JP2002270179A - リチウムイオン2次電池 - Google Patents

リチウムイオン2次電池

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JP2002270179A
JP2002270179A JP2001062929A JP2001062929A JP2002270179A JP 2002270179 A JP2002270179 A JP 2002270179A JP 2001062929 A JP2001062929 A JP 2001062929A JP 2001062929 A JP2001062929 A JP 2001062929A JP 2002270179 A JP2002270179 A JP 2002270179A
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lithium
composite oxide
battery
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ion secondary
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Kenichi Kizu
賢一 木津
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、放電容量特性を低下させることな
く、過充電時に電流遮断が確実に作動するリチウムイオ
ン2次電池を提供するものである。 【解決手段】上記課題は、0〜0.5重量%未満の炭酸
リチウムが吸着されたリチウム遷移金属複合酸化物と炭
酸リチウムが0.5〜5重量%吸着されたリチウム遷移
金属複合酸化物とが重量比で70〜98/30〜2の割
合で混合されてなる正極、負極、γ−ブチルラクトンを
含んでなる非水電解質、及び電池内圧の上昇により作動
する電池内部の電流遮断手段を備えてなるリチウムイオ
ン2次電池、及び、炭酸リチウムが吸着された導電材と
リチウム遷移金属複合酸化物からなる正極、負極、γ−
ブチルラクトンを含んでなる非水電解質、及び電池内圧
の上昇により作動する電池内部の電流遮断手段を備えて
なるリチウムイオン2次電池によって解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池内圧の上昇に
より電池内部の電流遮断手段を備えてなる、リチウム遷
移金属複合酸化物、特にリチウムコバルト複合酸化物、
または、リチウムニッケル複合酸化物を正極活物質とし
たリチウムイオン2次電池に関し、さらに詳しくは、過
充電時に電流遮断が確実に作動するリチウムイオン2次
電池に関する。
【0002】
【従来技術】リチウムイオン二次電池は、リチウムイオ
ンを用いるため高容量化が可能となり、最近では携帯電
話や電子端末機などの電源として広く普及されつつあ
る。特にリチウムイオン電池の性能向上に大きく寄与す
る電極材料、例えば正極では、LiCoO、LiNi
、LiMnOなどが、負極では、リチウム金属や
その合金、炭素材料が開発研究され、放電容量等の電気
的な特性の改良が行われている。ところで、リチウムイ
オン2次電池の発電要素体は、一般に、正極、負極、正
極と負極との間に介在している絶縁性のセパレーター、
及び正極と負極との間のリチウムイオンを往来させるた
めの電解液から構成されている。電解液としては、 カ
ーボーネート系有機材料を主体とすることが多く、この
ため、液漏れ防止の点から、リチウムイオン2次電池の
外套は、ステンレスなどの金属材料を用いて発電要素体
を収容した密閉型構造としている。したがって、何らか
の原因で所定以上の電流が流れた過充電状態となった場
合には、リチウムイオン2次電池内の電解液が電気分解
することによりガス化して電池の内圧が上昇し、電池缶
が損傷する場合がある。このため、リチウムイオン2次
電池内には内圧上昇すると電流を遮断する機構、例え
ば、内圧上昇した場合には正極集電体と正極タブとが離
間して導通を遮断する電流遮断機構などが具備されてい
る。しかし、この電流遮断機構は、電池の内圧が上昇す
ることを前提とした作動機構であるため、温度上昇が発
生しているものの、内圧はさほど上昇しなかった場合に
は、前記電流遮断機構は作動しないことになる。
