JP2002266174A - 炭素繊維及び活性炭素繊維の製造方法 - Google Patents
炭素繊維及び活性炭素繊維の製造方法Info
- Publication number
- JP2002266174A JP2002266174A JP2001056757A JP2001056757A JP2002266174A JP 2002266174 A JP2002266174 A JP 2002266174A JP 2001056757 A JP2001056757 A JP 2001056757A JP 2001056757 A JP2001056757 A JP 2001056757A JP 2002266174 A JP2002266174 A JP 2002266174A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- carbon fiber
- fiber
- phenol
- activated carbon
- fibers
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Inorganic Fibers (AREA)
Abstract
収率で得ることのできる製造方法を提供すること。 【解決手段】 18−24重量%の酸素を付着させたフ
ェノール繊維を炭化して炭素繊維とする。さらに該炭素
繊維を賦活して活性炭素繊維とする。
Description
素繊維の製造方法に関する。さらに詳しくは、特定量の
酸素を含有するフェノール繊維を原料とする強度に優れ
た炭素繊維及び活性炭素繊維を高収率で製造することの
できる炭素繊維及び活性炭素繊維の製造方法に関する。
多く知られており、例えば、アルカリ(土類)金属を含
むレゾール型フェノール樹脂を加熱し、流動しているプ
ロピレングリコール中で硬化させる方法(特公昭48−
43570号公報)、ノボラック樹脂を溶融紡糸して得
た未硬化ノボラック繊維をアルデヒド類で酸化処理した
硬化ノボラック繊維を非酸化性雰囲気中で熱処理する方
法(特開昭53−94626号公報)、未硬化ノボラッ
ク樹脂にポリビニルブチラールを含有させ、溶融紡糸後
硬化させて得た硬化ノボラック樹脂繊維を熱処理する方
法(特開平9−13223号公報)、塩基性触媒の存在
下にフェノール類とアルデヒド類とを反応させて得られ
る固形状のレゾール型フェノール樹脂を熱溶融させ、加
熱空気流の牽引力で紡糸ノズルから紡出して繊維化し、
該繊維を酸性ガス雰囲気中で加熱して不溶不融化する方
法(特開平9−132818号公報)などが知られてい
る。
り、これを賦活することにより活性炭繊維とすることが
でき、浄水用、脱臭用、電気材料用などさらに用途が拡
大するが、これまで、フェノール繊維を賦活して活性炭
繊維としたものとして、未硬化ノボラック繊維をアルデ
ヒド類で硬化処理して得た硬化ノボラック繊維を、水蒸
気と不活性ガスとからなる混合ガスの雰囲気下に700
℃まで昇温して活性炭繊維とする方法が特公昭58−5
1527号公報に知られている。また、フェノール系の
活性炭繊維を電気二重層キャパシタ用に応用した例が特
開昭62−222617号公報に開示されている。そし
て、該特許公報には、かかる活性炭繊維は、原料繊維を
炭化して炭素繊維とし、これを賦活して活性炭繊維とす
ることが記載されている。
不融化された繊維であるが、上述したように、炭素繊維
はフェノール繊維原料を炭化処理して得たものであり、
活性炭素繊維は該炭素繊維をさらに賦活処理して得るの
が一般的である。しかし、フェノール繊維を炭化処理す
る際、特に炭化時の分解反応により、タールや低級炭化
物が生成し、炭素繊維の収率は低く、しかも繊維の強度
は小さいものであった。活性炭素繊維は該炭素繊維を賦
活して得られるが、同様に収率は低く、繊維の強度は小
さく、品位に劣るものであった。したがって、本発明の
目的は、このような問題点のない、強度に優れたを高収
率で得ることのできる炭素繊維及び活性炭素繊維の製造
方法を提供することにある。
を達成するため鋭意検討し、フェノール繊維に特定量の
酸素を含有させ、炭化時の分解反応を抑制することによ
り、上記目的全てが達成されることを見出し本発明に至
った。すなわち、本発明は、18−24重量%の酸素を
含有させたフェノール繊維を炭化することを特徴とする
炭素繊維の製造方法である。そして、本発明のもう一つ
の発明は、18−24重量%の酸素を含有させたフェノ
ール繊維を炭化し、さらに賦活処理する活性炭素繊維の
製造方法である。
ール繊維とは、フェノール樹脂を紡糸、熱処理して得ら
れたものであればよく、具体的には、ノボラックフェノ
ール樹脂を紡糸して得られるノボロイド繊維(商品名:
カイノール)やレゾール樹脂を紡糸して得られるレゾー
ル繊維などを例示することができる。本発明の最大の特
