JP2007084850A - 回路パターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】親水性を有する部分と撥水性を有する部分の両者でパターンが形成された基板を、チオール化合物と貴金属微粒子を含有する触媒化液に浸漬して上記基板の親水性を有する部分又は撥水性を有する部分のいずれか一方に前記貴金属微粒子を選択的に吸着させることにより無電解めっきの触媒となし、次いで該基板上にめっき法によるパターン回路を形成させる工程を含む。
【選択図】 なし
Description
このとき、無電解銅めっきを施すにあたっては、通常錫パラジウム系の触媒が用いられるが、錫パラジウム系触媒は優れた触媒性能を有するため銅めっき以外にも例えばニッケル等の無電解めっきを施す際の一般的な触媒として広く用いられている。しかしながら、錫パラジウム系触媒は不導体上への強固な吸着力や強い触媒活性という利点が逆に問題となる場合があることが知られている。
基板上の結晶化シリコンアレイにTFT、CMOS等を直接形成する方法では、これらの電極部と同レベルの微細配線形成が必要となる。そのため基板上への配線回路形成において適用されてきた、基板表面のエッチング、レジスト印刷、パラジウムコロイド吸着、及び無電解銅めっきによる従来の製造プロセスは煩雑であり、基板表面のエッチングに伴う電気信号の遅延及び配線の微細化への対応に問題がある。
また、特開2004−98351号公報には、表面に微妙な凹凸を有する高分子基材と、該高分子基材上にパターン状に形成された撥水層及び高親水層とを有するパターン形成体が記載されている。
少なくとも下記(A):
(A)下記一般式(I)又は(II):
一般式(I) HS(CH2)n−X
一般式(II) HS(CH2)n−Y−Z
(ここで、nは1〜12の整数を表し、XはH、OH又はNH2を表し、Yは、COO又はSO3を表し、Zは、H、Na又はKを表す)
で表されるチオール化合物の少なくとも一種、
及び(B):
(B)貴金属微粒子、
を含有する触媒化液に浸漬することによって、
上記基板の親水性を有する部分又は撥水性を有する部分のいずれか一方に前記貴金属微粒子を吸着させることにより無電解めっきの触媒となして、該基板上にめっき法によるパターン回路を形成させることを特徴とする回路パターン形成方法にあり、これによって現状の煩雑な配線回路形成プロセス(基板表面のエッチング、レジスト印刷、パラジウムコロイド吸着、及び無電解銅めっき)を用いることなく、基板上に直接回路パターン形成することができる。
少なくとも下記(A):
(A)下記一般式(I)又は(II):
一般式(I) HS(CH2)n−X
一般式(II) HS(CH2)n−Y−Z
(ここで、nは1〜12の整数を表し、XはH、OH又はNH2を表し、Yは、COO又はSO3を表し、Zは、H、Na又はKを表す)
で表されるチオール化合物の少なくとも一種、
及び(B):
(B)貴金属微粒子、
を含有する触媒化液に浸漬することによって、
上記基板の親水性を有する部分又は撥水性を有する部分のいずれか一方に前記貴金属微粒子を吸着させることにより無電解めっきの触媒となして、該基板上にめっき法によるパターン回路を形成させる工程を含むことを特徴とする回路基板の製造方法である。
本発明で用いられるチオール化合物と貴金属微粒子を含有する触媒化液の調製方法は、特に限定されるものではないが、例えば、特開2004−67932に記載のような方法により調製することができる。例えば、貴金属化合物の水溶液からなる水性相を、テトラアルキルアンモニウム塩(例えば、臭化テトラ−n−オクチルアンモニウム等)の疎水性有機溶媒(例えば、トルエン等)からなる有機相と混合して貴金属イオンを水性相から有機相に移層した後、該有機相についてチオール化合物の存在下に還元剤(例えば、水素化ホウ素ナトリウム水溶液)を用いて還元することにより貴金属微粒子を形成させ、次いでこれを適当な溶媒に分散することにより調製することができる。
