JP2002261349A - 圧電トランスおよびac−dcコンバータ - Google Patents

圧電トランスおよびac−dcコンバータ

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JP2002261349A
JP2002261349A JP2001059466A JP2001059466A JP2002261349A JP 2002261349 A JP2002261349 A JP 2002261349A JP 2001059466 A JP2001059466 A JP 2001059466A JP 2001059466 A JP2001059466 A JP 2001059466A JP 2002261349 A JP2002261349 A JP 2002261349A
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piezoelectric
piezoelectric transformer
voltage
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electrode
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JP2001059466A
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Takahiro Yamakawa
孝宏 山川
Kazumasa Asumi
一将 阿隅
Masayuki Watanabe
雅幸 渡邉
Ryoichi Fukunaga
了一 福永
Junko Seki
順子 関
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Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Taiheiyo Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周波数変換回路等を必要とせず、耐久性に優
れた圧電トランスを提供する。 【解決手段】 圧電トランス10は積層体21と拘束部
材22からなる。入力部10aの圧電体層11aと出力
部10bの圧電体層11bとは厚みが異なり、入力部の
電極層12aを介して所定の交流電圧を圧電体層11a
に印加したときに生ずる伸縮変位を拘束部材22によっ
て抑制して出力部10bに応力を発生させ、出力部10
bの電極層12bから出力電圧を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノート型パーソナ
ルコンピュータ等の携帯型電子機器に好適に用いられ、
好ましくは非共振周波数を用いて駆動される圧電トラン
スと圧電トランスを用いたAC−DCコンバータに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、薄型で昇圧比の高い圧電トランス
が、液晶表示装置のバックライト点灯用電源等に用いら
れるようになってきている。このような圧電トランスと
しては、例えば、図3に示す圧電トランス30のような
単板型構造のものが知られており、圧電トランス30
は、矩形板状の圧電体31の長手方向半分の一方がその
主面に入力用電極32a・32bが形成され、厚み方向
に分極された入力部(一次側)となっており、長手方向
半分の他方が、その端面に電極32cが形成され、長手
方向に分極された出力部(二次側)となっている。
【0003】このような圧電トランス30の一般的な駆
動方法は、入力用電極32a・32bに共振周波数の電
気信号を入力して、出力部も含めた圧電トランス30全
体を共振させるというものである。このときの共振振動
モードの代表例としては、圧電トランス30の長手方向
長さをLとすれば、長手方向の両端面からそれぞれL/
4の長さの位置に振動の節を生じさせるλ/2モードを
挙げることができ、λ/2モードで駆動する圧電トラン
ス30を回路基板へ装着したり、またはケースに収納す
る際には、共振振動を阻害しないように振動振幅が小さ
い節の部分で保持する方法が用いられる。
【0004】このように、圧電トランスは一般的に共振
周波数で駆動されるために、出力電圧も入力電圧の周波
数と同じ周波数の交流電圧として得られる。このため、
実際に圧電トランスを液晶表示装置等に組み込む場合に
は、圧電トランスから出力された交流電圧を直流電圧に
変換するための変換器が必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、圧電ト
ランスの共振周波数は、圧電トランスの長さや利用する
振動モードにもよるが、おおよそ50kHz〜200k
Hzであるのに対し、日本国を含めて一般的な商用周波
数は50Hz〜60Hzであるため、商用周波数を共振
周波数に変換する回路が必要であった。また、圧電トラ
ンスは温度変化等によって共振周波数が微妙に変化する
