JP2002261452A - 配線基板の製造方法 - Google Patents

配線基板の製造方法

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JP2002261452A
JP2002261452A JP2001052589A JP2001052589A JP2002261452A JP 2002261452 A JP2002261452 A JP 2002261452A JP 2001052589 A JP2001052589 A JP 2001052589A JP 2001052589 A JP2001052589 A JP 2001052589A JP 2002261452 A JP2002261452 A JP 2002261452A
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conductor
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Masato Tanaka
正人 田中
Masami Iwayama
正巳 岩山
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Star Micronics Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層基板を形成した場合に、より薄い積層基
板を形成することが可能であり、且つ、自由な回路設計
が可能な配線基板の製造方法を提供すること。 【解決手段】 導体の表面に吸着して自己集合単分子膜
を形成することが可能な自己集合性化合物を該導体の表
面に供給し、自己集合単分子膜を形成せしめる第1の工
程と、前記第1の工程で製造された自己集合単分子膜に
おいて、所望の部分の自己集合単分子膜を剥離して回路
パターンを製造する第2の工程と、前記第1及び第2の
工程を繰り返して複数の前記回路パターンを製造する第
3の工程と、前記第3の工程で製造された複数の回路パ
ターンを、自己集合単分子膜が剥離された部分を介して
順次電気的に接続する第4の工程と、を含むことを特徴
とする配線基板の製造方法。ここで、前記第2の工程に
おいて、自己集合単分子膜を剥離した部分にさらにメッ
キを施す工程を含むことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配線基板の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる自己集合性化合物を特定の導体
表面に吸着(化学吸着)させたときに、その分子集合性
(吸着官能基による吸着作用と、その吸着官能基に結合
している基による分子間相互作用)により、導体表面に
自己集合性化合物がほぼ規則正しく配列する。このよう
な配列により形成された膜を自己集合単分子膜若しくは
自己組織化単分子膜(Self−Assembled
MonolayersといいSAMと略称される)とい
う。また、このように導体表面に自己集合性化合物を規
則正しく配列させることを、導体表面に自己集合性化合
物を修飾させるという。上記のような現象は、R.G.Nuzz
o et al.,J.Am.Chem.Soc.,105(1983),4481-4483等で報
告されており、特定の材料(基材と自己集合性化合物)
間で上記の現象が起こることが知られていた。
【0003】一方、従来、積層配線基板を製造する場合
には、絶縁基板上に銅薄膜の回路パターンを形成し、こ
の基板を積層させた後、積層している複数の配線基板を
貫通するように導通孔を開け、導通孔内をメッキするこ
とにより銅薄膜間を橋掛けして電気的に導通し、積層基
板を形成していた。
【0004】例えば、特開平7−231164号公報に
記載の配線基板の製造方法では、導電パターン層同士を
ノボラック樹脂、アクリレート樹脂、メタクリレート樹
脂、ポリイミド樹脂等の絶縁層によって絶縁し、この樹
脂層を貫通する導通孔を開けた後、無電解メッキを施す
ことによって前記導電パターン層同士を電気的に導通し
ていた。
【0005】しかしながら、このように絶縁層に樹脂を
用いた場合、絶縁層の薄層化に限界があり、多層化した
場合に薄いことが要求される回路の形成が困難であると
いう問題があった。
【0006】また、導電パターン同士を電気的に導通す
るには、絶縁層に用いられる樹脂を貫通する導通孔が必
須であるため、この導通孔が回路の設計上障害となる場
合があるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の有する課題に鑑みてなされたものであり、積層基板
を形成した場合に、より薄い積層基板を形成することが
可能であり、且つ、自由な回路設計が可能な配線基板の
製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、自己集合性化
合物で修飾された導電性基材上の一部の自己集合性化合
物を剥離した回路パターンを製造し、この回路パターン
の自己集合性化合物の剥離部分同士を結合させて配線基
板を製造することにより、自由に回路設計をしつつ、よ
り薄い積層基板を製造することが可能であることを見出
し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明の配線基板の製造方法
は、導体の表面に吸着して自己集合単分子膜を形成する
ことが可能な自己集合性化合物を該導体の表面に供給
し、自己集合単分子膜を形成せしめる第1の工程と、前
記第1の工程で製造された自己集合単分子膜において、
所望の部分の自己集合単分子膜を剥離して回路パターン
を製造する第2の工程と、前記第1及び第2の工程を繰
り返して複数の回路パターンを製造する第3の工程と、
前記第3の工程で製造された前記複数の回路パターン
を、自己集合単分子膜が剥離された部分を介して順次電
気的に接続する第4の工程と、を含むことを特徴とする
配線基板の製造方法である。
【0010】また、本発明の配線基板の製造方法は、所
望の形状を有する導体の表面に吸着して自己集合単分子
膜を形成することが可能な自己集合性化合物を該導体の
表面に供給し、自己集合単分子膜を形成せしめる第1の
工程と、前記第1の工程で製造された自己集合単分子膜
において、所望の部分の自己集合単分子膜を剥離して回
路パターンを製造する第2の工程と、前記第1及び第2
の工程を繰り返して複数の回路パターンを製造する第3
の工程と、前記第3の工程で製造された複数の回路パタ
ーンを組み合わせて電気的に接続し、配線基板を製造す
る第4の工程と、を含むことを特徴とする配線基板の製
造方法である。
【0011】ここで、前記第2の工程において、自己集
合単分子膜を剥離した部分にさらにメッキを施す工程を
含むことが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて詳細に説明する。
【0013】本発明の配線基板の製造方法は、導体の表
面に吸着して自己集合単分子膜を形成することが可能な
自己集合性化合物を該導体の表面に供給し、自己集合単
分子膜を形成せしめる第1の工程と、前記第1の工程で
製造された自己集合単分子膜において、所望の部分の自
己集合単分子膜を剥離して回路パターンを製造する第2
の工程と、前記第1及び第2の工程を繰り返して複数の
前記回路パターンを製造する第3の工程と、前記第3の
工程で製造された複数の回路パターンを、自己集合単分
子膜が剥離された部分を介して順次電気的に接続する第
4の工程と、を含むことを特徴とする配線基板の製造方
法である。
【0014】先ず、本発明にかかる第1の工程について
説明する。
【0015】本発明の第1の工程は、導体の表面に吸着
して自己集合単分子膜を形成することが可能な自己集合
性化合物を該導体の表面に供給し、自己集合単分子膜を
形成せしめる工程である。
【0016】本発明にかかる導体は導電性であればよ
く、特に制限されないが、例えば、金、銀、銅、白金が
挙げられ、金、銀、銅が好ましい。また、少なくとも導
電性基材の自己集合単分子膜が形成されるべき面が導電
性であればよく、絶縁性材料に上記導電性材料が被覆さ
れてなる基材であってもよい。このような絶縁性材料と
しては、例えば、ガラスが挙げられる。このような基材
は、回路パターンの形成時に積層して用いられる場合が
多いため、可撓性を有したものであることが好ましい。
【0017】また、本発明にかかる導体の厚みは、製造
する回路によって適宜決定すればよく、特に制限されな
いが、10nm〜10μm程度であることが好ましい。
【0018】また、本発明にかかる自己集合性化合物は
特に制限されないが、例えば以下のものが挙げられる。
【0019】(I)一般式(1):HSR1で表わされるチ
オール化合物 i)吸着官能基:SH基(チオール基) ii)R1:脂肪族化合物残基であり、より具体的には以下
のもの: a)アルキル残基(例えば、−(CH2)mCH3:m=1〜21) b)ハロゲン(F、Br、Cl)置換アルキル残基(例えば、
−(CH2)2(CF2)nCF3:n=5〜15、−(CH2)11Br、−(CH2)11
