JP2002271011A - 接合パターン形成方法およびそのための装置 - Google Patents

接合パターン形成方法およびそのための装置

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JP2002271011A
JP2002271011A JP2001071963A JP2001071963A JP2002271011A JP 2002271011 A JP2002271011 A JP 2002271011A JP 2001071963 A JP2001071963 A JP 2001071963A JP 2001071963 A JP2001071963 A JP 2001071963A JP 2002271011 A JP2002271011 A JP 2002271011A
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voltage
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Manabu Tazaki
学 田崎
Akio Furusawa
彰男 古澤
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子部品実装において配線パターンと電子部
品を接合するための導電性接合材料を接合パターンとし
て基体上に形成する新規な方法を提供する。 【解決手段】 プリントヘッド構造の基体と反対側の開
口部の入口近傍に保持体を用いて帯電した導電性粒子を
配置する。プリントヘッド構造には、複数の開口部の各
々を囲んで複数の制御電極が備えられる。背面電極に電
圧を印加してこれと保持体との間に第1の電位差を与
え、複数の制御電極のうちの所定の制御電極に電圧を印
加してこれと保持体との間に第2の電位差を与えること
により、開口部の入口近傍に配置された導電性粒子の一
部を、所定の制御電極で囲まれる開口部を通して、基体
上の所定の箇所に向かって飛翔させて付着させる。これ
により、導電性粒子からなる接合パターンを基体上に形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子回路基板を形
成するための電子部品実装プロセスにおいて、配線パタ
ーンが形成された基体上に、配線パターンと電子部品と
を接合するための導電性接合材料を接合パターンとして
形成する方法およびそのための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話およびビデオムービーな
どを含む携帯機器に対する需要が急速に拡大し、これに
内臓される電子回路基板の形成技術に関する研究が進ん
でいる。このような携帯機器は小型化および高機能化が
望まれ、これに伴って、内臓される電子回路基板の高集
積化が進んでいる。
【0003】この電子回路基板においては、配線パター
ンを介して種々の電子部品間を電気的に接続し、ならび
に電子部品を基板上に固定するために、より詳細には基
板上に形成された配線パターンの所定の箇所(以下、ラ
ンドまたはランドパターンとも言う)と電子部品の所定
の箇所(例えば端子、ターミナル、または電極など)と
を電気的および物理的に接合するために、導電性接合材
料がこれら所定の箇所間に配置されている。このような
接合材料としては、一般的には、スズおよび鉛を主成分
とする直径10〜40μmのはんだ粉末と、ロジン、活
性剤および溶剤からなるフラックスとが混ぜ合わされた
クリームはんだが用いられる。
【0004】従来、電子回路基板を形成するための電子
部品実装プロセスにおいて、上記のような接合材料を基
板上の配線パターンの所定の箇所、即ちランド上に供給
する方法として、スクリーン印刷法が用いられている。
この方法においては、まず、接合材料を配置するための
ランドに対応するように所定の形状の開口部が所定の箇
所に設けられた、厚さ80〜150μmのメタルマスク
(またはスクリーン版)を、その開口部が基板上のラン
ドと整合するようにして基板に接触させて配置する。そ
して、基板上に配置したメタルマスク上の一方の端部付
近に接合材料を供給する。次に、スキージと呼ばれるヘ
ラを基板面に対して平行移動させてメタルマスク上にあ
る接合材料をならすことによって、メタルマスクに設け
られた開口部に該接合材料を充填する。その後、メタル
マスクを基板から離して、メタルマスクとその上にある
接合材料を基板から除去する。このとき、開口部に充填
された接合材料はメタルマスクを通り抜けて、即ち「版
抜け」して、基板上の配線パターンのランド上に残留す
る。メタルマスクの1つの開口部を通して供給される接
合材料は、その下に位置するランドのサイズとほぼ同じ
平面サイズを有し、メタルマスクとほぼ同じ厚さを有す
る。これにより、接合材料が配線パターンの所定の箇所
に接合パターンとして配置される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現在、電子回路基板の
更なる高集積化を図るべく、基板に実装される電子部品
の小型化ならびに電子部品端子間の狭ピッチ化がますま
す進行する方向にあり、より微細な回路形成が求められ
ている。これに対応して、電子部品実装用のランドの更
なる微小化ならびにこのようなランド上に形成される接
合パターンの更なる微細化が求められている。
【0006】具体的には、端子が回路基板と面する側に
配列して設けられたCSP(チップ・スケール(または
サイズ)・パッケージ)部品、例えば、ランド状の端子
を有するLGA(ランド・グリット・アレイ)およびボ
ール状の端子を有するBGA(ボール・グリッド・アレ
イ)などの部品では、従来は、0.8mmピッチの電極
を有するものが主流であり、このような部品を基板に実
装するためには、直径0.4〜0.5mmのサイズの円
形のランドが用いられていた。しかし、最近は、0.5
〜0.4mmピッチの電極を有するものが作製され始
め、これを実装するためには、ランドのサイズを直径
0.2〜0.3mmに微小化することが要求されてい
る。
【0007】また、抵抗器やコンデンサーなどのチップ
部品では、従来は1005部品(1.0mm×0.5m
mサイズの部品)が主流であり、これを実装するために
は0.5mm×0.5mmサイズの矩形のランドが用い
られていた。これに対して、最近は、0603部品
(0.6mm×0.3mmサイズの部品)、更には04
02部品(0.4mm×0.2mmサイズの部品)が作
製され始め、これらを実装するためには、ランドのサイ
ズをそれぞれ0.3mm×0.3mm、0.2mm×
0.2mmに微小化することが要求されている。
【0008】しかし、メタルマスクを用いる従来のスク
リーン印刷法は、このような微小なランドの上に接合材
料を供給して微細な接合パターンを形成するのに十分満
足できるものではない。
【0009】従来のスクリーン印刷法によれば、上述し
たように、クリームはんだ(接合材料)の充填工程およ
びいわゆる「版抜け」工程を経て接合パターンが形成さ
れる。この版抜け工程では、メタルマスクの開口部に充
填されたクリームはんだと基板との密着力と、該クリー
ムはんだとメタルマスクの開口部壁面との摩擦力(また
は付着力)とのバランス(または相対関係)が重要とな
り、充填されたクリームはんだがメタルマスクから良好
に離れ得るためには(即ち、良好な「版離れ」を得るた
めには)、該密着力のほうが該摩擦力よりも大きいこと
が必要である。
【0010】しかし、より小さいランド上に接合材料を
供給するためにメタルマスクの開口部の面積をより小さ
くすると、接合材料が版抜けせずに開口部に残留し、接
合材料が配置されていないランドが存在し得るという問
題がある。これは、開口部に充填された接合材料の開口
部壁面との接触面積の減少割合よりも基板との接触面積
の減少割合のほうが大きく、上記密着力と上記摩擦力と
のバランスが変化して、摩擦力よりも密着力のほうが小
さくなるからである。
【0011】この問題を克服するために、クリームはん
だと基板との密着力が接合材料とメタルマスクの開口部
壁面との摩擦力に打ち勝ち得るのに十分なように摩擦力
