JP2002265711A - 発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents

発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物

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JP2002265711A
JP2002265711A JP2001066092A JP2001066092A JP2002265711A JP 2002265711 A JP2002265711 A JP 2002265711A JP 2001066092 A JP2001066092 A JP 2001066092A JP 2001066092 A JP2001066092 A JP 2001066092A JP 2002265711 A JP2002265711 A JP 2002265711A
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polypropylene resin
block copolymer
hydrogenated
polymer block
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JP2001066092A
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Hirohide Enami
博秀 榎並
Tateo Ono
健郎 小野
Kenji Kubomoto
謙二 久保本
Yoshihiro Toda
善博 戸田
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 押出成形性と粉末成形性に優れ、均一で緻密
な独立気泡を有する架橋していないポリプロピレン樹脂
発泡体シートに適する発泡体用ポリプロピレン樹脂組成
物を提供する。 【解決手段】 (a)ポリプロピレン樹脂30〜80質
量%と、(b)ビニル芳香族炭化水素化合物単量体単位
を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと水素
添加された共役ジエン単量体単位を主体とする少なくと
も1個の重合体ブロックBから構成され、重合体ブロッ
クBの水素添加率が90%以上であり、かつビニル芳香
族炭化水素化合物の水素添加ブロック共重合体中に占め
る割合が5質量%を超え25質量%未満であり、そして
水素添加前の重合体ブロックBの1,2或いは3,4結
合量の平均が62モル%以上である水素添加ブロック共
重合体70〜20質量%からなり、(a)と(b)の合
計量100質量部に対して、(d)150℃以上の分解
温度を有する発泡剤0.5〜7.0質量部を、配合した
発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリプロピレン樹脂
発泡体を製造するに適した発泡体用ポリプロピレン樹脂
組成物に係り、詳しくは成形性に優れ、均一で緻密な独
立気泡を有するクッション性に優れた発泡体シートに適
する発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィン発泡体の製造方法
として、ポリエチレンにアゾジカルボンアミドのような
発泡剤、パーオキサイドのような架橋剤等を添加して金
型内に発泡成形する方法が知られている。しかし、ポリ
エチレン発泡体は耐熱性に劣るため、ポリプロピレン発
泡体が注目されている。
【0003】ポリプロピレン発泡体はポリエチレン発泡
体に比べて、耐熱性や強度に優れており、110℃以上
の耐熱性が要求される自動車内装品のクッション材料に
使用されている。しかし、ポリプロピレン樹脂は溶融粘
度が低い性質のために、溶融発泡時に発泡ガス圧に抗し
きれず、気泡が粗くなったり、極端な場合には発泡ガス
が逃散して発泡体を得られないことがあった。
【0004】従来、ポリプロピレン樹脂発泡体を製造す
る方法としては、電子線により架橋した後、加熱発泡さ
せる方法がとられていたが、特殊な電子線架橋の装置が
必要でコスト高になっていた。また、ポリプロピレン樹
脂を過酸化物で化学的に架橋するのと同時に発泡させる
方法がある。
【0005】更には、特公平5−62617号公報に
は、ポリプロピレン樹脂単独の発泡体の欠点である発泡
性を改善し、均一な気泡分布をもたせ、成形肌に良好な
ポリプロピレン樹脂発泡体を得るために、ポリプロピレ
ン樹脂に1−ブテン重合体、ラジカル発生剤、架橋助