Cl) c)アルケニル残基(例えば、−(CH2)17CH=CH2) d)アルコール残基(例えば、−(CH2)pOH:p=2〜22) e)脂肪族カルボン酸残基(例えば、−(CH2)qCOOH: q=1
〜15) f)脂肪族カルボン酸エステル残基(例えば、−(CH2)rCO
OCH3: r=10〜15) g)脂肪族エーテル残基(例えば、−(CH2)11OCH3) h)脂肪族チオールエステル残基(例えば、−(CH2)12SCO
CH3) i)シアン化アルキル残基(例えば、−(CH2)8CN) j)シロキシル化アルキル残基(例えば、−(CH2)11OSi(C
H3)2(C(CH3)3)) が挙げられる。中でも、アルキル残基、ハロゲン置換ア
ルキル残基、脂肪族カルボン酸エステル残基、脂肪族エ
ーテル残基、脂肪族チオールエステル残基、シロキシル
化アルキル残基であることが好ましく、アルキル残基で
あることがより好ましい。
【0020】(II)一般式(2):R2SSR3で表わされ
るジスルフィド化合物 i)吸着官能基:SS基(ジスルフィド基) ii)R2及びR3は、同一でも異なっていてもよく、それ
ぞれ脂肪族化合物残基であり、より具体的には以下のも
の: a)アルキル残基(例えば、−(CH2)sCH3:s=0〜17) b)ハロゲン(F、Br、Cl)置換アルキル残基 c)アルケニル残基(例えば、−(CH2)20CH=CH2) d)脂肪族カルボン酸残基(例えば、−(CH2)tCOOH:t=2
〜10) e)脂肪族アミン残基(例えば、−(CH2)2NH2) f)R2及びR3が下記一般式:
【0021】
【化1】
【0022】[式中、R21及びR31は、同一でも異なっ
ていてもよく、それぞれH−、CF3(CF 2)uCO−:u=0〜
6、CH3(CH2)vCO−:v=0〜14又は(p−NO2)C6H4CO−を示
す]で表わされる基を形成していてもよいが挙げられ、
中でも、アルキル残基、ハロゲン置換アルキル残基、ア
ルケニル残基、下記一般式
【0023】
【化2】
【0024】[式中、R21及びR31は、同一でも異なっ
ていてもよく、それぞれH−、CF3(CF 2)uCO−:u=0〜
6、CH3(CH2)vCO−:v=0〜14又は(p−NO2)C6H4CO−を示
す]で表わされる基を形成していてもよいであることが
好ましく、アルキル残基であることがより好ましい。
【0025】(III)一般式(3):R4SR5で表わされ
るスルフィド化合物 i)吸着官能基:S基(スルフィド基) ii)R4及びR5は、同一でも異なっていてもよく、それ
ぞれ脂肪族化合物残基であり、より具体的には以下のも
の: a)アルキル残基(例えば、−(CH2)17CH3) b)ハロゲン(F、Br、Cl)置換アルキル残基 が挙げられ、中でも、アルキル残基であることが好まし
い。
【0026】なお、本発明にかかる自己集合性化合物は
上記のものに限定されず、所定の導体表面に自己集合単
分子膜を形成できるものであればよいが、硫黄は金に対
して特異的な親和性を示すことから導体として金を使用
する場合は吸着官能基として硫黄を含む前述のジスルフ
ィド化合物、スルフィド化合物、チオール化合物が好ま
しい。
【0027】また、本発明にかかる自己集合性化合物を
構成する脂肪族化合物残基も上記のものに限定されず、
使用する導体と吸着官能基との組み合わせ等に応じて選
択されるが、脂肪族化合物残基としてアルキル残基又は
ハロゲン置換脂肪族化合物残基(例えばハロゲン置換ア
ルキル残基)又はアルコール残基を用いる場合は炭素数
が1〜22の範囲内のものが好ましく、炭素数が5〜1
8の範囲内のものが特に好ましい。炭素数が多過ぎると
導体と自己集合性化合物との結合の熱的安定性が高くな
り過ぎる傾向にあり、他方、炭素数が少な過ぎると導体
に吸着した自己集合性化合物の充分な均一性が得られな
い可能性が生じる傾向にあるからである。
【0028】また、本発明においては、上記自己集合性
化合物として少なくとも2種類のものの混合物を使用し
てもよい。
【0029】以上説明したような自己集合性化合物を導
体の表面に供給し、自己集合単分子膜を形成せしめる方
法としては特に制限はなく、公知の方法を用いて前記化
合物を導体に吸着させればよい。具体的には、例えば、
前述の導体を自己集合性化合物が溶解している溶液に浸
漬した後取り出し、導体表面を洗浄して余分の自己集合
性化合物が吸着した導体を得ることができる。ここで、
自己集合性化合物を溶解する溶媒としては、例えば、メ
タノール、メタノール−水混合溶液、エタノール、TH
F、ジエチルエーテル、ジクロロメタンが挙げられ、中
でもメタノール−水混合溶液、エタノールを用いること
が好ましい。また、前記洗浄液としては、例えば、メタ
