JP2002272383A - 冷菓及びその製造方法 - Google Patents
冷菓及びその製造方法Info
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Abstract
及びその製造方法を提供する。 【解決手段】冷菓100重量部中、全固形分が30〜6
0重量部になるように調整し、かつ、でんぷんを添加す
る。好ましくは、でんぷんにタピオカでんぷんを用い、
冷菓100重量部中、でんぷんの添加量が0.1〜10
重量部である。冷菓の製造方法として、均質化工程以後
充填工程の間にでんぷんを含む溶液を添加する。
Description
新規な食感を有する冷菓及びその製造方法に関する。
の冷菓について、バラエティーに富んだ新規な食感を付
与する方法が、種々検討されている。例えば、サレップ
単独又は、サレップとカルボキシメチルセルロース、グ
アーガム、ローカストビーンガム、タマリンド種子多糖
類、ペクチン、カラギナン、ジェランガム、キサンタン
ガム、デンプンを1種以上併用して使用することによ
り、もち状に伸びる冷菓を製造する方法(特許第291
9540号)があげられている。
0のグリセリン脂肪酸エステル)を使用し、オーバーラ
ン、気泡の面積値(円相当径)、気泡の形状(形状計
数)等を規定したソフト冷菓(特開2000−2707
77号公報)や、−20℃における硬度が一定値以下で
あることを特徴とするソフトスクープ性(スプーン通り
の良い)を有する冷菓(特開平11−103782号公
報)があげられており、糖アルコールを2〜30重量%
含有することが特徴とされている。
に伸びる冷菓が製造できるものの、原料の入手が困難で
あるという点でも安定供給が難しい。また、特定のグリ
セリン脂肪酸エステルの使用、オーバーラン等、硬度、
糖アルコールを使用することにより、ソフト冷菓やスプ
ーン通りの良い冷菓とすることができるが、もち様に伸
びるようなアイスクリームとすることはできず、また、
食感もやわらかいが食べ応えのある弾力性のある食感に
改良することが、更に要望されている。
に鑑みて開発されたものであり、もちの様に伸び、また
新規な食感を有する冷菓及び該冷菓を簡便な方法で製造
できる方法を提供することを目的とする。
技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねていたところ、冷
菓100重量部中、全固形分が30〜60重量部になる
ように調整し、かつ、でんぷんを添加することにより、
もちの様に伸び、また新規な食感を有する冷菓ができる
ことを見つけた。さらには、特定のでんぷんを添加する
ことにより更に好ましいもちの様な食感とすることがで
き、また、均質化工程以後、充填工程の間にでんぷんを
含む溶液を添加することにより、本発明で望まれる好ま
しい冷菓を簡便に製造できることがわかった。
たものであり、下記の態様を含むものである: 項1.冷菓100重量部中、全固形分が30〜60重量
部になるように調整し、かつ、でんぷんを添加すること
を特徴とする冷菓。 項2.でんぷんがタピオカでんぷんである項1記載の冷
菓。 項3.冷菓100重量部中、でんぷんの添加量が0.1
〜10重量部である項1又は2に記載の冷菓。 項4.均質化工程以後充填工程の間にでんぷんを含む溶
液を添加することを特徴とする項1乃至3に記載の冷菓
の製造方法。
全固形分が30〜60重量部になるように調整し、か
つ、でんぷんを添加することを特徴とする冷菓である。
本発明の冷菓の1つ目の要件は、冷菓100重量部中、
全固形分が30〜60重量部、より好ましくは40〜5
5重量部になるように調整するものである。通常のアイ
スクリーム等の冷菓は、全固形分が25〜36重量部程
度に設定されたものが一般的であるが、本発明のような
高い固形分の量に設定することが特徴である。
として、後述の糖質、乳固形分、タンパク質等の固形分
となり得る原料を適宜選択して調整し用いることができ
る。その中でも好ましくは、砂糖、水飴、脱脂粉乳、異
性化糖、全脂加糖練乳、全脂粉乳、ブドウ糖、糖アルコ
ール、バター、ヤシ油等を用いてその添加量を調整する
ことにより行うことができる。また、更に好ましくは、
水飴、異性化糖、糖アルコール等の液糖を全固形分を構
成する成分中、15〜50重量部含むように設定するこ
とにより、より粘りけのある、もちの様に伸びるような
冷菓とすることができる。
安定剤にでんぷんを添加することである。本発明に添加
する冷菓用安定剤としてのでんぷんとしては、タピオカ
