JP2002273676A - 工作機械の制御方法 - Google Patents

工作機械の制御方法

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JP2002273676A
JP2002273676A JP2001072654A JP2001072654A JP2002273676A JP 2002273676 A JP2002273676 A JP 2002273676A JP 2001072654 A JP2001072654 A JP 2001072654A JP 2001072654 A JP2001072654 A JP 2001072654A JP 2002273676 A JP2002273676 A JP 2002273676A
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axis
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JP2001072654A
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Taizo Toyama
退三 遠山
Kazuya Hattori
和也 服部
Toshiya Kubo
俊哉 久保
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Toyoda Koki KK
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Toyoda Koki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パラレルリンク機構を高精度に制御し得る工
作機械の制御方法を提供する。 【解決手段】 トラベリングプレートに取付けられた測
定器と、テーブルに載置される測定治具とにより、指令
値に従って移動した工具先端(測定器の各ダイヤルゲー
ジの先端)の目標位置に対する駆動制御の誤差を実測
し、その測定値から算出した各機構パラメータを制御装
置の内部パラメータに置き換えることによって、直交座
標系で与えられる工具先端の位置および姿勢の指令値か
ら各サーボモータの出力値への高精度変換を可能にする
手法において、トラベリングプレートの全可動領域を複
数に分割し、各領域でそれぞれ各機構パラメータを前記
測定手段で測定、計算し、各領域毎に機構パラメータを
切り替えて直交座標系で与えられる工具先端の位置およ
び姿勢の指令値から各サーボモータの出力値への変換を
することにより高精度化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械の制御方
法に関するもので、特にパラレルリンク機構による工作
機械の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、パラレルリンク機構を用いた工作
機械として、特開平11-114777号公報に開示される「工
作機械の制御方法」がある。これによると、直交座標系
で与えられる工具先端の位置および姿勢の指令値に対し
この指令値を各アクチュエータの出力値(各サーボモー
タの回転角)に変換している。
【0003】即ち、図13の模式図に示すようなパラレ
ルリンク機構による工作機械の場合、直交座標系の指令
値(X1,Y1,Z1,A1,B1,C1)から出力座
標系の指令値(U1,u1,V1,v1,W1,w1)
への変換は、例えばu軸においては、所定角度Kで基台
1に固定されているu軸(ボールネジ4u)の直交座標
系における直線の方程式を求め、次に第1番目の指令値
(X1,Y1,Z1,A1,B1,C1)にトラベリン
グプレート2が移動されたときのボールジョイント7u
の座標Tuを直交座標系にて算出した後、この座標Tu
を中心とした半径R(ロッド5uの長さR)の球の方程
式を求め、更にこの球の方程式と先に求めた直線の方程
式とから当該球と直線の交点を算出しこの交点とu軸の
原点Ouとの距離を求めてこの値を出力座標系に変換さ
れた指令値u1とすることにより行われる。
【0004】そして、この変換には、基台1に固定され
るボールネジ4の所定角度Kやロッド5の長さRの他、
基台1に対するボールネジ4の取付位置によるオフセッ
ト値、トラベリングプレート2に対するロッド5の取付
位置によるオフセット値等の機構パラメータが必要であ
り、それぞれ特開平11-114777号に開示されるキャリブ
レーション手法により求めた計算値を用いるのが通常で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
11-114777号に代表されるキャリブレーション手法で考
慮される機構パラメータの数は限定されており、キャリ
ブレーション手法で求まる機構パラメータの計算値は製
造誤差の影響を含んだ機構パラメータの真の値を表して
いるわけではない。特開平11-114777号に代表されるキ
ャリブレーション手法では前記トラベリングプレートの
位置および姿勢の実測値とに基づいて、あるいは前記ト
ラベリングプレートと所定点との距離の測定値に基づい
て、駆動制御の誤差を補正する媒介変数を算出し、この
媒介変数を前記機構パラメータの計算値としている。こ
の機構パラメータの計算値に基づき、直交座標系で与え
られる指令値を前記アクチュエータの出力値に変換す
る。この特開平11-114777号に代表されるキャリブレー
ション手法は機構パラメータの計算値を求めるために使
用した前記トラベリングプレートの位置または所定点で
の、指令値とこの指令値による駆動制御後の前記トラベ
リングプレートの実位置との間の距離を最小にするため
に必要な機構パラメータを求めているのであり、必ずし
も設計値に製造誤差を含んだ機構パラメータの真の値を
求めているわけではない。
【0006】この特開平11-114777号に代表されるキャ
リブレーション手法は前述したように機構パラメータの
計算値を求めるために使用した前記トラベリングプレー
トの位置または所定点での指令値とこの指令値による駆
動制御後の前記トラベリングプレートの実位置との間の
距離を最小にするが、その他の点では必ずしも指令値に
基づく指令位置と実位置の間の誤差量が最小になるわけ
