JP2002265535A - 重合性単量体 - Google Patents

重合性単量体

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JP2002265535A
JP2002265535A JP2001293991A JP2001293991A JP2002265535A JP 2002265535 A JP2002265535 A JP 2002265535A JP 2001293991 A JP2001293991 A JP 2001293991A JP 2001293991 A JP2001293991 A JP 2001293991A JP 2002265535 A JP2002265535 A JP 2002265535A
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Yoshimune Aosaki
義宗 青▲嵜▼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸着剤を使用せず、高い重合性を保持し、簡
便に下記一般式(1)で表される化合物を除去する方法
を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表されるフェノール
誘導体が重合性単量体の高分子構造を形成する重合反応
に大きく影響を与えることを見出し、アルカリ洗浄によ
り一般式(1)及び一般式(4)で表される不純物量を
簡便に低減させる。 【化1】 【化2】 (式中、置換基R1からR3は、水素原子、アルキル基、
OH基を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合性単量体、及
びその精製法に関する。この重合性単量体は、機能性モ
ノマーやイオン交換樹脂、イオン交換膜、イオン交換繊
維の原料として使用される。本発明により、重合性に優
れた機能性重合性単量体を提供するばかりでなく、高分
子量の重合体を得ることができる。
【0002】
【従来の技術】特開平9−255730号公報や特開2
000−229982号公報で、グリニャール反応を用
いたハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造法の技術が
公開されている。このグリニャール反応を用いた反応
で、ビニルフェノールが一部生成することが既に報告さ
れている。例えば、特開平9−255730号公報の中
では、一般式(1)で表される重合性単量体を含むヒド
ロキシアルキルスチレン誘導体の含有率が1重量%未満
であるとき、イオン交換樹脂の製品の外観が向上するこ
とを公開している。併せて、一般式(1)で表されるフ
ェノール誘導体を吸着剤で処理する重合性単量体の精製
方法も公知である。しかしながら、上記発明では煩雑な
操作である吸着剤による精製工程が必要である。この結
果一般式(2)で表される重合性単量体も吸着/保持さ
れ、重合性単量体の回収率が10%から25%も低下す
るという問題がある。その他、精製に用いた吸着剤の廃
棄物の発生等、環境への負荷も大きな問題であった。
【0003】本発明者らは、一般式(1)または一般式
(4)で表される化合物は、ベンゼン環にビニル基が直
接置換しているため、重合抑制作用が強く現れることを
見出した。そして、高い重合性を得るためにはこれらフ
ェノール誘導体を、従来知られている値よりも遙かに少
なくする必要があることを見出した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような吸着剤を
使用せず、高い重合性を保持し、簡便に一般式(1)で
表される化合物を除去する方法を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため鋭意検討を重ねた結果、一般式(1)で
表されるフェノール誘導体が重合性単量体の高分子構造
を形成する重合反応に大きく影響を与えることを見出
し、アルカリ洗浄により一般式(1)及び一般式(4)
で表される不純物量を簡便に低減させることを見出し
た。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明中は、一般式(1)で示されるフェノール
誘導体を含有し、その含有率が、全重合性単量体あたり
500ppm以下であることを特徴とする一般式(2)
で表される重合性単量体に存する。
【0007】
【化5】
【0008】
【化6】
【0009】(式中、Arは置換基を有していてもよい
フェニル基を表す)。本発明の好ましい実施態様では、
Arが一般式(3)である。
【0010】
【化7】
【0011】(式中、Aは炭素数3から8の直鎖状、分
岐状のアルキレン基(アルキレン基の炭素原子の一つが
酸素原子に置換されていてもよい)を表し、Zはハロゲ
ン原子を示す)一般式(1)で表されるフェノール誘導
体の含有率が、全重合性単量体あたり100ppm以下
であることが好ましい。また一般式(1)または一般式
(4)で表されるフェノール誘導体の含有率が、両者の
合計で、全重合性単量体あたり500ppm以下である
