JP2002269827A - 光ディスク - Google Patents

光ディスク

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JP2002269827A
JP2002269827A JP2001073632A JP2001073632A JP2002269827A JP 2002269827 A JP2002269827 A JP 2002269827A JP 2001073632 A JP2001073632 A JP 2001073632A JP 2001073632 A JP2001073632 A JP 2001073632A JP 2002269827 A JP2002269827 A JP 2002269827A
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Japan
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layer
optical disk
mask layer
recording
transparent substrate
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JP2001073632A
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English (en)
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Ichiro Ueno
一郎 上野
Kenji Oishi
健司 大石
Akihiko Nomura
昭彦 野村
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短いマーク長のピットを良好なC/N比で記
録再生できる、マスク層を有する光ディスクを提供す
る。 【解決手段】 その表面に情報を表すピット列2Aが形
成されている透明基板1と、前記透明基板1上に順次形
成された、入射されるレーザ光7の照射強度に応じて透
過率が変化するマスク層3と、前記レーザ光7を反射す
る反射層4Aとを有する光ディスク10Aにおいて、前
記反射層4Aを前記レーザ光7の照射強度に応じて反射
率が変化する可変型反射層より構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度に記録され
た情報を光学的に再生する光ディスク又は高密度に情報
を光学的に記録再生する光ディスクに係わり、特に、レ
ーザ光照射により透過率の変化するマスク層を設けるこ
とにより、レーザ光の実効径を小さくし、高記録密度の
情報を再生又は高記録密度に情報を記録再生するのに好
適な光ディスクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光学的に情報を再生、もしくは記
録再生する媒体として、光ディスクが周知であり、高度
情報社会における記録媒体の中心的役割の担い手とし
て、注目されており、その記録密度の一層の向上が求め
られている。
【0003】光ディスクにおいて、高記録密度を実現す
る手段として、(1)記録再生に用いるレーザの波長λ
を短くする、(2)光ディスクにレーザ光を集光するレ
ンズの開口数NAを大きくする、(3)一枚の光ディス
ク上で、情報を記録する層を多層にする、(4)記録再
生する波長を変えて、多重に記録再生する、(5)マス
ク層を設けることにより、レーザ光のスポット径を実質
的に小さくする、などが知られており、種々検討されて
いる。
【0004】(5)のマスク層を形成することにより、
実質的に記録再生用のレーザ光のスポット径を小さく
し、光ディスクにおいて、高密度記録を実現する方法
は、例えば、特開平5−12673号公報、特開平5−
12715公報、特開平5−28498号公報、特開平
5−28535号公報、特開平5−73961号公報、
特開平8−315419号公報に開示されている。
【0005】一方、新たな高密度化の手段として、レー
ザ光を照射すると金属が析出して光散乱を起すような材
料より反射層を形成する方法が、Jpn.J.App
l.Phys. Vol.39(2000)pp.98