を低下させるために、メタルマスクの厚みをより薄くす
ることも考えられる。例えば、メタルマスクの厚みを4
0〜60μmへ減少させると、接合材料が開口部に残留
することなく版抜けして、基板上に接合材料部分を形成
することができる。
【0012】しかし、メタルマスクの厚みをより薄くす
ると、配線パターンの所定の箇所、即ちランド上に正確
に接合パターンを形成できないという新たな問題が生じ
得る。これは、接合材料の充填工程においては、スキー
ジをメタルマスクに接触させ、メタルマスクに圧力をか
けた状態で、メタルマスク面に対して平行移動させてい
るので、メタルマスクの厚みをより薄くすると、基体に
対するメタルマスクの微妙なずれが生じ易く、よって基
体上のランドとこれに対応するメタルマスクの開口部と
の位置がわずかにずれ易くなるからである。
【0013】また、スクリーン印刷法は、同一品種を大
量生産する場合に適しているが、形成すべき接合パター
ンに合わせて、即ち品種毎にメタルマスクを予め作製す
る必要があり、また、印刷工程において品種毎にメタル
マスクを切り替えなければならないため、多品種少量生
産には適していない。
【0014】これらの問題に加えて、接合材料として一
般的に用いられるクリームはんだには、印刷性を良くす
るために通常添加されているチキソ剤の物性が応力に対
して変化し易いために流動特性が安定せず、基板への転
写状態の制御が困難であるという問題がある。
【0015】本発明は上記従来の問題を解決するために
なされたものであり、本発明の目的は、電子部品実装プ
ロセスにおいて、配線パターンと電子部品とを接合する
ための導電性接合材料を接合パターンとして、回路用基
板上に形成された配線パターンの所定の箇所に正確に形
成する新規な方法ならびにそのための装置を提供するこ
とにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、電子部品の実
装において、配線パターンと電子部品とを接合する導電
性粒子からなる接合パターンを、配線パターンが形成さ
れた基体の上面上(本明細書において、単に基体上とも
言うものとする)に形成するための方法であって:
(a)接合パターンを形成する、基体の上面側に基体か
ら離れて位置するプリントヘッド構造であって、複数の
開口部が貫通して設けられ、互いに独立した複数の制御
電極が該開口部の各々を取り囲んで(即ち、開口部の輪
郭に等しい貫通孔を制御電極の中央部に有して)配置さ
れているプリントヘッド構造の、基体と反対側の開口部
の入口近傍に、帯電した導電性粒子を保持する保持体を
用いて導電性粒子を配置する工程と;(b)基体の下面
側に位置する背面電極に電圧を印加して、背面電極と保
持体との間に第1の電位差を与えて電界を発生させる工
程と;(c)所定の制御電極に電圧を印加して、該所定
の制御電極と該保持体との間に第2の電位差を与えて電
界を発生させて、工程(a)により基体と反対側の開口
部の入口近傍に配置された導電性粒子の一部であって、
電圧が印加された該所定の制御電極によって取り囲まれ
る開口部の上方に位置する導電性粒子を、該所定の制御
電極によって取り囲まれる開口部を通して、基体の上面
上の配線パターンの所定の箇所(例えばランド上)に向
かって飛翔させて、該所定の箇所に付着させ、これによ
り、導電性粒子からなる所望の接合パターンを基体の上
面上に形成する工程とを含む方法を提供する。以下、本
発明の方法全体を指して「接合パターン形成方法」と言
うものとする。
【0017】尚、本明細書において、用語「導電性粒
子」とは、電子部品の実装プロセスにおいて配線パター
ンと電子部品とを接合する導電性接合材料として用いら
れる粒子形態の材料を言うものとする。本発明に利用可
能な「導電性粒子」は、本発明の実施に際して任意の適
切な方法によって負または正の極性に帯電させることが
でき、かつ少なくとも電子部品を実装した後に配線パタ
ーンと電子部品とを電気的および物理的に接合すること
ができればよい。
【0018】従って、本明細書に言う「導電性粒子」
は、導電性粒子を接合材料として用いて電子部品を基体
に実装した後に導電性を示す限り、本発明の実施に際し
ては必ずしも導電性である必要はない。よって「導電性
粒子」には、本発明の実施に際して導電性を有する粒子
を用い得ることはもちろん、本発明の実施に際して導電
性を有していなくても、その後に何らかの処理(例えば
熱処理)を施すことによって導電性を有するように変化
させることが可能な粒子を用いることもできる。特に、
後者のような粒子を用いることは、制御電極と保持体と
が導電性粒子を介して電気的に短絡(またはショート)
して、制御電極に接続されている電気回路が破壊される
ことを回避できるという利点を有する。このような導電
性粒子には、例えば、その表面が絶縁性樹脂材料からな
り、その内部に金属などの導電性材料からなる部分を有
するものが挙げられる。このような構造を有する導電性
粒子は、本発明の実施に際しては絶縁性を示すが、本発
明に従って導電性粒子からなる接合パターンを基体上に
形成した後、電子部品を基体に実装するために、この基
体に電子部品を配置して熱処理を施すことによって(例
えば、絶縁性材料として熱溶融性または熱硬化性の樹脂
材料を用いた場合、熱処理によりこれら樹脂材料が溶融
または硬化して、その内部の導電性材料が集まって熱処
理後に導電性となって)、電子部品と配線パターンとを
電気的および物理的に接合することが可能である。
【0019】以下、本発明の接合パターン形成方法につ
いて各工程毎に詳述する。
【0020】1.工程(a) まず最初に、任意の方法で帯電させた導電性粒子を静電
力または鏡像力によって保持体に保持させる。導電性粒
子は、いずれの適切な形状およびサイズを有し得るが、
例えば球状、棒状(即ち回転楕円体状)、または不定形
などの種々の形状であってよく、また、例えば平均粒径
dは、約5〜50μmとすることができる。このような
導電性粒子を保持する保持体は、電圧を印加されていて
も、あるいは直接に接地(またはゼロVに設定)されて
いてもよい。電圧を印加する場合は、導電性粒子の帯電
電荷と反対の極性の電圧を印加して、導電性粒子を保持
体表面に静電力によって吸着させることができる。ま
た、直接に接地する場合は、保持体と導電性粒子との間
の鏡像力によって導電性粒子を同様に吸着させることが
できる。
【0021】このようにして導電性粒子を保持させた保
持体を用いて、複数の開口部が貫通して設けられている
プリントヘッド構造(このプリントヘッド構造には、互
いに独立した複数の制御電極が開口部の各々を取り囲ん
で配置されている)の開口部の基体と反対側の入口近傍
に、帯電した導電性粒子を配置する。尚、本明細書にお
いて用語「上面側」は、基体を基準として基体の接合パ
ターンを形成すべき側を言うものであり、基体に関して
これと反対側を「下面側」とする。
【0022】プリントヘッド構造は、導電性粒子を基体
の上面上に直接に付着させるための構造体であり、例え
ば、いわゆる直接静電印刷などの技術分野で既知のプリ
ントヘッド構造を適用することが可能である。プリント
ヘッド構造には、複数の(例えば円筒状の)貫通した開
口部が設けられ、この開口部は、好ましくは列状に配置
され、1列、2列またはそれ以上の列あるいは網目状の
構成を有し得る。開口部の大きさは、導電性粒子が通過
するのに十分な大きさであればよいが、好ましくは開口
部の直径Dは導電性粒子の平均粒子径dに対して、約5
〜10倍、例えば約25〜500μmである。また、開
口部間の距離は開口部の直径Dに対して、好ましくは約
2〜5倍である。
【0023】更に、プリントヘッド構造には、例えば
銅、金または銀などからなる制御電極が、上記開口部の
各々を取り囲んで(即ち、開口部の輪郭に等しい貫通孔
を制御電極の中央部に有して)、互いに独立して設けら
れている。この制御電極は、個々に(アドレス可能に)
制御され、所定の制御電極のみに電圧を印加することが
できるように構成される。このような制御電極は、例え
ば円筒状開口部と同軸上に配置された環形状を有し得
る。制御電極が設けられる位置は、開口部の各々を取り
囲むように設けられる限りいずれの位置としてもよい