一般式(2)で表されることが好ましい。
【0012】
【化8】
【0013】(式中、置換基R1からR3は、水素原子、
アルキル基、OH基を表す) 本出願人らは、特開平9−255730号公報や特開2
000−229982号公報で、グリニャール反応を用
いたハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造法の工程
で、一般式(1)で表されるビニルフェノール誘導体が
生成することを公開している。ハロゲノアルキルスチレ
ン誘導体の製造では、ビニルフェノールの生成率は極め
て低いが、重合反応においては重要な問題であることが
わかった。一方、一般式(4)で表される化合物は、一
般式(2)で表される化合物を製造する際に使用する原
料や溶媒中の微量成分に由来する場合が多い。
【0014】一般式(1)または(4)で表されるフェ
ノール誘導体の含有率は高ければ高いほど、重合性単量
体の重合抑制作用は強く現れる。満足な重合収率を得る
ためには、一般式(1)で表されるフェノール誘導体、
または、一般式(1)あるいは(4)で表されるフェノ
ール誘導体が、500ppm以下であることが好まし
い。更に好ましくは、100ppm以下、更に好ましく
は30ppm以下である。フェノール誘導体の含有率
は、GCまたはHPLCによって定量分析した。
【0015】一般式(1)または(4)で表されるフェ
ノール誘導体の水酸基の置換位置は、原料の置換位置に
より決まり、いずれの置換位置であってもよい。しかし
ながら、水酸基がパラ位にあるとき、重合抑制作用が最
も強く現れる。これらのビニルフェノール誘導体に、ベ
ンゼン環にメチル基やエチル基等の置換基、塩素原子等
のハロゲンノ基を置換してもよい。
【0016】一般式(1)で表されるフェノール誘導体
は、アルカリ溶液と接触させることにより除去すること
ができる。アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシドの水溶液、
ナトリウムエトキシドの水溶液等が挙げられる。アルカ
リ溶液との接触により、アルカリ溶液に分配される物質
としては、一般式(1)、一般式(4)や一般式(5)
で表される化合物の他、アルコール誘導体、カルボン酸
誘導体等を抽出除去することが可能である。
【0017】
【化9】
【0018】この処理により、除去できる化合物として
は、TBC(t−ブチルカテコール)、BHT(ブチル
化ヒドロキシトルエン)等の一般式(4)で表されるフ
ェノール誘導体の他、例えば、イソプロピルメトキシフ
ェノール、ヒドロキシブチルスチレン誘導体、ビニルベ
ンジルアルコール誘導体、テトラメチルピペラジンオキ
シ誘導体等(TEMPO誘導体)が挙げられる。
【0019】アルカリ溶液の濃度としては、一般に、フ
ェノール誘導体、アルコール誘導体、カルボン酸誘導
体、リン酸誘導体を解離させるに足りる量であればよ
い。その添加量は、フェノール誘導体に対し、0.1当
量から500当量の範囲、更に好ましくは1当量から1
00当量の範囲である。アルカリ溶液の濃度は0.01
Nから5Nの範囲、更に好ましくは0.05Nから2N
の範囲、更に好ましくは0.05Nから0.5Nの範囲
である。アルカリ濃度が高い場合には、一般式(3)で
表される重合性単量体が加水分解される、または脱HX
反応やエーテル化反応が起こる場合もある。反対にアル
カリ濃度が低い場合には、フェノール誘導体を含めアル
コール誘導体が水相に分配されにくくなるため好ましく
ない。
【0020】アルカリ溶液は反応液に対し、0.1倍体
積から5倍体積、更に好ましくは、0.2倍体積から3
倍体積、更に好ましくは0.3倍体積から1.5倍体積
である。フェノール誘導体を含む重合性単量体とアルカ
リ溶液の接触時間は、接触方法にもよるが、一般に1分
間から5時間、更に好ましくは1分間から1時間、更に
好ましくは5分間から30分間の間である。必要に応じ
て数回この操作を繰り返すことも可能である。この工程
は通常10℃から50℃の範囲で行われる。更に好まし
くは室温(20℃)から35℃の範囲で行われる。
【0021】アルカリ溶液との接触方法は、一般に容器
内で、アルカリ溶液とフェノール誘導体を含む重合性単
量体を撹拌又は回転、振とうすることにより、フェノー
ル誘導体をアルカリ相に分配させることができる。アル
カリ洗浄の操作後、重合性単量体中にアルカリ性成分が
残留する場合もあるため、本操作後、脱塩水で洗浄する
ことが望ましい。あるいは、一旦酸性水溶液で水相を酸
性にした後、再度脱塩水で水洗し中性にすることが好ま
しい。
【0022】このアルカリ溶液との接触により、多くの
フェノール誘導体、アルコール誘導体、カルボン酸誘導
体を抽出することができる。一般式(2)で表される重
合性単量体としては、例えば、下記の様な重合性単量体
が挙げられる。スチレン、メチルスチレン、エチルスチ
レン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のスチ
レン系単量体、ブロモブチルスチレン、クロロブチルス
チレン、クロロプロピルスチレン、ブロモヘキシルスチ
レン等の一般式(3)で表されるハロゲノアルキルスチ
