JP2002043739A - 導電性接合材料 - Google Patents

導電性接合材料

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JP2002043739A
JP2002043739A JP2001122663A JP2001122663A JP2002043739A JP 2002043739 A JP2002043739 A JP 2002043739A JP 2001122663 A JP2001122663 A JP 2001122663A JP 2001122663 A JP2001122663 A JP 2001122663A JP 2002043739 A JP2002043739 A JP 2002043739A
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conductive
pattern
conductive particles
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bonding material
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Manabu Tazaki
学 田崎
Akio Furusawa
彰男 古澤
Takashi Igari
貴史 猪狩
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子部品実装プロセスにおいて、配線パター
ンと電子部品とを接合するための接合パターンの材料と
して好適に用いられる新規な導電性接合材料を提供す
る。 【解決手段】 電子部品の実装において、基体に形成さ
れた配線パターンと電子部品とを接合するための導電性
接合材料として用いられる導電性粒子(10)が、高融
点金属粉末(1)と、荷電制御剤(2)と、樹脂成分
(3)とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子回路基板を形
成するための電子部品実装プロセスにおいて、配線パタ
ーンと電子部品とを接合するための新規な導電性接合材
料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話およびビデオムービーな
どを含む携帯機器についての需要が急速に拡大し、これ
に内臓される電子回路基板の形成技術に関する研究が進
んでいる。このような携帯機器は小型化および高機能化
が望まれ、これに伴って、内臓される電子回路基板の高
集積化が進んでいる。
【0003】この電子回路基板においては、配線パター
ンを介して種々の電子部品間を電気的に接続し、ならび
に電子部品を基板上に固定するために、より詳細には基
板上に形成された配線パターンの所定の箇所(以下、ラ
ンドまたはランドパターンとも言う)と電子部品の所定
の箇所(例えば端子、ターミナル、または電極など)と
を電気的および物理的に接合するために、導電性接合材
料がこれら所定の箇所間に配置されている。このような
接合材料としては、一般的には、スズおよび鉛を主成分
とする直径10〜40μmのはんだ粉末と、ロジン、活
性剤および溶剤からなるフラックスとが混ぜ合わされた
クリームはんだが用いられる。
【0004】従来、電子回路基板を形成するための電子
部品実装プロセスにおいて、上記のような接合材料を基
板上の配線パターンの所定の箇所、即ちランド上に供給
する方法として、スクリーン印刷法が用いられている。
この方法においては、まず、接合材料を配置するための
ランドに対応するように所定の形状の開口部が所定の箇
所に設けられた、厚さ80〜150μmのメタルマスク
(またはスクリーン版)を、その開口部が基板上のラン
ドと合わさるようにして基板に接触させて配置する。そ
して、基板上に配置したメタルマスク上の一方の端部付
近に接合材料を供給する。次に、スキージと呼ばれるヘ
ラを基板面に対して平行移動させてメタルマスク上にあ
る接合材料をならすことによって、メタルマスクに設け
られた開口部に該接合材料を充填する。その後、メタル
マスクを基板から離して、メタルマスクとその上にある
接合材料を基板から除去する。このとき、開口部に充填
された接合材料はメタルマスクを通り抜けて、即ち「版
抜け」して、基板上の配線パターンのランド上に残留す
る。メタルマスクの1つの開口部を通して供給される接
合材料は、その下に位置するランドのサイズとほぼ同じ
平面サイズを有し、メタルマスクとほぼ同じ厚さを有す
る。これにより、接合材料が配線パターンの所定の箇所
に接合パターンとして配置される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現在、電子回路基板の
更なる高集積化を図るべく、基板に実装される電子部品
の小型化ならびに電子部品端子間の狭ピッチ化がますま
す進行する方向にあり、より微細な回路形成が求められ
ている。これに対応して、電子部品実装用のランドの更
なる微小化ならびにこのようなランド上に形成される接
合パターンの更なる微細化が求められている。
【0006】具体的には、端子が回路基板と面する側に
配列して設けられたCSP(チップ・スケール・パッケ
ージ)部品、例えば、ランド状の端子を有するLGA
(ランド・グリット・アレイ)およびボール状の端子を
有するBGA(ボール・グリッド・アレイ)などの部品
では、従来は、0.8mmピッチの電極を有するものが
主流であり、このような部品を基板に実装するために
は、直径0.4〜0.5mmのサイズの円形のランドが
用いられていた。しかし、最近は、0.5〜0.4mm
ピッチの電極を有するものが作製され始め、これを実装
するためには、ランドのサイズを直径0.2〜0.3m
mに微小化することが要求されている。
【0007】また、抵抗やコンデンサーなどのチップ部
品では、従来は1005部品(1.0mm×0.5mm
サイズの部品)が主流であり、これを実装するためには
0.5mm×0.5mmサイズの矩形のランドが用いら
れていた。これに対して、最近は、0603部品(0.
6mm×0.3mmサイズの部品)、更には0402部
品(0.4mm×0.2mmサイズの部品)が作製され
始め、これらを実装するためには、ランドのサイズをそ
れぞれ0.3mm×0.3mm、0.2mm×0.2m
mに微小化することが要求されている。
【0008】しかし、メタルマスクを用いる従来のスク
リーン印刷法は、このような微小なランドの上に接合材
料を供給して微細な接合パターンを形成するのに十分満
足できるものではない。
【0009】従来のスクリーン印刷法によれば、上述し
たように、クリームはんだ(接合材料)の充填工程およ
びいわゆる「版抜け」工程を経て接合パターンが形成さ
れる。この版抜け工程では、メタルマスクの開口部に充
填されたクリームはんだと基板との密着力と、該クリー
ムはんだとメタルマスクの開口部壁面との摩擦力(また
は付着力)とのバランス(または相対関係)が重要とな
り、充填されたクリームはんだがメタルマスクから良好
に離れ得るためには(即ち、良好な「版離れ」を得るた
めには)、該密着力のほうが該摩擦力よりも大きいこと
が必要である。
【0010】しかし、より小さいランド上に接合材料を
供給するためにメタルマスクの開口部の面積をより小さ
くすると、接合材料が版抜けせずに開口部に残留し、接
合材料が配置されていないランドが存在し得るという問
題がある。これは、開口部に充填された接合材料の開口
部壁面との接触面積の減少割合よりも基板との接触面積
の減少割合のほうが大きく、上記密着力と上記摩擦力と
のバランスが変化して、摩擦力よりも密着力のほうが小
さくなるからである。
【0011】この問題を克服するために、クリームはん
だと基板との密着力が接合材料とメタルマスクの開口部
壁面との摩擦力に打ち勝て得るのに十分なように摩擦力
を低下させるために、メタルマスクの厚みをより薄くす
ることも考えられる。例えば、メタルマスクの厚みを4
0〜60μmへ減少させると、接合材料が開口部に残留
することなく版抜けして、基板上に接合材料部分を形成
することができる。
【0012】しかし、メタルマスクの厚みをより薄くす
ると、配線パターンの所定の箇所、即ちランド上に正確
に接合パターンを形成できないという新たな問題が生じ
得る。これは、接合材料の充填工程においては、スキー
ジをメタルマスクに接触させ、メタルマスクに抗して圧
力をかけた状態で、メタルマスク面に対して平行移動さ
せているので、メタルマスクの厚みをより薄くすると、
基体に対するメタルマスクの微妙なずれが生じ易く、よ
って基体上のランドとこれに対応するメタルマスクの開
口部との位置がわずかにずれ易くなるからである。
【0013】また、スクリーン印刷法は、同一品種を大
量生産する場合に適しているが、形成すべき接合パター
ンに合わせて、即ち品種毎にメタルマスクを予め作製す
る必要があり、また、印刷工程において品種毎にメタル
マスクを切り替えなければならないため、多品種少量生
産には適していない。
【0014】これらの問題に加えて、接合材料として一
般的に用いられるクリームはんだには、印刷性を良くす
るために通常添加されているチキソ剤の物性が応力に対
して変化し易いために流動特性が安定せず、基板への転
写状態の制御が困難であるという問題がある。
【0015】本発明は上記従来の問題を解決するために
なされたものであり、本発明の目的は、電子部品実装プ
ロセスにおいて、配線パターンと電子部品とを接合する
ための接合パターンの材料として好適に用いられる新規
な導電性接合材料を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】従来、グリーンシートな
どに形成される回路パターンの材料であって、電子写真
法によって回路パターンを形成し得る材料として、例え
ば、特開平11−251718号公報、特開平11−2
65089号公報、特開平11−298119号公報に
記載されるような荷電性粉末が提案されている。しかし
ながら、電子部品の実装において、基体に形成された配
線パターンと電子部品とを接合するための接合パターン
の材料としては、殆どの場合、クリームはんだ材料が用
いられており、上述のように、スクリーン印刷法によっ
てクリームはんだ材料からなる接合パターンを形成して
いる。
【0017】本発明者らは、電子部品の実装において、
配線パターンと電子部品とを接合するための接合パター
ンの材料として用いられる導電性接合材料であって、所
望の接合パターンを、スクリーン印刷法を用いることな
く、電子写真法の原理を応用して基体上(より詳細には
基体上に形成された配線パターンの所定の箇所、例えば
ランド)に転写により形成することが可能な新規な導電
性接合材料を見い出した。
【0018】本発明の導電性接合材料は、電子部品の実
装において、基体に形成された配線パターンと電子部品
とを接合するための導電性接合材料であって、高融点金
属粉末と、荷電制御剤と、樹脂成分とを含む導電性粒子
からなる。
【0019】本発明の導電性接合材料の導電性粒子は、
高融点金属粉末および荷電制御剤を樹脂成分中に分散さ
せて構成することができる。あるいは、本発明の導電性
接合材料の導電性粒子は、荷電制御剤が分散された樹脂
成分で高融点金属粉末を被覆して構成することができ
る。
【0020】上記のいずれの構成の導電性粒子も、任意
の適切な形状およびサイズを有し得る。例えば、導電性
粒子は、球状、棒状(即ち回転楕円体状)、または不定
形などの種々の形状を有し得る。このような導電性粒子
は、長軸方向の粒径(球状の場合は単なる粒径に相当す
る)が1〜50μmの範囲内にあり得る。より詳細に
は、導電性粒子は、粒径が約1〜30μmの範囲内にあ
る球状粒子、あるいは、長軸方向の粒径が約5〜50μ
mの範囲内にあり、アスペクト比(短軸方向に対する長
軸方向の粒径比)が3〜16の範囲内にある棒状粒子な
どであってよい。
【0021】このような導電性粒子中に存在する高融点
金属粉末の形状およびサイズについては、所望の導電性
粒子サイズに合わせて適切に選択すればよい。例えば、
高融点金属粉末は、0.3〜15μmの粒径分布および
約2μmの平均粒径(もちろん、導電性粒子の粒径より
も小さい粒径)を有する球状、棒状(即ち回転楕円体
状)、および不定形などの任意の形状であってよく、形
状および/またはサイズ(例えば粒径)が異なる同種材
料または異種材料からなる2種以上の高融点金属粉末を
混ぜて用いてもよい。また、荷電制御剤についても、所
望の導電性粒子サイズに応じて任意の適切な形状および
サイズを有し得る。
【0022】高融点金属粉末は、少なくとも部分的に溶
融し始める温度が1000℃以上である金属(単体、合
金、および金属混合物を含む)からなる粉末を言い、配
線パターンと電子部品とを電気的に接続するために導電
性粒子の「導電性」を担うものである。このような高融
点金属粉末の材料としては、例えば、金、銀、銅、ニッ
ケル、パラジウム、白金、亜鉛、タングステン、および
モリブデン、ならびにこれらの2種以上の金属からなる
合金などが含まれ、好ましくは金、銀、または銅であ
る。高融点金属粉末は、特に後述の熱硬化性樹脂と共に
用いる場合には、高融点金属粉末が互いに接触するよう
に、導電性粒子中または導電性接合材料中に高密度で含
