JP2935341B2 - 粉末成形に使用する粉末樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
粉末成形に使用する粉末樹脂組成物の製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粉末成形に使用する
粉末樹脂組成物の製造方法に係り、詳しくは流動浸漬
法、静電塗装法、粉末溶射法、粉末回転成形法、粉末ス
ラッシュ成形法等の粉末成形に使用できる粉末樹脂組成
物を室温で粉砕することができる粉末成形に使用する粉
末樹脂組成物の製造方法に関する。
粉末樹脂組成物の製造方法に係り、詳しくは流動浸漬
法、静電塗装法、粉末溶射法、粉末回転成形法、粉末ス
ラッシュ成形法等の粉末成形に使用できる粉末樹脂組成
物を室温で粉砕することができる粉末成形に使用する粉
末樹脂組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】軟質の粉末材料を用いた粉末成形法とし
て、軟質塩化ビニル樹脂粉末を用いた粉末スラッシュ成
形法がインストルメントパネル、コンソールボックス、
ドアートリム等の自動車内装品の表皮に広く採用されて
いる。これはソフトな感触であり、皮シボやステッチを
設けることができ、また設計自由度が大きいこと等の意
匠性が良好なことによる。
て、軟質塩化ビニル樹脂粉末を用いた粉末スラッシュ成
形法がインストルメントパネル、コンソールボックス、
ドアートリム等の自動車内装品の表皮に広く採用されて
いる。これはソフトな感触であり、皮シボやステッチを
設けることができ、また設計自由度が大きいこと等の意
匠性が良好なことによる。
【0003】しかし、近年、地球環境問題の深刻化に伴
い、塩化ビニル樹脂は環境負荷の大きい材料として敬遠
される状況にある。これには誤解によるものも多いが、
焼却時には適切な施設が必要であること、材料リサイク
ル時には他材料への混入を避けるために分離に手間がか
かる等の問題となる点も多い。
い、塩化ビニル樹脂は環境負荷の大きい材料として敬遠
される状況にある。これには誤解によるものも多いが、
焼却時には適切な施設が必要であること、材料リサイク
ル時には他材料への混入を避けるために分離に手間がか
かる等の問題となる点も多い。
【0004】そこで、一つの方法として特開平7−82
433号公報では、ポリプロピレン樹脂と特定のスチレ
ン系熱可塑性エラストマーとを重量比70/30〜30
/70の割合で混合したものを粉砕して用いることが提
案されている。ここでは、スチレン系熱可塑性エラスト
マーがスチレン含量20重量%以下のスチレン・エチレ
ンブチレン・スチレンブロック共重合体、スチレン含量
20重量%以下のスチレン・エチレンプロピレン・スチ
レンブロック共重合体、そしてスチレン含量20重量%
以下の水素添加スチレンブタジエンゴムから選ばれたも
のであり、ポリプロピレン樹脂との相溶性が良好で粉末
成形に適した組成物になっている。
433号公報では、ポリプロピレン樹脂と特定のスチレ
ン系熱可塑性エラストマーとを重量比70/30〜30
/70の割合で混合したものを粉砕して用いることが提
案されている。ここでは、スチレン系熱可塑性エラスト
マーがスチレン含量20重量%以下のスチレン・エチレ
ンブチレン・スチレンブロック共重合体、スチレン含量
20重量%以下のスチレン・エチレンプロピレン・スチ
レンブロック共重合体、そしてスチレン含量20重量%
以下の水素添加スチレンブタジエンゴムから選ばれたも
のであり、ポリプロピレン樹脂との相溶性が良好で粉末
成形に適した組成物になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この粉末樹脂
組成物を得るために必要な粉砕は、ペレット化したもの
をいったん液体窒素に浸して、樹脂を−80°C以下に
して冷凍粉砕していたため、製造コストを高くしてい
た。また、組成物においてもポリプロピレン樹脂を多く
して硬めに処方を設定すると耐寒衝撃性が悪くなり、ま
たスチレン系熱可塑性エラストマーを多く設定すると、
耐ガソリン性が悪くなり、また熱風加熱を用いる際の耐
熱劣化等の不具合が発生することがあった。本発明はこ
のような問題点を改善するものであり、室温で粉砕がで
き、そして粉末成形、特に粉末スラッシュ成形に必要な
溶融流動性に優れ、しかも耐寒衝撃性、耐ガソリン性、
低温ぜい化点が改良された粉末成形に使用する粉末樹脂
組成物の製造方法を提供することを目的とする。
組成物を得るために必要な粉砕は、ペレット化したもの
をいったん液体窒素に浸して、樹脂を−80°C以下に
して冷凍粉砕していたため、製造コストを高くしてい
た。また、組成物においてもポリプロピレン樹脂を多く
して硬めに処方を設定すると耐寒衝撃性が悪くなり、ま
たスチレン系熱可塑性エラストマーを多く設定すると、
耐ガソリン性が悪くなり、また熱風加熱を用いる際の耐
熱劣化等の不具合が発生することがあった。本発明はこ
のような問題点を改善するものであり、室温で粉砕がで
き、そして粉末成形、特に粉末スラッシュ成形に必要な
溶融流動性に優れ、しかも耐寒衝撃性、耐ガソリン性、
低温ぜい化点が改良された粉末成形に使用する粉末樹脂
組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の特徴とす
るところは、ポリオレフィン樹脂100重量部に、粘度
500cps以上のシリコンオイルを0.3〜5重量部
添加し混合したものを0〜60°Cで衝撃型微粉砕機に