【0003】このため、特開平4−3298278で
は、リチウムコバルト複合酸化物からなる正極に炭酸リ
チウムを0.5重量%〜15重量%添加させ、電池内部
の温度上昇時には、正極に含有されている炭酸リチウム
を炭酸ガス化させ、電池内圧を、より上昇させ、電流遮
断機構を作動させている。また、特開平4−32926
8では、リチウムコバルト複合酸化物からなる正極の表
面に炭酸リチウムを被覆して、特開平4−329827
8の技術と同様に、炭酸リチウムを炭酸ガス化して、電
流遮断機構を作動させている。
【0004】しかしながら、特開平4−3298278
に開示された方法では、電流遮断機構は作動するもの
の、正極活物質に対して炭酸リチウムの均一な分散が困
難であるため、高レート放電での放電容量を低下させる
だけでなく、炭酸リチウムを多量に使用しなければ過充
電における十分な破裂防止効果が得られなかった。ま
た、特開平4−329268に開示された方法において
は、活物質の合成条件が限定され、放電容量特性、サイ
クル特性を低下させる問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、放電容量特
性、サイクル特性を低下させることなく、過充電時に電
流遮断が確実に作動するリチウムイオン2次電池を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、(1)0〜
0.5重量%未満の炭酸リチウムが吸着されたリチウム
遷移金属複合酸化物と炭酸リチウムが0.5〜5重量%
吸着されたリチウム遷移金属複合酸化物とが重量比で7
0〜98/30〜2の割合で混合されてなる正極、負
極、γ−ブチルラクトンを含んでなる非水電解質、及び
電池内圧の上昇により作動する電池内部の電流遮断手段
を備えてなるリチウムイオン2次電池。 (2)正極のリチウム遷移金属複合酸化物は、リチウム
コバルト複合酸化物からなり、負極は、リチウムイオン
の放出、挿入が可能な炭素材料である上記(1)に記載
のリチウムイオン2次電池。 (3)炭酸リチウムが吸着された導電材とリチウム遷移
金属複合酸化物からなる正極、負極、γ−ブチルラクト
ンを含んでなる非水電解質、及び電池内圧の上昇により
作動する電池内部の電流遮断手段を備えてなるリチウム
イオン2次電池。 (4)導電材は、粒径が3μm以上の粒状の導電性炭素
材である上記(3)に記載のリチウムイオン2次電池。 (5)炭酸リチウムは、導電材に対して、0.2〜2重
量%含有されてなる上記(3)または上記(4)に記載
のリチウムイオン2次電池。 (6)正極は、炭酸リチウムが吸着された導電材とリチ
ウムコバルト複合酸化物とからなり、負極は、リチウム
イオンの放出、挿入が可能な炭素材料である上記(3)
〜上記(5)のいずれかに記載のリチウムイオン2次電
池。によって解決される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明では、0〜0.5重量%未
満の炭酸リチウムが吸着されたリチウム遷移金属複合酸
化物と、炭酸リチウムが0.5〜5重量%吸着されたリ
チウム遷移金属複合酸化物とからなる正極を用い、かつ
γ−ブチルラクトンを含んでなる非水電解質を用いる。
すなわち、本発明の構成をとれば、単に炭酸リチウム
とリチウム遷移金属複合酸化物とを混合したときのよう
な炭酸リチウムの凝集が起こらず、少量の炭酸リチウム
でも有効に作用するとともに、また、γ−ブチルラクト
ンを含んでなる非水電解質を用いることにより炭酸ガス
の発生を促進させる作用一方、電解液の特性をさほど損
なわないため、充放電反応が阻害されず、放電容量特
性、サイクル特性が低下することなく、電流遮断の作動
効果を奏する。
【0008】なお、0〜0.5重量%未満の炭酸リチウ
ムが吸着されたリチウム遷移金属複合酸化物なる概念
は、炭酸リチウムが吸着されていないリチウム遷移金属
複合酸化物をも含んでいる。また、0〜0.5重量%未
満の炭酸リチウムが吸着されたリチウム遷移金属複合酸
化物と炭酸リチウムが0.5〜5重量%吸着されたリチ
ウム遷移金属複合酸化物とは重量比で70〜98/30
〜2の割合で混合されている。なお、0〜0.5重量%
未満の炭酸リチウムが吸着されたリチウム遷移金属複合
酸化物を用いなければ、放電容量特性が低下する。 ま