0−981(”A Near−Field Recor
ding and Readout Technolo
gy Using a Metallic Probe
in an Optical Disk“)や、IN
TERNATIONAL SYMPOSIUMON O
PTICAL MEMORY 2000 TECHNI
CAL DIGEST pp.198−199(”AD
VANCEMENT OF SUPER−LENS A
ND THE SURFACE PLASMON EN
HANCEMENT“)などの資料に開示されている。
これらには、AgOxからなる薄膜にレーザ光を照射す
ることにより、金属Agが析出し、析出したAgにより
レーザ光が散乱されて、通常光では検出できない0.1
μm長のマーク長が検出できることが示されている。
【0006】ここで、マスク層を有する光ディスクを説
明する。図1は従来例のマスク層を有する再生専用型光
ディスクを示す断面構成図であり、図2は従来例のマス
ク層を有する記録再生型光ディスクを示す断面構成図で
ある。図1に示すように、再生専用のマスク層を有する
光ディスク10においては、透明基板1上に所定形状の
情報を表示する情報ピット2が予め形成されており、そ
の上にマスク層3、反射層4が順次形成されて、接着層
5により、基板6が張り合わせてある。ここで、接着層
5と基板6は単に保護層としても良い。
【0007】レーザ光7は透明基板1の情報ピット2の
形成されていない側より入射される。マスク層3は、光
が照射されないときあるいは照射される光が弱いときに
は透過率が小さく、照射される光強度が大きくなると、
光学的に変化して、あるいは光を吸収して温度上昇する
ことにより熱的に変化して、光の透過率が大きくなる材
料より構成されており、実質的にレーザ光7のスポット
径を小さくする機能がある。スポット径の小さくなった
レーザ光7は、反射層4で反射されて、光学系によっ
て、情報ピットを高密度に読み出すことができる。マス
ク層3を構成する材料として、相変化材料、フォトクロ
ミック材料、サーモクロミック材料などがある。反射層
4は例えばAlより構成される。
【0008】また、図2に示すように、記録再生可能な
マスク層を有する光ディスク20においては、透明基板
11上に予め案内溝12が形成されており、その上にマ
スク層13、記録層21、及び保護層18が順次形成さ
れている。記録層21を構成するものとして、相変化型
材料、光磁気記録材料、有機材料が種々知られている。
記録層21として、相変化型材料を用いる場合には、記
録層21は、例えばZnS−SiO2からなる誘電体層
14、例えばAgInSbTe、GeSbTeなどから
なる相変化材料層15、例えばZnS−SiO2からな
る誘電体層16、例えばAlからなる反射層17の積層
層より構成される。レーザ光19は、透明基板11の案
内溝12の形成されていない側より入射され、マスク層
13は、上述のマスク層3と同様である。
【0009】図3は光ディスクにおけるマスク層の機能
を説明するための図であり、マスク層に照射されたレー
ザ光スポットSは、ピット上に照射されるが、このと
き、斜線部で示されるマスク透過光スポットCは透過さ
れるが、それ以外のマスク層を透過しない部分Dでは、
遮蔽されてしまい、実質的に、マスク層により、レーザ
光スポットSの径が小さくなることを示す。図3におい
てAは、マスク層を透過する部分のトレースである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、マスク層を
有する光ディスクにおいては、マスク層により照射され
るレーザ光のスポット径を実質的に小さくし、より高密
度の記録再生を可能とするものであるが、それには限界
がある。
【0011】図4は記録再生型光ディスクにおいて、反
射層を設けた場合に、マスク層の有無によるマーク長と
C/N比の関係を示すグラフ図である。図4において、
記録再生光学系のレーザ波長は650nmであり、対物
レンズの開口数は0.6であり、図2に示した構成の光
ディスク20をマスク層ありとし,光ディスク20にお
いて、マスク層を設けなかった場合をマスク層なしとし
て、各光ディスクにマーク長を変えて記録再生した場合
の、C/N比(dB)を示す。
【0012】マスク層がない場合には、情報を表すピッ
トのマーク長が0.4μmでは、C/N比は、約47d