よって粉砕する粉末成形に使用する粉末樹脂組成物の製
造方法にある。本発明はポリオレフィン樹脂とスチレン
系熱可塑性エラストマーとを重量比80/20〜20/
80の割合で混合したもの100重量部に、粘度500
cps以上のシリコンオイルを0.3〜5重量部添加し
混合したものを0〜60°Cで衝撃型微粉砕機によって
粉砕する粉末成形に使用する粉末樹脂組成物の製造方法
にある。
るところは、ポリオレフィン樹脂100重量部に、粘度
500cps以上のシリコンオイルを0.3〜5重量部
添加し混合したものを0〜60°Cで衝撃型微粉砕機に
よって粉砕する粉末成形に使用する粉末樹脂組成物の製
造方法にある。本発明はポリオレフィン樹脂とスチレン
系熱可塑性エラストマーとを重量比80/20〜20/
80の割合で混合したもの100重量部に、粘度500
cps以上のシリコンオイルを0.3〜5重量部添加し
混合したものを0〜60°Cで衝撃型微粉砕機によって
粉砕する粉末成形に使用する粉末樹脂組成物の製造方法
にある。
【0007】本発明は粉砕を衝撃型微粉砕機によって行
う場合や、ポリオレフィン樹脂がポリプロピレン、そし
てポリエチレンから選ばれる場合や、ポリオレフィン樹
脂がプロピレンとα−オレフィンとのブロック共重合体
である場合を含む。
う場合や、ポリオレフィン樹脂がポリプロピレン、そし
てポリエチレンから選ばれる場合や、ポリオレフィン樹
脂がプロピレンとα−オレフィンとのブロック共重合体
である場合を含む。
【0008】本発明はスチレン系熱可塑性エラストマー
がスチレン含量20重量%以下のスチレン・エチレンブ
チレン・スチレンブロック共重合体、スチレン含量20
重量%以下のスチレン・エチレンプロピレン・スチレン
ブロック共重合体、そしてスチレン含量20重量%以下
の水素添加スチレンブタジエンゴムから選ばれる場合
や、ポリオレフィン樹脂100重量部あるいは該ポリオ
レフィン樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーとを重
量比80/20〜20/80の割合で混合したもの10
0重量部に、エチレン単位を保有する熱可塑性エラスト
マーもしくは上記ポリオレフィン樹脂を包含しないエチ
レン単位を保有する熱可塑性樹脂を5〜50重量部の割
合で混合される場合も含む。
がスチレン含量20重量%以下のスチレン・エチレンブ
チレン・スチレンブロック共重合体、スチレン含量20
重量%以下のスチレン・エチレンプロピレン・スチレン
ブロック共重合体、そしてスチレン含量20重量%以下
の水素添加スチレンブタジエンゴムから選ばれる場合
や、ポリオレフィン樹脂100重量部あるいは該ポリオ
レフィン樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーとを重
量比80/20〜20/80の割合で混合したもの10
0重量部に、エチレン単位を保有する熱可塑性エラスト
マーもしくは上記ポリオレフィン樹脂を包含しないエチ
レン単位を保有する熱可塑性樹脂を5〜50重量部の割
合で混合される場合も含む。
【0009】更に、本発明はプロピレンとα−オレフィ
ンとのブロック共重合体とスチレン系熱可塑性エラスト
マーとを重量比80/20〜20/80の割合で混合し
たもの100重量部に、エチレン単位を保有する熱可塑
性エラストマーもしくは上記プロピレンとα−オレフィ
ンとのブロック共重合体を包含しないエチレン単位を保
有する熱可塑性樹脂を5〜50重量部、粘度500cp
s以上のシリコンオイルを0.3〜5重量部添加し混合
したものを衝撃型微粉砕機により0〜60°Cの環境温
度下で粉砕する場合も含む。
ンとのブロック共重合体とスチレン系熱可塑性エラスト
マーとを重量比80/20〜20/80の割合で混合し
たもの100重量部に、エチレン単位を保有する熱可塑
性エラストマーもしくは上記プロピレンとα−オレフィ
ンとのブロック共重合体を包含しないエチレン単位を保
有する熱可塑性樹脂を5〜50重量部、粘度500cp
s以上のシリコンオイルを0.3〜5重量部添加し混合
したものを衝撃型微粉砕機により0〜60°Cの環境温
度下で粉砕する場合も含む。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で使用するポリオレフィン
樹脂は、ポリプロピレン、そしてポリエチレン等を含ん
でおり、これらの単独重合体あるいは共重合体、あるい
はこれらの混合物である。このうち、ポリプロピレン樹
脂は、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレンとα−
オレフィンとのブロック共重合体や、ランダム共重合体
があり、プロピレンとα−オレフィンとしてエチレンを
用いたブロック共重合体あるいはランダム共重合体が成
形体の柔軟性の面からいって好ましい。特に、ブロック
共重合体の粉砕性は、ランダム共重合体より優れてい
る。また、圧力のかからない粉末スラッシュ成形に用い
るためには、ポリオレフィン樹脂の溶融流動性の指数と
してJIS K7210により230°Cで荷重2.1
6kgfで測定したMFR(メルトフローレート)が2
0g/10分以上であることが必要である。
樹脂は、ポリプロピレン、そしてポリエチレン等を含ん
でおり、これらの単独重合体あるいは共重合体、あるい
はこれらの混合物である。このうち、ポリプロピレン樹
脂は、ポリプロピレンホモポリマー、プロピレンとα−
オレフィンとのブロック共重合体や、ランダム共重合体