ため、この変化に追従させるための回路等も必要とな
る。このため、従来は、圧電トランス制御用の専用IC
を組み込む必要があった。さらに、圧電トランスにおい
ては、振動の節の部分に大きな応力が発生することか
ら、この部分において破壊する危険性が高いという問題
がある。従って、このような圧電トランスを用いたAC
−DCコンバータは、付属回路等によって大型化する問
題があった。
【0006】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、周波数変換回路等を必要と
せず、耐久性に優れた圧電トランスを提供することを目
的とする。また、本発明はこのような圧電トランスを用
いた小型のAC−DCコンバータを提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、圧電体層と電極層が交互に積層され、前記電極層を
介して隣接する圧電体層は電極層に垂直な方向において
互いに逆向きに分極されている積層体と、前記積層体の
積層方向における変位を抑制する変位抑制機構と、を具
備し、前記積層体は圧電体層の厚みを異ならしめた入力
部と出力部とを有し、前記入力部の電極層を介して入力
部の圧電体層に所定の交流電圧を印加したときに圧電体
層に生ずる伸縮変位を前記変位抑制機構によって抑制す
ることにより前記出力部に応力を発生させて、前記出力
部の電極層から出力電圧を得ることを特徴とする圧電ト
ランス、が提供される。
【0008】また、本発明によれば、上記圧電トランス
を用いたAC−DCコンバータ、すなわち、圧電体層と
電極層が交互に積層された入力部と出力部とを有し、前
記入力部と前記出力部とでは圧電体層の厚みが異なる積
層体、および、前記積層体の積層方向における変位を抑
制する変位抑制機構を具備し、前記入力部に所定の交流
電圧を印加したときに入力部に生ずる伸縮変位を前記変
位抑制機構によって抑制することにより前記出力部に応
力を印加して、前記出力部から所定の交流出力電圧を得
る圧電トランスと、前記圧電トランスからの交流出力電
圧を直流電圧に変換する整流回路と、を具備することを
特徴とするAC−DCコンバータ、が提供される。
【0009】本発明の圧電トランスは、圧電体層を積層
方向において伸縮振動させ、これによって生ずる応力を
利用して高電圧化や大電流化を行うため、駆動周波数の
制限がなく、これにより商用周波数を用いる場合におい
て、共振周波数への変換回路等の付属回路を必要としな
い。また、積層体は積層方向に掛かる応力に対しては優
れた機械的強度を有するために、圧電トランスの寿命の
長期化を図ることができる。さらに、従来の単板型の圧
電トランスは振動を抑制しないようにして保持する必要
があったが、本発明の圧電トランスは振動を抑制して駆
動するものであるため基板等への装着が容易である。さ
らにまた、本発明の圧電トランスを用いたAC−DCコ
ンバータは付属回路を有しないことから小型化が容易で
ある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の圧電トランスに用いられ
る圧電体としては、圧電セラミックスや圧電性高分子等
の各種の圧電材料が挙げられ、その材質に制限はない
が、本実施の形態においては、圧電体として圧電セラミ
ックスを用いた場合について説明することとする。
【0011】図1は本発明の圧電トランスの一実施形態
示した斜視図である。圧電トランス10は、圧電体層1
1aと電極層12aが交互に積層された入力部(一次
側)10aおよび圧電体層11bと電極層12bが交互
に積層された出力部(二次側)10bからなる積層体2
1と、積層体21の積層方向の伸縮変位を抑制する拘束
部材22から構成されている。
【0012】圧電トランス10においては、入力部10
aと出力部10bの厚み(積層方向の長さ)を同じとし
ている。また、圧電トランス10は、昇圧用トランスと
して好適に用いることができるように、入力部10aの
圧電体層11aの厚みが圧電体層11bの厚みよりも薄
く形成されており、従って、入力部10aにおける圧電
体層11aの積層数が、出力部10bにおける圧電体層
11bの積層数よりも多くなっている。
【0013】入力部10aにおいて、電極層12aは一
層おきに接続されており、一対の電極13a・13bが
形成されている。また、出力部10bにおいても、電極
層12bも一層おきに接続されて一対の電極14a・1
4bが形成されている。ここで、圧電トランス10にお
いては、電極13bと電極14bとが接続され、入力用
電極および出力用電極として共用される共用電極15と
なっている。この共用電極は、アース用電極として用い
られる。
【0014】入力部10aにおいて、電極層12aを介
して隣接する圧電体層11aは電極層12aに垂直な方
向(積層方向)において互いに逆向きに分極されてお
り、出力部10bについても同様に、電極層12bを介
して隣接する圧電体層11bは積層方向において互いに
逆向きに分極されている。なお、図1においては、全て
の圧電体層11a・11bについて分極の向きは示して
いない。