ではないという問題があった。この問題を解決する手段
として機構パラメータの計算値を求めるのに必要な前記
所定点の数を増やすという手法が考えられるが、この手
法では指令位置の数が少ないと、指令位置と実位置の間
の誤差量が大きくなるという問題があった。
【0007】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたものであり、その目的とするところは、パラレ
ルリンク機構を高精度に制御し得る工作機械の制御方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の制御方法では、外部に固定される基台
と、この基台にパラレルリンク機構を介して保持される
トラベリングプレートと、このトラベリングプレートに
取付けられる工具と、前記パラレルリンク機構を駆動す
る複数のアクチュエータと、直交座標系で与えられる指
令値を前記アクチュエータの出力値に変換して前記アク
チュエータを制御する制御装置と、を備えた工作機械の
制御方法であって、前記制御装置は、前記トラベリング
プレートの可動領域を複数に分割し、この分割された可
動領域に駆動制御の誤差を補正する媒介変数を持ち、直
交座標系で与えられる指令値を、前記指令値の存在する
可動領域に対応する前記媒介変数に基づき前記アクチュ
エータの出力値に変換し、前記アクチュエータを制御す
ることを技術的特徴とする。
【0009】また、請求項2では、前記媒介変数を複数
に分割した前記トラベリングプレートの可動領域内それ
ぞれにおいて前記トラベリングプレートの位置および姿
勢に対する指令値とこの指令値による駆動制御後の前記
トラベリングプレートの位置および姿勢の実測値とに基
づいて算出するか、あるいは前記トラベリングプレート
と所定点との距離の測定値に基づいて算出したことを技
術的特徴とする。また、請求項3では、前記複数に分割
した前記トラベリングプレートの可動領域の分割数は全
可動領域の大きさと、実現しようとする位置決め精度の
値を勘案して決定する。全可動領域の大きさが一定の場
合、実現しようとする位置決め精度を高くする場合は分
割数を増やし、位置決め精度を低くする場合は分割数を
減らすことを技術的特徴とする。
【0010】さらに請求項4では請求項1〜2におい
て、前記パラレルリンク機構が、前記基台に所定の傾斜
角度αで放射状に固定され、2本ずつ等間隔に配置され
た6本のガイドと、前記ガイドの長手方向に移動可能に
各々のガイドに設けられた6つのスライドテーブルと、
前記6つのスライドテーブルを独立して移動させる駆動
装置と、一端が第1対偶を介して前記スライドテーブル
の各々に連結され、他端が第2対偶を介して前記トラベ
リングプレートに連結される6本のロッドと、から構成
されることを技術的特徴とする。
【0011】また、請求項5では、請求項1〜3におい
て、前記媒介変数は、(1) 前記第1対偶の回転中心と
第2対偶の回転中心の間の離隔量L、(2) 前記基台に
対する前記ガイドの垂直面内における傾斜角度α、(3)
前記基台の厚さ方向基準位置から前記ガイドの基台固
定位置までの離隔量B3、(4) 前記基台の中心に垂直
に位置する基台第1軸に直交しかつ前記ガイドの反基台
方向に延びる基台第2軸から前記ガイドの基台固定位置
までの離隔量B2、(5) 前記基台第1軸および第2軸
にそれぞれ直交する基台第3軸から前記ガイドの基台固
定位置までの離隔量B1、(6) 前記基台第2軸に対す
る前記ガイドの水平面内における傾斜角度β、(7) 前
記トラベリングプレートの厚さ方向基準位置から前記第
2対偶の回転中心までの離隔量TP3、(8) 前記トラ
ベリングプレートの中心に垂直に位置するトラベリング
プレート第1軸に直交しかつ前記ロッドの前記第1対偶
側に延びるトラベリングプレート第2軸から前記第2対
偶の回転中心までの離隔量TP2、(9) 前記トラベリ
ングプレート第1軸および第2軸にそれぞれ直交するト
ラベリングプレート第3軸から前記第2対偶の回転中心
までの離隔量TP1、のうちの少なくとも1つであるこ
とを技術的特徴とする。
【0012】請求項1の発明では、駆動制御の誤差を補
正する媒介変数を、トラベリングプレートの全可動領域
を複数に分割した可動範囲毎に有し、この稼動範囲毎の
媒介変数に基づき直交座標系で与えられる指令値をアク
チュエータの出力値に変換し、その出力値により制御さ
れるアクチュエータによってパラレルリンク機構が駆動
される。即ち、パラレルリンク機構を構成する機構部品
に加工誤差や組付誤差等があっても、直交座標系で与え
られる工具先端の位置および姿勢の指令値を各アクチュ
エータの出力値に高精度に変換することができ、パラレ
ルリンク機構を高精度に制御することができる。また、
請求項2のように各可動範囲の媒介変数を求めるように
すると、比較的高精度かつ簡単に媒介変数を求めること
ができる。
【0013】請求項3の発明では、全可動領域の大きさ
と、実現しようとする位置決め精度の値を勘案して可動
範囲の分割数を決めるため、全可動領域の大きさが小さ
いとき、または実現しようとする位置決め精度の値が大
きいときは全可動領域の分割数を少なくし、媒介変数を
もとめる手間を減らすことができ、全可動領域が大きい
とき、または実現しようとすつ位置決め精度の値が小さ
いときは全可動領域の分割数を多くして、要求される位
置決め精度を満たすことができる。
【0014】請求項4の発明では、工作機械のパラレル
リンク機構は、基台に所定の傾斜角度αで放射状に固定
されるガイドと、このガイドの長手方向に移動可能に設
けられたスライドテーブルと、このスライドテーブルを
独立して移動させる駆動装置と、一端が第1対偶を介し
てスライドテーブルの各々に連結され、他端が第2対偶
を介してトラベリングプレートに連結されるロッドとか
らなる。したがって、パラレルリンク機構を構成するこ
れらの機構部品に加工誤差や組付誤差等があっても、直
交座標系で与えられる工具先端の位置および姿勢の指令
値を各アクチュエータの出力値に高精度に変換すること
ができ、パラレルリンク機構を高精度に制御することが
できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明による工作機械の制
御方法の実施形態について図を参照して説明する。図1