徴は、炭化させる前のフェノール繊維原料を18−24
重量%の酸素が含有された状態にすることにあるが、フ
ェノール繊維原料における酸素含有量は、原料や製造方
法によっても異なるが、通常15%未満であるので、こ
れを酸化処理して、フェノール繊維原料の酸素含有量を
18−24重量%の状態にする
繊維原料と酸素及び/又は酸素含有化合物とを接触さ
せ、フェノール繊維原料に酸素を有する基を形成し、及
び/又はフェノール分子間に架橋反応を起こさせる処理
のことである。酸化処理の雰囲気にするために使用され
るガスとしては、酸素を含有するガスを使用すればよい
が、通常は空気が使用される。酸化処理の温度について
は、通常100−300℃の範囲で行われるが、50℃
以下の場合でも、紫外線を照射する等の手段により、酸
化反応を進行させることができる。
は、以下のような方法によることができる。すなわち、
フェノール繊維を不活性ガス雰囲気中で熱分解させ、炭
素触媒上で原料中の酸素を一酸化炭素に変換し、かかる
一酸化炭素の濃度を測定することにより、原料中の酸素
量を求めることができる。このような原理を利用して一
酸化炭素の濃度を測定するための分析装置としては、例
えば、ヤナコ分析工業株式会社より市販されている元素
分析装置MT−6、株式会社パーキンエルマーより市販
されている元素分析装置2400IIなどの装置を使用
すればよい。本発明により、フェノール繊維に酸化処理
を行い、特定量の酸素を含有させた状態のフェノール繊
維原料を炭化処理することにより、炭化反応時に分解が
少なく、強度に優れた炭素繊維を高収率で得ることがで
きる。このようにして得た炭素繊維をさらに賦活処理す
ることにより、強度及び品位に優れた活性炭繊維を高収
率で得ることができる。
は従来に比べて10〜15%も高い収率で製造すること
ができ、しかも、得られた炭素繊維又は活性炭繊維は強
度に優れている。この理由を必ずしも明確に説明するこ
とはできないけれども、理由としては次のようなことが
考えられる。フェノール原料中の酸素原子の割合は、フ
ェノール表面における水酸基、カルボキシル基、エステ
ル基等、有機官能基の割合を示しているので、これらの
官能基は、フェノール分子の架橋に寄与している。した
がって、酸素原子の割合がある一定数値以上となると、
活性炭製造の重量収率が向上することが認められること
から、酸素分子とフェノール分子とが架橋構造をとるこ
とにより、炭化の際の環化構造の形成に寄与しているも
のと思われる。しかし、酸素原子の割合が多くなりすぎ
ると、環化反応の際の活性点が多くなり、環化構造の成
長を阻害するものと思われる。
などのシート状の活性炭繊維では、品位についても優れ
ていることが要求される。ここで、品位とは、シートの
一次、二次、三次元的均一性を示すものであり、具体的
には、目付、厚み、密度などの物性が均一であること、
又は、つり、たるみ、色斑などの欠点がないことをい
う。従来のフェノール繊維では、架橋が不十分であるた
め、炭化時及び/又は賦活時にタール成分を含む排ガス
が発生し、タール成分がフェノール樹脂に局所的に再付
着する現象が見られ、その結果、タール付着箇所と未付
着箇所とで炭化度、賦活度に差が生じ、必ずしも品位に
優れたものではなかった。しかしながら、本発明の方法
によれば、排ガス中のタール成分が減少し、炭化及び/
又は賦活反応が阻害されることなく均一に進行し、高品
位の活性炭繊維を得ることができる。
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、実施例及び比較例において、物性の測定は以
下の方法によった。 (1)フェノール繊維の酸素含有量:ヤナコ分析工業株
式会社製の元素分析装置MT−6を用いて測定した。 (2)重量収率:未処理のフェノール繊維の重量に対す
る各々の処理を施したフェノール繊維の重量の割合から
求めた。 (3)比表面積:窒素の吸着量から求めたBET比表面
積である。 (4)繊維強度:JIS K 1477 繊維状活性炭
試験方法5.5引張り強さに準拠して測定した。
繊維、酸素含有量15%)を280℃で30分空気中で
加熱し、酸素含有量を24%とした。これを窒素ガス雰
囲気中で300℃から800℃まで昇温して炭化処理
し、炭素繊維を得た(実施例1)。さらに該炭素繊維を
900℃の水蒸気ガス雰囲気中で賦活し、活性炭素繊維
とした。結果を表1に示す。
繊維、酸素含有量13%)を25℃の空気中で紫外線照
射し、酸素含有量を20%とした。これを実施例1及び
2と同様にして、炭化、賦活処理を実施した(各々実施
例3及び4)。結果を表1に示す。
酸素含有量14%)を、燃焼ガス排ガス/空気が1/1
の混合ガス雰囲気中200℃で加熱し、酸素含有量を1
9%とした。これを実施例1及び2と同様にして、炭
化、賦活処理を実施した(各々実施例5及び6)。結果