ノール、メタノール−水混合溶液、エタノール、TH
F、ジエチルエーテル、ジクロロメタンが挙げられ、中
でもメタノール−水混合溶液、エタノールを用いること
が好ましい。ここで、前記浸漬の条件としては、例え
ば、溶媒の濃度が0.1〜10mmolであることが好
ましく、1〜2mmolであることがより好ましく、ま
た、温度条件が0〜60℃(溶媒の沸点以下)であること
が好ましく、室温〜40℃であることがより好ましく、
さらに、時間が12〜48時間であることが好ましい。
【0030】また、自己集合単分子膜を形成せしめる方
法として、通電法を用いてもよい。すなわち、導体の一
端に一方の端子が接続され且つ前記導体の他端に他方の
端子が接続されている電源を備えた通電装置により、前
記自己集合性化合物が該前記導体の表面に供給された際
に前記導体に通電して自己集合単分子膜を形成させても
よい。
【0031】通電法を用いて自己集合単分子膜を形成さ
せる実施形態においては、図1(a)に示すように、先
ず、導体1を、容器30a中の自己集合性化合物2の溶
液3に浸析して導体1の表面に自己集合性化合物2を供
給する。このようにすると、導体1の表面(固液界面)
に一部の自己集合性化合物2が自発的に配列・吸着し、
残りの自己集合性化合物2は溶液3中に溶解したままの
状態となる。このとき、導体1の一端に一方の端子が接
続され且つ導体1の他端に他方の端子が接続されている
電源(通電装置)30bによって導体に通電する(図1
(b))。このように導体1に通電すると、導体1の表
面に自己集合性化合物2が高速度で配列・吸着し、自己
集合性化合物2が高密度で均一に配列した単分子層の吸
着膜(自己集合単分子膜)が短時間で形成される。この
ような自己集合単分子膜の形成速度を左右する因子とし
ては、印加電流、温度、溶媒の種類、溶液濃度等があ
り、用いる自己集合性化合物と導体との組み合わせに応
じて製膜速度が速くなるように適宜選択される。
【0032】なお、導体に通電する際の印加電流は、よ
り短時間で単分子膜を形成するためには0.1A以上が
好ましく、1〜5Aがより好ましい。印加電流が前記下
限未満では単分子膜の形成に要する時間が充分には短縮
されない傾向にあり、他方、印加電流が前記上限を超え
ると必要な通電装置並びに漏電防止用等の付随装置の規
模が大きくなってコスト面で不都合が生じる傾向にあ
る。また、印加電圧は特に制限されないが、導体の抵抗
に応じて前記印加電流が通電されるように調節されるこ
とが好ましい。更に、単分子膜の形成は室温でも可能で
ある。溶媒は特に制限されないが、単分子層内への侵入
性が低いことが好ましく、自己集合性化合物の溶解性の
観点から有機溶媒が好ましい。中でも、エタノール(プ
ロトン性極性溶媒)、酢酸エチル(非プロトン性極性溶
媒)、ヘキサン(無極性溶媒)等が好適に使用される。
また、溶液中の自己集合性化合物の濃度としては、単分
子膜を確実に得るためには0.0001mM以上が好ま
しく、0.01mM以上10mM以下がより好ましい。
溶液濃度が前記下限未満では、単分子膜の形成に要する
時間が長くなる傾向にあり、他方、溶液濃度が前記上限
を超えると、自己集合性化合物自体が自己集合を妨害し
たり、過剰な自己集合性化合物が表面に析出したりする
可能性が生じる傾向にあるからである。
【0033】なお、本発明においては、上記のように導
体自体に通電しながら自己集合単分子膜を形成させた場
合、前述のように自己集合性化合物の吸着速度が向上
し、通電しなかった場合に比べて製膜に要する時間が1
/2以下程度に短縮される。
【0034】このように形成された自己集合単分子膜
は、溶媒で洗浄して膜形成に関与していない自己集合性
化合物を除去し、更に乾燥して溶媒を除去する。なお、
かかる洗浄工程は必ずしも必須ではなく、乾燥工程だけ
であってもよい。
【0035】また、導体に自己集合単分子膜を形成させ
る場合、図1の場合のように導体の片面にのみ形成させ
てもよいし、図2の場合のように両面に形成させてもよ
い。しかしながら、本発明にかかる自己集合単分子膜は
回路パターン同士が交差する場合の絶縁層として機能す
ることから、回路パターン同士が交差・接触する部分で
あり、且つ、通電することを望まない部分である場合に
は交差する回路パターンの接触面は自己集合単分子膜で
絶縁されている必要がある。一方、回路パターン同士が
交差し、その部分で通電することを望む場合には自己集
合単分子膜で絶縁されていないものである。
【0036】次に、本発明にかかる第2の工程について
説明する。
【0037】本発明にかかる第2の工程は、前記第1の
工程で製造された自己集合単分子膜において、所望の部
分の自己集合単分子膜を剥離して回路パターンを製造す
る工程である。
【0038】自己集合性化合物を導体から剥離させる方
法としては特に制限はされないが、光線照射によって自
己集合性化合物を剥離させることが好ましい。前記光線
としては、例えば、紫外線、レーザー、可視光、赤外光
の照射が挙げられる。
【0039】前記紫外線を照射する際の条件としては、
紫外線の波長範囲が150〜380nmであることが好
ましい。紫外光の範囲が前記範囲外である場合には十分
に自己集合単分子膜の剥離が生じない傾向にある。ま
た、紫外線を照射する時間としては特に制限はないが、
60秒より長時間照射することが好ましい。
【0040】また、前記レーザーを照射する際の波長と
しては、特に制限されないが、赤外レーザー、紫外レー
ザーを用いることが好ましい。赤外レーザーを使用した
場合は加熱、また紫外レーザーを用いた場合は化合物自
体の分解により、それぞれ、自己集合単分子膜の剥離が
可能である。また、レーザーの照射条件としては、基材
や、基材表面に被覆された前記導電性材料に溶解やエッ
チング等の熱的、形状的影響が出ない条件であれば特に
制限されない。しかし、レーザーにより自己集合単分子
膜と基材を同時に剥離・加工し、基材の形状加工と自己
集合単分子膜の剥離を同時に行うことも可能である。
【0041】導体から自己集合性化合物を剥離する方法
としては、前述した光線の他に熱処理を挙げることがで
きる。
【0042】前記加熱の条件としては、100〜400
℃で加熱することが好ましい。この場合、加熱時間は1
〜10分であることが好ましい。
【0043】また、本発明にかかる第2の工程におい
て、所望の部分の自己集合単分子膜を剥離する方法とし
ては、この部分の自己集合性化合物が剥離される方法で
あれば特に制限はないが、例えば、図1(c)に示すよ
うに、剥離せずに絶縁層として使用したい部分をフォト
マスク4等でマスクし、剥離する部分6にのみ前述した
ような光線照射5や加熱を施せばよい。
【0044】また、第2の工程において、自己集合単分
子膜が剥離された部分に、さらにメッキを施す工程を含
んでいてもよい。メッキを施すことにより、回路パター
ン同士の密着性が高まり、通電性が向上する傾向にあ
る。
【0045】前記メッキ方法としては電解メッキ又は無
電解メッキのいずれの方法でもよい。
【0046】電解メッキの方法としては特に制限はな
く、通常用いられる電解メッキと同様の方法で行えばよ
い。具体的には、例えば、図1(e)に示すように、電
源の負端子に接続されたメッキ用電極30eを自己集合
性化合物2が付着した導体1に接続し、前記電源の正端
子に接続された電極が設置されたメッキ浴30cに浸漬
させ、電源30dから電流を供給する。自己集合性化合
物2が剥離し、導体が露出している部分6表面では、メ
ッキ液7中に溶解している金属イオンが還元され、導体
が露出している部分6表面に金属8が析出する。自己集
合性化合物2で被覆された部分では金属の析出は生じな
いため、導体が露出している部分6表面にのみメッキ金
属8が析出することになる。ここで、前記メッキ液中に
溶解している金属としては、通常メッキに用いられる金
属であれば特に制限はないが、例えば、金、ニッケル、
銀、銅、ロジウム、錫、錫−鉛合金、クロムが挙げら
れ、中でも金、ニッケルが好ましい。
【0047】また、メッキを施す際の条件としては、通
常用いられる条件であれば特に制限はないが、例えば、
金メッキの場合、前記メッキ液の組成としては、シアン
化金、塩酸等の混合水溶液を含むものが好適に使用でき
る。また、この場合、メッキ時の電流密度は0.1〜
1.5A/dm2であることが好ましく、pHは3〜5
であることが好ましく、温度は30〜50℃であること
が好ましい。また、ニッケルメッキの場合、前記メッキ
液の組成としては、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、ホウ
酸等の混合水溶液を含むものが好適に使用できる。ま
た、この場合、メッキ時の電流密度は0.2〜2A/d
2であることが好ましく、pHは4〜6であることが
好ましく、温度は40〜70℃であることが好ましい。
【0048】また、無電解メッキとしては特に制限はな
く、公知の方法によって行うことができる。
【0049】次に、本発明にかかる第3の工程について
説明する。
【0050】本発明にかかる第3の工程は、前記第1及
び第2の工程を繰り返して複数の回路パターンを製造す
る工程である。
【0051】本発明の配線基板は、前記第1及び第2の
工程で製造された回路パターンを接続してなるものであ
る。従って、最終的に製造される配線基板に応じて、所
