JP2002256476A - 部分メッキ方法 - Google Patents

部分メッキ方法

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JP2002256476A
JP2002256476A JP2001052581A JP2001052581A JP2002256476A JP 2002256476 A JP2002256476 A JP 2002256476A JP 2001052581 A JP2001052581 A JP 2001052581A JP 2001052581 A JP2001052581 A JP 2001052581A JP 2002256476 A JP2002256476 A JP 2002256476A
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JP2001052581A
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English (en)
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Masami Iwayama
正巳 岩山
Masato Tanaka
正人 田中
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Star Micronics Co Ltd
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Star Micronics Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な工程でパターン精度の高い部分メッキ
を施す方法を提供すること。 【解決手段】 基材の一部分にメッキを施す部分メッキ
方法であって、前記基材の表面に吸着して自己集合単分
子膜を形成することが可能な自己集合性化合物を前記基
材の表面に供給し、自己集合単分子膜を形成せしめる第
1の工程と、前記第1の工程で形成された自己集合単分
子膜において、所望の部分の自己集合単分子膜を剥離す
る第2の工程と、前記第2の工程において自己集合単分
子膜が剥離した部分に電解メッキを施す第3の工程と、
を含むことを特徴とする部分メッキ方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自己集合単分子膜
を用いた部分メッキ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる自己集合性化合物を特定の基材
表面に吸着(化学吸着)させたときに、その分子集合性
(吸着官能基による吸着作用と、その吸着官能基に結合
している基による分子間相互作用)により、基材表面に
自己集合性化合物がほぼ規則正しく配列する。このよう
な配列により形成された膜を自己集合単分子膜若しくは
自己組織化単分子膜(Self−Assembled
MonolayersといいSAMと略称される)とい
う。また、このように基材表面に自己集合性化合物を規
則正しく配列させることを、基材表面に自己集合性化合
物を修飾させるという。上記のような現象は、R.G.Nuzz
o et al.,J.Am.Chem.Soc.,105(1983),4481-4483等で報
告されており、特定の材料(基材と自己集合性化合物)
間で上記の現象が起こることが知られていた。
【0003】一方、電解液中に導電性対象物を浸漬して
陽極から電流を流し、導電性対象物に金やニッケル等の
メッキを施すことは電解メッキ法として知られていた。
これまで、電解メッキ法によって部分メッキを行う場合
には、特開平5−250632号公報に記載のように、
メッキを施さない部分にソルダレジストを塗布してベー
ク処理することによってレジスト膜を形成し、このレジ
スト膜を絶縁体として部分メッキを施すという方法が採
られていた。しかしながら、特開平5−250632号
公報に記載の方法では、レジスト剤を塗布してレジスト
膜を形成する際に、乾燥等の処理に時間がかかるという
問題があった。
【0004】また、部分メッキを施す方法として、フィ
ルム状のレジスト膜を対象物に圧着させた後、レジスト
膜が存在しない部分にメッキを施す方法が知られてい
た。しかしながら、フィルム状のレジスト膜は100μ
m程度の厚さがあるため密着性が高いとは言えず、レジ
スト膜を光でパターニングした際にパターン精度が劣化
するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の有する課題に鑑みてなされたものであり、簡易な工
程でパターン精度の高い部分メッキを施す方法を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、メッキを施す
対象物(基材)にSAMを形成した後、部分メッキを施し
たい部分のSAMを剥離させ、残存したSAMを絶縁体として
使用して前記SAMが剥離した部分に電解メッキを施すこ
とにより、簡易な工程でパターン精度の高い部分メッキ
を施すことが可能であることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0007】すなわち、本発明の部分メッキ方法は、基
材の一部分にメッキを施す部分メッキ方法であって、該
基材の表面に吸着して自己集合単分子膜を形成すること
が可能な自己集合性化合物を該基材の表面に供給し、自
己集合単分子膜を形成せしめる第1の工程と、前記第1
の工程で形成された自己集合単分子膜において、所望の
部分の自己集合単分子膜を剥離する第2の工程と、前記
第2の工程において自己集合単分子膜が剥離した部分に
電解メッキを施す第3の工程と、を含むことを特徴とす
る部分メッキ方法である。
【0008】また、本発明の部分メッキ方法において
は、前記第2の工程において、所定の波長を有する光
を、前記自己集合単分子膜が剥離される所望の部分に照
射して該部分の自己集合単分子膜を剥離することが好ま
しい。
【0009】さらに、本発明の部分メッキ方法において
は、前記第1の工程において、前記自己集合性化合物を
前記基材上に供給し、前記基材に通電して前記自己集合
単分子膜を形成せしめることが好ましい。
【0010】また、本発明の部分メッキ方法において、
電解メッキを施した後に、残余の自己集合性化合物を除
く工程をさらに含むことが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて詳細に説明する。
【0012】本発明の部分メッキ方法は、基材の一部分
にメッキ膜を形成する部分メッキ方法であって、前記基
材の表面に吸着して自己集合単分子膜を形成することが
可能な自己集合性化合物を前記基材の表面に供給し、自
己集合単分子膜を形成せしめる第1の工程と、前記第1
の工程で形成された自己集合単分子膜において、所望の
部分の自己集合単分子膜を剥離する第2の工程と、前記
第2の工程において自己集合単分子膜が剥離した部分に
電解メッキを施す第3の工程と、を含むことを特徴とす
る部分メッキ方法である。
【0013】先ず、本発明にかかる第1の工程について
説明する。
【0014】本発明にかかる第1の工程は、基材の表面
に吸着して自己集合単分子膜を形成することが可能な自
己集合性化合物を前記基材の表面に供給し、自己集合単
分子膜を形成せしめる工程である。
【0015】本発明にかかる基材は導電性であればよ
く、特に制限されないが、例えば、金、銀、銅、白金が
挙げられ、金、銀、銅が好ましい。また、少なくとも基
材の自己集合単分子膜が形成されるべき面が導電性であ
ればよく、絶縁性材料に上記導電性材料が被覆されてな
る基材であってもよい。このような絶縁性材料として
は、例えば、ガラス、PTFE等のプラスチックが挙げ
られ、中でもガラスを用いることが好ましい。また、シ
リコン等の半導体でも、基材に通電されない条件下で使
用することができる。
【0016】また、本発明にかかる自己集合性化合物は
特に制限されないが、例えば以下のものが挙げられる。
【0017】(I)一般式(1):HSR1で表わされる
チオール化合物 i)吸着官能基:SH基(チオール基) ii)R1:脂肪族化合物残基であり、より具体的には以下
のもの: a)アルキル残基(例えば、−(CH2)mCH3:m=1〜21) b)ハロゲン(F、Br、Cl)置換アルキル残基(例えば、
−(CH2)2(CF2)nCF3:n=5〜15、−(CH2)11Br、−(CH2)11
Cl) c)アルケニル残基(例えば、−(CH2)17CH=CH2) d)アルコール残基(例えば、−(CH2)pOH:p=2〜22) e)脂肪族カルボン酸残基(例えば、−(CH2)qCOOH: q=1
〜15) f)脂肪族カルボン酸エステル残基(例えば、−(CH2)rCO
OCH3: r=10〜15) g)脂肪族エーテル残基(例えば、−(CH2)11OCH3) h)脂肪族チオールエステル残基(例えば、−(CH2)12SCO
CH3) i)シアン化アルキル残基(例えば、−(CH2)8CN) j)シロキシル化アルキル残基(例えば、−(CH2)11OSi(C
H3)2(C(CH3)3)) が挙げられる。中でも、本発明にかかる自己集合性化合
物としては、アルキル残基、ハロゲン置換アルキル残
基、脂肪族カルボン酸エステル残基、脂肪族エーテル残
基、脂肪族チオールエステル残基、シロキシル化アルキ
ル残基であることが好ましく、アルキル残基であること
がより好ましい。
【0018】(II)一般式(2):R2SSR3で表わされ
るジスルフィド化合物 i)吸着官能基:SS基(ジスルフィド基) ii)R2及びR3は、同一でも異なっていてもよく、それ
ぞれ脂肪族化合物残基であり、より具体的には以下のも
の: a)アルキル残基(例えば、−(CH2)sCH3:s=0〜17) b)ハロゲン(F、Br、Cl)置換アルキル残基 c)アルケニル残基(例えば、−(CH2)20CH=CH2) d)脂肪族カルボン酸残基(例えば、−(CH2)tCOOH:t=2
〜10) e)脂肪族アミン残基(例えば、−(CH2)2NH2) f)R2及びR3が下記一般式:
【0019】
【化1】
【0020】[式中、R21及びR31は、同一でも異なっ
ていてもよく、それぞれH−、CF3(CF 2)uCO−:u=0〜
6、CH3(CH2)vCO−:v=0〜14又は(p−NO2)C6H4CO−を示
す]で表される基を形成していてもよい、が挙げられ
る。中でも、本発明にかかる自己集合性化合物として
は、アルキル残基、ハロゲン置換アルキル残基、アルケ
ニル残基、下記一般式
【0021】
【化2】
【0022】[式中、R21及びR31は、同一でも異なっ
ていてもよく、それぞれH−、CF3(CF 2)uCO−:u=0〜
6、CH3(CH2)vCO−:v=0〜14又は(p−NO2)C6H4CO−を示
す]で表わされる基を形成していてもよいであることが
好ましく、アルキル残基であることがより好ましい。
【0023】(III)一般式(3):R4SR5で表わされ
るスルフィド化合物 i)吸着官能基:S基(スルフィド基) ii)R4及びR5は、同一でも異なっていてもよく、それ
ぞれ脂肪族化合物残基であり、より具体的には以下のも
の: a)アルキル残基(例えば、−(CH2)17CH3) b)ハロゲン(F、Br、Cl)置換アルキル残基 が挙げられ、中でも、アルキル残基であることが好まし
い。
【0024】なお、本発明にかかる自己集合性化合物は
上記のものに限定されず、所定の基材表面に自己集合単
分子膜を形成できるものであればよいが、硫黄は金に対
して特異的な親和性を示すことから基材として金を使用
する場合は吸着官能基として硫黄を含む前述のジスルフ
ィド化合物、スルフィド化合物、チオール化合物が好ま
しい。
【0025】また、本発明にかかる自己集合性化合物を
構成する脂肪族化合物残基も上記のものに限定されず、
使用する基材と吸着官能基との組合わせ等に応じて選択
されるが、脂肪族化合物残基としてアルキル残基又はハ
ロゲン置換脂肪族化合物残基(例えばハロゲン置換アル
キル残基)又はアルコール残基を用いる場合は炭素数が
1〜22の範囲内のものが好ましく、炭素数が5〜18
の範囲内のものが特に好ましい。炭素数が多過ぎると基
材と自己集合性化合物との結合の熱的安定性が高くなり
過ぎる傾向にあり、他方、炭素数が少な過ぎると基材に
吸着した自己集合性化合物の充分な均一性が得られない
可能性が生じる傾向にあるからである。
【0026】また、本発明においては、上記自己集合性
化合物として少なくとも2種類のものの混合物を使用し
てもよい。
【0027】以上説明したような自己集合性化合物を基
材の表面に供給し、自己集合単分子膜を形成せしめる方
法としては特に制限はなく、公知の方法を用いて前記化
合物を基材に吸着させればよい。具体的には、例えば、
前述の基材を自己集合性化合物が溶解している溶液に浸
漬した後取り出し、基材表面を洗浄して膜形成に関与し
ていない自己集合性化合物を除去することで均一に自己
集合性化合物が吸着した基材を得ることができる。ここ
で、自己集合性化合物を溶解する溶媒としては、例え
ば、メタノール、メタノール−水混合溶液、エタノー
ル、THF、ジエチルエーテル、ジクロロメタンが挙げ
られ、中でもメタノール−水混合溶液、エタノールを用
いることが好ましい。また、前記洗浄液としては、例え
ば、メタノール、メタノール−水混合溶液、エタノー
ル、THF、ジエチルエーテル、ジクロロメタンが挙げ
られ、中でもメタノール−水混合溶液、エタノールを用
いることが好ましい。ここで、前記浸漬の条件として
は、例えば、溶媒の濃度が0.1〜10mmolである
ことが好ましく、1〜2mmolであることがより好ま
しく、また、温度条件が0〜60℃(溶媒の沸点以下)で
あることが好ましく、室温〜40℃であることがより好
ましく、さらに、時間が12〜48時間であることが好
ましい。
【0028】また、自己集合単分子膜を形成せしめる方
法として、通電法を用いてもよい。すなわち、前記自己
集合性化合物を前記基材上に供給し、前記基材に通電し
て前記自己集合単分子膜を形成させてもよい。
【0029】通電法を用いて自己集合単分子膜を形成さ
せる実施形態においては、図1に示すように、先ず、基
材1を、自己集合性化合物2の溶液3に浸析して基材1
の表面に自己集合性化合物2を供給する(図1
(a))。このようにすると、基材1の表面(固液界
面)に一部の自己集合性化合物2が自発的に配列・吸着
し、残りの自己集合性化合物2は溶液中に溶解したまま
の状態となる。このとき、基材1の一端に一方の端子が
接続され且つ基材1の他端に他方の端子が接続されてい
る電源(通電装置)20bによって基材に通電する。こ
のように基材1に通電すると、基材1の表面に自己集合
性化合物2が高速度で配列・吸着し、自己集合性化合物
2が高密度で均一に配列した単分子層の吸着膜(自己集
合単分子膜)が短時間で形成される。このような自己集
合単分子膜の形成速度を左右する因子としては、印加電
流、温度、溶媒の種類、溶液濃度等があり、用いる自己
集合性化合物と基材との組合わせに応じて製膜速度が速
くなるように適宜選択される。
【0030】なお、基材に通電する際の印加電流は、よ
り短時間で単分子膜を形成するためには0.1A以上が
好ましく、1〜5Aがより好ましい。印加電流が前記下
限未満では単分子膜の形成に要する時間が充分には短縮
されない傾向にあり、他方、印加電流が前記上限を超え
ると必要な通電装置並びに漏電防止用等の付随装置の規
模が大きくなってコスト面で不都合が生じる傾向にあ
る。また、印加電圧は特に制限されないが、基材の抵抗
に応じて前記印加電流が通電されるように調節されるこ
とが好ましい。更に、単分子膜の形成は室温でも可能で
ある。溶媒は特に制限されないが、単分子層内への侵入
性が低いことが好ましく、自己集合性化合物の溶解性の
観点から有機溶媒が好ましい。中でも、エタノール(プ
ロトン性極性溶媒)、酢酸エチル(非プロトン性極性溶
媒)、ヘキサン(無極性溶媒)等が好適に使用される。
また、溶液中の自己集合性化合物の濃度としては、単分
子膜を確実に得るためには0.0001mM以上が好ま
しく、0.01mM以上10mM以下がより好ましい。
溶液濃度が前記下限未満では、単分子膜の形成に要する
時間が長くなる傾向にあり、他方、溶液濃度が前記上限
を超えると、自己集合性化合物自体が自己集合を妨害し
たり、過剰な自己集合性化合物が表面に析出したりする
可能性が生じる傾向にあるからである。
【0031】なお、本発明においては、上記のように基
材自体に通電しながら自己集合単分子膜を形成させた場
合、前述のように自己集合性化合物の吸着速度が向上
し、通電しなかった場合に比べて製膜に要する時間が1
/2以下程度に短縮される。
【0032】このように形成された自己集合単分子膜
は、溶媒で洗浄して膜形成に関与していない自己集合性
化合物を除去し、更に乾燥して溶媒を除去する。なお、
かかる洗浄工程は必ずしも必須ではなく、乾燥工程だけ
であってもよい。
【0033】次に、本発明にかかる第2の工程について
説明する。
【0034】本発明の第2の工程は、前記第1の工程で
形成された自己集合単分子膜において、所望の部分の自
己集合単分子膜を剥離する工程である。
【0035】自己集合性化合物を基材から剥離させる方
法としては、剥離したい自己集合性化合物にエネルギー
を供給し、自己集合単分子膜を剥離する作用を有する方
法であれば特に制限はされないが、所定の波長を有する
光を自己集合単分子膜が剥離される所望の部分に照射し
て、この部分の自己集合単分子膜を剥離させることが好
ましい。前記光としては、例えば、紫外線、レーザー、
可視光、赤外光の照射が挙げられる。
【0036】前記紫外線を照射する際の条件としては、
紫外線の波長範囲が150〜380nmであることが好
ましい。紫外光の範囲が前記範囲外である場合には十分
に自己集合単分子膜の剥離が生じない傾向にある。ま
た、紫外線を照射する時間としては特に制限はないが、
60秒より長時間照射することが好ましい。
【0037】また、前記レーザーを照射する際の波長と
しては、特に制限されないが、赤外レーザー、紫外レー
ザーを用いることが好ましい。赤外レーザーを使用した
場合は加熱、また紫外レーザーを用いた場合は化合物自
体の分解により、それぞれ、自己集合単分子膜の剥離が
可能である。また、レーザーの照射条件としては、基材
や、基材表面に被覆された前記導電性材料に溶解やエッ
チング等の熱的、形状的影響が出ない条件であれば特に
制限されない。しかし、レーザーにより自己集合単分子
膜と基材を同時に剥離・加工し、基材の形状加工と自己
集合単分子膜の剥離を同時に行うことも可能である。
【0038】基材から自己集合性化合物を剥離する方法
としては、前述した光線の他に熱処理を挙げることがで
きる。
【0039】前記加熱の条件としては、100〜400
℃で加熱することが好ましい。温度が前記範囲以下であ
る場合には十分に自己集合単分子膜の剥離が生じない傾
向にあり、前記範囲以上の場合、剥離は十分に行われる
が、過剰な加熱によりコスト、消費エネルギーが高くな
る傾向にある。また、加熱時間は1〜10分であること
が好ましい。
【0040】本発明にかかる第2の工程では、基材上の
所望の部分の自己集合性化合物を剥離すればよいが、所
望の部分を選択して剥離する方法としては特に制限され
ず、例えば、図1(c)に示すように、所望のネガパタ
ーンを成形したフォトマスク4を自己集合性化合物2が
吸着した基材1である自己集合単分子膜上に固定し、フ
ォトマスク4に向けて光線等を照射することにより所望
の部分のみの自己集合性化合物が剥離された自己集合単
分子膜を得ることができる(図1(d))。
【0041】また、自己集合性化合物を剥離したい部分
に直接光線を照射して自己集合性化合物を剥離してもよ
い。例えば、メッキを施す部分が微細なパターンである
場合には、レーザー等の拡散しにくい光を直接照射する
ことにより、微細なパターンに自己集合性化合物を剥離
することが可能である。
【0042】次に、本発明にかかる第3の工程について
説明する。
【0043】本発明にかかる第3の工程は、前記第2の
工程において自己集合性化合物が剥離した部分に電解メ
ッキを施す工程である。
【0044】前記電解メッキとしては特に制限はなく、
通常用いられる電解メッキと同様の方法で行えばよい。
具体的には、例えば、図1(e)に示すように、電源の
負端子に接続されたメッキ用電極20eを自己集合性化
合物2が付着した基材に接続し、前記電源の正端子に接
続された電極が設置されたメッキ浴に浸漬させ、電源か
ら電流を供給する。自己集合性化合物2が剥離し、基材
が露出している部分6表面では、メッキ液中に溶解して
いる金属イオンが還元され、基材が露出している部分6
表面に金属が析出する。自己集合性化合物2で被覆され
た部分では金属の析出は生じないため、基材が露出して
いる部分6表面にのみメッキ金属7が析出することにな
る。ここで、前記メッキ液中に溶解している金属として
は、通常メッキに用いられる金属であれば特に制限はな
いが、例えば、金、ニッケル、銀、銅、ロジウム、錫、
錫−鉛合金、クロムが挙げられ、中でも金、ニッケルが
好ましい。
【0045】また、メッキを施す際の条件としては、通
常用いられる条件であれば特に制限はないが、例えば、
金メッキの場合、前記メッキ液の組成としては、シアン
化金、塩酸等の混合水溶液を含むものが好適に使用でき
る。また、この場合、メッキ時の電流密度は0.1〜
1.5A/dm2であることが好ましく、pHは3〜5
であることが好ましく、温度は30〜50℃であること
が好ましい。また、ニッケルメッキの場合、前記メッキ
液の組成としては、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、ホウ
酸等の混合水溶液を含むものが好適に使用できる。ま
た、この場合、メッキ時の電流密度は0.2〜2A/d
2であることが好ましく、pHは4〜6であることが
好ましく、温度は40〜70℃であることが好ましい。
【0046】さらに、本発明の部分メッキ方法において
は、上述したような電解メッキを施した後に、当該部分
メッキを施さなかった部分に残存する自己集合性化合物
を除く工程をさらに含んでいてもよい。すなわち、図1
(f)で示すように電解メッキが施された基材に上記光
を照射し、残余の自己集合性化合物を除くことができ
る。このような光の種類や照射条件は上述の光と同様の
ものが使用できる。
【0047】以上、本発明の部分メッキ方法について説
明したが、このような部分メッキ方法を用いることによ
り、ソルダレジストの塗布・乾燥工程を必要とせず、簡
易な工程で部分メッキを施すことが可能となるため、従
来の部分メッキ方法と比較して時間の短縮が可能であ
る。
【0048】また、絶縁性物質として自己集合性化合物
を使用するため、基材への密着性が非常に高くなるとと
もに自己集合単分子膜自体の厚さも非常に薄く、パター
ン精度が非常に高い部分メッキが可能となる。従って、
微細なパターンにメッキを施すことが可能となるばかり
か、従来のフィルム状のレジスト膜を用いた部分メッキ
では困難であった曲面を有する対象物や凹部にも容易に
部分メッキが可能となる。
【0049】すなわち、本発明の部分メッキ方法によれ
ば、簡易な工程で、且つ、パターン精度が非常に高いこ
とを同時に達成した部分メッキが可能となる。
【0050】
【実施例】以下、実施例により本発明の内容をより具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定さ
れるものではない。
【0051】実施例1 SAMが絶縁体として機能するか否かを確認するため、以
下の試験を行った。
【0052】図2に示したように、ガラス基板10上に
金属マスクを用いてライン形状のAu/Cr薄膜11を真空
蒸着し、これに自己集合性化合物としてアルカンチオー
ル13を修飾した。真空蒸着には真空蒸着装置PVC−4
10A (ULVAC製)を用いた。次に、前記のAu/Cr蒸着膜
11と交差するようにさらにAu薄膜12を蒸着し、Au1
2−SAM13−Au/Cr11の順に重ね合わされた積層薄膜
を作製した(図2(d):断面図)。Auラインは上下層
とも1mm幅のものを作製し、上層と下層は直交するよう
に設置した。
【0053】Au/Cr及びAuの蒸着の条件を以下に示す。
なお、吸着は常温下で行った。 下層(Au/Cr)…膜厚:〜2000オングストローム/
50オングストローム 蒸着速度:3オングストローム/秒/1オングストロー
ム/秒 上層(Au)…膜厚:1000オングストローム 蒸着速度:1オングストローム/秒。
【0054】SAMの修飾条件を以下に示す。 材料:n−ヘキサデカンチオール 溶媒:エタノール 濃度:1mmol/L。
【0055】SAMが絶縁体として機能しているか否かを
確認するため、以下の2通りの方法で抵抗値の測定を行
った。
【0056】すなわち、上下層間の抵抗値をマルチメー
ターで測定した。抵抗値の測定の際の印加電流は10nA、
max500Vで行った。この条件では抵抗値は測定範囲上限
の200Mオーム以上の抵抗値を示した。
【0057】また、低電圧印加時の電流量を測定するこ
とで抵抗値を求めた。上下層間に1mVの電圧を印加した
ときの電流値は0.005nA以下を示し、このときの抵抗値
は200Mオーム以上であった。
【0058】比較例1 Au/Cr薄膜を真空蒸着したものにアルカンチオールSAMを
修飾せず、Au−Au/Crの順に重ね合わされた積層薄膜を
作製して用いた以外は実施例1と同様にして(図3)、
抵抗値の測定を行った。
【0059】低電圧印加時の電流量を測定することで抵
抗値を求めた場合に、上下層間に1mVの電圧を印加した
ときの電流値は0.139mAを示し、このときの抵抗値は約
7オームであった。
【0060】実施例1及び比較例1より、自己集合単分
子膜が絶縁体として機能していることが確認された。
【0061】実施例2 一部を切れ欠いた環状体を部分メッキを介して積層する
ことにより、コイルを製造した(図3)。
【0062】具体的には、ガラス基板14上に一部を切
れ欠いた環状体を示す蒸着マスク8を用いてAu薄膜を真
空蒸着9し、さらに自己集合性化合物としてn−ヘキサ
デカンチオール15を修飾した。このようにして製造さ
れたAu薄膜の端部16のアルカンチオール15の一部を
紫外線で剥離し、この部分に部分メッキを施した。部分
メッキは、メッキ液としてニッケルメッキ浴(硫酸ニッ
ケル:260g/l、塩化ニッケル:50g/l、ホウ
酸:40g/lを水を溶媒として調整したニッケル水溶
液)を用い、浴温度50℃、pH5.0、電流密度0.
7A/dm2で、電解メッキによって行った。次に、前
記の蒸着マスクを反時計回りに90゜回転し、以上の工
程と同様にAu薄膜を真空蒸着した。
【0063】以上の工程を合計3回繰り返し、巻き数が
2.25回の積層コイルを製造した。
【0064】次に、製造したコイルの両端に、電導性ペ
ーストを用いてリードを取り付け、マルチメーター・オ
シロスコープに接続した。永久磁石を軸先端に取り付け
たモーターの磁石近傍にコイルを置き、コイルと磁石の
間が3mmになるように設定した。モータを回転させて磁
界を変化させたところ、最大17mV(起電力変化の軌
跡波形はモーターの回転による磁界の変化によく対応し
た正弦波を得た)の導電起電力の変化を観測できた。
【0065】以上より、部分メッキを用いて製造された
コイルがコイルとして機能していることが確認された。
【0066】比較例2 Au薄膜を真空蒸着したものにアルカンチオールSAMを修
飾しなかった以外は実施例2と同様にして、コイルの誘
電起電力の変化を測定した。
【0067】その結果、最大約0.01mVの電圧変化
を確認したのみであった。これはAu層が導通状態である
ために、コイル全体が単なるリング状の導体となり、コ
イル両端間において電圧差が生じなかったためと考えら
れる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の部分メッ
キ方法によれば、簡易な工程でパターン精度の高い部分
メッキを施すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(g)は本発明にかかる自己集合単分
子膜を利用して部分メッキを施す方法の一例を示す断面
模式図である。
【図2】(a)〜(c)は本発明にかかる自己集合単分
子膜の絶縁性を確認した際のサンプルの模式図である。
(d)はAu/Cr薄膜11とAu薄膜12とが交差する部分
の断面模式図である。
【図3】(a)〜(e)は本発明の部分メッキ方法を利
用してコイルを製造した場合の一例を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1…基材、2…自己集合性化合物、3…自己集合性化合
物溶液、4…フォトマスク、5…光(紫外線等)、6…
基材が露出している部分、7…メッキ金属、8…蒸着マ
スク、9…Au蒸着、10…ガラス基板、11…Au/Cr薄
膜、12…Au薄膜、13…アルカンチオール、14…ガ
ラス基板、15…アルカンチオール修飾、16…Au薄膜
の端部、17…Au薄膜が蒸着したガラス基板、20a…
化合物供給装置、20b…通電装置(電源)、20c…
メッキ浴、20d…通電装置(電源)、20e…電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の一部分にメッキを施す部分メッキ
    方法であって、 該基材の表面に吸着して自己集合単分子膜を形成するこ
    とが可能な自己集合性化合物を該基材の表面に供給し、
    自己集合単分子膜を形成せしめる第1の工程と、 前記第1の工程で形成された自己集合単分子膜におい
    て、所望の部分の自己集合単分子膜を剥離する第2の工
    程と、 前記第2の工程において自己集合単分子膜が剥離した部
    分に電解メッキを施す第3の工程と、を含むことを特徴
    とする部分メッキ方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の工程において、所定の波長を
    有する光を、前記自己集合単分子膜が剥離される所望の
    部分に照射して該部分の自己集合単分子膜を剥離するこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の部分メッキ方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の工程において、前記自己集合
    性化合物を前記基材上に供給し、前記基材に通電して前
    記自己集合単分子膜を形成せしめることを特徴とする請
    求項1または2に記載の部分メッキ方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載の部
    分メッキ方法において、電解メッキを施した後に、残余
    の自己集合性化合物を除く工程をさらに含むことを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の部分メッキ
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9147780B2 (en) 2012-12-17 2015-09-29 Kaneka Corporation Solar cell, method for manufacturing same, and solar cell module
CN113892192A (zh) * 2019-05-23 2022-01-04 瑞士电子显微技术研究与开发中心股份有限公司 制造光伏电池的方法

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US9147780B2 (en) 2012-12-17 2015-09-29 Kaneka Corporation Solar cell, method for manufacturing same, and solar cell module
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