が、例えば、プリントヘッド構造の基体側の表面および
/または基体と反対側の表面に位置していてよく、ある
いは表面に露出せず、プリントヘッド構造に埋め込まれ
ていてもよい。プリントヘッド構造の厚さ方向における
制御電極の高さは特に限定されない。
【0024】2.工程(b) 次に、基体の下面側に位置する背面電極に、第1電圧印
加手段を用いて電圧を印加して、背面電極と保持体との
間に第1の電位差を与えて電界を発生させる。この第1
電圧印加手段は、背面電極に電圧を印可して背面電極と
保持体との間に第1の電位差を与え得る限り、上記保持
体に接続されていても、いなくてもよい。背面電極は、
任意の適切な導電性材料からなり、また、円筒(または
ローラ)形状または板(またはシート)形状などの任意
の適切な形状であり得る。
【0025】この工程により背面電極と保持体との間に
与えられる第1の電位差は、プリントヘッド構造の基体
と反対側の入口近傍に配置された導電性粒子の帯電電荷
に応じて適切に選択されるべきである。導電性粒子の基
体への飛翔、特に、制御電極の貫通孔を通過してから基
体に付着するまでの飛翔を支援するように、導電性粒子
が負の帯電電荷を有する場合には、第1の電位差は保持
体の電位を基準(以下においても同様)として正の値と
し、導電性粒子が正の帯電電荷を有する場合には、第1
の電位差は負の値とする。この第1の電位差は、背面電
極と保持体との間に形成される電界(および重力等)の
みでは、保持体に保持されている導電性粒子が開口部を
通過して飛翔することのないような大きさとされる。
【0026】3.工程(c) 次に、所定の制御電極に第2電圧印加手段を用いて電圧
を印加して、該所定の制御電極と該保持体との間に第2
の電位差を与えて電界を発生させる。この第2電圧印加
手段もまた、所定の制御電極に電圧を印加して所定の制
御電極と保持体との間に第2の電位差を与え得る限り、
上記保持体に接続されていても、いなくてもよい。
【0027】ここで、電圧を印加すべき所定の制御電極
は、導電性粒子を付着させるべき基体の上面上の所定の
位置(または箇所)に導電性粒子がうまく付着するよう
に、保持体と、プリントヘッド構造の開口部と、導電性
粒子を付着させるべき基体上の所定の位置と、背面電極
との位置関係(またはこれらの配置)や、基体の搬送速
度および搬送様式ならびに導電性粒子が基体に付着する
までに要する時間などの種々のパラメータに応じて適切
に選択される。本発明においては、保持体とプリントヘ
ッド構造の開口部を取り囲む制御電極との間の第2の電
位差に起因する電界の電気力線の方向が、保持体と背面
電極との間の第1の電位差に起因する電界の電気力線の
方向と実質的に同一直線上にあるように、これらの部材
が配置されることが好ましい。このような配置では、上
記のようなパラメータを考慮して選択した所定の制御電
極に電圧を印加すると、保持体上の導電性粒子は、保持
体から離れて直線的に飛翔し、開口部を通過して基体の
上面上の所定の位置へ到達して付着する。
【0028】この工程により制御電極と保持体との間に
与えられる第2の電位差もまた、導電性粒子の帯電電荷
に応じて選択されるべきである。導電性粒子を保持体か
ら離して飛翔させるように、導電性粒子が負の帯電電荷
を有する場合には、第2の電位差は保持体の電位を基準
(以下においても同様の基準とする)として正の値と
し、導電性粒子が正の帯電電荷を有する場合には、第2
の電位差は負の値とする。この第2の電位差の大きさ
は、所定の制御電極と保持体との間に形成される電界
(および重力等)によって、保持体に保持されている導
電性粒子が、該制御電極の貫通孔を通過するのに十分な
大きさとされる。ここで、所定の制御電極と保持体との
間に形成される電界は、第1の電位差および第2の電位
差に起因する電界が重ね合わされたものである。
【0029】上記のような第2の電位差を制御電極と保
持体との間に与えて電界を発生させると、工程(a)に
より開口部の基体と反対側の入口近傍に配置された帯電
した導電性粒子は、電気的引力により保持体から引き離
されて飛翔し、該所定の制御電極の貫通孔を通過する。
更に、このようにして引き離され、該貫通孔を通過して
飛翔する導電性粒子は、第1の電位差により背面電極と
保持体との間に形成された電界に起因する電気的引力に
より、プリントヘッド構造の該制御電極により囲まれる
開口部の基体側の出口を出て、そのまま基体に向かって
直線的に飛翔して基体上に付着する。
【0030】この結果、導電性粒子は、電圧を印加した
所定の制御電極が取り囲む開口部のみを通過して基体上
に付着し、他方、電圧を印加しないその他の制御電極が
取り囲む開口部は通過しないことになる。従って、制御
電極への電圧の印加の有無を選択することにより、導電
性粒子を付着させるか、させないかを選択することが可
能となる。これにより、導電性粒子を所望の箇所のみに
付着させて、基体の上面上に導電性粒子からなる所望の
接合パターンを形成することができる。
【0031】以上のようにして本発明の接合パターン形
成方法が実施されるが、本発明は更に、導電性粒子を基
体上に定着させる工程を必要に応じて含むことが好まし
い。例えば、導電性粒子がプリントヘッド構造を離れて
基体上に付着するまでの間に導電性粒子に粘着剤を噴霧
するか、あるいは粘着剤が分散された雰囲気下で工程
(c)を実施するなどして導電性粒子に粘着剤を付着さ
せ、これにより、導電性粒子が基体上に付着したときに
粘着剤によって導電性粒子を基体に定着させる(または
仮止めする)ことができる。使用可能な粘着剤として
は、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなどのアル
コールがある。あるいはまた、例えば、導電性粒子が基
体に付着した後に、該基体を定着ローラに搬送して、熱
圧着することによって定着させることもできる。
【0032】一般的には、配線パターンと電子部品とを
電気的および物理的に接合するための接合材料として用
いられる導電性粒子の接合パターンは、良好な電気伝導
性を達成できる範囲で十分な接合強度を有することが望
ましい。従って、導電性粒子の接合パターンは、ある程
度の厚さ、例えば30〜100μmの厚さを有すること
が望ましい。導電性粒子の接合パターンにある程度の厚
さを付与するためには、基体の搬送様式(例えば基体を
連続的に移動させるか、間欠的に移動させること)およ
び搬送速度を調節しながら、上記工程(c)の制御電極
に電圧を印加する時間をより長くすることが好ましい。
あるいは、上記の一連の工程を繰返し実施することによ
り、同一の接合パターンを同一の基体上に重ねて形成し
て、所望の厚さにするようにしてもよい。
【0033】本発明の1つの態様においては、予め設計
データが格納されたデータベースから設計データを読み
出し、読み出された設計データに基づいて所定の制御電
極に電圧が印加される。例えば、予め複数の設計データ
が格納されたデータベースから、オペレータが指定した
品種(または品番)に対応する設計データが読み出さ
れ、読み出された設計データに基づいて所定の制御電極
がアドレス指定され、電圧印加されるような構成とし得
る。尚、本明細書において、「設計データ」は、基体上
に配置されるべき接合パターンの二次元的な設計情報を
データ化したものを言う。
【0034】また、本発明の別の態様においては、基体
から位置データを読み取り、読み取られた位置データに
基づいて所定の制御電極に電圧が印加される。ここで、
「位置データ」は、基体上に備えられ、接合パターンを
形成すべき位置に関する情報をデータ化したものを言
う。例えば、位置データは、基体上に形成されたラン
ド、配線パターン、認識マーク、着色マーク(例えばシ
ルクなど)、バーコード、二次元コードなどを認識し、
これによって得られる情報をコンピュータなどで演算処
理して得られるデータである。位置データは2つに大別
され、1つは、個々の基体についての実際の(いわゆる
「生」の)接合パターン形成位置を示すもの(例えばラ
ンドから得られるデータ)であり、もう1つは、設計デ
ータを特定する品種(または品番)などを示すもの(例