Bあり、マーク長が短くなると共に、C/N比が略リニ
アに低下し、マーク長0.2μmでは、C/N比が0d
Bになる。
【0013】一方、マスク層がある場合には、マーク長
が0.4μmではC/N比は約50dBあり、マーク長
が0.2μmになるまでは、マーク長が短くなるに従
い、比較的緩やかなC/N比の低下を示し、35dB以
上のC/N比があり、明らかに、マスク層無しの場合に
比べて、良好な特性を示している。しかし、マスク層あ
りでも、マーク長が0.2μm以下になると、急激にC
/N比が劣化し、0.1μmのマーク長でC/N比が0
dBになるという課題があった。
【0014】そこで本発明は、上記課題を解決し、短い
マーク長のピットを良好なC/N比で再生できる、マス
ク層を有する光ディスク及び、短いマーク長のピットを
良好なC/N比で記録再生できる、マスク層を有する光
ディスクを提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として、第1の発明は、その表面に情報を表すピ
ット列が形成されている透明基板と、前記透明基板上に
順次形成された、入射されるレーザ光の照射強度に応じ
て透過率が変化するマスク層と、前記レーザ光を反射す
る反射層とを有する光ディスクにおいて、前記反射層を
前記レーザ光の照射強度に応じて反射率が変化する可変
型反射層より構成したことを特徴とする光ディスクであ
る。
【0016】また、第2の発明は、その表面にトラッキ
ングのためのグルーブが形成されている透明基板と、前
記透明基板上に順次形成された、入射されるレーザ光の
照射強度に応じて透過率が変化するマスク層と、前記レ
ーザ光照射により情報が記録される記録材料層と、前記
レーザ光を反射する反射層とを有する光ディスクにおい
て、前記反射層を前記レーザ光の照射強度に応じて反射
率が変化する可変型反射層より構成したことを特徴とす
る光ディスクである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、以下に説明する検討結
果を基になされたものである。図5は記録再生型光ディ
スクにおいて、マスク層を設けない場合に、反射層の有
無によるマーク長とC/N比の関係を示すグラフ図であ
る。図5には、従来例の記録再生型ディスク20におい
て、マスク層13と反射層17を形成しない光ディスク
を形成し、これを「マスク層なし」で「反射層なし」と
し、マスク層13を形成しないが反射層17を形成した
光ディスクを「マスク層なし」で「反射層あり」とし
て、マーク長を変化させて、それぞれの光ディスクに記
録再生を行い、そのときのC/N比を示してある。記録
再生の光学系において、レーザ波長は650nmであ
り、対物レンズの開口数は0.6である。
【0018】「マスク層なし」で「反射層あり」の光デ
ィスクにおいては、0.4μmのマーク長で得られるC
/N比は約43dBであるものの、マーク長が短くなる
と共に急激にC/N比は低下し、マーク長0.23μm
でC/N比は0dBとなる。
【0019】一方、「マスク層なし」で「反射層なし」
の光ディスクにおいては、マーク長0.4μmにおける
C/N比は約32dBであり、「反射層あり」に比して
低い値であるが、「反射層あり」のC/N比が0dBと
なるマーク長0.23μmにおいて、約27dBのC/
N比を示し、以後マーク長0.15μmまで緩やかにC
/N比が低下し、マーク長0.15μmで約25dBと
なる。さらに、マーク長が短くなると急激にC/N比は
低下し、マーク長0.09μmでC/N比は約4dBと
なる。すなわち、「反射層なし」の場合には、長いマー
ク長でのC/N比は低いが、短マーク長でのC/N比は
「反射層あり」に比して遙かに大きく、マーク長0.1
μm以下でも情報の検出が可能であることが示される。
【0020】図6は記録再生型光ディスクにおいて、マ
スク層を設けた場合に、反射層の有無によるマーク長と
C/N比の関係を示すグラフ図である。図6には、従来
例の記録再生型ディスク20を「マスク層あり」で「反
射層あり」の光ディスクとし、光ディスク20におい
て、反射層17を形成しない光ディスクを形成し、これ
を「マスク層あり」で「反射層なし」として、マーク長
を変化させて、それぞれの光ディスクに記録再生を行
い、そのときのC/N比を示してある。なお、図4及び