レン系単量体等が挙げられる。
【0023】一般式(2)で表される重合性単量体と重
合体を形成し得る他の重合性単量体としては、例えば、
下記のような重合性単量体が挙げられる。(メタ)アク
リル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)ア
クリレート等の(メタ)アクリル系エステル誘導体、そ
の他、アクリロニトリル、アクリルアミド誘導体が挙げ
られる。これらの単量体の他に、水や有機溶媒不溶性の
架橋共重合体とするため、ジビニルベンゼン、ポリビニ
ルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジビニルフェニルエ
タン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多官
能性重合性単量体がある。これらの重合性単量体中に一
般式(1)で表されるフェノール誘導体が含まれている
と重合収率の低下を引き起こす。ここで重合収率は、全
重合性単量体重量に対する重合後の固体収量で表した。
【0024】重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、
過酸化ラウロイル等の過酸化物系重合開始剤、AIBN
等のアゾ系重合開始剤が好適である。その添加量は、全
重合性単量体に対し、0.05重量%から2重量%の範
囲、更に好ましくは0.1重量%から1重量%の範囲で
ある。重合温度は、通常40℃から150℃、更に好ま
しくは50℃から100℃である。重合時間は1時間か
ら20時間、更に好ましくは3時間から12時間であ
る。
【0025】以上述べてきたように、一般式(1)及び
一般式(4)のフェノール誘導体は、アルカリ溶液との
接触により除去することができる。特にp位にビニル基
を有するフェノール誘導体は、ラジカル捕捉する能力が
高いと推定している。この発明により、重合性単量体の
重合収率が向上するばかりでなく、高分子鎖長が増加す
るため、高分子として種々の機能が発現されることが見
出された。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に
より限定されるものではない。なお、以下の例における
「%」は、特記しない限り、「重量%」を意味する。 比較例−1 窒素ガス導入管、ジムロー冷却管、枝管付き等圧滴下ロ
ート、水銀温度計、攪拌羽根を備えたジャケット付き2
L反応缶に金属マグネシウム63.3g(2.61グラム
原子、1.31当量/PCST)を入れ、ジャケットを
30℃に設定した。一方、枝管付き等圧滴下ロートにT
HF(テトラヒドロフラン)433gとトルエン647
g、p-クロロスチレン(PCST、4−クロロスチレ
ン純度99.2%)277g(2.00モル)の溶液約
1490mlを調製した。最初、PCSTの溶液30m
lを入れ、1,2−ジブロモエタン0.3mlを滴下す
ると、溶液の温度が急激に上昇した。この後、PCST
の溶液を内温が30℃になるように150分かけ連続的
に滴下した。滴下後、引き続き内温が30℃になるよう
にジャケット温度を調整した。滴下後、3時間攪拌する
と、原料のクロロスチレンは0.2%(GC、HPLC
分析)まで低下した。PCSTのグリニャール試薬を調
製した後、溶液を10℃まで冷却し、次のグリニャール
反応に供した。
【0027】グリニャール反応用に窒素ガス導入管、ジ
ムロー冷却管、水銀温度計、攪拌羽根、グリニャール溶
液滴下管を備えたジャケット付き3L反応缶を準備し
た。この中へ乾燥したTHF(BHT250ppm含有
品を使用)288g、カップリング触媒Li2CuCl4
4.4g(0.020モル、1.0モル%/PCST)を
入れ溶解すると、濃オレンジ色溶液となった。更に、
1,3−ジブロモプロパン1615g(8.00モル、
4.0当量/PCST)を加え5℃まで冷却した。この
中へ、先に調製したグリニャール試薬を、内温が12℃
を越えないようゆっくり4時間かけて滴下した。滴下
後、15℃で2時間攪拌し反応を完結した。
【0028】反応後、反応溶液中に5%硫酸水溶液55
0mlを加え、内温が25℃を越えないよう30分間攪
拌した。静置後分液し水相を除去した。再度、5%硫酸
水溶液550mlを加え撹拌後、静置分液し、MgCl
Br塩、Cu塩等の無機塩を除去した。この時、全重合
性単量体(413g)当たりのフェノール誘導体の含有
率は以下のとおりであった。ビニルフェノール;4,5
00ppm、TBC;540ppm。 実施例−1 比較例−1で得られた反応液に対し、0.5N―水酸化
ナトリウム水溶液3Lを加え、15分間激しく撹拌する
と暗赤色となった。室温で静置し二層に分離させ後、水
相を抜き出した。再度、0.1N−水酸化ナトリウム水
溶液2Lを加え、反応液を15分間撹拌した後、静置し
た。分液後水相を抜き出した後、再度このアルカリ洗浄
をし、最後に脱塩水3Lで2回水洗した。抽出操作後の
全重合性単量体当たりのフェノール誘導体の含有率は、
ビニルフェノール;43ppm、TBC;未検出(BH
T;180ppm)。減圧下でTHF、トルエンを除去
した。大過剰に使用した1,3−ジブロモプロパン(b.