9a、図19bは本実施形態の工作機械の可動範囲を示
す。実際の全可動範囲はもっと広く複雑な形状をしてい
るため、説明を簡易化するために円柱形状(図19a)
や直方体形状(図19b)を代用して全可動範囲を表
す。図19aでは全領域をZ方向に3分割し、さらにX-Y平
面内で4分割して合計12分割している。分割された後の
それぞれの領域をa1,b1,c1,d1,a2,b2,c2,d2,a3,b3,c3,d
3(b2,c2,d2,b3,c3,d3は図中に示していない)とし、それ
ぞれの領域内で媒介変数をあらかじめ求め,後述する制
御装置70内に保持している。
【0016】図19bでは全領域をZ方向に2分割し、さ
らにX-Y平面内で4分割して合計12分割している。分割さ
れた後のそれぞれの領域をa1,b1,c1,d1,a2,b2,c2,d2(c
2,d2は図中に示していない)とし、それぞれの領域内で
媒介変数をあらかじめ求め,制御装置70内に保持してい
る。図20に軌跡計算時のフローチャートを示す。ま
ず、制御装置70がNC指令値を読み込む(S1)。次に制
御装置70はNC指令値に基づき内挿点を生成する(S
2)。NC指令値および内挿点のそれぞれについて、各点
がどの領域にあるかの判定をおこなう(S3)。判定
後、各領域に対応する媒介変数を読み込み(S4)、こ
の読み込んだ媒介変数に基づいてNC指令値または内挿点
をアクチュエータ出力値に変換する(S5)。以下に各
領域毎での媒介変数の求め方を示す。
【0017】図1は本実施形態の工作機械10を適用し
た工作機械全体の構成を示した図である。工作機械10
は門型のフレーム50の天井に支持柱51を介して取付
けられており、この支柱51の下方にはテーブル52が
位置している。そして、このテーブル52には、加工時
には図示しない工作物が載置され、また後述する機構パ
ラメータの測定時には測定治具60が載置される。
【0018】工作機械10は、本来、図示された測定器
40の代わりに図示しない工具を取付け、それを制御装
置70による移動制御によって所望の位置に移動させ工
作物を加工するものであるが、ここでは、工場出荷前調
整時や現地調整時における工作機械10の第1実施形
態、即ち、機構パラメータを算出するために用いる測定
器40を取付けた工作機械10およびその制御方法につ
いて説明する。
【0019】図2に示すように工作機械10は、主に、
支持柱51によって外部に固定される基台11と、測定
器40やドリル等の工具を取付けるトラベリングプレー
ト12と、このトラベリングプレート12を前述の基台
11に連結する6本のアーム14U、14u、14V、
14v、14W、14wとから構成されている。(以
下、特に断らない限り「14U、14u、14V、14
v、14W、14w」等の記載を「14U−w」等と総
称して記載する。)
【0020】基台11は6角形状からなる平板部材であ
り、周囲に3組の支持部11Uと11u、11Vと11
v、11Wと11wが等間隔に設けられており、この各
支持部11U−wに後述するアーム14U−wが平行す
る2本を1組として3方向に放射状に取付けられてい
る。
【0021】各アーム14U−wの構成は、全て同様で
あるため、アーム14Uを代表して説明すると、アーム
14Uはロッド15Uおよびガイド20Uとから構成さ
れており、後述するようにロッド15Uの長さは所定長
さLに設定されている。ガイド20Uは、ベース22
U、スライドテーブル26U、ボールネジ24Uおよび
モータ位置検出用エンコーダ31Uが取付けられたサー
ボモータ25Uから構成されている。
【0022】ベース22Uは断面形状がコ型をした部材
であり、ベース22Uは基台11に対して所定角度α
(例えば45度)に傾斜して放射状に基台11の支持部
11Uに固定されている。そして、このベース22Uに
はその長手方向にスライドテーブル26Uが摺動可能に
支持されている。また、ベース22Uにはスライドテー
ブル26Uの図示しないナットと螺合するボールネジ2
4Uが回動可能に支持されており、ベース22Uに固定
され前記ボールネジ24Uに連結されるサーボモータ2
5Uを駆動することにより、ボールネジ24Uを回動
し、結果としてスライドテーブル26Uをベース22U
の長手方向に移動するようになっている。
【0023】前述したスライドテーブル26Uにはロッ
ド15Uがボールジョイント16Uにより連結され、ボ
ールジョイント16Uを支点としてロッド15Uはスラ
イドテーブル26Uに対して3次元方向に揺動可能とな
っている。また、ロッド15の他端はトラベリングプレ
ート12Uにボールジョイント17Uにて連結され、ボ
ールジョイント17Uを支点としてロッド15Uはトラ
ベリングプレート12Uに対して3次元方向に揺動可能
となっている。
【0024】トラベリングプレート12は基台11より
も小さな6角形状からなる平板部材であり、前述したロ
ッド15Uの他端がボールジョイント17Uにより同一
平面上に連結されている。トラベリングプレート12の
下部は測定器40やドリル等の工具を取付可能な形状を
有している。
【0025】引き続き、第1実施形態に係る測定方法に
ついて説明する。図3および図4に示すように、測定器
40は、主に、トラベリングプレート12の下部に取付
けられるダイヤルゲージ44、45、46、ミラー49
と、トラベリングプレート12の上部に取付けられる角
度計47、48とから構成されており、トラベリングプ
レート12のX軸、Y軸、Z軸方向の位置誤差量をダイ
ヤルゲージ44、45、46によりそれぞれ測定し、A
軸、B軸、C軸の角度誤差量を角度計47、48、ミラ
ー49によりそれぞれ測定する。
【0026】ダイヤルゲージ44、45、46は支持部
41を介してトラベリングプレート12に取付けられて
おり、その取付位置は、後述するように測定時のトラベ
リングプレート12が前記可動領域の分割された領域内
の所定位置に移動したときにそれぞれの測定部44a、
45a、46aが測定治具60の基準ピン63に当接可
能な部位に設定されている。ダイヤルゲージ44により
測定されたX軸方向の位置誤差量、ダイヤルゲージ45
により測定されたY軸方向の位置誤差量、ダイヤルゲー
ジ46により測定されたZ軸方向の位置誤差量は、後述
する制御装置70にそれぞれ出力され機構パラメータを