を表1に示す。
有量15%)を280℃で30分窒素ガス雰囲気中で加
熱した。酸素含有量は15%のままであった。これを実
施例1及び2と同様にして炭化、賦活処理を実施し、表
1の結果を得た(各々比較例1及び2)。実施例1〜6
と比較例1〜2とを比較すると、本発明により得られた
炭素繊維及び活性炭素繊維が優れていることは明らかで
ある。
で3時間酸素ガス雰囲気中で加熱し、酸素含有量を21
%とした。これを窒素ガス雰囲気中で300℃〜800
℃まで昇温して炭化処理し、さらに900℃の水蒸気ガ
ス雰囲気中で賦活し、活性炭繊維クロスを得た(実施例
7)。実施例7と同じクロスを実施例7と同じ条件で炭
化、賦活処理した。酸素含有量は14%のままであった
(比較例3)。これらのクロス各々1m2から5箇所無
作為にサンプリングし、物性を評価した。結果を表2に
示すが、本発明の方法により製造した活性炭繊維は高品
位であることが明らかである。
を付着させたフェノール繊維を炭化することを特徴とす
る炭素繊維の製造方法及び該炭素繊維をさらに賦活処理
する活性炭素繊維の製造方法を提供することができる。
本発明によれば、炭素繊維及び活性炭素繊維は強度に優
れ、高収率で製造することができるので、産業上の有用
性が大きい。
Claims (2)
- 【請求項1】 18−24重量%の酸素を含有させたフ
ェノール繊維を炭化することを特徴とする炭素繊維の製
造方法。 - 【請求項2】 18−24重量%の酸素を含有させたフ
ェノール繊維を炭化し、さらに賦活処理する活性炭素繊
維の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001056757A JP4566425B2 (ja) | 2001-03-01 | 2001-03-01 | 炭素繊維及び活性炭素繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001056757A JP4566425B2 (ja) | 2001-03-01 | 2001-03-01 | 炭素繊維及び活性炭素繊維の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002266174A true JP2002266174A (ja) | 2002-09-18 |
JP4566425B2 JP4566425B2 (ja) | 2010-10-20 |
Family
ID=18916733
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001056757A Expired - Fee Related JP4566425B2 (ja) | 2001-03-01 | 2001-03-01 | 炭素繊維及び活性炭素繊維の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4566425B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103909853A (zh) * | 2014-04-10 | 2014-07-09 | 江苏同康特种活性炭纤维面料有限公司 | 环保型汽车座垫 |
JP2014227307A (ja) * | 2013-05-20 | 2014-12-08 | 東洋紡株式会社 | 繊維状活性炭多重織物 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5029053B1 (ja) * | 1971-07-07 | 1975-09-20 | ||
JPS5710205B2 (ja) * | 1971-09-22 | 1982-02-25 | ||
JPS6030368B2 (ja) * | 1977-07-13 | 1985-07-16 | 東洋カ−ボン株式会社 | フエノ−ル樹脂系炭素繊維の製造法 |
JPS6054406B2 (ja) * | 1977-03-22 | 1985-11-29 | 東洋紡績株式会社 | 含窒素活性炭素繊維の製造方法 |
JPS6461514A (en) * | 1987-08-31 | 1989-03-08 | Ibiden Co Ltd | Production of carbon yarn having high strength and high modulus of elasticity |
-
2001
- 2001-03-01 JP JP2001056757A patent/JP4566425B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5029053B1 (ja) * | 1971-07-07 | 1975-09-20 | ||
JPS5710205B2 (ja) * | 1971-09-22 | 1982-02-25 | ||
JPS6054406B2 (ja) * | 1977-03-22 | 1985-11-29 | 東洋紡績株式会社 | 含窒素活性炭素繊維の製造方法 |
JPS6030368B2 (ja) * | 1977-07-13 | 1985-07-16 | 東洋カ−ボン株式会社 | フエノ−ル樹脂系炭素繊維の製造法 |
JPS6461514A (en) * | 1987-08-31 | 1989-03-08 | Ibiden Co Ltd | Production of carbon yarn having high strength and high modulus of elasticity |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014227307A (ja) * | 2013-05-20 | 2014-12-08 | 東洋紡株式会社 | 繊維状活性炭多重織物 |
CN103909853A (zh) * | 2014-04-10 | 2014-07-09 | 江苏同康特种活性炭纤维面料有限公司 | 环保型汽车座垫 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4566425B2 (ja) | 2010-10-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Shen et al. | Lignin‐based activated carbon fibers and controllable pore size and properties | |
KR100485603B1 (ko) | 나노섬유를 이용한 활성탄소섬유의 제조방법 | |
JPS6118951B2 (ja) | ||
JP2016040419A (ja) | 炭素繊維の製造方法 | |
JP2002266174A (ja) | 炭素繊維及び活性炭素繊維の製造方法 | |
JPH026618A (ja) | メソフェースピッチ系炭素繊維の製造方法 | |
JPS6128019A (ja) | ピツチ系炭素繊維の製造法 | |
JP3412970B2 (ja) | 活性炭繊維の製造方法 | |
JPH11240707A (ja) | 活性炭 | |
JP3031626B2 (ja) | 粘結剤,含浸剤及びこれらの製造方法 | |
CN106811824B (zh) | 一种改性酚醛树脂纤维及其制备方法和用途 | |
JPH06256009A (ja) | 活性炭の製造方法 | |
JPH05302217A (ja) | マトリックス用ピッチの製造方法 | |
JPH0735614B2 (ja) | 高黒鉛化炭素繊維の製造方法 | |
JPS6054406B2 (ja) | 含窒素活性炭素繊維の製造方法 | |
JPH0627373B2 (ja) | 活性炭繊維の製造法 | |
JPH04209830A (ja) | 炭素繊維の製造方法 | |
JP2766530B2 (ja) | ピッチ系炭素繊維の製造方法 | |
JP2960290B2 (ja) | ピッチ系極細炭素繊維の製造方法 | |
JPS6117411A (ja) | ピツチ成形体の不融化方法 | |
JPS585287B2 (ja) | 炭素繊維前駆体の焼成用処理剤 | |
JPH0913223A (ja) | 多孔性フェノール樹脂繊維の製造方法 | |
JPS6152244B2 (ja) | ||
JP2766521B2 (ja) | ピッチ系炭素繊維の製造方法 | |
JPH01314734A (ja) | ピッチ系炭素繊維の製造法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070928 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100412 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100420 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100621 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100713 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100804 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130813 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |