JP2002272544A - 電気調理キャビネット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 任意な位置で個別的に汚濁因子を
発生する状態にある分散設置型の電気調理機器をパッケ
ージ化して設置し、パッケージ内の限定空間の空気浄化
を行うことで台所の室内雰囲気の効率的な保全を実現す
る。 【解決手段】 前面が開放可能な六面体の収容庫
１内に分散設置型の電気調理機器を使用可能態に設置で
きる設置構造３を設け、この設置構造３近傍に設置構造
３に設置された電気調理機器から発生する臭気や蒸気や
煙塵等を空気とともに吸引して吸着除去し、清浄化して
吹出す空気浄化装置２を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電気オーブン、ト
ースター、炊飯器といった分散設置型の電気調理機器を
使用可能態に収容する脱臭機能を備えた台所用の装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】台所での換気はこれまでは主として、ガ
スや電気を熱源とする定置型のコンロの上方に設置され
たフード付きの換気扇によって行われている。この種の
換気扇は局所換気には適しているが室内全体の換気には
適さない。台所には、上記した定置型のコンロの他に
も、電気オーブンやトースター或いは、レンジや炊飯
器、ホットプレート等、臭気や煙や蒸気を発生する分散
設置型の電気調理機器がある。こうした電気調理機器
は、専用のラックに置かれたり、テーブルや棚に置かれ
て個別的に使われており、それらから生ずる臭気や煙や
蒸気は、コンロの上方に設置されたフード付き換気扇で
は捕集されにくく、室内に拡散していることが多い。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記したような従来の
台所の換気方式では、フード付きの換気扇から離れた位
置に置かれた分散設置型の電気調理機器から発生する臭
気や煙などの汚濁因子は室内に拡散し、排出され難く室
内雰囲気を損なっていることが多い。室内に拡散した汚
濁因子の排出は、既設のフード付きの換気扇を運転する
ことでなんとか排出できるものの、局所換気に機能する
換気扇では換気効果は上がらず、３００〜５００ｍ^３／
hｒといった処理風量にもかかわらず長時間かかり、電
力消費も嵩むといった問題がある。

【０００４】本発明は、係る従来の台所の換気に関する
課題を、個別対応の観点から解決しようとするものであ
り、任意な位置で個別的に汚濁因子を発生する状態にあ
る分散設置型の電気調理機器をパッケージ化して設置
し、パッケージ内の限定空間の空気浄化を行うことで台
所の室内雰囲気の効率的な保全を実現する電気調理キャ
ビネットを開発することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に請求項1の発明は、前面が開放可能な六面体の収容庫
内に分散設置型の電気調理機器を使用可能態に設置でき
る設置構造を設け、この設置構造近傍に設置構造に設置
された電気調理機器から発生する臭気や蒸気や煙塵等を
空気とともに吸引して吸着除去し、清浄化して吹出す空
気浄化手段を構成する手段を採用する。

【０００６】前記目的を達成するために請求項２の発明
は、請求項１に係る前記手段における電気調理機器の動
作に空気浄化手段が応動するようにする手段を採用す
る。

【０００７】前記目的を達成するために請求項３の発明
は、請求項１又は請求項２のいずれかに係る前記手段に
おける設置構造を複数設け、空気浄化手段の吸込口を分
岐風路により各設置構造に部所吸込口として臨ませる手
段を採用する。

【０００８】前記目的を達成するために請求項４の発明
は、請求項１又は請求項２のいずれかに係る前記手段に
おける設置構造を上段と下段に設け、上段を電気調理機
器のうちのオーブンやレンジ専用に構成し、下段を炊飯
器専用に構成し、空気浄化手段の吸込口を風路により各
設置構造に部所吸込口として臨ませる手段を採用する。

【０００９】前記目的を達成するために請求項５の発明
は、請求項３又は請求項４のいずれかに係る前記手段に
おける部所吸込口の位置を可変に構成する手段を採用す
る。

【００１０】前記目的を達成するために請求項６の発明
は、請求項１〜請求項５までのいずれかに係る前記手段
における空気浄化手段の浄化空気の吹出しを、収容庫内
と収容庫外との双方にする手段を採用する。