算出するために用いられる。
【0027】ミラー49も支持部41を介してトラベリ
ングプレート12に取付けられており、図3の紙面垂直
方向から照射されるレーザ光を反射可能に位置してい
る。ミラー49の鏡面49aに反射するレーザ光を図略
のセンサにより受光することによってC軸の角度誤差を
測定する。
【0028】一方、トラベリングプレート12の上部に
取付けられる角度計47、48は、トラベリングプレー
ト12の傾き状態を検出することで、それぞれA軸、B
軸の角度誤差量を測定している。そして、角度計47に
より測定されたA軸の角度誤差量および角度計48によ
り測定されたB軸の角度誤差量もそれぞれ制御装置70
に出力され、前述したセンサによるC軸の角度誤差量と
併せて機構パラメータを算出するため用いられる。
【0029】次に、図5を参照して測定治具60の構成
を説明する。測定治具60は、例えば円板状に形成され
たプレート61とその面上に設けられる複数(例えば9
本)の基準ピン63とから構成される。この基準ピン6
3が設けられる位置および基準ピン63の姿勢(長さ、
太さ等の形状)は、所定の条件によって決められてお
り、位置については図6による平面図に示すように例え
ば同一円周上に等間隔に配置される。
【0030】ここで、基準ピン63の本数を9本に設定
しているが、これは後述するように算出する機構パラメ
ータの数が9個であることに起因しているため、諸条件
から求める機構パラメータの数が6個であれば6本の基
準ピン63により測定治具60を構成しても良い。
【0031】引き続き、図6を参照して制御装置70の
構成について説明する。制御装置70は、CPU71、
メモリ72、インタフェイス(I/F)73、74から
構成されている。メモリ72には後述する機構パラメー
タ算出処理および実加工処理を実行するためのプログラ
ムが記憶されている。インタフェイス73には、前述し
たサーボモータ25U−wを駆動するデジタルサーボユ
ニット81〜86が接続されている。各デジタルサーボ
ユニット81〜86はCPU71からの指令値に基づい
てサーボモータ25U−wをそれぞれ駆動し、各モータ
位置検出用エンコーダ31U−wからのに出力によって
フィードバック制御を行う。そして、サーボモータ25
U−wによって駆動されるスライドテーブル26U−w
を所望の位置にそれぞれ移動することにより、結果とし
て、6本のロッド15U−wを介して連結されるトラベ
リングプレート12を所望の位置および姿勢に制御する
ようになっている。
【0032】インタフェイス74には、後述する加工デ
ータ等を入力するキーボード(KB)76、加工データ
や現在の工作機械10の状態等を表示する画像表示装置
(CRT)77、加工データを記憶する外部記憶装置
(例えばハードディスク)78が接続されている。
【0033】次に、図7〜12を参照して機構パラメー
タを算出するための制御装置70による工作機械10の
制御方法を説明する。機構パラメータは各アーム14U
−wのそれぞれの軸(U、u、V、v、W、w)につき
9個ずつ存在するが、前述したように各アーム14U−
wの構成は全て同様であるため、ここでは代表的にアー
ム14Uに着目して各機構パラメータを説明する。
【0034】図8〜12に示すように、9個の機構パラ
メータは、(1) ボールジョイント16Uの回転中心と
ボールジョイント17Uの回転中心の間の離隔量L、
(2)基台11に対するガイド20Uの垂直面内における
傾斜角度α、(3) 基台11の厚さ方向基準位置K1に
対して、ガイド20Uが固定される支持部11Uの基準
位置K2のオフセット量B3、(4) X軸に対するガイ
ド20Uが固定される支持部11Uの基準位置K2のオ
フセット量B2、(5) Y軸に対するガイド20Uが固
定される支持部11Uの基準位置K2のオフセット量B
1、(6) X軸に対するガイド20の水平面内における
傾斜角度β、(7) トラベリングプレート12の厚さ方
向基準位置K4に対するボールジョイント17Uの回転
中心K5のオフセット量TP3、(8) X軸に対するボ
ールジョイント17Uの回転中心のオフセット量TP
2、(9) Y軸に対するボールジョイント17Uの回転
中心のオフセット量TP1である。
【0035】したがって、機構パラメータの総数は9
(L,α,β,B1〜3,TP1〜3)個×6(U,
u,V,v,W,w)軸=54個になるため、工作機械
10の出荷前の調整時や客先メンテナンスにおける再調
整時において、これらの機構パラメータを10μm以内
の誤差で測定して求めることは、極めて困難であり現実
的ではない。
【0036】そこで、第1実施形態では、可動領域を分
割したそれぞれの領域内の各所定位置について解析的に
機構パラメータを算出することにより、前述した問題を
解決している。つまり、先に説明したトラベリングプレ
ート12に取付けられた測定器40と、テーブル52に
載置される測定治具60とにより、可動領域を分割した
それぞれの領域内の各所定位置に測定器40を位置決め
する指令値に従って移動した工具先端(ここでは測定器
40の各ダイヤルゲージの先端)の目標位置に対する駆
動制御の誤差を実測し、そのから算出した各機構パラメ
ータを媒介変数として制御装置70の内部パラメータに
置き換えることによって、直交座標系で与えられる工具
先端の位置および姿勢の指令値から各サーボモータ31
U−wの出力値への高精度変換を可能にしている。な
お、この第1実施例で媒介変数は上記測定から算出され
た機構パラメータそのものとして扱っているが、上記測
定から算出された機構パラメータと予め理論的に求めら
れた機構パラメータとの差分(誤差分)を媒介変数とし
てもよい。
【0037】次に、測定器40による測定値から各機構
パラメータを求める具体的な演算方法について説明す
る。まず、アクチュエータの座標から工具先端の座標に
変換する数式を次の数1に示す。
【0038】
【数1】
【0039】この数1によって、工具先端を目的位置に
移動させるにはアクチュエータ軸(ボール24U)上の
スライドテーブル26Uをどこまで移動させなければな
らないかを求めることができる。ここで、工具先端座標
(X,Y,Z,A,B,C)を定数とした場合、数1は
機構パラメータの関数として捉えることができるため、
数1を次式の数2に変形する。
【0040】
【数2】
