JP2004231818A - 粉体成形用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造が容易で、改善された耐摩耗性ならびにポリウレタン発泡体との接着性に優れた成形品を与える粉体成形用樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】(1)(a)ポリプロピレン樹脂20〜80重量%と、(b)オレフィン系熱可塑性エラストマー80〜20重量%とからなるポリプロピレン樹脂組成物20〜80重量部と、(2)芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体の水素化物80〜20重量部((1)と(2)の合計は100重量部である。)と、(3)芳香族変性テルペン樹脂を(1)と(2)の合計量100重量部に対して1〜50重量部と、(4)変性シリコーンオイルを(1)と(2)の合計100重量部に対して0.1〜30重量部とを含んでなる粉体成形用樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体成形用樹脂組成物に関し、詳しくは、耐摩耗性およびポリウレタン発泡体との接着性に優れた粉体成形品を与える粉体成形用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のインストルメントパネル、コンソールボックス、ドアトリム、グローブボックスなどの内装品の表皮材は、従来ほとんど軟質塩化ビニル樹脂成形品が使用されてきた。
ところが、最近は、廃品の焼却時に塩化水素を発生することがなく、しかもリサイクル利用の容易なオレフィン系樹脂をベースとする成形品が望まれるようになっている。そのため各種オレフィン系樹脂組成物が粉体成形用材料として提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。しかし、これらによると、得られる成形品は、概して耐光性が悪く、また、従来の軟質塩化ビニル樹脂ほどの柔軟性がなく、軟化剤を添加すると成形品表面にブリードが生じてべたつくという問題があった。
【0003】
一方、結合スチレン量が20〜50重量%で特定範囲の数平均分子量を有するスチレンとブタジエンのSBS型ブロック共重合体(S:ポリスチレン、B:ポリブタジエン)の水素化物(SEBS)を含む組成物が、自動車内装品の表皮などの粉体成形用材料として好適であることが報告されている(特許文献3参照)。さらに、上記の水素化物を用いた成形品の耐熱性を改良するためにポリプロピレン樹脂(PP)を配合する方法(特許文献4参照)、さらにポリオレフィンを配合する方法(特許文献5参照)などが提案されている。
【0004】
ところで、かかる粉体成形用組成物を粉体成形してなる成形品を自動車のインストルメントパネルなどの内装品の表皮として使用する場合には、該成形品はポリウレタン発泡体で裏打ちされた積層体として一般に使用されている。しかしながら、従来の粉体成形用組成物を用いると、ポリウレタン発泡体との接着性に難があり、接着性を一層高める必要があった。また、季節によっては自動車の車内温度が高温になることもあり、表皮材には室温および高温での耐摩耗性が要求されるが、必ずしも充分とはいえず改良が必要であった。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−226763号公報
【特許文献2】
特開平7−178742号公報
【特許文献3】
特開平5−279484号公報
【特許文献4】
特開平7−82433号公報
【特許文献5】
特開2000−336219公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の状況に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、製造が容易で、改善された耐摩耗性ならびにポリウレタン発泡体との接着性に優れた成形品を与える粉体成形用樹脂組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく検討した結果、ポリプロピレン樹脂とオレフィン系熱可塑性エラストマーからなるポリプロピレン樹脂組成物と、SEBSに代表される芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体の水素化物とを組み合せて特定量を配合し、さらに、これらに特定量の芳香族変性テルペン樹脂と変性シリコーンオイルとを配合することにより、得られる粉体成形品は室温および高温での耐摩耗性に優れ、ポリウレタン発泡体との接着性も改良されることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