えばバーコードから得られるデータ)である。
【0035】位置データの読み取りは、任意の適切な手
段を用いることができるが、例えば、カメラ、センサ
ー、ラインセンサー、スキャナー、ラインスキャナーな
どを用い得る。
【0036】例えば、基体上に形成されたランドをカメ
ラを用いて光学的に認識し、認識したランドの位置につ
いてのデータを位置データとして用いて、該ランド上に
導電性粒子の接合パターンを形成するようにする。ここ
で、ランドの認識は、カメラによった得た画像を信号化
し、該画像中の濃淡(またはコントラスト)あるいは色
信号などを、予め設定したランドおよび/または基体本
体についてのデータと比較することにより行うことがで
きる。
【0037】あるいは、上記のカメラに代えて、センサ
ーを用いてランドを認識することもできる。一般的に、
配線パターン(ランドを含む)は基体上にプリントなど
により形成されており、これは基体面よりも高い。ま
た、基体の表面は配線パターンのランドを除いてレジス
トで覆われているが、ランドはレジストに覆われずに露
出しているため、ランドを除く配線パターン部分におい
ては、配線パターンの上に配置されるレジストの分だ
け、ランドよりも基体面に対して高くなっている。よっ
て、ランドが配置されている箇所は、基体面よりも高
く、ランドを除く配線パターン部分が配置されている箇
所よりも低い高さで露出している。従って、基体の基準
面からの高さを計測し得るセンサーを用いることによ
り、基体面から所定の高さで露出しているランドを認識
することができる。
【0038】また、高さを計測し得るセンサーの他に、
金属を検知し得るセンサーを用いることもできる。この
ような金属センサーは、絶縁性材料からなる基体上に位
置する金属を認識することができるが、特に、ランドを
除く配線パターン部分は、一般的にランドと同じ材料か
らなるが、ランドとは異なってレジストで覆われている
ため、レジストに覆われずに露出して配置されているラ
ンドよりも金属反応が劣り、ランドを除く配線パターン
部分とランドとを区別して、ランドのみを認識すること
ができる。
【0039】位置データを読み取るために、カメラおよ
びセンサーを用いる方法を上述したが、ラインセンサ
ー、ラインスキャナーなどを用いて、基体上を走査させ
ながら位置データを読み取ってもよい。また、ランド以
外の位置データの読み取りについても、任意の適切な方
法および読取手段を用いることができる。
【0040】これに加えて、本発明のもう1つの態様に
おいては、上記の設計データと位置データを組み合わせ
て用いることもでき、具体的には、基体から位置データ
を読み取り、読み取られた位置データに対応して、予め
設計データが格納されたデータベースから設計データを
読み出し、読み出された設計データに基づいて所定の制
御電極に電圧が印加される。
【0041】1つの例として、位置データとしてバーコ
ードなどから品種のデータを得、予め複数の設計データ
が格納されたデータベースからこの品種に対応する設計
データを読み出し、読み出された設計データに基づいて
所定の制御電極に電圧が印加され得る。別の例として、
個々の基体上のランドの微妙なズレが問題となるような
複雑な領域については、実際に形成されているランドか
ら得られる情報を位置データとして採用し、比較的複雑
でない領域については設計データを採用することもでき
る。
【0042】本発明の別の要旨においては、電子部品の
実装において、配線パターンと電子部品とを接合する導
電性粒子からなる接合パターンを、配線パターンが形成
された基体の上面上に形成するための装置であって:接
合パターンを形成する、基体の上面側に基体から離れて
位置するプリントヘッド構造であって、複数の開口部が
貫通して設けられ、互いに独立した複数の制御電極が該
開口部の各々を取り囲んで配置されているプリントヘッ
ド構造と;帯電した導電性粒子を保持し、プリントヘッ
ド構造の基体と反対側の開口部の入口近傍に導電性粒子
を供給するための保持体と;基体の下面側に位置する背
面電極と;背面電極に電圧を印加して、背面電極と保持
体との間に第1の電位差を与えて電界を発生させる第1
電圧印加手段と;所定の制御電極に電圧を印加して、該
所定の制御電極と保持体との間に第2の電位差を与えて
電界を発生させるための第2電圧印加手段とを含み、第
1の電位差と第2の電位差は、保持体を用いてプリント
ヘッド構造の基体と反対側の開口部の入口近傍に配置さ
れた導電性粒子の一部分が、該所定の制御電極によって
取り囲まれる開口部を通過して、基体の上面上の配線パ
ターンの所定の箇所に向かって飛翔して、該所定の箇所
に付着し、これにより、導電性粒子からなる所望の接合
パターンを基体の上面上に形成するようになっている装
置が提供される。以下、本発明の装置全体を指して「接
合パターン形成装置」と呼ぶものとする。本発明の接合
パターン形成装置は、上述の本発明の方法を実施するの
に適している。
【0043】以上のように本発明について詳述してきた
が、本発明において用語「基体」は、配線パターンが形
成され、該配線パターンと電子部品とを接合するための
導電性接合材料がその上に配置されるべきものを言うも
のとする。従って、用語「基体」は、シート状形態のも
のを包含するが、これに限定されるものではなく、配線
パターンが形成され、該配線パターンの所定の箇所に電
子部品を接合することを要するものであれば、いずれの
形態(例えば筐体など)であってもよい。例えば、紙フ
ェノール系材料、ガラスエポキシ系材料、ポリイミドフ
ィルム材料、セラミック系材料、および金属系材料など
からなる基体に配線パターンが形成された回路用基板
(本明細書において単に「基板」とも言うものとする)
および多層積層基板(例えばビルドアップ基板)などを
本発明に用いることができる。また、配線パターン(ラ
ンドを含む)は、例えば銅、金、アルミニウム、および
はんだなどの材料からなっていてよい。配線パターン
は、任意の適切な幅を有し得るが、例えば10〜100
0μm、好ましくは50〜200μm、代表的には約1
00μmの幅を有し得る。
【0044】上述のような本発明の方法および装置によ
れば、スクリーン印刷法を用いることなく、配線パター
ンと電子部品とを接合するための所望の接合パターン
(または導電性粒子パターン)を基体の上面上に形成す
ることができる新規な方法およびそのための装置が提供
され、この方法および装置は、微細な接合パターンを正
確および確実に形成することができる。
【0045】また、本発明によれば、メタルマスクを用
いる必要がないので、形成する接合パターンを変更する
ために従来必要であったメタルマスクを交換するための
時間が不要となるため、多くの品種の接合パターンを短
時間で簡単に形成することができる。
【0046】本発明の方法および装置は電子回路基板を
作製するのに適する。本発明の方法および装置を用いて
電子回路基板を作製すれば、微細な接合パターンを基板
上の所定の箇所、例えばランドパターン上に確実に生産
性良く形成することができ、従って、電子回路基板の高
集積化、狭ピッチ化にも十分対応可能となる。例えば、
本発明によれば、幅50〜500μm、好ましくは60
〜200μm、より好ましくは80〜150μmのラン
ドからなり、それぞれピッチ0.1〜1.0μm、好ま
しくは0.12〜0.4μm、より好ましくは0.16
〜0.3μmのランドパターン上にも、これに対応する
サイズを有する接合パターンを形成することができる。
尚、用語「ランド」は、配線パターンの一部分であり、
その上に導電性接合材料(本発明においては導電性粒
子)が配置される部分または箇所、用語「幅」は、1個
のランドの最も短い長さ、用語「ピッチ」は、同一の電
子部品に関連する複数のランドのピッチ(即ち、電子部
品の電極のピッチに相当する)をそれぞれ言うものとす
る。
【0047】本発明は、特に狭ピッチの電子部品、例え
ば0.4mm、0.3mmまたはそれ以下の電極ピッチ
を有するQFP部品および0.65mm、0.5mm、
0.4mmまたはそれ以下の電極ピッチを有するCSP
部品などを回路基板に接合するための微細な接合パター
ンを形成するのに好適に用いられる。しかしながら、本