【0041】この数2は、各アクチュエータ軸(i=1
〜6)ごとに成り立ち、また1軸に対して9個の機構パ
ラメータが存在する。したがって、各アクチュエータ軸
ごとの9個の変数を求めるために軸ごとに9元連立方程
式を解く必要がある。そのため、上述したように測定治
具60によって9本の基準ピン63を用いて9箇所の目
標位置に対する駆動制御の誤差を実測するのである。こ
れにより、9つの式が得られるため、アクチュエータ軸
ごとに個々に9元連立方程式を解き、6軸分合計54個
の機構パラメータを算出する。
【0042】しかし、前記機構パラメータの関数は非線
形方程式であるため、数2の数式からは直接、各機構パ
ラメータを求めることはできない。そこで、数3に示す
ニュートン法による収束計算、即ち(ベクトルdin−ベ
クトルdin+1)の値が収束するまで数3の計算を繰り返
すことにより機構パラメータを求める。
【0043】
【数3】
【0044】具体的には、機構パラメータの理想値をベ
クトルPiの初期値ベクトルPi1とし、ある点Xjにおけ
るアクチュエータ座標の計算値(ベクトルP=ベクトル
Pi1)を次式の数4にし、測定器40による測定値をd
i0とすると、
【0045】
【数4】
【0046】数3により、次式の数5が得られる。この
数5の収束計算によりアクチュエータ軸1軸に対する機
構パラメータが算出される。したがって、この収束計算
を各軸(i=1〜6)ごとに行うことで、54個すべて
の機構パラメータを求めることができる。
【0047】
【数5】
【0048】なお、工具先端座標(X,Y,Z,A,
B,C)のうち、工作機械10の使用条件から機能や性
能等に影響しない座標が存在すれば、その座標に関する
誤差は測定を省略することができる。例えばZ軸の回転
方向がドリル(工具)の回転方向に対応する場合には、
C軸の誤差は加工に影響を及ぼさないので特に測定する
必要がなく、C軸の誤差は0であるとして上記の演算を
行って機構パラメータを算出することができる。
【0049】制御装置70による工作機械10の制御
は、図7に示す機構パラメータ算出処理によって行われ
る。まず制御装置70には、目標位置とする可動領域を
決める変数mの初期化処理を行い(S21)、続いて第
1番目の可動領域(図19aにおいては領域a1)を目
標領域にするため変数mを0から1にするインクリメン
ト処理を行う(S23)。次に可動領域を分割した領域
のうち、第1番目の領域に置かれた測定治具60の各基
準ピンの直交座標系の指令値(X,Y,Z,A,B,
C)が入力される(S25)。即ち、前述した基準ピン
63においては9本分の指令値が入力される。次に、目
標位置とする基準ピン63の番号を決める変数nの初期
化処理を行い(S27)、続いて第1番目の基準ピン6
3の所定位置を目標位置にするため変数nを0から1に
するインクリメント処理を行う(S29)。
【0050】そして、第1番目の基準ピン63の直交座
標系指令値を出力座標系指令値(U,u,V,v,W,
w)に変換した出力指令値を各サーボモータ25U−w
に出力する処理(S31)を行い、測定器40が取付け
られたトラベリングプレート12を目標とする第1番目
の基準ピン63の位置に移動させる。トラベリングプレ
ート12の移動が完了すると、測定器40を構成するダ
イヤルゲージ44、45、46、角度計47、48およ
びセンサによって、トラベリングプレート12のX軸、
Y軸、Z軸方向の位置誤差量およびA軸、B軸、C軸の
角度誤差量をそれぞれ測定する(S33)。
【0051】第1番目の基準ピン63による各誤差量の
測定を終えると、測定を終えた基準ピンが最後の基準ピ
ンであるか否かを判断する(S35)。ここでは、まだ
第1番目の基準ピン63を測定したばかりであるから、
この判断はNoとなり、前述したステップ29の変数n
のインクリメント処理に処理を移行する。即ち、次の第
2番目の基準ピン63に移るために変数nを2に変更す
る。
【0052】第2番目の基準ピン63についても前述の
第1番目の基準ピンと同様にステップ31、33の処理
を行い、第2番目の基準ピン63による各誤差量を測定
する。このようにして第2番目から第9番目までの基準
ピン63の各誤差量を測定し終えたところで、最後の基
準ピンになる第9番目の基準ピンにおいては先に説明し
たステップ35の判断処理がYesになるため、次のス
テップ37に処理を移行する。
【0053】ステップ37では、第1番目から第9番目
までの全ての基準ピンに対し測定した各誤差量から上述
した各機構パラメータ(媒介変数)を算出する処理を行
い、次いでこの算出した各機構パラメータを、予め設定
されていた第1番目の可動領域の内部パラメータに置き
換える処理を行う(S39)。
【0054】なお、各機構パラメータの算出は、測定し
た各誤差をキーボード76から入力することにより、制
御装置70によって行うことができる。この場合、算出
した各機構パラメータを、メモリ72に記憶された内部
パラメータに直接置き換えることができる。また、測定
した各誤差を外部コンピュータに入力することにより、
外部コンピュータによって各機構パラメータを算出する
ようにしても良い。この場合は、外部コンピュータによ
り算出された各機構パラメータをキーボード76から入
力することによって、メモリ72に記憶された内部パラ
メータと書き換える必要がある。
【0055】さらに、ステップS41では、測定を終え
た可動領域が最後の領域であるか否かを判断する。ここ
では、まだ第1番目の可動領域を測定したばかりである
から、この判断はNoとなり、前述したステップ23の
変数mのインクリメント処理に処理を移行する。即ち、
次の第2番目の可動領域に移るために変数mを2に変更
する。第2番目の可動領域についても前述の第1番目の
可動領域と同様にステップ25〜ステップ39の処理を
行い、第2番目の可動領域における機構パラメータを内
部パラメータに置き換える。このようにして全ての可動
領域の内部パラメータを置き換えたところで、最後の可
動領域においては先に説明したステップ41の判断処理
がYesになるため、全て処理を終了する。以上説明し
たように、既知の位置および姿勢からなる複数の基準ピ
ン63に対して得られる各誤差量を基に解析的に算出さ
れる各機構パラメータを、分割した可動領域毎に算出
し、制御装置70の内部パラメータに置き換えることに
