JP2002272031A - シンクロナスリラクタンスモータ - Google Patents

シンクロナスリラクタンスモータ

Info

Publication number
JP2002272031A
JP2002272031A JP2001064004A JP2001064004A JP2002272031A JP 2002272031 A JP2002272031 A JP 2002272031A JP 2001064004 A JP2001064004 A JP 2001064004A JP 2001064004 A JP2001064004 A JP 2001064004A JP 2002272031 A JP2002272031 A JP 2002272031A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
synchronous reluctance
reluctance motor
stator
rotor
permanent magnet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001064004A
Other languages
English (en)
Inventor
Masashi Sakuma
昌史 佐久間
Tomohiro Fukushima
智宏 福島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP2001064004A priority Critical patent/JP2002272031A/ja
Priority to US10/091,528 priority patent/US6815859B2/en
Publication of JP2002272031A publication Critical patent/JP2002272031A/ja
Priority to US10/951,665 priority patent/US7015614B2/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】ロータに径方向の2層の永久磁石を有するシン
クロナスリラクタンスモータにおいて、リラクタンスト
ルクの割合が大きくて総合トルクが大きく、かつ、トル
クリップルの割合が小さい構成として、高性能で廉価な
シンクロナスリラクタンスモータを提供する。 【解決手段】ロータ12の各スリット12b、12cの
周方向中心線とステータ11の磁極の中心線が一致する
ロータおよびステータ位置関係にてステータ巻線への非
通電時、ロータ12におけるステータ11との対向表面
に近い側外周側永久磁石13aの総磁束量を、ステータ
11との対向表面から遠い側の内周側永久磁石13bの
総磁束量より多いか同等に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シンクロナスリラ
クタンスモータに関する。
【0002】
【従来の技術】シンクロナスリラクタンスモータは、通
常の誘導機と同一構造の固定子(ステータ)の内周側
に、磁気的に突極性をもたせた回転子(ロータ)を回転
可能に支持してなるもので、始動時には誘導電動機とし
て機能し、かつ、始動後は同期電動機として機能するも
のである。この種形式のモータは、直流磁励が不要であ
って、スリップリング、ブラシ、磁束電源を要しない構
造の簡単で手軽な同期電動機として認識されていてい
る。
【0003】近年、ロータの構造の改良等により力率、
効率を著しく向上させたシンクロナスリラクタンスモー
タが開発されて注目されている。特開平8−33178
3号公報には、この種形式のシンクロナスリラクタンス
モータのトルク発生原理を永久磁石モータに取り込むこ
とでリラクタンストルクを付加し、高トルク、高出力を
意図した永久磁石モータが提案されている。これは、永
久磁石トルクが主となるシンクロナスリラクタンスモー
タである。当該シンクロナスリラクタンスモータは、ロ
ータ1極当たりにそれぞれの端部がロータ外周に近接す
る位置まで延びる2層のスリットを設け、このスリット
の各々に永久磁石を埋設したものである。
【0004】当該シンクロナスリラクタンスモータにお
