JP2002273885A - インクジェットヘッド - Google Patents
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Abstract
ルを有し、しかも、長時間駆動してもインク液滴の吐出
を安定して行うことができ、さらに、生産上の歩留まり
が低下することのない量産に適した構成のインクジェッ
トヘッドを提供する。 【解決手段】シリコン基板上に設けられたインク吐出手
段と、このインク吐出手段に対応して配置されたインク
吐出ノズルを有するプレートを備えるインクジェットヘ
ッドであって、前記プレート22がアラミドからなるフ
ィルムである。あるいは、前記プレート22は、前記シ
リコン基板16の線膨張係数の50%以上200%以下
の線膨張係数の材料によって形成される。また、前記イ
ンク吐出ノズル20に連通する個別インク通路42を形
成する隔壁層18が基板16’上に設けられ、この隔壁
層18の上層に透明なプレート22’が紫外線硬化接着
剤で貼着されている。
Description
媒体に飛翔させて記録するインクジェットヘッドに関す
るものである。
インクジェットプリンタが普及しているが、画像等を写
真のように高精度の画像が高速に出力できるように、イ
ンク吐出ノズルから吐出されるインク液滴のサイズが小
さく、しかも、インク吐出ノズルが高密度に、しかも大
規模に配列されたインクジェットヘッドが望まれてい
る。このようなインクジェットプリンタには、インク液
滴を吐出する方式として、所定の電圧を印加し、ピエゾ
素子や圧電セラミック等のような圧電素子の容積が変化
することによってインク液滴を吐出させる圧電方式や、
所定の電圧を印加し、発熱素子の加熱によってインク液
の局部的沸騰によって気泡を発生させ、この気泡を用い
てインク液滴を吐出させる加熱方式等がある。
プロセスの技術を用いて発熱抵抗体を有する発熱素子を
高精度に配置し、高密度に大規模配列でインクを吐出す
る種々のインクジェットヘッドが種々提案されている。
例えば特開平6−297714号公報が挙げられる。上
記公報によると、シリコン基板上に保護層の不要な発熱
抵抗体を有する発熱素子や、インク吐出ノズルからイン
ク液滴を吐出するための個別インク通路やこの個別イン
ク通路にインクを供給するインク供給路等を半導体プロ
セスの技術を用いて形成するとともに、この同じシリコ
ン基板にLSI駆動回路を設けるインクジェットヘッド
によって、高密度に大規模配列でインクの吐出を行うこ
とが可能となるとされている。特に、インクの吐出を高
密度に大規模配列で行う場合、インク液滴が所望の方向
に正確に吐出できるように、インク吐出ノズルの形状が
精度高く形成されていることが望まれる。
トヘッドを長時間駆動すると、発熱抵抗体の発熱によっ
て、インクジェットヘッドが加熱され、その結果、イン
ク液滴の吐出や飛翔する方向が不安定になることがあ
る。例えば、発熱抵抗体の発熱によって沸騰したインク
液内の気泡の膨張により、インク液をインク吐出ノズル
から吐出させる際、インク吐出ノズルを有するプレート
が過度に熱せられて撓みや反りが生じ、その結果インク
吐出ノズルのノズル形状が変形し、インク液滴が所望の
方向に飛翔しなくなったり、最悪の場合インク吐出ノズ
ルを形成するプレートが剥離して、インク液滴が飛翔し
なくなる。
基板上に個別インク通路やインク供給路を形成する隔壁
層を設け、この隔壁層の上に、個別インク通路に対応し
たインク吐出ノズルを形成するプレートを設けるが、隔
壁層とこのプレートとは、生産効率向上の点から硬化時
間を短縮するために硬化温度を高く設定して接着を行
う。そのため、高い硬化温度によりプレートが撓んだり
反ったり、インク吐出ノズルの形状が変形し、所望のイ
ンク吐出ノズル形状を有するインクジェットヘッドがな
かなか得られないといった歩留りの低下につながる。こ
のような問題は、発熱素子を用いた加熱方式のみなら
ず、ピエゾ素子等の圧電素子を用いた圧電方式において
も発生する問題である。
圧電方式のインクジェットヘッドにおいて、チタン酸ジ
ルコン酸亜鉛(PZT)により製作されたアクチュエー
タ部材と接合するノズルプレートに、PZTの線膨張係
数と類似する線膨張係数を有するアラミド樹脂を用いる
ことが提案されている。しかし、上記公報では、アクチ
ュエータ部材とノズルプレートとの接合のために加熱硬
化型接着剤を用いるため、アクチュエータ部材とノズル
プレートとの線膨張係数の差異によって、高密度にノズ
ルの配列されたノズルプレートにノズルの形状を変形さ