5と、図6を区別できるよう、図6中に「マスク層あ
り」と記入してある。この場合の記録再生の光学系にお
いて、レーザ波長は650nmであり、対物レンズの開
口数は0.6である。
【0021】「マスク層あり」で「反射層なし」の光デ
ィスクにおいては、「マスク層あり」で「反射層あり」
の光ディスクと比較すると、約0.15μmよりも長い
マーク長でのC/N比は低いものの、短マーク長でのC
/N比は遙かに大きく、マーク長が0.1μm以下でも
情報の検出が可能である。
【0022】ここで、「マスク層あり」で「反射層な
し」の場合に、短マーク長でのC/N比が「マスク層あ
り」で「反射層あり」の場合よりも大きくなる理由は、
定かではないが、雑誌「O plus E Vol.2
1,No.3 pp.248−254」の記載などより
次のように考えられる。波長650nmのレーザ及び対
物レンズの開口数0.6である光学系(ピックアップ)
を用いて再生した場合、通常光の検出では光の回折で約
0.23μm(記録波長で約0.46μm)よりも短い
マーク長を検出することはできない。よって、「マスク
層なし」で「反射層あり」の光ディスクにおいては、マ
ーク長0.2μmではC/N比が0になるのは、通常光
の検出として当然の結果と考えられる。
【0023】マスク層の有無に係わらず「反射層なし」
の光ディスクにおいて、0.23μmよりも短マーク長
を検出できるのは、近接場光を検出しているためと考え
られる。すなわち、Alより構成される反射層がある
と、近接場光がAlの反射層に沿って伝搬してしまい、
ピックアップに光が伝搬してこないためではないかと考
えられる。
【0024】よって、短マーク長まで検出可能とするに
は、図5および6より明らかなように、近接場光を横に
伝搬してしまうと考えられるAlからなる金属反射膜に
代えた反射層を用いる光ディスクであることが必要であ
り、本発明ではそれを実現するものである。以下、本発
明の実施の形態につき、好ましい実施例により、図面を
参照して説明する。
【0025】<第1実施例>図7は本発明の光ディスク
の第1実施例を示す断面構成図である。図7に示すよう
に、第1実施例の再生専用の光ディスク10Aにおい
て、透明基板1は、例えば直径120mm、厚さ0.6
mmのポリカーボネート樹脂よりなる。なお、本第1実
施例においては、単層ディスクを説明するが、基板の同
一方向からレーザ光を入射して再生する記録面が2層形
成された2層ディスクや、2層ディスクを貼り合わせた
4層ディスクにしてもよい。
【0026】透明基板1の片面には、予め射出成形によ
り、スパイラル状にピット(マーク)列2Aが形成され
ており、マーク列2Aとしては、長さ0.08μmのマ
ークが間隔0.08μmで、長さ0.1μmのマークが
間隔0.1μmで、長さ0.15μmのマークが間隔
0.15μmで、長さ0.2μmのマークが間隔0.2
μmで、長さ0.25μmのマークが間隔0.25μm
で、長さ0.3μmのマークが間隔0.3μmで、長さ
0.4μmのマークが間隔0.4μmで、それぞれ配置
されたものを、トラックピッチ0.74μm配列したも
の形成されている。今回のデータではトラックピッチ
0.74μmの光ディスクを用いたが、更に狭くした
0.4〜0.5μmにした光ディスクでも再生可能であ
る。なお、ピット列は情報を表すように任意に構成で
き、同心円状に配置することもできる。
【0027】このマーク列2Aの形成された側の透明基
板1上にサーモクロミック層からなるマスク層3を蒸着
法により形成する。マスク層3の透過率は光が弱いとき
は約5%である。マスク層3に照射されるレーザ光の照
射強度が強くなるとマスク層3の透過率は可逆的に大き
くなる。サーモクロミックのマスク層3において、呈色
剤として山本化成(株)製の商品名D94−006を、
顕色剤としてBHPEを重量比1:2になるように蒸着
した。このときのマスク層3の厚みは約700nmであ
った。なお、マスク層3としては、サーモクロミック層
に代えて、相変化材料、フォトクロミック材料等を用い
ても良い。
【0028】図8はマスク層の呈色剤と顕色剤の化学構
造式を示す図であり、上述のD94−006及びBHP
Eの化学構造式が示されている。マスク層3上に、スパ
ッター法や蒸着法で可変型反射層4Aが形成される。可