いては、永久磁石の周方向の中心とロータ中心とを結ぶ
方向であるd軸方向のインダクタンスLdと、d軸に対
して電気角で90度回転した方向であるq軸方向のイン
ダクタンスLqに差を生じさせてリラクタンストルクを
発生させ、このリラクタンストルクとマグネットトルク
を合わせたトルクを総合トルクとして、高トルクで高出
力の発生を達成すべく意図しているものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、当該シン
クロナスリラクタンスモータは、リラクタンストルクを
利用すべく意図しているものであるが、永久磁石のマグ
ネットトルクが主となるモータ構成であって、リラクタ
ンストルクを十分に利用し得る構成ではない。
【0006】すなわち、当該シンクロナスリラクタンス
モータにおいては、円周方向に位置して隣り合う永久磁
石同士の間の部位(隙間S)を可能な限り小さく設定し
て永久磁石を可能な限り大きくすることで磁束を大きく
するとともに、当該隙間からの磁束の漏洩を小さくする
ことにより、マグネットトルクを有効に利用することを
意図しているものである。
【0007】当該シンクロナスリラクタンスモータにお
いて、リラクタンストルクを十分に発生させるために
は、インダクタンスLqを大きくしかつインダクタンス
Ldを小さくする必要がある。このためには、永久磁石
同士の隙間Sを大きく設定した方がよい。なぜなら、こ
れによりインダクタンスLqが増加する一方、ステータ
磁極を中継する磁路があるために、インダクタンスLd
の増加は少ないためである。しかしながら、総合トルク
中のリラクタンストルクの割合が大きくなると、トルク
リップルの割合が大きくなる。これを低減するために
は、永久磁石の半径方向の多層化が必要になり、製造コ
ストが高くなる等の問題がある。
【0008】従って、本発明の目的は、当該形式のシン
クロナスリラクタンスモータにおいて、総合トルクが大
きくてトルクリップルの割合が小さいシンクロナスリラ
クタンスモータを廉価に提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、シンクロナス
リラクタンスモータに関するもので、内周側にステータ
巻線を巻回されているティースを周方向に所定本数有す
るステータと、同ステータの内周側に回転可能に支持さ
れて位置し同ステータの内周に対向して設けた各スリッ
トに永久磁石が埋設さているロータを備えてなり、同ロ
ータが有する1極当たりのスリットはロータの半径方向
に複数層形成されていて、これらに埋設された外周側永
久磁石と内周側永久磁石は、所定間隔を保持してロータ
外周まで延びているとともに、同一径方向に対向する部
位が異極に着磁されている形式のシンクロナスリラクタ
ンスモータを適用対象とするものである。
【0010】しかして、本発明に係るシンクロナスリラ
クタンスモータにおいては、前記ロータの各スリットの
周方向中心線と前記ステータの磁極の中心線が一致する
ロータおよびステータ位置関係にて前記ステータ巻線へ
の非通電時、前記ロータにおける前記ステータとの対向
表面に近い側の外周側永久磁石の総磁束量が、前記ステ
ータとの対向表面から遠い側の内周側永久磁石の総磁束
量より多いか同等に設定されていることを特徴とするも
のである。
【0011】本発明に係るシンクロナスリラクタンスモ
ータにおいては、前記ロータはスリットを径方向に複数
層備えていて、これら各スリットに永久磁石が埋設され
ているものであり、前記両永久磁石の総磁束量の関係
は、径方向位置に応じて、永久磁石の形状(周方向長
さ、径方向長さ、軸方向長さ等)または材質を変更する
ことにより設定することができ、永久磁石の埋設量を変
更することにより設定することができ、または、径方向
非磁性隙間量を変更することにより設定することができ
る。
【0012】
【発明の作用・効果】本発明に係るシンクロナスリラク
タンスモータは、ロータの径方向に複数層に設けた各ス
リットに埋設した複数層の永久磁石を備えた形式のモー
タにおいて、ロータの各スリットの周方向中心線とステ
ータの磁極の中心線が一致するロータおよびステータ位
置関係にてステータ巻線への非通電時、ロータにおける
