を繰り返す。
【0033】次に、ステップ116でも、ステップ11
5と同様に10msecが経過したか否か判断するもの
で、すなわち、ステップ109の減圧制御、あるいはス
テップ111の増圧制御を実行した後にステップ116
に進んだ場合、10msecが経過していない場合に
は、ステップ117に進んで、1msecが経過したか
否か判断し、1msecが経過したらステップ118に
進んで、GFLAG=1であるか否か判断し、GFLA
G=1(減圧制御中)の場合はステップ109に戻り、
GFLAG≠1(増圧制御中)の場合はステップ111
に進む。つまり、減圧制御あるいは増圧制御の場合は、
1msecごとにステップ109あるいはステップ11
1の処理を実行し、10msecが経過したところでス
テップ119に進んで、アンチスキッドタイマASを、
1だけ減算した値と、0との大きい方の値を選択し、ス
テップ101に戻る。
【0034】次に、ステップ102の疑似車体速度計算
の詳細について図5のフローチャートにより説明する。
まず、ステップ201では、4輪の車輪速度VWのうち
で最も高速の車輪速度を制御用車輪速度VFSとする。
次に、ステップ202において、アンチスキッドタイマ
AS=0であるか否か、すなわち減圧制御が実行された
後か否かを判定し、AS=0すなわち減圧前にはステッ
プ203に進み、AS≠0すなわち減圧後にはステップ
204に進む。減圧前の場合に進むステップ203で
は、制御用車輪速度VFSを、従動輪である後輪の車輪
速度VWRR,VWRLのうちの大きい方の値に設定す
るとともに、低μ路判断を示す低μフラグLoμFを0
にリセットする。
【0035】ステップ204では、疑似車体速度VIが
制御用車輪速度VFS以上であるか否か判断し、YES
すなわちVI≧VFSの場合は、ステップ205に進ん
で、VI=VI−(VIK)×kの演算式に基づいて車
体減速度VIKに基づいて疑似車体速度VIを求め、N
OすなわちVI<VFSの場合は、ステップ206以降
の処理により、車体減速度VIKに基づかずに疑似車体
速度VIを求める処理を行う。ステップ206では、演
算に用いる常数xを2km/hに設定し、続くステップ
207において、アンチスキッドタイマAS=0である
か、すなわち減圧実行後であるか否か判断し、AS=0
の場合は、ステップ208に進んで常数xを0.1km
/hなどの小さな値に設定し、続くステップ209にお
いて、VI=VI−xの演算により疑似車体速度VIを
求める。すなわち、好ましくは、減圧により車輪速度V
Wが疑似車体速度VIに戻るか、あるいはその後、疑似
車体速度VIから離反する点であるスピンアップ点、ま
たはこのスピンアップ点の近傍を越えると、車体減速度
VIKに基づいて疑似車体速度VIを求めるが、その
後、減圧により車輪速度VWが実車体速度に向けて復帰
することにより制御用車輪速度VFSが疑似車体速度V
Iを越えると、スピンアップ点が得られるまでの間は、
車体減速度VIKに基づくことなく、固定値に基づく演
算を行う。また、ステップ208は制御用車輪速度VF
Sが擬似車体速度VIよりも極端に大きな値をとった場
合のリミッタとしての機能を果たしている。
【0036】次に、図4のステップ103の車体減速度
計算処理について図6のフローチャートにより説明す
る。まず、ステップ401においてアンチスキッドタイ
マASが=0の状態から≠0の状態に切り替わったか否
か、すなわち、アンチスキッド制御開始時か否かの判断
を行い、アンチスキッド制御開始時(AS=0→AS≠
0)には、ステップ402に進んで、その時の疑似車体
速度VIを演算基準値V0として設定するとともに、演
算基準タイマT0=0にリセットっし、一方、アンチス
キッド制御開始時ではない(AS=0)場合は、そのま
まステップ403に進む。
【0037】続くステップ403では、演算基準タイマ
T0をインクリメント(1加算)する。次に、ステップ
404では、疑似車体速度VIが制御用車輪速度VFS
未満の状態から以上の状態に変化したか判断する。すな
わち、減圧により車輪速度VWが上昇して実車体速度に
復帰するが、これを疑似車体速度VIが上向きから下向
きに変化するスピンアップ点を検出することで判断する
もので、ステップ404では、このスピンアップ点が生