た、炭酸リチウムが0.5〜5重量%吸着されたリチウ
ム遷移金属複合酸化物を用いなければ、電流遮断の作動
効果が少なくなる。 0〜0.5重量%未満の炭酸リチ
ウムが吸着されたリチウム遷移金属複合酸化物と、炭酸
リチウムが0.5〜5重量%吸着されたリチウム遷移金
属複合酸化物との混合比率は、重量比で70〜98/3
0〜2、好ましくは、75〜95/25〜5である。ま
た、γ−ブチルラクトンを含んでなる非水電解質を用い
なければ、電流遮断の作動効果が少なくなる。この理由
は、上記したように、炭酸ガスの発生の促進が低下する
からである。
【0009】炭酸リチウムを吸着させたリチウム遷移金
属複合酸化物を得る方法としては、例えば、リチウム遷
移金属複合酸化物の合成時に必要量の炭酸リチウムを混
合して焼成する方法、水酸化リチウムを混合して焼成し
た後に炭酸ガスを吹き付けて反応させる方法、合成後の
リチウム遷移金属複合酸化物に炭酸リチウム水溶液を添
加して混練し乾燥する方法などがある。
【0010】かかるリチウム遷移金属複合酸化物として
は、LiCoO、LiNiO、LiMnなど
を用いることができ、LiCoOとしては、公知のも
のを用いることができ、また、LiCo(1−X)
(0<X<1)などのCoの一部を他の元素(P,
Al,Mn,Niなど)と置換したものなども用いるこ
とができる。また、リチウムニッケル複合酸化物として
も同様に、LiNiO 、LiNi(1−X)
(0<X<1)などのMnの一部を他の元素(P、A
l、Mn、Coなど)と置換したものなどを用いること
もできる。
【0011】本発明に用いられるリチウム遷移金属複合
酸化物の代表例であるリチウムコバルト複合酸化物、ま
たはリチウムニッケル複合酸化物の平均粒径は、1〜3
0μm程度であれば良い。好ましい態様としては、0〜
0.5重量%未満の炭酸リチウムが吸着されたリチウム
コバルト複合酸化物の平均粒径は10〜25μmであ
る。 平均粒径が10μmよりも小さいと熱安定性低下
の問題が生じる傾向にあり、25μmよりも大きくなる
と大電流放電おける容量低下の問題が生じる傾向にあ
る。また、炭酸リチウムが0.5〜5重量%吸着された
リチウムコバルト複合酸化物または リチウムニッケル
複合酸化物の平均粒径は1〜10μm未満が好ましい。
平均粒径が1μmよりも小さいと(嵩密度の上昇によ
る)体積あたりの容量低下の問題が生じる傾向にあり、
10μm以上になると(比表面積減少による)炭酸ガス
発生速度の低下の問題が生じる傾向にある。これらの理
由から、特に好ましい正極活物質の態様としては、0〜
0.5重量%未満の炭酸リチウムが吸着されたリチウム
コバルト複合酸化物またはリチウムニッケル複合酸化
物、好ましくはリチウムコバルト複合酸化物の平均粒径
が10〜25μmであり、且つ、炭酸リチウムが0.5
〜5重量%吸着されたリチウムコバルト複合酸化物また
はリチウムニッケル複合酸化物、好ましくはリチウムコ
バルト複合酸化物の平均粒径が1〜10μm未満であ
る。
【0012】なお、リチウム遷移金属複合酸化物の平均
粒径は、以下の方法により測定することができる。最初
に測定対象となるリチウムコバルト複合酸化物等の粒状
物を、水やエタノールなどの有機液体に投入し、35k
Hz〜40kHz程度の超音波を付与して約2分間分散
処理を行う。なお、測定対象となる粒状物の量は、分散
処理後の分散液のレーザー透過率(入射光量に対する出
力光量の比)が70%〜90%となる量とする。次に、
この分散液をマイクロトラック粒度分析計にかけ、レー
ザー光の散乱により個々の粒子の粒径(D、D、D
・・・)、および各粒径毎の存在個数(N、N
・・・・)を計測する。なお、マイクロトラック粒
度分析計では、観測された散乱強度分布に最も近い理論
強度になる粒形粒子群の粒径分布を算出している。即
ち、粒子はmレーザー光の照射によって得られる投影像
と同面積の断面円を持つ球体と想定され、この断面円の
直径(球相当径)が粒径として計測される。
【0013】平均粒径(μm)は、上記で得られた個々
の粒子の粒径(D)と各粒径毎の存在個数(N)とか
ら、下記の式を用いて算出される。 平均粒径(μm)=(ΣND/ΣN)1/3
【0014】また、本発明に用いるリチウム遷移金属複
合酸化物には、導電材を添加配合することができる。導
電材としては、公知のもの、例えば、人造黒鉛、天然黒