ステータとの対向表面に近い側の外周側永久磁石の総磁
束量を、ステータとの対向表面から遠い側の内周側永久
磁石の総磁束量より多いか同等に設定している。これら
の永久磁石の総磁束量の関係をこのように設定すること
により、リラクタンストルクの割合が大きくて総合トル
クが高く、かつ、トルクリップル割合の小さいシンクロ
ナスリラクタンスモータを提供することができる。
【0013】本発明に係るシンクロナスリラクタンスモ
ータにおいては、両永久磁石の総磁束量の関係を所定の
関係に設定する場合、ロータにおけるステータとの対向
表面に近い側のスリットに埋設される外周側外周側永久
磁石と、ステータとの対向表面から遠い側のスリットに
埋設される内周側永久磁石のとの選定において、両永久
磁石の一方に高性能で高価な永久磁石を選定し、両永久
磁石の他方に汎用性の廉価な永久磁石を選定することが
できる。これにより、総合トルクが高くてトルクリップ
ル割合の小さい高性能のシンクロナスリラクタンスモー
タを、廉価に提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて説
明する。図1は、本発明が適用対象とするシンクロナス
リラクタンスモータの一例を概略的に示している。当該
シンクロナスリラクタンスモータ10は、汎用インバー
タによるY結線駆動を行うリラクタンストルクを主とす
る3相の高性能のシンクロナスリラクタンスモータであ
る。
【0015】当該シンクロナスリラクタンスモータ10
は、ステータ11と、ロータ12と、対をなす永久磁石
13a,13bを備え、ロータ12は回転軸14上に一
体回転可能に組付けられていて、ステータ11の内周側
にて回転可能に支持されている。ステータ11は、所定
本数のティース11aを備えているもので、各ティース
11a間には図示しないステータ巻線が巻回されてい
て、磁極数が48のステータに構成されている。
【0016】ロータ12は、高透磁率材からなるロータ
コア12aに設けた外周側および内周側の一対のスリッ
ト12b、12cを周方向に8対備えている。各対のス
リット12b、12cには、所定の性能の永久磁石13
a,13bが埋設されていて、磁極数が8のロータに構
成されている。外周側スリット12bおよび内周側スリ
ット12cは、共に、ロータ12の中心側に突出する皿
形状のもので、凹形状の2つの側部位がステータ11の
内周に対向していて、所定間隔を保持して互いに並列し
て、各端部がロータ外周の近傍にまで延びている。
【0017】一方の永久磁石13aは、外周側スリット
12bに埋設されて外周側永久磁石を構成し、他方の永
久磁石13bは、内周側スリット12cに埋設されて内
周側永久磁石を構成している。外周側永久磁石13aと
内周側永久磁石13bは、所定間隔を保持して互いに並
列していて、同一径方向に対向する部位が互いに異極に
着磁されている。また、ロータ12における両スリット
12b,12c間の部位は、q軸方向の磁路12dとし
て形成されている。
【0018】当該シンクロナスリラクタンスモータにお
いては、ステータ11のステータ巻線に交流電流を印加
すると回転磁束が発生し、この回転磁束によりロータ1
2にはマグネットトルクとリラクタンストルクが発生し
て、ロータ12を回転駆動させる。この場合、q軸方向
の磁束が流れる磁路12d、12g、12hがあるた
め、q軸インダクタンスLqは大きくなり、一方、スリ
ット12b、12cにて磁路12d、12g、12hが
遮断されるため、d軸インダクタンスLdは小さくする
ことができる。これにより、当該シンクロナスリラクタ
ンスモータ10は、マグネットトルクとリラクタンスト
ルクの総合トルクが大きくなり、高トルクで高出力のモ
ータとなる。
【0019】しかして、本発明に係るシンクロナスリラ
クタンスモータにおいては、当該形式のシンクロナスリ
ラクタンスモータ10における、ロータ12の各スリッ
ト12b,12cの周方向中心線とステータ11の磁極
の中心線が一致するロータ12およびステータ11位置
関係(図1参照)にある場合のステータ巻線への非通電
時、ロータ12におけるステータ11との対向表面に近
い側のスリット、すなわち、外周側スリット12bに埋
設する外周側永久磁石13aの総磁束量を、ステータ1