よって、直交座標系で与えられる工具先端の位置および
姿勢の指令値を各サーボモータ31U−wの出力値に高
精度に変換することができる。これにより、ボールネジ
24U−W、ロッド15U−w、ボールジョイント16
U−w、17U−w等の機構部品に加工誤差や組付誤差
等が生じ設計値と異なる値になっても機械的に校正をす
ることなく、トラベリングプレート12を高精度に制御
でき、工場出荷前調整時や現地調整時における調整工数
を大幅に削減する効果がある。
【0056】引き続き、第2実施形態に係る工作機械の
制御方法について図14〜図18を参照して説明する。
この第2実施形態の工作機械及び制御装置の構成は、図
1及び図6を参照して上述した第1実施形態とほぼ同様
である。但し、第1実施形態では、図6を参照して上述
したように制御装置70に測定器40が接続され、X、
Y、Zの座標、A、B、C軸を測定して機構パラメータ
を推定したが、この第2実施形態においては、2点間の
距離の変位を測定するDBB(ダブルボールバー)16
0が測定器40の代わりに接続される。
【0057】図14は、第2実施形態の制御方法におけ
る測定の概要を示している。この第2実施形態では、2
点間の距離の変位を測定するDBB160を用いて、ト
ラベリングプレート12を移動しながら、固定点(ボー
ルの中心)Sとの距離を測定することで、機構パラメー
タを推定する。
【0058】図15(A)に断面を示すようにDBB1
60は、両端にボール(鉄球)164、166の配設さ
れたバー162から成る。バー162は、一対のバー1
62A、162Bを収縮可能に組み合わせてあり、内部
に収縮した変位量を出力する検出装置168が配設され
ている。この検出装置(DBB160)168からの変
位量に基づき、制御装置70(図6参照)は、該バー1
62の長さ、即ち、ボール164の中心とボール166
の中心との距離rを検出する。
【0059】ここで、トラベリングプレート12に治具
140を取り付け、図1に示すテーブル52に設けられ
た定盤(図示せず)にその位置が既知の固定点S1を設
ける。この治具140と固定点S1の先端は、DBB1
60の鉄球164、166を保持できるように磁化され
ている。ここでDBB160を45°程度傾けること
で、トラベリングプレート12のZ方向の誤差を距離r
から検出できるようにする。この状態でトラベリングプ
レート12を動かし円を描かせる。この描かせる円(指
令値)の平面図(図14を上側から見た図)を図15
(B)に示す。そして、実際にトラベリングプレート1
2が描いた軌跡を図15(C)に示す。図中に示すよう
に上述した機構パラメータの誤差量に応じて軌跡が指令
値上の円形から外れる。このため、トラベリングプレー
ト12の移動中の距離rを何ポイントか求め、後述する
ように測定した距離rから最小自乗法により、誤差が最
小となるように機構パラメータを推定する。
【0060】この測定について、図16、図17を参照
して更に詳細に説明する。ここでは、その位置が既知の
固定点として3点(固定点S1、S2、S3)を取り測
定を行う。図17中に示すように固定点S1、S2、S
3の内、固定点S1を工作機械10のX軸上に取り、固
定点S2と固定点S3とをY軸と平行に取り、固定点S
1、S2、S3が正三角形になるようする。ここでは、
固定点S1、S2、S3を1辺300mmの正三角形とす
ることで、長さ300mmのDBB160にて位置を更正
し、固定点間の距離を正確に設定できるようにしてあ
る。
【0061】図16(A)に示すように固定点S1、固
定点S2、固定点S3からの距離を測定することで、ト
ラベリングプレート12に取り付けられた第1の治具1
40の先端座標(X、Y、Z座標)が分かる。更に、第
1の治具140を長さの長い第2の治具142に付け替
えて、同様に、固定点S1、固定点S2、固定点S3か
らの距離を測定することで、トラベリングプレート12
のA軸及びB軸の姿勢が分かる。
【0062】まず、固定点S1に対して、短い第1の治
具140の取り付けられた状態で図中に示すように円を
描かせ、該円上の10ポイント程度における距離rを測
定する。そして、固定点S2、固定点S3に対して、同
様に短い第1の治具140の取り付けられた状態で円を
描かせ、10ポイント程度において距離rを測定する。
引き続き、治具を第2の長い治具142に付け替え、各
固定点S1、S2、S3に対して、円を描かせ、10ポ
イント程度において距離rを測定する。この測定した距
離rに基づき後述するように機構パラメータを推定す
る。
【0063】なお、上述した6回の測定では、工具の回
転方向の姿勢(C軸)することができない。これは、パ
ラレルリンク式の工作機械においては、C軸の誤差は問
題とならないので測定を省略したのである。ここで、C
軸の誤差を推定する際には、図16(B)に示すよう
な,同一直線上にない3箇所にDDB160の鉄球16
4を保持できるようにした治具143を用いて、それぞ
れの固定点S1、S2、S3とこの同一直線上にない3
点との距離を測定することで、C軸の姿勢を測定するこ
とも可能である。
【0064】上述した例では、長さの異なる治具を付け
替えて測定を行っているが、工具軸線上の2点と各固定
点S1、S2、S3との距離が測定できさえすればよい
ので、工具軸線上の2箇所にDBB160の鉄球164
を保持できるようにした単一の治具を用いても同様に測
定できる。更に、上述した例では、トラベリングプレー
ト12に円を描かせた。これは、DBB160のバー1
62の伸縮範囲、即ち、測定できる距離の範囲が狭いた
め、距離を大きく変えることなく複数のポイントにおい
て測定できるようにするためである。即ち、トラベリン
グプレート12を半円状、矩形状に移動させ、複数のポ
イントで距離の測定を行うことでも可能であるが、円形
に移動させる方が測定は行い易いからである。更に、上
述した例では、固定点S1、S2、S3を正確に正三角
形を描かせるように配置することで、測定誤差を小さく
しているが、固定点は、任意の位置に配置することがで
きる。
【0065】引き続き、距離rから機構パラメータを算
出する方法について説明する。上述した第1実施形態で
は、ニュートン法を使用したが、第2実施形態では、T
aylorの微分補正法を応用して機構パラメータを推