鉛、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、
ケッチェンブラック、メソフェーズカーボンマイクロフ
ェーズなどが例示される。特に、粒径が3μm以上の粒
状の鱗片状黒鉛、球状黒鉛、メソフェーズカーボンマイ
クロフェーズを用いることが好ましく、特に、サイクル
特性の点から鱗片状黒鉛が好ましい。なお、本発明でい
う、「粒状」には、鱗片状、球状、疑似球状、塊状、ウイ
スカー状などが含まれる。
【0015】上記の炭酸リチウムが吸着されたリチウム
遷移金属複合酸化物は、例えば、ポリビニリデンフルオ
リドなどの結着剤、導電材と共にアルミ箔などの金属集
電体上に積層され、正極活物質層を形成する。正極活物
質層の形成方法は特に制限はなく、例えば、上記LiM
O系(MはCoまたはNi)複合酸化物、結着剤、及び
導電剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散
させてぺースト状とし、該ぺーストを金属集電体の両面
に均一の厚さに塗付し、乾燥させて溶剤を揮発させた
後、これをローラープレス機などで圧延するなどして活
物質層を形成することなどが挙げられる。
【0016】また、本発明では、炭酸リチウムが吸着さ
れた導電材とリチウム遷移金属複合酸化物からなる正極
とγ−ブチルラクトンを含んでなる非水電解質とを用い
る。すなわち、本発明の炭酸リチウムが吸着された導電
材とリチウム遷移金属複合酸化物からなる正極とγ−ブ
チルラクトンを含んでなる非水電解質とを用いることに
より、炭酸ガスの発生を促進させる作用一方、電解液の
特性をさほど損なわないため、充放電反応が阻害され
ず、放電容量特性、サイクル特性が低下することなく、
電流遮断の作動効果を奏する。
【0017】炭酸リチウムは、例えば0.1〜2重量%
の炭酸リチウム水溶液に黒鉛などの導電材を添加、混練
し、その後、50〜130℃の温度下で1〜30時間乾
燥して水分を除去して導電材に吸着させればよい。
【0018】炭酸リチウムは、導電材に対して、0.2
〜2重量%含有されることが好ましい。0.2重量%未
満では、電流遮断の作動効果が少なくなり、また、2重
量%を越えると、放電容量特性が低下する傾向になる。
【0019】また、導電材しては、公知のもの、例え
ば、人造黒鉛、天然黒鉛、アセチレンブラック、オイル
ファーネスブラック、ケッチェンブラック、メソフェー
ズカーボンマイクロフェーズなどが例示される。特に、
粒径が3μm以上の粒状の導電性炭素材は、炭酸リチウ
ムを比較的大量に吸着させても放電容量特性を低下させ
ない点から好ましく、特に、粒径が3μm以上の粒状の
鱗片状黒鉛、球状黒鉛、メソフェーズカーボンマイクロ
フェーズを用いることが好ましい。
【0020】上記の炭酸リチウムが吸着された導電材
は、例えば、ポリビニリデンフルオリドなどの結着剤、
リチウム遷移金属複合酸化物と共にアルミ箔などの金属
集電体上に積層され、正極活物質層を形成する。正極活
物質層の形成方法は特に制限はなく、例えば、上記Li
MO系(MはCoまたはNi)複合酸化物、結着剤、及
び導電剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分
散させてぺースト状とし、該ぺーストを金属集電体の両
面に均一の厚さに塗付し、乾燥させて溶剤を揮発させた
後、これをローラープレス機などで圧延するなどして活
物質層を形成することなどが挙げられる。
【0021】また、負極活物質は、特に限定はないが、
放電容量特性の点からリチウムイオンを吸蔵・放出可能
な炭素材料が好ましく用いることができる。リチウムイ
オンを吸蔵・放出可能な炭素材料について詳しく説明す
ると、本発明では各種天然や人造の炭素材料が適用で
き、例えば、ピッチコークスや石油コークスなどのコー
クス、黒鉛、熱分解炭素、炭素繊維、活性炭などが挙げ
られ、その形状もファイバ状、鱗片状、または球状など
適宜の形状であってよい。本発明の負極活物質では安全
性、高容量化及びサイクル特性の点から特にファイバ状
黒鉛が好適に用いられる。
【0022】上記炭素材料は、例えば、ポリビニリデン
フルオリドなどの結着剤と共に銅箔などの金属集電体上
に積層され、負極活物質層を形成する。負極活物質層の
