JP2002264336A - インクジェット式記録ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット式記録装置 - Google Patents
インクジェット式記録ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット式記録装置Info
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Abstract
低減したインクジェット式記録ヘッド及びその製造方法
並びにインクジェット式記録装置を提供する。 【解決手段】 ノズル開口21に連通する圧力発生室1
2が画成された流路形成基板10と、該流路形成基板1
0の一方面側に振動板を介して下電極60、圧電体層7
0及び上電極80からなる圧電素子300とを具備する
インクジェット式記録ヘッドにおいて、前記振動板の前
記圧力発生室12に対向する側の最下層の厚さが1μm
以下であり且つ前記流路形成基板10と接着剤59を介
して接合されている接合層50を有する。
Description
るノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構
成し、この振動板を介して圧電素子を設けて、圧電素子
の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式記
録ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット式記録
装置に関する。
る圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧
電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧して
ノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッドには、圧電素子が軸方向に伸長、収縮する縦
振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、た
わみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの
2種類が実用化されている。
ることにより圧力発生室の容積を変化させることができ
て、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反
面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛
歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた
圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必
要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
シートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼
成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作
り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関
係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難
であるという問題がある。
べく、特開平5−286131号公報に見られるよう
に、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧
電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法に
より圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生
室毎に独立するように圧電素子を形成したものが提案さ
れている。
作業が不要となって、リソグラフィ法という精密で、か
つ簡便な手法で圧電素子を作り付けることができるばか
りでなく、圧電素子の厚みを薄くできて高速駆動が可能
になるという利点がある。
うなインクジェット式記録ヘッドでは、圧力発生室を高
密度で配列した場合、各圧力発生室間の隔壁の厚さが薄
くなることによって隔壁の剛性が不足し、各圧力発生室
間のクロストークが発生するという問題がある。
では、圧力発生室の振動板側に幅広部を設け、それ以外
の部分の圧力発生室の幅を低くして隔壁の厚さを大きく
する構造が考えられているが、この場合には、圧力発生
室の幅広部の加工や貼り合わせ等の作業が必要で作業性
及び精度が低いという問題がある。
つ各圧力発生室間のクロストークを低減したインクジェ
ット式記録ヘッド及びその製造方法並びにインクジェッ
ト式記録装置を提供することを課題とする。
明の第1の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室が
画成された流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側
に振動板を介して下電極、圧電体層及び上電極からなる
圧電素子とを具備するインクジェット式記録ヘッドにお
いて、前記振動板の前記圧力発生室に対向する側の最下
層の厚さが1μm以下であり且つ前記流路形成基板と接
着剤を介して接合されている接合層を有することを特徴
とするインクジェット式記録ヘッドにある。
層を流路形成基板に接着剤を介して接合することによ
り、製造工程を簡略化して製造コストを低減することが
できる。また、薄い振動板とすることで、圧電素子を低
い駆動電圧で駆動でき、インク吐出特性を向上すること
ができる。
て、前記流路形成基板の前記圧電素子側には、当該圧電
素子の運動を阻害しない程度の空間を確保する圧電素子
保持部を有する封止板を有することを特徴とするインク
ジェット式記録ヘッドにある。
る圧電素子の破壊が防止される。
において、前記接合層が酸化シリコンからなることを特
徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
コンを用いることで、流路形成基板上に振動板を容易に
且つ確実に形成することができる。
において、前記接合層がボロンの拡散された単結晶シリ
コンからなることを特徴とするインクジェット式記録ヘ
ッドにある。
拡散された単結晶シリコンを用いることで、流路形成基
板上に振動板を容易に且つ確実に形成することができ
る。
において、前記接合層がn型単結晶シリコンからなるこ
とを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
晶シリコンを用いることで、流路形成基板上に振動板を
容易に且つ確実に形成することができる。
の態様において、前記流路形成基板が単結晶シリコンか
らなり、前記圧力発生室が異方性エッチングにより形成
されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
ドにある。
に且つ高精度に形成することができる。
の態様において、前記圧力発生室が前記流路形成基板を
貫通して形成されており、前記流路形成基板の他方面側
に前記ノズル開口を有するノズルプレートが接合されて
いることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにあ
る。
して製造コストを低減することができる。
て、前記ノズルプレートが酸化シリコンからなることを
特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
精度のノズルプレートを容易に形成できる。
の態様において、前記圧力発生室が前記流路形成基板を
貫通することなく形成されていることを特徴とするイン
クジェット式記録ヘッドにある。
する隔壁の剛性を向上して、圧力発生室間のクロストー
クを防止してインク吐出特性を向上することができる。
いて、前記流路形成基板が、絶縁体層の両面に単結晶シ
リコンからなるシリコン層を有するSOI基板からな
り、前記圧力発生室が一方のシリコン層に形成されてい
ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにあ
る。
さの制御を容易に行うことができ、高精度の圧力発生室
を形成できる。
れかの態様のインクジェット式記録ヘッドを具備するこ
とを特徴とするインクジェット式記録装置にある。
を向上したインクジェット式記録装置を実現できる。
通する圧力発生室が画成される流路形成基板と、該流路
形成基板の一方面側に振動板を介して成膜及びリソグラ
フィ法により形成された薄膜からなる下電極、圧電体層
及び上電極からなる圧電素子とを有するインクジェット
式記録ヘッドの製造方法において、一方面に前記振動板
の少なくとも最下層となる接合層を有する振動板母材の
該接合層上に前記振動板を形成すると共に当該振動板上
に前記下電極、圧電体層及び上電極を順次積層及びパタ
ーニングすることにより前記圧電素子を形成する工程
と、前記振動板母材の前記振動板側に前記圧電素子の運
動を阻害しない程度の空間を確保する圧電素子保持部を
有する封止板を接合する工程と、前記振動板母材の前記
接合層以外の領域を除去して前記振動板、前記圧電素子
及び前記封止板からなる接合体を形成する工程と、前記
接合体を前記圧力発生室の形成された前記流路形成基板
に接合する工程とを有することを特徴とするインクジェ
ット式記録ヘッドの製造方法にある。
に振動板を接合により容易に形成でき、製造コストを低
減できる。
おいて、前記振動板母材が絶縁体層の両側に単結晶シリ
コンからなるシリコン層を有するSOI基板からなり、
前記接合層が前記絶縁体層と前記シリコン層の一方とか
らなることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの
製造方法にある。
合層以外の領域を容易に除去することができる。
おいて、前記振動板母材が単結晶シリコンからなり、前
記接合層がボロンの拡散された単結晶シリコンからなる
ことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造方
法にある。
れた単結晶シリコンからなる接合層を用いることで、振
動板母材の接合層以外の領域を容易に除去することがで
きる。
おいて、前記振動板母材がpn接合を持つ単結晶シリコ
ンからなり、前記接合層がn型単結晶シリコンからなる
ことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造方
法にある。
コンからなる接合層を用いることで、振動板母材の接合
層以外の領域を容易に除去することができる。
おいて、前記振動板母材が不純物濃度の異なる2層の単
結晶シリコンからなり、前記接合層が不純物濃度の低い
層からなることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
ドの製造方法にある。
の単結晶シリコンを用いることで、振動板母材の接合層
以外の領域を容易に除去することができる。
おいて、前記振動板母材が単結晶シリコンからなり、前
記接合層が酸化シリコンからなることを特徴とするイン
クジェット式記録ヘッドの製造方法にある。
らなる接合層を用いることで、振動板母材の接合層以外
の領域を容易に除去することができる。
何れかの態様において、前記接合体と前記流路形成基板
とを接合する工程では、両者を直接接合又は常温接合に
より接合することを特徴とするインクジェット式記録ヘ
ッドの製造方法にある。
路形成基板とを直接接合又は常温接合により、容易に且
つ確実に両者を接合することができる。
おいて、前記接合体と前記流路形成基板とを接合する工
程では、両者を陽極接合により接合することを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドの製造方法にある。
路形成基板とを陽極接合により、容易に且つ確実に両者
を接合することができる。
態様の何れかにおいて、前記接合体と前記流路形成基板
とを接合する工程では、両者を接着剤を介して接合する
ことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造方
法にある。
路形成基板とを接着剤により、容易に且つ確実に両者を
接合することができる。
何れかの態様において、前記流路形成基板は前記圧力発
生室が形成された単結晶シリコンからなる流路形成層を
有し、該流路形成層に前記接合体を接合することを特徴
とするインクジェット式記録ヘッドの製造方法にある。
易に且つ高精度に形成することができると共に流路形成
基板と振動板母材とを容易に且つ確実に接合できる。
おいて、前記流路形成基板が絶縁体層の両側に単結晶シ
リコンからなるシリコン層を有するSOI基板からなる
と共に前記流路形成層が一方のシリコン層であることを
特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造方法にあ
る。
さを容易に且つ確実に制御することができる。
おいて、前記流路形成層と前記接合体とを接合する工程
の後に、前記流路形成基板の他方のシリコン層を除去す
る工程を有することを特徴とするインクジェット式記録
ヘッドの製造方法にある。
去することにより、容易に小型化できる。
おいて、前記流路形成基板の他方のシリコン層を除去す
る工程の後に、前記絶縁体層に前記ノズル開口を形成す
る工程を有することを特徴とするインクジェット式記録
ヘッドの製造方法にある。
化することができ、製造コストを低減できる。
何れかの態様において、前記振動板母材に前記封止板を
接合する工程では、前記封止板に前記ノズル開口及び前
記圧力発生室にインクを供給するインク供給孔の何れか
一方又はその両方を形成した後に接合することを特徴と
するインクジェット式記録ヘッドの製造方法にある。
インク供給孔を容易に且つ高精度に形成できる。