まれていることが好ましい。尚、本明細書において「融
点」とは、固体状態の物質が、すくなくとも部分的に溶
融し始める温度を言うものとする。
【0023】また、荷電制御剤は、導電性粒子を帯電さ
せ、その帯電量を制御する役割を果たすものである。荷
電制御剤の材料としては、ポリスチレン、アミン系金属
化合物、アゾ系化合物、塩素系パラフィン、塩素化ポリ
エステル、酸基過剰のポリエステル、銅フタロシアニン
のスルホニルアミンナフテン酸金属塩、脂肪酸の金属
塩、樹脂酸石鹸、およびこれらの2種以上の混合物など
が含まれ、好ましくはアミン系金属化合物またはアゾ系
化合物である。
【0024】更にまた、樹脂成分とは、樹脂材料を主成
分として含むもの(但し、その他の副成分を含まず、樹
脂材料のみからなるものをも包含する)を言う。樹脂成
分は、上記の高融点金属粉末および荷電制御剤とを合わ
せて粒子の形態を付与し、導電性粒子として構成するた
めのものである。樹脂成分の樹脂材料には、熱溶融性樹
脂材料(または熱可塑性樹脂材料)および/または熱硬
化性材料などを用い得、好ましくは、高融点金属粉末な
らびに配線パターンおよび/または電子部品の端子の表
面にある酸化物(例えば自然酸化膜)を除去し、電気的
接合性(即ち導通性)を向上させるために、−OH基お
よび−COOH基などの有機酸基を有する。
【0025】熱溶融性樹脂材料としては、例えばロジ
ン、スチレンアクリル共重合体、ポリメチルメタクリレ
ート、架橋アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、
ABS樹脂(即ち、アクリロニトリル・ブタジエン・ス
チレン樹脂)、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、お
よびベンゾグアナミン樹脂、ならびにこれらの2種以上
の混合物などを用い得、特にロジンなどの有機酸基を有
する材料を用いることが好ましい。
【0026】また、熱硬化性樹脂材料としては、例えば
エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエチレ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、およびフ
タル酸ジアリル、ならびにこれらの2種以上の混合物な
どを用い得、特にエポキシ樹脂などの有機酸基を有する
材料を用いることが好ましい。
【0027】樹脂成分は、このような樹脂材料以外の比
較的少量の副成分を含んでいてもよい。特に、樹脂材料
として熱硬化性樹脂材料を用いる場合、樹脂成分は、好
ましくは、熱硬化性樹脂材料の熱硬化を促進するための
硬化剤を副成分として、任意の適切な量で含む。この硬
化剤は、樹脂材料と混合分散されて、樹脂材料と共に樹
脂成分を構成する。このような硬化剤としては、例え
ば、メルカプタン系化合物などを用いることができる。
【0028】樹脂材料として熱溶融性樹脂材料を用いる
場合、上記のような高融点金属粉末、荷電制御剤、およ
び樹脂成分(樹脂材料)の組成比は、導電性接合材料全
体の重量基準で、好ましくは75〜95重量%、0.5
〜5重量%、4.5〜20重量%であり、より好ましく
は80〜94重量%、1〜3重量%、5〜17重量%で
ある。但し、これらの数値は合計で100重量%以下で
あるように選択されるべきである。
【0029】また、樹脂材料として熱硬化性樹脂材料を
用いる場合も、上記のような高融点金属粉末、荷電制御
剤、および樹脂成分(樹脂材料および必要に応じて硬化
剤を含む)の組成比は、導電性接合材料全体の重量基準
で、それぞれ、好ましくは75〜95重量%、0.5〜
5重量%、4.5〜20重量%であり、より好ましくは
80〜94重量%、1〜3重量%、5〜17重量%であ
る。但し、これらの数値は合計で100重量%以下であ
るように選択されるべきである。
【0030】また、本発明の導電性接合材料を構成する
導電性粒子は、これら高融点金属粉末、荷電制御剤、お
よび樹脂成分に加えて、微量の他の成分を含み得る。
【0031】尚、本明細書において、用語「導電性粒
子」とは、電子部品の実装プロセスにおいて配線パター
ンと電子部品とを接合する導電性接合材料として用いら
れる粒子形態の材料を言うものとする。本発明に利用可
能な「導電性粒子」は、本発明の実施に際して任意の適
切な方法によって負または正の極性に帯電させることが
でき、かつ少なくとも電子部品を実装した後に配線パタ
ーンと電子部品とを電気的および物理的に接合すること
ができればよい。
【0032】従って、本明細書に言う「導電性粒子」
は、導電性粒子を接合材料として用いて電子部品を基体
に実装した後に導電性を示す限り、本発明の実施に際し
ては必ずしも導電性である必要はない。よって「導電性
粒子」には、本発明の実施に際して導電性を有する粒子
を用い得ることはもちろん、本発明の実施に際して導電
性を有していなくても、その後に何らかの処理(例えば
熱処理)を施すことによって導電性を有するように変化
させることが可能な粒子を用いることもできる。本発明
のような構造を有する導電性粒子は、この導電性粒子か
らなる接合パターンの形成に際しては絶縁性を示すが、
本発明に従って導電性粒子からなる接合パターンを基体
上に形成した後、電子部品を基体に実装するために、こ
の基体に電子部品を配置して熱処理を施すことによって
導電性を示し、電子部品と配線パターンとを電気的およ
び物理的に接合することが可能である。
【0033】本発明の導電性粒子が配置される「基体」
とは、配線パターンが形成され、該配線パターンと電子
部品とを接合するための導電性接合材料がその上に配置
されるべきものを言う。従って、用語「基体」は、シー
ト状形態のもの(例えば回路用基板)を包含するが、こ
れに限定されるものではなく、配線パターンが形成さ
れ、該配線パターンの所定の箇所に電子部品を接合する
ことを要するものであれば、いずれの形態(例えば筐体
など)であってもよい。例えば、紙フェノール系材料、
ガラスエポキシ系材料、ポリイミドフィルム系材料、セ
ラミック系材料、および金属系材料などからなる基体に
配線パターンが形成された回路基板および多層積層基板
(例えばビルドアップ基板)などを本発明に用いること
ができる。
【0034】このような基体に形成される配線パターン
(ランドを含む)は、例えば銅、金、アルミニウム、お
よびはんだなどの材料からなっていてよい。配線パター
ンは、任意の適切な幅、例えば100μmの幅を有し得
る。
【0035】本発明を用いて配線パターンと接合される
電子部品には、半導体部品(例えば、いわゆるQFP
(クアッド・フラット・パッケージ)部品、CSP(チ
ップ・スケール・パッケージ)部品、およびSOP(シ
ングル・アウトサイド・パッケージ)部品など)、チッ
プ部品(例えば、抵抗、コンデンサ、トランジスタ、イ
ンダクタなど)、ならびにコネクタなどが含まれる。
【0036】本発明によれば、電子部品の実装におい
て、配線パターンと電子部品とを接合するための接合パ
ターンの材料として好適に用いられる新規な導電性接合
材料が提供される。本発明の導電性接合材料は、従来の
クリームはんだ材料で必要であった粘度調整が不要であ
り、粒子形態を有するため、より簡単に取り扱うことが
できる。
【0037】本発明の導電性接合材料は、所望の接合パ
ターンを、スクリーン印刷法を用いることなく、電子写
真法の原理を応用して基体上(より詳細には基体上に形
成された配線パターンの所定の箇所、例えばランド)に
転写により形成することが可能である。
【0038】例えば、本発明の導電性接合材料(導電性
粒子)を、電子部品の実装において、配線パターンと電
子部品とを接合するための導電性接合材料として用い
て、導電性粒子からなる接合パターンを配線パターンが
形成された基体上に形成するための方法には、次の工
程:(a)導電性支持体上に設けられた光導電体の表面
に電荷を供給して、光導電体表面を第1電位に一様に帯
電させる工程と;(b)第1電位に帯電した光導電体表
面の所定の領域に光照射して、光照射領域に対応する潜
像パターンを光導電体に形成する工程と;(c)第2電
位に帯電した導電性粒子を光導電体表面に供給して、潜
像パターンに対応する、導電性粒子からなる接合パター
ンを光導電体表面に付着形成する工程と;(d)基体上
の配線パターンの所定の箇所(例えばランド上)に接合
パターンが配置されるように、接合パターンを光導電体
表面から基体に転写する工程とを含む、接合パターンの
形成方法が利用可能である。この方法については、本明
細書において後に詳述するものとする。
【0039】このような接合パターンの形成方法は、電
子部品の実装において、配線パターンと電子部品とを接
合するための導電性接合材料として用いられる導電性粒
子からなる接合パターンを、配線パターンが形成された
基体上に形成するための装置であって:導電性支持体上
に設けられた光導電体と;光導電体表面を第1電位に一
様に帯電させるために、光導電体の表面に電荷を供給す
る手段と;光照射領域に対応する潜像パターンを光導電
体に形成するために、第1電位に帯電した光導電体表面
の所定の領域に光照射する手段と;潜像パターンに対応
する、導電性粒子からなる接合パターンを光導電体表面
に付着形成するために、第2電位に帯電した導電性粒子
を光導電体表面に供給する手段と;基体上の配線パター
ンの所定の箇所に接合パターンの導電性粒子が配置され
るように、接合パターンを光導電体表面から基体に転写
する手段とを含む、接合パターン形成装置を用いて実施
することができる。
【0040】本発明の導電性接合材料を、上記のような
接合パターンの形成方法(および/または接合パターン
形成装置)に用いれば、微細な接合パターンを正確およ
び確実に形成することができる。また、上記接合パター
ン形成方法においては、メタルマスクを用いる必要がな
いので、形成する接合パターンを変更するために従来必
要であったメタルマスクを交換するための時間が不要と
なるため、多くの品種の接合パターンを短時間で簡単に
形成することができる。
【0041】更に、電子部品の実装を完成するために、
上述の方法に従って形成された接合パターンを用いて電
子部品を基体に接合する方法としては、いわゆるリフロ
ー炉と実質的に同様の装置または加熱炉を用いて、好ま
しくはクリームはんだ材料を用いる場合のリフロー温度
よりも低い温度、例えば約100〜200℃の温度、な
らびに/あるいはクリームはんだ材料を用いる場合のリ
フロー時間よりも短い時間、例えば約20〜60秒間の
熱処理を行うだけでよい。
【0042】より詳細には、上述のようにして接合パタ
ーンが配線パターンの所定の箇所に形成された基体に電
子部品を適切に載せて配置し(このとき、好ましくは電
子部品からの応力により導電性粒子の樹脂成分が変形
し、樹脂成分よりも高い硬度を有する金属粉末を介し
て、電子部品と配線パターンとが導通される)、これを
加熱炉にて電子部品の耐熱温度未満で、熱溶融性樹脂材
料の場合には該樹脂材料の融点以上、熱硬化性樹脂材料
の場合には該樹脂材料の硬化温度以上の温度で、適切な
時間で熱処理し、その後、冷却または放冷する。尚、
「硬化温度」とは、所定の合理的な時間で実質的に完全
に硬化する最適温度を言うものとし、例えば、樹脂製造
者の推奨する硬化温度とする。
【0043】このとき、熱溶融性樹脂材料を用いる場合
には、熱溶融性樹脂材料が溶融し、固化することにより
配線パターンと電子部品とが物理的に接合され、同時に
高融点金属粉末が互いに接触することにより配線パター
ンと電子部品とが電気的に接合される。あるいは、熱硬
化性樹脂材料を用いる場合には、熱硬化性樹脂材料が硬
化することにより配線パターンと電子部品とが物理的に
接合され、同時に高融点金属粉末がより十分に接触する
ことにより配線パターンと電子部品とが電気的に接合さ
れる。
【0044】このようにして、本発明の導電性接合材料
を用いて電子部品を実装することが可能である。また、
熱溶融性樹脂材料と熱硬化性樹脂材料とを組み合わせて
用いることによっても、配線パターンと電子部品とを接
合することが可能である。
【0045】以上のように、本発明の導電性接合材料を
用いて形成された接合パターンは、単に加熱を実施する
だけで電子部品を基体上の配線パターンに接合すること
が可能である。クリームはんだを用いて電子部品を基体
に接合する従来の方法では、リフロー(加熱)の際にク
リームはんだ中の溶剤が蒸発して接合材料中にボイド
(空洞)が形成されていたが、本発明の導電性接合材料
は溶剤を含まないため、このような問題が生じず、これ
により、溶剤を含む従来のクリームはんだ材料よりも高
い接合強度を得ることができる。更にまた、本発明の導
電性接合材料は、樹脂材料を溶融または硬化させるだけ
で電子部品の実装が完成されるので、従来のクリームは
んだを用いる場合よりも低い温度ならびに/あるいは短
時間の加熱によって、同程度の接合強度および導通性で
電子部品を接合することができ、電子部品への熱負荷を
低減することができる。
【0046】本発明の導電性接合材料は、基体が、配線
パターンによって回路形成される回路用基板である場合
に好適に使用され得る。例えば、本発明によれば、幅5
0〜500μm、好ましくは60〜200μm、より好
ましくは80〜150μmのランドからなり、それぞれ
ピッチ0.1〜1.0μm、好ましくは0.12〜0.
