JP2002260540A - 電子式加熱パイプおよびその製造方法 - Google Patents

電子式加熱パイプおよびその製造方法

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JP2002260540A JP2001106497A JP2001106497A JP2002260540A JP 2002260540 A JP2002260540 A JP 2002260540A JP 2001106497 A JP2001106497 A JP 2001106497A JP 2001106497 A JP2001106497 A JP 2001106497A JP 2002260540 A JP2002260540 A JP 2002260540A
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heating
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Kazuo Miyamoto
和夫 宮本
Masashi Suzuki
政司 鈴木
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MUSASHINO SEIKI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】瞬時に均一に加熱できる加熱パイプを提供す
る。 【構成】円筒形状の加熱パイプにおいて、その側面が加
熱面となることに加えて、中空で真空状態を維持してい
る前記パイプの内部に前記側面と接触しない電子源を備
えていることを特徴とする電子式加熱パイプ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感光ドラムなどで使用さ
れる電子式加熱パイプおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機やプリンタでトナーを定着させる
感光ドラムについては様々な技術情報が公開されてい
る。特許庁特許等公開情報で検索すると多数の文献が得
られる。要約および特許請求の範囲について検索した場
合には、例えば(複写機+コピー)x(感光ドラム)の
キーワード検索では193件が、さらに(加熱+余熱)
の条件で絞り込むと18件が得られる。上記193件の
中から本発明の関連技術の観点で内容を吟味していくつ
かの文献を選出した。特開2001−27865(発明
の名称:画像形成装置、画像形成制御方法及び記憶媒
体、出願人:キヤノン株式会社)では、ステイプルを行
う際に、給紙カセットに充填された転写材の向きと原稿
の文字方向に対応して潜像の回転角度を決定し、1番適
切な位置または2番目に適切な位置にステイプルするこ
とを可能とした画像形成装置、画像形成制御方法及び記
憶媒体を提供するという課題に対して、画像形成された
転写材をステイプルするステイプルモードが選択された
場合、排紙する転写材の文字角度が、1番適切な位置に
ステイプルされる0度、或いは2番目に適切な位置にス
テイプルされる−90度になるように、文字方向信号と
給紙カセット36、37に充填された転写材の方向に応
じて感光ドラム30に形成する潜像を回転させる制御を
行うシステムコントローラ101を有する技術を公開し
ている。この公開特許の詳細な説明では内容は複写機等
における感光ドラムの役割について詳しく述べられてい
る。感光ドラムはトナーを定着させるために加熱する必
要がある。節電のためには複写機を使用していない間は
加熱を停止しておきたいが、この場合には、いざ使用し
ようという時には感光ドラムが均一に温まるまで待たな
ければならず不便である。特開2000−47445
(発明の名称:画像形成装置、出願人:シャープ株式会
社)においては、トナーを確実に定着させて画質を向上
し、残留トナーの温度を管理してトナーを確実に再利用
するとともに、消費電力を節減できる省エネルギータイ