て詳細に説明する。
1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図
であり、図2は、インクジェット式記録ヘッドの1つの
圧力発生室の長手方向における断面構造を示す図であ
る。
れる流路形成基板10は、例えば、150μm〜1mm
の厚さのシリコン単結晶基板からなり、その一方面側の
表層部分には、異方性エッチングにより複数の隔壁11
によって区画された圧力発生室12が形成されている。
には、後述するリザーバ15と圧力発生室12とを接続
するための中継室であるインク連通部13が圧力発生室
12よりも幅の狭い狭隘部14を介して連通されてい
る。また、これらインク連通部13及び狭隘部14は、
圧力発生室12と共に異方性エッチングによって形成さ
れている。なお、狭隘部14は、圧力発生室12のイン
クの流出入を制御するためのものである。
ング又はドライエッチングの何れの方法を用いてもよい
が、シリコン単結晶板を厚さ方向に途中までエッチング
(ハーフエッチング)することにより圧力発生室12は
浅く形成されており、その深さは、ハーフエッチングの
エッチング時間によって調整することができる。
を各圧力発生室12毎に設けるようにしたが、これに限
定されず、例えば、インク連通部13を各圧力発生室1
2に共通するようにしてもよく、この場合、このインク
連通部13が後述するリザーバ15の一部を構成するよ
うにしてもよい。
各インク連通部13に連通し、各圧力発生室12にイン
クを供給するリザーバ15が形成されている。このリザ
ーバ15は、例えば、流路形成基板10の他方面側か
ら、保護膜55bをマスクとして異方性エッチングする
ことによって形成されている。
12側には、厚さが略1μm以下の弾性膜50が接着剤
からなる接着層59を介して接合されている。この弾性
膜50は、その一方の面で圧力発生室12の一壁面を構
成している。なお、本実施形態では、弾性膜50は酸化
シリコン(SiO2)からなる。また、流路形成基板1
0の弾性膜50との接合面には、酸化シリコンからなる
保護膜55aが形成されている。この保護膜55aは流
路形成基板10に圧力発生室12を形成する際のマスク
として使用されたものである。
2に相対向する領域には、厚さが例えば、約0.5μm
の下電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体層
70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80と
が、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子30
0を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極
膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をい
う。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を
共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発
生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここ
ではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層
70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪
みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態で
は、下電極膜60を圧電素子300の共通電極とし、上
電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、
駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。
何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部
が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素
子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じ
る弾性膜とを合わせて圧電アクチュエータと称する。な
お、本実施形態では、弾性膜50及び下電極膜60を振
動板とした。
電極膜80は、圧電素子300の長手方向一端部近傍か
ら弾性膜50上に延設されたリード電極90を介して図
示しない外部配線と接合されている。
側、本実施形態では、弾性膜50及び下電極膜60上に
は、圧電素子300に対向する領域にその運動を阻害し
ない程度の空間を確保した状態でこの空間を密封可能な
圧電素子保持部22を有する封止板20が接合されてい
る。
圧力発生室12と連通するノズル開口21が穿設されて
おり、ノズルプレートの役割も兼ねている。また、ノズ
ル開口21と圧力発生室12とは、弾性膜50及び下電
極膜60を除去することにより設けられたノズル連通孔
51を介して連通されている。
ガラス、セラミック材料等の流路形成基板10の熱膨張
率と略同一の材料を用いることが好ましく、本実施形態
では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基
板を用いて形成されている。また、この封止板20の接
合方法も特に限定されず、例えば、接着剤による接着又
は陽極接合等を挙げることができる。本実施形態では、
接着剤により接合した。
録ヘッドの製造工程、特に、流路形成基板10に圧力発
生室12を形成する工程及びこの圧力発生室12に対応
する領域に圧電素子300を形成する工程について説明
する。なお、図3〜図5は、圧力発生室12の長手方向
の断面図である。
リコンからなる弾性膜母材150を約1100℃の拡散
炉で熱酸化して、酸化シリコンからなる弾性膜50を形
成する。この弾性膜母材150の厚さは、例えば、22
0μmであり、弾性膜50は略1μm以下の厚さで形成
した。
リングで下電極膜60を弾性膜母材150の弾性膜50
上の全面に亘って形成すると共に所定形状にパターニン
グし、下電極膜60を形成する。この下電極膜60の材
料としては、白金、イリジウム等が好適である。これ
は、スパッタリング法やゾル−ゲル法で成膜する後述の
圧電体層70は、成膜後に大気雰囲気下又は酸素雰囲気
下で600〜1000℃程度の温度で焼成して結晶化さ
せる必要があるからである。すなわち、下電極膜60の
材料は、このような高温、酸化雰囲気下で導電性を保持
できなければならず、殊に、圧電体層70としてチタン
酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いた場合には、酸化鉛の
拡散による導電性の変化が少ないことが望ましく、これ
らの理由から白金、イリジウムが好適である。
70を成膜する。例えば、本実施形態では、金属有機物
を触媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲ
ル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からな
る圧電体層70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いて
形成した。圧電体層70の材料としては、PZT系の材
料がインクジェット式記録ヘッドに使用する場合には好
適である。なお、この圧電体層70の成膜方法は、特に
限定されず、例えば、スパッタリング法又はMOD法
(有機金属熱塗布分解法)等のスピンコート法により成
膜してもよい。
法もしくはMOD法等によりチタン酸ジルコン酸鉛の前
駆体膜を形成後、アルカリ水溶液中での高圧処理法にて
低温で結晶成長させる方法を用いてもよい。
体層70は、バルクの圧電体とは異なり結晶が優先配向
しており、且つ本実施形態では、圧電体層70は、結晶
が柱状に形成されている。なお、優先配向とは、結晶の
配向方向が無秩序ではなく、特定の結晶面がほぼ一定の
方向に向いている状態をいう。また、結晶が柱状の薄膜
とは、略円柱体の結晶が中心軸を厚さ方向に略一致させ
た状態で面方向に亘って集合して薄膜を形成している状
態をいう。勿論、優先配向した粒状の結晶で形成された
薄膜であってもよい。なお、このように薄膜工程で製造
された圧電体層の厚さは、一般的に0.2〜5μmであ
る。
80を成膜する。上電極膜80は、導電性の高い材料で
あればよく、アルミニウム、金、ニッケル、白金等の多
くの金属や、導電性酸化物等を使用できる。本実施形態
では、白金をスパッタリングにより成膜している。
70及び上電極膜80のみをエッチングして圧電素子3
00のパターニングを行う。また、本実施形態では、同
時に、弾性膜50及び下電極膜60をパターニングして
ノズル開口21に連通するノズル連通孔51を形成す
る。
極90を流路形成基板10の全面に亘って形成すると共
に各圧電素子300毎にパターニングして、各圧電素子
300の上電極膜80から弾性膜50上に延びるリード
電極90を形成する。
材150の弾性膜50上及び下電極膜60上にノズル開
口21が設けられた封止板20を接合する。本実施形態
では、弾性膜母材150と封止板20とを、接着剤、例
えば、熱硬化型接着剤を介して接合した。
材150の弾性膜50以外の領域を除去する。本実施形
態では、弾性膜50以外の領域、すなわち、単結晶シリ
コンのみを除去した。
では、例えば、KOH等のアルカリ水溶液を用いたウェ
ットエッチングにより行った。
以外の領域を除去することにより、弾性膜50、圧電素
子300及び封止板20からなる接合体100が形成さ
れる。
チングや研磨など、弾性膜50のみを残留できる方法で
あれば、特に限定されず、単結晶シリコンを剥離するよ
うにしてもよい。
単結晶シリコンとの境界部分に多孔質シリコン層を設け
ておき、流路形成基板と弾性膜母材とを接合後、この多
孔質シリコン層をエッチング等によって除去することに
より、弾性膜50から単結晶シリコンを容易に剥離する
ことができる。なお、このような弾性膜母材は、単結晶
シリコンからなる弾性膜母材150の表面に陽極化成処
理によって多孔質シリコン層を形成し、この上にエピタ
キシャル成長法により薄いシリコン層を形成して表面を
酸化処理することによって形成できる。
ンと弾性膜50との間に水素イオンを注入した水素イオ
ン層を設けておき、封止板20と弾性膜母材150とを
接合後に500℃〜600℃に加熱することによって
も、弾性膜50から単結晶シリコンを容易に剥離するこ
とができる。
リコンを剥離することによって除去すれば、剥離した単
結晶シリコンを再使用することができ、製造コストを削
減することができる。
リザーバ15等が形成された流路形成基板10に接合す
る。
いて詳細に説明する。
基板10となるシリコン単結晶基板のウェハを約110
0℃の拡散炉で熱酸化して、酸化シリコンからなる保護
膜55a及び55bを形成すると共に一方面の保護膜5
5aの圧力発生室12を形成する領域に開口12aを形
成する。
5aをマスクとして流路形成基板10を異方性エッチン
グすることにより圧力発生室12,インク連通部13及
び狭隘部14を形成する。
基板10の圧力発生室12とは反対側の面に設けられた
保護膜55bのリザーバ15となる領域をパターニング
により除去して開口部56を形成すると共に、この開口
部56からインク連通部13に達するまで流路形成基板
10を異方性エッチング、例えば、ウェットエッチング
することにより、リザーバ15を形成する。
リザーバ15等を有する流路形成基板10が形成され
る。
体100とを、接着剤からなる接着層59を介して接合
することで、図2に示すようなインクジェット式記録ヘ
ッドとなる。
ジェット式記録ヘッドは、図示しない外部インク供給手
段からリザーバ15にインクを取り込み、リザーバ15
からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした
後、図示しない外部配線から出力された記録信号に従
い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60
と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、下
電極膜60及び圧電体層70をたわみ変形させることに
より、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口2
1からインク滴が吐出する。
10を貫通することなく形成することで隔壁11の剛性
を向上でき、圧力発生室12を高密度に配設しても圧力
発生室12間のクロストークを防止することができる。
及び狭隘部14を介して各圧力発生室12とリザーバ1
5とを連通するようにしたが、これに限定されず、例え
ば、図6(a)に示すように、各圧力発生室12とリザ
ーバ15とを直接連通するようにしてもよい。
発生室12よりも細い幅で形成して、圧力発生室12の
インクの流出入を制御するようにしたが、これに限定さ
れず、例えば、図6(b)に示すように、圧力発生室1
2と同一幅として、深さを調整した狭隘部14Aとして
もよい。
インクジェット式記録ヘッドの圧力発生室の長手方向の
断面図である。
発生室12Aが流路形成基板10Aを貫通して設けらて
おり、流路形成基板10Aの圧電素子300とは反対側
の面には、ノズル開口21Aを有するノズルプレート2
0Aが接合されている。
0.1〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例え
ば2.5〜4.5[×10−6/℃]であるガラスセラ
ミックス、又は不錆鋼などからなる。ノズルプレート2
0Aは、一方の面で流路形成基板10Aの一面を全面的
に覆い、シリコン単結晶基板を衝撃や外力から保護する
補強板の役目も果たす。
板10Aとの接合方法は、特に限定されず、例えば、接