4μm、より好ましくは0.16〜0.3μmのランド
パターン上にも、これに対応するサイズを有する接合パ
ターンを形成することができる。尚、用語「ランド」
は、配線パターンの一部分であり、その上に導電性接合
材料(本発明においては導電性粒子)が配置される部分
または箇所、用語「幅」は、1個のランドの最も短い長
さ、用語「ピッチ」は、同一の電子部品に関連する複数
のランドのピッチ(即ち、電子部品の電極のピッチに相
当する)をそれぞれ言うものとする。
【0047】本発明の導電性接合材料は、特に狭ピッチ
の電子部品、例えば0.4mm、0.3mmまたはそれ
以下の電極ピッチを有するQFP部品および0.65m
m、0.5mm、0.4mmまたはそれ以下の電極ピッ
チを有するCSP部品などを回路基板に接合するための
微細な接合パターンを形成するための材料として好適に
用いられる。
【0048】従って、本発明の導電性接合材料を接合パ
ターンの材料として用いて電子回路基板を作製すれば、
基板上の所定の位置、例えば微細なランドパターン上に
も確実に生産性良く形成することができ、従って、電子
回路基板の高集積化、狭ピッチ化にも十分対応可能とな
る。
【0049】(本発明に利用可能な接合パターンの形成
方法)以下、本発明に利用可能な接合パターンの形成方
法について説明する。
【0050】この方法は上述のように、電子部品の実装
において、配線パターンと電子部品とを接合する、導電
性接合材料として用いられる導電性粒子からなる接合パ
ターンを、配線パターンが形成された基体上に形成する
ための方法であって:(a)導電性支持体上に設けられ
た光導電体の表面に電荷を供給して、光導電体表面を第
1電位に一様に帯電させる工程と;(b)第1電位に帯
電した光導電体表面の所定の領域に光照射して、光照射
領域に対応する潜像パターンを光導電体に形成する工程
と;(c)第2電位に帯電した導電性粒子を光導電体表
面に供給して、潜像パターンに対応する、導電性粒子か
らなる接合パターンを光導電体表面に付着形成する工程
と;(d)接合パターンを光導電体表面から基体に転写
して、基体上の配線パターンの所定の箇所(例えばラン
ド上)に接合パターンの導電性粒子を配置する工程とを
含む。以下、この方法全体を指して「接合パターンの形
成方法」と呼び、上記工程(a)〜(d)は、単に
(a)光導電体を帯電させる工程、(b)潜像パターン
を形成する工程、(c)導電性粒子を付着させる工程、
および(d)導電性粒子を転写する工程ともそれぞれ言
うものとする。
【0051】この方法に用いる光導電体の材料として
は、例えばセレン、有機光導電体(OPC)、硫化カド
ミウム、酸化亜鉛、およびアモルファスシリコンなどが
挙げられるが、光が当たらないときには絶縁体としての
性質を有し、光が照射されたときには導電性になる性質
を有するものであれば、これらに限定されない。また、
光導電体を支持する導電性支持体の材料としては、例え
ばアルミニウムおよびアルミニウム合金などが挙げられ
る。導電性支持体は好ましくはアースされており、この
上に上記の光導電体材料が、例えば塗布または蒸着など
の方法によって配置されて、静電潜像を記録する感光体
を構成し、ドラム、シート、およびベルトなどの形態を
有し得る。
【0052】この方法は、好ましくは、上記接合パター
ン形成方法は光導電体を初期化する工程を更に含む。こ
の場合、図6のプロセスフローに示すように、光導電体
を初期化する工程、光導電体を帯電させる工程、潜像パ
ターンを形成する工程、導電性粒子を付着させる工程、
および導電性粒子を転写する工程を1サイクルとして連
続的に繰り返し行うことが更に好ましい。例えば、導電
性支持体が導電性表面を有する回転ドラムの形態である
場合、回転ドラムを回転させることにより該サイクルを
連続的に繰り返し行うことができる。
【0053】以下、これらの工程についてそれぞれ詳述
する。
【0054】光導電体を初期化する工程に関して、本明
細書中で用語「光導電体を初期化する」とは、光導電体
表面の電荷をゼロにする、即ち「除電」し、ならびに、
該表面に導電性粒子(例えば前のサイクルで転写されず
に残留した導電性粒子)がある場合、これを除去するこ
とを意味するものである。例えば、冷陰極蛍光ランプ、
フィラメントランプ、および発光ダイオード(LED)
を用いて光導電体表面に光を一様に照射して光導電体を
導電性にし、光導電体表面の電荷をその下に位置する導
電性支持体に逃がして均一に除去するとともに、種々の
ブラシまたはブレードなどにより導電性粒子を含む異物
を静電的、磁気的または機械的に除去することにより実
施できる。これにより、不均一な表面荷電状態にあり得
る光導電体を均一な荷電状態にすることができる。
【0055】この初期化工程は、上記接合パターン形成
方法を連続的に実施する場合、所定の導電性粒子の接合
パターン形成の開始の際に、前サイクルの最後の導電性
粒子を転写する工程(d)の後に転写されずに光導電体
表面に残留している導電性粒子を除去するために、図6
に示すように1サイクル毎に行うことが好ましい。しか
しながら、初期化工程は上記接合パターン形成方法の実
施に必ずしも必要ではなく、場合によっては省略しても
よい。
【0056】次に、上記接合パターン形成方法の光導電
体を帯電させる工程(a)は、タングステンワイヤーな
どを用いるコロナ放電によって非接触式(即ち、光導電
体に接触しない様式)で、あるいは導電ローラおよび導
電ブラシなどを用いて接触式(即ち、光導電体に接触す
る様式)で行うことができる。
【0057】上記接合パターン形成方法の潜像パターン
を形成する工程(b)においては、工程(a)により第
1電位に帯電した光導電体表面の所定の領域に、レーザ
光(半導体レーザを光源とする光線など)あるいは光ビ
ーム(発光ダイオード、蛍光灯、またはハロゲンランプ
などを光源とする光線など)を照射して、光照射された
領域の光導電体を導電性にし、該部分の帯電電荷を下層
の導電性支持体に逃がす。これにより、光導電体表面の
光照射領域には帯電電荷がなくなり、他方、非光照射領
域には帯電電荷が残留することになる。その結果、帯電
電荷からなる潜像パターンが光照射領域に対応して、よ
り詳細には非光照射領域に一致するパターンで、光導電
体に形成される。
【0058】潜像パターンは、導電性粒子の所望の接合
パターンに対して同じパターン(以下、「ポジパター
ン」とも言う)であっても、反転したパターン(以下、
「ネガパターン」とも言う)であってもよい。潜像パタ
ーンがポジパターンである場合は、潜像パターンと同じ
パターンの接合パターンが転写される正転写となり、潜
像パターンがネガパターンである場合は、潜像パターン
と反転したパターンの接合パターンが転写される反転転
写となる。これらについて以下により詳細に説明する。
【0059】潜像パターンがポジパターンである場合、
即ち、所望の接合パターンと反転したパターン(ネガパ
ターン)で光照射して、第1電位にある帯電電荷を所望
の接合パターンと同じパターン(ポジパターン)で残し
て潜像パターンを形成する場合、導電性粒子を付着させ
る工程(c)において、第1電位と反対の極性の第2電
位に帯電した導電性粒子を供給し、帯電電荷と導電性粒
子の静電引力によって、導電性粒子を光導電体表面に、
潜像パターンと同じパターンを有する接合パターンとし
て形成することができる。
【0060】あるいは、潜像パターンがネガパターンで
ある場合、即ち、所望の接合パターンと同じパターン
(ポジパターン)で光照射して、第1電位にある帯電電
荷を所望の接合パターンと反転したパターン(ネガパタ
ーン)で残して潜像パターンを形成する場合、工程
(c)において、第1電位と同じ極性の第2電位に帯電
した導電性粒子を供給し、帯電電荷によって形成される
ポテンシャル井戸に、例えば磁気ブラシまたは磁気ブレ
ードなどを用いて、導電性粒子を配置させ、導電性粒子
を光導電体表面に、光導電体の潜像パターンと反転した
パターンを有する接合パターンとして形成することがで
きる。
【0061】従って、正転写または反転転写の転写方式
に応じて、それぞれポジパターンまたはネガパターンの
潜像パターンを形成するように、光導電体表面の第1電
位および該表面に供給される導電性粒子の第2電位は、
反対極性または同一極性とされる。
【0062】また、上記工程(b)において所望の潜像
パターンを形成するためには、所定の領域のみが光照射
されるように光照射を制御する必要がある。例えば、半
導体レーザ光を所定のタイミングで変調させるととも
に、レーザ光をミラーなどで機械的に偏光させて走査さ
せることによって、あるいは、光源と光導電体表面との
間に例えば液晶シャッタアレイなどを設けて該シャッタ
の開閉を制御することによって実施できる。
【0063】上記接合パターン形成方法の1つの態様に
おいては、予め設計データが格納されたデータベースか
ら設計データを読み出し、読み出された設計データに基
づいて所定の領域が光照射される。例えば、予め複数の
設計データが格納されたデータベースから、オペレータ
が指定した品種(または品番)に対応する設計データが
読み出され、読み出された設計データに基づいて所定の
領域が光照射されるような構成とし得る。尚、本明細書
において、「設計データ」は、基体上に配置されるべき
接合パターンの二次元的な設計情報をデータ化したもの
を言う。
【0064】また、上記接合パターン形成方法の別の態
様においては、基体から位置データを読み取り、読み取
られた位置データに基づいて所定の領域が光照射され
る。ここで、「位置データ」は、基体上に備えられ、接
合パターンを形成すべき位置に関する情報をデータ化し
たものを言う。例えば、位置データは、基体上に形成さ
れたランド、配線パターン、認識マーク、着色マーク
(例えばシルクなど)、バーコード、二次元コードなど
を認識し、これによって得られる情報をコンピュータな
どで演算処理して得られるデータである。位置データは
2つに大別され、1つは、個々の基体についての実際の
(いわゆる「生」の)接合パターン形成位置を示すもの
(例えばランドから得られるデータ)であり、もう1つ
は、設計データを特定する品種(または品番)などを示
すもの(例えばバーコードから得られるデータ)であ
る。
【0065】位置データの読み取りは、任意の適切な手
段を用いることができるが、例えば、カメラ、センサ
ー、ラインセンサー、スキャナー、ラインスキャナーな
どを用い得る。
【0066】例えば、基体上に形成されたランドをカメ
ラを用いて光学的に認識し、認識したランドの位置につ
いてのデータを位置データとして用いて、該ランド上に
導電性粒子の接合パターンを形成するようにする。ここ
で、ランドの認識は、カメラによった得た画像を信号化
し、該画像中の濃淡(またはコントラスト)あるいは色
信号などを、予め設定したランドおよび/または基体本
体についてのデータと比較することにより行うことがで
きる。
【0067】あるいは、上記のカメラに換えて、センサ
ーを用いてランドを認識することもできる。
【0068】一般的に、配線パターン(ランドを含む)
は基体上にプリントなどにより形成されており、これは
基体面に対して高くなっている。また、基体の表面は配
線パターンのランドを除いてレジストで覆われている
が、ランドはレジストに覆われずに露出しているため、
ランドを除く配線パターン部分においては、配線パター
ンの上に配置されるレジストの分だけ、ランドよりも基
体面に対して高くなっている。よって、ランドが配置さ
れている箇所は、基体面よりも高く、ランドを除く配線
パターン部分が配置されている箇所よりも低い高さで露
出している。従って、基体の基準面からの高さを計測し
得るセンサーを用いることにより、基体面から所定の高
さで露出しているランドを認識することができる。
【0069】また、金属を検知し得るセンサーを用いる
ことにより、絶縁性材料からなる基体上に形成された金
属製のランドを認識することができる。このとき、ラン
ドを除く配線パターン部分は、一般的にランドと同じ材
料からなるが、ランドとは異なってレジストで覆われて
いるため、レジストに覆われずに露出して配置されてい
るランドよりも金属反応が劣り、ランドを除く配線パタ
ーン部分とランドとを区別して認識することができる。
【0070】位置データを読み取るために、カメラおよ