剤、発泡剤を添加したポリプロピレン架橋発泡体組成物
も提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このポリプロ
ピレン樹脂発泡体は気泡が粗大になり、発泡倍率も低く
てクッション性が悪く、またとりわけ粉末成形では均一
な発泡体シートは得られなかった。
【0007】本発明はこのような問題点を改善するもの
であり、押出成形性と粉末成形性に優れ、均一で緻密な
独立気泡を有する架橋していないポリプロピレン樹脂発
泡体シートに適する発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本願の請求項1記
載の発明では、(a)ポリプロピレン樹脂30〜80質
量%と、(b)ビニル芳香族炭化水素化合物単量体単位
を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと水素
添加された共役ジエン単量体単位を主体とする少なくと
も1個の重合体ブロックBから構成され、重合体ブロッ
クBの水素添加率が90%以上であり、かつビニル芳香
族炭化水素化合物の水素添加ブロック共重合体中に占め
る割合が5質量%を超え25質量%未満であり、そして
水素添加前の重合体ブロックBの1,2或いは3,4結
合量の平均が62モル%以上である水素添加ブロック共
重合体70〜20質量%からなり、(a)と(b)の合
計量100質量部に対して、(d)150℃以上の分解
温度を有する発泡剤0.5〜7.0質量部を、配合せし
めたことを特徴とする発泡体用ポリプロピレン樹脂組成
物にある。
【0009】本願の請求項2記載の発明では、(a)ポ
リプロピレン樹脂と、(b)ビニル芳香族炭化水素化合
物単量体単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロ
ックAと水素添加された共役ジエン単量体単位を主体と
する少なくとも1個の重合体ブロックBから構成され、
重合体ブロックBの水素添加率が90%以上であり、か
つビニル芳香族炭化水素化合物の水素添加ブロック共重
合体中に占める割合が5質量%を超え25質量%未満で
あり、そして水素添加前の重合体ブロックBの1,2或
いは3,4結合量の平均が62モル%以上である水素添
加ブロック共重合体と、そして(c)スチレン系ブロッ
ク共重合体エラストマー、そしてエチレンとα−オレフ
ィンの共重合体から選ばれた少なくとも1種のエラスト
マーからなり、上記(a)が30〜80質量%で、
(b)と(c)の合計エラストマー分が70〜20質量
%からなり、そのうち(c)が(b)に対して10〜5
0質量%の範囲内にあり、かつ上記(a)と(b)と
(c)の合計量100質量部に対して、(d)150℃
以上の分解温度を有する発泡剤0.5〜7.0質量部
を、配合せしめた発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物に
ある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で使用する(a)ポリプロ
ピレン樹脂は、プロピレンを単独重合したポリプロピレ
ンホモポリマー、プロピレンとα−オレフィンとのブロ
ックあるいはランダム共重合体のいずれでもよいが、特
にα−オレフィンとしてエチレンを用いたブロックある
いはランダム共重合体が発泡体のクッション性の面から
好ましい。これらポリプロピレン樹脂はエラストマーを
微粒子状に分散させるためには、該エラストマーに近い
溶融流動性のものが好ましい。更に、圧力のかからない
粉末スラッシュ成形に用いるには、ポリプロピレン樹脂
の溶融流動性の指数としてJIS K7210により2
30℃で荷重2.16kgfで測定したMFR(メルト
フローレート)が10g/10分以上であることが必要
である。
【0011】(b)の水素添加ブロック共重合体は、ビ
ニル芳香族炭化水素化合物単量体単位を主体とする少な
くとも1個の重合体ブロックAと水素添加された共役ジ
エン単量体単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブ
ロックBから構成され、重合体ブロックBの水素添加率
が90%以上であり、かつビニル芳香族炭化水素化合物
の水素添加ブロック共重合体中に占める割合が5質量%
を超え25質量%未満であり、そして水素添加前の重合
体ブロックBの1,2或いは3,4結合量の平均が62
モル%以上であり、好ましい構造としてはA−B、A−
B―A―B、B−A−B−A−B、(B−A−B)n−
X(ここでnは2以上の整数、Xはカップリング剤残基
を示す)であり、(a)ポリプロピレン樹脂と相溶性に