着剤や熱用着フィルムを介して両者を固着することがで
きる。
た実施形態1と同様に接合体100に接合する前に別途
形成する。そして、流路形成基板10Aの一方面にノズ
ル開口21及びノズル連通孔51の設けられていない接
合体100を接合し、他方面にノズルプレート20Aを
接合することでインクジェット式記録ヘッドが形成され
る。
ッドとしても、上述した実施形態1と同様の工程で弾性
膜50を設けることで、製造工程を簡略化して製造コス
トを低減することができる。
インクジェット式記録ヘッドの製造方法を示す圧力発生
室の長手方向の断面図である。
縁体層16の両側に単結晶シリコンからなるシリコン層
17、18を有するSOI基板110のシリコン層17
を流路形成基板10Bとした例である。
ッドの製造方法について説明する。なお、上述した実施
形態1と同様の工程については、重複する説明を省略す
る。
板110に圧力発生室12を形成する。本実施形態で
は、SOI基板110のシリコン層17を貫通して圧力
発生室12を形成した。なお、圧力発生室12はウェッ
トエッチング等で形成することができる。
板110の圧力発生室12側に上述した実施形態1と同
様の工程で形成した接合体100を接合する。本実施形
態では、上述した実施形態1と同様に接着剤からなる接
着層59を介して接合した。なお、本実施形態では、封
止板20にノズル開口が設けられていないものを用い
た。
板110の接合体100とは反対側のシリコン層18を
除去する。本実施形態では、KOH等のアルカリ溶液に
よるウェットエッチングにより除去し、さらに表面を電
解研磨により平滑にした。
シリコンからなるシリコン層17がエッチングにより溶
解しないようにシリコン層17の接合面とは反対側の面
等に保護膜を形成するのが好ましい。この保護膜として
は、例えば、パリレン(商品名;ポリパラキシリレン)
が挙げられる。このパリレンからなる保護膜はCVD法
によって均一な厚さで容易に成膜することができる。
16の各圧力発生室12に対向する位置にノズル開口2
1Bを形成する。すなわち、絶縁体層16は、ノズルプ
レート20Bとして用いられ、シリコン層17が流路形
成基板10Bとなる。なお、ノズル開口21Bは、SO
I基板110を形成する際に予め絶縁体層16に設けて
おくようにしてもよい。
録ヘッドを形成することで、シリコン層17からなる流
路形成基板10と絶縁体層16からなるノズルプレート
20Bとを形成することができる。
に形成することで、圧力発生室12のエッチング深さの
制御を容易に行うことができ、圧力発生室12を高精度
に形成することができる。
インクジェット式記録ヘッドの製造工程を示す圧力発生
室の長手方向の断面図である。
板10の圧力発生室12側に酸化シリコンからなる絶縁
体層52と、下電極膜60側に単結晶シリコンからなる
シリコン層53とを有するようにした例である。
方法について詳細に説明する。なお、上述した実施形態
1の製造方法と同様の工程については、重複する説明を
省略する。
実施形態1と同様の工程で弾性膜母材150A上に圧電
素子300及びリード電極90を形成し、封止板20を
接合する。
酸化シリコンからなる絶縁体層52の両側にそれぞれ単
結晶シリコンからなるシリコン層53及び54を有する
SOI基板からなり、一方のシリコン層53上に圧電素
子300、リード電極90を形成し、封止板20を接合
した。なお、本実施形態では、絶縁体層52及びシリコ
ン層53を弾性膜50Aとするため、絶縁体層52の厚
さが略1μm以下のSOI基板を弾性膜母材150Aと
して用いた。
材150Aの弾性膜50A以外の領域を除去して接合体
100Aを形成する。本実施形態では、弾性膜50Aが
絶縁体層52と一方のシリコン層53とからなるため、
他方のシリコン層54のみを除去した。
することで、絶縁体層52及びシリコン層53からなる
弾性膜50Aを有する接合体100Aが形成される。
00Aを上述した実施形態1と同様の工程で形成した圧
力発生室12を有する流路形成基板10に接合する。
と流路形成基板10との接合方法は、特に限定されず、
例えば、直接接合又は常温接合等を挙げることができ
る。本実施形態では、直接接合により両者を接合した。
100Aの接合面を鏡面に研磨して、表面を洗浄してご
みや汚れを除去して乾燥させ、清浄な雰囲気下で互いの
表面を接触させることにより両者が接着される。
とを直接接合により接合する場合、それぞれの結晶格子
を整合させることは困難であり、接合界面には結晶格子
不整合面が形成される。また、両者の結晶格子のずれを
1度以内の精度で接合した場合には、接合界面で結晶格
子がつながり、エピタキシャル同様の連続性が保たれる
が、転移面が形成される。さらに、上述した実施形態1
と同様に接合界面にボイド層が形成されることもある。
板を用いて、弾性膜50Aを酸化シリコン及び単結晶シ
リコンからなる2層としても、上述した実施形態1と同
様の効果を得ることができる。
AにSOI基板を用いて、シリコン層54をエッチング
により除去することにより、容易に弾性膜50Aを形成
することができる。
るインクジェット式記録ヘッドの製造方法を示す圧力発
生室の長手方向の断面図である。
散された単結晶シリコンからなる例である。
方法を詳細に説明する。なお、上述した実施形態1の製
造方法と同様の工程については、重複する説明を省略す
る。
た実施形態1と同様の工程で弾性膜母材150B上に圧
電素子300及びリード電極90を形成し、封止板20
を接合する。
単結晶シリコンからなり封止板20との接合面側に不純
物の拡散された弾性膜50Bを有する。
本実施形態ではボロンであり、弾性膜50Bは、例え
ば、単結晶シリコンの表面にボロンをドーピング又は単
結晶シリコンの表面にボロンの拡散された単結晶シリコ
ンをエピタキシャル形成することにより設けることがで
きる。
母材150Bの弾性膜50B以外の領域を除去して接合
体100Bを形成する。本実施形態では、弾性膜50B
以外の領域、すなわち、他方面側の単結晶シリコンのみ
をKOH等のアルカリ水溶液によるウェットエッチング
により除去した。
では、ボロンの拡散された弾性膜50Bのエッチングの
速度が、単結晶シリコンの領域に比べボロン濃度の比の
4乗倍で減少するという特性から、単結晶シリコンのみ
をエッチングにより除去し、弾性膜50Bのみを残すこ
とができる。
Bの弾性膜50B以外の領域を除去した後に、弾性膜5
0Bの表面を電解研磨することにより平滑に仕上げた。
た実施形態1と同様の工程で形成した圧力発生室12及
びリザーバ15等を有する流路形成基板10に接合体1
00Bを接合する。
と流路形成基板10との接合方法は、特に限定されず、
例えば、直接接合又は常温接合等を挙げることができ
る。本実施形態では、上述した実施形態4と同様に直接
接合により両者を接合した。
の拡散された弾性膜50Bを有する単結晶シリコンを用
いても、上述した実施形態1と同様の効果を得ることが
できる。
流路形成基板10とを直接接合によって接合したため、
上述した実施形態4と同様に弾性膜50Bと流路形成基