【0015】拘束部材22は積層体21よりも高剛性、
高弾性の材料、例えば、金属またはセラミックス等から
なり、入力部10aに所定の電圧を印加したときに、入
力部10aに生ずる圧電体層11aの積層方向の伸縮変
位を抑制している。なお、拘束部材22は、積層体21
の積層方向において、積層体21に所定の圧縮加重を加
えている状態とすることも好ましく、このように積層体
21に圧縮加重を加えても、圧電トランス10の性能は
何ら悪い影響を受けない。
【0016】上記構造を有する圧電トランス10は、例
えば、以下の方法を用いて作製することができる。すな
わち、最初に、所定の組成を有する圧電セラミックス粉
末、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛系の圧電セラミック
ス粉末を用いてセラミックスグリーンシート(以下「グ
リーンシート」という)を作製する。このグリーンシー
トの作製は、公知の方法、例えば、ドクターブレード法
や押出成形法、カレンダロール法等を用いることができ
る。
【0017】ここで、グリーンシートを成形するにあた
っては、厚みの薄い圧電体層11aに対応する1種類の
厚みのグリーンシートを成形する手段と、厚みの異なる
圧電体層11a・11bのそれぞれに対応する2種類の
グリーンシートを成形する手段とがある。本実施形態で
は、1種類の厚みのグリーンシートを成形する場合につ
いて説明するものとする。
【0018】こうして作製したグリーンシートを焼成収
縮や加工しろを考慮して打ち抜き加工または切り取り加
工等し、作製する圧電トランス10の形状に適合した所
定形状のシートを作製する。ここで、作製する積層体2
1の積層方向端の面積が小さい場合には、後述する方法
によって作製された積層体から複数個の圧電トランス1
0が得られるように、シートの大きさを調節することも
好ましい。
【0019】こうして得たシートを、電極を印刷するシ
ート(以下「印刷用シート」という)と、電極の印刷を
行わずに圧電体層の厚みを増すために用いるシート(以
下「増厚用シート」という)に分け、印刷用シートに、
例えば、銀/パラジウムや白金等の電極ペーストをスク
リーン印刷法等を用いて印刷する。ここで、電極ペース
トの印刷は、例えば、焼成後に2〜5μm程度となるよ
うに印刷厚みを調節し、また、形成される電極層をその
後に一層おきに接続することが容易となるように、印刷
するパターンを定めることが望ましい。
【0020】次に、入力部10aとなる部分を形成する
ために、電極ペーストが印刷された印刷用シートを位置
合わせしながら所定枚数ほど積層する。次に、出力部1
0bとなる部分を形成するために、先に形成された入力
部10aとなる部分の上に、例えば、増厚用シートを1
0枚積層した後に印刷用シートを1枚積層するといった
ように、複数枚の増厚用シートと1枚の印刷用シートを
順次に積層する。こうして、入力部10aの圧電体層1
1aと出力部10bの圧電体層11bの厚みに差を設け
ることができる。なお、最初に出力部10bとなる部分
を増厚用シートと印刷用シートを積層して形成し、次に
入力部10aとなる部分を形成してもよい。
【0021】印刷用シートと増厚用シートからなる積層
体を熱プレス等を用いて熱圧着し、一体化する。こうし
て一体化された積層体を所定の条件にて焼成すること
で、1枚の印刷用シートから圧電体層11aが形成さ
れ、複数枚の増厚用シートと1枚の印刷用シートから圧
電体層11bが形成され、印刷用シートに印刷された電
極ペーストから電極層12a・12bが形成される。
【0022】得られた焼成体の側面や表面に、必要に応
じて、研削加工や研磨加工を施して形状を整え、次い
で、銀ペースト等を用いて、入力部10aの電極層12
aを一層おきに接続して電極13aを、また出力部10
bの電極層12bを一層おきに接続して電極14aを、
入力部10aと出力部10bの一層おきに残された電極
層12a・12bを接続して電極15を形成し、所定の
温度で処理して銀ペースト等を焼き付ける。通常、この
銀ペースト等の焼き付け処理は焼成温度よりも低い温度
で行う。そして、必要に応じて形成された電極13a・
14a・15にリード線を取り付ける。
【0023】続いて、電極13a・15間に所定の電圧
を印加して入力部の分極処理を行い、その後に電極14
a・15間に所定の電圧を印加して出力部の分極処理を
行う。このとき、電極13a・14aを高電位側とし、
電極15をアース用として用いると、図1に示すよう
に、圧電体層11a・11bは電極15に接続された電
極層から電極13a・14aに接続された電極層へ向か
う方向に分極される。
【0024】この分極処理においては、入力部の分極処
理において圧電体層11aに印加される電界の大きさ
と、出力部の分極処理において圧電体層11bに印加さ
れる電界の大きさを等しくして、圧電体層11a・11
bが同等の圧電特性を有するようにする。なお、分極処
理は、圧電セラミックスのキュリー点より低い所定の温
度において所定時間行われ、入力部の分極処理と出力部
の分極処理はどちらを先に行ってもよい。