せる程度の撓みや反りが発生する。しかも、加熱硬化型
接着剤を硬化させるまでに、ノズルプレートとアクチュ
エータ部材の間に位置する流動性の高い接着剤は、アク
チュエータ部材に設けられた溝内に流れ込み、インク液
滴の吐出に影響を与える、PZTに高精度に作成された
溝の体積をばらつかせる。そのため、ノズルから吐出す
るインク液滴の吐出速度やインク液滴のサイズがノズル
間でばらつくといった問題もある。
めに、高集積化され高密度配列されたインク吐出ノズル
を有し、しかも、長時間駆動してもインク液滴の吐出を
安定して行うことができ、さらに、生産上の歩留まりが
低下することのない量産に適した構成のインクジェット
ヘッドを提供することを目的とする。
に、本発明は、シリコン基板上に設けられたインク吐出
手段と、このインク吐出手段に対応する位置に配置され
たインク吐出ノズルを有するプレートを備え、前記イン
ク吐出手段を用いて前記インク吐出ノズルからインク液
滴を吐出するインクジェットヘッドであって、前記プレ
ートがアラミドからなるフィルムであることを特徴とす
るインクジェットヘッドを提供するものである。
れたインク吐出手段と、このインク吐出手段に対応して
配置されたインク吐出ノズルを有するプレートを備え、
前記インク吐出手段を用いて前記インク吐出ノズルから
インク液滴を吐出するインクジェットヘッドであって、
前記プレートが、前記シリコン基板の線膨張係数の50
%以上200%以下の線膨張係数を有するフィルムであ
ることを特徴とするインクジェットヘッドを提供する。
記プレートは、前記シリコン基板の面に沿って配置され
るのが好ましく、前記インク吐出手段は、インク液を沸
騰させて前記インク吐出ノズルからインク液滴を吐出ず
る発熱素子であるのが好ましい。また、前記プレートの
厚みは、15μm以下であるのが好ましい。
ク吐出手段と、このインク吐出手段に対応して配置され
たインク吐出ノズルを有する透明なプレートを備え、前
記インク吐出手段を用いて前記インク吐出ノズルからイ
ンク液滴を吐出するインクジェットヘッドであって、前
記プレートが、紫外線硬化接着剤を用いて前記基板上に
貼着されたことを特徴とするインクジェットヘッドを提
供する。
ズルに連通するインク通路を形成する隔壁層が設けら
れ、前記プレートは、前記隔壁層の上層に貼着されるの
が好ましい。また、前記インク吐出手段は、インク液を
沸騰させて前記インク吐出ノズルからインク液滴を吐出
する発熱素子であるのが好ましい。さらに、前記プレー
トの厚さは、50μm以下、より好ましくは20μm以
下、さらに好ましくは15μm以下であるのがよい。
ッドについて、添付の図面に示される好適実施例を基に
詳細に説明する。
好適実施例であるインクジェットヘッド10をインク吐
出ノズル面から見た平面図であり、図2は、図1に示す
A−A’線からインクジェットヘッド10の断面を見た
断面図であり、図3は、図2に示す領域Bを拡大した断
面図である。
ように、A4フルカラーインクジェットプリンタ用ライ
ンヘッドであり、6インチウエハから得られるモノリシ
ックなシリコン基板上に後述する構成を有する基板10
aおよび10bが中央で突き合わされて、実装フレーム
11に取り付けられている。
には、例えば、720dpi(ドット/インチ)の密度
で6048個のインク吐出ノズルが配列されているノズ
ル列12、すなわち、ブラック用ノズル列12b、イエ
ロー用ノズル列12y、シアン用ノズル列12cおよび
マゼンタ用ノズル列12mが設けられる。これらのノズ
ル列には、210mmの長さに総数24192個のイン
ク吐出ノズルが並んでいる。このような各色のノズル列
12のインク吐出ノズル各々は、図3に示すように、後
述する個別インク通路と発熱素子とを有する同様のイン
ク吐出機構を有している。ここで、図2に示す領域Bの
インク吐出ノズルに対応するインク吐出機構14を例に
とって説明する。
ンク吐出機構14の断面構造が示されている。インク吐
出機構14は、シリコン基板16と、隔壁層18と、イ
ンク吐出ノズル20を備えるプレート22とが積層され
た構造である。シリコン基板16には、エッチング等に
よって、例えば150μm加工されて、各インクのノズ
ル列12に割り当てられるインク供給路24が形成され
る。また、図3中、プレート22のインク吐出ノズル2
0下方直下に発熱抵抗体26がスパッタ法によって形成
される。インク供給路24の底面には、シリコン基板1
6の裏面に貫通する連結用インク孔36が間欠的に設け
られ、インク供給路24は、インクタンク40と接続さ
れるインクタンク接続路38と連通し、常時インクがイ
ンク供給路24に供給される構成となっている。
るための配線導体28、30が接続され、配線導体28
は、シリコン基板16上に設けられた耐エッチング層や
断熱層(いずれも図示されない)を横切る図示されない
スルーホール接続部を通して、シフトレジスタ回路およ
びドライバ回路を有する駆動用LSI34のコレクタ電
極に接続されている。また、配線導体30は接地されて
いる。ここで、駆動用LSI34は、図示されないプリ
ンタ制御部から配線されているデータ線、クロック線、
および2本の電源線の計4本と接続され、また、基板1
0aあるいは10bの側方から配線されているアース線
が発熱素子32の配線導体30と接続されている。
られ、インク通路である個別インク通路42とインク供
給路24を形成する。隔壁層18は、耐水性フィルムレ
ジストをシリコン基板16上に接着し、個別インク通路
42とインク供給路24の部分のレジストを除去するこ
とによって形成され、配線導体28の一部分と駆動用L
SI34を覆う。本実施例では、耐水性フィルムレジス
トを隔壁層18とするものであるが、ポリイミドを用い
てもよい。
備えるプレートで、芳香族ポリアミドであるアラミドか
らなるフィルムが用いられる。また、プレート22には
インク吐出ノズルが設けられノズル列12が形成される
が、このインク吐出ノズルは、プレート22が隔壁層1
8の上に、シリコン基板16に沿って、紫外線硬化接着
剤を用いて接着され、その後、インク吐出ノズルの形成
される部分に孔があいたシリコーン系フォトレジストを
マスクとして利用して反応性イオンエッチングによって
インク吐出ノズルが形成される。フォトレジストのマス
クのパターニングは、半導体プロセスの技術を用い、シ
リコン基板16上に焼き付けられた位置合わせパターン
等を基準として正確に位置合わせして行われるので、発
熱素子32の上方の所定の位置にインク吐出ノズル20
を正確に、高密度に、しかも容易に形成することができ
る。
フィルムを用いるのは、アラミドの線膨張係数が、4×
10-6(mm/mm/℃)で、シリコン基板16のシリ
コンの線膨張係数3×10-6(mm/mm/℃)と近い
ため、発熱素子32を長時間駆動して、シリコン基板1
6やプレート22が高温になっても、線膨張係数が略同
じであるので、シリコン基板16に対してプレート22
が反ったり、あるいは撓んだりしない。その結果、プレ
ート22に設けられるインク吐出ノズル20の形状が熱
によって変形することがなく、発熱素子32を長時間駆
動してもインク液滴を安定して吐出することができる。
なるフィルムを用いるが、本発明においては、アラミド
の替わりに、シリコン基板16のシリコンの線膨張係数
の50%以上200%以内(1.5〜6×10-6(mm
/mm/℃))の線膨張係数を持つ材料からなるプレー
ト材を用いてもよい。このようなプレート材は、ポリマ
ー材であってもよいしガラス材であってもよい。ガラス
材としては、例えば、線膨張係数が略3.5×10
-6(mm/mm/℃)のホウケイ酸ガラスが挙げられ
る。プレート材の線膨張係数がシリコン基板16のシリ
コンの線膨張係数の50%以上200%以内の線膨張係
数である場合、高密度で大規模配列したインク吐出ノズ
ル、例えば720dpiで6048個配列したインク吐
出ノズルのそれぞれに対応した発熱素子32を長時間駆
動して、シリコン基板16やプレート22が高温になっ
ても、シリコン基板16に対してプレート22が反った
りあるいは撓んだりしない。
場合、プレート22は隔壁層18との接着性が向上す
る。しかも、接着剤は、加熱硬化型接着剤でなく、後述
する紫外線硬化接着剤を用いて隔壁層18上に接着する
ので、隔壁層とこのプレートとは、接着工程中加熱され
ず、従って、アラミドとシリコンの線膨張係数の僅かな
差異によってプレート22が反ったり撓むことはなくな
る。従って、所望のインク吐出ノズル形状を有するイン
クジェットヘッドを容易に得ることができ生産上の歩留
まりが従来より向上する。勿論、加熱硬化型接着剤を用
いても、従来よりもプレート22の撓みや反りが小さく
なり有効である。
m以下であるのが好ましい。プレート22の厚みを15
μm以下としても、アラミドはポリイミド等と異なり、
ヤング率が高いので剛性が高く、同じ厚みのポリイミド
からなるプレートと比べて、取り扱い易く、また、うね
りのない状態でプレート22を隔壁層18に効率よく接
着することができる。また、反応性イオンエッチングを
用いてインク吐出ノズルを加工するので、加工時間も短
くなる。発熱素子32が長時間駆動されてプレート22
が加熱されても、15μm以下の厚みのプレート22
は、両側の面間の温度差が小さく、その結果、プレート
22内の温度差に基づいてプレート22自体が反ったり
撓んだりすることはない。さらに、製造工程中、隔壁層
18に接着され、エッチングによってインク吐出ノズル
が形成されたプレート22の余分な部分は、ダイヤモン
ドブレード等を用いて容易に切削除去できる。また、プ
レート22は、15μm以下の厚みとなっているので、
プレート22は透明で紫外線吸収も小さく、紫外線硬化
接着剤を用いて比較的短時間で接着することができる。
さらに、15μm以下の厚みのプレート22は透明とな
るので、シリコン基板16上に焼き付けられた位置合わ
せパターン上にプレート22が貼り付けられた場合でも
正確に位置合わせを行うことができる。
とすることで、図4に示すように、インク吐出ノズルの
経路長が短くなるので、発熱素子32が加熱されてでき
た気泡46の上方に位置するインク吐出ノズル20経路
内のインク量は少なくなる。従って、インク液滴44と
して吐出されるインク量は少なくなり、高密度かつ大規
模配列で行うインクの吐出に伴って、サイズの小さなイ
ンク液滴を吐出させることができる。
ク吐出ノズル20からインク液滴を吐出する発熱素子3
2をインク吐出手段として用いるものであるが、本発明
におけるインク吐出手段は、所定電圧に応じてピエゾ素
子等の圧電素子の容積を変化させてインク液滴を吐出さ
せる圧電方式であってもよい。また、インク吐出ノズル
20を有するプレート22は、シリコン基板16の面に
沿って配置され、シリコン基板16上に設けられる発熱
素子32の発熱抵抗体26の面に対して略垂直方向にイ
ンク吐出ノズル20からインク液滴を吐出させるトップ
シュータ方式であるが、本発明においては、発熱素子の
発熱抵抗体の面と略平行にインク液滴を吐出させるサイ
ドシュータ方式であってもよい。しかし、トップシュー
タ方式は、シリコン基板16の面に沿ってプレート22
が配置されるので、プレート22やシリコン基板16の
膨張によって生じる変形量も大きくなり易い。従って、
より効果的に本発明を達成する点から、トップシュータ
方式が好ましい。
れる。
されないプリンタ制御部からデータ線を通じて送られた
信号に基づいて、発熱素子32が発熱し、個別インク通
路42の発熱抵抗体32上に位置するインク液を加熱し
て沸騰させ、図4に示すように気泡46を発生させる。
気泡46は急激に膨張して、インク吐出ノズル20の経
路内のインクを上方に押し上げ、インク液滴44を吐出
させる。その後、気泡46は、大気と連通するととも
に、断熱膨張により冷却して収縮を開始し消滅する。こ
れによってインク液滴の1回の吐出が終了する。
くと、シリコン基板16やプレート22に熱が徐々に蓄
積され、高温となっていく。しかし、シリコン基板16
とプレート22は、線膨張係数が略同じであるので、
プレート22が歪みを受けることはなく、その結果、プ
レート22に撓みや反りが発生することはない。しか
も、歪みを受けないので、インク吐出ノズル20の形状
が変形することもなく、インク吐出ノズル20の変形に
よる飛翔方向の変化も発生しない。したがって、発熱素
子32が長時間駆動してもインク液滴の飛翔方向が変化
することはなく、インク吐出方向は維持される。また、
プレート22が高温になっても、プレート22の厚みが
15μm以下の場合、プレート22の両側の面間の温度
差が小さく、プレート22自体の温度差によって生じる
撓みや反りは殆ど発生せず、インク吐出ノズル20の形
状が変化することもない。
と同一の構造を有するインクジェットヘッドであるが、
インクジェットヘッド10のインク吐出機構14に替え
て、下記インクジェットヘッドのインク吐出機構14’
(図3参照)を用いたものであってもよい。すなわち、
インクジェットヘッドのインク吐出機構14’は、基板
16’上に設けられた発熱素子32と、この発熱素子3
2に対応して配置されたインク吐出ノズル20を有する
透明なプレート22’を備え、発熱素子32を用いてイ
ンク吐出ノズル20からインク液滴を吐出するものであ
って、プレート22’が、紫外線硬化接着剤を用いて基
板16’上に貼着されていることを特徴とする。具体的
には、インク吐出機構14’は、図3と同一の構造を有
し、シリコン基板16が基板16’に、アラミドからな
るプレート22がプレート22’に置き換えられて、同
一の隔壁層18とプレート22’が紫外線硬化接着剤で
貼着された構造である。上記構造以外は、インク吐出機
構14と同一であるので、説明は省略する。
エーテルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキ
シアクリレート、アミノ樹脂アクリレート、アクリル樹
脂アクリレート、あるいは不飽和ポリエステル等の、紫
外線を照射することによってラジカル付加重合をおこす
樹脂、あるいは、カチオン重合をおこす樹脂、チオール
・エン付加型の樹脂を挙げることができる。
セラミックやガラスやGa−As等の各種化合物からな
る部材であればよく、特に限定されない。一方、プレー
ト22’は、アラミドの他に、ポリイミドやアクリルや
PEN(ポリエーテルニトリル)等の樹脂やSiO2 の
無機材料からなるプレート材を用いてもよい。プレート
22’は、波長が略400nm近傍の紫外線を少なくと
も透過率が5%以上、好ましくは10%以上で透過する
ように、厚さが50μm以下であることが好ましく、よ
り好ましくは、20μm以下、さらに好ましくは、15
μm以下であるのがよい。プレート22’がアラミドか
らなる場合、発熱素子32が長時間駆動されてプレート
22が加熱されても、両側の面間の温度差が小さく、そ
の結果、プレート22内の温度差に基づいてプレート2
2’自体が反ったり撓んだりすることがないように、厚
さが15μm以下であるのがよい。さらに、プレート2
2’が、基板16’の線膨張係数の50%以上200%
以下の線膨張係数の材料によって形成されたフィルムで
あってもよい。
明なプレート22’の隔壁層18との貼り合わせ面に紫
外線硬化接着剤の層が設けられ、プレート22’を隔壁
層18に載置した後、紫外線をプレート22’から照射
し、プレート22’を透過した紫外線を用いて、隔壁層
とプレートとの間の紫外線硬化接着剤の層を硬化させ
る。このようにして、紫外線硬化接着剤を用いて、プレ
ート22’を隔壁層18の上層に貼着するので、隔壁層
18とプレート22’とは、加熱硬化型接着剤と異な
り、接着工程中高温とならない。従って、プレート2
2’と基板16’との線膨張係数の僅かな差異によって
プレート22’が反ったり撓むことはない。従って、所
望のインク吐出ノズル形状を有するインクジェットヘッ
ドを容易に得ることができ生産上の歩留まりが従来より
向上する。また、加熱硬化型接着剤の場合、プレートを
隔壁層の所定の位置に合わせて載置した際に、流動状態
の接着剤が個別インク通路42やインク供給路24内に
流れこみ、個別インク通路42やインク供給路24の領
域を狭くしたり、各個別インク通路42やインク供給路
24の体積にインク吐出ノズル間でばらつきを生じさせ
るといった不都合も解消する。
いて詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はさ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の
改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
され高密度配列されたインク吐出ノズルを有するプレー
トとして、シリコン基板と略同じ線膨張係数を有する材
料、例えば、アラミドからなるフィルムを用いるので、
インクジェットヘッドを長時間駆動した際にも、プレー
トが撓んだり反ったりすることがなく、インク吐出方向
が変化せず、印字品質は一定に保たれる。さらに、アラ
ミドからなるフィルムはヤング率が高く剛性が高いの
で、厚みを薄くすることができ、うねりのないプレート
を容易に貼り付けることができ、しかも、有機材料から
なる隔壁層との接着性も向上する。特に、プレートの厚
みを15μmとすることで、両側の面間の温度差が小さ
く、プレート自体が反ったり撓んだりすることはない。
さらに、製造工程中、接着されたプレートの余分な部分
は、ダイヤモンドブレード等を用いて容易に切削除去す
ることができる。
用することで、紫外線硬化接着剤を用いて比較的短時間
に貼着することができる。しかも、加熱硬化型接着剤を
用いた場合のように接着工程中高温とならないので、プ
レートが反ったり撓むことはなく、生産上の歩留まりを
向上させることができる。さらに、加熱硬化型接着剤の
ように、硬化するまでの間に接着剤が流動して、個別イ
ンク通路やインク供給路の体積をインク吐出ノズル間で
ばらつかせることもない。さらに、プレートは透明とな
っているので、シリコン基板上に焼き付けられた位置合
わせパターン上にプレートが張り付けられても、従来の
半導体プロセスを用いて正確に位置合わせすることがで