変型反射層4Aを構成する材料は、AgOx であり、
約15nmの厚みである。Xの値は、約2である。可変
型反射層4AとしてはSi、W、Moを用いても良い。
可変型反射層4Aにおいては、光が照射された近辺のみ
で反射率が変化するもので、光照射強度が大きくなると
反射率が大きくなり、反射率の変化は可逆的である。
【0029】マスク層3及び可変型反射層4Aの形成さ
れた透明基板1を、マーク列2Aの形成された面側を接
着面として、フォトポリマー法で接着層5を形成して、
0.6mm厚の基板6と貼り合わせる。貼り合わせ方法
は、情報の記録されていない、すなわちマーク列の無い
透明な基板6上にフォトポリマーを滴下し、その上に透
明基板1のマーク列2Aが形成された面を接し、約10
00RPMの回転数で回転させ、フォトポリマーを貼り
合わせ面全面に塗布する。その後紫外線を基板6側から
照射して硬化させ、貼り合わせて、第1実施例の光ディ
スク10Aを作製した。情報を再生するのに、レーザ光
7は、透明基板1のピット列2Aの形成されていない面
側より入射される。
【0030】なお、ここで透明基板1及び基板6の厚さ
を0.6mmとしたが、ピックアップのレーザ波長を6
50nm、レンズ開口数を0.6とした場合であり、例
えばレンズ開口数を例えば0.85に代えた場合は、透
明基板1の厚みを1mmとし、貼り合わせる基板6の厚
みを0.1mmほどにした方がよい。この場合には光の
入射は厚さ0.1mmの基板6側から行う。また、この
場合には、情報がマーク列(凹凸ピット)として形成さ
れ透明基板1のマーク列が形成された面上には、可変型
反射層4Aを先に形成し、その後、可変型反射層4Aの
上にマスク層3を形成する。
【0031】次に、光ディスクの記録再生光学系につい
て説明する。図9は光ディスクの記録再生光学系を示す
構成図である。図9に示す記録再生光学系30におい
て、レーザ光源31から出射されたレーザ光41がコリ
メートレンズ32により平行光にされ、ビームスプリッ
ター33及び1/4波長板を介して対物レンズ35で集
光され、光ディスク40に照射される。光ディスク40
は、回転軸39に連結されており、所定の回転数で回転
している。
【0032】光ディスク40からの反射光は対物レンズ
35、1/4波長板34、ビームスプリッター33を介
して、集光レンズ36、シリンドリカルレンズ37に入
射される。この集光レンズ36,シリンドリカルレンズ
37を通過したレーザ光は4分割フォトディテクター3
8に入射される。対物レンズ35は、図示されていない
レンズアクチュエータによつてその位置が制御される。
すなわち対物レンズ35の移動によって、マーク列のト
ラッキング制御やマーク列に対するフォーカス制御など
が行われる。
【0033】上記の記録再生光学系30を用いて、第1
実施例の光ディスク10Aの特性を評価した。所定の長
さのマーク列をそれぞれ再生し、そのときのC/N比
(dB)を測定した。再生に用いたレーザパワーは約3
mWであり、レーザ波長は650nmであり、対物レン
ズの開口数は0.6である。
【0034】測定の結果、短マーク長に注目すると、マ
ーク長0.25μmのマーク列においてC/N比は約4
3dBであり、、マーク長0.2μmのマーク列におい
てC/N比は約40dBであり、マーク長0.15μm
のマーク列においてC/N比は約28dBであり、マー
ク長0.1μmのマーク列においてC/N比は約30d
Bであり、マーク長0.08μmのマーク列においてC
/N比は約28dBであり、短いマーク長のマーク列を
従来に比較して極めて良好なC/N比で再生できた。結
果を図11に示す。図11は本発明の光ディスクの第1
及び第2実施例におけるマーク長とC/N比との関係を
示すグラフ図である。
【0035】<第2実施例>図10は本発明の光ディス
クの第2実施例を示す断面構成図である。図10に示す
ように、第2実施例の記録再生型光ディスク20Aにお
いて、透明基板11は、例えば直径120mm、厚さ
0.6mmのポリカーボネート樹脂よりなる。なお、本
第2実施例においては、単層ディスクを説明するが、デ
ィスクを貼り合わせて2層ディスクとしても良い。
【0036】この透明基板11の片面には、予め射出成
形により、プリフォーマット情報を表す所定形状の凹凸
ピットからなるピット列12Aと、トラックピッチ0.