一般式(I) HS(CH2)n−X
一般式(II) HS(CH2)n−Y−Z
上記の一般式(I)及び(II)において、XはH、OH又はNH2を表し、Yは、COO又はSO3を表し、Zは、H、Na又はKを表す。nは1〜12の整数である。
本発明の実施形態において、一般式(I)で表される化合物の含有量は、金属に対し、好ましくは0.1〜10倍mol、より好ましくは0.5〜5倍molが好ましい。
本発明の実施形態において、触媒化液中の貴金属微粒子の含有量は、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%が好ましい。
また、触媒化液の溶媒は、貴金属微粒子を分散液中に分散させられ得る溶媒であれば、特に限定されるものではないが、トルエン等の有機溶媒が好適に用いられる。
このような貴金属微粒子は、平均粒径100nm以下のものが好適に用いられ、平均粒径50nm以下のものが一層好適に用いられ、平均粒径20nm以下のものが最も好適に用いられる。
本発明の他の実施形態において、一般式(II)で表される化合物の含有量は、貴金属に対し、好ましくは0.1〜10倍mol、より好ましくは0.5〜5倍molが好ましい。
本発明の実施形態において、触媒化液中の貴金属微粒子の含有量は、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%が好ましい。
また、触媒化液の溶媒は貴金属微粒子を分散液中に分散させられ得る溶媒であれば、特に限定されるものではないが、水及び塩基性の水が好適に用いられる。
このような貴金属微粒子は、平均粒径100nm以下のものが好適に用いられ、平均粒径50nm以下のものが一層好適に用いられ、平均粒径20nm以下のものが最も好適に用いられる。
本発明で用いられる親水層及び撥水層が形成される基板は、高い親水性を有する層と、高い撥水を有する層が形成されるものであれば、特に限定されるものではない。
親水層としては、この分野で周知の酸化珪素(シリカ)膜及びガラス基板が、また、撥水層には自己組織化単分子化膜が特にあげられる。
ここで、本発明における水との接触角は、被測定対象物の表面上に、純水を一滴(一定量)滴下させ、一定時間(10秒間)経過後顕微鏡又はCCDカメラを用いて水滴形状を観察し、物理的に接触角を求めた値である。
親水層が酸化珪素膜又はガラス基板であり、撥水層が自己組織化単分子膜である、親水層及び撥水層とを有するパターン形成体。
ここで自己組織化単分子膜とは、固体/液体もしくは固体/気体界面で、有機分子同士が自発的に集合し、会合体を形成しながら自発的に単分子膜を形作っていく有機薄膜である。例として、基板材料と化学的親和性の高い官能基と、基板との化学反応を全く起こさないアルキル基との2つのパートからなる有機分子の溶液又は蒸気にさらすと、親和性の高い官能基がその末端にある場合、分子は反応性末端が基板側を向き、アルキル基が外側を向いて吸着する。アルキル基同士が集合すると、全体として安定になるため、化学吸着の過程で有機分子同士は自発的に集合する。分子の吸着には、基板と末端官能基との間で化学反応が起こることが必要であることから、一旦基板表面が有機分子でおおわれ単分子膜ができあがると、それ以降は分子の吸着は起こらない。その結果、分子が密に集合し、配向性のそろった有機単分子膜ができる。このような膜を本実施態様においては、自己組織化単分子膜とする。
ガラス基板表面を水酸化カリウム溶液で洗浄後、n−オクタデシルトリメトキシシラン(OTS)とともに湿度10%、170℃、1.5時間の条件下でCVD法によりアルキル基を末端に有するOTS単分子膜をガラス基板上に作成し、フォトマスクを介して2時間紫外光照射を行い、基板上のOTS膜を選択的に除去・分解することで、ガラス基板上に親水性及び撥水性とを有するパターンを形成した。この基板をデカンチオールを含む金微粒子触媒化液(A)に浸漬後、溶媒を乾燥させ、無電解金めっき(大和化成 ダインゴールドAC−2)を行うことで、OTSの撥水性パターン上にのみ、金配線パターンを形成させることができた。作成された基板のSEM(走査電子顕微鏡)写真を図1に示した。