【0008】
かくして本発明によれば、(1)(a)ポリプロピレン樹脂20〜80重量%と、(b)オレフィン系熱可塑性エラストマー80〜20重量%とからなるポリプロピレン樹脂組成物20〜80重量部と、(2)芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体の水素化物80〜20重量部((1)と(2)の合計は100重量部である。)と、(3)芳香族変性テルペン樹脂を(1)と(2)の合計量100重量部に対して1〜50重量部と、(4)変性シリコーンオイルを(1)と(2)の合計100重量部に対して0.1〜30重量部とを含んでなる粉体成形用樹脂組成物が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明で使用するポリプロピレン樹脂組成物(1)は、(a)ポリプロピレン樹脂20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%と、(b)オレフィン系熱可塑性エラストマー80〜20重量%、好ましくは70〜30重量%(但し、(a)と(b)の合計は100重量%である。)からなるものである。ポリプロピレン樹脂が少なすぎると耐熱性が低下し、多すぎると脱型時に折れ皺が生じ易くなる。
【0010】
本発明で使用する(a)ポリプロピレン樹脂は、特に限定されないが、プロピレン単独重合体(結晶性)またはプロピレン50重量%以上と炭素数2〜12の他のα−オレフィンとの共重合体が好ましい。ここで、プロピレンと炭素数2〜12のα−オレフィンとの共重合体には、ランダム共重合体、交互共重合体ならびにリニアおよびラジアルのブロック共重合体が含まれる。上記α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、オクテン−1などが挙げられる。
【0011】
上記(a)ポリプロピレン樹脂のメルトフローレート(以下、MFRと記す。)は特に限定されないが、JlS K7210によるMFR(荷重2.16kg、測定温度230℃、単位はg/10minである。)が5以上のものが好ましく、MFRが20以上のものがより好ましい。ポリプロピレン樹脂のMFRが小さすぎると、溶融性が低下し、成形品にピンホールが発生し易くなる恐れがある。
【0012】
本発明で使用する(b)オレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントにポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンを用い、ソフトセグメントにエチレン−プロピレンゴムなどのポリオレフィン系ゴムを用いた、通常TPOまたはTPEと呼ばれるものである。
【0013】
例えば、EPR(エチレン−プロピレン共重合ゴム)やEPDM(エチレン−プロピレン−非共役ジエンモノマー三元共重合ゴム)と、PPやPP/PE(ポリエチレン)をブレンドしたもの;上記のブレンドをPPやPP/PEの溶融下にEPDMなどを架橋させるいわゆる動的架橋によってPPなどのマトリックス相中にEPDMなどを分散させたもの(エラストマーアロイ);リアクターTPOと称される、PPの重合に引き続きプロピレンとエチレンを共重合させて得られるエチレン/プロピレン共重合体ブロック成分(EPR成分)が多いプロピレン系ブロック共重合体;などが挙げられる。これらはいずれも市販品があり、入手可能である。なかでもプロピレン系ブロック共重合体(リアクターTPO)が好ましく、例えば、トクヤマ(株)製P.E.R.として市販されているものを入手して使用することができる。
【0014】
前記プロピレン系ブロック共重合体(リアクターTPO)のエチレン/プロピレン共重合体ブロック成分(EPR成分)とポリプロピレンブロック成分(PP成分)の割合は、PP成分が1〜40重量%、好ましくは5〜20重量%であり、EPR成分が60〜99重量%、好ましくは80〜95重量%である。また、EPR成分はエチレンとプロピレンのランダム共重合体からなり、通常、エチレンに基づく単量体単位の割合が10〜40モル%、好ましくは15〜35モル%である。さらに、プロピレン系ブロック共重合体の分子量は、135℃、テトラリン溶媒中で測定した極限粘度として6〜30dl/gが好ましく、さらに好ましくは10〜20dl/gである。プロピレン系ブロック共重合体の極限粘度が6dl/g未満では、弾性変形後の回復性が損なわれ、30dl/gを超えると溶融時の流動性が低下し、粉体成形が困難となる。