びセンサーを用いる方法を上述したが、ラインセンサ
ー、ラインスキャナーなどを用いて、基体上を走査させ
ながら位置データを読み取ってもよい。また、ランド以
外の位置データの読み取りについても、任意の適切な方
法および読取手段を用いることができる。
【0071】これに加えて、上記接合パターン形成方法
のもう1つの態様においては、上記の設計データと位置
データを組み合わせて用いることもでき、具体的には、
基体から位置データを読み取り、読み取られた位置デー
タに対応して、予め設計データが格納されたデータベー
スから設計データを読み出し、読み出された設計データ
に基づいて所定の領域が光照射される。
【0072】1つの例として、位置データとしてバーコ
ードなどから品種のデータを得、予め複数の設計データ
が格納されたデータベースからこの品種に対応する設計
データを読み出し、読み出された設計データに基づいて
所定の領域が光照射され得る。別の例として、個々の基
体上のランドの微妙なズレが問題となるような複雑な領
域については、実際に形成されているランドから得られ
る情報を位置データとして採用し、比較的複雑でない領
域については設計データを採用することもできる。
【0073】次に、上記接合パターン形成方法における
導電性粒子を付着させる工程(c)においては、上述し
たように、工程(b)において形成された潜像パターン
に応じて適当な極性の第2電位に帯電した導電性粒子を
光導電体表面に供給して、潜像パターンに対応して、導
電性粒子からなる接合パターンを光導電体表面に付着形
成する。具体的には、潜像パターンがポジパターンであ
る場合、光導電体表面の第1電位と反対の極性の第2電
位に帯電した導電性粒子を供給して、潜像パターンと一
致したパターンで接合パターンを光導電体表面に付着形
成する。あるいは、潜像パターンがネガパターンである
場合、該第1電位と同じ極性の第2電位に帯電した導電
性粒子を供給して、潜像パターンと反転したパターンで
接合パターンを光導電体表面に付着形成する。
【0074】ここで、導電性粒子を第2電位に帯電させ
る方法としては、例えば、適切な容器内で導電性粒子と
キャリアとを撹拌混合して、キャリア表面から導電性粒
子に電荷を移動させることによって行うことが挙げられ
る。キャリアとして、例えば電子供与性コート樹脂を用
いることができ、この場合、キャリアから導電性粒子に
電子を付与して、導電性粒子を負に帯電させることがで
きる。あるいは、例えば鉄粉をキャリアとして用いる場
合、磁気ロール上にブラシ状に付着した鉄粉の穂先で静
電潜像上をこすって、導電性粒子を正に帯電させること
もできる。このようにして帯電させた導電性粒子をいわ
ゆる磁気ブラシ法またはカスケード法などによって光導
電体の表面に供給し、光導電体の潜像パターンの帯電電
荷と導電性粒子の帯電電荷との静電力により、導電性粒
子を潜像パターンに対応する接合パターンとして光導電
体表面に付着させることができる。
【0075】別法では、誘電体ゴムを現像ロールとして
使用し、そのロールに静電気で導電性粒子を吸着し、規
制ブレードで導電性粒子の薄層を現像ロール上に形成す
る。このような導電性粒子層を、摩擦帯電による静電気
を利用して交流バイアスを印加することによって、光導
電体の表面とブレード間を往復させて、導電性粒子を潜
像パターンに対応する接合パターンとして光導電体表面
に付着させることができる。
【0076】次に、上記接合パターン形成方法における
導電性粒子を転写する工程(d)において、基体上の配
線パターンの所定の箇所に接合パターンが配置されるよ
うに、接合パターンを光導電体表面から基体に転写す
る。
【0077】工程(d)に関連して、本明細書において
は、転写が行われる転写位置として、接合パターンの導
電性粒子が光導電体から基体に向かって離れる位置を光
導電体の転写位置と言い、接合パターンの導電性粒子が
光導電体から基体に付着(または到着)する位置を基体
の転写位置と言うものとする。
【0078】上記工程(d)においては、接合パターン
が付着した光導電体と、接合パターンが転写されるべき
基体とは、少なくともこれらの転写位置において、該光
導電体の接合パターン付着面と該基体の被転写面とが好
ましくは相互に実質的に平行に対向し、光導電体上の接
合パターンが基体上の所定の箇所(例えばランドパター
ン)に整合するように位置合せされて配置される。ここ
で、「整合する」とは、光導電体の転写位置において光
導電体を離れた導電性粒子が、基体の転写位置において
基体上の所定の箇所に正確に付着するように、光導電体
の転写位置と基体の転写位置とが位置することを言い、
例えば、基体の転写位置に立てた垂線上に光導電体の転
写位置が位置することを言う。
【0079】例えば、光導電体を支える導電性支持体が
円筒状回転ドラムの形態である場合、光導電体表面のド
ラム軸と平行な線状部分上にある位置が光導電体の転写
位置であり得、これに対応して基体の転写位置が決定さ
れる。この光導電体の転写位置における仮想的な円筒接
平面と、基体の被転写面とは、好ましくは実質的に相互
に平行に対向して配置される。更に、光導電体上の接合
パターンが基体上の所定の箇所に整合するように、基体
の転写位置に立てた垂線上に光導電体の転写位置が位置
し、これら転写位置が最短距離となるようにして(ある
いは、基体および光導電体の転写位置ならびにドラム中
心が好ましくは同一直線上に位置するようにして)、光
導電体および基体が位置合せされ得る。このように配置
された光導電体および基体において、光導電体の転写位
置にある導電性粒子が、一度にまたは走査的に基体の転
写位置に転写され得る。
【0080】また、導電性支持体がシート形状である場
合、光導電体表面全体または部分(例えば線状部分)上
にある位置が光導電体の転写位置であり得、これに対応
して基体の転写位置が決定される。光導電体のシート面
と、基体の被転写面とは、好ましくは実質的に相互に平
行に対向して配置され、光導電体上の接合パターンが基
体上の所定の箇所に整合するように、基体の転写位置に
立てた垂線上に光導電体の転写位置が位置し重ね合わさ
るようにして、光導電体および基体が位置合せされ得
る。この場合においても、光導電体の転写位置にある導
電性粒子が、一度にまたは走査的に基体の転写位置に転
写され得る。
【0081】この工程(d)は、非接触式で実施するこ
と、換言すれば、光導電体上の接合パターンが基体に接
触しない状態で転写することができる。より詳細には、
光導電体表面の接合パターンを構成する導電性粒子を、
光導電体表面と基体との間に設けられた空隙(例えば周
囲雰囲気のギャップ)を光導電体から基体に向かって飛
翔(またはジャンプ)させて、基体上の配線パターンの
所定の箇所に付着させることができる。例えば、基体の
背面側(被転写面に対する裏面側)に電界発生装置を配
置し、光導電体と基体との間に電界を発生させ、この電
界によって誘発される静電引力によって、光導電体表面
から基体の所定の箇所に導電性粒子を飛翔させることに
より、光導電体から基体に接合パターンを非接触式で転
写させることが可能である。このような静電引力を用い
る転写方法として、電子写真法の分野で既知のコロナ転
写などを適用することができる。
【0082】あるいは、例えば、光導電体表面に付着し
た導電性粒子の位置が基体上の転写されるべき位置と整
合したときに、光導電体表面を第2電位と同じ極性の第
3電位とし、これにより生じた導電性粒子の第2電位と
光導電体表面の第3電位との静電斥力によって、光導電
体表面から基体の所定の箇所に導電性粒子を飛翔させる
ことにより、光導電体から基体に接合パターンを非接触
式で転写させることも可能である(これについては、図
14を参照して後に詳述するものとする)。
【0083】一般的に、配線パターンと電子部品とを電
気的および物理的に接合するための接合材料として用い
られる導電性粒子の接合パターンは、良好な電気伝導性
を達成できる範囲で十分な接合強度を有することが望ま
しい。従って、導電性粒子の接合パターンは、ある程度
の厚さ、例えば30〜100μmの厚さを有することが
望ましい。導電性粒子の接合パターンにある程度の厚さ
を付与するためには、上記工程(d)は非接触式で行わ
れることが好ましい。なぜなら、接触式で実施すると導
電性粒子が圧接されて変形して、厚さが減少し得るから
である。また、非接触式の場合、同じ接合パターンを重
ねて転写して、多層の接合パターンを形成し、これによ
って、接合パターンの厚さを増大させることもできる。
【0084】また、非接触式で工程(d)を実施する場
合、導電性粒子が光導電体表面を離れて基体上に付着す
るまでの間に導電性粒子に粘着剤を噴霧するか、あるい
は粘着剤が分散された雰囲気下で工程(d)を実施する
などして導電性粒子に粘着剤を付着させ、これにより、
導電性粒子が基体上に転写されたときに粘着剤によって
導電性粒子を基体に仮止めすることが更に好ましい。粘
着剤としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール
などのアルコールが用いられ得る。
【0085】しかしながら、工程(d)は、接触式で実
施すること、換言すれば、光導電体上の接合パターンが
基体に接触した状態で転写することもできる。より詳細
には、光導電体表面の接合パターンを構成する導電性粒
子を基体に押し付けて、基体上の配線パターンの所定の
箇所に付着させることができる。例えば、上記の非接触
式の場合と同様に基体の背面側に電界発生装置を配置
し、光導電体と基体との間に電界を発生させ、この電界
によって誘発される静電引力によって、光導電体表面か
ら基体の所定の箇所に導電性粒子を移動させることによ
り、接合パターンを光導電体から基体に接触式で転写さ
せることが可能である。この場合、非接触式の場合より
も、発生させる電界を小さくすることができる。あるい
はまた、ローラ転写、圧力転写、または熱圧着転写など
の電子写真法の分野で既知の方法で接触転写させ得る。
【0086】このような転写工程(d)は、上述のよう
な位置データの読み取りを行う場合に、読み取りを含む
光照射工程(b)と一緒にリアルタイム制御で行うこと
ができる。例えば、基体から位置データを読み取った
後、該基体の所定の箇所が上記工程(d)の転写位置に
整合するように機械的に搬送し、上記工程(a)〜
(d)(必要に応じて初期化工程を最初に含む)を経て
光導電体表面に形成された接合パターンを該基体に転写
させる構成としてよい。このとき、光導電体上の接合パ
ターンと接合パターンが転写されるべき基体(厳密には
基体上に形成された配線パターンの所定の箇所)とが、
それぞれの転写位置に同時に達して整合するように、光
導電体を備える導電性支持体および基体の移動速度が同
期化されていることが好ましい。例えば、導電性支持体
が回転ドラムの形態を有し、回転ドラムを回転させるこ
とにより、工程(b)の光照射および工程(c)の導電
性粒子の付着を順次行って、光導電体上に形成した接合
パターンを転写位置まで搬送し、他方、工程(b)の光
照射を行うために基体から位置データを読み取り、その
後、基体を転写位置まで直線的に搬送する場合、好まし
くは、回転ドラム面と基体とが並進し、回転ドラムの周
速度と基体の搬送速度とが同期化される。
【0087】以上、詳細に説明したような接合パターン
の形成方法を利用して、本発明の導電性接合材料を接合
パターンの形態で基体の所定の箇所に形成することが可
能である。
【0088】
【発明の実施の形態】(実施形態1)以下、本発明の1
つの実施形態について図面を参照しながら説明する。図
1は、本実施形態における導電性接合材料を構成する球
状導電性粒子を示す概略断面図である。
【0089】図1に示すように、本実施形態の導電性接
合材料を構成する導電性粒子10は、高融点金属粉末1
および荷電制御剤2が樹脂成分3の中に分散されて構成
される。これら高融点金属粉末1、荷電制御剤2、およ
び樹脂成分3を含む導電性粒子10は、例えば約1〜3
0μmの範囲の粒径分布を有する球状粒子であり得る。
【0090】高融点金属粉末1、荷電制御剤2、および
樹脂成分3の材料は、上述した材料から適宜選択するこ
とができる。例えば、高融点金属粉末1として、上記の
金、銀、または銅などの金属材料からなる、粒径が0.