1との対向表面から遠い側のスリット、すなわち、内周
側スリット12cに埋設する内周側永久磁石13bの総
磁束量より多いか同等に設定するものである。
【0020】両永久磁石13a,13bの総磁束量をこ
のような関係に設定する手段としては、ロータ12にお
ける径方向位置に応じて、永久磁石13a,13bの形
状(周方向長さ、径方向長さ、軸方向長)または材質を
変更する第1の設定手段、永久磁石の使用単位形状を同
一として、スリットへ埋設する永久磁石量を径方向スリ
ット間で変更する第2の設定手段、径方向非磁性隙間量
を変更する第3の設定手段等がある。
【0021】これらの設定手段のうち、第1の設定手段
を採用した場合の例として、図2には、同一材質で形成
されている両永久磁石において、外周側永久磁石13a
の周方向の長さを、内周側永久磁石13bの周方向の長
さに比較して大きく設定したシンクロナスリラクタンス
モータ10Aを示している。
【0022】図3には、第1の設定手段である永久磁石
の材質を変更して総磁束量の関係を設定したシンクロナ
スリラクタンスモータ10Bを示している。当該シンク
ロナスリラクタンスモータ10Bにおいては、外周側永
久磁石13aとして内周側永久磁石13bより高性能磁
石を採用しているものである。この場合、同図に示すよ
うに、外周側スリット12bの幅を内周側スリット12
cの幅より小さくして、高性能磁石である外周側永久磁
石13aとして、汎用磁石である内周側永久磁石13b
より厚みの薄い磁石を選定している。かかる設定手段
は、第2の設定手段おも採用しているものである。ま
た、耐遠心トルク性を考慮して、図4に示すシンクロナ
スリラクタンスモータ10Cのごとく、埋設する各永久
磁石13a,13bの回りに、保持用繋ぎ部12eを設
けるようにしてもよい。
【0023】図5には、第3の設定手段である径方向非
磁性隙間量を変更して総磁束量の関係を設定したシンク
ロナスリラクタンスモータ10Dを示している。当該シ
ンクロナスリラクタンスモータ10Dにおいては、内周
側スリット12c内で、内周側永久磁石12cとロータ
コア12a間に非磁性材料12fを介在させて、径方向
非磁性隙間量を変更することにより、総磁束量の関係を
設定しているものである。
【0024】なお、これらの各実施形態のシンクロナス
リラクタンスモータ10A,10B,10C,10Dに
おいては、径方向に2層に形成された外周側スリット1
2bおよび内周側スリット12cに、外周側永久磁石1
3aおよび内周側永久磁石13bを埋設している例を示
しているが、本発明は、スリットが径方向に3層に形成
されていて、これら各スリットに永久磁石をそれぞれ埋
設して形成されているシンクロナスリラクタンスモータ
にも実施し得るものである。但し、永久磁石の径方向の
層数を増大させると、製造コストが増大することから、
永久磁石の径方向の層数は3までとすることが好まし
い。
【0025】
【実施例】(実施例1)本実施例では、図6に示すよう
に、ステータ21と、径方向に2層の永久磁石23a,
23bを埋設したロータ22を備え、外周側永久磁石2
3aと内周側永久磁石23bの総磁束量を一定としたシ
ンクロナスリラクタンスモータ20を作成し、外周側永
久磁石23aと内周側永久磁石23bの磁束配分を変更
した場合の、トルク波形、平均トルクおよびトルクリッ
プ割合へ及ぼす影響について検討した。各シンクロナス
リラクタンスモータについて、平均トルクおよびトルク
リップ割合を測定し、その測定結果を図8のグラフ(靜
トルク波形)、および、図9のグラフ(平均トルクおよ
びトルクリップ割合)に示す。
【0026】但し、当該シンクロナスリラクタンスモー
タ20は、ステータ21およびロータ22の磁極数がそ
れぞれ48,8であって、矩形波駆動120度通電の場
合、平均トルクは図7でロータ回転範囲15度分をそれ
ぞれ平均トルクが最大となるように設定して求める。ま
た、トルクリップル割合は、同範囲内での(トルク最大
と最小の差)/平均トルクとしている。
【0027】当該シンクロナスリラクタンスモータ20
において、外周側永久磁石23aと内周側永久磁石23
bの総磁束量を一定とし、各永久磁石23a,23bの
磁束配分を内外2:1、1.5:1、1:1、1:1.