望の形状を有する回路パターンを所望の枚数準備すれば
よい。
【0052】次に、本発明にかかる第4の工程について
説明する。
【0053】本発明にかかる第4の工程は、前記第3の
工程で製造された前記複数の回路パターンを、自己集合
単分子膜が剥離された部分を介して順次電気的に接続す
る工程である。
【0054】本発明にかかる第1〜第3の工程において
製造された回路パターンは、図1(f)に示すような構
造を有している。ただし、図1(f)では実施形態の一
例として長方形状の回路パターンを示しているが、実際
は、製造する配線基板のパターンに応じて所望の形状を
有していてよい。このような配線パターンは、図2
(e)(f)に示すように、自己集合単分子膜が剥離さ
れた部分6又はメッキ部分8を介して順次接続され、例
えば、第1の回路パターン9及び第2の回路パターン1
0をそれぞれの自己集合単分子膜が剥離された部分6又
はメッキ部分8同士を接触させるように配置・固定する
ことにより所望の回路パターンを有する配線基板を製造
することが可能となる。また、回路パターン13と回路
パターン16が図2(f)に示すように立体的に交差す
る場合には、回路パターン13の表(おもて)面又は回
路パターン16の裏面のいずれか又はいずれもが自己集
合性化合物で修飾されていればよい。
【0055】このように回路パターンを接続して配線基
板を製造する場合、回路パターンを形成する支持体17
上に回路パターンを配置することが好ましい。ここで、
前記支持体としては特に制限はないが、例えば、ガラ
ス、ガラス−エポキシ樹脂、紙フェノール等のプリント
基板材料、セラミックスが挙げられる。また、回路パタ
ーン間の固定方法としては特に制限はないが、例えば、
ハンダや導電性接着剤が挙げられる。
【0056】本発明の配線基板の製造方法においては、
上述した第1〜第4の工程を繰り返すことにより複数の
回路パターンが電気的に接続され、最終的には所望のパ
ターンを有する配線基板が製造される。この場合、前記
回路パターンにおいて自己集合単分子膜が剥離された部
分はすでに他の回路パターンとの接続に使用されている
ため、完成した配線基板の表面には自己集合性単分子膜
が剥離された部分、すなわち導体が露出した部分は存在
しない。従って、配線基板の製造工程において、ある回
路パターンが他の回路パターン上を交差する場合でも、
これら二つの回路パターン間は自己集合性化合物で絶縁
されており、通電することはない。
【0057】以上説明したような方法で配線基板を製造
することにより、自己集合単分子膜を絶縁層として配線
基板を製造することが可能となる為、このような配線基
板を積層して製造される積層回路をより薄くすることが
可能となる。また、配線基板間を導通するための導通孔
を開ける必要がない為、回路設計がより自由となる。
【0058】
【実施例】以下、実施例により本発明の内容をより具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定さ
れるものではない。
【0059】実施例1 SAMが絶縁体として機能するか否かを確認するため、以
下の試験を行った。
【0060】ガラス基板18状に金属マスクを用いてラ
イン形状のAu/Cr薄膜19を真空蒸着し(図3
(a))、これにアルカンチオールSAM21を修飾した
(図3(d))。真空蒸着には真空蒸着装置PVC−41
0A (ULVAC製)を用いた。次に、前記のAu/Cr蒸着膜と
交差するようにさらにAu薄膜20を蒸着し(図3
(c))、Au−SAM−Au/Crの順に重ね合わされた積層薄
膜を作製した(図3(d))。Auラインは上下層とも1
mm幅のものを作製し、上層と下層は直交するように設置
した。
【0061】Au及びCrの蒸着の条件を以下に示す。な
お、吸着は常温下で行った。 下層(Au/Cr)…膜厚:〜2000オングストローム/50オングストローム 蒸着速度:3オングストローム/秒/1オングストローム/秒 上層(Au)…膜厚:1000オングストローム 蒸着速度:1オングストローム/秒。
【0062】SAMの修飾条件を以下に示す。 材料:n−ヘキサデカンチオール 溶媒:エタノール 濃度:1mmol/L。
【0063】SAMが絶縁体として機能しているか否かを
確認するため、以下の2通りの方法で抵抗値の測定を行
った。
【0064】すなわち、上下層間の抵抗値をマルチメー
ターで測定した。抵抗値の測定の際の印加電流は10nA、
max500Vで行った。この条件では抵抗値は測定範囲上限
の200Mオーム以上の抵抗値を示した。
【0065】また、低電圧印加時の電流量を測定するこ