p.35℃/70Pa)を除去した後、最後に目的物で
ある3−ブロモプロピルスチレン(淡黄色透明溶液,b
p.87℃/40Pa)を得た。収率82%(PCST
基準) 比較例−2 比較例−1と同様にグリニャール反応をした。ただし、
増炭剤として、1,3−ジブロモプロパンの代わりに
1,4−ジブロモブタン8モル(4当量/PCST)を
用いた以外は、比較例−1と同様にした。アルカリ洗浄
前の全重合性単量体(428g)当たりのフェノール誘
導体の含有率は以下のとおりであった。ビニルフェノー
ル;5936ppm、TBC;450ppm。減圧下で
THF、トルエン、及び反応で一部生成したスチレンを
除去した。大過剰に使用した1,4−ジブロモブタン
(b.p.54℃/80Pa)を除去した後、最後に目的
物である4−ブロモブチルスチレン(淡黄色透明溶液,
bp.97℃/5Pa)を得た。 実施例−2 比較例−2で得られた反応液(減圧除去処理前のもの)
に対し、アルカリ洗浄の工程を実施例−1と同様にし
た。アルカリ洗浄によって全重合性単量体当たりのフェ
ノール誘導体の含有率は以下のように低下した。ビニル
フェノール;88ppm、TBC;5ppmに低下し
た。減圧下でTHF、トルエン、及び反応で一部生成し
たスチレンを除去した。大過剰に使用した1,4−ジブ
ロモブタン(b.p.54℃/80Pa)を除去した後、
最後に目的物である4−ブロモブチルスチレン(淡黄色
透明溶液,bp.97℃/5Pa)を得た。 比較例−3 比較例−2と同様にして得られた4−ブロモブチルスチ
レンを、薄膜蒸留器を用いて140℃/10Paにて蒸
留し384g、純度98.2%の4−ブロモブチルスチ
レンを得た。得られた4−ブロモブチルスチレン当たり
のフェノール誘導体の含有率は以下のとおりであった。
ビニルフェノール;2374ppm、TBC;1054
ppm。 実施例−3 比較例−3で得られた4−ブロモブチルスチレンに等重
量の2N−水酸化ナトリウム水溶液を加え、15分間激
しく混合し、分液後、再度同操作を繰り返した。更に4
−ブロモブチルスチレンと等重量の脱塩水で2回水洗
し、硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた4−ブロモブ
チルスチレンは、ビニルフェノール未検出%、TBC2
0ppmであった。 実施例−4 比較例−1で用いた1,3−ジブロモプロパンの代わり
に1,6−ジブロモヘキサン1951g(4当量/PC
ST)を用いた以外は、比較例−1と同様に反応を行っ
た。目的物の4−(6−ブロモヘキシル)スチレンの収
率は75%であった。比較例−1と同様に処理して、大
過剰に用いた1,6−ジブロモヘキサンを除去した後、
4−(6−ブロモヘキシル)スチレン(室温で淡黄色透
明溶液、沸点123℃/30Pa)を得た。得られた6
−ブロモヘキシルスチレンの純度は96.8%で、不純
物は1,6−ジビニルフェニルヘキサン0.7%、4,
4’−ジビニルビフェニル0.2%、4−ビニルフェノ
ール600ppm、TBC330ppm、1,6−ジブ
ロモヘキサン1.6%であった。
【0029】ここで得られたブロモヘキシルスチレン2
00gを分液ロートに入れ、0.2N−NaOH水溶液
4Lを加えた。溶液を室温で5分間激しく振り、モノマ
ー中のフェノール誘導体をアルカリで抽出した。更に
0.1N−NaOH水溶液3Lを加えアルカリ洗浄し
た。更に0.05N−HCl水溶液1Lで水洗した後、
脱塩水3Lで2回水洗した。6−ブロモヘキシルスチレ
ン中の不純物は、1,6−ジビニルフェニルヘキサン
0.7%、4,4’−ジビニルビフェニル0.2%、4
−ビニルフェノール未検出、TBC15ppm、1,6
−ジブロモヘキサン1.6%であった。
【0030】分析は以下のように行った。 HPLC分析;ODSカラム:Inertsil OD
S−2、 溶離液 80%メタノール水溶液、流速:
2.00ml/min、検出器:UV254nm、カラム温
度:25℃、及び溶離液60%MeOH水溶液 GC分析;GCカラムHP−1(ヒューレットハ゜ッカート゛)又は
DB−1(J&W)(ID0.25mmX25m)、50℃(3min 保持)
→(昇温10℃/min)→280℃(3min 保持)、検出器:FI
D、流速2.0ml/min、スフ゜リット比;1/50、定流量フ゜ロク゛ラム 実施例−5 3Lのバッフル付き重合缶に、20%のCaCl2水溶