【0025】分極処理された積層体21を拘束部材22
に接着剤等を用いて固定して、圧電トランス10が作製
される。拘束部材22として、3辺を構成するコの字型
部材に1辺を構成する板状部材を取り付ける構成のもの
を用いると、積層体21に所定の圧縮応力を掛けなが
ら、拘束部材22へ積層体21を固定する作業を容易に
行うことができる。
【0026】上述のようにして作製された圧電トランス
10において、電極13a・15間に所定の交流電圧を
印加すると、入力部10aの圧電体層11aには積層方
向に伸縮する振動が生ずる。しかしながら、この伸縮振
動は拘束部材22によって妨げられているために、出力
部10bに、圧電体層11aが伸長しようとするときに
は圧縮応力が掛かり、また、圧電体層11aが縮もうと
するときには引張応力が掛かる。この応力によって出力
部10bに所定の交流電圧が発生し、この交流電圧を電
極層12bを介して電極14a・15により取り出すこ
とができる。
【0027】このように圧電トランス10は、入力部1
0aに歪みを生じさせたときに出力部10bに発生する
応力によって出力部10bから所定の電圧を得るもので
あり、積層体21の共振を利用するものではない。従っ
て、入力部10aに印加する電圧の周波数帯域は任意で
ある。しかしながら、例えば、共振周波数等のキロヘル
ツオーダー以上の高い周波数で駆動した場合には、圧電
セラミックスの有する誘電損失による発熱量が大きくな
る問題がある。
【0028】このため、圧電トランス10は、共振周波
数よりも低い周波数で駆動することが好ましい。具体的
には、50Hzや60Hzといった商用周波数の電圧を
そのまま利用することが可能であり、この場合には、従
来の共振を利用した圧電トランスと比較して、圧電トラ
ンス10の駆動のための周波数変換装置を必要とせず、
また圧電トランス10の共振周波数の温度変化等に追従
させるための回路も不要となる。こうして、駆動回路を
簡単なものとして軽量化、低コスト化が実現される。な
お、積層体21は積層方向に掛かる応力に対しては優れ
た機械的強度を有しているため、圧電トランス10は長
寿命であるという特徴をも有する。
【0029】圧電トランス10においては、入力部10
aと出力部10bの積層方向長さが同じであり、かつ、
出力部10bの圧電体層11bの厚みが入力部10aの
圧電体層11aの厚みよりも厚くなっていることから、
エネルギーの変換損失がないと仮定すると、ほぼ圧電体
層11a・11bの厚み比(圧電体層11bの厚み/圧
電体層11aの厚み)に相当する昇圧が可能となる。
【0030】ここで、出力部10bに発生する電圧の大
きさは、入力部10aで発生する歪みの大きさに依存す
るため、積層体21における入力部10aの占有体積を
出力部10bの占有体積に対して大きく取れば、大きな
歪みを小さな体積で受けることとなるため、より高い昇
圧が可能となる。また、出力部10bの体積が不変の場
合には、出力部10bを形成する圧電体層11bの積層
数を少なくすることによっても、昇圧比を大きくするこ
とが可能である。
【0031】圧電トランス10は、上述の通り、所定周
波数の交流電圧を印加して、同周波数の交流電圧を得る
ものであることから、例えば、直流電圧を必要とする場
合には、この出力交流電圧を直流電圧に変換する必要が
ある。
【0032】図2は、圧電トランス10を用いたAC−
DCコンバータ50の構成を示した説明図である。圧電
トランス10は、上述の通り、共振周波数を用いて駆動
する必要がないことから、商用周波数電源を用いて駆動
する場合にも、周波数変換装置等を必要としない。この
ため、図2に示すように、AC−DCコンバータ50
は、整流素子(ダイオード)51a・51bとコンデン
サ52からなるダイオード整流器60を用いるだけで容
易に直流電圧を得ることが可能である。
【0033】以上、本発明の実施の形態について説明し
てきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるもので
はない。上記説明においては、圧電トランス10を昇圧
用トランスとして用いた場合について説明したが、圧電
トランス10において入力部10aと出力部10bを逆
に用いる、つまり、厚みの厚い圧電体層11b側を入力
部として用い、厚みの薄い圧電体層11a側を出力部と
して用いることによって、圧電トランス10を電流増幅
用トランスとして用いることも可能である。この場合に
は、入力電圧に対して出力電圧は低下するが、電極層1
2a間の距離が短く、全体的な電極面積が広くなること
から、電極層12aはより多くの電荷を得て大きな電流
を取り出すことが可能となる。
【0034】なお、圧電トランス10を昇圧用トランス
として用いる場合または電流増幅トランスとして用いる
場合のいずれの場合においても、圧電体層11a・11
bの厚みの絶対値は、入力電圧の大きさや必要とされる
出力電圧の大きさ、または出力電流の大きさ等を考慮し
て、適宜、適切な値に定められる。
【0035】また、上記実施の形態では、積層体21は
グリーンシートを用いた一体焼成法により製造したが、