発明を利用して配線パターンと接合される電子部品に
は、半導体部品(例えば、いわゆるQFP(クアッド・
フラット・パッケージ)部品、CSP(チップ・スケー
ル・パッケージ)部品、およびSOP(シングル・アウ
トサイド・パッケージ)部品など)、チップ部品(例え
ば、抵抗器、コンデンサ、トランジスタ、インダクタな
ど)、ならびにコネクタなどが含まれ得る。
【0048】
【発明の実施の形態】(実施形態)以下、本発明の1つ
の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1
は、本実施形態における接合パターン形成装置の概略図
である。図2は、本実施形態の接合パターン形成装置に
使用されるプリントヘッド構造の、基体側から見た概略
斜視図であり、図2中のX−X線に沿った断面が、図1
に示す断面に相当する。
【0049】図1に示すように、この接合パターン形成
装置40においては、プリントヘッド構造1が基体20
の上面側に基体20から離れて配置されている。このプ
リントヘッド構造1は、より詳細には、図2に示すよう
に、例えばポリイミド製絶縁シート(またはプレート)
などからなる厚さ約25μmの本体部分2と、本体部分
2に貫通して設けられた複数の開口部6と、該開口部6
の各々を取り囲み、互いに独立した複数の制御電極4
と、該制御電極4の各々から引き出されたリード5とを
備える。
【0050】開口部6は、図2に示すように2列に並ん
でおり、かつ、一方の列の開口部が他方の列の開口部に
対して互い違いになるように配置されている。この開口
部6は、シート状の本体部分2に垂直に穿たれた円筒形
の開口部であり得る。開口部6の直径は、導電性粒子1
6が通過するのに十分な大きさを有していればよいが、
好ましくは複数の導電性粒子16が同時に通過できるよ
うな大きさ、例えば5〜15μmであり、1つの列の開
口部6の間の距離は、好ましくは開口部6の直径の約2
〜5倍である。
【0051】制御電極4およびリード5は、本実施形態
においては、プリントヘッド構造1の基体20と反対側
の表面に配置されているが、本発明はこれに限定され
ず、プリントヘッド構造1の基体20に面する側の表面
に配置されていても、プリントヘッド構造1に埋め込ま
れていてもよい。この制御電極4は、例えば銅、金また
は銀などからなり、約1μmの厚さで、約50〜150
μmの幅の環形状を有し得、リード5は、例えば制御電
極4と同じ材料からなり、これとほぼ同じ厚さ、および
約50〜150μmの幅で形成され得る。制御電極4
は、このようなリード5を介して、アドレス指定して所
定の制御電極4に電圧を印加することができる制御回路
および電源などを含む第2電圧印加手段8(図1を参照
のこと)に接続されている。この第2電圧印加手段8
は、電界を発生させるために所定の制御電極に電圧を印
加して保持ローラ14に対して第2の電位差を与えるだ
けでなく、所定のもの以外の制御電極を保持ローラ14
と同電位にして保持ローラ14との電位差をゼロとする
ことができる。
【0052】また、基体20の下面側には、任意の適切
な導電性材料からなる背面ローラ22が背面電極とし
て、シャーシ(図示せず)に回転可能に接続されて備え
られる。この背面ローラ22は、プリントヘッド構造1
から約1〜3mmの間隙を設けて配置され、矢印21の
方向に回転することによって、基体20を該間隙を通し
て矢印23の方向に搬送する機能をも果たす。背面ロー
ラ22は、背面電極として機能する背面ローラ22に電
圧を印加して保持ローラ14に対して第1の電位差を与
えることができる第1電圧印加手段24(例えば直流電
源などを含む)に接続されている。
【0053】これらプリントヘッド構造1の開口部6、
保持ローラ14、および背面ローラ(背面電極)22の
配置について説明する。本実施形態の接合パターン形成
装置40においては、背面ローラ22と保持ローラ14
との間の第1の電位差、ならびにプリントヘッド構造1
と保持ローラ(保持体)14との間の第2の電位差によ
って各々形成される電界の電気力線の方向が、プリント
ヘッド構造1に設けられた開口部6およびその近傍にお
いて実質的に一致するように、上述の部材が配置されて
いる。より詳細には、基体20の搬送方向と平行な面内
(図1の紙面)において、保持ローラ14および背面ロ
ーラ22の各々の中心を通る直線に対して、プリントヘ
ッド構造1の2列の開口部6が均等に(即ち、2列の開
口部の列間の中央線Y(図2)が、保持ローラ14およ
び背面ローラ22の中心を通る直線上の点として重なる
ようにして)配置される。上記に例示したように、開口
部6は非常に小さく、また、その列間隔も非常に狭いの
で、円筒形の開口部6の中心線は、いずれの列の開口部
についても、保持ローラ14および背面ローラ22の中
心を通る直線と実質的に重なると見なし得る。
【0054】また、プリントヘッド構造1の基体20と
反対側には、導電性粒子供給部10の一部として、保持
ローラ14がケース11に収容されて備えられている。
この保持ローラ14は、導電性粒子16の表面が絶縁性
材料でできている場合には、保持ローラ14上に付着し
た導電性粒子16を介してプリントヘッド構造1と接触
していても、非接触であってもよいが、導電性粒子16
を介して制御電極4と保持ローラ14との間でショート
が起こり得る場合には、保持ローラ14とプリントヘッ
ド構造1との間にある程度の隙間を設けるほうがよい。
保持ローラ14は、帯電した導電性粒子16を保持し、
該反対側の開口部6の入口近傍に導電性粒子16を配置
するための保持体であり、保持ローラ14には、導電性
および弾性を有するウレタンゴムローラの表面に導電性
ウレタン塗料をディップ法により塗布した2層構造のロ
ーラを用いることができる。
【0055】ここで、保持ローラ14は、第1電圧印加
手段24および第2電圧印加手段8に接続されている
が、保持ローラ14の電圧を基準として、第1の電圧印
加手段24を用いて背面ローラ22に第1の電位差を与
え、第2の電圧印加手段8を用いて制御電極4に第2の
電位差を与え得る限り、他の配線方法を選択することも
できる。
【0056】ケース11は、導電性粒子供給部10のハ
ウジングであると同時に、導電性接合材料である導電性
粒子16を収容するためのものである。導電性粒子16
には、ポリエステル樹脂を結着剤として用い、これに金
属粒子(例えばスズ−鉛系または鉛フリーのはんだ材料
や、銅、銀および金など)および荷電制御剤などを加え
て混合分散させたものを粉砕し、平均粒径約2〜15μ
mに分級した粒子を用い得る。ここで、ポリエステル樹
脂に代えて、ポリウレタン、ポリエステル、ロジンおよ
びスチレンアクリル共重合体などを用いることも可能で
ある。この場合、ケース11内に供給された導電性粒子
16にシリカ(図示せず)を外添剤として加えることが
好ましい。シリカを加えることによって、導電性粒子1
6の流動性を向上させて導電性粒子16同士が凝集する
ことを低減し、導電性粒子16の帯電量を大きくするな
どの効果が得られる。
【0057】ケース11には、この導電性粒子16を保
持ローラ14に供給するための供給ローラ12と、保持
ローラ14に付着した導電性粒子16を薄層(好ましく
は単層)に規制するため、ならびに導電性粒子16を均
一に帯電させるための層規制ブレード18とが更に備え
られている。供給ローラ12は、例えば、導電性ポリウ
レタン多孔体からなるローラとすることができる。層規
制ブレード18は、導電性粒子16の材料にもよるが、
本実施形態においては、例えばシリコーンゴムの成形体
などとすることができる。しかしながら、これら供給ロ
ーラ12および層規制ブレード18は、保持ローラ(保
持体)14がその他の適切な手段により帯電させた導電
性粒子16を保持することができれば、必ずしも必要で
はない。
【0058】また、必要に応じて、基体20の搬送方向
下流には、基体20に付着した導電性粒子を定着させる
ための定着ローラ25および26が備えられる。この定
着ローラ25および26は、基体20に付着した導電性
粒子16を熱圧着により基体20に定着させる(または
仮止めする)ことができる。
【0059】次に、図1の接合パターン形成装置を用い