(A)デカンチオールを含む金微粒子触媒化液
塩化金酸水溶液から金イオンをテトラ−n−オクチルアンモニウムブロマイドにより水層からトルエン層に移層後、1−デカンチオール存在下で、水素化ホウ素ナトリウム水溶液を用いて還元することにより金微粒子を合成し、エタノールで再沈殿精製した。得られた金微粒子を含有量が1重量%となるようにトルエンに分散し、触媒化液を調製した。このようにして調製した触媒化液は、24時間経過後も何らの沈澱を生成せず、良好なコロイド溶液を形成した。TEM観察により測定した金微粒子の平均粒径は5nmであった。
厚さ約20nmの酸化珪素膜を有するシリコンウエハ基板表面を紫外光で洗浄後、n−オクタデシルトリメトキシシラン(OTS)とともに湿度10%、170℃、1.5時間の条件下でCVD法によりアルキル基を末端に有するOTS単分子膜をガラス基板上に作成し、フォトマスクを介して2時間紫外光照射を行い、基板上のOTS膜を選択的に除去・分解することで、シリコンウエハ基板上に親水性及び撥水性とを有するパターンを形成した。この基板をメルカプトウンデカン酸を含む金微粒子触媒化液(B)に浸漬後、溶媒を乾燥させ、無電解金めっき(大和化成 ダインゴールドAC−2)を行うことで、OTSの撥水性パターン上にのみ、金配線パターンを形成させることができた。
(B)メルカプトウンデンカン酸を含む金微粒子触媒化液
塩化金酸水溶液から金イオンをテトラ−n−オクチルアンモニウムブロマイドにより水層からトルエン層に移層後、11−メルカプトウンデカン酸存在下で、水素化ホウ素ナトリウム水溶液を用いて還元することにより金微粒子を合成し、クロロホルムで再沈殿精製した。得られた金微粒子を含有量が1重量%となるようにトルエンに分散し、触媒化液を調製した。このようにして調製した触媒化液は、24時間経過後も何らの沈澱を生成せず、良好なコロイド溶液を形成した。TEM観察により測定した金微粒子の平均粒径は10nmであった。
厚さ約20nmの酸化珪素膜を有するシリコンウエハ基板表面を紫外光で洗浄後、n−オクタデシルトリメトキシシラン(OTS)とともに湿度10%、170℃、1.5時間の条件下でCVD法によりアルキル基を末端に有するOTS単分子膜をガラス基板上に作成し、フォトマスクを介して2時間紫外光照射を行い、基板上のOTS膜を選択的に除去・分解することで、シリコンウエハ基板上に親水性及び撥水性とを有するパターンを形成した。この基板をメルカプトウンデカン酸を含む金微粒子触媒化液(C)に浸漬後、溶媒を乾燥させ、無電解金めっき(大和化成 ダインゴールドAC−2)を行うことで、酸化珪素膜の親水性パターン上にのみ、金配線パターンを形成させることができた。
(C)メルカプトウンデンカン酸を含む金微粒子触媒化液
塩化金酸水溶液から金イオンをテトラ−n−オクチルアンモニウムブロマイドにより水層からトルエン層に移層後、11−メルカプトウンデカン酸存在下で、水素化ホウ素ナトリウム水溶液を用いて還元することにより金微粒子を合成し、クロロホルムで再沈殿精製した。得られた金微粒子を水酸化ナトリウム水溶液に加えた後、1−プロパノールにより再沈殿精製した。得られた金微粒子を含有量が1重量%となるように水に分散し、触媒化液を調製した。このようにして調製した触媒化液は、24時間経過後も何らの沈澱を生成せず、良好なコロイド溶液を形成した。TEM観察により測定した金の微粒子の平均粒径は10nmであった。
厚さ約20nmの酸化珪素膜を有するシリコンウエハ基板表面を紫外光で洗浄後、n−オクタデシルトリメトキシシラン(OTS)とともに湿度10%、170℃、1.5時間の条件下でCVD法によりアルキル基を末端に有するOTS単分子膜をガラス基板上に作成し、フォトマスクを介して2時間紫外光照射を行い、基板上のOTS膜を選択的に除去・分解することで、シリコンウエハ基板上に親水性及び撥水性とを有するパターンを形成した。この基板にメルカプトウンデカン酸を含む金微粒子触媒化液(C)を滴下後、塩酸溶液を添加し基板上で金微粒子を凝集させた。溶媒を乾燥した後、蒸留水で超音波洗浄を行い、無電解金めっき(大和化成 ダインゴールドAC−2)を行うことで、OTSの撥水性パターン上にのみ、金配線パターンを形成させることができた。