定する。まず、DBB160のデータは、距離(円の半
径)rの一次元量である。そこで、半径rとアクチュエ
ータ座標、機構パラメータとの関係を次の数6のように
置く。なお、図14中に示すように、固定点側のボール
の中心Sは、固定座標となるため、半径rはアクチュエ
ータ座標と機構パラメータの関数となる。
【数6】
【0066】ここで、両辺をパラメータの変化について
全微分すると次の数7のようになる。上述した第1実施
形態と同様に、各アクチュエータ軸(i=1〜6)毎に
9個の機構パラメータ(6×9=54)が存在してい
る。
【数7】
【0067】dpiの推定値をepiとし、その計算結果とdr
との差を残差e、∂g/∂piをαiとすると上記数7は、
次の数8のように表すことができる。
【数8】
【0068】上記数6中のgの関数形は分からないた
め、機構パラメータを図17のグラフに示すように設計
値(pi)の近傍で適当にふって(pi−Δp、pi+Δp)、
順変換を行い、線形に近似したときの傾きをαiとす
る。また、この値はアクチュエータ座標の値によっても
異なるので、アクチュエータ座標の各点において逐次計
算する。n個の測定点に対する残差の平方和をSeとす
ると、次の数9のように表すことができる。
【数9】
【0069】ここで各パラメータについて偏微分を行う
と次の数10が成立する。
【数10】 同様に他のパラメータについても計算できる。
【0070】偏微分値を0とすると次の数11としてパ
ラメータを表すことができる。
【数11】 この数11から、各パラメータの誤差(機構パラメー
タ)を求める。即ち、上述した半径(距離)rのデータ
について計算を繰り返し、機構パラメータの値を収束さ
せる。
【0071】この第2実施形態では、第1実施形態と測
定方法と比較して測定器としてDBB160のみを用意
すれば良く、また、測定が容易であるため、測定を短時
間で完了できる利点がある。
【0072】以上説明したように、第2実施形態の制御
方法においては、測定器(DBB)160にて測定した
距離rを基に解析的に算出される各機構パラメータを、
制御装置70の内部パラメータに置き換えることによっ
て、直交座標系で与えられる工具先端の位置および姿勢
の指令値を各サーボモータ31U−wの出力値に高精度
に変換することができる。これにより、ボールネジ24
U−W、ロッド15U−w、ボールジョイント16U−
w、17U−w等の機構部品に加工誤差や組付誤差等が
生じ設計値と異なる値になっても機械的に校正をするこ
となく、トラベリングプレート12を高精度に制御で
き、工場出荷前調整時や現地調整時における調整工数を
大幅に削減する効果がある。
【0073】
【発明の効果】請求項1又は2の発明では、トラベリン
グプレートの全可動範囲を分割し、各分割された領域の
中で、直交座標系で与えられる指令値が駆動制御の誤差
を補正する各分割された領域毎に固有の媒介変数に基づ
きアクチュエータの出力値に変換し、その出力値により
制御されるアクチュエータによってパラレルリンク機構
が駆動されるため、パラレルリンク機構を構成する機構
部品に加工誤差や組付誤差等があっても、直交座標系で
与えられる工具先端の位置および姿勢の指令値を各アク
チュエータの出力値に高精度に変換することができる。
この場合のアクチュエータの出力値は全可動範囲で共通
の媒介変数を用いて出力されたアクチュエータの出力値
よりも高精度に変換することができる効果がある。
【0074】請求項3の発明では、全可動領域の大きさ
と、実現しようとする位置決め精度の値を勘案して分割
数を決定するため全可動領域の大きさが小さい場合や実
現しようとする位置決め精度が低い場合は分割数を減ら
して分割した領域で媒介変数を求める手間を減らし、全
可動領域の大きさが大きい場合や実現しようとする位置
決め精度が高い場合は分割数を増やして柔軟に対応する
ことができる効果がある。請求項5の発明では、要求さ
れる位置決め精度や予めわかっている数値のみを使用し
て媒介変数を求めることで簡単に高精度な位置決めを達
成することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る工作機械の制御方法
により制御される工作機械全体の機械的構成を示す斜視
図である。
【図2】図1に示す工作機械の機械的構成を示す斜視図
である。
【図3】測定器と基準ピンを示す説明図である。
【図4】図4に示すIV方向矢視による矢視図である。
【図5】測定治具を示す平面図である。
【図6】図1に示す工作機械の制御装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図7】第1実施形態の制御装置による各処理の流れを
示すフローチャートである。
【図8】機構パラメータL、α、B1を示す説明図であ
る。
【図9】機構パラメータTP1、TP2を示す説明図で
ある。
【図10】図8に示すJ1部分を拡大した説明図で、機
構パラメータB3を示すものである。
【図11】図8に示すJ2部分を拡大した説明図で、機
構パラメータTP3を示すものである。
【図12】図10に示すXII方向矢視による説明図で、
機構パラメータβ、B2を示すものである。
【図13】パラレルリンク機構による工作機械の座標系
を示す模式図である。
【図14】第2実施形態に係るパラレルリンク機構の測
定を示す模式図である。
【図15】図15(A)はDBBの断面図であり、図1
5(B)はパラレルリンク機構の移動指令値に基づく軌
跡であり、図15(C)のパラレルリンク機構の実際の
移動軌跡である。
【図16】図16(A)、図16(B)は、第2実施形
態に係るパラレルリンク機構の測定を示す模式図であ
る。
【図17】第2実施形態に係るパラレルリンク機構にお
ける測定時の固定点の平面図である。
【図18】機構パラメータを順変換して線形に近似した
グラフである。
【図19】全可動領域分割説明図
【図20】領域分割を考慮した座標変換のフローチャー
【符号の説明】
10 工作機械 11 基台 12 トラベリングプレート 14U−w アーム(パラレルリンク機構) 15U−w ロッド(パラレルリンク機構) 16U−w ボールジョイント(パラレルリンク機構、
第1対偶) 17U−w ボールジョイント(パラレルリンク機構、