る接合パターン形成方法について説明する。
【0060】上述のような導電性粒子16をシリカおよ
びキャリア(共に図示せず)と、任意の適切な撹拌手段
(図示せず)を用いてケース11内で撹拌混合して、導
電性粒子16を負に帯電させる。このようにして帯電さ
せた導電性粒子16は、導電性粒子16の帯電電荷と反
対極性(本実施形態においては正)の電圧が印加されて
いる供給ローラ12に静電力により付着する。この供給
ローラ12により、導電性粒子16を保持ローラ14の
近傍へ搬送し、帯電電荷と反対極性(本実施形態におい
ては正)の電圧が印加されている保持ローラ14の表面
に導電性粒子16を移して静電気力により付着させ、保
持ローラ14に導電性粒子16を供給する。ここで、供
給ローラ12の回転方向(矢印13で示す)と保持ロー
ラ14の回転方向(矢印15で示す)とは同じ向きとさ
れ、供給ローラ12および保持ローラ14は接触してい
ても、非接触であってもよい。このようにして保持ロー
ラ14に付着した導電性粒子16に、層規制ブレード1
8を圧接させて摩擦することによって、導電性粒子16
の帯電量を安定化(または均一化)し、かつ導電性粒子
16からなる薄層、好ましくは単層を保持ローラ14上
に均一に形成する。
【0061】以上のようにして、帯電した導電性粒子1
6は、保持ローラ14上に均一に付着した状態で保持ロ
ーラ14に保持される。この導電性粒子16は、保持ロ
ーラ14が矢印15の方向に更に回転することによっ
て、開口部6のプリントヘッド構造1と反対側の入口近
傍に配置(または搬送)される。
【0062】他方、背面ローラ(背面電極)22に、第
1電圧印加手段24により電圧を印加して、背面ローラ
22と保持ローラ14との間に第1の電位差を与えて電
界を発生させる。このとき、第1の電位差は、背面ロー
ラ22と保持ローラ14との間に形成される電界(およ
び重力等)のみでは、保持ローラ14に保持されている
導電性粒子16が飛翔することのないような大きさにす
る必要がある。本実施形態においては、背面ローラ22
に直流電圧を印加して、第1の電位差を保持ローラ14
の電位に対して+1kVとする。
【0063】また、接合パターン形成の開始に際して、
全ての制御電極4は、これら制御電極4と保持ローラ1
4との間の電位差がゼロとなるように、第2電圧印加手
段8により保持ローラ14と同電位にされる。
【0064】上述のようにして、導電性粒子16が付着
した保持ローラ14を矢印15の方向に回転させ、背面
ローラ22に電圧を印加し、ならびに全ての制御電極6
を保持ローラ14と同電位に保った状態で、背面ローラ
22を矢印21の方向へ回転させて、基体20を矢印2
3の方向に搬送する。そして、基体20の上面に形成さ
れた配線パターン(図示せず)の所定の箇所(例えばラ
ンド)が開口部6の垂直下方に位置したときに、第2電
圧印加手段8を用いて所定の制御電極4にのみ所定の電
圧を印加して、ゼロでない第2の電位差を与える。この
第2の電位差の大きさは、保持ローラ14に保持されて
いる導電性粒子16が、所定の制御電極4と保持ローラ
14との間に形成される電界(および重力等)によっ
て、該制御電極4で囲まれる開口部6に入って、該制御
電極4の貫通孔(本実施形態においては、開口部6の入
口に位置する)を通過するのに十分な大きさとされる。
本実施形態においては、所定の制御電極4に電圧を印加
して、第2の電位差を保持ローラ14の電位に対して+
50Vとする。このとき、所定の制御電極4を除く他の
制御電極は、保持ローラ14と同電位に保たれたままで
ある。
【0065】その結果、所定の制御電極4と保持ローラ
14との間に+50Vの電位差で形成された電界によ
り、負に帯電した導電性粒子16は、保持ローラ14を
離れて飛翔し、該所定の制御電極4で囲まれる開口部6
を通って基体20の側に引き出され、そして、背面ロー
ラ22と保持ローラ14との間に+1kVの電位差で形
成された電界により、そのまま飛翔を続けて基体20の
配線パターンが形成された所定の箇所に付着または堆積
する。これに対して、所定のもの以外の制御電極は保持
ローラ14と同電位に保たれているので、背面ローラ2
2と保持ローラ14との間に形成された電界の影響しか
受けず、保持ローラ14を離れるのに十分な電気的引力
を受けないので、保持ローラ14に付着したまま残留す
る。これにより、導電性粒子16が基体20の配線パタ
ーンの所定の箇所上に付着し、導電性粒子16からなる
所望の接合パターンが基体20上に配置される。
【0066】ここで、第2の電圧印加手段8は、これに
接続された制御回路(図示せず)により制御電極への電
圧印加が制御されるが、例えばこの制御回路は、予め設
計データが格納されたデータベースに接続されて、デー
タベースから設計データを読み出し、読み出された設計
データに基づいて所定の制御電極4にのみ電圧を印加
し、他の制御電極に電圧を印加しないように第2の電圧
印加手段8を制御し得る。
【0067】また、第2の電圧印加手段8を用いる制御
電極への電圧印加は、基体20の搬送方向23に垂直な
制御電極4の列毎に、例えば走査的に制御され得る。他
方、背面ローラ22の回転を制御することによって、基
体20を一定速度で連続的に移動する様式で搬送するこ
と、あるいは適切な間隔で間欠的に移動する様式で搬送
することができる。よって、上記の所定の制御電極への
電圧印加のタイミングを、第2電圧印加手段8の制御回
路を用いて、基体20の搬送速度および搬送様式に合わ
せて適切に制御することにより、基体20の上面上に、
導電性粒子16からなる所望の接合パターンを形成する
ことができる。特に、本実施形態によれば、開口部6が
互い違いに配置された2つの列を構成しているため、基
体20の搬送につれて基体20の全面に亘って導電性粒
子16を付着させることが可能である。
【0068】以上のようにして導電性粒子16からなる
接合パターンを基体20上に形成した後、必要に応じて
この基体20を定着ローラ25および26に通して、熱
圧着により導電性粒子16を基体20に定着させる(ま
たは仮止めする)。これにより、導電性粒子16からな
る所望の接合パターンが基体20上に形成されて、完成
する。
【0069】この導電性粒子の接合パターンは、例えば
30〜100μmの厚さを有することが望ましく、例え
ば、所定の制御電極への電圧印加時間、基体20の搬送
速度(即ち、背面ローラ22の周速度)および搬送様式
ならびに保持ローラ14の周速度などを適切に調節する
ことによって、導電性粒子16の付着量または導電性粒
子16からなる接合パターンの厚さを調節することがで
きる。また、接合パターンの厚さが薄い場合には、上記
の一連の工程を同一の基体に繰返し実施することによ
り、同一の接合パターンを重ねて形成して、所望の厚さ
とすることができる。
【0070】更に、1つの基体上に導電性粒子からなる
所望の接合パターンを形成した後、そのまま連続して別
の新たな基体上に接合パターンを形成することができ
る。この場合、連続的に接合パターンを形成することが
できるので生産性に富むという利点がある。このとき、
形成する導電性粒子の接合パターンは、各基体間で同一
のパターンであってもよいし、あるいは基体毎に別のパ
ターンであってもよいので、同一品種の大量生産や、多
品種少量生産のいずれにも対応できる。
【0071】上述の本実施形態によれば、第2の電位差
によって形成される制御電極と保持ローラ(保持体)と
の間の電界により、制御電極と保持ローラとの間に位置
する導電性粒子に直接的に作用するので、微細な接合パ
ターンを基体上の所定の箇所に確実に生産性良く形成す
ることができ、従って、電子回路基板の高集積化、狭ピ
ッチ化にも十分対応可能となる。
【0072】また、本実施形態によれば、表面が絶縁性
の高い材料でできている導電性粒子を用いているので、
保持ローラと制御電極との間が導電性粒子の流れ(即
ち、複数の導電性粒子の連なり)を介してショートし
て、第2電圧印加手段に含まれる制御回路などが破壊さ
れることを防止できる。
【0073】本実施形態に従って形成された接合パター
ンは、電子部品の実装において、配線パターンと電子部
品とを接合するのに好適に用いられ得る。例えば、以上
のようにして得られた基体の接合パターン上に電子部品
を載せて、熱処理を実施することによって、電子部品を
配線パターンに接合することができる。
【0074】以上、本発明の1つの実施形態について説
明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種
々の改変がなされ得ることが当業者に理解されるであろ
う。例えば、本実施形態においては複数の開口部を2列
構成としたが、1列または網目状に配置することも可能
である。
【0075】更に、本実施形態においては所定の制御電
極以外の制御電極を保持体(保持ローラ)と同電位と
し、電圧を印加しないものとしたが、導電性粒子を基体
に吸引する静電力を生じる電界と逆向きの電界を形成す
るように電圧を印加してもよい。本実施形態のように、
導電性粒子が負の帯電電荷を有し、所定の制御電極が正
の電位差(保持体の電位を基準として)を有するように
電圧印加される場合には、所定のもの以外の制御電極が
負の電位差を有するように電圧を印加することによっ
て、逆向きの電界が発生する。この態様によれば、導電
性粒子の一部が、プリントヘッド構造の本体部分との摺
動で機械的な力等を受け、所定のもの以外の制御電極に
対応する開口部に進入しようとしても、逆向きの電界に
よる反発力を受けて開口部を通過しないように制御でき
るため、導電性粒子の制御性がよいという利点がある。
【0076】更にまた、本実施形態においては、基体上
の所定の位置が、所定の制御電極で取り囲まれる開口部
の垂直下方に位置したときに、所定の制御電極に電圧を
印加したが、導電性粒子の飛翔時間および基体の搬送速
度および搬送様式等を考慮して、電圧印加のタイミング
を調節するようにしてもよい。
【0077】本実施形態においては負に帯電させた導電
性粒子を用いたが、導電性粒子は負および正のいずれに
帯電したものであってよく、この導電性粒子の帯電電荷
の極性に合わせて第1および第2の電位差を改変するこ
とができる。
【0078】また、本発明に利用可能な導電性粒子自体
としては、本実施形態で上述したようなものに代えて、
特願2000−113657号に記載されるような、3
00℃以下で少なくとも部分的に溶融する金属(合金お
よび混合物の双方を含む)からなる低融点金属粉末と、
荷電制御剤と、樹脂成分とを含む導電性粒子用いること
もできる。低融点金属粉末の材料としては、いわゆるは
んだ材料、具体的にはスズ/鉛、スズ/銀、スズ/ビス
マス、スズ/銅、インジウム/ビスマス、スズ/銀/ビ
スマス、スズ/銀/インジウム、スズ/銀/ビスマス/
銅、スズ/銀/ビスマス/インジウム、およびスズ/銀
/ビスマス/インジウム/銅などが含まれる。また、荷
電制御剤の材料としては、ポリスチレン、アミン系金属
化合物、アゾ系化合物、塩素系パラフィン、塩素化ポリ
エステル、酸基過剰のポリエステル、銅フタロシアニン
のスルホニルアミンナフテン酸金属塩、脂肪酸の金属
塩、および樹脂酸石鹸、ならびにこれらの2種以上の混
合物などが含まれ、好ましくはポリスチレンである。更
にまた、樹脂成分としては、例えばロジン、スチレンア
クリル共重合体、ポリメチルメタクリレート、架橋アク
リル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、およびベンゾ
グアナミン樹脂、ならびにこれらの2種以上の混合物な
どの熱溶融性樹脂材料を主成分として含むものを用い得
る。
【0079】あるいは、特願2000−145017号
に記載されるような、少なくとも部分的に溶融し始める
温度が1000℃以上である金属(単体、合金、および
金属混合物を含む)からなる高融点金属粉末と、荷電制
御剤と、樹脂成分とを含む導電性粒子などを用いること
もできる。このような高融点金属粉末の材料としては、
例えば、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、白金、亜
鉛、タングステン、およびモリブデン、ならびにこれら
の2種以上からなる合金などが含まれ、好ましくは金、
銀、または銅である。また、荷電制御剤の材料として
は、特願2000−113657号と同様の上記材料を
使用し得るが、アミン系金属化合物またはアゾ系化合物
を用いることが好ましい。更にまた、樹脂成分として
は、熱溶融性樹脂材料(または熱可塑性樹脂材料)およ
び/または熱硬化性材料などを主成分として含むものを
用い得る。熱溶融性樹脂材料としては、例えばロジン、
スチレンアクリル共重合体、ポリメチルメタクリレー
ト、架橋アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、AB
S樹脂(即ち、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレ
ン樹脂)、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、および
ベンゾグアナミン樹脂、ならびにこれらの2種以上の混
合物などを用い得、特にロジンなどの有機酸基を有する
材料を用いることが好ましい。他方、熱硬化性樹脂材料
としては、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ
フェニレンエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノー
ル樹脂、およびフタル酸ジアリル、ならびにこれらの2
種以上の混合物などを用い得、特にエポキシ樹脂などの
有機酸基を有する材料を用いることが好ましい。
【0080】上記のような、特願2000−11365
7号および特願2000−145017号に記載される
導電性粒子は、いずれも、任意の適切なキャリアと共に
撹拌混合することによって、また、層規制ブレードを用
いて摩擦帯電させることによって、正または負に帯電さ
せることが可能であり、本実施形態の方法および装置に
利用可能である。これらの導電性粒子を用いる場合、本
実施形態に従って接合パターンを形成した後、電子部品
実装技術分野で既知のリフローと実質的に同様の熱処理
などにより、電子部品を基体の配線パターンに接合する
ことができる。
【0081】次に、上述の実施形態の2つの改変例につ
いて以下に説明する。
【0082】(改変例1)この改変例においては、図1
および2を参照して説明した接合パターン形成装置にカ
メラを加えたもう1つの接合パターン形成装置について
図3を参照しながら説明する。図3中、同様の部材につ
いては図1および2と同じ符号を付している。
【0083】この接合パターン形成装置50では、基体
20の表面から位置データ(例えばランドなど)を読み
取るようにカメラ31が第2電圧印加手段8の制御回路
(図示せず)に接続されて配置されている。カメラ31
を通して基体20から読み取られた位置データを、コン
ピュータ(図示せず)などで適切に処理する(例えば画
像処理する)ことによって電圧を印加すべき所定の制御
電極が決定され、これに従って制御回路が駆動して該所
定の制御電極に電圧が印加される。
【0084】この改変例によれば、リアルタイム制御で
本発明の方法を実施することが可能である。具体的に
は、基体20を搬送しながらカメラ31で基体20から
位置データを読み取り、得られた位置データに基づいて
所定の制御電極4に電圧を印加し得るように、接合パタ
ーン形成装置を構成することができる。これにより、個
々の基体上に形成された配線パターン(ランドを含む)
などに設計データからの微妙なズレがあっても、実際の
データに基づいて接合パターンが形成されるので、接合
パターンを配線パターンの所定の箇所、例えばランド
(またはランドパターン)に合わせて、基体の上面上に
正確に形成することができる。
【0085】位置データを読み取る手段としては、上記
のようなカメラに代えて、高さまたは金属を検知するよ
うなセンサー、ラインセンサー、スキャナー、ラインス
キャナーなどを用いてもよい。
【0086】(改変例2)この改変例においては、図3
を参照して説明した接合パターン形成装置にてカメラの
代わりにセンサー(またはスキャナー)を用い、更にデ