でんぷん;コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ等
のトウモロコシ由来のでんぷん;サツマイモ由来のでん
ぷん、ジャガイモ由来のでんぷん、サゴヤシ由来のでん
ぷん等やそれらの加工澱粉があげられる。中でも、タピ
オカでんぷんを添加するのが好ましい。
ぷんの種類によって、適宜調整することができるが、冷
菓100重量部中0.1〜10重量部、より好ましく
は、0.5〜6.0重量部、更に好ましくは、1.0〜
4.0重量部を例示することができる。この量よりも少
ないと、もち様の柔らかい食感とはできず、これよりも
量が多いと、冷菓の形態をとることが困難になるからで
ある。
し、なおかつ、でんぷんを添加することを必須条件とす
るものである。いずれかの条件では、本発明の目的とす
る、もちの様に伸びる冷菓とすることができず、また、
食感も所望の食べ応えのある食感とはすることができな
い。2つの条件を満たすことにより、できあがった冷菓
が柔らかく、もちの様に伸びるようになり、更に、もち
様の食べ応えのある食感とすることができる。
工程以後、充填工程の間にでんぷんを含む溶液を添加す
ることを特徴とする。一般的な冷菓の製造方法は、原料
の秤量混合→加温(30〜70℃)→溶解・混合→濾過
→均質化・ホモジナイズ→殺菌(68℃、30分以上ま
たはHTST殺菌やUHT殺菌)→冷却(5℃以下)→
エージング・熟成(殺菌冷却したミックスを0〜5℃に
保持し、水和をはかる)→フレーバー添加→フリージン
グ→充填の工程を経て製造する。本発明は、この工程
中、均質化工程から充填工程までの間に、でんぷんを水
や糖液に加熱溶解したでんぷん溶液として添加すること
により、製造することができる。その中でも、均質化工
程直後か、フリージング直後に添加するのが好ましい。
なお、本発明の冷菓は、でんぷんが加熱処理を施された
状態で冷菓中に添加できる方法であればどのような製造
工程を経ても良く、これらに限定されるものではない。
なおかつでんぷんを添加することが特徴であるが、この
条件では製造中のミックスの粘度が高くなり、製造工程
上困難になる場合がある。本発明にかかる製造方法によ
り、簡便な方法で所望のもち様の冷菓を調製することが
できる。
種々の構成をとることができ、例えば、アイスクリーム
類(アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス);
シャーベット;フローズンヨーグルト;アイスキャンデ
ー、アイスバー、カップ入りアイスクリーム、コーン入
りアイスクリーム、もなかアイス等があげられる。
定範囲であり、安定剤としてでんぷんを添加する以外は
通常の冷菓と同様の構成をとることができる。すなわ
ち、本発明の効果を奏する限りにおいて、水、油脂、タ
ンパク質、糖質、無脂乳固形分、香料、色素、乳化剤、
安定剤、酸化防止剤等より選択された添加材料を、所定
の割合で混合させ溶融したもの等を用いることができ
る。
分、あるいはこれらの分別油脂、硬化油脂、エステル交
換油脂等の中から一種又は二種以上を併用することがで
きる。植物油脂の例としては、ヤシ油、パーム油、大豆
油、菜種油、綿実油、コーン油、ひまわり油、オリーブ
油、サフラワー油及びパーム核油等を挙げることができ
る。上記のうちでは、通常パーム油、ヤシ油などのパル
ミチン酸含有率の比較的高い油脂が好ましく用いられ
る。これらの油脂を使用すると、前記グリセリンジ脂肪
酸エステルとの相溶性がよく、得られる冷菓の口溶け感
などの食感、風味が更に良好となるからである。
乳、全脂粉乳、全脂加糖練乳、脱脂加糖練乳或いは生ク
リームなどの水溶性の乳由来のタンパク質や、卵由来の
タンパク質が好適に用いられる。
糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水飴、粉
末水飴、還元麦芽水飴、蜂蜜、トレハロース、パラチノ
ース、D−キシロース等の糖類;キシリトール、ソルビ
トール、マルチトール、エリスリトール等の糖アルコー
ル類;サッカリンナトリウム、サイクラメート及びその
塩、アセスルファムK、ソーマチン、アスパルテーム、
スクラロース、アリテーム、ステビア抽出物に含まれる
ステビオサイドなどの高甘味度甘味料等を挙げることが
できる。
乳酸等の有機酸モノグリセリド類、グリセリン脂肪酸エ
ステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ショ糖脂
肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、プロピ
レングリコール脂肪酸エステル類、レシチン等などを、
本発明の効果を損なわない程度において、併用すること
もできる。
ローカストビーンガム、トラガントガム、タマリンドガ
ム、タラガム、カラヤガム、キサンタンガム、ジェラン
ガム、ネイティブジェランガム、グアーガム、アラビア
ガム、マクロホモプシスガム等のガム質;カラギナン、
寒天、ゼラチン、ペクチン、カードラン、グルコマンナ
ン、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩);CM
C、微結晶セルロース、大豆多糖類等を挙げることがで
きる。また、香料や色素は公知のアイスクリーム生地に
添加されるものが選択されて用いられる。
く、もちの様に伸びるようになり、更に、もち様の食べ
応えのある食感とすることができるようになった。ま
た、もちの様な伸びる、食べ応えのある冷菓を簡便な方
法で製造できるようになった。
等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら
限定されるものではない。 また、文中、「部」は「重
量部」、「*」は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製
を示す。
溶解後、得られたミックスを濾過、殺菌(68℃、30
分)、冷却し、5℃にてエージングし、約10分間フリ
ージング後、充填してアイスクリームを調製した。得ら
れたアイスクリームを食したが、もちの様に柔らかいが
粘りけのある食感であった。
溶解後、得られたミックスを濾過、殺菌(68℃、30
分)、冷却し、5℃にてエージングし、10分間フリー
ジング後、充填してアイスクリームを調製した。得られ
たアイスクリームを−18℃で保管した冷凍庫から取り
出して、すぐにスプーンでかき混ぜたが、もちの様にア
イスクリームが伸び、食しても新規な食感であった。ま
た、固形分を多くしているが、甘さが控えめのおいしい
味であった。
℃で加熱溶解後、得られたミックスを濾過、ホモジナイ
ズ(均質化条件1.47×107Pa)し、殺菌(68
℃、30分)、冷却する。
を行い、80℃で加熱溶解しでんぷん溶液を調製してお
く。冷却後のミックスと、別途調製したでんぷん溶液
を、ミックス:でんぷん溶液=2:1となるような割合
で合わせ、5℃にてエージングし、約10分間フリージ
ング後、充填してアイスクリームを調製した。
80℃で加熱溶解後、得られたミックスを濾過、ホモジ
ナイズ(均質化条件1.47×107Pa)し、殺菌
(68℃、30分)、冷却後、5℃にてエージングし、
約10分間フリージングする。
原料の秤量を行い、80℃で加熱溶解しでんぷん溶液を
調製しておく。フリージング後のアイスクリームと、別
途調製したでんぷん溶液を、アイスクリーム:でんぷん
溶液=2:1となるような割合で合わせ、充填してアイ
スクリームを調製した。
Claims (4)
- 【請求項1】冷菓100重量部中、全固形分が30〜6
0重量部になるように調整し、かつ、でんぷんを添加す
ることを特徴とする冷菓。 - 【請求項2】でんぷんがタピオカでんぷんである請求項
1記載の冷菓。 - 【請求項3】冷菓100重量部中、でんぷんの添加量が
0.1〜10重量部である請求項1又は2に記載の冷
菓。 - 【請求項4】均質化工程以後充填工程の間にでんぷんを
含む溶液を添加することを特徴とする請求項1乃至3に
記載の冷菓の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2001081547A JP3660261B2 (ja) | 2001-03-21 | 2001-03-21 | 冷菓及びその製造方法 |
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JP3660261B2 JP3660261B2 (ja) | 2005-06-15 |
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2001
- 2001-03-21 JP JP2001081547A patent/JP3660261B2/ja not_active Expired - Lifetime
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