があり、プロピレンとα−オレフィンとしてエチレンを
用いたブロック共重合体あるいはランダム共重合体が成
形体の柔軟性の面からいって好ましい。特に、ブロック
共重合体の粉砕性は、ランダム共重合体より優れてい
る。また、圧力のかからない粉末スラッシュ成形に用い
るためには、ポリオレフィン樹脂の溶融流動性の指数と
してJIS K7210により230°Cで荷重2.1
6kgfで測定したMFR(メルトフローレート)が2
0g/10分以上であることが必要である。
【0011】上記ポリオレフィン樹脂とともに添加する
ことができるものとしては、スチレン系熱可塑性エラス
トマーがある。このスチレン系熱可塑性エラストマー
は、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共
重合体(SEBS)、スチレン・エチレンプロピレン・
スチレンブロック共重合体(SEPS)、そしてスチレ
ン含量20重量%以下の水素添加スチレンブタジエンゴ
ム(水素添加SBR)から選ばれる。上記SEBSはス
チレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SB
S)を水素添加したものであり、シエル化学社製の商品
であるクレイトンGシリーズ、旭化成社製の商品である
タフテックHシリーズ等が挙げられる。このSEBSで
はスチレン含量が増えるにつれて強度が上昇するが、柔
軟性が低下する。また、同SEBSではスラッシュ成形
時に溶融してスチレンハードセグメントが凝集し、平滑
なシート状成形体を得にくいことがある。従って、スチ
レン含量は20%重量以下がよい。
ことができるものとしては、スチレン系熱可塑性エラス
トマーがある。このスチレン系熱可塑性エラストマー
は、スチレン・エチレンブチレン・スチレンブロック共
重合体(SEBS)、スチレン・エチレンプロピレン・
スチレンブロック共重合体(SEPS)、そしてスチレ
ン含量20重量%以下の水素添加スチレンブタジエンゴ
ム(水素添加SBR)から選ばれる。上記SEBSはス
チレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SB
S)を水素添加したものであり、シエル化学社製の商品
であるクレイトンGシリーズ、旭化成社製の商品である
タフテックHシリーズ等が挙げられる。このSEBSで
はスチレン含量が増えるにつれて強度が上昇するが、柔
軟性が低下する。また、同SEBSではスラッシュ成形
時に溶融してスチレンハードセグメントが凝集し、平滑
なシート状成形体を得にくいことがある。従って、スチ
レン含量は20%重量以下がよい。
【0012】SEPSはスチレン・イソプレン・スチレ
ンブロック共重合体(SIS)を水素添加したもので、
クラレ社製の商品であるセプトンが代表的である。SE
BSと同様にスチレン含量が増えるにつれ柔軟性が低下
するために、スチレン含量は20重量%以下がよい。
ンブロック共重合体(SIS)を水素添加したもので、
クラレ社製の商品であるセプトンが代表的である。SE
BSと同様にスチレン含量が増えるにつれ柔軟性が低下
するために、スチレン含量は20重量%以下がよい。
【0013】水素添加SBRは、スチレンとブタジエン
がランダムに共重合しているスチレンブタジエンゴムを
水素添加している点で、ブロック共重合体であるSEB
Sと異なっている。代表的なものとして、日本合成ゴム
社製の商品であるダイナロンシリーズがある。
がランダムに共重合しているスチレンブタジエンゴムを
水素添加している点で、ブロック共重合体であるSEB
Sと異なっている。代表的なものとして、日本合成ゴム
社製の商品であるダイナロンシリーズがある。
【0014】これらスチレン系熱可塑性エラストマーの
MFR(230°,2.16kgf)は、10以上が好
ましいが、これ未満であっても他の樹脂やエラストマー
を高流動とすることによりある程度補うことができる。
また、ブロック化したポリプロピレン樹脂とスチレン系
熱可塑性エラストマーの混合比率(ブロック化したポリ
プロピレン樹脂/スチレン系熱可塑性エラストマー)は
重量比80/20〜20/80であり、重量比80/2
0を越えると柔軟性が損なわれ、他方重量比20/80
未満であると成形体の耐熱性や耐薬品性が低下する。
MFR(230°,2.16kgf)は、10以上が好
ましいが、これ未満であっても他の樹脂やエラストマー
を高流動とすることによりある程度補うことができる。
また、ブロック化したポリプロピレン樹脂とスチレン系
熱可塑性エラストマーの混合比率(ブロック化したポリ
プロピレン樹脂/スチレン系熱可塑性エラストマー)は
重量比80/20〜20/80であり、重量比80/2
0を越えると柔軟性が損なわれ、他方重量比20/80
未満であると成形体の耐熱性や耐薬品性が低下する。
【0015】更に、添加することができるものして、エ
チレン単位を保有する熱可塑性エラストマーがある。こ
のエチレン単位を保有する熱可塑性エラストマーとして
は、エチレン・エチレンブチレン・エチレンブロック共
重合体、エチレン・オクテンブロック共重合体、エチレ
ン・αオレフィンブロック共重合体、エチレン・プロピ
レンランダム共重合体から選ばれてなる場合や、上記の
ポリオレフィン樹脂を含まないエチレン単位を保有する
樹脂が低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状
低密度ポリエチレンから選ばれてなる場合がある。