優れており混練するとナノメタ−のオ−ダ−で微粒子状
に分散する性質をもつ。
【0012】また、ビニル芳香族炭化水素化合物単量体
単位としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、p−ターシャルブチルスチレン等
のアルキルスチレン、パラメトキシスチレン、ビニルナ
フタレン等のうちから1種、または2種以上から選ば
れ、中でもスチレンが好ましい。
【0013】このエラストマーとしては、スチレンとブ
タジエンの各ブロックが共重合しているスチレン・ブタ
ジエンブロック共重合体を水素添加したもので、スチレ
ンの占める割合は水素添加ブロック共重合体の5質量%
超え25質量%未満であり、ブタジエンの重合体ブロッ
クの1,2結合量が平均62モル%以上であり、ブタジ
エンの重合体ブロックの水素添加率が90%以上である
ポリマ−の代表的な例としては、旭化成社製のタフテッ
クL515がある。
【0014】また、他の(b)水素添加ブロック共重合
体としては、スチレンとイソプレンの水素添加ブロック
共重合体があり、スチレン含量20%、イソプレンの
3,4結合量が62%以上、水素添加率が90%以上で
あるポリマ−の代表的な例としてクラレ社製のハイブラ
−7125を挙げることができる。
【0015】本発明では、上記の(b)水素添加ブロッ
ク共重合体とともに、(c)としてスチレン系ブロック
共重合体エラストマー、そしてエチレンとα−オレフィ
ンの共重合体から選ばれた少なくとも1種のエラストマ
ーを添加することができる。この(c)エラストマ−は
(b)よりもポリプロピレン樹脂対する相溶性に劣るも
のであるが、組成物の溶融流動性を向上させる効果があ
り、粉体成形用の組成物として適した組成物が得られ
る。
【0016】(c)のエラストマ−としては、スチレン
系ブロック共重合体エラストマーがあり、ハードセグメ
ントとしてポリスチレンをもち、ソフトセグメントとし
て1,4結合リッチなポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、あるいはこれらが水素添加された化学構造を有する
エラストマーがあり、例えばスチレン・ブタジエンブロ
ック共重合体(SB)、スチレン・ブタジエン・スチレ
ンブロック共重合体(SBS)、スチレン・エチレンプ
ロピレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、水
素添加スチレン・ブタジエンブロック共重合体(SE
B)、水素添加スチレン・ブタジエン・スチレンブロッ
ク共重合体、水素添加スチレン・イソプレンブロック共
重合体(SEP)、水素添加スチレン・イソプレン・ス
チレンブロック共重合体(SEPS)、等を挙げること
ができる。
【0017】また、(c)としてエチレンとα−オレフ
ィンの共重合体があり、α−オレフィンとしてプロピレ
ン、ブチレン、ヘキサン、オクタン等が挙げられる。共
重合体中のα−オレフィンの量は10質量%以上でエラ
ストマーの性質を有しており、かつポリプロピレン樹脂
に微分散するものが好ましい。具体的には、エチレン・
プロピレン共重合体(EPR)とかエチレン・オクテン
コポリマーがある。
【0018】(a)ポリプロピレン樹脂と(b)水素添
加ブロック共重合体は相溶性に優れているため、エラス
トマ−成分は微細に分散しているので溶融した組成物が
均質であり、発泡ガス圧が逃散し難いので均質な発泡体
が得られる。粉体成形用では無加圧下で溶融流動する必
要があるので(c)のエラストマー混合使用することに
よって溶融流動性を向上させることができる。
【0019】また、エチレンとα−オレフィンの共重合
体であるEPRとかエチレン・オクテンコポリマーは粒
状に分散する性質をもっているが、分散した粒径が大き
くなる傾向があるため、単独でポリプロピレン樹脂とブ
レンドしたものは良い発泡体が得られない。このため、
(c)のエラストマーあるスチレン系ブロック共重合体
エラストマーもしくはエチレンとα−オレフィンの共重
合体は(b)の水素添加ブロック共重合体と同時に使用
することが望ましい。
【0020】尚、簡易的に上記エラストマーの分散状態
を観る方法としては、発泡剤を添加していないポリプロ
ピレン樹脂組成物を引張試験すると、海/海分散状態の
ものは破断面が層状に切れており、また粒状で分散して
いるが粒径の大きいものは伸ばされた部分が白化する現
象がみられる。
【0021】粉末成形に使用する場合には、上記発泡体
用ポリプロピレン樹脂組成物のMFRは、大きい方が好
ましい。また、(a)ポリプロピレン樹脂と(b)の水