【００１１】前記目的を達成するために請求項７の発明
は、請求項６に係る前記手段における空気浄化手段の浄
化空気の吹出しを、収容庫内と収容庫外とのいずれかに
切換え得るようにする手段を採用する。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１〜図７によって示す本実施の
形態は、電気オーブン、トースター、炊飯器、ホットプ
レートといった任意な設置形態を採る分散設置型の電気
調理機器を使用可能態に収容する空気浄化機能を備えた
台所用の電気調理キャビネットに関するものである。こ
の電気調理キャビネットは、臭気や煙や蒸気を発生する
分散設置型の電気調理機器を使用可能態に収容する収容
庫１に、収容庫１内を通風しながら臭気や蒸気や煙塵等
を吸着除去し、清浄化して吹出す空気浄化装置２を具備
した構成である。

【００１３】収容庫１は、図１に示すように前面の開放
できる六面体の箱体に構成され、台所の床面上に設置で
きるキャビネットとして構成されている。収容庫１内に
は、分散設置型の電気調理機器を使用可能態に設置でき
る設置構造３が棚段形に数段設けられている。また、収
容庫１内の設置構造３の上方及び下方並びに側方には、
食器類その他、台所用品を収納できる収納部４も併設さ
れている。各設置構造３の上方には、電気調理機器を設
置できる収容空間が確保され、各収容空間に臨んで電源
コンセント（図示しない）が電源供給可能に配設されて
いる。棚段に構成された設置構造３は、電気調理機器の
特性に応じて割り付けられ、本実施の形態では下段が炊
飯器５専用として、上段がレンジ６専用として割り付け
され、収容空間も設置される電気調理機器に応じた広さ
が確保されている。

【００１４】下段が炊飯器５専用とされているのは、炊
飯器５の使用形態は上方から、眺めたり、掻き回した
り、よそったりするものであり、下の方が使い勝手が良
いからである。一方、レンジ６やオーブンといった電気
調理機器の使用形態は前方からのものであり、立ち姿勢
で正面にある方が使い易く、使い勝手から上段がレンジ
６専用とされている。

【００１５】収納部４には、上部のものについては図１
に示すように前面に引き戸式の開閉扉７が設けられ、下
部のものについては上面の開放した引き出し式のラック
８が抜き差し可能に収められている。側部の収納部４の
前面には二枚合せの引戸９が設けられ、この引戸９の開
放により、物品の出し入れが可能となっている。

【００１６】空気浄化装置２は、図１及び図２に示すよ
うに上段の設置構造３の上部に画成された風路１０内に
構成されていて、この風路１０に背面側下部の吸込口か
ら前方側及び下方の吹出口に向う一方向の気流を形成す
る送風機１１と、その上流側の風路１０に着脱可能に設
けられたフィルターとからなる。送風機１１は、処理風
量３０ｍ^３／ｈｒ程の小型のものであり、フィルター
は、前段の除塵フィルター１２と後段の脱臭フィルター
１３による組合せにより構成され、風路１０の当該部を
通過する空気から塵埃や臭気成分を吸着除去する。

【００１７】風路１０の背後側下部に形成された吸込口
には分岐管１４が接続され、この分岐管１４により各設
置構造３に部所吸込口１５が実質的な吸込口として臨ま
されている。風路１０の吹出口は、室内へ通じる室内吹
出口１６と、上段の収容空間に通じる循環吹出口１７と
に分かれていて、一方を塞ぎ他方を開放する切換ダンパ
１８によりいずれか一方を開放できるように構成されて
いる。この切換ダンパ１８は、ギヤードモーター等の駆
動手段１９により動作する。下段の収容空間に臨む部所
吸込口１５は、図３に示すようにフレッキシブル構造２
０を備え旋回できるパイプによりその位置が上下方向に
も水平方向にも変えられるようになっており、炊飯器５
の形状や機種の違いによる蒸気排出部に部所吸込口１５
を対応させることができる。