板10との接合界面に結晶格子不整合面、転移面又はボ
イド層を有する。
るインクジェット式記録ヘッドの製造方法を示す圧力発
生室の長手方向の断面図である。
接合を持つ単結晶シリコンとし、弾性膜50Cがn型の
単結晶シリコンからなる例である。
方法を詳細に説明する。なお、上述した実施形態1の製
造方法と同様の工程については、重複する説明を省略す
る。
た実施形態1と同様の工程で弾性膜母材150C上に圧
電素子300及びリード電極90を形成し、封止板20
を接合する。
pn接合を持つ単結晶シリコンを用いて、弾性膜50C
が弾性膜母材150Cのn型単結晶シリコンからなる。
ず、例えば、p型の単結晶シリコンにリン等をドーピン
グ又はp型の単結晶シリコンの表面にn型の単結晶シリ
コンをエピタキシャル形成することで形成することがで
きる。
母材150Cの弾性膜50C以外の領域を除去して接合
体100Cを形成する。本実施形態では、弾性膜母材1
50Cのp型の単結晶シリコンのみをKOH等のアルカ
リ水溶液による電気化学エッチングにより除去した。
を持つ単結晶シリコンからなる弾性膜母材150Cに印
加する電圧の大きさを変化させてp型の単結晶シリコン
のみをエッチングし、n型の単結晶シリコンからなる弾
性膜50Cのみを残すものである。
及びp型の単結晶シリコンはパシベーション電圧(電流
がピーク値になるよりも少し高い)よりも高い電圧を印
加したときに、シリコンのエッチング速度が著しく小さ
くなる。この性質を利用して、エッチングを進行させた
いp型の単結晶シリコンにパシベーション電圧よりも低
い電圧を印加し、エッチングを停止させたいn型の単結
晶シリコンにパシベーション電圧よりも高い電圧を印加
してKOH等のアルカリ水溶液でエッチングを行うこと
により、p型の単結晶シリコンのみをエッチングしてn
型の単結晶シリコンからなる弾性膜50Cを残すことが
できる。
学エッチングにより弾性膜母材150Cのp型の単結晶
シリコンのみを除去した後、n型の単結晶シリコンから
なる弾性膜50Cの表面を電解研磨することにより平滑
に仕上げた。
100Cを上述した実施形態1と同様の工程で形成した
圧力発生室12を有する流路形成基板10に接合する。
合方法は、特に限定されず、例えば、直接接合及び陽極
接合等により両者を接合することができる。本実施形態
では、上述した実施形態4と同様に直接接合により接合
した。
合を持つ単結晶シリコンを用いても、上述した実施形態
1と同様の効果を得ることができる。
流路形成基板10とを直接接合によって接合したため、
上述した実施形態4と同様に弾性膜50Cと流路形成基
板10との接合界面に結晶格子不整合面、転移面又はボ
イド層を有する。
るインクジェット式記録ヘッドの製造方法を示す圧力発
生室の長手方向の断面図である。
不純物濃度の異なる2層の単結晶シリコンを用いて、弾
性膜50Dが不純物濃度の低い層からなる例である。
方法を詳細に説明する。なお、上述した実施形態1の製
造方法と同様の工程については、重複する説明を省略す
る。
た実施形態1と同様の工程で弾性膜母材150D上に圧
電素子300及びリード電極90を形成し、封止板20
を接合する。
は、高濃度で不純物を含む高不純物層151と、これに
対して低濃度で不純物を含む低不純物層152とを有す
る単結晶シリコンを用いた。この不純物を含む低不純物
層152と高不純物層151との組み合わせは、特に限
定されず、例えば、N/N+、N/P+、P/N+、P
/P+の全ての組み合わせを用いることができる。
で、高不純物層151が除去され、低不純物層152が
弾性膜50Dとなるため、低不純物層152の厚さは略
1μm以下とした。
母材150Dの低不純物層152以外の領域を除去して
接合体100Dを形成する。
た電気化学エッチングにより、低不純物層152以外の
領域、すなわち、高不純物層151のみを除去した。
学エッチングとは、まず、弾性膜母材150Dをエッチ
ング液に対してプラス側にバイアスするように電極を配
置する。一方、エッチング液の電位を固定するためにマ
イナス側にバイアスした白金電極を溶液中に置く、この
エッチング液としてはHFとH2Oとの混合液が用いら
れている。H2Oは、HNO3に比べ酸化作用が小さい
ために、単結晶シリコンのエッチング速度は電流を流さ
ない状態ではきわめて小さい。しかしプラスの電圧を単
結晶シリコンに印加したとき、電極からホールが注入さ
れるために、溶液中のOH−イオンが付着して単結晶シ
リコンの酸化が起こる。この酸化物はHF溶液中に容易
に反応してエッチング溶液に溶けるため単結晶シリコン
の溶解が進行する。このとき、高濃度の不純物を有する
高不純物層151では抵抗が小さいために大きな電流が
流れ、シリコン表面の酸化が早く進みエッチング速度が
大きくなる。反対に低濃度の不純物の低不純物層152
では、エッチング速度が減少する。このようにHF−H
NO3系を用いた電気化学エッチングでは、高濃度の不
純物を含む高不純物層151をエッチングして、低濃度
の不純物を含む低不純物層152のみを残すことができ
る。
HNO3系を用いた電気化学エッチングにより低不純物
層152のみを形成後、表面を電解研磨により平滑にす
ることで、弾性膜50Dを形成した。
100Dを上述した実施形態1と同様の工程で形成され
た圧力発生室12を有する流路形成基板10に接合す
る。
合方法は、特に限定されず、例えば、直接接合又は常温
接合等を挙げることができる。本実施形態では、常温接
合により両者を接合した。
00Dとの表面にアルゴン高速原子ビーム(FAB)を
照射して自然酸化膜等の表面層を取り除くことにより表
面活性化を行い、超高真空中でその表面を加圧接触させ
ることで両者を接合させるものである。
とを常温接合により接合する場合であっても、上述した
実施形態4〜6と同様に、弾性膜母材150Dと流路形
成基板10との接合界面に、結晶格子不整合面、転移面
又はボイド層が形成される。また、本実施形態では、流
路形成基板10上の保護膜55aを予めフッ酸等で除去
した後に接合するようにした。
の不純物を含む高不純物層151とそれに比べ低濃度の
不純物を含む低不純物層152を用いて、弾性膜50D
を低不純物層152で形成しても上述した実施形態1と
同様の効果を得ることができる。
態を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的
構成は上述したものに限定されるものではない。
は、流路形成基板10にシリコン単結晶基板を用いて、
圧力発生室12をハーフエッチングにより浅く形成した
が、これに限定されず、例えば、流路形成基板に、SO
I基板を用いて、SOI基板の一方面側の単結晶シリコ
ンからなるシリコン層に、このシリコン層を貫通する圧
力発生室を形成するようにしてもよい。これにより、圧
力発生室の深さを容易に制御することができ、高精度の
圧力発生室を形成することができる。
00〜100Dの形成では、弾性膜母材150〜150
Dの弾性膜50〜50D以外の領域の除去をエッチング
により行ったが、これに限定されず、例えば、途中まで