ータベースを加えた別の接合パターン形成装置(図示せ
ず)について説明する。
【0087】このような装置を用いて、まず、基体に付
されたバーコードまたは2次元コードなどから、バーコ
ードリーダーまたは2次元コードリーダーなどの適切な
センサー(またはスキャナー)を用いて品番などの位置
データを読み取る。次いで、読み取った品番などの位置
データに対応する設計データを、予め複数の設計データ
が格納されたデータベースから読み出す。そして、読み
出された設計データに基づいて、所定の制御電極に電圧
を印加し、その後上記の実施形態と同様にして所定の接
合パターンが基体の上面上に形成される。
【0088】この改変例によれば、改変例1のような複
雑なコンピュータ処理(例えば画像処理)を大幅になく
すことができるので、簡単な制御装置で所望の接合パタ
ーンを基体の上面上に形成することができる。
【0089】
【発明の効果】本発明によれば、スクリーン印刷法を用
いることなく、電子部品実装プロセスにおいて導電性接
合材料として機能する導電性粒子を接合パターンとして
基体上の微小領域にも正確に供給して、導電性粒子から
なる微細な接合パターンを形成することができる新規な
接合パターン形成方法ならびにそのための装置が提供さ
れる。本発明の方法および装置を用いて電子回路基板を
作製すれば、微細な接合パターンを基体上の所定の箇所
に確実に生産性良く形成することができ、従って、電子
回路基板の高集積化、狭ピッチ化にも十分対応可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1つの実施形態における接合パター
ン形成装置の概略図である。
【図2】 図1の実施形態の接合パターン形成装置に使
用されるプリントヘッド構造の概略斜視図である。
【図3】 図1の実施形態の1つの改変例における接合
パターン形成装置の概略図である。
【符号の説明】
1 プリントヘッド構造 2 本体部分(絶縁シート) 4 制御電極 5 リード 6 開口部 8 第2電圧印加手段 10 導電性粒子供給部 11 ケース 12 供給ローラ 14 保持ローラ(保持体) 16 導電性粒子 18 層規制ブレード 20 基体 22 背面ローラ(背面電極) 24 第1電圧印加手段 25、26 定着ローラ 31 カメラ 40、50 接合パターン形成装置

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品の実装において、配線パターン
    と電子部品とを接合する導電性粒子からなる接合パター
    ンを、配線パターンが形成された基体の上面上に形成す
    るための方法であって、 (a)基体の上面側に基体から離れて位置するプリント
    ヘッド構造であって、複数の開口部が貫通して設けら
    れ、互いに独立した複数の制御電極が該開口部の各々を
    取り囲んで配置されているプリントヘッド構造の、基体
    と反対側の開口部の入口近傍に、帯電した導電性粒子を
    保持する保持体を用いて該導電性粒子を配置する工程
    と、 (b)基体の下面側に位置する背面電極に電圧を印加し
    て、背面電極と保持体との間に第1の電位差を与える工
    程と、 (c)所定の制御電極に電圧を印加して、該所定の制御
    電極と該保持体との間に第2の電位差を与えて、工程
    (a)により基体と反対側の開口部の入口近傍に配置さ
    れた導電性粒子の一部を、該所定の制御電極によって取
    り囲まれる開口部を通して、基体の上面上の配線パター
    ンの所定の箇所に向かって飛翔させて、該所定の箇所に
    付着させ、これにより、導電性粒子からなる所望の接合
    パターンを基体の上面上に形成する工程とを含む方法。
  2. 【請求項2】 工程(c)において、予め設計データが
    格納されたデータベースから設計データを読み出し、読
    み出された設計データに基づいて所定の制御電極に電圧
    を印加する、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 工程(c)において、基体から位置デー
    タを読み取り、読み取られた位置データに基づいて所定
    の制御電極に電圧を印加する、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 工程(c)において、基体から位置デー
    タを読み取り、読み取られた位置データに対応して、予
    め設計データが格納されたデータベースから設計データ
    を読み出し、読み出された設計データに基づいて所定の
    制御電極に電圧が印加される、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 位置データが、センサーまたはカメラを
    用いて読み取られる、請求項3または4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 基体が回路用基板であり、基板上に形成
    された配線パターンと電子部品とが、請求項1〜5のい
    ずれかに記載の方法によって形成された導電性粒子から
    なる接合パターンを用いて接合されている電子回路基
    板。
  7. 【請求項7】 電子部品の実装において、配線パターン
    と電子部品とを接合する導電性粒子からなる接合パター
    ンを、配線パターンが形成された基体の上面上に形成す
    るための装置であって、 基体の上面側に基体から離れて位置するプリントヘッド
    構造であって、複数の開口部が貫通して設けられ、互い
    に独立した複数の制御電極が該開口部の各々を取り囲ん
    で配置されているプリントヘッド構造と、 帯電した導電性粒子を保持し、プリントヘッド構造の基
    体と反対側の開口部の入口近傍に該導電性粒子を供給す
    るための保持体と、 基体の下面側に位置する背面電極と、 背面電極に電圧を印加して、背面電極と保持体との間に
    第1の電位差を与える第1電圧印加手段と、 所定の制御電極に電圧を印加して、該所定の制御電極と
    保持体との間に第2の電位差を与える第2電圧印加手段
    と、を含み、第1の電位差および第2の電位差は、保持
    体を用いてプリントヘッド構造の基体と反対側の開口部
    の入口近傍に配置された導電性粒子の一部が、該所定の
    制御電極によって取り囲まれる開口部を通過して、基体
    の上面上の配線パターンの所定の箇所に向かって飛翔し
    て、該所定の箇所に付着し、これにより、導電性粒子か
    らなる所望の接合パターンを基体の上面上に形成するよ
    うになっている装置。
  8. 【請求項8】 予め設計データが格納されたデータベー
    スを更に含み、第2電圧印加手段が、データベースから
    読み出された設計データに基づいて所定の制御電極に電
    圧を印加する、請求項7に記載の装置。
  9. 【請求項9】 基体から位置データを読み取る手段を更
    に含み、第2電圧印加手段が、該読取手段によって基体
    から読み取られた位置データに基づいて所定の制御電極
    に電圧を印加する、請求項7に記載の装置。
  10. 【請求項10】 予め設計データが格納されたデータベ
    ースと、基体から位置データを読み取る手段とを更に含
    み、第2電圧印加手段が、該読取手段によって基体から
    読み取られた位置データに対応して、データベースから
    読み出された設計データに基づいて所定の制御電極に電
    圧を印加する、請求項7に記載の装置。
  11. 【請求項11】 読取手段がセンサーまたはカメラを含
    む、請求項9または10に記載の装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100824067B1 (ko) 2007-01-19 2008-04-21 한국과학기술원 마찰 대전을 이용한 인쇄회로기판의 제조장치

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