3〜15μm(もちろん、導電性粒子の粒径よりも小さ
い)の球状粒子を、荷電制御剤2として、ポリスチレン
からなる粉末状物質を、樹脂成分3の樹脂材料としてロ
ジンなどの好ましくは有機酸基を有する熱溶融性樹脂材
料を用い得る。
【0091】複数の高融点金属粉末1を含む本実施形態
においては、電子部品実装工程において十分に高い導通
性を確保するためには、高融点金属粉末1は、より多数
の点で互いに接触し得るように、より小さい粒径を有す
ることが好ましい。
【0092】熱溶融性樹脂材料を用いる本実施形態にお
いては、高融点金属粉末1、荷電制御剤2、および樹脂
成分3の組成比(全体基準)は、それぞれ、75〜95
重量%、0.5〜5重量%、4.5〜20重量%(但
し、これらの数値は合計で100重量%以下であるよう
に選択されるべきである)であり得る。
【0093】次に、このような導電性粒子からなる本実
施形態の導電性接合材料を製造する方法を図面を参照し
ながら説明する。図2は、本実施形態の導電性接合材料
(より詳細には導電性粒子10)の製造方法を説明する
工程フロー図である。
【0094】図2に示すように、この導電性粒子10は
2段階で製造することができる。第1段階は高融点金属
粉末1を準備するものであり、第2段階は、第1段階か
ら得られた高融点金属粉末1ならびに荷電制御剤2およ
び樹脂成分3(熱溶融性樹脂材料)から導電性粒子10
を製造するものである。
【0095】第1段階において、まず、周知技術である
アトマイズ法を用いて、所定の高融点金属材料からなる
金属インゴットを、該金属材料の融点以上に加熱して完
全に溶融させ、溶融した金属材料を噴霧により液滴状に
分散し、空気などで冷却固化させることにより粒状物を
得る。この粒状物は粒度分布が大きい(または広い)の
で、任意の適切な分級器(例えばふるいなど)を用いて
分級することにより、所望の均一なサイズを有する球状
の高融点金属粉末1を得ることができる。あるいは、粒
径の比較的小さい高融点金属粉末1については、アトマ
イズ法に代えて、造粒技術の分野において周知技術であ
る湿式法または沈殿析出法などを用いることにより高融
点金属粉末1を得ることもできる。
【0096】次に、第2段階において、第1段階から得
られた高融点金属粉末1に加えて、粉末状荷電制御剤2
および樹脂成分3(熱溶融性樹脂材料)を用意する。
【0097】次に、これら高融点金属粉末1、荷電制御
剤2、および樹脂成分3(熱溶融性樹脂材料)を混合装
置に入れ、樹脂成分3の熱溶融性樹脂材料の融点以上の
適切な温度、例えば約150℃にて低温溶融させて混合
撹拌して、溶融した熱溶融性樹脂材料中に高融点金属粉
末1および荷電制御剤2が分散した液状混合物を得、こ
れを噴霧により液滴状に分散し、空気などで冷却固化さ
せることにより粒状物を得る。この低温溶融工程におい
て、高融点金属粉末1は固体状態を維持する。得られた
粒状物は粒度分布が大きい(または広い)ので、これを
任意の適切な分級器(例えばふるいなど)を用いて分級
する。これにより、図1に示すような、所望の均一なサ
イズを有する球状の導電性粒子10からなる導電性接合
材料を得ることができる。
【0098】尚、第1段階および第2段階においては、
粒状物を得るために噴霧法を用いたが、これに代えて、
溶融物質を固化させて粉砕する粉砕法または高融点金属
粉末の周りに樹脂成分をコーティングする表面改質法を
用いてもよい。噴霧法および粉砕法はいずれも粉体加工
において周知の技術である。
【0099】このような導電性粒子10で構成される本
実施形態の導電性接合材料は、電子部品の実装プロセス
において、配線パターンと電子部品とを電気的および物
理的に接合するための導電性接合材料として好適に用い
られ得る。更に、本実施形態の導電性接合材料は、従来
のクリームはんだ材料で必要であった粘度調整が不要で
あり、粒子形態を有するため、より簡単に取り扱うこと
ができる。また、本実施形態の導電性接合材料は溶剤を
含まないので、電子部品実装におけるリフロー(加熱)
の際に溶剤が蒸発して接合材料中にボイド(空洞)が形
成されず、これにより、溶剤を含む従来のクリームはん
だ材料よりも高い接合強度を得ることができる。更にま
た、本実施形態の導電性接合材料は、熱溶融性樹脂材料
を溶融させるだけで電子部品の実装が完成されるので、
従来のクリームはんだを用いる場合よりも低い温度なら
びに短時間の加熱によって、同程度の接合強度および導
通性で電子部品を接合することができ、電子部品への熱
負荷を低減することができる。特に、本実施形態の導電
性接合材料は、製造が比較的簡単で安価な接合材料を提
供し得るという利点を有する。
【0100】本実施形態の導電性接合材料を用いれば、
電子写真法の原理を応用して、配線パターンが形成され
た基体上の所定の位置(例えばランドパターン上)に接
合パターンを正確および確実に形成すること、ならび
に、この接合パターンによって電子部品を基体に接合す
ることができ、これによって、電子部品を基体に実装す
ることが可能である。例えば、以下に説明するような接
合パターン形成方法および実装方法を利用することがで
きる。
【0101】(接合パターン形成方法)以下、本実施形
態の導電性粒子10からなる導電性接合材料を用いて、
基体に形成された配線パターンと電子部品とを接合する
ための接合パターンを基体上の所定の箇所に形成する方
法について図面を参照しながら説明する。本方法は、図
6のプロセスフローに示すような連続的に接合パターン
を形成するものに関する。図7は、本実施形態に利用可
能な接合パターン形成装置の概略図である。
【0102】図7に示すように、この接合パターン形成
装置20においては、導電性支持体として、円筒状回転
ドラム本体21と、その円筒表面上に設けられた例えば
ポリビニルカルバゾール(PVK)からなる厚さ5〜2
0μmの導電性膜22で構成される回転ドラムを用いて
いる。導電性膜22の上には、例えばセレンからなる厚
さ10〜60μmの光導電体23が設けられている。こ
の回転ドラムは、図中に矢印31で示す方向に回転可能
である。この回転ドラムを取り囲んで、光導電体23の
表面を初期化するための初期化装置24と、初期化した
光導電体23の表面に電荷を供給して、光導電体23の
表面を第1電位に一様に帯電させるための帯電器25
と、光導電体23に潜像パターン(図示せず)を形成す
るように、第1電位に帯電した光導電体23の表面の所
定の領域に光照射する光照射装置26と、第2電位に帯
電した導電性粒子27を光導電体23の表面に供給する
導電性粒子供給装置28とが配設されている。また、基
体29の被転写面に対して背面の側には、光導電体23
の表面に付着した導電性粒子27からなる接合パターン
を基体29に転写する転写装置30が配置されている。
初期化装置24、帯電器25、光照射装置26、導電性
粒子供給装置28、および転写装置30は、それぞれ制
御装置36に接続されている。
【0103】基体29は、その主面が光導電体23の円
筒表面に接する仮想平面と実質的に平行になるように配
置され、基体29の転写位置(接合パターンの導電性粒
子27が光導電体23から基体29に到着する位置)に
おいて基体29に対して立てた垂線上に、光導電体23
の転写位置(即ち導電性粒子27が光導電体23から基
体29に向かって離れる位置)が位置し、基体29の転
写位置と光導電体23の転写位置が最短距離にあること
が好ましい。基体29および光導電体23の転写位置
は、これらおよび転写装置30の位置関係ならびに転写
装置30によって発生される電場に依存して適切に決定
することができ、これに限定されるものではない。
【0104】基体29は、転写装置30と、光導電体2
3が設けられた回転ドラム(即ち、回転ドラム本体21
および導電性膜22)との間に矢印32で示す向きで基
体29の転写位置(導電性粒子27が光導電体23から
基体29に付着(または到着)する位置)まで搬送さ
れ、導電性粒子27が光導電体23から基体29の上
に、好ましくは一定速度で光導電体23と共に並進しな
がら転写され、その後、矢印33の方向に取り出され
る。他方、回転ドラムは、初期化工程、上記工程
(a)、工程(b)、工程(c)および工程(d)を順
次実施できるように矢印31の方向に好ましくは一定速
度で回転する。基体29上の所定の箇所に導電性粒子2
7が転写されるように、基体29の搬送速度および回転
ドラムの周速度が等しく、同期化されていることが更に
好ましい。
【0105】次に、図7の接合パターン形成装置を用い
る接合パターン形成方法を図8〜12を参照しながら説
明する。図8〜12は、各工程における概略図であり、
いずれも回転ドラムの中心を下方にして示している。
【0106】I.光導電体を初期化する工程 図8に示すように、まず最初に、初期化装置24を用い
て、光導電体23に光照射して光導電体23を導電性に
して光導電体23の表面の電荷を導電性膜22へ逃がし
て除去して光導電体23を実質的に帯電していない状態
にするとともに、該表面に残留している導電性粒子(図
8に図示せず)をブラシまたはブレードなど(共に図示
せず)を用いて除去することによって、光導電体23を
初期化する。光導電体23は、初期化工程における光照
射が終了すると絶縁性(即ち電荷が通過しない状態)と
なる。このような初期化を行うことによって、不均一な
表面状態にあり得る光導電体23の表面を均一な状態に
するとともに、該表面に付着している導電性粒子ならび
に他の異物を除去することができる。
【0107】この初期化工程は必ずしも必要ではない
が、このように連続的に接合パターンを形成するとき、
特にパターンの異なる接合パターンを連続的に形成する
ときに最初に実施することが好ましい。
【0108】II.光導電体を帯電させる工程(上記工程
(a)に対応する) 以上のようにして必要に応じて初期化された光導電体2
3の表面に、図9に示すように、帯電器25を用いて電
荷を供給し、該表面を第1電位に一様に帯電させる。こ
こでは、第1電位をプラスの電位とした(図中にプラス
符号にて模式的に示す)が、これに限定されず、マイナ
スの電位としてもよい。
【0109】帯電器25は、例えば、タングステンワイ
ヤー(図示せず)を光導電体23の表面から離して配置
し、光導電体23の所定の帯電化領域以外にコロナイオ
ンを飛散させないようにアルミなどの金属でシールドし
て構成することができる。このワイヤーに適切な電圧を
印加して、これによって発生した正(場合によっては
負)のイオンを光導電体23の表面に与えることによっ
て、光導電体23の表面を所定の第1電位に帯電させる
ことができる。
【0110】III.潜像パターンを形成する工程(上記
工程(b)に対応する) 次に、図10に示すように、光照射装置(例えばレーザ
光発生装置)26を用いて、所望の導電性粒子の接合パ
ターンと反転したネガパターンで光導電体23に光(例
えばレーザ光)を照射する。光導電体は、上述したよう
に、光が照射されたときには導電性になって帯電電荷を
逃がす性質を有するので、光照射領域34に存在してい
た帯電電荷は、光導電体23の光が照射された部分(図
中に斜線にて示す部分)から下層の導電性膜22に逃げ
る。この導電性膜22は回転ドラム本体21を通して接
地されている。他方、ポジパターンを有する非光照射領
域35に位置する光導電体23は絶縁性のまま保持され
るので、非光照射領域35には帯電電荷が残留する。こ
れにより、所望の導電性粒子の接合パターンと同じポジ
パターンで、帯電電荷からなる潜像パターンを形成する
ことができる。
【0111】光照射装置26は、光導電体23を導電性
にし、所望の導電性粒子の接合パターンを得るのに十分
な強度および結像度を有するものであれば特に限定され
ないが、レーザ光発生装置、ならびに発光ダイオード、
蛍光灯およびハロゲンランプを光源とする装置などを用
いることができる。このような装置を用いて、例えば、
光をドラム面上を軸方向に走査させながら、光を変調す
るかまたはシャッタで制御することによって、光導電体
23の表面の所定の領域に光照射し得る。
【0112】IV.導電性粒子を付着させる工程(上記工
程(c)に対応する) 続いて、図11に示すように、導電性粒子供給装置28
を用いて、第2電位に帯電した導電性粒子27を第2電
位と反対の極性の第1電位に帯電した光導電体23の表
面に供給する。ここで、第2電位は、ここではマイナス
の電位としたが、これに限定されるものではなく、後述
するように転写様式(正転写または反転転写)に応じて
適切に選択することができる。
【0113】この導電性粒子供給装置28においては、
例えば、導電性粒子供給装置28の内部で導電性粒子2
7をキャリアとともに撹拌混合して、キャリア表面から
導電性粒子27に電荷を移動させることによって、導電
性粒子27を帯電させることができる。キャリアとして
は、例えば電子供与性コート樹脂を用いることができ、
この場合、キャリアから導電性粒子27に電子を付与し
て、導電性粒子27を負に帯電させることができる。こ
のようにして帯電させた導電性粒子を磁気ブラシ法また
はカスケード法などによって光導電体23の表面に供給
し、導電性粒子27を潜像パターンに対応する接合パタ
ーンとして光導電体表面に付着させることができる。
【0114】あるいは、導電性粒子供給装置28に代え
て、誘電体ゴム(図示せず)を現像ロールとして使用
し、そのロールに静電気で導電性粒子27を吸着し、規
制ブレード(図示せず)で導電性粒子27の薄層を現像
ロール上に形成するような、上述の方法を用いることも