機械研磨により除去し、その後エッチングを行うように
すれば、製造時間を短縮して製造コストを低減すること
ができる。
100と流路形成基板10とを接着剤からなる接着層5
9を介して接合するようにしたが、これに限定されず、
例えば、接合体100と流路形成基板10との相対向す
る面を鏡面状に研磨して当接させ、全体に加熱すると共
に両方の基板に電圧を印加することで接合する陽極接合
によって接合するようにしてもよい。
流路形成基板10の圧電素子300側にノズル開口21
を有するインクジェット式記録ヘッドとしたが、これに
限定されず、例えば、流路形成基板の圧電素子とは反対
側にノズル開口を有するインクジェット式記録ヘッドと
してもよい。このような例を図13に示す。なお、図1
3は、圧力発生室の長手方向の断面図である。
は、圧力発生室12の両端のそれぞれに連通して、圧電
素子300とは反対側まで貫通するノズル連通孔51C
とインク供給路13Cとが設けられている。このノズル
連通孔51C及びインク供給路13Cは、例えば、圧電
素子300とは反対側からウェットエッチングすること
により形成されている。
51C及びインク供給路13Cの開口する面側には、ノ
ズル連通孔51Cに連通するノズル開口21Cと、イン
ク供給路13Cに連通するインク供給孔23とを有する
ノズルプレート20Cが接合されている。
孔23に対向する領域には、リザーバ15Aを画成する
リザーバ形成基板30及びコンプライアンス基板40が
順次接合されており、圧力発生室12とリザーバ15A
とはノズルプレート20Cに設けられたインク供給孔2
3を介して連通されている。
クは、ノズルプレート20Cのリザーバ15Aに対向す
る領域に形成されたインク導入口24により供給され
る。
の周壁を形成するものであり、ノズル開口数、インク滴
吐出周波数に応じた適正な厚みのステンレス板を打ち抜
いて作製されたものである。
なり、一方の面でリザーバ15Aの一壁面を構成するも
のである。また、インク室側板40には、他方の面の一
部にハーフエッチングにより凹部40aを形成すること
により薄肉壁41が形成されている。なお、薄肉壁41
は、インク滴吐出の際に発生するノズル開口21と反対
側へ向かう圧力を吸収するためのもので、他の圧力発生
室12に、リザーバ15Aを経由して不要な正又は負の
圧力が加わるのを防止する。
ッドとしても、上述した実施形態と1、4〜7と同様の
効果を得ることができる。
式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するイン
ク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成し
て、インクジェット式記録装置に搭載される。図14
は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図
である。
録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、
インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが
着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び
1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付け
られたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられてい
る。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、
それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物
を吐出するものとしている。
い複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリ
ッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及
び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿っ
て移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に
沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ロ
ーラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シ
ートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるように
なっている。
板を流路形成基板に接着剤で接合して形成するため、製
造工程を簡略化して製造コストを低減することができ
る。また、振動板を接合することから、流路形成基板に
圧力発生室を予め浅く形成しておくことができるため、
圧力発生室を高密度で配設しても隔壁の剛性を高めてイ
ンク吐出特性を向上することができる。
録ヘッドの概略を示す斜視図である。
録ヘッドの圧力発生室の長手方向の断面図である。
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
録ヘッドの変形例を示す圧力発生室の長手方向の断面図
である。
録ヘッドを示す断面図である。
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
式記録ヘッドの変形例を示す圧力発生室の長手方向の断
面図である。
記録装置の概略図である。
性膜母材 151 高不純物層 152 低不純物層 300 圧電素子
Claims (25)
- 【請求項1】 ノズル開口に連通する圧力発生室が画成
された流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に振
動板を介して下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電
素子とを具備するインクジェット式記録ヘッドにおい
て、 前記振動板の前記圧力発生室に対向する側の最下層の厚
さが1μm以下であり且つ前記流路形成基板と接着剤を
介して接合されている接合層を有することを特徴とする
インクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項2】 請求項1において、前記流路形成基板の
前記圧電素子側には、当該圧電素子の運動を阻害しない
程度の空間を確保する圧電素子保持部を有する封止板を
有することを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、前記接合層が
酸化シリコンからなることを特徴とするインクジェット
式記録ヘッド。 - 【請求項4】 請求項1又は2において、前記接合層が
ボロンの拡散された単結晶シリコンからなることを特徴
とするインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項5】 請求項1又は2において、前記接合層が
n型単結晶シリコンからなることを特徴とするインクジ
ェット式記録ヘッド。 - 【請求項6】 請求項1〜5の何れかにおいて、前記流
路形成基板が単結晶シリコンからなり、前記圧力発生室
が異方性エッチングにより形成されていることを特徴と
するインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項7】 請求項1〜6の何れかにおいて、前記圧
力発生室が前記流路形成基板を貫通して形成されてお
り、前記流路形成基板の他方面側に前記ノズル開口を有
するノズルプレートが接合されていることを特徴とする
インクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項8】 請求項7において、前記ノズルプレート
が酸化シリコンからなることを特徴とするインクジェッ
ト式記録ヘッド。 - 【請求項9】 請求項1〜6の何れかにおいて、前記圧
力発生室が前記流路形成基板を貫通することなく形成さ
れていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
ド。 - 【請求項10】 請求項9において、前記流路形成基板
が、絶縁体層の両面に単結晶シリコンからなるシリコン
層を有するSOI基板からなり、前記圧力発生室が一方
のシリコン層に形成されていることを特徴とするインク
ジェット式記録ヘッド。 - 【請求項11】 請求項1〜10の何れかのインクジェ
ット式記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジ
ェット式記録装置。 - 【請求項12】 ノズル開口に連通する圧力発生室が画
成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に
振動板を介して成膜及びリソグラフィ法により形成され
た薄膜からなる下電極、圧電体層及び上電極からなる圧
電素子とを有するインクジェット式記録ヘッドの製造方
法において、 一方面に前記振動板の少なくとも最下層となる接合層を
有する振動板母材の該接合層上に前記振動板を形成する
と共に当該振動板上に前記下電極、圧電体層及び上電極
を順次積層及びパターニングすることにより前記圧電素
子を形成する工程と、前記振動板母材の前記振動板側に
前記圧電素子の運動を阻害しない程度の空間を確保する
圧電素子保持部を有する封止板を接合する工程と、前記
振動板母材の前記接合層以外の領域を除去して前記振動
板、前記圧電素子及び前記封止板からなる接合体を形成
する工程と、前記接合体を前記圧力発生室の形成された
前記流路形成基板に接合する工程とを有することを特徴
とするインクジェット式記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項13】 請求項12において、前記振動板母材
が絶縁体層の両側に単結晶シリコンからなるシリコン層
を有するSOI基板からなり、前記接合層が前記絶縁体
層と前記シリコン層の一方とからなることを特徴とする
インクジェット式記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項14】 請求項12において、前記振動板母材
が単結晶シリコンからなり、前記接合層がボロンの拡散
された単結晶シリコンからなることを特徴とするインク
ジェット式記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項15】 請求項12において、前記振動板母材
がpn接合を持つ単結晶シリコンからなり、前記接合層
がn型単結晶シリコンからなることを特徴とするインク
ジェット式記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項16】 請求項12において、前記振動板母材
が不純物濃度の異なる2層の単結晶シリコンからなり、
前記接合層が不純物濃度の低い層からなることを特徴と
するインクジェット式記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項17】 請求項12において、前記振動板母材
が単結晶シリコンからなり、前記接合層が酸化シリコン
からなることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド
の製造方法。 - 【請求項18】 請求項12〜17の何れかにおいて、
前記接合体と前記流路形成基板とを接合する工程では、
両者を直接接合又は常温接合により接合することを特徴
とするインクジェット式記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項19】 請求項17において、前記接合体と前
記流路形成基板とを接合する工程では、両者を陽極接合
により接合することを特徴とするインクジェット式記録
ヘッドの製造方法。 - 【請求項20】 請求項12〜17の何れかにおいて、
前記接合体と前記流路形成基板とを接合する工程では、
両者を接着剤を介して接合することを特徴とするインク
ジェット式記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項21】 請求項12〜20の何れかにおいて、
前記流路形成基板は前記圧力発生室が形成された単結晶
シリコンからなる流路形成層を有し、該流路形成層に前
記接合体を接合することを特徴とするインクジェット式
記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項22】 請求項21において、前記流路形成基
板が絶縁体層の両側に単結晶シリコンからなるシリコン
層を有するSOI基板からなると共に前記流路形成層が
一方のシリコン層であることを特徴とするインクジェッ
ト式記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項23】 請求項22において、前記流路形成層
と前記接合体とを接合する工程の後に、前記流路形成基
板の他方のシリコン層を除去する工程を有することを特
徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項24】 請求項23において、前記流路形成基
板の他方のシリコン層を除去する工程の後に、前記絶縁
体層に前記ノズル開口を形成する工程を有することを特
徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項25】 請求項12〜23の何れかにおいて、
前記振動板母材に前記封止板を接合する工程では、前記
封止板に前記ノズル開口及び前記圧力発生室にインクを
供給するインク供給孔の何れか一方又はその両方を形成
した後に接合することを特徴とするインクジェット式記
録ヘッドの製造方法。
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