【００１８】この電気調理キャビネットは、電気調理機
器をパッケージ化して収納し、パッケージ内を一機の送
風機１１で通風し空気浄化する浄化装置であり、送風機
１１及び切換ダンパ１８を動かす駆動手段１９を制御す
る図４に示すような制御回路２１を備えている。制御回
路２１には各収容空間に設置された機器の表面温度を検
知し信号を出力する温度センサー２２と、炊飯器５から
排出される蒸気温度を検知し信号を出力する温度センサ
ー２３が接続され、制御回路２１は各温度センサー２
２，２３からの温度情報に基づいて、送風機１１及び切
換ダンパ１８を図５に示すような制御プログラムに従っ
て制御する。即ち、図５におけるステップ♯１において
各温度センサー２２，２３の検知温度を読込む処理をし
て、ステップ♯２に進み、上段の温度センサー２２の検
知温度ｔ1が予め決められた設定温度Ｔ０以上かどうか
を判定する。ｔ1≧Ｔ０であればステップ♯３に進み、
そうでなければステップ♯７へ進む。

【００１９】ステップ♯３では、下段の温度センサー２
３の検知温度ｔ２が予め決められた設定温度Ｔ１以上か
どうかを判定し、ｔ２≧Ｔ１であればステップ♯４に進
み、そうでなければステップ♯５へ進む。ステップ♯４
では切換ダンパ１８の駆動手段１９を動作させ切換ダン
パ１８を室内吹出口１６が開放となる位置とする処理を
して、ステップ♯６へ進み、送風機１１を運転させる処
理をしてステップ♯１へ戻る。ステップ♯５では、駆動
手段１９を動作させ切換ダンパ１８を循環吹出口１７が
開放となる位置とし室内吹出口１６を閉止する処理をし
て、ステップ♯６へ進み、送風機１１を運転させる処理
をしてステップ♯１へ戻る。一方、ステップ♯７では、
検知温度ｔ２が予め決められた設定温度Ｔ１以上かどう
かを判定し、ｔ２≧Ｔ１であればステップ♯８に進み、
そうでなければステップ♯９へ進む。

【００２０】ステップ♯８では、駆動手段１９を動作さ
せ切換ダンパ１８を室内吹出口１６が開放し、循環吹出
口１７が閉止する位置にする処理をして、ステップ♯６
へ進み、送風機１１を運転させる処理をしてステップ♯
１へ戻る。ステップ♯９では、送風機１１を停止する処
理をしてステップ♯１へ戻る。なお、設定温度Ｔ０と設
定温度Ｔ１は、当該設置構造３に設置される電気調理機
器が臭気や煙や湯気を発生し始める時の機器の表面温度
や蒸気温度を基準にして設定され、温度センサー２２は
各設置構造３に設置された各電気調理機器に接触又は近
接状態に配備され、温度センサー２３は下段の部所吸込
口１５に臨んで配備される。

【００２１】これにより、収容庫１内の臭気や煙や湯気
といった汚濁因子は台所全体に拡散することなく限定空
間において部所吸込口１５から吸込まれ、除塵フィルタ
ー１２及び脱臭フィルター１３により煙塵や臭気が除去
され室内へ排出される。このように限定空間の空気浄化
であるため、処理風量は少なくてよく小型で電力消費も
少ない送風機１１で済む。

【００２２】炊飯器５使用の場合に、室内吹出口１６を
開放するのは、炊飯では臭気を除けば特に室内雰囲気を
損なう要因は生じないという理由からであり、レンジ６
使用時に循環吹出口１７を開放するのは、レンジ６使用
では臭いの他に煙を発生することもあり、連続的に発生
する煙塵や臭気を除塵フィルター１２及び脱臭フィルタ
ー１３に循環して通すことにより室内雰囲気を損なう要
因の効果的な除去を図ろうとするものである。

【００２３】大風量のフード付き換気扇で、分散設置型
の電気調理機器から生じる汚濁因子を排気するより本電
気調理キャビネットの方が遥かに効果的で、効率良く室
内雰囲気の悪化を防ぐことができ、室外へ排気するため
の新たな排気設備も不要である。つまり、室内を汚濁す
る要因を含む空気を自浄して室内に拡散させることなく
処理し室内へ排出するものである。従って、室内全体の
換気を行う換気装置等の負荷も低減でき、台所等の整理
機能も高まり外観の良い室内を構成することにも寄与で
きる。