できる。
【0115】以上のようにして、第1電位と反対極性の
第2電位に帯電した導電性粒子27は、この導電性粒子
27と、非光照射領域35に残留した帯電電荷との静電
引力により、非光照射流域35に付着する。これによ
り、帯電電荷からなる潜像パターンと同じパターンで、
導電性粒子27からなる接合パターンを光導電体23の
表面に形成することができる。
【0116】V.導電性粒子を転写する工程(上記工程
(d)に対応する) 最後に、図12に示すように、転写装置30を用いて、
例えば、基体29の裏面側から第1電位の電荷をコロナ
放電またはローラ帯電させることによって光導電体23
と基体29との間に電界を発生させる。これにより誘発
された静電引力によって、光導電体23に付着した導電
性粒子27が光導電体23の転写位置に達したときに、
導電性粒子27を光導電体23から基体29に向かっ
て、光導電体23と基体29との間の空間を飛翔させ、
基体29の転写位置に付着させる。これにより、接合パ
ターンを構成する導電性粒子27が光導電体23と基体
29とに同時に接触しない状態で、導電性粒子27(接
合パターン)を基体29に転写させることが可能であ
る。
【0117】本接合パターン形成方法によれば、光導電
体上の接合パターンが基体に接触しない状態で転写する
ことができる。このため、高低差を有する基体上にも導
電性粒子を転写することが可能である。また、圧着など
により接触式で接合パターンを形成するよりも厚い接合
パターンを形成することができる。
【0118】尚、導電性粒子27の基体29への転写
は、上記の様式に限定されるものではなく、接触式で実
施することもできる。
【0119】更に、導電性粒子を転写する工程の後、回
転ドラムを回転させて、光導電体を初期化する工程に戻
して再び初期化し、新たな基体上に導電性粒子の接合パ
ターンを形成することができる。この場合、初期化する
工程、光導電体を帯電させる工程、潜像パターンを形成
する工程、導電性粒子を付着させる工程、および導電性
粒子を転写する工程を1サイクルとして連続的に接合パ
ターンを形成することができるので生産性に富むという
利点がある。このとき、形成する導電性粒子の接合パタ
ーンは、各基体間で同一のパターンであってもよいし、
あるいは基体毎に別のパターンであってもよい。
【0120】また、ここでは、潜像パターンをポジパタ
ーンとした正転写の場合について説明したが、潜像パタ
ーンをネガパターンとして反転転写を適用することも可
能である。この場合についても上述の接合パターン形成
方法とほぼ同様にして行うが、第1電位と反対極性の第
2電位に帯電した導電性粒子の代わりに、第1電位と同
じ極性の第2電位に帯電した導電性粒子を供給し、帯電
電荷によって形成されるポテンシャル井戸に、例えば磁
気ブラシなどにより導電性粒子を配置させる点で異な
る。
【0121】次に、本実施形態(即ち実施形態1)に利
用可能な上述の接合パターン形成方法の3つの改変例に
ついて以下に説明する。
【0122】(接合パターン形成方法の改変例1)この
改変例においては、図7〜12を参照して説明した接合
パターン形成装置20にカメラ38を加えたもう1つの
接合パターン形成装置40(図13を参照のこと)を用
いる方法について説明する。図13中、同様の部材につ
いては図7〜12と同じ符号を付している。
【0123】この接合パターン形成装置40では、基体
29の表面から位置データ(例えばランドなどの位置デ
ータ)を読み取るようにカメラ38が制御装置36に接
続されて配置されている。カメラ38を通して基体29
から読み取られた位置データを、コンピュータなどで適
切に処理する(例えば画像処理する)ことによって光照
射すべき所定の領域が決定され、光導電体23の所定の
領域を光照射するように制御装置36によって光照射装
置26が制御される。
【0124】この改変例によれば、リアルタイム制御で
転写を行うことが可能である。具体的には、回転ドラム
の回転速度と同期化した速度で基体29を搬送しなが
ら、カメラ38で基体29から位置データを読み取り、
得られた位置データに基づいて光照射装置26で光照射
を行い、続いて導電性粒子27を光導電体23に付着さ
せて、その後、光導電体23上の導電性粒子27および
基体29上の所定の箇所がそれぞれの転写位置(図13
では回転ドラム本体21の中心から垂直下方に向かう線
とそれぞれ交わる位置)に達したときに導電性粒子27
からなる接合パターンの転写を実施し得るように、接合
パターン形成装置40を構成することができる。これに
より、個々の基体上に形成された配線パターン(ランド
を含む)などに設計データからの微妙なズレがあって
も、実際のデータに基づいて接合パターンが形成される
ので、接合パターンを配線パターンの所定の箇所、例え
ばランド(またはランドパターン)上に正確に形成する
ことができる。
【0125】位置データを読み取る手段としては、上記
のようなカメラに換えて、高さまたは金属を検知するよ
うなセンサー、ラインセンサー、スキャナー、ラインス
キャナーなどを用いてもよい。
【0126】(接合パターン形成方法の改変例2)この
改変例においては、図13を参照して説明した接合パタ
ーン形成装置40においてカメラ38の代わりにセンサ
ー(またはスキャナー)を用い、更にデータベースを加
えた別の接合パターン形成装置(図示せず)を用いる方
法について説明する。
【0127】このような装置を用いて、まず、基体に付
されたバーコードまたは2次元コードなどから、バーコ
ードリーダーまたは2次元コードリーダーなどのための
適切なセンサー(またはスキャナー)を用いて品番など
の位置データを読み取る。次いで、読み取った品番など
の位置データに対応する設計データを、予め複数の設計
データが格納されたデータベースから読み出す。そし
て、読み出された設計データに基づいて、光照射装置を
用いて光導電体の所定の領域に光を照射し、その後基体
上に所定の接合パターンが上述の接合パターン形成方法
と同様にして形成される。
【0128】本改変例においても、上記の改変例1と同
様に、回転ドラムの回転速度と基体の搬送速度が同期化
されていることが好ましい。
【0129】この改変例によれば、改変例1のような複
雑なコンピュータ処理(例えば画像処理)を大幅になく
すことができるので、簡単な制御装置で接合パターンを
所定の領域に形成することができる。
【0130】あるいは上記のセンサーを省略して、形成
すべき接合パターンを特定する情報(品種または品番な
らびに連続的に同一品種を生産する場合は数量など)を
オペレータが制御装置に直接に入力するようにしてもよ
い。
【0131】(接合パターン形成方法の改変例3)この
改変例は、図7〜12を参照して説明した接合パターン
形成装置20において、光導電体23に付着した導電性
粒子27を基体29上に転写する様式について改変した
ものである。以下、図14を参照しながら詳細に説明す
る。図14は、転写工程を説明する工程図であり、図1
2に代わるものである。図14では、回転ドラムの中心
を上方にして示してあり、図12と上下が反転してい
る。図14中、同様の部材については図7〜12と同じ
符号を付している。
【0132】図14に示すように、回転ドラム本体21
(図7)の代わりに中空の回転ドラム本体41を用い
る。この回転ドラム本体41は、ガラスまたはアクリロ
ニトリル・スチレン樹脂(AS樹脂)などの光透過性材
料からなり、回転ドラム本体41の円筒表面上には銀ま
たはアルミニウムなどからなる導電性膜42が備えられ
ている。この導電性膜42は、例えば蒸着などの方法に
より、光を透過させ得る厚さで回転ドラム本体41上に
形成することが望ましい。光導電体23の表面に付着し
た導電性粒子27からなる接合パターンを基体29に転
写する手段として、転写装置30(図7)の代わりに光
照射装置43および荷電装置44が回転ドラム本体41
の中空部分に配設されている。
【0133】このような接合パターン形成装置において
も、好ましくは、基体29の転写位置において基体に対
して立てた垂線(図14中に点線にて示す)上に光導電
体23の転写位置が位置し、基体29の転写位置(基体
29の表面と垂線(図14の点線)とが交わる位置)、
光導電体23の転写位置(光導電体23の表面と垂線
(図14の点線)とが交わる位置)、および回転ドラム
中心(図示せず)は同一直線上にある。
【0134】この場合、光導電体23の表面に付着した
導電性粒子27の位置が、該導電性粒子27が転写され
るべき基体の所定の位置と整合するとき、より詳細に
は、光導電体23上の導電性粒子27が光導電体23の
転写位置に達したときに、光照射装置43により、回転
ドラム本体41の内側から光導電体23の転写位置に光
照射する。これにより、光が照射された光導電体23は
導電性になり、よって、転写位置の光導電体23の表面
に存在していた帯電電荷(図14中にプラス記号で模式
的に示す)を光導電体23から下層の導電性膜42(こ
れはアースされている)に逃がすことができる。更に、
荷電装置44を用いて第2電位に帯電した導電性粒子2
7と同じ極性の電荷を光導電体23の表面に発生させ
て、光導電体23の表面を第3電位(図14中にマイナ
ス記号にて模式的に示す)に帯電させる。このため、第
2電位にある導電性粒子27および第3電位にある光導
電体23の表面には、互いに静電斥力が働くことにな
る。この静電斥力によって、導電性粒子27は光導電体
23の転写位置において弾き飛ばされて光導電体23を
離れ、導電性粒子27が基体29の転写位置にて基体2
9の所定の箇所に転写され得る。ここで、光照射装置4
3および荷電装置44は、回転している光導電体23の
所定の位置(例えば、光照射装置43は転写位置の直前
の位置、荷電装置44は転写位置)にのみ作用するよう
にして、動作させ続けることが好ましい。
【0135】以上のように、光照射および電荷発生によ
って、転写位置における光導電体23の表面を第1電位
から、第2電位と同じ極性の第3電位へと変えることが
でき、接合パターンを光導電体表面から基体に転写でき
る。この改変例によれば、光導電体上の接合パターンが
基体に接触しない状態で転写することができ、上述の接
合パターン形成方法と同様の効果を得ることができる。
【0136】尚、本改変例では、光導電体23の表面を
第2電位と同じ極性の第3電位にさせるために光照射な
らびに電荷発生を用いたが、これに限定されない。
【0137】(実装方法)次に、上述のようにして、基
体に形成された配線パターンと電子部品とを接合するた
めの導電性接合材料(または導電性粒子)からなる接合
パターンが形成された基体に、電子部品を物理的および
電気的に接合する方法について説明する。
【0138】まず、接合パターンが所定の位置に形成さ
れた基体を、樹脂成分3の熱溶融性樹脂材料の少なくと
も軟化点以上の温度で前もって熱処理に付して(例え
ば、軟化点+10℃、具体的には約110〜130℃で
10〜15秒間)、導電性接合材料を構成する熱溶融性
樹脂材料を軟化または部分的に溶融させた後、電子部品
の端子を接合パターン上に適切に載せて配置し、その状
態で熱溶融性樹脂材料を温度低下により固化させて、電
子部品が容易に動かない程度に、電子部品を基体に仮止
めすることが好ましい。熱溶融性樹脂材料として粘着性
を有する材料、例えばポリプロピレンを用いる場合に
は、このような予備的な熱処理を実施することなく、単
に電子部品の端子を接合パターン上に適切に載せて電子
部品を配置するだけで、樹脂材料の粘着性によって電子
部品が基体に仮止めされ得る。
【0139】その後、この基体を加熱炉に通して電子部
品の耐熱温度(例えば約300℃、更には約250℃)
未満、熱溶融性樹脂材料の融点以上の温度、例えば15
0〜200℃、好ましくは160〜180℃に加熱して
熱溶融性樹脂材料を溶融させ、次いで室温まで冷却また
は放冷して、溶融した熱溶融性樹脂材料を固化させる。
このとき高融点金属粉末は、再び固化した熱溶融性樹脂
材料によって、より十分に接触した状態で固定される。
また、荷電制御剤は、加熱および冷却(または放冷)工
程によって、接合材料の露出表面に集まって、接合材料
内部には荷電制御剤がほとんどなくなり、これによっ
て、接合強度の向上および接合部の電気抵抗が低減され
得る。このようにして、電子部品と基体上の配線パター
ンとが、溶融および固化した熱溶融性樹脂材料によって
物理的に接合され、他方、接触状態で固定された高融点
金属粉末1によって電気的に接合されて、十分な接合強
度および導通性が確保される。
【0140】以上のようにして、本実施形態の導電性接
合材料を用いれば、電子写真法の原理を応用して、配線
パターンが形成された基体上の所定の位置(例えばラン
ドパターン上)に接合パターンを正確および確実に形成
すること、ならびに、この接合パターンによって電子部
品を基体に接合することができ、これによって、電子部
品を基体に実装することが可能である。
【0141】(実施形態2)また、実施形態1とは異な
って、図3に示すような棒状の導電性粒子11からなる
導電性接合材料を製造することも可能である。この棒状
導電性粒子11は、上記実施形態1の製造方法に従って
得られた球状の導電性粒子10(図1を参照のこと)を
任意の適切な方法で潰す(または変形させる)ことによ
って得ることができる。この導電性粒子11は、好まし
くは、長軸方向において5〜50μmの粒径分布および
3〜16のアスペクト比(長軸方向対短軸方向の寸法
比)を有する。
【0142】本実施形態の棒状導電性粒子11からなる