5、1:2とした場合、図8と図9のグラフで示すよう
に、磁束配分比が外周側永久磁石23a≧内周側永久磁
石23bのときには、平均トルクが大きくかつトルクリ
ップル割合が小さくて良好であることを確認した。
【0028】(実施例2)本実施例では、永久磁石が径
方向に2層のシンクロナスリラクタンスモータにおい
て、外周側永久磁石と内周側永久磁石として高性能磁
石、および、これより性能が劣る廉価な汎用磁石を適宜
組合わせて選定した場合の、平均トルクおよびトルクリ
ップル割合に及ぼす影響について検討した。但し、高性
能磁石としてはネオジ鉄ボロンからなる永久磁石を、汎
用磁石としてはフェライトからなる永久磁石を使用し
た。
【0029】本実施例においては、第1の構造のシンク
ロナスリラクタンスモータとして、図6に示すシンクロ
ナスリラクタンスモータ20と同一構造で、外周側永久
磁石と内周側永久磁石として共に汎用磁石を採用したシ
ンクロナスリラクタンスモータ30Aと、図6と同一構
造で、外周側永久磁石と内周側永久磁石として共に高性
能磁石を採用した図12に示すシンクロナスリラクタン
スモータ30Bを作成した。
【0030】また、第2の構造のシンクロナスリラクタ
ンスモータとしては、図3に示すシンクロナスリラクタ
ンスモータ10Bと同一構造で、外周側永久磁石として
高性能磁石を採用し、かつ、内周側永久磁石とし汎用磁
石を採用したシンクロナスリラクタンスモータ30Dを
作成した。更に、図3と同一構造で、両永久磁石を共に
埋設していないシンクロナスリラクタンスモータ30C
を作成した。
【0031】また、第3の構造のシンクロナスリラクタ
ンスモータとしては、図3に示すシンクロナスリラクタ
ンスモータ10Bとは両磁石の大きさが逆の関係にある
図7に示すシンクロナスリラクタンスモータ30Eであ
って、外周側永久磁石として汎用磁石を採用し、かつ、
内周側永久磁石として高性能磁石を採用したシンクロナ
スリラクタンスモータ30Eを作成した。
【0032】これらのシンクロナスリラクタンスモータ
30A,30B,30C,30D,30Eにおける両永
久磁石の選定状態、磁束量比、平均トルク、トルクリッ
プル割合、コスト順位を表1に示すとともに、各シンク
ロナスリラクタンスモータ30A,30B,30D,3
0Eの静トルク波形を図10のグラフに、シンクロナス
リラクタンスモータ30C,30Dの静トルク波形を図
11のグラフに示す。
【0033】但し、表1におけるSRMはシンクロナス
リラクタンスモータを、MOSは外周側永久磁石を、M
ISは内周側永久磁石を、(高)は高性能磁石を、
(汎)は汎用磁石をそれぞれ意味する。また、磁束量比
は、各図のステータとロータの関係位置でのステータ巻
線への非通電時における永久磁石が発生する磁束量比を
意味する。
【0034】
【表1】
【0035】図10のグラフを参照すると明らかなよう
に、平均トルクは大きい順に、シンクロナスリラクタン
スモータ30B(比率1)、30D(比率0.85)、
30E(比率0.78)、30A(比率0.75)、3
0C(比率0.56)の関係にある。トルクリップル割
合は良好な順に、シンクロナスリラクタンスモータ30
B(比率1)、30D(比率1.17)、30A(比率
1.32)、30C(比率2.25)、30E(比率
2.31)の関係にある。磁石材料費は高い順に、シン
クロナスリラクタンスモータ30B、30D、30E、
30A、30Cの順にある。
【0036】図11は、シンクロナスリラクタンスモー
タにおいて、永久磁石の有無(シンクロナスリラクタン
スモータ30Dと30C)による静トルク波形の相違を
示すグラフである。永久磁石を有するシンクロナスリラ
クタンスモータ30Dに対する、永久磁石を有しないシ
ンクロナスリラクタンスモータ30Cの平均トルク割合
は、0.66であることから、前者の平均トルクは、リ
ラクタンストルクが主であるものと理解できる。永久磁
石を有しないシンクロナスリラクタンスモータ30Cの
静トルク波形は、上記した他のシンクロナスリラクタン
スモータ30A,30B,30Eにおいて、永久磁石を
除いた場合の静トルク波形と略一致していることを確認
している。
【0037】(考察の詳細)シンクロナスリラクタンス
モータ30Bより磁石材料費を低減させた各シンクロナ
スリラクタンスモータ30A,30D,30Eにおい
て、使用磁石が同一の場合で使用態様を異にするシンク
ロナスリラクタンスモータ30D,30Eでは、平均ト
ルク、トルクリップル割合共に、シンクロナスリラクタ
ンスモータ30Dが良好である。シンクロナスリラクタ
ンスモータ30Eの平均トルクがシンクロナスリラクタ
ンスモータ30Dより低いのは、シンクロナスリラクタ
ンスモータ30Eにおける内周側永久磁石(MIS)の
磁束が、リラクタンストルクの発生に寄与するリラクタ
ンス磁束の発生を妨げるからであると推測される。
【0038】シンクロナスリラクタンスモータ30A,
30E間での比較では、平均トルクは略同等であるが、
トルクリップル割合および磁石材料費はシンクロナスリ
ラクタンスモータ30Aの方が良好である。また、シン
クロナスリラクタンスモータ30A,30D間での比較
では、平均トルク、トルクリップル割合に加えて、耐遠
心力性においても、シンクロナスリラクタンスモータ3