【0015】
本発明で使用する芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体の水素化物(2)は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物の少なくとも1種と、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンなどの共役ジエンの少なくとも1種とを、ランダムあるいはブロック共重合させて得られるランダム共重合体またはブロック共重合体の共役ジエン単位を水素化して得られるものである。なかでも好ましいのは、ブロック共重合体の水素化物である。
【0016】
上記のランダム共重合体としてはスチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ブロック共重合体としてはABA型のリニアおよびラジアルブロック共重合体(Aはポリスチレン、Bはポリブタジエンまたはポリイソプレン)が好ましい。
【0017】
上記のブロック共重合体の水素化物としては、SEBS、SEPSと称されるものが挙げられる。これらの水素化物は、通常、重合体鎖中の不飽和二重結合の80モル%以上、好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上が水素化されたものである。
芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体の水素化物中の芳香族ビニル化合物単位の含有量(以下では結合芳香族ビニル量ということがある。)は、通常、5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%である。結合芳香族ビニル量が少なすぎると粉体成形の際にブロッキングが生じ易く、多すぎると成形品の硬度が増大する恐れがある。
【0018】
上記の(1)ポリプロピレン樹脂組成物と(2)芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体の水素化物との使用割合は、(1)が20〜80重量部、好ましくは30〜70重量部、(2)が80〜20重量部、好ましくは70〜30重量部(但し(1)と(2)の合計は100重量部である。)である。(1)ポリプロピレン樹脂組成物が少なすぎると溶融性が低下し、多すぎると折れ皺が生じ易く、また成形品の耐傷付性が低下する傾向がある。
【0019】
本発明の粉体成形用樹脂組成物には、上記の(1)、(2)の重合体成分にさらに、(3)芳香族変性テルペン樹脂と、(4)変性シリコーンオイルが配合される。
本発明で使用する芳香族変性テルペン樹脂は、天然または合成のテルペン化合物(α−ピネン、β−ピネン、リモネン(ジペンテン)など)をスチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族モノマーと共重合して得られたものをいう。また、該芳香族変性テルペン樹脂は、それを水素添加処理して得られた水素化物であってもよい。本発明においては従来公知の芳香族変性テルペン樹脂がいずれも使用でき、特に限定されないが、スチレン変性テルペン樹脂が好ましく用いられる。
【0020】
芳香族変性テルペン樹脂(3)は、前記の重合体成分(1)と(2)の合計100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは5〜30重量部の割合で使用される。使用量が少なすぎると粉体成形品とポリウレタン発泡体との接着性が不充分となり、多すぎると芳香族変性テルペン樹脂の分子量によっては成形品を装着した車輛の室内温度が高くなった場合、揮発成分によって窓ガラスを曇らせるフォギングが生じる恐れがある。
【0021】
本発明で使用する変性シリコーンオイル(4)は、ポリシロキサンに官能基を導入したシリコーンオイルである。官能基の導入部位は特に限定されないが、ポリシロキサンの側鎖、両末端、側鎖と両末端の両方および片末端に導入したものの4種に大別される。導入される官能基としては、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基のいずれか1種または2種が挙げられる。本発明においては、市販の種々の変性シリコーンオイルを入手して使用することができる。代表的な変性シリコーンオイルの化学構造を一般式(1)〜(4)に示すが、これらに限定されるものではない。好ましい官能基は水酸基、(メタ)アクリロイル基である。変性シリコーンオイルの分子量は、とくに限定されないが、通常1,000〜30,000程度である。