厚さ約20nmの酸化珪素膜を有するシリコンウエハ基板表面を紫外光で洗浄後、n−オクタデシルトリメトキシシラン(OTS)とともに湿度10%、170℃、1.5時間の条件下でCVD法によりアルキル基を末端に有するOTS単分子膜をガラス基板上に作成し、フォトマスクを介して2時間紫外光照射を行い、基板上のOTS膜を選択的に除去・分解することで、シリコンウエハ基板上に親水性及び撥水性とを有するパターンを形成した。この基板をメルカプトウンデカン酸を含む金微粒子触媒化液(C)に浸漬後、溶媒を乾燥させ、下記(D)の組成の無電解銅めっき浴を用いて無電解銅めっきを行うことで、酸化珪素膜の高親水パターン上にのみ、銅配線パターンを形成させることができた。
(D)無電解銅めっき浴
硫酸銅 10g/L
ホルマリン 12ml/L
EDTA 25g/L
PEG#400 0.5g/L
安定剤 微量
苛性ソーダ 10g/L(pH12.3)
Claims (7)
- 親水性を有する部分と撥水性を有する部分の両者でパターンが形成された基板を、
少なくとも下記(A):
(A)下記一般式(I)又は(II):
一般式(I) HS(CH2)n−X
一般式(II) HS(CH2)n−Y−Z
(ここで、nは1〜12の整数を表し、XはH、OH又はNH2を表し、Yは、COO又はSO3を表し、Zは、H、Na又はKを表す)
で表されるチオール化合物の少なくとも一種、
及び(B):
(B)貴金属微粒子、
を含有する触媒化溶液に浸漬することによって、
上記基板の親水性を有する部分又は撥水性を有する部分のいずれか一方に前記貴金属微粒子を選択的に吸着させることにより無電解めっきの触媒となし、次いで該基板上にめっき法によるパターン回路を形成させる工程を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。 - 前記触媒化液が、該溶液中の貴金属微粒子が24時間以上凝集沈降することが無い触媒化溶液であることを特徴とする請求項1に記載の回路基板の製造方法。
- 前記貴金属微粒子が、平均粒径が100nm未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の回路基板の製造方法。
- 前記(B)の化合物が、前記一般式(II)においてZがHの化合物又は上記一般式(I)の化合物から選ばれる化合物であり、無電解めっきを施される部分が撥水性を有する部分である請求項1〜3のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
- 前記(B)の化合物が、前記一般式(II)においてZがNa又はK化合物から選ばれる化合物であり、無電解めっきを施される部分が親水性を有する部分である請求項1〜3のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
- 前記(B)の化合物が、前記一般式(II)においてZがNa又はK化合物から選ばれる化合物であり、前記触媒化溶液を該基板上で酸性となして、金属微粒子を凝集させることによって、無電解めっきを施される部分が撥水性を有する部分である請求項1〜3のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
- 前記貴金属微粒子が、金、銀、パラジウム、ロジウム、白金から選ばれた少なくとも一
種である請求項1〜6のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
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