形成方法は特に制限はなく、例えば、上記炭素材料と結
着剤とをN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散
させてぺ一スト状とし、該ぺ一ストを金属集電体の両面
に均一の厚さに塗付し、乾燥させて溶剤を揮発させた
後、これをローラープレス機などで圧延するなどして活
物質層を形成することなどが挙げられる。
【0023】また、本発明に用いられる非水電解質とし
ては、γ−ブチルラクトンを含んでなる非水電解質を用
いる必要がある。γ−ブチルラクトンを含んでなる非水
電解質を用いなければ、電流遮断の作動効果が少なくな
るからである。なお、γ−ブチルラクトン以外のリチウ
ム二次電池の非水電解質については、特に制限なく用い
ることができ、例えば高誘電率溶媒と低粘度溶媒とを混
合した混合溶媒からなる有機溶媒とリチウム塩とからな
る非水電解質を用いることができるが、γ−ブチルラク
トンは、非水電解質の1〜50容量%、好ましくは、2
〜40容量%、さらに好ましくは4〜30容量%であ
る。 非水電解質の1容量%未満では、電流遮断の効果
が低い傾向にあり、50容量%を越えると放電容量が低
下する傾向にある。本発明においては、高誘電率溶媒で
あるエチレンカーボネイト、プロピレンカーボネイト、
ジメチルスルホキシドなどと、低粘度溶媒であるジメチ
ルカーボネイト、ジエチルカーボネイト、エチルメチル
カーボネイト、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、
1,2−ジメトキシエタンなどとを適宜組み合わせて混
合溶媒とし、該混合溶媒にLiPF、LiBFなど
のリチウム塩を配合して非水電解質とすればよい。
【0024】非水電解質の好ましい組成としては、γ−
ブチルラクトンとエチレンカーボネイト、または、及
び、プロピレンカーボネイトを20〜50重量%、ジメ
チルカーボネイト、ジエチルカーボネイト、エチルメチ
ルカーボネイトの少なくとも1種または2種以上を50
重量%〜80重量%を組み合わせた混合溶媒とし、該混
合溶媒にLiPF、LiBFなどのリチウム塩を配
合すればよい。
【0025】セパレータとしては、公知のセパレータを
用いることができる。例えば、ポリエチレンフィルムか
らなるセパレータ、ポリプロピレンフィルムからなるセ
パレータ、ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピ
レンフィルムの3層構造からなるセパレータなどが例示
できる。
【0026】本発明では、電池内圧の上昇により作動す
る電池内部の電流遮断手段が備えられている。該電流遮
断手段としては、公知の手段を採用することができ、電
池内圧の上昇によって電池内部の電流が遮断される機構
であれば特に限定はない。
【0027】以下に、本発明の実施例について説明す
る。 [実施例]表1に示した炭酸リチウムが吸着されたリチ
ウムコバルト複合酸化物、導電材、を用いて正極を作成
し、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレンか
らなる3層構造の多孔質セパレータ及び黒鉛化炭素繊維
を負極活物質とする負極と共に巻回し、これを高さ65
mm、外径18mmの円筒缶に収容し、リチウムイオン
2次電池(放電容量1500mAh)を作成した。な
お、表1に示した非水電解質には、全てLiPF6を1
mol/L添加している。また、電流遮断機構は、発電
要素体を封口している電流遮断用薄膜に正極集電体から
引き出された正極タブを溶接し、電池内圧が上昇した場
合には、電流遮断用薄膜が電池の外圧方向に押し上げら
れて、溶接部が切断されて、電池内部の導通を遮断する
手段を利用した。
【0028】なお、以下の方法により、炭酸リチウムが
吸着されたリチウムコバルト複合酸化物(LiCo
)を作成して正極とした。 [炭酸リチウムが0.2%吸着のリチウムコバルト複合
酸化物作成]化学量論量の酸化コバルト(平均粒径17
μm)と化学量論量の1.01倍の炭酸リチウムを乾燥
空気中、900℃にて9時間焼成、引き続いて500℃
にて12時間焼成を行うことにより平均粒径20μmの
リチウムコバルト複合酸化物を得た。なお、当該リチウ
ムコバルト複合酸化物 中には炭酸リチウムが0.2%
吸着されていた。 [炭酸リチウムが2.0%吸着のリチウムコバルト複合