とで抵抗値を求めた。上下層間に1mVの電圧を印加した
ときの電流値は0.005nA以下を示し、このときの抵抗値
は200Mオーム以上であった。
【0066】比較例1 Au/Cr薄膜を真空蒸着したものにアルカンチオールSAMを
修飾せず、Au−Au/Crの順に重ね合わされた積層薄膜を
作製して用いた以外は実施例1と同様にして、抵抗値の
測定を行った。
【0067】低電圧印加時の電流量を測定することで抵
抗値を求めた場合に、上下層間に1mVの電圧を印加した
ときの電流値は0.139mAを示し、このときの抵抗値は約
7オームであった。
【0068】実施例1及び比較例1より、自己集合単分
子膜が絶縁体として機能していることが確認された。従
って、自己集合性化合物を絶縁体とする非常に薄型の配
線基板を製造可能であることが確認された。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の配線基板
の製造方法によれば、積層基板を形成した場合に、より
薄い積層基板を形成することが可能であり、且つ、自由
な回路設計が可能な配線基板の製造方法を提供すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(f)は本発明にかかる自己集合単分
子膜の形成と部分メッキの工程を示した断面模式図であ
る。
【図2】(a)〜(f)は本発明にかかる配線基板の製
造工程を示した模式図である。
【図3】(a)〜(c)は本発明にかかる自己集合単分
子膜の絶縁性を確認した際のサンプルの模式図である。
(d)はAu/Cr薄膜19とAu薄膜20とが交差する部分
の断面模式図である。
【符号の説明】
1…導体、2…自己集合性化合物、3…自己集合性化合
物溶液、4…フォトマスク、5…光(紫外線等)、6…
導体が露出している部分、7…メッキ液、8…メッキ金
属、9…第1の回路パターン、10…第2の回路パター
ン、11…第3の回路パターン、12…第4の回路パタ
ーン、13…第5の回路パターン、14…第6の回路パ
ターン、15…第7の回路パターン、16…第8の回路
パターン、17…支持体、18…ガラス基板、19…Au
/Cr薄膜、20…Au薄膜、21…アルカンチオール、3
0a…化合物供給容器、30b…通電装置(電源)、3
0c…メッキ浴、30d…通電装置(電源)、30e…
電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E346 AA12 AA15 AA32 AA35 AA43 BB01 CC01 DD01 DD22 EE33 FF01 FF12 GG15 GG17 GG28 HH24

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体の表面に吸着して自己集合単分子膜
    を形成することが可能な自己集合性化合物を該導体の表
    面に供給し、自己集合単分子膜を形成せしめる第1の工
    程と、 前記第1の工程で製造された自己集合単分子膜におい
    て、所望の部分の自己集合単分子膜を剥離して回路パタ
    ーンを製造する第2の工程と、 前記第1及び第2の工程を繰り返して複数の前記回路パ
    ターンを製造する第3の工程と、 前記第3の工程で製造された複数の回路パターンを、自
    己集合単分子膜が剥離された部分を介して順次電気的に
    接続する第4の工程と、を含むことを特徴とする配線基
    板の製造方法。
  2. 【請求項2】 所望の形状を有する導体の表面に吸着し
    て自己集合単分子膜を形成することが可能な自己集合性
    化合物を該導体の表面に供給し、自己集合単分子膜を形
    成せしめる第1の工程と、 前記第1の工程で製造された自己集合単分子膜におい
    て、所望の部分の自己集合単分子膜を剥離して回路パタ
    ーンを製造する第2の工程と、 前記第1及び第2の工程を繰り返して複数の回路パター
    ンを製造する第3の工程と、 前記第3の工程で製造された複数の回路パターンを組み
    合わせて電気的に接続し、配線基板を製造する第4の工
    程と、を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の工程において、自己集合単分
    子膜を剥離した部分にさらにメッキを施す工程を含むこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の配線基板の製造
    方法。
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