素添加ブロック共重合体の混合比率はポリプロピレン樹
脂100質量%に対し、水素添加ブロック共重合体25
〜250質量%であり、好ましくは40〜150質量%
である。
【0022】(a)ポリプロピレン樹脂と(b)水素添
加ブロック共重合体からなる樹脂の混合比率は、(a)
が30〜80質量%と、(b)が70〜20質量%から
なる。
【0023】また(a)ポリプロピレン樹脂と、(b)
水素添加ブロック共重合体と、(c)のエラストマ−成
分であるスチレン系ブロック共重合体エラストマーある
いはエチレンとα−オレフィンの共重合体から選ばれた
少なくとも1種のエラストマーとの混合比率は、(a)
が30〜80質量%で、(b)と(c)のエラストマー
の合計量70〜20質量%からなり、そのうち(c)が
(b)に対して10〜50質量%の範囲内にある。
【0024】ここで、(b)水素添加ブロック共重合
体、もしくは(b)水素添加ブロック共重合体と(c)
スチレン系ブロック共重合体エラストマーあるいはエチ
レンとα−オレフィンの共重合体から選ばれた少なくと
も1種のエラストマーが20質量%未満であると柔軟性
が損なわれ、クッシュン性が乏しくなる。(b)水素添
加ブロック共重合体、もしくは(b)水素添加ブロック
共重合体と(c)スチレン系ブロック共重合体エラスト
マーあるいはエチレンとα−オレフィンの共重合体から
選ばれた少なくとも1種のエラストマーが70質量%を
超えると耐熱性や耐薬品性が低下し、かつ得られた発泡
体のセルが粗大になり耐熱性も悪く、回復弾性も悪くな
る。
【0025】また、(c)のエラストマーが(b)水素
添加ブロック共重合体に対して10質量%未満である
と、得られるポリプロピレン樹脂組成物の溶融流動性に
ほとんど変化が無く、一方50質量%を越えると得られ
た発泡体のセルが粗大になりクッション性もなくなる。
【0026】使用する発泡剤は、150℃以上の分解温
度を有しており、ポリプロピレン樹脂と微粒子状に分散
する性質をもつエラストマーとを混練する時に分解、発
泡しないものが好ましく、有機系熱分解型の発泡剤があ
り、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウム
等のアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレン
テトラミン等のニトロソ化合物、4,4−オキシビス
(ベンゼンスルホニルヒドラジン、4,4−オキシビス
(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホ
ン−3’,3−ジスルホニルヒドラジド等のヒドラジン
誘導体を挙げることができる。なかでも、200℃付近
に分解温度をもつアドジカルボンアミドが好ましい。
【0027】発泡剤の添加量は(a)ポリプロピレン樹
脂と(b)水素添加ブロック共重合体の合計量100質
量部に対して、もしくは(a)ポリプロピレン樹脂と
(b)水素添加ブロック共重合体と(c)スチレン系ブ
ロック共重合体エラストマーあるいはエチレンとα−オ
レフィンの共重合体から選ばれた少なくとも1種のエラ
ストマーの合計量100質量部に対して、発泡剤0.5
〜7.0質量部、好ましくは1.0〜5.0質量部であ
り、0.5質量部未満の場合には、発生するガス量が少
なくて発泡倍率が低過ぎるため、クッション性が悪くな
る。一方、7.0質量部を超えると、発生するガス量が
過大になるため、溶融した組成物がガスに抗しきれず、
気泡が粗くなったり、極端な場合には発泡体が得られな
い。
【0028】また、上記以外にも、可塑剤、顔料、熱安
定剤、光安定剤、滑剤、充填剤等を必要に応じて添加さ
れる。顔料は通常のオレフィン系に適した有機、無機の
ものが使用される。更に、脂肪酸金属塩等の滑剤や炭酸
カルシウム、タルク等の充填剤等が必要に応じて添加さ
れる。
【0029】これらの配合物の混練は、(a)ポリプロ
ピレン樹脂に(b)と(c)のエラストマー成分、発泡
剤、顔料、安定剤、滑剤をV型ブレンダー、タンブラ
ー、ヘンシェルミキサー等を用いてドライブレンドした
ものを二軸押出機で混練するか、あるいはニーダー等で
混練することもできるが、混練温度は発泡剤の分解温度
以下が好ましく、分解温度より10℃以上低い温度で混
練することが好ましい。
【0030】混練した組成物はペレット状にし、押出機
によりシート状に成形した後、熱オーブンあるいは加熱
したプレス機により発泡剤の分解温度以上に加熱し、発
泡させて発泡体シートを得る。
【0031】また、ペレット状組成物をターボミル、ピ
ンミル、ハンマーミル等の衝撃型微粉砕機を用いて微粉
砕する方法で粉体樹脂組成物にする。この時通常では液