きる。さらに、インク吐出ノズルの経路長さが短くな
り、インク吐出の高密度化、大規模配列に伴う、サイズ
の小さなインク液滴の吐出を可能とする。
であるインクジェットヘッドをインク吐出ノズル面から
見た平面図である。
トヘッドの断面を示す断面図である。
インク液滴がインク吐出ノズルから吐出する様子を説明
する図である。
Claims (9)
- 【請求項1】シリコン基板上に設けられたインク吐出手
段と、このインク吐出手段に対応して配置されたインク
吐出ノズルを有するプレートを備え、前記インク吐出手
段を用いて前記インク吐出ノズルからインク液滴を吐出
するインクジェットヘッドであって、 前記プレートがアラミドからなるフィルムであることを
特徴とするインクジェットヘッド。 - 【請求項2】シリコン基板上に設けられたインク吐出手
段と、このインク吐出手段に対応して配置されたインク
吐出ノズルを有するプレートを備え、前記インク吐出手
段を用いて前記インク吐出ノズルからインク液滴を吐出
するインクジェットヘッドであって、 前記プレートが、前記シリコン基板の線膨張係数の50
%以上200%以下の線膨張係数を有するフィルムであ
ることを特徴とするインクジェットヘッド。 - 【請求項3】前記インク吐出ノズルを有する前記プレー
トは、前記シリコン基板の面に沿って配置される請求項
1または2に記載のインクジェットヘッド。 - 【請求項4】前記インク吐出手段は、インク液を沸騰さ
せて前記インク吐出ノズルからインク液滴を吐出する発
熱素子である請求項1〜3のいずれかに記載のインクジ
ェットヘッド。 - 【請求項5】前記プレートの厚みは、15μm以下であ
る請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェットヘッ
ド。 - 【請求項6】基板上に設けられたインク吐出手段と、こ
のインク吐出手段に対応して配置されたインク吐出ノズ
ルを有する透明なプレートを備え、前記インク吐出手段
を用いて前記インク吐出ノズルからインク液滴を吐出す
るインクジェットヘッドであって、 前記プレートが、紫外線硬化接着剤を用いて前記基板上
に貼着されたことを特徴とするインクジェットヘッド。 - 【請求項7】前記基板上に、前記インク吐出ノズルに連
通するインク通路を形成する隔壁層が設けられ、 前記プレートが前記隔壁層の上層に貼着された請求項6
に記載のインクジェットヘッド。 - 【請求項8】前記インク吐出手段は、インク液を沸騰さ
せて前記インク吐出ノズルからインク液滴を吐出する発
熱素子である請求項6または7に記載のインクジェット
ヘッド。 - 【請求項9】前記プレートの厚さは、50μm以下であ
る請求項6〜8のいずれかに記載のインクジェットヘッ
ド。
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---|---|---|---|
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JP2001-5443 | 2001-01-12 | ||
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005319645A (ja) * | 2004-05-07 | 2005-11-17 | Brother Ind Ltd | インクジェット記録ヘッド及びヘッドユニット |
JP2006297830A (ja) * | 2005-04-22 | 2006-11-02 | Canon Inc | インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録ヘッドの製造方法 |
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-
2001
- 2001-12-25 JP JP2001391416A patent/JP2002273885A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7480994B2 (en) | 2004-01-30 | 2009-01-27 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Method of making a fluid ejection head for a fluid ejection device |
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