液、PVA(GM−20 クラレ製)を0.7%水溶液
となるように調整した溶液を2L入れた。この溶液に対
し、実施例−2で製造した4−ブロモブチルスチレン4
65g、80%ジビニルベンゼン35g、過酸化ベンゾ
イル2.3gを添加したモノマー溶液を調製した。碇形
攪拌羽根を用いて、室温で120rpmで1時間撹拌し
た後、1時間で80℃まで昇温した。80℃で8時間、
100rpmで撹拌した後、溶液を冷却した。得られた
重合ポリマーを乾燥し、重合収率を測定した。なお、重
合収率は、用いた4−ブロモブチルスチレンを純度10
0%と仮定して算出した。実際は若干の不純物を含有し
ているものと考えられるので、真の収率は表1の数値以
上である。以下の実施例、比較例においても同様であ
る。 比較例−4 実施例―5と同様に、比較例―2のモノマーを用いて、
実施例−5と同様に重合評価した。 実施例−6 実施例−5と同様に、実施例−3で得られた4−ブロモ
ブチルスチレンを用いて、実施例−5同様に重合評価し
た。 比較例−5 実施例−5と同様に、比較例−3で得られた4−ブロモ
ブチルスチレンを用いて、実施例−5同様に重合評価し
た。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明は、アルカリ溶液との接触によ
り、ビニルフェノール誘導体及びフェノール誘導体を効
果的に低減させることができることを見出した。その結
果、重合性に優れた重合性単量体を製造することができ
る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)で示されるフェノール誘導体
    を含有し、その含有率が、全重合性単量体あたり500
    ppm以下であることを特徴とする一般式(2)で表さ
    れる重合性単量体。 【化1】 【化2】 (式中、Arは置換基を有していてもよいフェニル基を
    表す)
  2. 【請求項2】Arが一般式(3)である請求項1に記載
    の重合性単量体。 【化3】 (式中、Aは炭素数3から8の直鎖状、分岐状のアルキ
    レン基(アルキレン基の炭素原子の一つが酸素原子に置
    換されていてもよい)を表し、Zはハロゲン原子を示
    す)
  3. 【請求項3】一般式(1)で表されるフェノール誘導体
    の含有率が、全重合性単量体あたり100ppm以下で
    ある請求項1また2に記載の重合性単量体。
  4. 【請求項4】一般式(1)または一般式(4)で表され
    るフェノール誘導体の含有率が、全重合性単量体あたり
    500ppm以下である一般式(2)で表されることを
    特徴とする請求項1に記載の重合性単量体。 【化4】 (式中、置換基R1からR3は、水素原子、アルキル基、
    OH基を表す)
  5. 【請求項5】Arが一般式(3)である請求項4に記載
    の重合性単量体。
  6. 【請求項6】一般式(2)で表される化合物を含有する
    溶液をアルカリ水溶液に接触させ、請求項1〜5のいず
    れかに記載の重合性単量体を得ることを特徴とする重合
    性単量体の製造方法。
  7. 【請求項7】該溶液がグリニャール反応により得られた
    ものである請求項6に記載の重合性単量体の製造方法。
  8. 【請求項8】(a)請求項1〜5のいずれかに記載の重
    合性単量体、または、請求項6あるいは7に記載の重合
    性単量体の製造方法で得られた重合性単量体、及び、
    (b)必要に応じて他の重合性単量体を重合することを
    特徴とする重合体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8114209B2 (en) * 2004-08-31 2012-02-14 Aoki Science Institute Co., Ltd. Oil type release agent for die casting method for setting solvent mixing ratio, casting method, and spray unit

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