酸化物作成]化学量論量の酸化コバルト(平均粒径4μ
m)と化学量論量の1.06倍の炭酸リチウムを乾燥空
気中、900℃にて9時間焼成を行うことにより平均粒
径5μmのコバルト酸リチウム粉末を得た。なお、当該
リチウムコバルト複合酸化物 中には炭酸リチウムが
2.0%吸着されていた。 [炭酸リチウムが吸着された導電材の作成]0.5重量
%の炭酸リチウム水溶液2リットルに粒径が5μmの鱗
片状黒鉛を1kg添加した後、混練、攪拌し、90℃で
12時間乾燥して、さらに130℃で6時間真空乾燥を
行った。
【0029】[放電容量試験]1.5A定電流で充電電
圧が4.2Vとなるまで充電し、引き続いて4.2V定
電圧で総充電時間が2.5時間となるまで充電し、次い
で端子間電圧が3Vとなる時点まで0.75Aで放電を
行う。その際、0.75Aでの放電における放電容量を
求める。
【0030】[充放電サイクル特性試験] 1.5A定電流で充電電圧が4.2Vとなるまで充
電し、引き続いて4.2V定電圧で総充電時間が2.5
時間となるまで充電し、充電後に1時間の休止を行
い、端子間電圧が3Vとなる時点まで1.5Aで放電
を行い、放電後に1時間の休止を行うという4工程を
1サイクルとする。次に、室温(20℃)下でこの4工
程を500サイクル行い、各サイクルにおける放電容量
(mAh)、を測定する。また、初回の放電容量に対す
る各サイクル目の充放電容量の割合を放電容量変化率
(%)とする。表1には初回のと500サイクル目の放
電容量変化率(%)を示している。
【0031】[電池缶の耐損傷試験]1.5Aで充電電
圧が10Vに達するか3時間経過するまで充電して過充
電の状態として、電池の状態を目視で観察した。 [最大上昇温度試験]電池缶の耐損傷試験時に、電池缶
の表面の最高温度を熱電対により測定した。
【0032】試験結果をまとめて表1に示した。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、放電容量特性、サイク
ル特性を低下させることなく、かつ過充電時に電流遮断
が確実に作動するリチウムイオン2次電池とすることが
できる。特に、正極にリチウムコバルト複合酸化物を用
いて、負極に、リチウムイオンの放出、挿入が可能な炭
素材料を用いれば、上記効果は顕著となり、より高性能
で安全性の高いリチウムイオン2次電池を提供すること
ができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0〜0.5重量%未満の炭酸リチウムが
    吸着されたリチウム遷移金属複合酸化物と炭酸リチウム
    が0.5〜5重量%吸着されたリチウム遷移金属複合酸
    化物とが重量比で70〜98/30〜2の割合で混合さ
    れてなる正極、負極、γ−ブチルラクトンを含んでなる
    非水電解質、及び電池内圧の上昇により作動する電池内
    部の電流遮断手段を備えてなるリチウムイオン2次電
    池。
  2. 【請求項2】 正極のリチウム遷移金属複合酸化物は、
    リチウムコバルト複合酸化物からなり、負極は、リチウ
    ムイオンの放出、挿入が可能な炭素材料である請求項1
    に記載のリチウムイオン2次電池。
  3. 【請求項3】 炭酸リチウムが吸着された導電材とリチ
    ウム遷移金属複合酸化物からなる正極、負極、γ−ブチ
    ルラクトンを含んでなる非水電解質、及び電池内圧の上
    昇により作動する電池内部の電流遮断手段を備えてなる
    リチウムイオン2次電池。
  4. 【請求項4】 導電材は、粒径が3μm以上の粒状の導
    電性炭素材である請求項3に記載のリチウムイオン2次
    電池。
  5. 【請求項5】 炭酸リチウムは、導電材に対して、0.
    2〜2重量%含有されてなる請求項3または請求項4に
    記載のリチウムイオン2次電池。
  6. 【請求項6】 正極は、炭酸リチウムが吸着された導電
    材とリチウムコバルト複合酸化物とからなり、負極は、
    リチウムイオンの放出、挿入が可能な炭素材料である請
    求項3〜請求項5のいずれかに記載のリチウムイオン2
    次電池。
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