体窒素を用いて冷凍粉砕される。粉砕されたものは篩い
等によって粒径が少なくとも500μm以下、好ましく
は300μm以下のものを集め、500μmを越えるも
のは再度粉砕される。そして、粉体樹脂組成物を発泡剤
の分解温度以上で粉体成形することによって発泡体シー
トを得ることができる。
【0032】上記粉体成形は発泡剤の分解温度以上に加
熱された型に粉体樹脂組成物を重力で落下させて投入
し、一定時間経過後に型を反転し、余剰の粉体樹脂組成
物を回収箱に集める。型表面には粉体樹脂組成物が層と
なって付着しており、時間経過とともに溶融してスキン
層は形成される。次いで、発泡剤が熱分解してガスを発
生して発泡体を形成する。そして、型を冷却して発泡体
シートを脱型する。
【0033】このようにして得られた粉末成形に使用す
る粉末樹脂組成物が、充分な粉末流動性をもたない場合
には、型の複雑形状部に流れ込まずに欠損やピンホール
をもつシートを成形することになる。そのため、粉末樹
脂組成物の中に流動性改良剤である炭酸カルシウム、シ
リカ等の充填剤、あるいはステアリン酸亜鉛、ステアリ
ン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩や脂肪酸アミド、脂肪
酸エステル等の滑剤、あるいは樹脂微粉末等を添加する
ことができる。
【0034】
【実施例】次に、本発明を具体的な実施例により更に詳
細に説明する。 実施例1〜8 表1に示す材料をダンブラーでドライブレンドしたもの
を、二軸押出機(池貝鉄鋼社製、PCM45)の原料ホ
ッパーより供給し、180℃でスクリュー回転数250
rpmで混練押出してポリプロピレン樹脂組成物ペレッ
トを得た。次に、単軸押出機により170℃で略1.0
mm厚さのシートを押出成形したものを100×100
mmに裁断し、280℃に調節した熱オーブン中の離型
紙上で1分間加熱した後、取り出して室温で冷却してポ
リプロピレン樹脂発泡体を得た。
【0035】発泡シートの評価は、発泡セルの粗さを拡
大ルーペにて観察してセルの大きさを測定した。セルの
評価は0.5mm以下のセルが90%以上を占める場合を
◎、1mm以下のセルが90%以上を占める場合を○、
1mm以下のセルが90%未満の場合を×とした。発泡
倍率は発泡体の比重を測定し、ペレットの比重を発泡体
の比重で除した値である。これらの結果を表1に併記す
る。
【0036】
【表1】
【0037】実施例9〜13 表2に示す材料を実施例1〜5と同様にして混練押出
し、ポリプロピレン樹脂組成物ペレットを得て、ターボ
ミルT250−4J(ターボ工業社製)によって、液体
窒素に浸したペレットを投入して微粉砕し、1.0mm
の篩い通過分のみを集めた。
【0038】次に、上記粉末樹脂組成物を用いて粉体成
形を行った。離型用のテフロン(登録商標)シートを貼
った150×150×3.0mmのアルミ板をオーブン
中で250℃に加熱し、その上に上記粉末樹脂組成物を
約800gのせて10秒間おいて付着させた後、溶融付
着しなかった粉体を除いて、300℃に調節したオーブ
ン中で60秒間加熱し、オーブンより取り出し、そして
室温まで冷却して発泡シートを得た。評価は実施例1〜
5と同様に行った。その結果を表2に併記する。
【0039】
【表2】
【0040】比較例1〜4 表3に示す材料を実施例1〜5と同様にして混練押出
し、ポリプロピレン樹脂組成物ペレットを得て、単軸押
出機によりシートを押出成形したものをオーブン中で発
泡させ発泡シートを得た。評価は実施例1〜5と同様に
行った。その結果を表3に併記する。
【0041】比較例5〜7 表3に示す材料を実施例6〜9と同様にしてポリプロピ
レン樹脂組成物の粉末を作製し、これを用いて粉体成形
を行い、発泡シートを得た。評価は実施例1〜5と同様
に行った。その結果を表3に併記する。
【0042】
【表3】
【0043】この結果、実施例1〜8の押出成形したシ
ートから得られた発泡シートや、実施例9〜13の粉末
樹脂組成物を用いて粉体成形して得られた発泡シートで
は、セルの大きさが1mm以下であり、比較例に比べて
非常に小さく、クッション性が良好であった。また、実
施例の発泡倍率も比較例に比べて大きくなっていること
が判る。
【0044】
【発明の効果】以上のように本願の各請求項記載の発明
では、(a)ポリプロピレン樹脂と(b)水素添加ブロ
ック共重合体に、もしくは(a)ポリプロピレン樹脂と
(b)水素添加ブロック共重合体と(c)スチレン系ブ
ロック共重合体エラストマー、エチレンとα−オレフィ
ンの共重合体から選ばれた少なくとも1種のエラストマ
ーに、(d)150℃以上の分解温度を有する発泡剤と