74μmでスパイラル状にトラッキング用の所定形状の
案内溝(グルーブ)12とが形成されている。案内溝1
2の間はランドとなり、このランド部分の後述する記録
材料層15に情報がピット(マーク)列としてで記録さ
れる。なお、案内溝12は同心円状に配置することもで
きる。
【0037】このピット列12A及び案内溝12の形成
された側の透明基板11上にサーモクロミック層からな
るマスク層13を蒸着法により形成する。マスク層13
の透過率は光が弱いときは約5%である。マスク層13
に照射されるレーザ光の照射強度が強くなるとマスク層
13の透過率は可逆的に大きくなる。サーモクロミック
のマスク層13において、呈色剤として山本化成(株)
製の商品名D94−006を、顕色剤としてBHPEを
重量比1:2になるように蒸着した。この場合のマスク
層13の厚みは、約700nmであった。なお、マスク
層13としては、相変化材料、フォトクロミック材料等
を用いても良い。図8はマスク層の呈色剤と顕色剤の化
学構造式を示す図であり、上述のD94−006及びB
HPEの化学構造式が示されている。
【0038】サーモクロミック層からなるマスク層13
上に、記録層21Aが形成される。記録材料層15に
は、例えば相変化記録材料が用いられる。記録層21A
は、透明基板11側から、厚さ約110nmであるZn
S−SiO2からなる誘電体層14、厚さ約23nmで
ある相変化材料のTe−Ge−Sbからなる記録材料層
15、厚さ約20nmであるZnS−SiO2からなる
誘電体層16、厚さ約15nmである可変型反射層17
Aを順次スパッター法や蒸着法を用いてで積層したもの
から形成されている。なお、記録材料層15としてAg
−In−Sb−Teを用いても良い。
【0039】可変型反射層17Aを構成する材料は、A
gOx であり、Xの値は、約2である。可変型反射層
17AとしてはSi、W、Moを用いても良い。可変型
反射層17Aにおいては、光が照射された近辺のみで反
射率が変化するもので、光照射強度が大きくなると反射
率が大きくなり、この反射率の変化は可逆的である。
【0040】マスク層13及び記録層21Aが形成され
た透明基板11を、記録層21Aが形成された面側を接
着面として、フォトポリマー法で接着層23を形成し、
例えば0.6mm厚の基板22と貼り合わせる。貼り合
わせ方法は、基板22上にフォトポリマーを滴下し、そ
の上に透明基板11の記録層21Aが形成された面側を
接し、約1000RPMの回転数で回転させ、フォトポ
リマーを貼り合わせ面全面に塗布する。その後紫外線を
基板22側から照射して硬化させ、貼り合わせて、第2
実施例の光ディスク20Aを作製した。情報を記録再生
するのに、レーザ光19は、透明基板11の案内溝12
の形成されていない面側より入射される。
【0041】なお、ここで透明基板11及び基板22の
厚さを0.6mmとしたが、ピックアップのレーザ波長
を650nm、レンズ開口数を0.6とした場合であ
り、例えばレンズ開口数を例えば0.85に代えた場合
は、透明基板11の厚みを1mmとし、貼り合わせる基
板22の厚みを0.1mmほどにした方がよい。この場
合には光の入射は厚さ0.1mmの基板22側から行
う。また、この場合には、透明基板11のピット列12
A及び案内溝12の形成された面上には、記録層21A
を先に形成し、その後、記録層21Aの上にマスク層1
3を形成する。
【0042】第2実施例の光ディスクの特性を、上述の
図9に示した記録再生光学系30を用いて評価した。記
録に用いたレーザパワーは約15mWであり、再生に用
いたレーザパワーは約3mWである。
【0043】まず、光ディスク20Aに、スパイラル状
の案内溝に沿って、長さ0.08μmのマークを間隔
0.08μmで、長さ0.1μmのマークを間隔0.1
μmで、長さ0.15μmのマークを間隔0.15μm
で、長さ0.2μmのマークを間隔0.2μmで、長さ
0.25μmのマークを間隔0.25μmで、長さ0.