【0022】
Figure 2004231818
Figure 2004231818
【0023】
変性シリコーンオイル(4)は、前記の重合体成分(1)と(2)の合計100重量部に対して、0.1〜30重量部、好ましくは1〜5重量部の割合で使用される。変性シリコーンオイルの使用割合が少なすぎると粉体成形品の耐摩耗性が劣り、多すぎると粉体成形品表面にブリードし、ポリウレタン発泡体との接着性を低下させる恐れがある。
【0024】
本発明の粉体成形用樹脂組成物には、所望により各種添加剤を配合することができる。例えば、成形時の脱型性向上および粉体貯蔵時のブロッキング防止のために、バリウムステアレート、カルシウムステアレート、マグネシウムステアレート、亜鉛ステアレート、アルミニウムステアレートなどの金属石鹸類、多価アルコールの脂肪酸エステル類を添加することができる。その他の添加剤として、公知の各種安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料などを添加することができる。また、公知の可塑剤もべたついたり、粉体成形性を損なわない範囲で添加することができる。
【0025】
さらに、本発明の趣旨が損なわれない範囲で、上記の重合体成分(1)、(2)以外の重合体を併用することもできる。このような重合体としては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)、エチレン−酢酸ビニル樹脂(EVA樹脂)、ノルボルネン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブタジエン樹脂などが挙げられる。さらに、スチレンなどの芳香族ビニル化合物とエチレン、プロピレンなどのα−オレフィンを特開平3−7705号公報、特開平7−70223号公報や特開平10−168112号公報などに記載の方法で共重合させて得られる芳香族ビニル化合物−α−オレフィン共重合体などが挙げられる。これらの他の重合体の使用量は、本発明の樹脂組成物中40重量%以下、好ましくは30重量%以下の範囲である。
【0026】
本発明の粉体成形用樹脂組成物は、前記の各成分が前記の割合で含まれている限り、製造方法は特に限定されるものではない。また、使用する各重合体成分の形態や形状なども特に制限されない。製造方法としては、例えば、全重合体成分を一括して混合機に投入して混合し、次いで芳香族変性テルペン樹脂および変性シリコーンオイルと混合する方法;先ずポリプロピレン樹脂組成物を、ロール、一軸あるいは二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーなどの通常の混合機を用いて調製し、これと芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体の水素化物とを上記と同様にして混合し、さらに残りの成分と混合して製造する方法;などが挙げられる。
【0027】
本発明の粉体成形用樹脂組成物は、粉末状で使用される。粉体成形用樹脂組成物を粉末にするには、ターボミル、ローラミル、ボールミル、遠心力粉砕機、パルベライザーなどの従来公知の粉砕機を用いて粉砕することにより、粉体流動性に優れた粉末状樹脂組成物を調製することができる。粉末の平均粒径は、通常、50〜500μm、好ましくは100〜300μmの範囲である。この平均粒径が小さすぎると粉砕工程の効率が悪い上に貯蔵時に凝集しやすく、逆に大きすぎると、成形品のキメが荒くなり、厚さの薄い成形品の場合にはピンホールが発生し易くなる。
【0028】
このような本発明の粉体成形用樹脂組成物は、粉体スラッシュ成形、流動浸漬成形または粉体回転成形などの種々の粉体成形方法に適用でき、特にインストルメントパネル、ヘッドレスト、コンソールボックス、ドアトリム、アームレストなどの自動車内装品の表層用の粉体成形用材料として好適に使用することができる。特に、ポリウレタン発泡体と積層される成形品の表層用の粉体成形用材料として好適である。
【0029】
【実施例】
以下に実施例と比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、部数および%は特に断りのない限り重量基準である。また、試験方法は下記のとおりである。
【0030】
(1)ポリウレタン発泡体との接着性