その他の方法、例えば、表裏主面に電極が形成された板
状の圧電体と金属箔とを交互に接着剤等を用いて積層し
て積層体を製造する方法を用いることもできる。この場
合には、接着剤が入力部で生じた歪みを吸収し難いよう
に、材質および接着厚みを制御する必要がある。さら
に、拘束部材22は、例えば、圧電トランス10を装着
する基板に設けられたものであってもよい。つまり、圧
電トランス10は、使用時に積層体21がその積層方向
で変位を拘束されていればよく、常に、積層体21と拘
束部材22が一体としてある必要はない。
【0036】
【発明の効果】上述の通り、本発明の圧電トランスによ
れば、圧電体層を積層方向において伸縮振動させ、これ
によって生ずる応力を利用して高電圧化や大電流化を行
うため、駆動周波数に制限がない。従って、商用周波数
の電源を直接に駆動用電源として用いることが可能であ
り、この場合には、商用周波数から共振周波数への変換
回路等の付属回路を必要としないために、駆動回路を簡
単化して、軽量化と低コスト化が実現されるという効果
を奏する。また、積層体は積層方向に掛かる応力に対し
ては優れた機械的強度を有するために、圧電トランスの
寿命が長期化される効果が得られる。さらに、従来の単
板型の圧電トランスは振動を抑制しないようにして保持
する必要があったが、本発明の圧電トランスは振動を抑
制して駆動するものであるため基板等への装着が容易で
ある。本発明の圧電トランスを用いれば、小型で軽量の
AC−DCコンバータが実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電トランスの一実施形態を示す斜視
図。
【図2】本発明の圧電トランスを用いたAC−DCコン
バータの構成の一実施形態を示す説明図。
【図3】従来の単板型圧電トランスの構造を示す斜視
図。
【符号の説明】
10;圧電トランス 10a;入力部 10b;出力部 11a・11b;圧電体層 12a・12b;電極層 13a・13b・14a・14b・15;電極 21;積層体 22;拘束部材 30;単板型圧電トランス 31;圧電体 32a・32b;入力用電極 32c;出力用電極 50;AC−DCコンバータ 51a・51b;整流素子(ダイオード) 52;コンデンサ 60;ダイオード整流器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邉 雅幸 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 太平洋 セメント株式会社内 (72)発明者 福永 了一 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 太平洋 セメント株式会社内 (72)発明者 関 順子 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 太平洋 セメント株式会社内 Fターム(参考) 5H006 AA00 CB03 CC01 CC08 5H730 AA15 AS01 BB21 EE02 EE07 ZZ19

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体層と電極層が交互に積層され、前
    記電極層を介して隣接する圧電体層は電極層に垂直な方
    向において互いに逆向きに分極されている積層体と、 前記積層体の積層方向における変位を抑制する変位抑制
    機構と、 を具備し、 前記積層体は圧電体層の厚みを異ならしめた入力部と出
    力部とを有し、 前記入力部の電極層を介して入力部の圧電体層に所定の
    交流電圧を印加したときに圧電体層に生ずる伸縮変位を
    前記変位抑制機構によって抑制することにより前記出力
    部に応力を発生させて、前記出力部の電極層から出力電
    圧を得ることを特徴とする圧電トランス。
  2. 【請求項2】 前記積層体の共振周波数よりも小さい非
    共振周波数で駆動されることを特徴とする請求項1に記
    載の圧電トランス。
  3. 【請求項3】 圧電体層と電極層が交互に積層された入
    力部と出力部とを有し、前記入力部と前記出力部とでは
    圧電体層の厚みが異なる積層体、および、前記積層体の
    積層方向における変位を抑制する変位抑制機構を具備
    し、前記入力部に所定の交流電圧を印加したときに入力
    部に生ずる伸縮変位を前記変位抑制機構によって抑制す
    ることにより前記出力部に応力を印加して、前記出力部
    から所定の交流出力電圧を得る圧電トランスと、 前記圧電トランスからの交流出力電圧を直流電圧に変換
    する整流回路と、 を具備することを特徴とするAC−DCコンバータ。
JP2001059466A 2001-03-05 2001-03-05 圧電トランスおよびac−dcコンバータ Pending JP2002261349A (ja)

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