0Dの方が有利であるものと認められる。但し、磁石材
料費は増大する。
【0039】シンクロナスリラクタンスモータ30B,
30D間の比較では、シンクロナスリラクタンスモータ
30Dは、シンクロナスリラクタンスモータ30Bに対
しては、平均トルク比率が0.85、トルクリップル割
合比率が1.17、高性能磁石の使用量が0.5であ
る。かかる実施態様では、トルク低下を限定的に留め、
高価な高性能磁石の使用を半減でき、磁石材料コストの
低減を図ることができる。
【0040】(考察の総括)以上のことから、シンクロ
ナスリラクタンスモータにおいては、ロータの径方向の
2層のスリットの周方向中心線とステータ磁極の周方向
中心線が一致するロータおよびステータの位置関係にお
いて、ステータ巻線への非通電時に、外周側永久磁石の
総磁束量を、内周側永久磁石の総磁束量より多いかまた
は同等である関係に設定することにより、平均トルクが
高く、トルクリップル割合が小さくて高性能のシンクロ
ナスリラクタンスモータを構成することができることが
判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用対象とする第1のシンクロナスリ
ラクタンスモータの概略的構成図である。
【図2】本発明に係る第1のシンクロナスリラクタンス
モータの概略的構成図である。
【図3】本発明に係る第2のシンクロナスリラクタンス
モータの概略的構成図である。
【図4】本発明に係る第3のシンクロナスリラクタンス
モータの概略的構成図である。
【図5】本発明に係る第4のシンクロナスリラクタンス
モータの概略的構成図である。
【図6】本発明が実施例の対象とする構造のシンクロナ
スリラクタンスモータの概略的構成図である。
【図7】本発明が実施例の対象とする他の構造のシンク
ロナスリラクタンスモータの概略的構成図である。
【図8】実施例1の各シンクロナスリラクタンスモータ
における静トルク波形を示すグラフである。
【図9】実施例1の各シンクロナスリラクタンスモータ
における磁石総磁束量が一定で磁束量比率を変化させた
ときの平均トルクおよびトルクリップル割合を示すグラ
フである。
【図10】実施例2の各シンクロナスリラクタンスモー
タにおける静トルク波形を示すグラフである。
【図11】実施例2のシンクロナスリラクタンスモータ
における磁石の有無に関わる静トルク波形を示すグラフ
である。
【図12】本発明が実施例の対象とする他の構造のシン
クロナスリラクタンスモータの概略的構成図である。
【符号の説明】
10,10A,10B,10C,10D,20,30
A,30B,30C,30D,30E…シンクロナスリ
ラクタンスモータ、11,21…ステータ、11a…テ
ィース、12,22…ロータ、12a…ロータコア、1
2b,12c…スリット、12d,12g,12h…磁
路、12e…保持用繋ぎ部、12f…非磁性材料、13
a,13b、23a,23b…永久磁石。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 21/14 H02K 21/14 M Fターム(参考) 5H002 AA09 AB07 AC06 AE08 5H619 AA01 BB01 BB13 BB15 BB24 PP02 PP06 PP08 5H621 AA03 GA01 GA04 GA16 HH01 HH08 JK02 JK05 5H622 AA03 CA02 CA07 CA14 CB03 CB05 CB06 PP10 PP11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内周側にステータ巻線を巻回されているテ
    ィースを周方向に所定本数有するステータと、同ステー
    タの内周側に回転可能に支持されて位置し同ステータの
    内周に対向して設けた各スリットに永久磁石が埋設さて
    いるロータを備えてなり、同ロータが有する1極当たり
    のスリットはロータの半径方向に複数層形成されてい
    て、これらに埋設された外周側永久磁石と内周側永久磁
    石は、所定間隔を保持してロータ外周まで延びていると
    ともに、同一径方向に対向する部位が異極に着磁されて
    いるシンクロナスリラクタンスモータにおいて、前記ロ
    ータの各スリットの周方向中心線と前記ステータの磁極
    の中心線が一致するロータおよびステータ位置関係にて
    前記ステータ巻線への非通電時、前記ロータにおける前
    記ステータとの対向表面に近い側の前記外周側永久磁石
    の総磁束量は、前記ステータとの対向表面から遠い側の
    前記内周側永久磁石の総磁束量より多いか同等であるこ
    とを特徴とするシンクロナスリラクタンスモータ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のシンクロナスリラクタン
    スモータにおいて、前記両永久磁石の総磁束量の関係
    は、径方向位置に応じて、永久磁石の形状または材質を
    変更することにより設定されることを特徴とするシンク
    ロナスリラクタンスモータ。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のシンクロナスリラクタン