チレン単位を保有する熱可塑性エラストマーがある。こ
のエチレン単位を保有する熱可塑性エラストマーとして
は、エチレン・エチレンブチレン・エチレンブロック共
重合体、エチレン・オクテンブロック共重合体、エチレ
ン・αオレフィンブロック共重合体、エチレン・プロピ
レンランダム共重合体から選ばれてなる場合や、上記の
ポリオレフィン樹脂を含まないエチレン単位を保有する
樹脂が低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状
低密度ポリエチレンから選ばれてなる場合がある。
【0016】エチレン・エチレンブチレン・エチレンブ
ロック共重合体は、SEBSとソフトセグメントが同じ
であるが、ハードセグメントがスチレンに替えてエチレ
ン結晶相である点で異なり、耐ガソリン性の向上が期待
される。また、水素添加SBRに比べると、ポリプロピ
レンとの相溶性はやや劣るが、耐寒衝撃性の改善が期待
される。
ロック共重合体は、SEBSとソフトセグメントが同じ
であるが、ハードセグメントがスチレンに替えてエチレ
ン結晶相である点で異なり、耐ガソリン性の向上が期待
される。また、水素添加SBRに比べると、ポリプロピ
レンとの相溶性はやや劣るが、耐寒衝撃性の改善が期待
される。
【0017】エチレン・オクテンブロック共重合体やエ
チレン・αオレフィンブロック共重合体は、一般に単体
では溶融温度が100°C以下であり、ポリプロピレン
樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーの系に添加する
と、成形温度を下げてスチレン系熱可塑性エラストマー
の成形時の熱劣化をおさえる効果が期待できる。エチレ
ン・プロピレンランダム共重合体は、相溶性の良好なス
チレン系熱可塑性エラストマー、特に水素添加SBRに
比べてポリプロピレン樹脂との相溶性が劣るが、耐寒衝
撃性の改善が期待できる。
チレン・αオレフィンブロック共重合体は、一般に単体
では溶融温度が100°C以下であり、ポリプロピレン
樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーの系に添加する
と、成形温度を下げてスチレン系熱可塑性エラストマー
の成形時の熱劣化をおさえる効果が期待できる。エチレ
ン・プロピレンランダム共重合体は、相溶性の良好なス
チレン系熱可塑性エラストマー、特に水素添加SBRに
比べてポリプロピレン樹脂との相溶性が劣るが、耐寒衝
撃性の改善が期待できる。
【0018】また、エチレン単位を保有する熱可塑性樹
脂とは、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、あ
るいは線状低密度ポリエチレンからなる。
脂とは、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、あ
るいは線状低密度ポリエチレンからなる。
【0019】これらエチレン単位を保有する熱可塑性エ
ラストマーもしくは熱可塑性樹脂のMFRは、10以上
が好ましいが、これ未満であっても併用する他の樹脂や
エラストマーを高流動とすることによりある程度補うこ
とができる。上記エチレン単位を保有する熱可塑性エラ
ストマーもしくは熱可塑性樹脂の添加量は、ブロック化
したポリプロピレン樹脂100重量部あるいはブロック
化したポリプロピレン樹脂とスチレン系熱可塑性エラス
トマーとを混合したもの100重量部に対して、5〜5
0重量部である。
ラストマーもしくは熱可塑性樹脂のMFRは、10以上
が好ましいが、これ未満であっても併用する他の樹脂や
エラストマーを高流動とすることによりある程度補うこ
とができる。上記エチレン単位を保有する熱可塑性エラ
ストマーもしくは熱可塑性樹脂の添加量は、ブロック化
したポリプロピレン樹脂100重量部あるいはブロック
化したポリプロピレン樹脂とスチレン系熱可塑性エラス
トマーとを混合したもの100重量部に対して、5〜5
0重量部である。
【0020】しかして、本発明では、シリコンオイルが
室温粉砕を可能にしている。このシリコンオイルは直鎖
状ジメチルポリシロキサン、例えばジメチルシリコンオ
イル、メチルフェニルシリコンオイル、メチルハイドロ
ジエンシリコンオイル、アルキル変性シリコンオイル、
フッ素変性シリコンオイルが挙げられる。シリコンオイ
ルの粘度(分子量)は室温粉砕に大きな効果の差を与え
ている。とりわけ500cps以上、好ましくは500
〜数百万cpsにおいて室温粉砕の効果が良好であり、
粘度500cps未満では効果がなくなる。これは、樹
脂への混練時、低粘度であるシリコンオイルが非常に微
細に樹脂中に分散するので、樹脂を衝撃破壊するに要す
るエネルギーが低下しないためと考えられる。シリコン
オイルの添加量は、樹脂100重量部に対して0.3〜
5重量部であり、0.3重量部未満の場合には粉砕性の
効果がなくなり、一方5重量部を越えると、樹脂組成物
から粉末成形して得られた表皮材の機械的強度が低下
し、またシリコンオイルが表面に移行して表面のべたつ
き感が発生し、更には成形時に樹脂が変色する。
室温粉砕を可能にしている。このシリコンオイルは直鎖
状ジメチルポリシロキサン、例えばジメチルシリコンオ
イル、メチルフェニルシリコンオイル、メチルハイドロ
ジエンシリコンオイル、アルキル変性シリコンオイル、
フッ素変性シリコンオイルが挙げられる。シリコンオイ
ルの粘度(分子量)は室温粉砕に大きな効果の差を与え
ている。とりわけ500cps以上、好ましくは500