3μmのマークを間隔0.3μmで、長さ0.4μmの
マークを間隔0.4μmで、それぞれスパイラル状のピ
ット列になるように、レーザ光で記録材料層15に記録
し、これをそれぞれレーザ光で再生し、そのときのC/
N比を測定した。
【0044】測定の結果、短マーク長に注目すると、マ
ーク長0.25μmのマーク列においてC/N比は約4
2dBであり、マーク長0.2μmのマーク列において
C/N比は約38dBであり、マーク長0.15μmの
マーク列においてC/N比は約27dBであり、マーク
長0.1μmのマーク列においてC/N比は約30dB
であり、マーク長0.08μmのマーク列においてC/
N比は約27dBであり、短いマーク長のマーク列を従
来に比較して極めて良好なC/N比で再生できた。結果
を図11に示す。第1及び第2実施例の光ディスクにお
いては、0.1μmのマーク長においても、従来の光デ
ィスクでは得られない良好なC/N比が得られている。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光ディス
クは、請求項1記載によれば、反射層をレーザ光の照射
強度に応じて反射率が変化する可変型反射層より構成し
たことにより、短いマーク長のピットを良好なC/N比
で再生できる、マスク層を有する光ディスクを提供する
ことができるという効果がある。
【0046】また、本発明の光ディスクは、請求項2記
載によれば、反射層をレーザ光の照射強度に応じて反射
率が変化する可変型反射層より構成したことにより、短
いマーク長のピットを良好なC/N比で記録再生でき
る、マスク層を有する光ディスクを提供することができ
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例のマスク層を有する再生専用型光ディス
クを示す断面構成図である。
【図2】従来例のマスク層を有する記録再生型光ディス
クを示す断面構成図である。
【図3】光ディスクにおけるマスク層の機能を説明する
ための図である。
【図4】記録再生型光ディスクにおいて、反射層を設け
た場合に、マスク層の有無によるマーク長とC/N比の
関係を示すグラフ図である。
【図5】記録再生型光ディスクにおいて、マスク層を設
けない場合に、反射層の有無によるマーク長とC/N比
の関係を示すグラフ図である。
【図6】記録再生型光ディスクにおいて、マスク層を設
た場合に、反射層の有無によるマーク長とC/N比の関
係を示すグラフ図である。
【図7】本発明の光ディスクの第1実施例を示す断面構
成図である。
【図8】マスク層の呈色剤と顕色剤の化学構造式を示す
図である。
【図9】光ディスクの記録再生光学系を示す構成図であ
る。
【図10】本発明の光ディスクの第2実施例を示す断面
構成図である。
【図11】本発明の光ディスクの第1及び第2実施例に
おけるマーク長とC/N比との関係を示すグラフ図であ
る。
【符号の説明】
1…透明基板、2…情報ピット、2A…マーク列、3…
マスク層、4…反射層、4A…可変型反射層、5…接着
層、6…基板、7…レーザ光、10…(再生専用)光デ
ィスク、11…透明基板、12…案内溝、12A…ピッ
ト、13…マスク層、14…誘電体層、15…記録材料
層、16…誘電体層、17…反射層、17A…可変型反
射層、18…保護層、19…レーザ光、20…(記録再
生型)光ディスク、21…記録層、21A…記録層、2
2…基板、23…接着層、30…記録再生光学系、31
…レーザ光源、32…コリメートレンズ、33…ビーム
スプリッタ、34…1/4波長板、35…対物レンズ、
36…集光レンズ、37…シリンドリカルレンズ、38
…フォトディテクタ、39…回転軸、40…光ディス
ク、41…レーザ光。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D029 MA17 MA39 5D090 AA01 BB04 BB12 CC01 CC04 DD03 DD05 FF02 GG02 GG22

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】その表面に情報を表すピット列が形成され
    ている透明基板と、前記透明基板上に順次形成された、
    入射されるレーザ光の照射強度に応じて透過率が変化す
    るマスク層と、前記レーザ光を反射する反射層とを有す
    る光ディスクにおいて、 前記反射層を前記レーザ光の照射強度に応じて反射率が
    変化する可変型反射層より構成したことを特徴とする光
    ディスク。
  2. 【請求項2】その表面にトラッキングのためのグルーブ
    が形成されている透明基板と、前記透明基板上に順次形
    成された、入射されるレーザ光の照射強度に応じて透過
    率が変化するマスク層と、前記レーザ光照射により情報
    が記録される記録材料層と、前記レーザ光を反射する反
    射層とを有する光ディスクにおいて、 前記反射層を前記レーザ光の照射強度に応じて反射率が
    変化する可変型反射層より構成したことを特徴とする光
    ディスク。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004001735A1 (ja) * 2002-06-24 2003-12-31 Tdk Corporation 光記録/再生方法および光記録媒体

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