    スモータにおいて、前記両永久磁石の総磁束量の関係
    は、径方向位置に応じて、永久磁石の使用単位形状を同
    一としてスリットに埋設する永久磁石量を径方向のスリ
    ット間で変更することにより設定されることを特徴とす
    るシンクロナスリラクタンスモータ。
  4. 【請求項4】請求項1に記載のシンクロナスリラクタン
    スモータにおいて、前記両永久磁石の総磁束量の関係
    は、径方向位置に応じて、径方向非磁性隙間量を変更す
    ることにより設定されることを特徴とするシンクロナス
    リラクタンスモータ。
JP2001064004A 2001-03-07 2001-03-07 シンクロナスリラクタンスモータ Pending JP2002272031A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001064004A JP2002272031A (ja) 2001-03-07 2001-03-07 シンクロナスリラクタンスモータ
US10/091,528 US6815859B2 (en) 2001-03-07 2002-03-07 Synchronous reluctance motor
US10/951,665 US7015614B2 (en) 2001-03-07 2004-09-29 Synchronous reluctance motor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001064004A JP2002272031A (ja) 2001-03-07 2001-03-07 シンクロナスリラクタンスモータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002272031A true JP2002272031A (ja) 2002-09-20

Family

ID=18922899

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001064004A Pending JP2002272031A (ja) 2001-03-07 2001-03-07 シンクロナスリラクタンスモータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002272031A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008104323A (ja) * 2006-10-20 2008-05-01 Toshiba Corp 永久磁石式リラクタンス型回転電機
WO2013013435A1 (zh) * 2011-07-28 2013-01-31 珠海格力电器股份有限公司 永磁同步电机
WO2013098912A1 (ja) * 2011-12-26 2013-07-04 三菱電機株式会社 回転子
KR101542763B1 (ko) * 2013-12-18 2015-08-10 한국생산기술연구원 영구자석 전동모터의 하이브리드 로터 구조
US9502933B2 (en) 2011-08-05 2016-11-22 Gree Electric Appliances, Inc. Of Zhuhai Permanent magnet synchronous electric machine
US9502930B2 (en) 2011-08-05 2016-11-22 Gree Electric Appliances, Inc. Of Zhuhai Motor rotor and motor having same
US9502934B2 (en) 2011-08-05 2016-11-22 Gree Electric Appliances, Inc. Of Zhuhai Motor rotor and motor having same
US9515526B2 (en) 2011-08-05 2016-12-06 Gree Electric Appliances, Inc. Of Zhuhai Motor and rotor thereof
JP2017500841A (ja) * 2013-12-25 2017-01-05 グリーン リフリジェレーション イクイップメント エンジニアリング リサーチ センター オブ ヂューハイ グリー カンパニー リミテッド 永久磁石モータ
KR20170040105A (ko) * 2015-10-02 2017-04-12 가부시끼가이샤 도시바 영구자석식 회전자 및 영구자석식 회전 전기 머신
JP2018038109A (ja) * 2016-08-29 2018-03-08 富士電機株式会社 回転子及び永久磁石式回転電機
JP2018098859A (ja) * 2016-12-09 2018-06-21 オークマ株式会社 多層フラックスバリア型リラクタンスモータの回転子

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008104323A (ja) * 2006-10-20 2008-05-01 Toshiba Corp 永久磁石式リラクタンス型回転電機