第2対偶) 20U−w ガイド(パラレルリンク機構) 22U−w ベース(パラレルリンク機構) 24U−w ボールネジ(パラレルリンク機構、アクチ
ュエータ) 25U−w サーボモータ(アクチュエータ) 26U−w スライドテーブル(パラレルリンク機構) 40 測定器(測定装置) 44、45、46 ダイヤルゲージ(測定装置) 47、48 角度計(測定装置) 49 ミラー(測定装置) 63 基準ピン(突起部) 70 制御装置 140、142 治具 160 DBB(測定装置) 164、166 ボール K1 (基台の厚さ方向基準位置) K2 (ガイドの基台固定位置) K4 (トラベリングプレートの厚さ方向基準位置) K5 (第2対偶の回転中心) S1、S2、S3 固定点 a1,b1,c1,d1,a2,b2,c2,d2,a3,b3,c3,d3 分割後領域
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 21/46 G05B 19/02 W 5H303 G05B 19/02 G05D 3/12 T G05D 3/12 B23Q 1/14 C Fターム(参考) 3C001 KA01 KB10 TA02 TB02 3C007 AS05 BS24 HT08 HT11 LT12 LV04 MT04 3C048 BC02 BC03 DD00 3J062 AA21 AB28 BA14 BA35 CB04 CB28 CB33 5H219 AA08 BB06 CC11 CC19 DD04 EE05 FF01 FF09 GG01 HH05 HH26 HH28 5H303 AA01 BB03 BB09 BB11 CC01 DD01 DD25 DD26 EE01 EE03 EE09 FF09 GG06 GG11 HH05 HH07 KK22 LL03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部に固定される基台と、この基台にパ
    ラレルリンク機構を介して保持されるトラベリングプレ
    ートと、このトラベリングプレートに取付けられる工具
    と、前記パラレルリンク機構を駆動する複数のアクチュ
    エータと、直交座標系で与えられる指令値を前記アクチ
    ュエータの出力値に変換して前記アクチュエータを制御
    する制御装置と、を備えた工作機械の制御方法であっ
    て、前記制御装置は、前記トラベリングプレートの可動
    領域を複数に分割し、この分割された可動領域毎に駆動
    制御の誤差を補正する媒介変数を持ち、直交座標系で与
    えられる指令値を、前記指令値の存在する可動領域に対
    応する前記媒介変数に基づき前記アクチュエータの出力
    値に変換し、前記アクチュエータを制御することを特徴
    とする工作機械の制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の工作機械の制御方法に
    おいて、前記媒介変数は、複数に分割した前記トラベリ
    ングプレートの可動領域内それぞれにおいて前記トラベ
    リングプレートの位置および姿勢に対する指令値とこの
    指令値による駆動制御後の前記トラベリングプレートの
    位置および姿勢の実測値とに基づいて算出するか、ある
    いは前記トラベリングプレートと所定点との距離の測定
    値に基づいて算出したことを特徴とする工作機械の制御
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の工作機械
    の制御方法において、前記複数に分割した前記トラベリ
    ングプレートの可動領域の分割数を、全可動領域の大き
    さを一定としたとき、要求される位置決め精度が高くな
    るほど分割数を増やすようにしたことを特徴とする工作
    機械の制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1つに記載の工作
    機械の制御方法において、前記パラレルリンク機構は、
    前記基台に所定の傾斜角度αで放射状に固定され、2本
    ずつ等間隔に配置された6本のガイドと、前記ガイドの
    長手方向に移動可能に各々のガイドに設けられた6つの
    スライドテーブルと、前記6つのスライドテーブルを独
    立して移動させる駆動装置と、一端が第1対偶を介して
    前記スライドテーブルの各々に連結され、他端が第2対
    偶を介して前記トラベリングプレートに連結される6本
    のロッドと、からなることを特徴とする工作機械の制御
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1つに記載の工作
    機械の制御装置において、前記媒介変数は、(1) 前記
    第1対偶の回転中心と第2対偶の回転中心の間の離隔量
    L、(2) 前記基台に対する前記ガイドの垂直面内にお
    ける傾斜角度α、(3) 前記基台の厚さ方向基準位置か
    ら前記ガイドの基台固定位置までの離隔量B3、(4)
    前記基台の中心に垂直に位置する基台第1軸に直交しか
    つ前記ガイドの反基台方向に延びる基台第2軸から前記
    ガイドの基台固定位置までの離隔量B2、(5) 前記基
    台第1軸および第2軸にそれぞれ直交する基台第3軸か
    ら前記ガイドの基台固定位置までの離隔量B1、(6)
    前記基台第2軸に対する前記ガイドの水平面内における
    傾斜角度β、(7) 前記トラベリングプレートの厚さ方
    向基準位置から前記第2対偶の回転中心までの離隔量T
    P3、(8) 前記トラベリングプレートの中心に垂直に
    位置するトラベリングプレート第1軸に直交しかつ前記
    ロッドの前記第1対偶側に延びるトラベリングプレート
    第2軸から前記第2対偶の回転中心までの離隔量TP
    2、(9) 前記トラベリングプレート第1軸および第2
    軸にそれぞれ直交するトラベリングプレート第3軸から
    前記第2対偶の回転中心までの離隔量TP1、のうちの
    少なくとも1つであることを特徴とする工作機械の制御
    方法。
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