〜数百万cpsにおいて室温粉砕の効果が良好であり、
粘度500cps未満では効果がなくなる。これは、樹
脂への混練時、低粘度であるシリコンオイルが非常に微
細に樹脂中に分散するので、樹脂を衝撃破壊するに要す
るエネルギーが低下しないためと考えられる。シリコン
オイルの添加量は、樹脂100重量部に対して0.3〜
5重量部であり、0.3重量部未満の場合には粉砕性の
効果がなくなり、一方5重量部を越えると、樹脂組成物
から粉末成形して得られた表皮材の機械的強度が低下
し、またシリコンオイルが表面に移行して表面のべたつ
き感が発生し、更には成形時に樹脂が変色する。
【0021】熱安定剤としては、通常のポリオレフィン
に用いられるものが使用できる。一般的には、フェノー
ルとリン系の酸化防止剤を併用して使用するが、特に限
定されるものではない。光安定剤としては、ラジカル捕
捉剤であるヒンダードアミン、ベンゾトリアゾール系の
ものが使用されることもある。顔料は通常のオレフィン
系に適した有機、無機のものが使用される。更に、脂肪
酸金属塩等の滑剤や炭酸カルシウム、タルク等の充填剤
等が必要に応じて添加される。また、発泡剤や架橋剤も
添加することができる。
に用いられるものが使用できる。一般的には、フェノー
ルとリン系の酸化防止剤を併用して使用するが、特に限
定されるものではない。光安定剤としては、ラジカル捕
捉剤であるヒンダードアミン、ベンゾトリアゾール系の
ものが使用されることもある。顔料は通常のオレフィン
系に適した有機、無機のものが使用される。更に、脂肪
酸金属塩等の滑剤や炭酸カルシウム、タルク等の充填剤
等が必要に応じて添加される。また、発泡剤や架橋剤も
添加することができる。
【0022】これらの配合物の混合はV型ブレンダー、
タンブラー、ヘンシェルミキサー等を用いて行われる。
次いで、この混合物を二軸押出機等によって溶融混練し
てペレット化する。このペレットは冷凍加工せずに、タ
ーボミル、ピンミル、ハンマーミル等の衝撃型微粉砕機
を用いて微粉砕されるが、この時稼働している粉砕機内
の温度は0〜60°Cであり、衝撃型微粉砕機の稼働時
に発生する粉砕温度によって内部温度が高くなってい
る。粉砕されたものは篩い等によって粒径が少なくとも
500μm以下、好ましくは300μm以下のものを集
め、500μmを越えるものは再度粉砕される。
タンブラー、ヘンシェルミキサー等を用いて行われる。
次いで、この混合物を二軸押出機等によって溶融混練し
てペレット化する。このペレットは冷凍加工せずに、タ
ーボミル、ピンミル、ハンマーミル等の衝撃型微粉砕機
を用いて微粉砕されるが、この時稼働している粉砕機内
の温度は0〜60°Cであり、衝撃型微粉砕機の稼働時
に発生する粉砕温度によって内部温度が高くなってい
る。粉砕されたものは篩い等によって粒径が少なくとも
500μm以下、好ましくは300μm以下のものを集
め、500μmを越えるものは再度粉砕される。
【0023】このようにして得られた粉末成形に使用す
る粉末樹脂組成物が、充分な粉末流動性をもたない場合
には、型の複雑形状部に流れ込まずに欠損やピンホール
をもつシートを成形することになる。そのため、本発明
では、特に粉末樹脂組成物の中に流動性改良剤である炭
酸カルシウム、シリカ等の充填剤、あるいはステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩や脂
肪酸アミド、脂肪酸エステル等の滑剤、あるいは樹脂微
粉末等を添加することができる。尚、上記充填剤は粉末
スラッシュ成形時に溶融せずにそのまま残存するが、滑
剤と樹脂微粉末は溶融して粉末樹脂組成物中に取り込ま
れる。これらの流動性改良剤はペレットを粉砕した後に
ヘンシェルミキサー等の混合機によって加えるが、粉砕
前にペレットにまぶして粉砕してもよい。
る粉末樹脂組成物が、充分な粉末流動性をもたない場合
には、型の複雑形状部に流れ込まずに欠損やピンホール
をもつシートを成形することになる。そのため、本発明
では、特に粉末樹脂組成物の中に流動性改良剤である炭
酸カルシウム、シリカ等の充填剤、あるいはステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩や脂
肪酸アミド、脂肪酸エステル等の滑剤、あるいは樹脂微
粉末等を添加することができる。尚、上記充填剤は粉末
スラッシュ成形時に溶融せずにそのまま残存するが、滑
剤と樹脂微粉末は溶融して粉末樹脂組成物中に取り込ま
れる。これらの流動性改良剤はペレットを粉砕した後に
ヘンシェルミキサー等の混合機によって加えるが、粉砕
前にペレットにまぶして粉砕してもよい。
【0024】これらの添加物は粉末樹脂組成物の表面に
付着してコロの働きをするため、粉末の流動性を改良で
きる効果がある。しかし、上記添加物を多量に加える
と、シート成形体の機械的特性が低下するため、充填剤
と滑剤との添加量はブロック化したポリプロピレン樹脂
100重量部、あるいはブロック化したポリプロピレン
樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーとの混合物、ま
たはブロック化したポリプロピレン樹脂、スチレン系熱
可塑性エラストマー、エチレン単位を保有する熱可塑性
エラストマーもしくは樹脂との混合物100重量部に対
して2重量部未満である。
付着してコロの働きをするため、粉末の流動性を改良で
きる効果がある。しかし、上記添加物を多量に加える
と、シート成形体の機械的特性が低下するため、充填剤