WO2013013435A1 (zh) * 2011-07-28 2013-01-31 珠海格力电器股份有限公司 永磁同步电机
US9502933B2 (en) 2011-08-05 2016-11-22 Gree Electric Appliances, Inc. Of Zhuhai Permanent magnet synchronous electric machine
US9515526B2 (en) 2011-08-05 2016-12-06 Gree Electric Appliances, Inc. Of Zhuhai Motor and rotor thereof
US9502934B2 (en) 2011-08-05 2016-11-22 Gree Electric Appliances, Inc. Of Zhuhai Motor rotor and motor having same
US9502930B2 (en) 2011-08-05 2016-11-22 Gree Electric Appliances, Inc. Of Zhuhai Motor rotor and motor having same
JPWO2013098912A1 (ja) * 2011-12-26 2015-04-30 三菱電機株式会社 回転子およびモータ
US9472986B2 (en) 2011-12-26 2016-10-18 Mitsubishi Electric Corporation Rotor
CN104011974A (zh) * 2011-12-26 2014-08-27 三菱电机株式会社 转子
WO2013098912A1 (ja) * 2011-12-26 2013-07-04 三菱電機株式会社 回転子
KR101542763B1 (ko) * 2013-12-18 2015-08-10 한국생산기술연구원 영구자석 전동모터의 하이브리드 로터 구조
JP2017500841A (ja) * 2013-12-25 2017-01-05 グリーン リフリジェレーション イクイップメント エンジニアリング リサーチ センター オブ ヂューハイ グリー カンパニー リミテッド 永久磁石モータ
KR20170040105A (ko) * 2015-10-02 2017-04-12 가부시끼가이샤 도시바 영구자석식 회전자 및 영구자석식 회전 전기 머신
KR101877126B1 (ko) * 2015-10-02 2018-07-10 가부시끼가이샤 도시바 영구자석식 회전자 및 영구자석식 회전 전기 머신
JP2018038109A (ja) * 2016-08-29 2018-03-08 富士電機株式会社 回転子及び永久磁石式回転電機
JP2018098859A (ja) * 2016-12-09 2018-06-21 オークマ株式会社 多層フラックスバリア型リラクタンスモータの回転子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6995494B2 (en) Axial gap brushless DC motor
US20100013333A1 (en) Magnetic radial bearing having permanent-magnet generated magnetic bias, and a magnetic bearing system having a magnetic radial bearing of this type
JP3466591B2 (ja) 回転電機
JP2011036010A (ja) 回転電機
JP2001339922A (ja) 永久磁石式リラクタンス型回転電機
JP6668844B2 (ja) 回転電機
EP1414140A1 (en) Electric machine, in particular an axial gap brushless DC motor
JP2002272031A (ja) シンクロナスリラクタンスモータ
JP2003180059A (ja) 車両用交流回転電機
WO2018051938A1 (ja) 回転電機
CN111478470A (zh) 一种带双电枢径向磁路结构的永磁同步电机
KR102491659B1 (ko) 영구자석 내측 배치형 비엘디씨 모터
KR102191647B1 (ko) Bldc 모터
CN106100272B (zh) 一种少稀土齿轭互补的双凸极磁通可控电机
CN100386953C (zh) 混合励磁双凸极永磁同步电机
JP2002272067A (ja) 籠形回転子および該籠形回転子を用いる電動機
JP2017204961A (ja) 回転電機
US10361614B2 (en) AC excitation synchronous rotating electric machine
JPH1198728A (ja) 永久磁石回転電機
JP6536421B2 (ja) 回転電機
JP2014197957A (ja) マルチギャップ型同期モータ
JP5460807B1 (ja) 同期電動機
JP2018148675A (ja) 回転電機のステータ
JP2002191157A (ja) 永久磁石併用同期回転機
JP6830073B2 (ja) 回転電機