プの画像形成装置を提供するという課題に対して、複写
機30では、感光ドラム48が記録材に転写するための
トナー像を担持し、定着装置49のヒータH1が転写さ
れたトナー像を記録材に定着させ、クリーニング装置6
が転写後に感光ドラム48に残留するトナーを除去す
る。複写機30全体はハウジングによって覆われ、第1
換気系統FA1はハウジングの内部と外部とを換気し、
制御部73は、クリーニング装置6の温度を検出する温
度センサTH1からの出力に応じて第1換気系統FA1
の換気量を制御する。これによって、回収されたトナー
を有効に再利用し、良好な画質を確保することができる
という解決手段を提供している。この技術では感光ドラ
ムおよびその周辺の換気を制御することで使用する場合
に最適な温度状態を短時間に作り出すものである。特開
平5−289589(発明の名称:面状ヒーター装着部
品および装着方法、出願人:菱有工業株式会社)では、
乾式電子写真方式複写機、半導体レーザー乾式電子写真
方式によるプリンターなどの感光ドラムまたは露光ドラ
ムなどの加熱面に温度むらが出ないよう管状物の内壁に
面状ヒーターを全面が密着する状態で装着するための部
品および装着方法を得ることを目的として、金属または
合成樹脂などを用いたL形片とS形片とを一対とする装
着部品でこれを面状ヒーターの裏面の相対する周辺に固
定して発熱面を外側として筒状に巻いて感光ドラムなど
の管状物に挿入して装着することを提案している。感光
ドラムを短時間に均一に加熱するために面状ヒーターを
用いる技術の紹介である。特開2000−313947
(発明の名称:電子写真感光ドラム基体用管体の製造方
法、出願人:昭和アルミニウム株式会社)では、電子写
真方式出力機器用の長尺感光ドラムに使用できる振れ精
度が高く、出力画像の高画質化の要望に応えることがで
き、かつ高速度の切削、大きい切込量を取ることがで
き、仕上げ面の品位や精度を高く確保できる材料からな
る感光ドラム基体用管体の製造方法の提供を目的とし
て、Al−Mg−Si系アルミニウム合金を引き抜く技
術を提案している。特開2000−241996(発明
の名称:感光ドラム素管、及び感光ドラムの製造方泡並
びに感光ドラム素管の把持装置、出願人:新潟日本電気
株式会社)では、感光ドラム素管の内側を把持する際に
生ずるアルミ粉の発生をなくし、感光ドラム素管の内側
のエアーを一部抜いてから密閉することにより、クリー
ンルームのクリーン度を保ち、塗料内へのアルミ粉の浸
入を防ぎ、感光ドラム素管の表面の異物不良を軽減して
歩留まりの向上を図るための感光ドラム素管の把持方法
及びその把持装置、並びに感光ドラム素管を提供する点
にあることを目的として、感光ドラムを減圧で処理する
ことを提案している。具体的には、
【請求項11】で「前記感光ドラム素管を塗料槽内へ浸
入したとき、前記感光ドラム素管の液面空間部のエアー
を排気するエアー抜き配管を備え、該エアー抜き配管
は、前記液面空間部のエアーを所定量排気した後、前記
エアー抜き配管を閉じて、前記感光ドラム素管内の下部
空間である前記液面空間部と上部空間である管内空間部
との気密を保つことを特徴とする請求項7乃至10のい
ずれかに記載の感光ドラム素管の把持装置。」と表現し
ている。以上紹介した通り、従来は感光ドラムの加熱パ
イプについては如何に短時間に均一に加熱するかという
課題に対して電熱ヒーターの形状の工夫(特開平5−2
89589)や周辺温度制御のための換気(特開200
0−47445)が行われている。アルミ粉塵が装置組
み上がり後に悪影響しないように製造工程で感光ドラム
内部のエアー抜きする提案もなされている(特開200
0−241996)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の加熱パイプでは
短時間に均一に加熱パイプを昇温するために例えば面状
加熱ヒーターを用いる等の工夫をしているが、面状ヒー
ターを用いる場合には加熱パイプ表面(アルミニウムま
たはアルミニウム合金製)を温めるために前記アルミニ
ウム等の円筒素材に加えて面状ヒーターも加熱しなけれ
ばならない。加熱昇温するべき材料が多くなる分だけ加
熱に時間を要するし、加熱に必要な電力消費も多くな
る。他に実際に使用している短時間昇温の方法としては
ランプ加熱がある。円筒素材の板厚を薄くして加熱材料
の量を減らしておいてそれをランプであぶって昇温する
方法である。この方法では均一に昇温するために光が均
一に照射することが難しい。ランプからは昇温に有効な
赤外線よりも波長が短い光も多く放射されるのでランプ
加熱による加熱パイプ昇温の消費電力効率が悪いという
課題も抱えている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の電子式加熱パイ
プは、第1に円筒形状の加熱パイプである特徴に加え
て、その側面が加熱面となることに加えて、中空で真空
状態を維持している前記パイプの内部に前記側面と接触
しない電子源を備えていることを、第2に、第1の特徴
に加えて、前記加熱面が前記電子源に対して正電位にバ
イアスされていることを、第3に、第1または第2の特
徴に加えて、前記電子源が母線よりも低仕事関数な物質
をコーティングしたフィラメント線であることを、第4
に、第1または第2の特徴に加えて、前記電子源がコー
ルドカソードであることを、第5に、第1から第4のい
ずれかの特徴に加えて、前記電子源がパイプ端部近傍で
は螺旋密度が高く中央部では螺旋密度が低い螺旋形状線
であることを、第6に、第1から第5のいずれかの特徴
に加えて、前記電子源の電極の少なくとも1つが前記真
空状態を形成するための排気管を兼ねていることを特徴
とし、本発明の加熱パイプの製造方法は、前記第1から
第6のいずれかの特徴を備える電子式加熱パイプを、前
記真空状態を形成後に排気管を封止することを特徴と
し、または第8に、前記第1から第6のいずれかの特徴
を備える電子式加熱パイプを、前記加熱パイプの組立作
業を真空容器内で行った後に、前記パイプを密閉し、そ
の後に前記真空容器内を大気に戻すことを特徴とする。
【0005】
【作用】本発明において、第1に円筒形状の加熱パイプ
である特徴に加えて、その側面が加熱面となることに加
えて、中空で真空状態を維持している前記パイプの内部
に前記側面と接触しない電子源を備えていることを特徴
とする場合には中空で真空状態を維持していることで電
子が真空中を飛行することができる。ここで言う真空状
態とはこの電子が飛行するのを妨げない程度に残留ガス
が除去されている状態を言う。具体的には1x10^−
3Pa以下の中真空もしくは高真空である。大気圧から
低真空領域ではパッシェの法則という気体放電限界が求
められている。本発明において低真空領域ではこのパッ
シェの法則以下の条件すなわち気体放電を起こさない条
件も真空状態と呼ぶことにする。この真空状態の円筒容
器の内部に電子源が配置されている。この電子源は円筒
容器側面とは電気的に絶縁状態である。絶縁状態にして
おくことで電子源に印加された電圧が前記側面に加わる
ことを防いでいる。前記側面には電子源と独立に電位を
与えられる。第2に、第1の特徴に加えて、前記加熱面
が前記電子源に対して正電位にバイアスされていること
を特徴とする場合には、前記電子源から放出された電子
が正電位の加熱面すなわち正電位の側面に飛び込む。
尚、電子は負電位の粒子であるので真空状態の中を正電
位電極に向けて飛行する。バイアスで加速されて側面に
飛び込んだ電子は自身が持つ運動エネルギーを側面に与
えるのでこのことで側面が加熱される。バイアスが大き
いほど、また、電子量が多いほど急速に加熱される。前
記バイアスは電子源と加熱面との相対的な電位差のこと
であるので側面が接地電位で電子源が負電位の場合も含
まれる。第3に、第1または第2の特徴に加えて、前記
電子源が母線よりも低仕事関数な物質をコーティングし
たフィラメント線であることを特徴とする場合には、前
記電子源がタングステンやタンタル線やニクロム線など
の導電性材料を母線として出来ておりこの母線の表面に
イットリウムやセシウムやバリウム等の低仕事関数材料
をメッキや浸漬法やスプレー法でコーティングしてある
フィラメント線である。このフィラメント線を通電加熱
することで熱電子放出がなされる。尚、前記側面の内面
が鏡面研磨されて特に赤外光の反射率を高めてある場合
には少ない電力でフィラメントを短時間に加熱すること
ができる。フィラメント表面状態に凹凸を付ける等の赤
外光吸収率を高める表面処理がなされている場合には反
射された赤外光をよく吸収するので輻射光による昇温特
性がさらに向上する。第4に、第1または第2の特徴に
加えて、前記電子源がコールドカソードであることを特
徴とする場合には、電子を放出する仕組みが熱と無関係
であるので電子源を加熱する必要がなく、加熱に要する
電力や加熱時間が省ける。コールドカソードの原理とし
て電界放出を用いる場合には電子源自身に電子引き出し
電極を備えて電子放出面(カソード)、電子引き出し電
極(グリッド)、加熱側面(コレクター)の三極管構造
となり、コレクターとグリッドの役割を加熱側面に担わ
せる場合には二極管構造となる。三極管構造では電子放
出をきめ細かく制御できるし、二極管構造では単純な構
造で電子放出と側面加熱ができる。第5に、第1から第
4のいずれかの特徴に加えて、前記電子源がパイプ端部
近傍では螺旋密度が高く中央部では螺旋密度が低い螺旋
形状線であることを特徴とする場合には、円筒側面の中
心部分が周辺部分よりも短時間に高温に加熱する場合に
それを抑制する作用がある。電子源がフィラメント線の
場合には螺旋密度が高い部分ほど電子放出面が多くさら
に互いに高温に加熱されたフィラメント線同士が近接し
ていることで螺旋密度が高い部分ほど加熱温度も高く電
子放出率が高くなる。コールドカソードの場合にも電子
放出源の密度が高い周辺部分で加熱のための電子が多く
放出されるので周辺部がより加熱されて、全体として中
央部と周辺部とが同じ速さで加熱される。第6に、第1
から第5のいずれかの特徴に加えて、前記電子源の電極
の少なくとも1つが前記真空状態を形成するための排気
管を兼ねていることを特徴とする場合には、2つの機能
を1つの部分が兼ねることで構造が単純になりコスト低
減になる。排気管を銅やアルミニウム金属で構成した場
合には真空引き後にこの排気管の一部をつぶすことで真
空封止できる。本発明の加熱パイプの製造方法は、前記
第1から第6のいずれかの特徴を備える電子式加熱パイ
プを、前記真空状態を形成後に排気管を封止することを
特徴とする場合には、排気管を封止した後には円筒容器
内が真空を維持できる。第8の特徴として、前記第1か
ら第6のいずれかの特徴を備える電子式加熱パイプを、
前記加熱パイプの組立作業を真空容器内で行った後に、
前記パイプを密閉し、その後に前記真空容器内を大気に
戻すことを特徴とする場合には、加熱パイプを真空環境
で組み立てることで特別に排気管を設けなくても円筒容
器の内部が真空になる。
【0006】
【実施例】本発明の第一の実施例について図1を用いて
説明する。複写機の感光ドラムに用いる電子式加熱パイ
プの例である。アルミニウム合金製の円筒側面1と円筒
底板2で囲まれた空間は真空部分3となっている。それ
ぞれの円筒底板には直径4mm円筒形で銅製の電子源電
極4が固定されていてタングステンフィラメント線5が
2つの電子源電極間に張られている。前記フィラメント
線の太さは直径0.1mmである。前記円筒底板はセラ
ミックスの場合もあり、ガラスの場合もあり、樹脂の場
合もある。図に描くようにフランジ6が取り付けてあ
る。このフランジで複写機内部に固定されて回転して使
用される。フィラメントはフィラメント加熱電源7から
供給される電力で通電加熱されて熱電子を放出する。こ
の場合にフィラメント加熱電源は直流電源である。円筒
側面印加コネクタ8は周辺に取り付けてあり、側面を円
筒側面バイアス電源9でバイアスして放出電子を側面内
側に飛び込ませて急速に加熱をする。バイアス電圧は2
kVにして飛び込む電子の電流量は10mAとする。こ
のことで円筒側面は20Wで急速に加熱される。真空部
分の真空度を1x10^−4Pa以下に保つためにゲッ
ター10を内蔵している。このゲッターはBa型ゲッタ
ーの場合もあり、非蒸発型ゲッターの場合もある。電子
は放電することなく真空中を飛んで側面内側に飛び込
む。
【0007】本発明の第2の実施例を図2に描く。フィ
ラメント加熱電源7’が交流電源であることが特徴であ
る。また、電子源電源4の1つが中空のパイプ形状とな
っている。この材質は銅である。このパイプの右端に真
空排気装置を接続して真空引きをした後に封じ切り部分
11をつぶして封じきる。フィラメント線はタングステ
ンの母線にイットリウム系のコーティングがなされてい
る。その他の特徴は図1で説明したのと同様である。
【0008】本発明の第3の実施例として製造方法を示
す。図2で示した加熱パイプの製造方法である。(あ)
の段階では密閉容器が完成している。真空部分3はまだ
大気である。アルミニウム合金の円筒側面1と円盤状の
円筒底板2とは接着剤で密閉接着してある。(い)の段
階では真空排気装置100で真空引きしている。この状
態ではパイプ状の電子源電極4の封時きり部分はまだ押
しつぶされていない。ターボ分子ポンプ製の真空排気装
置で1時間程真空引きして1x10^−4Pa台の真空
度に達した段階でまずフィラメント加熱電源7’の電源
をかけてフィラメントを赤熱させる。真空度が1x10
^−3Pa以上にならないように電源を調整しながらフ
ィラメント温度を1100℃にまで上げていく。次にフ
ィラメント温度を800℃に下げて円筒側面バイアス電
源を徐々に2kVまで昇圧する。加速された熱電子が側
面に飛び込んで前記側面が電子加熱される。フィラメン
ト温度を一定にするようにフィラメント加熱電源のパワ
ーを抑制する場合もあるし、パワーを固定しておく場
合、すなわちフィラメント温度が上昇するに任せておく
場合とがある。電子加熱を10分程行った後に上記全て
の電源を切って5分ほど待ってからBa蒸発型のゲッタ
ー10を蒸発させる。その後(う)に示したように封じ
切り部分11をつぶして封じ切る。(え)は封じ切り後
のエージング段階を示している。複写機に組み込む前に
(い)の段階と同様に電子加熱する。
【0009】本発明の第4の実施例を図4に示す。円筒
側面のバイアス電圧を変えた場合に加熱均一性にどのよ
うに影響するかを測定した結果である。図2の(い)で
示した電子式加熱パイプでフィラメント線から放出した
電子を300Vのバイアス電圧と1kVのバイアス電圧
で加速した場合の側面の温度変化を測定した結果であ
る。図4の(あ)に描いたように円筒の中心位置Cと周
辺位置AとAとCとの中間位置Bの3箇所の温度変化を
(い)に示した。300Vバイアスの場合にはA,B,
Cの各部の昇温がゆっくりであることと、中心部分
(C)の昇温が急であることが特徴である。この理由は
中心部分であるCはフィラメントの輻射熱による昇温の
効果を最も受けることと、Cに近接したフィラメント温
度が周辺よりも高くなることで熱電子放出も多く、電子
加熱をより多く受けるためである。一方、バイアス電圧
1kVの場合にはより短時間にしかもA,B,Cの温度
差も少ない傾向にある。この理由は加速された電子によ
る加熱の効果が大きい分だけ熱輻射による加熱寄与が少
ないからである。
【0010】本発明の第5の実施例を図5に示す。タン
グステン線またはニッケル線であるカソード配線12の
表面に部分的に電子放出材料13をコーティングした例
である。この例は電界電子放出、別の表現ではコールド
カソードであるので、ダイヤモンドライクカーボンやダ
イヤモンド、またはカーボンナノチューブなどの炭素系
材料をコーティングしてある。表面に部分的に塗布する
理由は加熱面である円筒側面が均一に加熱できるように
電子の放出密度を最適化するためである。加熱されやす
い中心部分はコーティング密度を下げておく。電子放出
は図に描くようにカソード配線を接地して円筒側面を正
電位にバイアスする場合と反対に円筒側面を接地してカ
ソード配線を負電位にバイアスする場合とがある。
【0011】本発明の第6の実施例を図6に描く。スパ
イラルフィラメントを用いた例である。螺旋状に巻いた
フィラメント線を使用して図6(あ)に示すように円筒
周辺部では螺旋の密度を高くして中心部分では螺旋をほ
どいた状態にする。このようにすると(い)に示したよ
うにA,B,Cの温度差がほとんどない均一な加熱が出
来る。比較のために図4で示した結果をストレートフィ
ラメントの結果として同時に掲載してある。短時間で昇
温されていることも特徴である。
【0012】
【発明の効果】本発明の電子式加熱パイプを用いると短
時間に均一に円筒側面を加熱できる。この加熱パイプを
用いた複写機や印刷機は待機時に感光ドラムを加熱保持
せずにしかも使用時に瞬時に使用できる加熱状態に移行
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す模式図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す模式図である。
【図3】本発明の第3の実施例を示す工程図である。
【図4】本発明の第4の実施例を示す模式図(あ)と実
験結果(い)である。
【図5】本発明の第5の実施例を示す模式図である。
【図6】本発明の第6の実施例を示す模式図(あ)と実
験結果(い)である。
【符号】
1は円筒側面、2は円筒底板、3は真空部分、4は電子
源電極、5はフィラメント線、6はフランジ、7と7’
はフィラメント加熱電源、8は円筒側面印加コネクタ、
9は円筒側面バイアス電源、10はゲッター、11は封
じ切り部分、12はカソード配線、13は電子放出材
料、100は真空排気装置である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 19/72 H01J 19/72 H05B 7/00 H05B 7/00 Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒形状の加熱パイプにおいて、その側面
    が加熱面となることに加えて、中空で真空状態を維持し
    ている前記パイプの内部に前記側面と接触しない電子源
    を備えていることを特徴とする電子式加熱パイプ。
  2. 【請求項2】請求項1の電子式加熱パイプにおいて、前
    記加熱面が前記電子源に対して正電位にバイアスされて
    いることを特徴とする電子式加熱パイプ。
  3. 【請求項3】請求項1または2の加熱パイプにおいて、
    前記電子源が母線よりも低仕事関数な物質をコーティン
    グしたフィラメント線であることを特徴とする電子式加
    熱パイプ。
  4. 【請求項4】請求項1または2の加熱パイプにおいて、
    前記電子源がコールドカソードであることを特徴とする
    電子式加熱パイプ。
  5. 【請求項5】請求項1から4のいずれかの加熱パイプに
    おいて、前記電子源がパイプ端部近傍では螺旋密度が高
    く中央部では螺旋密度が低い螺旋形状線であることを特
    徴とする電子式加熱パイプ。
  6. 【請求項6】請求項1から5のいずれかの電子式加熱パ
    イプにおいて、前記電子源の電極の少なくとも1つが前
    記真空状態を形成するための排気管を兼ねていることを
    特徴とする電子式加熱パイプ。
  7. 【請求項7】請求項1から6のいずれかの電子式加熱パ
    イプの製造方法において、前記真空状態を形成後に排気
    管を封止することを特徴とする電子式加熱パイプの製造
    方法。
  8. 【請求項8】請求項1から6のいずれかの電子式加熱パ
    イプの製造方法において、前記加熱パイプの組立作業を
    真空容器内で行った後に、前記パイプを密閉し、その後
    に前記真空容器内を大気に戻すことを特徴とする電子式
    加熱パイプの製造方法。
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