を含めた発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物にあり、上
記(b)もしくは(b)と(c)のエラストマーが混練
すると微粒子状に分散して押出形成性と粉末成形性に優
れ、また発泡シートの表面凹凸やセルの粗さが小さく、
均一で緻密な独立気泡を有する架橋していないポリプロ
ピレン樹脂発泡体シートを得ることができる優れた効果
がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸田 善博 神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ 星ベルト株式会社内 Fターム(参考) 4F074 AA13B AA17A AA24 AA98 AD10 AD12 AD16 AG04 AG11 BA13 CA22 CA29 DA02 4J002 BB05Y BB12W BB14W BB15Y BP01X BP01Y BP02W BP03W FD010 FD170 4J026 HA06 HB14 HB15 HE01 HE02 HE05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリプロピレン樹脂30〜80質
    量%と、(b)ビニル芳香族炭化水素化合物単量体単位
    を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと水素
    添加された共役ジエン単量体単位を主体とする少なくと
    も1個の重合体ブロックBから構成され、重合体ブロッ
    クBの水素添加率が90%以上であり、かつビニル芳香
    族炭化水素化合物の水素添加ブロック共重合体中に占め
    る割合が5質量%を超え25質量%未満であり、そして
    水素添加前の重合体ブロックBの1,2或いは3,4結
    合量の平均が62モル%以上である水素添加ブロック共
    重合体70〜20質量%からなり、(a)と(b)の合
    計量100質量部に対して、(d)150℃以上の分解
    温度を有する発泡剤0.5〜7.0質量部を、配合せし
    めたことを特徴とする発泡体用ポリプロピレン樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 (a)ポリプロピレン樹脂と、(b)ビ
    ニル芳香族炭化水素化合物単量体単位を主体とする少な
    くとも1個の重合体ブロックAと水素添加された共役ジ
    エン単量体単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブ
    ロックBから構成され、重合体ブロックBの水素添加率
    が90%以上であり、かつビニル芳香族炭化水素化合物
    の水素添加ブロック共重合体中に占める割合が5質量%
    を超え25質量%未満であり、そして水素添加前の重合
    体ブロックBの1,2或いは3,4結合量の平均が62
    モル%以上である水素添加ブロック共重合体と、そして
    (c)スチレン系ブロック共重合体エラストマー、そし
    てエチレンとα−オレフィンの共重合体から選ばれた少
    なくとも1種のエラストマーからなり、上記(a)が3
    0〜80質量%で、(b)と(c)の合計エラストマー
    分が70〜20質量%からなり、そのうち(c)が
    (b)に対して10〜50質量%の範囲内にあり、かつ
    上記(a)と(b)と(c)の合計量100質量部に対
    して、(d)150℃以上の分解温度を有する発泡剤
    0.5〜7.0質量部を、配合せしめたことを特徴とす
    る発泡体用ポリプロピレン樹脂組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005307018A (ja) * 2004-04-22 2005-11-04 Mitsuboshi Belting Ltd 発泡用熱可塑性エラストマー組成物及び発泡成形品の製造方法
JP2009161740A (ja) * 2007-12-12 2009-07-23 Sumitomo Chemical Co Ltd 射出発泡成形用熱可塑性エラストマー組成物、発泡体および発泡体の製造方法
JP2016155344A (ja) * 2015-02-26 2016-09-01 東レ株式会社 ポリオレフィン樹脂発泡体を用いてなる積層体及び、自動車内装材

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