導電性接合材料は、実施形態1の導電性接合材料と同様
の効果を奏することができ、更に、球状導電性粒子10
(図1)からなる実施形態1の導電性接合材料よりも厚
い接合パターンを提供できるという利点を有する。これ
は、この棒状導電性粒子11を立てた状態(即ち、その
長軸方向と基体の被転写面とがほぼ垂直となる状態)で
基体上に配置することができることによる。
【0143】より詳細には、実施形態1にて説明した接
合パターン形成方法を一部改変することにより、棒状導
電性粒子11を立てた状態で基体上に配置できる。
【0144】まず、実施形態1にて説明したように、必
要に応じて初期化工程を実施し、次いで工程(a)およ
び(b)を実施して、光導電体に潜像パターンを形成す
る。他方、棒状導電性粒子11の長軸方向における片側
の端部のみを帯電させて、導電性粒子11を準備してお
く。次に、工程(c)において、この局所的に帯電した
導電性粒子11を、潜像パターンが形成された光導電体
表面に供給して、導電性粒子11を立てた状態で光導電
体表面に所定のパターン(即ち、潜像パターンと同一
の、あるいは反転したパターン)で付着させる。その
後、工程(d)において、光導電体表面に立った状態で
付着している導電性粒子11を、その状態を保持したま
まで基体上に転写する。これにより棒状導電性粒子11
を立てた状態で基体上に配置でき、粒子の長軸方向の粒
径に相当する厚さの接合パターンを形成することができ
る。
【0145】上記のような棒状導電性粒子を用いて接合
パターンを基体上に形成した場合も、実施形態1の球状
導電性粒子の場合と同様の方法により電子部品を基体に
接合することができ、これによって、電子部品を基体に
実装することが可能である。
【0146】(実施形態3)次に、本発明のもう1つの
実施形態について図面を参照しながら説明する。図4
は、本発明のもう1つの実施形態における導電性接合材
料を構成する球状導電性粒子を示す概略断面図である。
尚、特に記載しない限り、実施形態1にて記載した説明
と同様とする。
【0147】図4に示すように、本実施形態の導電性接
合材料を構成する導電性粒子12は、荷電制御剤2が分
散された樹脂成分3で高融点金属粉末1を被覆して構成
される。1つの高融点金属粉末1を含む本実施形態にお
いては、電子部品実装工程において十分に高い導通性お
よび接合強度を確保するため、高融点金属粉末1の粒径
は、導電性粒子12の粒径に対して適切に選択され得
る。このこと以外は、図1を参照しながら上述した実施
形態1の導電性粒子10と同様の材料、形状、寸法、お
よび組成比であり得る。
【0148】次に、このような導電性粒子12からなる
本実施形態の導電性接合材料を製造する方法を説明す
る。
【0149】まず、実施形態1にて説明した第1段階と
同様にして所望のサイズの高融点金属粉末を得る。他
方、荷電制御剤および樹脂成分(熱溶融性樹脂材料)を
用意する。
【0150】次に、予め融点以上に加熱して溶融させた
熱溶融性樹脂材料に荷電制御剤を分散させたものに、高
融点金属粉末を加える。これにより、荷電制御剤が分散
された樹脂成分で高融点金属粉末が被覆された導電性粒
子が製造され得る。
【0151】別法では、高融点金属粉末、荷電制御剤、
および樹脂成分(熱溶融性樹脂材料)、例えばメカノフ
ュージョンシステム(ホソカワミクロン株式会社製)を
用いて機械的エネルギーを加えたり、サーフュージング
システム(日本ニューマチック工業株式会社製)を用い
て高融点金属粉末の周りに樹脂成分をコーティングする
ことによって、上記のような導電性粒子を得ることも可
能である。
【0152】本実施形態の導電性接合材料もまた、実施
形態1と同様にして、電子部品の実装において、配線パ
ターンと電子部品とを電気的および物理的に接合するた
めの導電性接合材料として好適に用いられ得る。本実施
形態の導電性接合材料を用いれば、電子写真法の原理を
応用して、実施形態1と同様の方法によって、配線パタ
ーンが形成された基体上の所定の位置に接合パターンを
正確および確実に形成すること、ならびに、この接合パ
ターンによって電子部品を基体に接合することができ、
これによって、電子部品を基体に実装することが可能で
ある。本実施形態の導電性接合材料は、実施形態1の導
電性接合材料と同様の効果を奏することができる。
【0153】これに加えて、本実施形態の導電性接合材
料を用いて形成された接合パターンは、実施形態1の導
電性接合材料よりも良好な導通性を有する。なぜなら、
実施形態1の導電性材料を構成する導電性粒子は複数の
高融点金属粉末を有するが、本実施形態の導電性材料を
構成する導電性粒子は1つの高融点金属粉末を有するた
めに高融点金属粉末の比表面積がより小さく、上記第1
段階と第2段階との間に高融点金属粉末表面に不可避的
に形成される自然酸化物の量がより少なくなるからであ
る。
【0154】(実施形態4)次に、本発明のもう1つの
実施形態について説明する。本実施形態は、図1を参照
して説明した実施形態1の導電性粒子10と実質的に同
様の構造および形状を有するが、樹脂成分が異なるもの
である。尚、特に記載しない限り、実施形態1にて記載
した説明と同様とする。
【0155】本実施形態においては、樹脂成分の樹脂材
料として、エポキシ樹脂などの好ましくは有機酸基を有
する熱硬化性樹脂材料を用いる。樹脂成分は、更に好ま
しくは、メルカプタン系化合物などの硬化剤を副成分と
して含む。
【0156】また、熱硬化性樹脂材料を用いる本実施形
態においても、熱溶融性樹脂材料を用いる上述の実施形
態1と同様に、高融点金属粉末、荷電制御剤、および樹
脂成分(樹脂材料および必要に応じて硬化剤を含む)の
組成比(全体基準)は、それぞれ、75〜95重量%、
0.5〜5重量%、4.5〜20重量%(但し、これら
の数値は合計で100重量%以下であるように選択され
るべきである)であり得る。
【0157】次に、このような導電性粒子からなる本実
施形態の導電性接合材料を製造する方法を説明する。
【0158】まず、実施形態1にて説明した第1段階と
同様にして所望のサイズの高融点金属粉末1を得る。こ
れに加えて、荷電制御剤2と、樹脂成分として熱硬化性
樹脂材料(および必要に応じて硬化剤)を用意する。
【0159】次に、液状の熱硬化性樹脂材料に、第1段
階から得られた高融点金属粉末、粉末状荷電制御剤およ
び必要に応じて硬化剤を混合分散させ、次いで、熱硬化
性樹脂材料の硬化温度以下の適切な温度および適切な時
間で熱処理して、熱硬化性樹脂材料を第1の程度、例え
ばB段階まで硬化させる。この第1の程度の硬化では、
熱硬化性樹脂材料の硬化が途中で止まるように熱処理を
停止することが重要である。その後、得られた材料を粉
砕し、ジェットミルなどを用いて球形に整え、任意の適
切な分級器(例えばふるいなど)を用いて分級する。こ
れにより、所望の均一なサイズを有する球状の導電性粒
子からなる導電性接合材料を得ることができる。
【0160】以下、本実施形態の導電性粒子からなる導
電性接合材料を用いて、電子部品を基体に実装する方法
について詳細に説明する。
【0161】まず、本実施形態の導電性接合材料を用い
て、実施形態1と同様にして、電子写真法の原理を応用
して、配線パターンが形成された基体上の所定の位置に
接合パターンを形成する。
【0162】次に、本実施形態の導電性接合材料が接合
パターンとして形成された基体を、熱硬化性樹脂材料の
硬化温度付近の温度および比較的短い時間で前もって熱
処理に付して(例えば、硬化温度+5℃、具体的には約
80〜150℃で約5〜30秒間)、導電性接合材料を
構成する熱硬化性樹脂材料を第1の程度よりも硬化が進
行した第2の程度で硬化させた後、電子部品の端子を接
合パターン上に適切に載せて配置し、これによって、電
子部品が容易に動かない程度に、電子部品を基体に仮止
めすることが好ましい。この第2の程度の硬化でも、熱
硬化性樹脂材料の硬化が途中で止まるように熱処理を停
止することが重要である。熱硬化性樹脂材料として粘着
性を有する材料を用いる場合には、このような予備的な
熱処理を実施することなく、単に電子部品を電子部品の
端子を接合パターン上に適切に載せて配置するだけで、
樹脂材料の粘着性によって電子部品が基体に仮止めされ
得る。
【0163】その後、この基体を加熱炉に通して電子部
品の耐熱温度(例えば約300℃、更には約250℃)
未満、熱硬化性樹脂材料の硬化温度以上の温度、例えば
約50〜170℃、好ましくは約80〜150℃に加熱
して熱硬化性樹脂材料を第2の程度よりも硬化が完全に
進行した第3の程度、例えばC段階まで硬化を終了さ
せ、次いで室温まで冷却または放冷する。このとき高融
点金属粉末は、完全硬化および収縮した熱硬化性樹脂材
料によって、より十分に接触した状態で固定される。ま
た、荷電制御剤は、加熱および冷却(または放冷)工程
によって、接合材料の露出表面に集まって、接合材料内
部には荷電制御剤がほとんどなくなり、これによって、
接合強度の向上および接合部の電気抵抗が低減され得
る。このようにして、電子部品と基体上の配線パターン
とが、完全硬化した熱硬化性樹脂材料によって物理的に
接合され、他方、接触状態で固定された高融点金属粉末
によって電気的に接合されて、十分な接合強度および導
通性が確保される。
【0164】以上のようにして、本実施形態の導電性接
合材料もまた、実施形態1と同様にして、電子部品の実
装において、配線パターンと電子部品とを電気的および
物理的に接合するための導電性接合材料として好適に用
いられ得る。本実施形態の導電性接合材料を用いれば、
電子写真法の原理を応用して、配線パターンが形成され
た基体上の所定の位置に接合パターンを正確および確実
に形成すること、ならびに、この接合パターンによって
電子部品を基体に接合することができ、これによって、
電子部品を基体に実装することが可能である。
【0165】これに加えて、本実施形態の導電性接合材
料を接合パターンの材料として用いれば、実施形態1の
導電性接合材料よりも高い接合強度を得ることができ
る。なぜなら、熱溶融性樹脂材料の溶融および固化によ
る接合よりも、熱硬化性樹脂材料の完全硬化による接合
のほうが、強度が高いからである。
【0166】(実施形態5)次に、本発明のもう1つの
実施形態について説明する。本実施形態は、図4を参照
して説明した実施形態3の導電性粒子12と実質的に同
様の構造および形状を有するが、樹脂成分が実施形態3
と異なり、実施形態4と同様のものである。尚、特に記
載しない限り、実施形態3または4にて記載した説明と
同様とする。
【0167】本実施形態においては、実施形態4と同様
に、樹脂成分の樹脂材料として、エポキシ樹脂などの有
機酸基を有する熱硬化性樹脂材料を用いる。樹脂成分
は、更に好ましくは、メルカプタン系化合物などの硬化
剤を副成分として含む。高融点金属粉末、荷電制御剤、
および樹脂成分(樹脂材料および必要に応じて硬化剤を
含む)の組成比(全体基準)についても、実施形態4と
同様であり得る。
【0168】次に、このような導電性粒子からなる本実
施形態の導電性接合材料を製造する方法を説明する。
【0169】まず、実施形態1にて説明した第1段階と
同様にして所望のサイズの高融点金属粉末を得る。これ
に加えて、荷電制御剤および樹脂成分(熱硬化性樹脂材
料および必要に応じて硬化剤)を用意する。
【0170】次に、液状の熱硬化性樹脂材料に荷電制御
剤および必要に応じて硬化剤を混合分散させたものに高
融点金属粉末を加え、熱硬化性樹脂材料を第1の程度、
例えばB段階まで硬化させて、荷電制御剤が分散された
樹脂成分で高融点金属粉末が被覆された導電性粒子が製
造され得る。
【0171】別法では、高融点金属粉末、荷電制御剤、
および樹脂成分(熱硬化性樹脂材料および必要に応じて
硬化剤)に、例えばメカノフュージョンシステム(ホソ
カワミクロン株式会社製)を用いて機械的エネルギーを
加えることによって、上記のような導電性粒子を得るこ
とも可能である。
【0172】本実施形態の導電性接合材料もまた、実施
形態4と同様に、電子部品の実装において、配線パター
ンと電子部品とを電気的および物理的に接合するための
導電性接合材料として好適に用いられ得る。本実施形態
の導電性接合材料を用いれば、電子写真法の原理を応用
して、実施形態4と同様の方法によって、配線パターン
が形成された基体上の所定の位置に接合パターンを正確
および確実に形成すること、ならびに、この接合パター
ンによって電子部品を基体に接合することができ、これ
によって、電子部品を基体に実装することが可能であ
る。
【0173】(実施形態6)次に、本発明のもう1つの
実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施
形態は、図1を参照して説明した実施形態1の導電性粒
子10とおおよそ同様の構造および形状を有するが、樹
脂成分が2種類の樹脂材料を含む点で異なるものであ
る。尚、特に記載しない限り、実施形態1にて記載した
説明と同様とする。
【0174】図5は、本実施形態における導電性接合材
料を構成する球状導電性粒子を示す概略断面図である。
図5に示すように、本実施形態の導電性接合材料を構成
する導電性粒子13は、高融点金属粉末1および荷電制
御剤2が樹脂成分3の中に分散されて構成され、より詳
細には、高融点金属粉末1、荷電制御剤2および粒状熱
硬化性樹脂材料3aが熱溶融性樹脂材料3bの中に分散
されて構成される。熱硬化性樹脂材料3aおよび熱溶融
性樹脂材料3bは共に樹脂成分3を構成し、好ましく