と滑剤との添加量はブロック化したポリプロピレン樹脂
100重量部、あるいはブロック化したポリプロピレン
樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーとの混合物、ま
たはブロック化したポリプロピレン樹脂、スチレン系熱
可塑性エラストマー、エチレン単位を保有する熱可塑性
エラストマーもしくは樹脂との混合物100重量部に対
して2重量部未満である。
【0025】次いで、流動性の調節された粉末樹脂組成
物を用いて粉末スラッシュ成形を行う。この成形では粉
末樹脂組成物の融点以上に加熱された型にこれを主とし
て重力で落下させて投入し、一定時間経過後に型を反転
し、余分の粉末樹脂組成物を回収箱に集める。型表面に
は粉末樹脂組成物が層となって付着しており、時間経過
とともに溶融してスキン層が形成される。そして、型を
冷却してスキン層を脱型するものであり、これが繰り返
し行われる。
物を用いて粉末スラッシュ成形を行う。この成形では粉
末樹脂組成物の融点以上に加熱された型にこれを主とし
て重力で落下させて投入し、一定時間経過後に型を反転
し、余分の粉末樹脂組成物を回収箱に集める。型表面に
は粉末樹脂組成物が層となって付着しており、時間経過
とともに溶融してスキン層が形成される。そして、型を
冷却してスキン層を脱型するものであり、これが繰り返
し行われる。
【0026】型の加熱方法としては、オイル循環あるい
は熱風炉へ入れる方法が一般的である。オイル循環はパ
イプ配管配置により型温度調整が容易であるが、型面か
らのみ加熱される。一方、熱風炉を用いると、型面およ
び成形物裏面の両面からの加熱が可能であるが、生産性
を考慮して熱風を300°C以上に設定することが多い
ため、成形物裏面の熱酸化劣化を起こさないように処方
や条件を配慮する必要がある。熱風方式は、粉末スラッ
シュ成形を多層(2ないし3)に行う時に有効である。
即ち、加熱された型に最外層となる1回目の粉末をスラ
ッシュ成形し、半溶融状態で2回目の粉末を付着させ、
そして必要なら3回目もスラッシュ成形し、その後加熱
溶融する。この場合、型面側のみからの加熱では、熱伝
達が不充分なので成形物裏面からの加熱も可能な熱風炉
方式が用いられることが多い。
は熱風炉へ入れる方法が一般的である。オイル循環はパ
イプ配管配置により型温度調整が容易であるが、型面か
らのみ加熱される。一方、熱風炉を用いると、型面およ
び成形物裏面の両面からの加熱が可能であるが、生産性
を考慮して熱風を300°C以上に設定することが多い
ため、成形物裏面の熱酸化劣化を起こさないように処方
や条件を配慮する必要がある。熱風方式は、粉末スラッ
シュ成形を多層(2ないし3)に行う時に有効である。
即ち、加熱された型に最外層となる1回目の粉末をスラ
ッシュ成形し、半溶融状態で2回目の粉末を付着させ、
そして必要なら3回目もスラッシュ成形し、その後加熱
溶融する。この場合、型面側のみからの加熱では、熱伝
達が不充分なので成形物裏面からの加熱も可能な熱風炉
方式が用いられることが多い。
【0027】
【実施例】次に、本発明を具体的な実施例により更に詳
細に説明する。 実施例1〜4、比較例1〜2 表1に示すシリコンオイルを除く配合物をタンブラーで
混合した。ベント口をもつ二軸押出機(池貝鉄鋼社製、
PCM45)を用い、混合した樹脂をホッパーへ供給
し、200°Cで押出してペレット化した。この際、シ
リコンオイルは定量ポンプを用いてベント口より注入し
て混練押出しすることによって、シリコンオイルを混合
した樹脂ペレットを得た。使用したシリコンオイルは、
東レ・ダウ社製のSH−200を用いた。また、高粘度
シリコンオイルの添加は、東レ・ダウ社製のポリプロピ
レン樹脂マスターバッチ品(シリコンオイル含量50重
量%)BY27−001を使用し、原料樹脂、添加剤と
ともにタンブラーで混合し、ホッパーより供給した。
細に説明する。 実施例1〜4、比較例1〜2 表1に示すシリコンオイルを除く配合物をタンブラーで
混合した。ベント口をもつ二軸押出機(池貝鉄鋼社製、
PCM45)を用い、混合した樹脂をホッパーへ供給
し、200°Cで押出してペレット化した。この際、シ
リコンオイルは定量ポンプを用いてベント口より注入し
て混練押出しすることによって、シリコンオイルを混合
した樹脂ペレットを得た。使用したシリコンオイルは、
東レ・ダウ社製のSH−200を用いた。また、高粘度
シリコンオイルの添加は、東レ・ダウ社製のポリプロピ
レン樹脂マスターバッチ品(シリコンオイル含量50重
量%)BY27−001を使用し、原料樹脂、添加剤と
ともにタンブラーで混合し、ホッパーより供給した。
【0028】
【表1】
【0029】樹脂ペレットの粉砕は、衝撃型微粉砕機で
あるターボミルT250−4J(ターボ工業社製)を用
いた。粉砕の難易評価(粉砕性)は粉砕機の負荷電流1
9〜20A時の粉砕早さ(1kgの樹脂ペレットを粉砕
するのに要する時間)と、粉砕品の粒度を振動篩で分級
し、500μm以下に粉砕されている割合で評価した。
その結果を表2に示す。
あるターボミルT250−4J(ターボ工業社製)を用
いた。粉砕の難易評価(粉砕性)は粉砕機の負荷電流1
9〜20A時の粉砕早さ(1kgの樹脂ペレットを粉砕
するのに要する時間)と、粉砕品の粒度を振動篩で分級
し、500μm以下に粉砕されている割合で評価した。
その結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】これによると、エチレンとのランダム、ブ