粉体成形用樹脂組成物を用いて常法に従ってスラッシュ成形して作製した厚さ1mmのシート状成形品から145×200mmの試験片を切り取り、試験片を内寸147(縦)×217(横)×10(深さ)mmのアルミ製金型(蓋付き)に入れ、発泡ポリウレタン形成液(ポリメリックMDI(4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、官能基数2.7)16g、ポリエーテルポリオール(3官能性、水酸基価50)(トリエチレンジアミン1.0%、水1.6%を含む)31.4gの混合物)を注ぎ、金型を密閉する。金型を常温で10分放置した後、金型からポリウレタン発泡層が積層した試験片を取り出し、試験片を発泡層から剥し、凝集破壊した発泡層の面積を測り、試験片の全面積に占める割合を求める。この割合が大きいほど接着性は良好である。接着性を下記のように表示する。
○:90〜100%
△:80%〜90%未満
×:80%未満
【0031】
(2)耐摩耗性(耐平面摩耗性)
上記(1)と同様にして切り取った30×80mmの試験片を、往復移動可能なテーブル上に載置し、幅20mmの鋼製摩擦子(金巾3号を4枚重ねて被覆したもの)を試験片上に載せ、これに2.5kgfの荷重を掛け、テーブルを60サイクル/分の速さで5往復させて試験片の表面を擦りその時の試験片の表面の白化度合いを観察した。この試験は、試験片の表面温度が23℃と60℃の場合について行なった。結果を以下のように表示する。
○:白化しない
△:わずかに白化する
×:白化する
【0032】
実施例1、2、比較例1〜4
表1に示す種類および量の各成分を二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35B)により混練し、ペレット化した後、ターボミルにて粉砕し、粉末状の粉体成形用樹脂組成物をそれぞれ得た。得られた各粉末状樹脂組成物を用い、スラッシュ成形して得られたシートを用いてポリウレタン発泡体との接着性および耐摩耗性(耐平面摩耗性)を評価した。結果を表1に示す。
【0033】
Figure 2004231818
【0034】
(注)(1)サンアロマー社製 PM940M(MFR=30)
(2)トクヤマ社製 P.E.R.M142E(リアクターTPO)
(3)旭化成社製 タフテックH1221(結合スチレン量12%)
(4)ヤスハラケミカル社製 クリアロンK110
(5)ヤスハラケミカル社製 YSレジン PX1150
(6)GE東芝シリコーン社製 XF−42−B0970
(7)チッソ社製 サイラプレーンFM−0725
(8)東レ・ダウ・コーニングシリコーン社製 SH−200
【0035】
表1からPP樹脂組成物とSEBSとの混合物にスチレン変性テルペン樹脂および変性シリコーンオイルを本発明で規定される量比で配合した場合は、ポリウレタン発泡体との接着性および耐摩耗性が良好であることが分かる(実施例1、2)。
これに対して、スチレン変性テルペン樹脂だけを配合した場合には、耐平面摩耗性は改善されない(比較例1)。また、変性シリコーンオイルだけを配合した場合には、ポリウレタン発泡体との接着性は改善されない(比較例4)。スチレン変性テルペン樹脂に代えて未変性テルペン樹脂を用いた場合、変性シリコーンオイルに代えて未変性シリコーンオイル(ジメチルシリコーンオイル)を用いた場合は、ポリウレタン発泡体との接着性に劣る(比較例2、3)。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、ポリウレタン発泡体との接着性に優れ、耐摩耗性にも優れた粉体成形品が得られる粉体成形用樹脂組成物が提供される。

Claims (4)

  1. (1)(a)ポリプロピレン樹脂20〜80重量%と、(b)オレフィン系熱可塑性エラストマー80〜20重量%とからなるポリプロピレン樹脂組成物20〜80重量部と、(2)芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体の水素化物80〜20重量部((1)と(2)の合計は100重量部である。)と、(3)芳香族変性テルペン樹脂を(1)と(2)の合計量100重量部に対して1〜50重量部と、(4)変性シリコーンオイルを(1)と(2)の合計100重量部に対して0.1〜30重量部とを含んでなる粉体成形用樹脂組成物。
  2. オレフィン系熱可塑性エラストマーが、プロピレン系ブロック共重合体である請求項1に記載の粉体成形用樹脂組成物。
  3. 芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体の水素化物が、芳香族ビニル化合物と共役ジエンとのブロック共重合体の水素化物である請求項1に記載の粉体成形用樹脂組成物。
  4. 芳香族変性テルペン樹脂が、スチレン変性テルペン樹脂である請求項1に記載の粉体成形用樹脂組成物。
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