は、樹脂成分3は、硬化剤を熱溶融性樹脂成分3bに分
散させて含む。このような導電性粒子13は、実施形態
1と同様に、例えば約1〜30μmの範囲の粒径分布を
有する球状粒子であり得る。また、粒状熱硬化性樹脂材
料3aは、任意の好適な形状およびサイズを有し得、高
融点金属粉末1、荷電制御剤2、および樹脂成分(熱硬
化性樹脂材料3a、熱溶融性樹脂材料3、および必要に
応じて硬化剤を含む)の組成比(全体基準)は、任意の
適切な値であり得る。
【0175】次に、このような導電性粒子からなる本実
施形態の導電性接合材料を製造する方法を説明する。
【0176】まず、実施形態1にて説明した第1段階と
同様にして所望のサイズの高融点金属粉末1を得る。こ
れに加えて、荷電制御剤2と、樹脂成分3として粒状熱
硬化性樹脂材料3aおよび熱溶融性樹脂材料3b(およ
び必要に応じて硬化剤)を用意する。この場合、熱硬化
性樹脂材料3aの硬化温度よりも熱溶融性樹脂材料3b
の融点が低くなるように、これら材料を選択する。
【0177】次に、これら高融点金属粉末1、荷電制御
剤2、ならびに樹脂成分3として熱溶融性樹脂材料3b
および粒状熱硬化性樹脂材料3a(および必要に応じて
硬化剤)を混合装置に入れ、熱溶融性樹脂材料3bの融
点以上、熱硬化性樹脂材料3aの硬化温度以下の温度以
上、例えば約80℃にて低温溶融させて混合撹拌して、
溶融した熱溶融性樹脂材料3b中に高融点金属粉末1、
荷電制御剤2、粒状熱硬化性樹脂材料3a(および必要
に応じて硬化剤)が分散した液状混合物を得、これを噴
霧により液滴状に分散し、空気などで冷却固化させるこ
とにより粒状物を得る。この低温溶融工程において、高
融点金属粉末1および粒状熱硬化性樹脂材料3aは固体
状態を維持する。得られた粒状物は粒度分布が大きい
(または広い)ので、これを任意の適切な分級器(例え
ばふるいなど)を用いて分級する。これにより、図5に
示すような、所望の均一なサイズを有する球状の導電性
粒子13からなる導電性接合材料を得ることができる。
【0178】尚、ここで、導電性粒子13を得るために
噴霧法を用いたが、これに代えて、溶融物質を固化させ
て粉砕する粉砕法を用いてもよい。噴霧法および粉砕法
はいずれも粉体加工において周知の技術である。
【0179】以下、本実施形態の導電性粒子13からな
る導電性接合材料を用いて、電子部品を基体に実装する
方法について詳細に説明する。
【0180】まず、本実施形態の導電性接合材料を用い
て、実施形態1と同様にして、電子写真法の原理を応用
して、配線パターンが形成された基体上の所定の位置に
接合パターンを形成する。
【0181】次に、接合パターンが所定の位置に形成さ
れた基体を、熱溶融性樹脂材料3bの少なくとも軟化点
以上の温度で前もって熱処理に付して(例えば、軟化点
+10℃、具体的には約110〜130℃で10〜15
秒間)、導電性接合材料を構成する熱溶融性樹脂材料3
bを軟化または部分的に溶融させた後、電子部品の端子
を接合パターン上に適切に載せて配置し、その状態で熱
溶融性樹脂材料を温度低下により固化させて、電子部品
が容易に動かない程度に、電子部品を基体に仮止めする
ことが好ましい。熱溶融性樹脂材料として粘着性を有す
る材料、例えばポリプロピレンを用いる場合には、この
ような予備的な熱処理を実施することなく、単に電子部
品の端子を接合パターン上に適切に載せて電子部品を配
置するだけで、樹脂材料の粘着性によって電子部品が基
体に仮止めされ得る。
【0182】その後、この基体を加熱炉に通して電子部
品の耐熱温度(例えば約300℃、更には約250℃)
未満、粒状熱硬化性樹脂材料3aの硬化温度以上の温
度、例えば約50〜170℃、好ましくは約80〜15
0℃に十分時間で加熱して熱硬化性樹脂材料3aを完全
に、例えばC段階まで硬化させ、次いで室温まで冷却ま
たは放冷する。このとき、熱溶融性樹脂材料3bは、熱
硬化性樹脂材料3aの硬化温度よりも低い融点を有する
ため溶融し、次いで固化する。このとき高融点金属粉末
1は、完全硬化および収縮した熱硬化性樹脂材料3aに
よって、より十分に接触した状態で固定される。このよ
うにして、電子部品と基体上の配線パターンとが、完全
硬化した熱硬化性樹脂材料3aによって物理的に接合さ
れ、他方、接触状態で固定された高融点金属粉末1によ
って電気的に接合されて、十分な接合強度および導通性
が確保される。
【0183】以上のようにして、本実施形態の導電性接
合材料もまた、電子部品の実装において、配線パターン
と電子部品とを電気的および物理的に接合するための導
電性接合材料として好適に用いられ得る。本実施形態の
導電性接合材料を用いれば、電子写真法の原理を応用し
て、配線パターンが形成された基体上の所定の位置に接
合パターンを正確および確実に形成すること、ならび
に、この接合パターンによって電子部品を基体に接合す
ることができ、これによって、電子部品を基体に実装す
ることが可能である。
【0184】本実施形態の改変例として、粒状熱硬化性
樹脂材料3aの代わりに、液体または固体の熱硬化性樹
脂材料(および必要に応じて活性剤)が熱溶融性樹脂材
料3aよりも高い融点を有する熱溶融性樹脂材料でカプ
セル化された粒状物を用いることもできる。また、任意
の適切な熱硬化性樹脂材料(および必要に応じて活性
剤)および熱溶融性樹脂材料からなる3層以上の多層構
造を有するカプセルからなる材料を用い得ることは、当
業者であれば容易に想到され得る。
【0185】尚、上述の実施形態3〜6についても、図
3を参照して上述した実施形態2と同様に、これら実施
形態3〜6の球状の導電性粒子から棒状の導電性粒子を
製造することも可能である。
【0186】
【発明の効果】本発明によれば、電子部品実装プロセス
において、配線パターンと電子部品とを接合するための
接合パターンの材料として好適に用いられる新規な導電
性接合材料が提供される。本発明の導電性接合材料を用
いれば、スクリーン印刷法を用いることなく、所望の接
合パターンを基体(詳細には基体上に形成された配線パ
ターンの所定の箇所)上に転写により正確および確実に
形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1つの実施形態における導電性接合
材料を構成する球状導電性粒子を示す概略断面図であ
る。
【図2】 図1を参照して説明した実施形態における導
電性接合材料を構成する導電性粒子の製造方法を説明す
る工程フロー図である。
【図3】 本発明のもう1つの実施形態における導電性
接合材料を構成する棒状導電性粒子を示す概略断面図で
ある。
【図4】 本発明の別の1つの実施形態における導電性
接合材料を構成する導電性粒子を示す概略断面図であ
る。
【図5】 本発明の更に別の1つの実施形態における導
電性接合材料を構成する導電性粒子を示す概略断面図で
ある。
【図6】 本発明の導電性接合材料を用いる接合パター
ン形成方法を連続的に実施する場合のプロセスフロー図
である。
【図7】 本発明の1つの実施形態における導電性接合
材料を用いる接合パターン形成装置の概略図である。
【図8】 図7の装置を用いて実施される接合パターン
形成方法を説明する概略工程図である。
【図9】 図7の装置を用いて実施される接合パターン
形成方法を説明する概略工程図である。
【図10】 図7の装置を用いて実施される接合パター
ン形成方法を説明する概略工程図である。
【図11】 図7の装置を用いて実施される接合パター
ン形成方法を説明する概略工程図である。
【図12】 図7の装置を用いて実施される接合パター
ン形成方法を説明する概略工程図である。
【図13】 図7〜12を参照して説明した接合パター
ン形成方法の改変例における接合パターン形成装置の概
略図である。
【図14】 図7〜12を参照して説明した接合パター
ン形成方法の改変例における、導電性粒子を転写する工
程を説明する概略工程図である。
【符号の説明】
1 高融点金属粉末 2 荷電制御剤 3 樹脂成分 3a 熱硬化性樹脂材料 3b 熱溶融性樹脂材料 10、11、12、13 導電性粒子 21、41 回転ドラム本体 22、42 導電性膜 23 光導電体 24 初期化装置 25 帯電器 26、43 光照射装置 27 導電性粒子 28 導電性粒子供給装置 29 基体 30 転写装置 34 光照射領域 35 非光照射領域 36 制御装置 20、40 接合パターン形成装置 38 カメラ 44 荷電装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 猪狩 貴史 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E319 AC11 BB01 BB05 5G301 DA02 DA03 DA05 DA06 DA10 DA11 DA12 DA14 DA15 DA42 DA60 DD03

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品の実装において、基体に形成さ
    れた配線パターンと電子部品とを接合するための導電性
    接合材料であって、高融点金属粉末と、荷電制御剤と、
    樹脂成分とを含む導電性粒子からなる導電性接合材料。
  2. 【請求項2】 導電性粒子が、高融点金属粉末および荷
    電制御剤を樹脂成分中に分散させて構成される、請求項
    1に記載の導電性接合材料。
  3. 【請求項3】 導電性粒子が、荷電制御剤が分散された
    樹脂成分で高融点金属粉末を被覆して構成される、請求
    項1に記載の導電性接合材料。
  4. 【請求項4】 該基体が、配線パターンによって回路形
    成される回路用基板である、請求項1〜3のいずれかに
    記載の導電性接合材料。
  5. 【請求項5】 配線パターンが、導電性接合材料を配置
    するためのランドを含み、ランドの幅が50〜500μ
    mである、請求項1〜4のいずれかに記載の導電性接合
    材料。
  6. 【請求項6】 高融点金属粉末が、金、銀、銅、ニッケ
    ル、パラジウム、白金、亜鉛、タングステン、およびモ
    リブデン、ならびにこれらの2種以上からなる合金から
    なる群から選択される材料からなる、請求項1〜5のい
    ずれかに記載の導電性接合材料。
  7. 【請求項7】 荷電制御剤が、ポリスチレン、アミン系
    金属化合物、アゾ系化合物、塩素系パラフィン、塩素化
    ポリエステル、酸基過剰のポリエステル、銅フタロシニ
    アニンのスルホニルアミンナフテン酸金属塩、脂肪酸の
    金属塩、および樹脂酸石鹸、ならびにこれらの2種以上
    の混合物からなる群から選択される材料からなる、請求
    項1〜6のいずれかに記載の導電性接合材料。
  8. 【請求項8】 樹脂成分が、有機酸基を有する樹脂材料
    を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の導電性接合材
    料。
  9. 【請求項9】 樹脂成分が、ロジン、スチレンアクリル
    共重合体、ポリメチルメタクリレート、架橋アクリル樹
    脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
    リカーボネート、ポリアミド、ABS樹脂、フッ素樹
    脂、フッ化ビニリデン樹脂、およびベンゾグアナミン樹
    脂、ならびにこれらの2種以上の混合物からなる群から
    選択される熱溶融性樹脂材料を主成分として含む、請求
    項1〜7のいずれかに記載の導電性接合材料。
  10. 【請求項10】 樹脂成分が、エポキシ樹脂、ポリイミ
    ド樹脂、ポリフェニレンエチレン樹脂、ポリエステル樹
    脂、フェノール樹脂、およびフタル酸ジアリル、ならび
    にこれらの2種以上の混合物からなる群から選択される
    熱硬化性樹脂材料を主成分として含む、請求項1〜7の
    いずれかに記載の導電性接合材料。
  11. 【請求項11】 樹脂成分が、硬化剤を副成分として含
    む、請求項10に記載の導電性接合材料。
  12. 【請求項12】 高融点金属粉末、荷電制御剤、および
    樹脂成分の組成比(全体基準)が、それぞれ、75〜9
    5重量%、0.5〜5重量%、4.5〜20重量%(但
    し、これらの数値は合計で100重量%以下であるよう
    に選択される)である、請求項9〜11のいずれかに記
    載の導電性接合材料。
  13. 【請求項13】 導電性粒子が球状または棒状の形状を
    有する、請求項1〜12のいずれかに記載の導電性接合
    材料。
  14. 【請求項14】 導電性粒子の長軸方向の粒径が1〜5
    0μmの範囲内にある、請求項1〜13のいずれかに記
    載の導電性接合材料。
  15. 【請求項15】 導電性粒子が球状の形状を有し、その
    粒径が1〜30μmの範囲内にある、請求項13に記載
    の導電性接合材料。
  16. 【請求項16】 導電性粒子が棒状の形状を有し、その
    長軸方向の粒径が5〜50μmの範囲内にある、請求項
    13に記載の導電性接合材料。
  17. 【請求項17】 基板上に形成された配線パターンと電
    子部品とが、請求項1〜16のいずれかに記載の導電性
    接合材料によって接合されている電子回路基板。
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