ロック共重合体にもかかわらず、シリコンオイルを含ま
ないポリプロピレン樹脂単独では室温で粉砕することが
困難であり、シリコンオイルを高粘度化し、そして増量
するにつれて、粉砕性は良好になる。また、ブロック共
重合体の粉砕性は、ランダム共重合体に比べて良好であ
ることが判る。そして、ブロック共重合体のポリプロピ
レン樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーおよびエチ
レン単位を保有する熱可塑性エラストマーの混合体であ
っても、シリコンオイルの添加による粉砕性の改善が認
められる。
ロック共重合体にもかかわらず、シリコンオイルを含ま
ないポリプロピレン樹脂単独では室温で粉砕することが
困難であり、シリコンオイルを高粘度化し、そして増量
するにつれて、粉砕性は良好になる。また、ブロック共
重合体の粉砕性は、ランダム共重合体に比べて良好であ
ることが判る。そして、ブロック共重合体のポリプロピ
レン樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーおよびエチ
レン単位を保有する熱可塑性エラストマーの混合体であ
っても、シリコンオイルの添加による粉砕性の改善が認
められる。
【0032】次に、上記粉末樹脂組成物を用いて粉末ス
ラッシュ成形を行った。この粉末スラッシュ成形の方法
としては、まず電鋳型(150mm×150mm×2m
m)を300°Cに加熱したオーブン中で予熱し、オー
ブンから取り出して型温が250°Cになった時点で上
記粉末樹脂組成物300gを一度に落とし型表面を覆っ
た。そして、10秒間静置した後に型を反転して余分の
粉末を落とし、型をオーブンに戻して90秒間キュアー
した後、型をオーブンから取り出して水中にしずめて急
冷して、シートを脱型した。シートの厚みは1mm前後
であった。尚、比較例では、シリコンオイルを添加して
いない配合物からなるペレットを液体窒素に浸し、これ
をターボミルT250−4Jを用いて粉砕したものを使
用した。
ラッシュ成形を行った。この粉末スラッシュ成形の方法
としては、まず電鋳型(150mm×150mm×2m
m)を300°Cに加熱したオーブン中で予熱し、オー
ブンから取り出して型温が250°Cになった時点で上
記粉末樹脂組成物300gを一度に落とし型表面を覆っ
た。そして、10秒間静置した後に型を反転して余分の
粉末を落とし、型をオーブンに戻して90秒間キュアー
した後、型をオーブンから取り出して水中にしずめて急
冷して、シートを脱型した。シートの厚みは1mm前後
であった。尚、比較例では、シリコンオイルを添加して
いない配合物からなるペレットを液体窒素に浸し、これ
をターボミルT250−4Jを用いて粉砕したものを使
用した。
【0033】上記ペレットのMFR、成形シートの硬
度、引張強さ、伸び、低温ぜい化点、耐ガソリン性の評
価を下記の方法で行った。得られた結果を表3に示す。
MFRはペレットをJIS K7210により230°
C、2.16kgf荷重で測定した。硬度はスラッシュ
成形で得られたシートを6枚重ねて、これをJISA硬
度計で測定した。
度、引張強さ、伸び、低温ぜい化点、耐ガソリン性の評
価を下記の方法で行った。得られた結果を表3に示す。
MFRはペレットをJIS K7210により230°
C、2.16kgf荷重で測定した。硬度はスラッシュ
成形で得られたシートを6枚重ねて、これをJISA硬
度計で測定した。
【0034】引張強さおよび伸びは、スラッシュ成形で
得られたシートをJIS3号ダンベルで打ち抜き、引張
速度200mm/分で測定した。低温ぜい化点は、スラ
ッシュ成形で得られたシートをJISK7216A型試
験片に打ち抜き、JISK7216に準じて試験片の5
0%破壊する温度で求めた。耐ガソリン性はスラッシュ
成形で得られたシート上にスポイドでガソリンを一滴落
とし、3時間経過後、布で拭き取って斑点の有無を判定
した。
得られたシートをJIS3号ダンベルで打ち抜き、引張
速度200mm/分で測定した。低温ぜい化点は、スラ
ッシュ成形で得られたシートをJISK7216A型試
験片に打ち抜き、JISK7216に準じて試験片の5
0%破壊する温度で求めた。耐ガソリン性はスラッシュ
成形で得られたシート上にスポイドでガソリンを一滴落
とし、3時間経過後、布で拭き取って斑点の有無を判定
した。
【0035】
【表3】
【0036】この結果より、本実施例では、常温で粉砕
ができ、しかも粉末樹脂組成物の溶融流動性が良く、し
かもブロック共重合体のポリプロピレン樹脂とスチレン
系熱可塑性エラストマーおよびエチレン単位を保有する
熱可塑性エラストマーの混合体のスラッシュ成形で得ら
れたシートでは、柔軟性に富み、しかも引張強さ、伸
び、低温ぜい化点に優れ、また耐ガソリン性も良好であ
ることが判る。
ができ、しかも粉末樹脂組成物の溶融流動性が良く、し
かもブロック共重合体のポリプロピレン樹脂とスチレン
系熱可塑性エラストマーおよびエチレン単位を保有する
熱可塑性エラストマーの混合体のスラッシュ成形で得ら
れたシートでは、柔軟性に富み、しかも引張強さ、伸
び、低温ぜい化点に優れ、また耐ガソリン性も良好であ
ることが判る。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明の粉末成形に使用
する粉末樹脂組成物の製造方法では、常温で衝撃型微粉
砕機によって粉砕ができるため、粉砕費用を大きく低減
することができ、しかもシリコンオイルの添加量も0.