じたか否かを判断している。そして、スピンアップ点が
生じた際には、ステップ405に進んで、この時点の疑
似車体速度VIと、アンチスキッド制御開始時点の演算
基準値V0と、アンチスキッド制御開始時点から計測し
始めた演算基準タイマT0とに基づいたVI−(V0−
VI)/T0の式により車体減速度VIKを求める。
【0038】次に、ステップ406では、アンチスキッ
ドタイマASが0であるか否か判断し、AS=0の場
合、ステップ407に進んでVIK=1.3gに設定す
る。すなわち、アンチスキッド制御の1サイクル目にあ
っては、車輪速度VWが実車体速度よりも低下してい
て、スピンアップ点が生じていないため、ステップ40
5における車体減速度VIKを求める演算を行うことが
できない。そこで、スピンアップ点が生じて、実際の車
体減速度を演算できるようになるまでは、高μ路制動時
相当の固定値を用いる。
【0039】次に、図4のステップ104における目標
車輪速度計算処理の詳細について図7のフローチャート
により説明する。まず、ステップ501において、定数
xxを8km/hに設定する。次に、ステップ502に
おいて、車体減速度VIKが0.4g未満であるか、ま
たは低μフラグLoμFが1にセットされているか否か
判断し、YESすなわち路面が低μと推定される場合に
は、ステップ503に進んで定数xxを4km/hに変
更した後、ステップ504に進み、NOすなわち非低μ
路と推定される場合にはそのまま定数xxを変更するこ
となくステップ504に進む。
【0040】ステップ504では、最適スリップ率値V
WSを、VWS=0.95×VI−xxにより計算す
る。なお、この最適スリップ率値VWSは、現在の疑似
車体速度VIに対して効率良く制動力が得られるスリッ
プ率となる車輪速度を示している。続くステップ505
では、減圧制御を行っていることを示す減圧フラグGF
LAG=1であり、かつ、車輪加速度VWDが0.8g
よりも大きく、かつ、車輪速度VWが最適スリップ率値
VWSよりも大きいか否か判断し、YESの場合はステ
ップ506に進んで、目標車輪速度VWMを車輪速度V
Wとし、一方、NOの場合にはステップ507に進ん
で、目標車輪速度VWMを、1次遅れのローパスフィル
タにより、VWM=VWM10m前+(VWS10m前
−VWM10m前)×kの計算により求める。すなわ
ち、本実施の形態にあっては、減圧制御実行後に車輪加
速度VWDが所定値0.8gよりも大きな加速度で実車
速度に向けて復帰した時点では、目標車輪速度VWMを
車輪速度VWとし、この車輪速度VWが実車速度に近づ
いた、前記スピンアップ点近傍に達した時点からは、目
標車輪速度VWMを最適スリップ率値VWSに向けて一
次遅れで収束させる。なお、この目標車輪速度VWMの
変化は、図11のタイムチャートを参照のこと。
【0041】次に、図4のステップ105におけるPI
制御演算処理の詳細について図8のフローチャートによ
り説明する。ステップ601では、目標車輪速度VWM
と車輪速度VWとの偏差ΔVWを求める。続くステップ
602において、偏差ΔVWに圧力比例ゲインKPを掛
けて偏差ΔVWを制動液圧に換算した偏差圧力値PPを
求める。さらに、ステップ603において、積分圧力値
IPを、IP=IP10m前+KI×ΔVWより算出す
る。なお、IP10m前は、積分圧力値IPの1制御サ
イクル前の値である。
【0042】続くステップ604およびステップ605
では、車輪加速度VWD>0の状態からVWD≦0の状
態に変化したか否か、また、車輪速度VWが最適スリッ
プ率値VWSよりも大きい状態から、VW≦VWSの状
態に変化したか否か判断し、いずれかの変化があった場
合には、ステップ606に進んで積分圧力値IP=0と
し、その後、ステップ607において、目標液圧PB
を、PB=PP+IPにより求める。なお、この目標液
圧PBは、負の値の場合は増圧し、正の値の場合は減圧
することになる。
【0043】次に、図4のステップ110におけるソレ
ノイド減圧制御の詳細について図9のフローチャートに
より説明する。ステップ701では、増圧タイマINC
Tを=0にリセットするとともに、フィードバック増圧
量FFZを0にリセットする。ステップ702では、減
圧時間(特許請求の範囲のONパルス幅に相当する)G
AWをGAW=PB−(DECT−FFG)により求め
る。ステップ703では、増圧フラグZFLAGが1に
セットされているか否か、すなわち減圧制御の初回であ
るか否か判断し、ZFLAG=1であり減圧の初回であ
る場合はステップ704に進み、ZFLAG≠1の場合
はステップ704の処理を行うことなくステップ705
に進む。ステップ704では、フィードバック減圧量F
FGを、FFG=VWD×α/VIKにより求めるとと
もに、ZFLAG=0にリセットする。ここでは、初回
の減圧量をこの車輪加速度VWDに基づいて求めるもの
で、これを本明細書ではフィードフォワード減圧量とい
う。
【0044】次のステップ705では、以下の2条件の
いずれかを満足しているか否か判断し、いずれかを満足
している場合にはステップ707に進んで保持出力を行
い、いずれも満足していない場合にはステップ706に
進んで減圧出力を行うとともに、減圧タイマDECTの
インクリメント(1加算)を行う。前記ステップ705
における2条件とは、1)減圧時間GAWが0以下であ
り、かつ減圧タイマDECTがフィードフォワード減圧
量FFG以上である、2)車輪加速度VWDが0.8g
よりも大きい、の2つである。すなわち、減圧制御時に
は、初回は、減圧タイマDECTがフィードフォワード
減圧量FFGを越えるまでは減圧出力を行う。また、そ
の途中あるいはその後において、車輪加速度VWDが
0.8gよりも大となって、車体速度に向けて復帰して
いる場合には、減圧出力を中止して、保持出力を行う。
また、初回のフィードフォワード減圧量FFGの出力を
実行した後は、目標液圧PBにおいて、前回との差分だ
け出力する。この詳細については、後述する。
【0045】次に、図4のステップ111におけるソレ
ノイド増圧制御の詳細について図10のフローチャート
により説明する。ステップ801では、減圧制御を実行
している時間を計測する減圧カウンタDECTを=0に
リセットするとともに、フィードバック減圧量FFGを
0にリセットする。ステップ802では、増圧時間(特
許請求の範囲のONパルス幅に相当する)ZAWをZA
W=|PB+(INDT−FFZ)|により求める。ス
テップ803では、減圧フラグGFLAGが1にセット
されているか否か、すなわち増圧制御の初回であるか否
か判断し、GFLAG=1であり増圧の初回である場合
はステップ804に進み、GFLAG≠1の場合はステ
ップ804の処理を行うことなくステップ805に進
む。ステップ804では、フィードフォワード増圧量F
FZを、FFZ=VWD×β/VIKにより求めるとと
もに、GFLAG=0にリセットする。ここでは、初回
の増圧量を車輪加速度VWDに基づいて求めるものであ
り、これを本明細書ではフィードフォワード増圧量とい
う。
【0046】次のステップ805では、増圧時間ZAW
が0以下であり、かつ増圧タイマINCTがフィードフ
ォワード増圧量FFZ以上であるか否か判断し、YES
の場合にはステップ807に進んで保持出力を行い、N
Oの場合にはステップ806に進んで増圧出力を行うと
ともに、増圧タイマINCTをインクリメント(1加
算)する。すなわち、増圧制御時には、初回は、増圧タ
イマINCTがフィードフォワード増圧量FFZを越え
るまでは増圧出力を行う。その後は、増圧時間ZAWが
プラスになると出力する。この詳細については、後述す
る。
【0047】上述のコントロールユニット12において
アンチスキッド制御を実行する部分をブロック図により
示したものが図1である。図において目標車輪速度作成
部12aは、ステップ104の処理を行う部分であり、
疑似車体速度VI、車体減速度VIK、車輪速度VW、
車輪加速度VWDを入力して目標車輪速度VWMを作成
するもので、一次のローパスフィルタにより構成されて
いる。ここで形成された目標車輪速度VWMは、車輪速
度偏差演算部12bに入力されて偏差ΔVWが求められ
るものであり、この処理を行う部分がステップ601の
処理を実行する部分に相当する。目標液圧演算部12c
では、偏差ΔVWに基づいて偏差圧力値PPおよび積分
圧力値IPを求め、これらに基づいて目標液圧PBを演
算するものであり、この処理を行う部分が、ステップ6
02〜607の処理を行う部分である。また、目標液圧
PBは、パルス変換部12dにおいてパルスに変換され
てパルス出力制御部12eから出力される。このパルス
変換部12dおよびパルス出力制御部12eに相当する
のが、図4のステップ106〜119の処理を実行する
部分であり、目標液圧PBに基づいて得られた減圧時間
GAWおよび増圧時間ZAWに応じたONパルス幅を有
したデューティ信号が出力されることになる。
【0048】次に、図11のタイムチャートに基づいて
実施の形態の作用について説明する。このタイムチャー
トに示すように、制動により疑似車体速度VIが低下す
るのに伴って、目標車輪速度VWMは、車輪速度VWに
等しい値から、最適スリップ率値VWSに向けて収束す
るよう形成される。ここで目標車輪速度VWMが車輪速
度VWに等しい値というのは、車輪速度VWが上向きか
ら下向きに変化する時点の近傍の値であり、スピンアッ
プ点の近傍における車輪速度(≒車体速度)に相当す
る。
【0049】そこで図示のように、アンチスキッド制御
を開始していない状態で車輪速度VWが最適スリップ率
値VWSを下回ると(t1の時点)、ステップ106→
107→109の流れとなって減圧制御が開始される。
この減圧制御の初回にあっては、ステップ701→70
2→703→704の流れに基づいて、フィードフォワ
ード減圧量FFGが車輪加速度VWDおよび車体減速度
VIKに基づいて決定され、さらに、ステップ705→
706の流れに基づいて、減圧出力が成される。この減
圧出力は、減圧カウンタDECTが、フィードフォワー
ド減圧量FFGに達するまで成される。このタイムチャ
ートでは、t2の時点で、減圧カウンタDECTが、フ
ィードフォワード減圧量FFGに達し、その時点で、ス
テップステップ106→108→110→113の流れ
となって、保持制御が成される。ここで、図示のよう
に、t2の時点の後も、目標車輪速VWMと車輪速VW
との偏差△VWが生じると、ステップ105におけるP
I制御演算処理において偏差△VWを積算して形成され
る目標液圧PBも増加する。そして、この目標液圧PB
において、フィードフォワード減圧量FFGの分を差し
引いた値が時点t2から30msecの保持を行った時
点で8msecを越えているか、もしくは30〜60m
secの間に8msecを越えると、減圧出力が成さ
れ、あるいは時点t2から60msecの保持を終了し
た時点で3msecを越えているか、もしくはその後に
3msecを越えるかすると、減圧出力が成される。こ
の減圧出力は、ステップ702において、目標液圧PB
に基づいて得られた減圧時間GAWだけ成される。これ
が、図においてt3とt4の間に出力されている減圧出
力であり、緩減圧出力となる。すなわち、2回目以降の
減圧出力(緩減圧出力)は、1回目の出力から最も短時
間でも30msecが経過してから行われるものであ
り、この場合は、減圧時間GAWの値が8msecより
も大きくなった場合に実行される。また、60msec
が経過前であれば、減圧時間GAWが8msecを越え
た時点で減圧出力が成される。また、減圧時間GAWが
比較的小さい場合には、60msecが経過した後の時
点で、減圧時間GAWが3msecを越えた時点で、減
圧出力が成される。
【0050】このように、本実施の形態にあっては、緩
減圧を実行するにあたり、1次遅れの目標車輪速度VW
Mとの偏差に基づくPI制御により目標液圧PBを求
め、目標液圧PBが所定量貯まってから緩減圧出力を行
うようにしたため、オーバシュートが発生することが無
く、ポンプ4の容量を抑えることができ、しかも、制御
周期がばらつき、制御周期を一定にしたのに比べて、音
・振動の発生を低減させることができる。さらに、最初
のフィードフォワード減圧からの時間を、最低限30m
sec確保し、また、それ以降も同様に最低限の時間を
確保することから、減圧頻度を抑えるようにしながら
も、高μ路から低μ路のようなμ変化があっても減圧不
足が生じないようにすることができる。これにより、減
圧頻度を抑えてポンプ容量を低く抑えることを可能とし
ながら、目標液圧PBへの収束性を確保することができ
る。
【0051】次に、このタイムチャートの例では、t5
の時点で車輪速度VWが最適スリップ率値VWSを越え
ている。さらに、車輪加速度VWDが0.8gを越えて
疑似車体速度VIに向けて急激に復帰すると、図7のフ
ローチャートのステップ505においてYESと判断さ
れて目標車輪速度VWMは、車輪速度VWに設定され、
その後、スピンアップ点を迎えると(t6の時点)、目
標車輪速度VWMは、最適スリップ率値VWSに向けて
収束し、また、目標液圧PBも、PI制御により偏差Δ
VWが積分されるとともに、ステップ110→111の
流れとなって増圧制御が実行される。この増圧制御にお
いて、初回は、ステップ801→802→803→80
4の流れに基づいてフィードフォワード増圧量FFZに
よるフィードフォワード増圧が実行される(t6〜t
7)。その後、図11に示すようにPIフィードバック
制御による緩増圧が実行され(t7〜t8の間)、この
場合は、ステップ10の処理に基づき、偏差ΔVWから
得られる目標液圧PBが3msecを越える度に増圧出
力が実行される。この実施の形態では、緩増圧出力を行
うたびに偏差ΔVWが小さくなることから、目標液圧P
Bが3msecとなるタイミングが時間経過とともに、
徐々に遅くなり、緩増圧出力の間隔が広がっている。な
お、本実施の形態で用いた増圧弁5にあっては、3ms
ecの開弁というのは、ブレーキ液の粘性が高い状態で
もブレーキ液の供給を確実に行うことができるととも
に、騒音や振動を発生させずに液圧供給を行うことがで
きる開弁時間である。
【0052】このように、本実施の形態では、フィード
フォワード増圧を行った後に、1次遅れの目標車輪速度
VWMと車輪速度VWとの偏差ΔVWに基づいて形成し
た目標液圧PBが3msecとなる毎に緩増圧出力を行
うようにしたため、緩増圧においてオーバシュートが生
じることがなくなり、ブレーキ液の消費量が減って、ポ
ンプ4の必用容量を低減させることができ、また、制御
周期が不定期となるとともに、1回の出力における液圧
変化量が低減され、騒音・振動の発生を抑えることがで
きる。さらに、上記のようにオーバシュートが無くなる
のに加えて、上述のように3msec毎の増圧出力によ
り目標液圧PBに向けてゆっくりと収束するように制御
を実行することで、増圧時間が長くなるため、次の減圧
を実行するまでの時間が長くなり、したがって、減圧頻
度および減圧量が抑えられて、ポンプ4の容量を低く抑
えることができ、ポンプ4のコストダウンおよび重量軽
減を図ることができる。また、3msec毎の出力であ
るが、その時の出力は、目標液圧PB分であり、出力量
が制限されているものではないため、低μ路から高μ路
へのμジャンプが生じた場合には、それ応じて大きくな
った目標液圧PBの値に応じた出力を行うことになり、
対応することができる。
【0053】以上のように、本実施の形態では、増圧弁
5および減圧弁6として安価なON/OFF式のソレノ
イドバルブを用いるとともに、入力手段として高価な前
後加速度センサを用いない構成でありながら、緩減圧・
緩増圧の両方において、オーバシュートを防止するとと
もに作動頻度を抑えることにより、消費ブレーキ液量を
低減させることができ、ポンプ4の小型化を図ることが
できるという効果が得られる。さらに、緩減圧・緩増圧
の両方において、制御周期をばらつかせるとともに、1
回の圧力変動を低く抑えているため、音・振動の発生を
防止できるという効果が得られる。上記の効果を得るに
あたり、PI制御に基づいて目標液圧PBに向けて収束
させる制御を用いているため、高い制御精度を得ること
ができ、μジャンプなどにも対応できる。
【0054】以上、図面により実施の形態について説明
してきたが、本発明は、この実施の形態に限定されるも
のではない。例えば、実施の形態では、目標液圧PBが
3msecとなったり、8msecとなったりした時点
で増圧出力あるいは減圧出力を行うようにしたが、この
値はこれらの値に限定されない。ただし、この値は、適
用するブレーキ装置の特性に応じ、低温下による粘性が
高い状態においてブレーキ液の流通が確実に生じる範囲
内の最小の開弁時間と、音・振動が発生しない範囲内の
最大の開弁時間との間の値に設定するのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態のアンチスキッド制御装置の要部を
示すブロック図である。
【図2】実施の形態のアンチスキッド制御装置の全体図
である。
【図3】実施の形態のコントロールユニットを示すブロ
ック図である。
【図4】実施の形態におけるアンチスキッド制御の流れ
を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態における疑似車体速度計算の流れを
示すフローチャートである。
【図6】実施の形態における車体減速度計算の流れを示
すフローチャートである。
【図7】実施の形態における目標車輪速度計算の流れを
示すフローチャートである。
【図8】実施の形態におけるPI制御演算処理の流れを
示すフローチャートである。
【図9】実施の形態における減圧制御の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図10】実施の形態における増圧制御の流れを示すフ
ローチャートである。
【図11】実施の形態の作動例を示すタイムチャートで
ある。
【図12】従来技術の作動例を示すタイムチャートであ
る。
【符号の説明】
1 ブレーキ回路 1d 分岐点 1g 一方弁 1h バイパス路 2 ポート 4 ポンプ 4a 吸入弁 4b 吐出弁 4c カム 4d ダンパ 41 プランジャ 42 フィルタ部材 5 増圧弁 6 減圧弁 7 リザーバ 10 ドレーン回路 11 還流回路 11a 吸入回路 11b 吐出回路 12 コントロールユニット 12a 目標車輪速度作成部 12b 車輪速度偏差演算部 12c 目標液圧演算部 12d パルス変換部 12e パルス出力制御部 13 車輪速度センサ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出された車輪速度に基づいてON/O
    FF式のソレノイドバルブに対して駆動信号を出力する
    ことで制動液圧を調整して車輪のロックを防止するアン
    チスキッド制御装置であって、 検出された車輪速度に基づいて目標車輪速度を作成する
    目標車輪速度作成手段と、 前記目標車輪速度と車輪速度との偏差の積分値に基づい
    て目標液圧を求める目標液圧演算手段と、 前記目標液圧に応じてソレノイドバルブに出力すべきO
    Nパルス幅が、予め設定されたパルス幅設定値を越えた
    時点で前記ONパルス幅の駆動信号を出力するパルス出
    力制御手段と、を備えていることを特徴とするアンチス
    キッド制御装置。
  2. 【請求項2】 前記パルス幅設定値は、2〜8msec
    の範囲内の任意の値であることを特徴とする請求項1に
    記載のアンチスキッド制御装置。
  3. 【請求項3】 前記目標車輪速度作成手段は、車輪速度
    あるいは疑似車体速度が上向きから下向きに変化する度
    に、この上向きから下向きに変化したときのスピンアッ
    プ点近傍の車輪速度から制動時の最適スリップ率が得ら
    れる車輪速度である最適スリップ率値に向けて徐々に収
    束させる値に設定することを特徴とする請求項1または
    2に記載のアンチスキッド制御装置。
  4. 【請求項4】 前記目標車輪速度作成手段は、1次のロ
    ーパスフィルタを用いて最適スリップ率値に向けて収束
    させることを特徴とする請求項3に記載のアンチスキッ
    ド制御装置。
  5. 【請求項5】 前記パルス出力制御手段は、前回駆動信
    号を出力した時点から、30〜60msecの範囲内の
    判断設定時間よりも長い時間が経過した後の時点で、前
    記出力すべきONパルス幅がパルス幅設定値を越えたか
    否かの判断を行うことを特徴とする請求項1ないし4に
    記載のアンチスキッド制御装置。
  6. 【請求項6】 前記パルス出力制御手段は、減圧あるい
    は増圧の初回は、車輪加速度に基づいて形成したフィー
    ドフォワード減圧量およびフィードフォワード増圧量に
    応じたパルス幅のフィードフォワード出力を行うことを
    特徴とする請求項1ないし5に記載のアンチスキッド制
    御装置。
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