【００２４】なお、切換ダンパ１８の切換えや送風機１
１のオン／オフは手動でも構わない。また、炊飯器５専
用に割り付けた下段の収納空間に、図６に示すようにス
ロート２４を延ばして部所吸込口１５を構成し、炊飯器
５の蒸気排出部の直上にスロート２４による部所吸込口
１５を近接して配置させてもよい。炊飯器５の蒸気排出
部から排出される蒸気の流速は１〜５m／Ｓであり、上
方に向う流れであるため、蒸気排出部と部所吸込口１５
との間隔ｈを図７に示すように適正に設定することによ
り、部所吸込口１５の周囲に誘引気流を形成させること
ができ、効果的な空気浄化機能が果たされる。

【００２５】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、限定空間の空
気浄化を行うことで台所の室内雰囲気の効果的かつ効率
的な保全を実現できる電気調理キャビネットが得られ
る。

【００２６】請求項２の発明によれば、請求項１に係る
前記効果とともに電気調理機器への対応性が増し、使い
易いものとなる。

【００２７】請求項３の発明によれば、請求項１又は請
求項２のいずれかに係る前記効果とともにより効果的な
限定空間の空気浄化が可能になる。

【００２８】請求項４の発明によれば、請求項１又は請
求項２のいずれかに係る前記効果とともに電気調理機器
への対応性が増し使い勝が向上する。

【００２９】請求項５の発明によれば、請求項３又は請
求項４のいずれかに係る前記効果とともに電気調理機器
への対応性が一層向上する。

【００３０】請求項６の発明によれば、請求項１〜請求
項５までのいずれかに係る前記効果とともに汚濁要因に
応じて効果的な浄化処理を実施できるようになる。

【００３１】請求項７の発明によれば、請求項６に係る
前記効果をより顕著に発揮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施の形態の電気調理キャビネットの全体を
示す斜視図である。

【図２】 実施の形態の電気調理キャビネットの空気浄
化装置部分を示す断面図である。

【図３】 実施の形態の電気調理キャビネットの部所吸
込口の構造示す拡大図である。

【図４】 実施の形態の電気調理キャビネットの制御系
のブロック構成図である。

【図５】 実施の形態の電気調理キャビネットの制御回
路の制御動作を示すフローチャートである。

【図６】 実施の形態の他の電気調理キャビネットの部
分断面図である。

【図７】 図６のＡ矢印部の拡大図である。

【符号の説明】

１ 収容庫、 ２ 空気浄化装置、 ３ 設置構造、
５ 炊飯器、 ６レンジ、 １１ 送風機、 １２
除塵フィルター、 １３ 脱臭フィルター、１４ 分岐
管、 １５ 部所吸込口、 １６ 室内吹出口、 １７
循環吹出口、 ２０ フレッキシブル構造、 ２１
制御回路。

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前面が開放可能な六面体の収容庫内に分
   散設置型の電気調理機器を使用可能態に設置できる設置
   構造を設け、この設置構造近傍に同設置構造に設置され
   た前記電気調理機器から発生する臭気や蒸気や煙塵等を
   空気とともに吸引して吸着除去し、清浄化して吹出す空
   気浄化手段を構成した電気調理キャビネット。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の電気調理キャビネット
   であって、電気調理機器の動作に空気浄化手段が応動す
   るようにした電気調理キャビネット。
3. 【請求項３】 請求項１又は請求項２のいずれかに記載
   の電気調理キャビネットであって、設置構造を複数設
   け、空気浄化手段の吸込口を分岐風路により各設置構造
   に部所吸込口として臨ませた電気調理キャビネット。
4. 【請求項４】 請求項１又は請求項２のいずれかに記載
   の電気調理キャビネットであって、設置構造を上段と下
   段に設け、上段を電気調理機器のうちのオーブンやレン
   ジ専用に構成し、下段を炊飯器専用に構成し、空気浄化
   手段の吸込口を風路により各設置構造に部所吸込口とし
   て臨ませた電気調理キャビネット。
5. 【請求項５】 請求項３又は請求項４のいずれかに記載
   の電気調理キャビネットであって、部所吸込口の位置を
   可変に構成した電気調理キャビネット。
6. 【請求項６】 請求項１〜請求項５までのいずれかに記
   載の電気調理キャビネットであって、空気浄化手段の浄
   化空気の吹出しを、収容庫内と収容庫外との双方にした
   電気調理キャビネット。
7. 【請求項７】 請求項６に記載の電気調理キャビネット
   であって、空気浄化手段の浄化空気の吹出しを、収容庫
   内と収容庫外とのいずれかに切換え得るようにした電気
   調理キャビネット。