3〜5重量部であるため、粉末スラッシュ成形に必要な
溶融流動性に優れ、この粉末樹脂組成物から得られた成
形体の物性も低下しない効果があり、またエチレン単位
を保有する熱可塑性エラストマーを添加することにより
耐ガソリン性、低温ぜい化点が改良される効果がある。
する粉末樹脂組成物の製造方法では、常温で衝撃型微粉
砕機によって粉砕ができるため、粉砕費用を大きく低減
することができ、しかもシリコンオイルの添加量も0.
3〜5重量部であるため、粉末スラッシュ成形に必要な
溶融流動性に優れ、この粉末樹脂組成物から得られた成
形体の物性も低下しない効果があり、またエチレン単位
を保有する熱可塑性エラストマーを添加することにより
耐ガソリン性、低温ぜい化点が改良される効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 83:04) 審査官 一色 由美子 (56)参考文献 特開 平7−173366(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/00 - 23/26 C08L 25/00 - 25/18 C08L 53/00 - 53/02 C08L 83/00 - 83/16 C08J 3/12
Claims (7)
- 【請求項1】 ポリオレフィン樹脂100重量部に、粘
度500cps以上のシリコンオイルを0.3〜5重量
部添加し混合したものを0〜60°Cで衝撃型微粉砕機
によって粉砕することを特徴とする粉末成形に使用する
粉末樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項2】 ポリオレフィン樹脂とスチレン系熱可塑
性エラストマーとを重量比80/20〜20/80の割
合で混合したもの100重量部に、粘度500cps以
上のシリコンオイルを0.3〜5重量部添加し混合した
ものを0〜60°Cで衝撃型微粉砕機によって粉砕する
ことを特徴とする粉末成形に使用する粉末樹脂組成物の
製造方法。 - 【請求項3】 ポリオレフィン樹脂がポリプロピレン、
そしてポリエチレンから選ばれる請求項1または2記載
の粉末成形に使用する粉末樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項4】 ポリオレフィン樹脂がプロピレンとα−
オレフィンとのブロック共重合体である請求項1または
2記載の粉末成形に使用する粉末樹脂組成物の製造方
法。 - 【請求項5】 スチレン系熱可塑性エラストマーがスチ
レン含量20重量%以下のスチレン・エチレンブチレン
・スチレンブロック共重合体、スチレン含量20重量%
以下のスチレン・エチレンプロピレン・スチレンブロッ
ク共重合体、そしてスチレン含量20重量%以下の水素
添加スチレンブタジエンゴムから選ばれてなる請求項2
記載の粉末成形に使用する粉末樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項6】 ポリオレフィン樹脂100重量部あるい
は該ポリオレフィン樹脂とスチレン系熱可塑性エラスト
マーとを重量比80/20〜20/80の割合で混合し
たもの100重量部に、エチレン単位を保有する熱可塑
性エラストマーもしくは上記ポリオレフィン樹脂を包含
しないエチレン単位を保有する熱可塑性樹脂を5〜50
重量部、粘度500cps以上のシリコンオイルを0.
3〜5重量部添加し混合したものを0〜60°Cで粉砕
することを特徴とする粉末成形に使用する粉末樹脂組成
物の製造方法。 - 【請求項7】 プロピレンとα−オレフィンとのブロッ
ク共重合体とスチレン系熱可塑性エラストマーとを重量
比80/20〜20/80の割合で混合したもの100
重量部に、エチレン単位を保有する熱可塑性エラストマ
ーもしくは上記プロピレンとα−オレフィンとのブロッ
ク共重合体を包含しないエチレン単位を保有する熱可塑
性樹脂を5〜50重量部、粘度500cps以上のシリ
コンオイルを0.3〜5重量部添加し混合したものを衝
撃型微粉砕機により0〜60°Cで粉砕することを特徴
とする粉末成形に使用する粉末樹脂組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24380295A JP2935341B2 (ja) | 1995-08-28 | 1995-08-28 | 粉末成形に使用する粉末樹脂組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24380295A JP2935341B2 (ja) | 1995-08-28 | 1995-08-28 | 粉末成形に使用する粉末樹脂組成物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0959437A JPH0959437A (ja) | 1997-03-04 |
JP2935341B2 true JP2935341B2 (ja) | 1999-08-16 |
Family
ID=17109168
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24380295A Expired - Fee Related JP2935341B2 (ja) | 1995-08-28 | 1995-08-28 | 粉末成形に使用する粉末樹脂組成物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2935341B2 (ja) |
-
1995
- 1995-08-28 JP JP24380295A patent/JP2935341B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0959437A (ja) | 1997-03-04 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |